以下、本願発明の好ましい実施の形態を、添付図面を参照して具体的に説明する。
図1は、本願発明にかかる給湯システムの一例を示す構成図である。この給湯システムは、たとえば住宅内に設けられ、一般給湯、風呂追い焚きなどの給湯および風呂運転を行う給湯装置本体1と、給湯装置本体1にハブ2および伝送ケーブル4を介して接続され所定の情報を案内するための複数の案内操作装置3とによって構成されている。この給湯システムでは、上記給湯装置本体1、ハブ2、各案内操作装置3、および伝送ケーブル4などによってローカル・エリア・ネットワークが構成されている。このローカル・エリア・ネットワークには、たとえばインターネットといった外部ネットワーク6上に流れるデータを当該ローカル・エリア・ネットワークにルーティング(経路制御)するためのルータ5が接続され、外部ネットワーク6との通信が可能とされている。
案内操作装置3は、たとえば浴室内の壁面に設置された浴室用案内操作装置3Aと、台所などに設置された台所用案内操作装置3Bと、居間などに設置された居間用案内操作装置3Cとによって構成されている。なお、案内操作装置3は、浴室用案内操作装置3A、台所用案内操作装置3B、居間用案内操作装置3Cで区別されているが、後述するように、それらのハードウェアの構成は共通とされている。また、案内操作装置3の設置場所は、浴室、台所、居間などに限るものではない。
この給湯システムでは、給湯装置本体1に、HTML(Hyper Text Makeup Language)ファイル、XML(eXtensible Makeup Language)ファイルなどの文書データ、それに関連する画像データ、音声データ、およびJAVAアプリケーションなどによって構成される、いわゆるWebページを上記ローカル・エリア・ネットワークを介して案内操作装置3に送信する機能を有するWebサーバが備えられている。また、クライアントとしての各案内操作装置3に、Webページを表示操作部33(後述)に表示させるソフトウェアであるブラウザが備えられている。
このWebページは、メーカなどによってそのレイアウトなどが任意に設計可能であり、各案内操作装置3に応じて個別のWebページを作成することができる。そのため、給湯装置本体1に各案内操作装置3に応じた個別のWebページを蓄積しておき、各案内操作装置3の要求に応じてそれが各案内操作装置3に送られることにより、各案内操作装置3において個別のWebページを表示させることができる。したがって、ハードウェアの構成を各案内操作装置3で共通とすることができ、たとえば浴室に設置された案内操作装置3と台所に設置された案内操作装置3とを入れ替えて用いることが可能となり、従来の給湯システムのように、各設置場所に対して専用のリモコン装置を設けた構成とは異なり、汎用性のあるシステムを構築することができる。以下、詳述する。
給湯装置本体1は、たとえば住宅の屋外に設置され、一般給湯用、風呂追い焚き用、または温水暖房用の熱交換器、各種燃焼器、および各種バルブ(いずれも図示せず)などを含む燃焼ユニット10と、給湯装置本体1の全体動作を制御する本体制御部11とを備えている。
本体制御部11は、たとえば電子部品が搭載されたプリント基板によって構成され、本体制御部11の制御を司るマイクロコンピュータを有している。本体制御部11には、各種のデータを記憶するメモリ12、および各案内操作装置3との通信を行うための通信部13が接続されている。なお、メモリ12は、ROM、RAM、およびEEPROMなどによって構成されている。
本体制御部11は、給湯装置本体1の制御中枢となるものであり、メモリ12に記憶されている給湯装置本体1を運転実行する運転実行プログラム、あるいは各案内操作装置3および暖房用機器などから送られる操作信号などに基づいて、各種燃焼器の燃焼状態や各種バルブの開閉を制御する。
また、本体制御部11は、メモリ12に記憶された、Webサーバとして機能するソフトウェアによって、クライアントである各案内操作装置3からの要求に応じてメモリ12に記憶された、たとえばHTMLファイル、XMLファイル、JAVAアプリケーションなどの、ブラウザで閲覧可能な情報を各案内操作装置3に送信する機能を有する。送信された情報は、各案内操作装置3に設けられた表示画面において表示される。
メモリ12は、給湯装置本体1の運転実行プログラムを記憶しているとともに、各案内操作装置3の表示操作部33(後述)の画面上に表示させるためのHTML文書データ、それに関連する画像データ(動画データを含んでいてもよい)、および音声データなどによって構成されるWebページの情報を記憶している。
