JP4114419B2 - 熱輸送装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、熱を輸送する熱輸送装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子装置の小型化、高性能化が進められている。例えば、ノートパソコンやPDA(Personal Digital Assistant:携帯情報端末)等のモバイル機器に高性能なCPU、グラフィックアクセラレータ等の電子デバイスが搭載されるようになってきている。高性能な電子デバイスは発熱が多いのが通例である。従い、電子装置の内部温度の上昇により、その動作が不安定になるのを防止するため、電子装置内部の熱を放熱する必要がある。この一方、放熱を電子装置の小型化の要請に反しないように行わねばならず、例えばデスクトップパソコンで用いられているような放熱デバイスをモバイル機器のCPUに直接設置するのは困難である。
【0003】
以上のような電子装置の小型化、高性能化への要請を反映して、電子装置の発熱部から放熱部へと熱を輸送するヒートパイプが用いられている。その中でもCPL(Capillary Pumped Loop)LHP(Loop Heat Pipes)(以下、「CPL・LHP」という)は、高熱輸送効率および小型・薄型化を実現しうるものと期待され、開発が進められている。
CPL・LHPの基本原理は通常のヒートパイプとほぼ同様である。即ち、封入された冷媒が蒸発部で気化することで吸熱し、凝縮部で液化することで放熱する。この結果、熱エネルギーを蒸発部から凝縮部へと移動する。
CPL・LHPでは、蒸発部が微小チャネルアレイ構造等から構成されたウイックを有する。ウィックは、毛管現象により液化した冷媒を吸引し(毛管力による冷媒の吸引)蒸発部へと供給する一種のポンプとして機能する。ウィックが、蒸発部に冷媒を供給することで、冷媒の気化が継続して行われ、ヒートパイプの連続的な動作が確保される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ここで、CPL・LHPを小型化、薄型化すると熱輸送効率が低下する可能性がある。CPL・LHPでは冷媒の循環にウイックの毛管力を用いるため、ウイック中で冷媒が通過する箇所を狭くすることで大きな毛管力が得られる。この一方、ウイック以外の部分では冷媒が通過する箇所を広くすることで、ウイック以外の部分での毛管力の発生を抑えている。
このように、ウイック以外の部分において冷媒の通路を広くする必要性があることが、CPL・LHPの小型化、薄型化を阻害する要因となる。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、小型化、薄型化しても熱の輸送効率が低下し難い熱輸送装置を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
A.本発明に係る熱輸送装置は、液化された作動流体たる液相作動流体が通過する液体流路と、液相作動流体に対して親液性の領域を含み、かつ前記液体流路から毛管力によって液相作動流体を吸引し保持する液体吸引保持部と、該液体吸引保持部に保持された液相作動流体が気化することで形成される気相作動流体に対して撥液性の領域を含む、該気相作動流体が流入する気体流入部とを有する気化部と、前記気化部で形成された気相作動流体が通過する気体流路と、液相作動流体に対して撥液性の領域を含み、かつ前記気体流路を通過した気相作動流体を液化して液相作動流体を形成する凝縮部を有する液化部と、を具備することを特徴とする。
【0006】
液体吸引保持部が液相作動流体に対して親液性の領域を含むことで、液体吸引保持部の毛管力を液相作動流体が液体吸引保持部に吸引される方向に作用するようにする。そして、凝縮部が液相作動流体に対して撥液性の領域を含むことで、凝縮部での毛管力を液相作動流体が液体吸引保持部に吸引される方向に作用するようにする。毛管力の作用する方向が親液性、撥液性いずれかであるかによって異なることを利用して、液体吸引保持部と凝縮部いずれについても液体流路から液体吸引保持部に向かう方向に毛管力が作用するようにして、液体吸引保持部による液相作動流体の吸引を効率よく行わせる。
凝縮部での毛管力の大きさはそのサイズに影響されるが、この毛管力が液体吸引保持部による液相作動流体の吸引を阻害することがないようにしている。従って、凝縮部を小型、薄型化しても、熱輸送装置の熱の輸送効率が低下することがない。
