JP4113082B2 - 吊り下げ物品昇降器 - Google Patents

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Description

本発明は、室内等において物品を吊り下げるための吊り下げ物品昇降器に関するものである。
室内に物品を吊り下げ、これを昇降させるための吊り下げ物品昇降器としては、例えば、室内に洗濯物を干すための物干し装置がある。以下、その構成について、図13(a)、図13(b)を参照しながら説明する。
従来の物干し装置は、その構成を図13(a)の斜視図、および図13(b)の断面図に示したように、天井面41を部分的に凹ませて設けた収納部42に、一対の支持アーム43の一端を支持部材46により回動自在に軸着し、各支持アーム43の他端間に物干しバー44を架設したものである。
このように構成される従来の物干し装置は、使用しない時には、図13(b)のように、支持アーム43および物干しバー44が収納部42に収められている。また物干しバー44に洗濯物を掛ける時には、図13(a)のように物干しバー44を降ろした状態とし、洗濯物を順次掛けていく。
特開平7−204394号公報
しかしながら、上記従来の物干し装置は、天井面41を凹ませて収納部42を設けているため、天井裏に収納部42を設けるためのスペースが必要となってしまう。既設の住宅においては、天井裏に収納部42を設けるスペースがないこともあり、このような場合、物干し装置を設置することができない。また、取り付けスペースがあったとしても、既設の住宅に取り付けるときには、天井面41の改造等、大がかりな工事が必要となるため、設置に多大な時間や費用がかかってしまう。
さらに、天井面41に配設される支持アーム43や物干しバー44が見えてしまうため、見栄えが悪いという問題もある。
本発明は、上記のような従来の問題点を解決するためになされたものであり、天井裏に取り付けスペースがなくとも、容易に取り付けることができ、取り付けた後も天井面の見栄えを損なうことのない吊り下げ物品昇降器を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の請求項1にかかる吊り下げ物品昇降器は、ケーシング内に回動自在に設けられた回転ドラムと、一端が上記回転ドラムに固定され、これに巻回されて該回転ドラムから引き出し、あるいは巻き取りされるワイヤと、上記ワイヤを巻き取る方向の付勢力を上記回転ドラムに与えるゼンマイと、上記ケーシングの一端に枢軸回動自在に設けられた、その先端にピンを有するレバーと、を有する吊り下げ物品昇降器であって、上記回転ドラムの側面には、上記ワイヤの引き出しによる上記回転ドラムの回転角度位置を決める、上記ピンを誘導するピン誘導溝が設けられ、上記ピン誘導溝は、上記ワイヤを巻き取るとき、上記ピンを誘導する周回巻き取り溝と、上記ワイヤを引き下ろすとき、上記ピンを誘導する周回引き下ろし溝と、上記ワイヤを上端位置から引き下ろしたとき、上記ピンを上記周回巻き取り溝から上記周回引き下ろし溝に誘導する初期導入曲線溝と、上記ワイヤの引き下ろしを止めたとき、上記ゼンマイの力により、上記周回引き下ろし溝より該溝終端のドラム回転停止位置まで上記ピンを誘導する第1調整溝と、上記ドラム回転停止位置から上記ワイヤをさらに引き下ろしたとき、所要の重量を支持する重量支持点まで上記ピンを誘導する第2調整溝と、上記重量支持点から上記周回巻き取り溝まで上記ピンを誘導する収納誘導溝とを備え、引き下ろした上記ワイヤを、上記ピンが上記重量支持点に到ったときのワイヤ引き下ろし位置にて、その下端に物品を吊り下げた状態で固定可能であるものである。