通信部13は、各案内操作装置3およびルータ5との通信を行うためのものであり、所定の変復調方式に基づいた変復調回路および給電回路(ともに図示せず)によって構成されている。各案内操作装置3などから伝送ケーブル4を介して伝達されたデータ信号は、この通信部13において復調され、本体制御部11に送られる。また、通信部13において変調された信号は、伝送ケーブル4を介して各案内操作装置3などに送られる。また、この通信部13においては、後述するように、各案内操作装置3に対して供給するための電源を生成しており、伝送ケーブル4を介して各案内操作装置3に供給している。なお、通信部13は、いわゆるLANカード、LANボード、またはLANアダプタなどによって構成されていてもよい。
ハブ2は、給湯装置本体1および各案内操作装置3を接続するための中継装置であり、給湯装置本体1および各案内操作装置3は、このハブ2を介して相互に通信を行うことができる。
ルータ5は、ネットワーク上に流れるデータを他のネットワークとの間でルーティングする装置であり、本実施形態では、給湯装置本体1および案内操作装置3などによって構成されるローカル・エリア・ネットワークと、インターネットなどの外部ネットワーク6とのルーティングに用いられている。
ここで、給湯装置本体1と各案内操作装置3との通信は、ネットワークで一般的に用いられているプロトコルであるTCP/IP(Transmission Control Protocol / Internet Protocol)が用いられている。また、給湯装置本体1のWebサーバがWebページを各案内操作装置3に送信するときには、HTTP(Hyper Text Transfer Protocol)が用いられる。
浴室用案内操作装置3Aは、図2に示すように、浴室内に設置された、防水機能が施されたケース30を備えている。浴室用案内操作装置3Aは、図1に示したように、制御部31を備えており、制御部31には、メモリ32、表示操作部33、音声出力部34、および通信部35が接続されている。音声出力部34には、スピーカ34aが接続されている。
制御部31は、この浴室用案内操作装置3Aの制御を司るCPUからなり、給湯装置本体1のメモリ12に記憶されているWebページを読み出し、表示操作部33に対して出力する機能、いわゆるブラウザ機能を有する。すなわち、制御部31は、必要に応じてたとえば給湯設定温度などの操作指令を表した複数種類の操作入力領域(操作スイッチ)がレイアウトされた、複数種類の操作画面としてのWebページを表示操作部33に表示させる。
また、制御部31は、メモリ32に記憶されている浴室用案内操作装置3Aを動作させる実行プログラムやユーザによる表示操作部33の操作内容、あるいは給湯装置本体1から送られてくるコマンド信号などに基づいて、各部の動作制御やデータ処理を実行するとともに、ユーザによって上記操作スイッチが押圧された旨の操作情報を給湯装置本体1に送信する機能を有する。
さらに、制御部31は、メモリ32に記憶されている案内メッセージとしての音声データを必要に応じてスピーカ34aから出力させる機能を有しているとともに、給湯装置本体1からWebページに関連して送られた音声データを、表示画面に表示されたWebページとともにスピーカ34aから出力させる機能を有している。
メモリ32は、図示しないROM、RAMおよびEEPROMなどによって構成されており、メモリ32には、浴室用案内操作装置3Aを動作させる実行プログラムが記憶されているとともに、Webページを閲覧するためのブラウザといったアプリケーションプログラムが記憶されている。
表示操作部33は、図2に示すように、いわゆるタッチパネルとして構成される、ユーザが押圧操作するためのパネル面部33aと、このパネル面部33aの後方側に設けられた、たとえば液晶ディスプレイからなる表示面部33bとによって概略構成されている。なお、表示面部33bは、液晶ディスプレイに代えて、たとえば多数の蛍光体をドットマトリクス状に配置した蛍光管、エレクトロ・ルミネッセンスディスプレイ、あるいはプラズマディスプレイなどによって構成されてもよい。
なお、浴室用案内操作装置3Aのケース30の前面には、給湯システムの運転の発停を行うための運転スイッチ33c、および音声を出力するためのスピーカ34aが備えられている。