なお、親液性とは液相作動流体の接触角が90°未満であることをいい、撥液性とは液相作動流体の接触角が90°以上であることをいうものとする。通常は液相作動流体の接触角が90°より大きい場合を撥液性とするが、本願では撥液性に接触角が90°の場合を含めるものとする。凝縮部の接触角θが90°の場合でも液体吸引保持部による作動流体の吸引を阻害しないからである(θ=90°では凝縮部での毛管力はcosθに比例して0となる)。
さらに、本発明では、気化部を構成する気体流入部は、撥液性の領域を含む。
気化部において液相作動流体の気化が行われていることから、気化部では液相作動流体と気相作動流体とが共存している。
気化部の中で気相作動流体が存在する領域である気体流入部を撥液性とすることで、この気体流入部への液相作動流体の侵入を防止する。この結果、気化部での液相作動流体と気相作動流体それぞれが存在する領域を区分し、気化部での液相作動流体の気化を効率よく行わせることができる。
【0007】
(1)前記液体吸引保持部の親液性の領域が、気相作動流体と液相作動流体との境界を含み、前記凝縮部の撥液性の領域が、気相作動流体と液相作動流体の境界を含んでもよい。
毛管力の源泉は気相作動流体と液相作動流体との境界で作用する気相作動流体の表面張力である。このため、この境界の親液性、撥液性を適宜に設定することで、液体吸引保持部による液相作動流体の吸引を効率よく行われるように毛管力の方向を定めることができる。
【0008】
(2)前記気体流路の内面が液性でもよい。
気体流路内から気相作動流体の通過の阻害要因となる液相作動流体を効果的に除去することが可能となる。
【0010】
(4)前記液体流路の内面が親液性であってもよい。
液体流路中の液相作動流体に溶存している何らかの気体成分が泡となって液体流路を塞ぐことを防止する(気泡の発生防止)。この結果、液体流路中の液相作動流体の通過が泡によって阻害されることが防がれる。
【0011】
(5)前記液化部の内面が撥液性であってもよい。
凝縮部以外であっても、液化部の内面を撥液性とすることで、液体吸引保持部による液相作動流体の吸引を効率よく行われるように液化部での毛管力の方向を定めることができる。
【0012】
(6)前記親液性の領域における液相作動流体の接触角が30°以下、前記撥液性の領域における液相作動流体の接触角が150°以上とすることができる。
親液性の領域では接触角が小さいほど(0°に近いほど)、撥液性の領域では接触角が大きいほど(180°に近いほど)、液体吸引保持部による液相作動流体の吸引を効率よく行わせることができる。毛管力の大きさが接触角θに対してcosθの関係にあることから、接触角θが0°、180°の場合に毛管力の大きさの絶対値が最大になるからである。
ここで、cosθのグラフはθ=0°、180°の近辺では平坦であることから、ある程度θ=0°、180°の近傍に近ければ、毛管力の絶対値はその最大値との相違が小さい。例えば、25°、155°の場合、毛細管力の絶対値は、最大値の90%程度となる。
本発明の他の観点に係る熱輸送装置は、作動流体を相変化させる気化部及び液化部を備えた熱輸送装置であって、複数の孔を有する第1の基板と、液化された前記作動流体たる液相作動流体が通過する液体流路を構成する溝と、前記液相作動流体が気化した気相作動流体が通過する気体流路を構成する溝と、前記気化部及び前記液化部の間に形成された、前記気化部及び前記液化部の間を断熱する断熱空間を構成する溝とを有し、前記第1の基板に接合された第2の基板と、前記液相作動流体に対して親液性の領域を含み、かつ前記液体流路から毛管力によって液相作動流体を吸引し保持する液体吸引保持部を構成する溝を有し、前記第1の基板及び前記第2の基板の両方より熱伝導性の高い材料でなり、前記液体吸引保持部を構成する溝が前記気化部に配置されて該溝に保持された前記液相作動流体が前記気化部で気化されるように、前記複数の孔のうち第1の孔に嵌め込まれた第3の基板と、前記液相作動流体に対して撥液性の領域を含み、かつ前記気体流路を通過した前記気相作動流体を液化して前記液相作動流体を形成する凝縮部を構成する溝を有し、前記第1の基板及び前記第2の基板の両方より熱伝導性の高い材料でなり、前記凝縮部を構成する溝が前記液化部に配置されるように、前記複数の孔のうち第2の孔に嵌め込まれた第4の基板とを具備することを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。
(第1実施形態)
図1は本発明の第1の実施形態に係る熱輸送装置100を分解した状態を表す分解斜視図であり、図2(A)、(B)はそれぞれ組み立てられた熱輸送装置100を図1のA−B、C−Dで切断した断面を表す断面図である。