また、本発明の請求項2にかかる吊り下げ物品昇降器は、請求項1に記載の吊り下げ物品昇降器において、上記周回巻き取り溝と上記初期導入曲線溝とが接する部位と、上記初期導入曲線溝と上記周回引き下ろし溝とが接する部位と、上記周回引き下ろし溝と上記第1調整溝とが接する部位と、上記第1調整溝と上記第2調整溝とが接する部位と、上記第2調整溝と上記周回巻き取り溝とが接する部位と、のそれぞれに、上記ピンの一方向への移動を可能とし、他の方向への進行を妨げるピン進行規制部が形成されているものである。
また、本発明の請求項3にかかる吊り下げ物品昇降器は、請求項1または請求項2に記載の吊り下げ物品昇降器において、上記ケーシングを、天井に取り付け可能なものとしたものである。
また、本発明の請求項4にかかる吊り下げ物品昇降器は、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の吊り下げ物品昇降器において、上記ワイヤの下端に、洗濯物を保持する洗濯物干し器を吊り下げたものである。
また、本発明の請求項5にかかる吊り下げ物品昇降器は、請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の吊り下げ物品昇降器において、上記ワイヤの下端に、物品を収容するための物入れを吊り下げたものである。
本発明の請求項1にかかる吊り下げ物品昇降器によれば、ケーシング内に回動自在に設けられた回転ドラムと、一端が上記回転ドラムに固定され、これに巻回されて該回転ドラムから引き出し、あるいは巻き取りされるワイヤと、上記ワイヤを巻き取る方向の付勢力を上記回転ドラムに与えるゼンマイと、上記ケーシングの一端に枢軸回動自在に設けられた、その先端にピンを有するレバーと、を有する吊り下げ物品昇降器であって、上記回転ドラムの側面には、上記ワイヤの引き出しによる上記回転ドラムの回転角度位置を決める、上記ピンを誘導するピン誘導溝が設けられ、上記ピン誘導溝は、上記ワイヤを巻き取るとき、上記ピンを誘導する周回巻き取り溝と、上記ワイヤを引き下ろすとき、上記ピンを誘導する周回引き下ろし溝と、上記ワイヤを上端位置から引き下ろしたとき、上記ピンを上記周回巻き取り溝から上記周回引き下ろし溝に誘導する初期導入曲線溝と、上記ワイヤの引き下ろしを止めたとき、上記ゼンマイの力により、上記周回引き下ろし溝より該溝終端のドラム回転停止位置まで上記ピンを誘導する第1調整溝と、上記ドラム回転停止位置から上記ワイヤをさらに引き下ろしたとき、所要の重量を支持する重量支持点まで上記ピンを誘導する第2調整溝と、上記重量支持点から上記周回巻き取り溝まで上記ピンを誘導する収納誘導溝とを備え、引き下ろした上記ワイヤを、上記ピンが上記重量支持点に到ったときのワイヤ引き下ろし位置にて、その下端に物品を吊り下げた状態で固定可能であるもの、としたので、1) ワイヤの引き下ろしの動作、2) 該引き下ろしを止めた後の、手を離すことによる、若干のワイヤの戻し上げ後の停止、の動作、3) その後の荷重をかけたときの停止、の動作、4) 該荷重印加状態から、荷重を解除した後のワイヤの収納、の動作を、動作が逆流することなく、連続して、安定に、行わせることができる。
本発明の請求項2にかかる吊り下げ物品昇降器によれば、請求項1に記載の吊り下げ物品昇降器において、上記周回巻き取り溝と上記初期導入曲線溝とが接する部位と、上記初期導入曲線溝と上記周回引き下ろし溝とが接する部位と、上記周回引き下ろし溝と上記第1調整溝とが接する部位と、上記第1調整溝と上記第2調整溝とが接する部位と、上記第2調整溝と上記周回巻き取り溝とが接する部位と、のそれぞれに、上記ピンの一方向への移動を可能とし、他の方向への進行を妨げるピン進行規制部が形成されているもの、としたので、各所要部位に、ピンの各所要導入方向への進行のみを加納とし、その他の方向への進行を妨げるピン進行規制部を設けたので、上記ワイヤを引き下ろすときの回転ドラムの回転や、ワイヤから手を離したときのゼンマイの付勢力による回転ドラムの回転時の、ピンの移動の規制を正確、適切に行うことでき、本吊り下げ物品昇降器の動作を、正確、確実なものとすることができる。