表示操作部33のパネル面部33aは、表示操作部33におけるユーザの押圧操作の位置を、たとえば光学的方式などを用いて検出する機能を有している。すなわち、パネル面部33aには、表示面部33b上に複数の格子状の検出点が設けられ、ユーザによりいずれの検出点が押圧操作されたかを検出する機能を有している。パネル面部33aからの押圧操作の検出信号は、制御部31に入力され、制御部31は、この押圧操作の検出信号と表示面部33b上における操作スイッチの表示位置の情報とからユーザの操作した操作スイッチを判別する。
表示面部33bは、制御部31からの指令により、設定温度、風呂湯温の設定温度、およびバーナ(図略)の点火状況などを表示したり、給湯運転時などに追い焚き開始などの操作指令を表した複数種類の操作スイッチがレイアウトされた複数種類の操作画面(Webページ)を表示したりする。この操作画面の中には、給湯装置本体1や浴室用案内操作装置3Aの動作機能を設定するための各種の設定画面が含まれている。
図1に戻り、音声出力部34は、所定の信号処理を行うことにより音声信号をスピーカ34aに出力させるものであり、制御部31の指令に応じてたとえばメモリ32に記憶されているディジタル信号としての音声データをアナログ信号としての音声に変換して出力させる音声処理部(図略)が備えられている。
通信部35は、給湯装置本体1との通信、並びにローカル・エリア・ネットワークおよび外部のネットワーク6(たとえばインターネット)に接続された機器との通信を行うためのものであり、所定の変復調方式に基づいた変復調回路および受電回路(ともに図示せず)によって構成されている。給湯装置本体1から伝送ケーブル4を介して伝達されたデータ信号は、この通信部35において復調され、制御部31に送られる。また、通信部35において変調された信号は、伝送ケーブル4を介して給湯装置本体1に送られる。また、給湯装置本体1から伝送ケーブル4を介して供給された電源は、受電回路において所定の電圧に変換されて、必要に応じて各部へ供給される。なお、通信部35は、いわゆるLANカード、LANボード、またはLANアダプタなどによって構成されていてもよい。
図3は、給湯装置本体1の通信部13、伝送ケーブル4、および浴室用案内操作装置3Aの通信部35の概略構成図である。なお、同図ではハブ2は省略されている。この給湯システムにおける給湯装置本体1と浴室用案内操作装置3Aとのデータ伝送形態には、いわゆるパワー・オーバ・イーサネット(Power over Ethernet(「Ethernet」は登録商標))と呼称される機能が採用されている。すなわち、伝送ケーブル4は、たとえば「カテゴリ5」と呼称される、4対のより対線を有するケーブルにより、電力とデータとを同時に伝送することができるようにしたものである。
この給湯システムにおいては、たとえば給湯装置本体1を給電側とし、浴室用案内操作装置3Aが受電側とする。詳細には、給湯装置本体1の通信部13は、給電動作を制御する給電用LSI36と、給電用LSI36に接続されたスイッチSW1,SW2と、伝送ケーブル4に伝送トランス37を介して接続された変復調回路38とを有している。また、浴室用案内操作装置3Aの通信部35は、伝送ケーブル4に伝送トランス39を介して接続された変復調回路40と、受電動作を制御する受電用LSI41と、電圧値を変換するためのDC−DCコンバータ42と、DC−DCコンバータ42に接続されたスイッチSW3と、受電用LSI41に接続されたスイッチSW4と、電源安定化用の平滑コンデンサC1と、図示しない二次電池とを備えている。
伝送ケーブル4は、伝送トランス37,39を介して変復調回路38,40にそれぞれ接続され、4対のうちの2対のより対線(図中「4a」参照)と、より対線4a以外の残りの2対のより対線(図中「4b」参照)とによって構成されている。
この構成により、スイッチSW1〜SW4がそれぞれより対線4b側に切り換えられているときには、より対線4aはデータ伝送用として用いられる一方、他のより対線4bは電源供給用として用いられる。また、スイッチSW1〜SW4がそれぞれ伝送トランス37,39の中点側に切り換えられているときには、データ伝送用として用いられるより対線4aに電源が重畳されて供給される。
浴室用案内操作装置3Aは、給湯装置本体1と伝送ケーブル4を介して接続されている場合には、給湯装置本体1からの電源供給に基づいて充電され、給湯装置本体1からの電源供給がない場合にも、上記二次電池に蓄えられたエネルギーにより所定の動作を行うことができる。