図1,2に示すように熱輸送装置100は、4枚の基板10〜40から構成され、放熱フィン50が接続されている。基板30,40はそれぞれ基板20の孔21、22に隙間なく組み込まれる。さらに、基板10、20が接着固定される。
図3〜5は、熱輸送装置100を構成する基板10,20それぞれおよびこの両者を組み合わせた状態を表す上面図である。ここでは基板20は、基板30,40と組み合わされた状態で表している。
【0014】
図1〜5に示すように、熱輸送装置100は4枚の基板10〜40を組み合わせて構成され、その内部に気化部60,気体流路70,液化部80、液体流路90を有し、作動流体(冷媒)Fが封入されている。気化部60,気体流路70,液化部80,液体流路90は、作動流体Fが循環する循環経路を構成する。
作動流体Fは、いわゆる冷媒であり、ここでは水を用いている。但し、必要に応じて、作動流体Fに水以外の材料、例えば、アンモニア、エタノール、フロリナート等を用いることができる。
【0015】
基板10、20は、比較的熱絶縁性の高い材料から、基板30,40は比較的熱伝導性の高い材料から構成するのが好ましい。
即ち、基板30に形成された液体吸引保持部61と基板40に形成された凝縮フィン81は、吸熱、放熱の機能を有することから、熱伝導性が良好であることが好ましい。一方、熱輸送装置100のうち吸熱、放熱に関係ない構成要素は、不要な熱伝導を制限するためにある程度の熱絶縁性を有することが好ましい。
ここでは、基板10、20にガラス基板を、基板30,40にシリコン基板を用いている。但し、基板10、20を例えばプラスチック、ガラス、およびこの両者の組み合わせから、基板30,40を例えばニッケル、銅等の金属から構成しても差し支えない。
なお、基板10,20の接続は、スパッタリング等でいずれか一方にシリコン被膜を形成し、他方と陽極接合することにより行える。基板20と基板30,40の接続も同様に陽極接合を用いて行える(特に、基板20がガラスで、基板30,40がシリコン製の場合)。
【0016】
気化部60は、基板10上の溝11と基板30の下面との間に構成され、作動流体Fが液体(液相作動流体FL)から気体(気相作動流体FG)へと相変化する箇所であり、液体吸引保持部(ウィック)61、気体流入部62を有する。
【0017】
液体吸引保持部61は、基板30に形成された溝31から構成され、毛管現象を利用して液体流路90から液相作動流体FLを吸引し(毛管力による吸引)、これを保持する。液体吸引保持部61に保持された液相作動流体FLは気化(蒸発)しその周囲から気化熱を奪う。
以上のように、液体吸引保持部61は、▲1▼毛管力により液体流路90から液相作動流体FLを吸引する吸引機能、▲2▼吸引した液相作動流体FLを一時的に保持する保持機能を有する。この吸引機能により、液体吸引保持部61は作動流体Fを循環経路内で連続的に循環させるためのポンプとして機能する。
液体吸引保持部61は、例えばシリコン基板をDeep−RIE法等でエッチングすることで作成できる。一例として、シリコン幅40μm、深さ100μmのマイクロチャネルを80μmピッチで125本エッチングして液体吸引保持部61とすることができる。
【0018】
気体流入部62は、液体吸引保持部61の下方と基板10の溝11の底面との間に形成された空間であり、液体吸引保持部61で気化された気相作動流体FGが流入する。
【0019】
気体流路70は、基板10に形成された溝12と基板20の下面とによって構成され、気化部60で気化した作動流体Fが液化部80に移動するための経路である。
【0020】
液化部80は、基板10の溝13と基板40の下面との間に構成され、作動流体Fが気体から液体へと相変化する箇所であり、凝縮フィン81(凝縮部:コンデンサ)、液体流入部82を有する。この凝縮フィン81は、基板40上に溝41を並列して形成することで構成される。即ち、溝41同士の間の基板40の構成材料が凝縮フィン81になる。なお、凝縮フィン81は、作動流体Fが凝縮する部分の表面積を大きくするために形成されているが、必ずしも必要な分けではない。
【0021】
液体流入部82は、凝縮フィン81の下方と基板10の溝13の底面との間に形成された空間であり、凝縮フィン81で液化された気相作動流体FGが流入する。
【0022】
液体流路90は、基板10に形成された溝14と基板20の下面とによって構成され、液化部80で液化した液相作動流体FLが気化部60に移動するための経路であり、液供給部91,92を有する。
液供給部91,92は、液体吸引保持部61にその前後で対向し、液体吸引保持部61に液相作動流体FLを供給する。即ち、液体吸引保持部61への液相作動流体FLの供給はその前後双方から行われる。
【0023】