本発明の請求項3にかかる吊り下げ物品昇降器によれば、請求項1または請求項2に記載の吊り下げ物品昇降器において、上記ケーシングを、天井に取り付け可能なものとしたので、天井の改造をすることなく、容易に上記吊り下げ物品昇降器を取り付けることができる。
本発明の請求項4にかかる吊り下げ物品昇降器によれば、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の吊り下げ物品昇降器において、上記ワイヤの下端に、洗濯物を保持する洗濯物干し器を吊り下げるようにしたので、室内にて、所定間隔の所望の高さ位置にて、洗濯物干しをすることができる。
本発明の請求項5にかかる吊り下げ物品昇降器によれば、請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の吊り下げ物品昇降器において、上記ワイヤの下端に、物品を収容するための物入れを吊り下げるようにしたので、該物入れの高さ位置を調節することにより、所望の高さ位置に物品保持トレイを設けることができることとなる。
(実施の形態1)
以下、本発明の実施の形態1による吊り下げ物品昇降器について、図面を参照しながら説明する。
本実施の形態1による吊り下げ物品昇降器の構成を、図1(正面図)、図2(背面図)、図3(断面図)に、洗濯物干し器昇降機の要部の構成を図4(斜視図)、図5(断面図)に、それぞれ示す。
本実施の形態1による吊り下げ物品昇降器は、ユニットふた1と、該ユニットふた1に取り付けたユニットケース2との間に、回動自在に設けられた回転ドラム5と、一端が回転ドラム5に固定され、これに巻回されて該回転ドラム5から引き出し、あるいは巻き取りされるワイヤ4と、ワイヤ4を巻き取り収納する方向への付勢力を回転ドラム5に与えるゼンマイ11と、を有するものである。
ユニットふた1は、その周囲に穴21が設けられており、この穴21は、吊り下げ物品昇降器を天井にネジ留めするときにネジ穴として用いられる。なお、図1には、ユニットふた1が円形に形成されている例を示したが、本実施の形態は、ユニットふた1の形状を限定するものではなく、これは任意の形状であって良い。
ユニットふた1には、周囲に穴22〜24が、ユニットケース2には、ユニットふた1に取り付けられた時の穴22〜24に対応する位置に穴25〜27が、それぞれ設けられ、対応する穴同士をネジ留めすることにより、ユニットふた1とユニットケース2とを接合している。接合されたユニットふた1とユニットケース2との間に架設された主軸3が、回転ドラム5の中心に貫通された穴に通され、しかして、回転ドラム5は水平方向に回動自在とされている。
ユニットケース2には、図2,図4に示したように、ワイヤ4の下端に設けられる吊り下げ物品保持輪6を鉛直方向に引き下げ可能とするためのワイヤ吊り下げピン7と、ワイヤ4の下端部および吊り下げ物品保持輪6を、吊り下げ物品昇降器の下方に出すための穴8と、が設けられている。
回転ドラム5のさらに詳細な構成を、図6(正面図)、図7(背面図)、図8(断面図)に示す。回転ドラム5は、表面および裏面の直径より胴部の直径が小さく、断面が糸巻型を呈するよう形成され、胴部に設けられた穴9に、ワイヤ4の一端が固定されている。回転ドラム5の内部に設けられた空間(以下筐体と称す)には、ゼンマイ11が配設されており、このゼンマイ11は、その一端が、主軸3に設けられた割れ目に、他端が、筐体の壁と突出部とを利用して形成された凹部12に、それぞれ差し込まれ、これにより、上記ワイヤ4を巻き取る方向に付勢されている。また、上記回転ドラム5の筐体は、穴14を用いて回転ドラム5にネジ留めされたゼンマイふた13により覆われており、このゼンマイふた13によってゼンマイ11を保持している。なお、図7においては、ゼンマイふた13に覆われている部分を、点線で示してある。