図4は、図1に示す給湯システムの構成の変形例を示す図であるが、上述したように、浴室用案内操作装置3Aの通信部35に二次電池が設けられておれば、浴室用案内操作装置3Aを携帯して用いることも可能となる。
すなわち、たとえば図4に示すように、室内の壁に伝送ケーブル4の中継用の壁コンセント45が設けられ、壁コンセント45には、給湯装置本体1が伝送ケーブル4およびハブ2を介して接続されている場合、浴室用案内操作装置3Aを壁コンセント45に接続すれば、給湯装置本体1から伝送ケーブル4を通じて電源が供給され、浴室用案内操作装置3Aの上記二次電池を充電することができる。そして、浴室用案内操作装置3Aを壁コンセント45から外した後は、二次電池において蓄えられた充電電荷により浴室用案内操作装置3Aを動作させることができるので、ユーザが浴室用案内操作装置3Aを携帯して用いることができる。
そして、たとえば図4に示すように、ルータ5が外部ネットワーク6(たとえばインターネット)に接続され、外部ネットワーク6に他のルータ46および他のハブ47が接続されている構成の場合、上記携帯可能な浴室用案内操作装置3Aを、他のハブ47に接続して浴室用案内操作装置3Aから給湯装置本体1を遠隔的に操作することができる。この場合、たとえば、浴室用案内操作装置3Aがパワー・オーバ・イーサネット機能をサポートしていない他のハブ47を通じて給湯装置本体1に接続された場合であっても、浴室用案内操作装置3Aは、二次電池において蓄えられた充電電荷により、給湯装置本体1に操作情報を送信して外出先から給湯装置本体1を動作させることが可能となる。
図1に戻り、台所用案内操作装置3Bおよび居間用案内操作装置3Cの構成については、浴室用案内操作装置3Aの構成と略同様であるため、ここでは説明を省略する。
次に、上記構成における作用について図5に示すシーケンスフローを参照して説明する。ここでは、案内操作装置3が浴室用、台所用、または居間用のいずれかで用いるかを設定するときの作用について述べる。
ユーザがたとえば案内操作装置3の運転スイッチ33cをオンすると、案内操作装置3の制御部31は、その旨のコマンド信号を給湯装置本体1に送る(S1)。給湯装置本体1の本体制御部11は、Webサーバによって、案内操作装置3から送られる要求コマンド信号に基づいて、案内操作装置3の表示操作部33に表示させるための初期画面(機種選択画面)を表すWebページの情報(HTML文書データなど)をファイル形式にして送る(S2)。この場合、本体制御部11では、ブラウザからの要求に応じて所望のWebページを送信するためのプログラムを起動させる、いわゆるCGI(Common Gateway Interface)機能が用いられてもよい。
案内操作装置3の制御部31は、ブラウザによって、給湯装置本体1から送られてきたWebページの情報を解読して表示操作部33の表示面部33bに表示させる(S3)。ここでは、図6に示すように、たとえば案内操作装置3が浴室用、台所用または居間用のうちいずれかの案内操作装置として設定する旨の機種選択画面とされる。すなわち、「浴室リモコン」スイッチ50、「台所リモコン」スイッチ51、および「サブリモコン」スイッチ52の各スイッチが選択スイッチとして表示される(なお、ここでは浴室用案内操作装置3Aのことを「浴室リモコン」と呼称し、台所用案内操作装置3Bのことを「台所リモコン」と呼称し、または居間用案内操作装置3Cのことを「サブリモコン」と呼称する。)。
ユーザは、表示操作部33に表示された機種選択画面によって、当該案内操作装置3を浴室用、台所用または居間用のうちいずれかで用いるかの設定を行うことができる。ユーザによってたとえば「浴室リモコン」スイッチ50が押圧操作されると、制御部31は、給湯装置本体1に対して、当該案内操作装置3が浴室用案内操作装置3Aとして用いられる旨のコマンド信号を送る(S4)。それとともに、EEPROM(図略)にその旨を記憶する(S5)。なお、ユーザによって当該案内操作装置3が台所用または居間用として用いる旨が設定操作させると、その旨のコマンド信号が給湯装置本体1に送られる。
給湯装置本体1の本体制御部11は、案内操作装置3から浴室用案内操作装置3Aとして用いられる旨のコマンド信号を受け取ると、浴室用案内操作装置3A用のWebページの情報をメモリ12から読み出し、それを浴室用案内操作装置3Aに送信する(S6)。