基板10に形成された溝16は、基板20の下面と共に、断熱空間101を構成する。断熱空間101は気化部60,気体流路70,液化部80、液体流路90間で、基板10,20を通じて、熱が伝導することを制限し、熱輸送装置100の冷却効率が低下することを防止している。
【0024】
さらに、熱輸送装置100は、注入経路102,103を有する。
注入経路102は、基板10に形成された溝17および基板20の下面から構成され、基板20に形成された注入口23から液体吸引保持部61へと液相作業流体FLを流入させるための経路である。注入経路102から液体吸引保持部61への液相作業流体FLの移動は、液体吸引保持部61での毛管力による液相作業流体FLの吸引によって行われる。なお、熱輸送装置100の動作中において、注入口23は蓋25によって塞がれている。
【0025】
また、注入経路103は、基板10に形成された溝18および基板20の下面から構成され、基板20に形成された注入口24から液化部80へと液相作業流体FLを流入させるための経路である。注入経路103上に凝縮フィン81(溝41)の一部が対向していることで、注入経路103から凝縮フィン81を伝わって液化部80へと液相作業流体FLが移動する。なお、熱輸送装置100の動作中において、注入口24は蓋26によって塞がれている。
【0026】
放熱フィン50は、基板40の裏面に接続され、基板40からの放熱を行うための放熱手段である。放熱フィン50には熱伝導性の高い材料を用いる。ここでは、放熱フィン50に銅を用い、その表面酸化を防止するために、ニッケルメッキを施している。
放熱フィン50と基板40の接続は、例えば低融点金属を用いた接合によって行える。
【0027】
(親液性領域、撥液性領域の区分)
以上の気化部60,気体流路70,液化部80、液体流路90からなる循環経路は液相作動流体FLに対する親液性、撥液性で区分することができる。
ここで、親液性とは液相作動流体FLの接触角が90°より小さいことをいい、撥液性(疎液性ともいう)とは液相作動流体FLの接触角が90°以上であることをいう。撥液性とは液相作動流体FLの接触角が90°より大きい場合をいうのが通例であるが、ここでは接触角が90°の場合を撥液性に含めて考えるものとする。なお、液相作動流体FLに水を用いた場合には、親液性、撥液性はそれぞれ、親水性、撥水性(疎水性)と置き換えることができる。
【0028】
具体的には、気体流路70,液体流路90はそれぞれ撥水性、親液性である。気化部60は親液性領域、撥液性領域の双方を有し、液体吸引保持部61は親液性、気体流入部62の壁は撥液性となっている。液化部80では、凝縮フィン81、液体流入部82のいずれも撥液性となっている。
気体流入部62、気体流路70,液体流入部82に撥液性を付与するには、撥液性の材料でこれらを構成、または被覆したり、あるいは撥液性処理を施したりすればよい。液相作動流体FLが水の場合には、ガラスで構成された基板10,20に弗素系の材料(例えば、ポリテトラフルオロエチレン(商品名:テフロン(登録商標))をスパッタリングで被覆することで撥液性とすることができる。シリコンで構成された凝縮フィン81も同様に弗素系の材料をスパッタリングで被覆すればよい。
【0029】
液体吸引保持部61、液体流路90に親液性を付与するには、親液性の材料でこれらを構成、または被覆したり、あるいは親液性処理を施したりすればよい。液相作動流体FLが水の場合には、ガラスで構成された基板10,20をそのまま用いればよい。清浄なガラスの表面は親水性だからである。また、シリコンで構成された液体吸引保持部61は、熱酸化等によりその表面に酸化層を形成することで、親水性とすることができる。なお、場合によってはシリコンの自然酸化膜を利用し、積極的には酸化被膜を形成することなく、液体吸引保持部61を親水性にできる。
【0030】
以上から判るように、基板10,20には親液性領域、撥液性領域の双方が存在する。このように、親液性領域、撥液性領域を区分するには、親液性材料への撥液性材料の被覆あるいは撥液性処理の際に、マスクを用いて撥液性を付与したい箇所のみに撥液性材料の被覆等を行えばよい。
【0031】
この逆に、撥液性材料への親液性材料の一部被覆等を行うことでも、親液性領域、撥液性領域を区分して形成することができる。例えば、プラスチック(合成樹脂)は疎水性である場合が多いから、これを基板10,20の基材として用い、この液体流路90の箇所(基板10の溝14および基板20の溝14と対向する下面)に親水性処理を施すことで、親液性領域、撥液性領域を区分することができる。親水性処理は、紫外線、酸素プラズマ、酸素イオンのいずれかの照射を行うことが挙げられる。
【0032】
(親液性、撥液性の区分の理由)