しかして回転ドラム5は、ワイヤ4を引き下ろすと、これに伴って回転し、巻回されていたワイヤ4を解放する。ワイヤ4を引き下ろすのを止めると、回転ドラム5は、ゼンマイ11の付勢力によって、ワイヤ4を引き下ろした時とは逆方向に回転し、ワイヤ4を巻き取って収納する。
ユニットふた1には、図5にその断面を示したように、その先端にピン15を保持するレバー16が、レバー軸17により枢軸回動可能に軸着され、回転ドラム5の表面(ユニットふた1側の面)には、ワイヤ4の引き出しによる回転ドラム5の回転角度位置を決める、ピン15を誘導するピン誘導溝10が設けられている。ピン15は、ピン誘導溝10に係合するよう配設されており、回転ドラム5に巻回されたワイヤ4が引き出される時や収納される時の、回転ドラム5の回転に伴ってピン誘導溝10内を移動し、回転ドラム5の回動を規制することにより、回転ドラム5の回転角度位置を決める。
ピン誘導溝10は、図6に示したように、同心円状の2つの円を、曲線と、2カ所折り返された折れ線と、で接続するよう形成されている。すなわち、ピン誘導溝10は、外側に円形に形成された溝であり、主にワイヤ4を巻き取って収納するとき、ピン15を誘導する周回巻き取り溝10aと、内側に円形に形成された溝であり、主にワイヤ4を引き下ろすとき、ピン15を誘導する周回引き下ろし溝10cと、円形に形成された2つの溝を接続する曲線の溝であり、ワイヤ4を上端位置から引き下ろしたとき、ピン15を周回巻き取り溝10aから周回引き下ろし溝10cに誘導する初期導入曲線溝10bと、円形に形成された2つの溝を接続する折れ線の溝の一部であり、ワイヤ4の引き下ろしを止めたとき、ゼンマイ11の付勢力により、周回引き下ろし溝10cより溝が折り返されているドラム回転停止位置10eまでピン15を誘導する第1調整溝10dと、上記折れ線に形成された溝の一部であり、ドラム回転停止位置10eからワイヤ4をさらに引き下ろしたとき、所要の重量を支持するよう溝が折り返されている重量支持点10gまでピン15を誘導する第2調整溝10fと、上記折れ線に形成された溝の一部であり、重量支持点10gから第1周回巻回し溝までピン15を誘導する収納誘導溝10hと、よりなる。なお、本実施の形態は、周回巻き取り溝10aおよび周回引き下ろし溝10cの位置関係を限定するものではなく、内側に形成された円形部を周回巻き取り溝10aとし、外側に形成された円形部を周回引き下ろし溝10cとして用いる構成としても良い。
ここで、第1調整溝10dは、回転ドラム5がゼンマイ11の付勢力により回転している時に、周回引き下ろし溝10cより第1調整溝10dへピン15を誘導しやすい角度に設けられ、さらに第2調整溝10fへピン15を誘導しないようにするために、ドラム回転停止位置10eにおいて折り返されている。重量支持点10gにおいて、収納誘導溝は、回転ドラム5がゼンマイ11の付勢力により回転している時に、周回巻き取り溝10aへピン15を誘導しやすい角度に折り返されている。
ピン誘導溝10(上記各溝)には、一定方向へのピン15の誘導を妨げる一方、その逆方向へピン15を誘導するように、ピン15の誘導を規制するピン誘導方向規制部18a〜18fが形成されている。このピン誘導方向規制部18a〜18fは、ピン誘導溝10が分岐する部位や収斂する部位、および折り返された部位に形成されるものであり、その位置を図9(a)に、ピン誘導方向規制部18a〜18fの断面形状の各一例を、図9(b)〜図9(f)に、それぞれ示す。なお、図9(a)においては、溝底面が所定の深さに水平に形成されている部位にハッチングを付してある。