浴室用案内操作装置3Aでは、給湯装置本体1から送られた、浴室用案内操作装置3A用のWebページの情報を解読し、所定のメニュー画面を表示操作部33の表示面部33bに表示させる(S7)。これにより、ユーザは、表示されたメニュー画面を通じてたとえば設定温度、風呂湯の設定温度、およびバーナの点火状況などを把握することができ、風呂湯を沸かす動作を開始するなどの操作を行うことができる。
このように、上記構成によれば、給湯装置本体1と案内操作装置3とがローカル・エリア・ネットワークに含まれた形態で接続され、給湯装置本体1のメモリ12において各案内操作装置3のWebページの情報が記憶されているので、案内操作装置3の要求により給湯装置本体1から各案内操作装置3に対してそれ専用のWebページの情報が送信され、各案内操作装置3において当該Webページが表示される。したがって、各案内操作装置3のハードウェアの構成を共通に用いることができる。その結果、従来の給湯システムのように、各設置場所に対して専用のリモコン装置を設けた構成とは異なり、たとえば浴室に設置された案内操作装置3と台所に設置された案内操作装置3とを入れ替えて用いることが可能となり、製造コストの低減化を図ることができるとともに、汎用性のあるシステムを提供することができる。
また、上記構成によれば、給湯装置本体1および案内操作装置3は、ローカル・エリア・ネットワークに含まれているため、案内操作装置3は、このローカル・エリア・ネットワークにルータ5を介して外部のネットワーク6(たとえばインターネット)に接続することが可能である。そのため、上記ルータ5を通じて外部のネットワーク6上の所望のWebページを閲覧したい場合には、案内操作装置3からハブ2、給湯装置本体1、ルータ5、外部のネットワーク6を介して、所望のサイトにある所望のWebページをアクセスすることにより、それを呼び出すことができ、案内操作装置3の操作画面上に当該Webページを表示させ、閲覧することができる。
また、上記構成によれば、ブラウザ機能を有するソフトウェアと、ローカル・エリア・ネットワークに接続可能なハードウェアとが備えられておれば、図1に示したような案内操作装置3に限らず、たとえばPDA(Personal Digital Assistance)やパーソナルコンピュータなどが接続されてもよい。
次に、案内操作装置3の機種を変更する場合について図7に示すシーケンスフローを参照して説明する。ユーザは、たとえば使用していた浴室用案内操作装置3Aを台所に設置変更し、その浴室用案内操作装置3Aを台所用案内操作装置3Bに機種変更したい場合、所定の操作画面に表示されている機種変更スイッチを押圧する。これにより、浴室用案内操作装置3Aは、その旨のコマンド信号を給湯装置本体1に送る(S11)。
給湯装置本体1は、これに応じて機種変更画面の情報を浴室用案内操作装置3Aに送る(S12)。浴室用案内操作装置3Aは、図8に示すように、「はい」スイッチ53および「いいえ」スイッチ54がレイアウトされた機種変更画面を表示面部33bに表示する(S13)。
ユーザがたとえば「はい」スイッチ53を押圧すると、浴室用案内操作装置3Aは、その旨のコマンド信号を給湯装置本体1に送る(S14)。給湯装置本体1は、これに応じて図6に示した機種選択画面の情報を浴室用案内操作装置3Aに送る(S15)。浴室用案内操作装置3Aでは、この機種選択画面を表示する(S16)。これにより、ユーザは、新たに案内操作装置3の機種を、たとえば浴室用案内操作装置3Aから台所用案内操作装置3Bに変更することができる。なお、案内操作装置3の機種設定は、ユーザの画面操作ではなく、たとえばジャンパ設定やスイッチ設定などのハードウェアに対する操作によって行われてもよい。あるいはたとえばEEPROMに予め機種設定の情報が記憶されていてもよい。
ところで、上記構成の給湯システムでは、給湯装置本体1のWebサーバは、ローカル・エリア・ネットワークを構成する案内操作装置3からのコマンド信号を受け入れ、本体制御部11は、そのコマンド信号に応じた給湯動作を行う。ところが、給湯装置本体1のWebサーバが、たとえば本ローカル・エリア・ネットワークに外部ネットワーク6を介して接続された、案内操作装置3とは異なる他の端末装置からのコマンド信号をも無条件に受け入れると、他の端末装置から送信される、給湯装置本体1に対して給湯動作を行わせる旨のコマンド信号を受け入れる場合があり、ユーザの所望しない給湯動作が行われるおそれがある。