以下に、循環経路に液相作動流体FLに対する親液性、撥液性で区分した理由を説明する。
A.液体吸引保持部61、凝縮フィン81
液体吸引保持部61は、毛管力による液相作動流体FLの吸引を行うことから、親液性とし、凝縮フィン81は液体吸引保持部61による液相作動流体FLの吸引を阻害しないように撥液性としている。以下、この理由を詳細に説明する。
【0033】
図6は、液体吸引保持部61、凝縮フィン81双方の毛管力と液相作動流体FLの移動の関係を表す上面図である。また、図7は液体吸引保持部61および凝縮フィン81を切断した状態を模式的に表す断面図である。尚、図6では凝縮フィン81を親液性としている。
液体吸引保持部61の溝31には、その両側から液相作動流体FLが供給され、その中央付近の溝31では液相作動流体FLが気化し、気相作動流体FGが形成されている。この結果、液体吸引保持部61の溝31には、液相作動流体FLが詰まっている液体空間AL1とその中央付近の液相作動流体FLがない(気相作動流体FGが詰まっている)気体空間AG1に区分される。
【0034】
一方、凝縮フィン81では気相作動流体FGが液化し液相作動流体が形成されることから、その溝41は液体流路90側の液相作動流体FLが詰まっている液体空間AL2と気体流路70側の液相作動流体FLがない(気相作動流体FGが詰まっている)気体空間AG2に区分される。
【0035】
液体吸引保持部61と凝縮フィン81の液体空間AL1、AL2は、液体流路90を通じて互いに接続されている。即ち、液体空間AL1、AL2、液体流路90は、液相作動流体FLで満たされた連続する空間である。
【0036】
液体吸引保持部61の液体空間AL1と気体空間AG1の境界には、液相作動流体FLの表面張力γ1が作用する。このときの液相作動流体FLの接触角をθ1とする。このとき、表面張力γ1による液相作動流体FLの単位面積あたりの張力T1は以下のように算出される。この張力T1は液体吸引保持部61における毛管力の現れといえる。
T1=γ1・cosθ1・(1/a1) ……式(1)
ここで、a1:液体吸引保持部61の溝31の幅、
である。
【0037】
ここで、ウィック部で発生する毛細管力は、溝深さ方向に発生する事から、溝幅だけをパラメータとして(スリットにおける表面張力と同様に)計算される。
【0038】
一方、凝縮部(コンデンサ部)の液体空間AL2と気体空間AG2の境界には、液相作動流体FLの表面張力γ2が作用する。このときの液相作動流体FLの接触角をθ2とする。このとき、表面張力γ2による液相作動流体FLの単位面積あたりの張力T2は以下のように算出される。この張力T2は凝縮部(コンデンサ部)における毛管力の現れといえる。
T2=−γ2・cosθ2・(1/C1) ……式(2)
ここで、C1:コンデンサ深さ
である。なお、張力T2は液相作動流体FLが供給される方向(流れの方向)を正、その逆を負として表していることから、式(2)にはマイナスが掛けられている。
【0039】
液相作動流体FLが静止している場合には、パスカルの原理に従ってその内部の圧力は均一になる。
【0040】
しかし、ここでは液体吸引保持部61での液相作動流体FLの気化に伴って、液体吸引保持部61に液相作動流体FLが連続的に供給されるという動的な場合を扱っているため、パスカルの原理は成立しない。
液相作動流体FLが液体吸引保持部61および液体流路90を流動することによって、これら流路の内面と液相作動流体FLの間には粘性抵抗が生じ、この粘性抵抗により流路内部で圧力損失P0が生じる。
同様に、気相作動流体FGが気体流路70を流動することによって、流露内部で圧力損失P1が生じる。
【0041】
液相作動流体FLを供給する液供給力PSは、張力T1,T2の和から圧力損失P0を差し引いた値として以下のように求められる。
PS=T1+T2−P0−P1 ……式(4)
液供給力PSは、液相作動流体FLを液体吸引保持部61に供給する能力であり、単位時間に供給される液相作動流体FLの体積を決定づける量である。この体積は熱輸送装置100の熱輸送量を決定づける。
以上のように、液供給力PSは、熱輸送装置100の熱輸送量を決定づけるファクターである。
なお、式(1)に示したように、接触角θ1を小さくすることで液供給力PSを大きくすることができる。
【0042】
(1)凝縮部(コンデンサ部)が親液性の場合
凝縮部(コンデンサ部)が親液性であると(接触角θ2が90°未満だと)cosθ2は正の値をとり、張力T2は負となり、液体吸引保持部61での毛管力(張力T1に対応)による液相作動流体FLの供給を阻害することになる。