周回巻き取り溝10aから初期導入曲線溝10bへ分岐する部位(F−F’)に形成したピン誘導方向規制部18aは、ワイヤ4収納動作時のピン15の進行方向に向かって周回巻き取り溝10aの底面を上げて、周回巻き取り溝10aと初期導入曲線溝10bとが接する位置まで坂を設け、上記初期導入曲線溝10bの側壁の、上記周回巻き取り溝10a内にある低側壁部19aを形成したものである。
しかしてピン誘導方向規制部18aは、回転ドラム5がゼンマイ11の付勢力により回転し、ワイヤ4が収納されている時には、ピン15を、周回巻き取り溝10aを進むようにし、ワイヤ4が引き下ろされ、回転ドラム5がゼンマイ11の付勢方向とは逆の方向に回転している時には、ピン15が周回巻き取り溝10aを進むのを妨げ、周回巻き取り溝10aより初期導入曲線溝10bにピン15を誘導する。
初期導入曲線溝10bが周回引き下ろし溝10cに収斂する部位(G−G’)に形成したピン誘導方向規制部18bは、周回引き下ろし溝10cに向かって初期導入曲線溝10bの底面を上げて、周回引き下ろし溝10cと接する位置まで坂を設け、初期導入曲線溝10bの終端部と接する周回引き下ろし溝10cの溝側壁に、低側壁部19bを形成したものである。また、周回引き下ろし溝10cより第1調整溝10dへ分岐する部位(H−H’)に形成したピン誘導方向規制部18cは、ワイヤ4引き下ろし動作時のピン15の進行方向に向かって周回引き下ろし溝10cの底面を上げて、周回引き下ろし溝10cと第1調整溝10dとが接する位置まで坂を設け、第1調整溝10dの側壁の、周回引き下ろし溝10cにある低側壁部19cを形成したものである。
しかしてピン誘導方向規制部18b、18cは、ワイヤ4が引き下ろされると、ピン15を、周回巻き取り溝10aより初期導入曲線溝10bを経て周回引き下ろし溝10cへ誘導し、ワイヤ4が引き下ろされている間、周回引き下ろし溝10cを周回し続けるよう、ピン15を誘導する。さらにピン誘導方向規制部18cは、回転ドラム5がゼンマイ11の付勢力により回転し、ワイヤ4が収納されている時には、ピン15が周回引き下ろし溝10cを進むのを妨げ、周回引き下ろし溝10cより第1調整溝10dへとピン15を誘導する。
なお、ワイヤ4がすべてドラムに巻き取られ、吊り下げ物品保持輪6が上端位置に位置する時の、ピン15の位置は、周回巻き取り溝10a、初期導入曲線溝10b、周回引き下ろし溝10cのいずれかであることが望ましい。これにより、第1調整溝10dから収納誘導溝10hの間にピン15が位置している場合よりスムーズにワイヤ4を引き下ろし始めることができる。
また、図9(b),(c)においては、ピン誘導方向規制部18a、18bの坂の長さと、ピン誘導方向規制部18cの坂の長さとが異なるように示しているが、坂の長さは、ピン誘導方向規制部18a〜18cを配置するスペースの余裕に基づいて設計されたものであり、本発明を限定するものではない。
これらピン誘導方向規制部18a〜18cは、低側壁部19a〜19cに続く各坂の前後の溝底面における水平部の高さが等しくされているのに対し、後述するピン誘導方向規制部18d〜18fは、低壁部19dの前後、低壁部19eおよび低側壁部19fに続く各坂の前後で、溝底面の水平部の高さが異なるようにされている。