そこで、この実施形態では、給湯装置本体1のWebサーバは、ローカル・エリア・ネットワークを構成する案内操作装置3からのコマンド信号などは受け入れる一方、案内操作装置3とは異なる他の端末装置からのアクセスは拒否するように処理している。ここで、案内操作装置3とは異なる他の端末装置とは、予め給湯装置本体1に対するアクセスを許可された端末装置(案内操作装置3を含む)以外の端末装置をいい、たとえば外部のネットワーク6(たとえばインターネット)に接続され、案内操作装置3を含むローカル・エリア・ネットワークを構成しない装置、たとえばルータ5を介して外部ネットワーク6に接続されたPDAやパーソナルコンピュータなどをいう。
具体的には、給湯装置本体1は、Webサーバのソフトウェアに加えて、いわゆるゲートウェイのプログラムを有している。図9は、このゲートウェイの機能を表す模式図である。このゲートウェイのプログラムは、ある端末装置の給湯装置本体1に対するアクセス権の有無を検出し、当該端末装置にアクセス権がある場合には当該端末装置によるアクセスを許可し、当該端末装置にアクセス権がない場合には当該端末装置によるアクセスを拒否する機能を有するものである。同図によると、浴室用案内操作装置3Aおよび台所用案内操作装置3Bは、ゲートウェイによってそれらのアクセスが許可されている。また、外部ネットワーク6に接続されたPDAやパーソナルコンピュータは、ゲートウェイによってそれらのアクセスが拒否されている。
ゲートウェイのプログラムは、上記アクセス権の有無をたとえばMACアドレス(Media Access Control address)に基づいて判別する。ここで、MACアドレスとは、端末装置を識別するために用いられるアドレスであって、IEEE(Institute of Electrical and Electronic Engineers:電気電子学会)がメーカごとに管理、割り当てを行っている固有な番号と、メーカが独自に割り当てる番号とによって構成されるものである。給湯装置本体1は、アクセスを許可する端末装置のMACアドレスを、予めメモリ12にデータベース化して登録している。ゲートウェイは、MACアドレスに含まれる、メーカごとに割り当てられる固有番号に基づいて、そのMACアドレスを有する端末装置のアクセスを許可するか否かを判別する。
なお、ゲートウェイのプログラムによる上記アクセス権の有無は、MACアドレスに代えてユーザのID、パスワードなどに基づいて判別されるようにしてもよい。さらに、上記アクセス権の有無は、ユーザのID、パスワードがMACアドレスと組み合わされて判別されるようにしてもよい。
上記構成における作用を説明すると、ゲートウェイは、いずれかの端末装置から給湯装置本体1に対してアクセスがあった場合、まず、OSI(Open Systems Interconnection)参照モデルにおけるセッション層において伝送経路が確立しているか否かを判別する。
セッション層において伝送経路が確立していない場合、ゲートウェイは、所定の情報を送信してきた端末装置のアクセスを許可することができるか否かを判別する。具体的には、当該端末装置から送られる送信データに含まれる、当該端末装置のMACアドレスを参照し、そのMACアドレスのうち、メーカごとに割り当てられた固有番号がメモリ12に登録されているか否かを判別する。MACアドレスの固有番号がメモリ12に登録されている場合、その端末装置のアクセスを許可する。たとえば当該端末装置が案内操作装置3であって、案内操作装置3が有するMACアドレスの固有番号がメモリ12に登録されている固有番号と一致する場合には、当該案内操作装置3のアクセスを許可する。そして、案内操作装置3から送られる送信データが当該案内操作装置3専用のWebページを要求するものであるとき、当該Webページの情報を、アクセスした案内操作装置3に送信する。これにより、案内操作装置3では、要求したWebページが表示される。
一方、MACアドレスの固有番号がメモリ12に登録されていない場合、その端末装置のアクセスを拒否する。たとえば、給湯装置本体1に外部ネットワーク6を介して接続されたPDAからアクセスがあり、そのPDAが有するMACアドレスの固有番号がメモリ12に登録されている固有番号と異なる場合には、当該PDAのアクセスを拒否する。
セッション層において伝送経路が確立している場合、アクセスを許可し、たとえばそのアクセスがWebページを要求するものであるとき、本体制御部11は、当該案内操作装置3に対してWebページの情報を送る。案内操作装置3では、要求されたWebページを表示操作部33に表示される。