式(3)で示したように、張力T2は凝縮部(コンデンサ部)の深さC1によって定まることから、凝縮部(コンデンサ部)の深さC1を深くすることで、張力T2の絶対値を小さくして、液相作動流体FLの供給の阻害を防止できる。但し、これは凝縮部(コンデンサ部)の厚さを厚くすることに繋がることから、熱輸送装置100の薄型化を考慮すると一定の限界はある。
【0043】
(2)凝縮部(コンデンサ部)が撥液性の場合
張力T2の正負を変更することで、凝縮部(コンデンサ部)での毛管力による液相作動流体FLの供給の阻害を防止できる。
図8は凝縮部(コンデンサ部)が撥液性の場合における、液体吸引保持部、凝縮フィン双方の毛管力と液相作動流体の移動の関係を表す上面図である。
この手法は、凝縮部(コンデンサ部)の厚さを厚くすることなく実現できるため、熱輸送装置100の薄型化に適合している。
また、この手法では、凝縮部(コンデンサ部)での毛管力を液相作動流体FLの供給の促進に利用し、液体吸引保持部61での毛管力を大きくしたと同様に、熱輸送装置100の熱輸送力を増大できる。
【0044】
これは、凝縮部(コンデンサ部)を撥液性として(特に、接触角θ2が90°より大きくする)、cosθ2を負の値として、張力T2を正とすることで実現できる。
以上のように、液体吸引保持部61、凝縮部(コンデンサ部)それぞれを親液性、撥液性としたのは、液相作動流体FLの供給を促進して、熱輸送装置100の熱輸送力を向上するためである。
本実施例においては、凝縮部(コンデンサ部)を、すべて撥液性としたが、凝縮フィン81を親液性、液体流入部82を撥液性としてもかまわない。この場合、液体供給能力の点では良くないが、凝縮フィン81表面がぬれた状態になる事で、気相作動流体FGの凝縮には適している。
これ以外の部位は、毛管力による液相作動流体FLの供給とは必ずしも直接的な関係はないが、次に示すように親液性、撥液性を付与する意義が認められる。
【0045】
B.気体流入部62、気体流路70,液体流入部82、液体流路90
液体流入部82は、凝縮フィン81のような溝がないため、毛管力としては小さいが、それでも撥液性とすることで、液相作動流体FLの供給に寄与することができる。
気体流入部62を撥液性としているのは、液体吸引保持部61との間に気相作動流体FGが存在する空間を形成すること、即ち気化部60を液相作動流体FL、気相作動流体FGの双方が存在するようにすることを容易にするためである。
気体流路70を撥液性としているのは、気体流路70中に気相作動流体FGが存在するようにすることを容易にするためである。
液体流路90を親液性としているのは、液相作動流体FLに溶存する不純物気体が気泡となって液体流路90の途中を塞いで、液相作動流体FLが液体流路90を通過し難くすることを防止するためである。例えば、液相作動流体FLが水の場合に二酸化炭素( or 空気)が水に溶け残っている場合が有り得る。
【0046】
(熱輸送装置100の動作)
熱輸送装置100の動作を説明する。
熱輸送装置100内では作動流体Fが、循環経路たる気化部60,気体流路70,液化部80,液体流路90を循環することで、気化部60の熱が液化部80に移動する。以下、この詳細を説明する。
【0047】
液相作動流体FLが液体流路90(直接的には、液供給部91,92)から気化部60に流入する。この流入は気化部60の液体吸引保持部61での毛管力による吸引に基づいて行われる。このとき既に述べたように、凝縮部(コンデンサ部)(場合により、液体流入部82のみ)を液性とすることで、液体吸引保持部61の毛管力による液相作動流体FLの吸引を促進できる。
液体吸引保持部61に吸引された液相作動流体FLは、液体吸引保持部61に保持された状態で吸熱し、気化する。気化した作動流体F(気相作動流体FG)は気体流入部62に流入して気体流路70に流入する。
気体流路70に流入した気相作動流体FGは、液化部80に流入し、凝縮フィン81で液化して放熱する。そして、凝縮フィン81上の熱は放熱フィン50から放熱される。
以上のように、作動流体Fが循環経路を循環し、気化部60での気化による吸熱、液化部80での液化による放熱が連続的に行われる。この結果、気化部60の熱が液化部80に運搬される。
【0048】
(熱輸送装置100の製造方法)
図9は熱輸送装置100の製造工程の一例を示したものである。
(1)まず、基板(下部基板)10及び基板(上部基板)20に溝を形成する(ステップ1)。
基板10の上面に、気化部60,気体流路70,液化部80、液体流路90、断熱空間101等として機能する溝11〜18を形成する。
基板10上に溝を形成するには、例えば基板10,20をガラスで構成して、基板10上にレジストのパターンを形成した後、エッチングすることで溝を形成することができる。