すなわち、第1調整溝10dの、ドラム回転停止位置10eの手前の位置(I−I’)に形成したピン誘導方向規制部18dは、ドラム回転停止位置10eの溝底面を周回引き下ろし溝10c側の溝底面より一段低くし、ドラム回転停止位置10eに位置するピン15の、周回引き下ろし溝10c側への移動を妨げる低壁部19dを形成したものである。第2調整溝10fの、重量支持点10gの手前の位置(J−J’)に形成したピン誘導方向規制部18eは、ドラム回転停止位置10eより重量支持点10gに向かって、第2調整溝10fの溝底面を上げて坂を設け、重量支持点10gに位置するピン15の、ドラム回転停止位置10e側への移動、すなわちゼンマイ11の付勢方向へのピン15の移動、を妨げる低壁部19eを設けたものである。収納誘導溝10hが周回巻き取り溝10aに収斂する部位(K−K’)に形成したピン誘導方向規制部18fは、重量支持点10gより周回巻き取り溝10aとが接する位置まで、収納誘導溝10hの溝底面を上げて坂を設け、収納誘導溝10hの終端部と接する周回巻き取り溝10aの溝側壁に、低側壁部19fを形成したものである。
ここで、ピン誘導方向規制部18dの低壁部19dの前後の溝底面の高さの差は、ピン誘導方向規制部18eの坂(低壁部19e)の前後の溝底面の高さの差と、ピン誘導方向規制部18fの坂(低側壁部19f)の前後の溝底面の高さの差との和に等しくなるようにされている。なお、これは、ピン誘導方向規制部18d〜18fを配置するスペースの余裕に基づいて設計されたものであり、本発明を限定するものではない。ピン誘導方向規制部18d〜18fは、ピン誘導方向規制部18aと同様の断面形状であってもよい。
このように構成される吊り下げ物品昇降器は、天井に取り付けた際に見栄えを良くするために、カバーで覆うようにされていても良い。図10(a)は、カバー31が取り付けられた吊り下げ物品昇降器の一例を示す側面図、図10(b)は、その正面図、図10(c)は、その使用方法を示す図である。
図10(a)〜図10(c)において、31は、穴21を用いて天井にネジ留めされたユニットふた1、およびユニットふた1と接合されたユニットケース2を覆って配設され、その下面に、吊り下げ物品保持輪6を下げるための穴が貫通されているカバー、32は、吊り下げ物品保持輪6を引き下ろすときに用いられる引き出し棒、33は、洗濯物干し器である。
なお、図10(a)〜図10(c)には、マウスに似た外形形状のカバー31を示したが、本発明は、カバーの外形形状を限定するものではなく、カバー31はいかなる形状であっても良い。
次に、以上のように構成される吊り下げ物品昇降器の使用方法および動作について、室内に洗濯物を干す場合を例にとって説明する。
天井に取り付けられた吊り下げ物品昇降器に洗濯物干し器33を吊り下げる時には、まず、吊り下げ物品保持輪6を所望の高さとするように、ワイヤ4を引き下ろす。この時、吊り下げ物品保持輪6の位置が高すぎて、手が届かない場合には、引き出し棒32の先端のカギ状部分を吊り下げ物品保持輪6に引っかけ、引き出し棒32を引き下ろす。
ワイヤ4が引き下ろされている間、回転ドラム5はこれに伴って回転し、枢軸回動するレバー16の先端に設けられたピン15は、周回巻き取り溝10aを進み、ピン誘導方向規制部18aの低側壁部19aによって、初期導入曲線溝10bへと誘導され、さらにピン誘導方向規制部18bによって、初期導入曲線溝10bより周回引き下ろし溝10c内に誘導され、ピン誘導方向規制部18cの坂(低側壁部19c)を超えながら該周回引き下ろし溝10c内を周回し続ける。
吊り下げ物品保持輪6を所望の高さまで下ろすと、ワイヤ4あるいは吊り下げ物品保持輪6を引っかけた引き出し棒32を引くのをやめる。