このように、給湯装置本体1のゲートウェイによってMACアドレスが適切でない端末装置からアクセスが行われた場合、そのアクセスを拒否するので、たとえば給湯装置本体1がMACアドレスの適切でない端末装置から無条件に、操作され給湯動作されることを防止することができる。
なお、ゲートウェイは、MACアドレスの固有番号に基づいて端末装置のアクセスを許可するか否かを判別するので、たとえば図4に示したように、浴室用案内操作装置3Aが携帯されて他のハブ47に接続され、他のルータ46、外部のネットワーク6、ルータ5、およびハブ2を介して給湯装置本体1にアクセスする場合、この浴室用案内操作装置3Aが所有するMACアドレスの固有番号がメモリ12に登録されているものである限り、そのアクセスは許可される。
ところで、通常、案内操作装置3の制御部31は、給湯動作の状態を逐次表示面部33bに表示するために、所定時間間隔(たとえば1秒ごと)で給湯装置本体1にアクセスし、給湯装置本体1からWebページの情報を受信し、表示操作部33に給湯動作状態を表示している。給湯動作状態が変化した場合(たとえばユーザによって風呂湯設定温度が設定変更された場合)には、給湯装置本体1の本体制御部11では、Webページの情報を設定変更後の内容を含むように更新し、案内操作装置3は、更新されたWebページの情報を読み出して表示操作部33に即座に表示するようにしている。
しかしながら、給湯装置本体1において給湯動作状態が変化するごとに即座に表示すると、たとえば台所用案内操作装置3Bにおいて入浴者以外の他のユーザが、ルータ5および外部ネットワーク6(インターネット)を経由して、Webページを閲覧する場合やあるサイトのコンテンツをダウンロードする場合などには、ローカル・エリア・ネットワーク上におけるデータの情報量が増大し、データ伝送が遅れてしまうことがある。そのため、Webページの情報を台所用案内操作装置3Bの表示面部33bに表示させるときに著しい遅延が生じるといった問題点がある。
そこで、この実施形態においては、図10に示すように、たとえば浴室内に入浴者を検出するための人工網膜センサなどからなる人体検出センサ60を備え、人体検出センサ60の出力に基づいて、案内操作装置3の給湯装置本体1にアクセスする際の所定時間間隔を変化させるようにしている。すなわち、人体検出センサ60によって入浴者が検出されていない場合には入浴者による操作はなく、給湯動作状態が変化することが少ない、あるいは全くないため、給湯装置本体1にアクセスする際の所定時間間隔を比較的長くして、ローカル・エリア・ネットワーク上におけるデータの情報量を低減するようにし、台所用案内操作装置3BにおいてWebページなどを閲覧する際に、スムーズに表示させるようにしている。
具体的には、人体検出センサ60は、図10に示すように、浴室用案内操作装置3Aの制御部31に接続されており、制御部31は、常時、人体検出センサ60の出力を監視している。制御部31は、人体検出センサ60によって入浴者が検出されている場合には、入浴者が入浴中であって案内操作装置3の表示を見ていたり、案内操作装置3を操作していたりするとして、上記所定時間間隔をたとえば1秒に維持する。一方、人体検出センサ60によって入浴者が検出されていない場合には、表示操作部33に表示される給湯動作状態の内容を更新する必要性が少ないため、上記所定時間間隔をたとえば1分に変更して給湯動作状態の表示更新周期を長くする。
こうすることにより、台所用案内操作装置3Bにおいてたとえばルータ5および外部ネットワーク6を経由したWebページを閲覧するときやあるサイトのコンテンツをダウンロードしているときでも、ローカル・エリア・ネットワーク内におけるデータの情報量を軽減でき、浴室用案内操作装置3Aにおいて給湯動作状態の更新表示のために、台所用案内操作装置3BにおけるWebページの閲覧などが時間的に阻害されることを防止することができる。
なお、人体検出センサ60は、案内操作装置3を操作する、あるいは表示面部33bに表示された内容を見ることのできる範囲においてユーザを検出すればよい。また、人体検出センサ60は、浴室内に設けられることに限らず、台所や居間などに設けられていてもよい。また、人体検出センサ60は、人工網膜センサに限るものではない。
また、ローカル・エリア・ネットワークにおけるデータの情報量を軽減する方法としては、上記方法に代えて、通常、給湯装置本体1と案内操作装置3との間で用いられている伝送プロトコルと、それとは異なる他のプロトコルとを併用する方法を用いるようにしてもよい。