【0049】
(2)次に、液体吸引保持部(ウイック)61、凝縮フィン(コンデンサ)81として機能する基板30,40を形成する(ステップ2)。
溝を有する基板30,40は様々な方法で作製することができ、状況に応じて種々用いることができる。
例えば、Deep−RIE法によってシリコン基板をエッチングして、幅40μm、深さ100μmのチャネルをピッチ80μmで形成し、液体吸引保持部(ウイック)61とすることができる。
【0050】
(3)次に、基板10〜40を親液性領域、撥液性領域を区分するための親液性、撥液性処理を行う(ステップ3)。
基板10,20がガラス基板の場合には、スパッタリング等で親液性の材料(液相作動流体FLが水の場合には弗素系の材料)を被覆することで、撥液性の領域を形成できる。基板10は、溝11〜13を撥液性、溝14を親液性とするが、スパッタリングの際にマスクを用いることで、容易に撥液性領域、親液性領域に区分することができる。即ち、撥液性の材料が被覆された箇所を撥液性領域、撥液性の材料が被覆されない箇所が親液性の領域となる。
【0051】
基板30,40がシリコン基板の場合、基板40にスパッタリング等で親液性の材料(液相作動流体FLが水の場合には弗素系の材料)を被覆することで、撥液性の領域を形成できる。
また、基板30の表面を熱酸化することで、親液性とすることができる。このとき大気中の酸素によって基板30上に形成される自然酸化膜も親液性であることから、基板30への積極的な酸化膜の形成を省略することもできる。しかしながら、基板30の表面を熱酸化することで接触角θ1をより小さくして液体吸引保持部61での毛管力による液相作業流体FLの供給力を向上することができる。
【0052】
(4)このように形成された基板30,40を図10に示すように基板20を貫通して開けられた孔21、22に組み込む(ステップ4)。基板20の構成材料がガラスで、基板30,40の構成材料がシリコンの場合には、陽極接合を用いることができる。即ち、ガラスとシリコンを加熱した状態でその間に電圧を印可することで、ガラスとシリコンが接合される。
(5)次に、図11(A)、(B)に示すように、基板10の上面に例えばスパッタリングによってアモルファスシリコン膜10aを形成し、基板10,20を陽極接合によって接合する(ステップ5)。
その後、必要に応じて、基板40に放熱フィン50を接続する。この接続は例えば低融点金属を用いた接合によって行える。
【0053】
上述の製造方法では、基板10,20にガラス、基板30,40にシリコンを用いてているが、より多様な材料(例えば、プラスチックや金属)を用いてこれらを形成することができる。
基板10,20にプラスチックを用い、液相作動流体FLを水として場合には、プラスチックが多くの場合に撥水性であることから、酸素プラズマ、紫外線、酸素イオンの照射によって、基板に親水性を付与できる。
【0054】
(その他の実施形態)
本発明は上記の実施形態には限られず拡張、変更することができ、拡張、変更した実施形態も本発明の技術的範囲に属する。
(1)例えば、上記実施形態では作動流体(冷媒)として水を用いているが、作動流体に水以外の例えば、アンモニア、エタノール、フロリナートを用いた場合でも有効である。
この場合には、液相作動流体として用いた液体材料の接触角に基づき、親液性、撥液性が判断される。また、液相作動流体を構成する液体材料が異なると、この材料に対応して親液性、撥液性それぞれを実現する手段を選択することになる。接触角は、液体材料とこれに接触する固体材料の組み合わせによって変わりうるからである。
【0055】
(2)基板等に親液性、撥液性それぞれの領域を形成するには、親液性の基板材料の一部に撥液性処理を施しても良いし、この逆に撥液性の基板材料の一部に親液性処理を施しても差し支えない。
【0056】
(3)上記実施形態では、液体吸引保持部、凝縮フィンそれぞれの一面全体がそれぞれ親液性、撥液性になるようにしていたが、これは必ずしも全面的であることを要せず、その一部分でも足りる。
毛管力は、液相作動流体の表面張力に基づくものであり、表面張力は気相と液相の境界(即ち、液相作動流体の表面)に作用する。従って、気相と液相の境界において、親液性または撥液性が確保されていれば足りる。即ち、液相、気相の境界以外の領域での親液性、撥液性の状態が毛管力に与える影響は理論上無視し得る。
【0057】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、小型化、薄型化しても熱の輸送効率が低下し難い熱輸送装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る熱輸送装置を分解した状態を表す分解斜視図である。