すると、回転ドラム5は、ゼンマイ11の付勢力により、ワイヤ4が引き下ろされていた時とは逆の方向に回転し、ピン15は、ワイヤ4が引き下ろされていた時とは逆の方向に、周回引き下ろし溝10cを進み、ピン誘導方向規制部18cの低側壁部19cによって、第1調整溝10dへと誘導され、さらにピン誘導方向規制部18dによって、溝底面が一段低くされているドラム回転停止位置10eへと誘導され、該ドラム回転停止位置10eにて停止する。すなわち、この時、ワイヤ4は引かれていないため、回転ドラム5はゼンマイ11の付勢力により回転可能な状態であり、ピン15は、第1調整溝10dに沿って進行するが、該第1調整溝10dの先端の凹壁面と当接して(ドラム回転停止位置10e)その進行が停止され、回転ドラム5の回転は停止する。これにより、回転ドラム5が固定されるので、引き下ろしたワイヤ4を手から放した状態で、ピン15がドラム回転停止位置10eに達したのに対応するワイヤ4の位置にて、ワイヤ4が固定される。
ワイヤ4が固定された後、吊り下げ物品保持輪6に洗濯物干し器33を吊り下げるか、あるいはワイヤ4をさらに引き下げると、回転ドラム5は、再びワイヤ4が引き下ろされるのに伴って回転し、ピン15は、第2調整溝10fを重量支持点10gに向かって誘導され、ピン誘導方向規制部18eの溝底面の坂(低壁部19e)を超えて、重量支持点10gにて停止する。すなわち、この時、ワイヤ4は引かれているため、その力により回転ドラム5は回転可能な状態であり、ピン15は、第2調整溝10fに沿って進行するが、該第2調整溝10fの先端の凹壁面と当接して(重量支持点10g)その進行が停止され、回転ドラム5の回転は停止する。これにより回転ドラム5が固定されるので、吊り下げ物品保持輪6に洗濯物干し器33を吊り下げた状態で、ピン15が重量支持点10gに達したのに対応するワイヤ4の位置にて、ワイヤ4が固定される。
そして、吊り下げ物品保持輪6に吊り下げていた洗濯物干し器33を取り除いたり、吊り下げ物品保持輪6を引くのを止めて手を放すと、回転ドラム5はゼンマイ11の付勢力により回転し、ワイヤ4を巻き取って収納する。すなわち、ピン15は、回転ドラム5の回転に伴い収納誘導溝10hを進み、ピン誘導方向規制部18fの低側壁部19fによって周回巻き取り溝10aに誘導され、ピン誘導方向規制部18aの坂(低側壁部19a)を超えながら、ワイヤ4の巻き取りが終了するまでの間、周回巻き取り溝10aを進み続ける。
このように、本実施の形態1の吊り下げ物品昇降器においては、ユニットふた1とユニットケース2間に回転ドラム5を回転自在に設け、ワイヤ4をその一端を回転ドラム5に固定してこれに巻回し、ワイヤ4を巻き取り収納する方向への付勢力を回転ドラム5に与えるゼンマイ11を設け、ユニットふた1の先端に、ピン15を保持するレバー16を、枢軸回動可能に軸着し、回転ドラム5のユニットふた1側の面に、ワイヤ4の引き出しによる回転ドラム5の回転角度位置を決めるピン誘導溝10として、ワイヤ4を引き下ろすための周回引き下ろし溝10cと、ワイヤ4を巻き上げ収納するための周回巻き取り溝10aとを設けた構成とし、さらにこれらに加えて、ワイヤ4を上端位置から引き下ろしたときピン15を周回巻き取り溝10aから周回引き下ろし溝10cに誘導する初期導入曲線溝10bと、ワイヤ4の引き下ろしを止めたときゼンマイ11の付勢力により周回引き下ろし溝10cよりドラム回転停止位置10eまで誘導する第1調整溝10dと、ドラム回転停止位置10eからワイヤ4をさらに引き下ろしたとき重量支持点10gまで誘導する第2調整溝10fと、重量支持点10gから周回巻き取り溝10aまで誘導する収納誘導溝10hとを有するものとしたものである。
したがって、引き下ろしたワイヤ4を、該ワイヤ4を手から放した状態で、上記ピン15がドラム回転停止位置10eに達したのに対応する該ワイヤ4の位置にて、固定保持させることができる。さらに、この状態で、ワイヤ4下端の吊り下げ物品保持輪6に物品を吊り下げて荷重をかけることにより、上記ピン15が上記重量支持点10gに達したのに対応する該ワイヤ4の位置にて、該ワイヤ4を固定保持することができる。ここで、該ワイヤ4の固定保持する高さ位置は、ワイヤを引き下ろしている間は、ピンが周回引き下ろし溝10c内を周回しているので、この一周回の距離分ごとの高さ位置にて、この固定保持ができるものである。