具体的には、給湯装置本体1と浴室用案内操作装置3Aとは、通常、伝送プロトコルとしてHTTPが用いられ、TCPポートのたとえば80番が利用されている。すなわち、浴室用案内操作装置3Aの表示操作部33においてユーザによって給湯スイッチ(図略)がオンされると、HTTPを用いてかつTCPポートの80番が利用されて、表示すべきWebページの情報が給湯装置本体1から浴室用案内操作装置3Aに送られる(この様子を「サーバプッシュ」という。)。この場合のWebページの情報には、HTMLファイルや通信ソフトウェアを含むJAVAアプリケーションなどが含まれている場合があるため、データの情報量は比較的多いものとなる。
ここで、浴室用案内操作装置3Aからたとえば給湯温度の設定変更がある場合、給湯装置本体1から浴室用案内操作装置3Aへ、温度設定が変更されたWebページの情報が最初から新たに送られると、ローカル・エリア・ネットワークにおけるデータの情報量が増大することになる。
そこで、本実施形態では、たとえば給湯温度の設定を変更するといったように、Webページの一部分を変更して表示させるような場合には、TCP(ソフトウェア)上で空いているTCPポート(たとえばTCPポートの10001番)を利用してTCP/IP上の独自プロトコル(たとえばポーリング/BSCコンテンション)によって、変更された一部の情報をやり取りする。
たとえば浴室用案内操作装置3Aにおいてユーザによって給湯動作の変更操作、たとえば給湯温度の設定変更するための操作が入力されると、浴室用案内操作装置3Aは、変更後の給湯温度を表示操作部33に表示させるが、それには、表示操作部33に表示されているWebページの画面のうち、給湯温度が表示されている部分の表示を変更すればよいと判断する。そして、浴室用案内操作装置3Aは、給湯装置本体1に対して給湯温度の設定変更があった旨の要求コマンドを、TCPポートの10001番を利用してTCP/IP上の独自プロトコルによって送る(「クライアントプル」で要求しデータを取得する。)。
上記コマンド信号が送られた給湯装置本体1は、給湯温度を変更する動作を行うとともに、浴室用案内操作装置3Aに対して、変更する給湯温度の表示データを、TCPポートの10001番を利用してTCP/IP上の独自プロトコルによって送る。浴室用案内操作装置3Aでは、給湯装置本体1から送られた表示データを解読し、表示操作部33に表示されているWebページの画面のうちの一部である、給湯温度の表示部分を書き換えて表示する。このように、本来給湯装置本体1と浴室用案内操作装置3Aとの間の通信において通常用いられている伝送プロトコルやTCPポート(たとえば80番)が利用されることがなくなり、伝送する情報量を、利用するプロトコルにより軽減させ結果的に伝送負荷を軽減することができる。したがって、たとえば浴室用案内操作装置3Aでは、通常、用いられる伝送プロトコル(HTTP)によってたとえばルータ5および外部ネットワーク6を経由してWebページを同時に閲覧したり、あるサイトのコンテンツをダウンロード(ftp)したりすることができる。
このように、ローカル・エリア・ネットワーク上におけるデータの情報量が増大している場合には、給湯装置本体1と案内操作装置3との間で用いられている伝送プロトコルやTCPポートを変更してデータを送受信するようにすれば、ローカル・エリア・ネットワーク上におけるデータの情報量を軽減することができ、浴室用案内操作装置3AにおけるWebページの閲覧などが時間的に阻害されることを防止することができ、浴室用案内操作装置3AにおいてWebページの更新表示を迅速に行うことができるとともに、他のWebページの閲覧などを行うことができる。
なお、上述したように人体検出センサ60によってユーザを検出した場合、ユーザが案内操作装置3を操作することによりデータ量が増大していると仮定して、上記した伝送プロトコルおよびTCPポートを変更する方法が用いられてもよい。
もちろん、この発明の範囲は上述した実施の形態に限定されるものではない。たとえば、上記実施形態では、案内操作装置3の数は、上記実施形態に限るものではない。また、上記実施形態では、燃焼ユニット10を備えた給湯装置本体1について説明したが、この給湯装置本体1に代えて、その他の熱源器を備えた給湯装置(たとえば、ガスや二酸化炭素を用いるヒートポンプ給湯装置)を適用することができる。また、上記実施形態の給湯装置本体は、一般給湯機能、風呂注湯機能、風呂追い焚き機能、または温水暖房機能(温水暖房熱源機としての機能)などのうち、少なくとも一つの機能を備えた給湯装置本体を適用することができる。