【図2】本発明の実施形態に係る熱輸送装置を切断した状態を表す断面図である。
【図3】本発明の実施形態に係る熱輸送装置を構成する基板を表す上面図である。
【図4】本発明の実施形態に係る熱輸送装置を構成する基板を表す上面図である。
【図5】本発明の実施形態に係る熱輸送装置を構成する基板を表す上面図である。
【図6】凝縮フィンが親液性の場合における、液体吸引保持部、凝縮フィン双方の毛管力と液相作動流体の移動の関係を表す上面図である。
【図7】本発明に係る液体吸引保持部および凝縮フィンを切断した状態を模式的に表す断面図である。
【図8】凝縮フィンが撥液性の場合における、液体吸引保持部、凝縮フィン双方の毛管力と液相作動流体の移動の関係を表す上面図である。
【図9】本発明に係る熱輸送装置を製造する製造工程の一例を表すフロー図である。
【図10】本発明に係る熱輸送装置を製造する製造工程中の状態を表す側面図である。
【図11】本発明に係る熱輸送装置を製造する製造工程中の状態を表す側面図である。
【符号の説明】
100 熱輸送装置
10 基板
11〜18 溝
20 基板
21、22 孔
23、24 注入口
25,26 蓋
30 基板
31 溝
40 基板
41 溝
50 放熱フィン
60 気化部
61 液体吸引保持部
62 気体流入部
70 気体流路
80 液化部
81 凝縮フィン
82 液体流入部
90 液体流路
91,92 液供給部
101 断熱空間
102、103 注入経路

Claims (9)

  1. 液化された作動流体たる液相作動流体が通過する液体流路と、
    液相作動流体に対して親液性の領域を含み、かつ前記液体流路から毛管力によって液相作動流体を吸引し保持する液体吸引保持部と、該液体吸引保持部に保持された液相作動流体が気化することで形成される気相作動流体に対して撥液性の領域を含む、該気相作動流体が流入する気体流入部とを有する気化部と、
    前記気化部で形成された気相作動流体が通過する気体流路と、
    液相作動流体に対して撥液性の領域を含み、かつ前記気体流路を通過した気相作動流体を液化して液相作動流体を形成する凝縮部を有する液化部と、
    を具備することを特徴とする熱輸送装置。
  2. 前記液体吸引保持部の親液性の領域が、気相作動流体と液相作動流体との境界を含む
    ことを特徴とする請求項1記載の熱輸送装置。
  3. 前記凝縮部の撥液性の領域が、気相作動流体と液相作動流体の境界を含む
    ことを特徴とする請求項1記載の熱輸送装置。
  4. 前記気体流路の内面が液性である
    ことを特徴とする請求項1記載の熱輸送装置。
  5. 前記液体流路の内面が親液性である
    ことを特徴とする請求項1記載の熱輸送装置。
  6. 前記液化部の内面が撥液性である
    ことを特徴とする請求項1記載の熱輸送装置。
  7. 前記親液性の領域における液相作動流体の接触角が25°以下である
    ことを特徴とする請求項1記載の熱輸送装置。
  8. 前記撥液性の領域における液相作動流体の接触角が155°以上である
    ことを特徴とする請求項1記載の熱輸送装置。
  9. 作動流体を相変化させる気化部及び液化部を備えた熱輸送装置であって、
    複数の孔を有する第1の基板と、
    液化された前記作動流体たる液相作動流体が通過する液体流路を構成する溝と、前記液相作動流体が気化した気相作動流体が通過する気体流路を構成する溝と、前記気化部及び前記液化部の間に形成された、前記気化部及び前記液化部の間を断熱する断熱空間を構成する溝とを有し、前記第1の基板に接合された第2の基板と、
    前記液相作動流体に対して親液性の領域を含み、かつ前記液体流路から毛管力によって液相作動流体を吸引し保持する液体吸引保持部を構成する溝を有し、前記第1の基板及び前記第2の基板の両方より熱伝導性の高い材料でなり、前記液体吸引保持部を構成する溝が前記気化部に配置されて該溝に保持された前記液相作動流体が前記気化部で気化されるように、前記複数の孔のうち第1の孔に嵌め込まれた第3の基板と、
    前記液相作動流体に対して撥液性の領域を含み、かつ前記気体流路を通過した前記気相作動流体を液化して前記液相作動流体を形成する凝縮部を構成する溝を有し、前記第1の基板及び前記第2の基板の両方より熱伝導性の高い材料でなり、前記凝縮部を構成する溝が前記液化部に配置されるように、前記複数の孔のうち第2の孔に嵌め込まれた第4の基板と
    を具備することを特徴とする熱輸送装置。
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