したがって、たとえば、吊り下げる物品を、図10(c)に示すように洗濯物干し器33とすることにより、室内にて、所望の高さ位置にて、洗濯物干しを行うことができることとなる。
次に、この所望の高さ位置にて、洗濯物干しを行ったのち、洗濯物干しが終わって洗濯物干し器33を取り除くと、ピン15が上記重量支持点10gから収納誘導溝10hを経て、周回巻き取り溝10aにいたることにより、ワイヤ4は回転ドラム5に巻き取られ、ドラム5内にワイヤ4の全体が収納されるものである。
なお、本吊り下げ物品昇降器の天井に対する取り付けは、ユニットふた1に設けた穴21を用いて天井にネジ留めするのみで、容易に行うことができ、天井の改造が不要であり、かつ操作を簡易に行うことができるものである。
以上の動作をするにおいて、上記ピン誘導溝10においては、周回巻き取り溝10aから初期導入曲線溝10bへ分岐する部位、初期導入曲線溝10bが周回引き下ろし溝10cに収斂する部位、周回引き下ろし溝10cより第1調整溝10dへ分岐する部位、ドラム回転停止位置10eの手前の位置、第2調整溝10fの重量支持点10gの手前の位置、および、収納誘導溝10hが周回巻き取り溝10aに収斂する部位、のそれぞれには、一方向へのピン15の進行は可能とするが、その逆方向等の他の方向へのピン15の進行を妨げる、ピン誘導方向規制部18a〜18fを形成している。したがって、これにより、本吊り下げ物品昇降器の動作は、ピン15の、(A) 周回巻き取り溝10a内の移動、(B) 該周回巻き取り溝10a内から初期導入曲線溝10b内への移動、(C) 該初期導入曲線溝10b内から周回引き下ろし溝10cへの移動、(D) 周回引き下ろし溝10cよりドラム回転停止位置10eまでの第1調整溝10d内への移動、(E) ドラム回転停止位置10eから重量支持点10gまでの第2調整溝10f内への移動、(F) 重量支持点10gから周回巻き取り溝10aまでの収納誘導溝10h内の移動、(G) 周回巻き取り溝10a内の移動、をこの順に繰り返すものとなり、この動作が逆流を起こすようなことがないため、メカが故障を起こすということもない。すなわち、物品を吊り下げる操作をワイヤ4のどの高さ位置で行ったとしても、その高さ位置に対応して、上記(C) と(D) 間の、周回引き下ろし溝10c内をピン15が周回する回数、が異なるだけで、その他は全く同じ動作を行うものであり、上記ピン誘導方向規制部18a〜18fの機能により、上記(A)〜(G) の動作を逆流なく行え、安定な動作を行うことができる。
さらに、
1) ワイヤの引き下ろし(10a内から10bを経て10cへ)の動作、
2) 該引き下ろしを止めた後の、手を離すことによる、若干のワイヤの戻し上げ後の停止(10c内から10dを経て10eへ)の動作、
3) その後の荷重をかけたときの停止(10eから10fを経て10gへ)の動作、
4) 該荷重印加状態から、荷重を解除した後のワイヤの収納(10gから10hを経て10aへ)、の動作、
を、安定に、連続して行わせることができる。これにより、洗濯物干し等を、所望の高さにて行うことができ、しかもその高さ位置は、ワイヤ4を引き下げるとき引き下げる量を調整して、適宜、調整することができる。
(実施の形態2)
以下、本発明の実施の形態2による吊り下げ物品昇降器について、図面を参照しながら説明する。
本実施の形態2による吊り下げ物品昇降器は、より細かい間隔で吊り下げ物品保持輪6の高さを調節可能とするように、第1調整溝と、第2調整溝と、収納誘導溝とよりなる連続溝誘導溝を、図11に示したように、2つ、設けたものである。
すなわち、本実施の形態2のピン誘導溝10においては、図11に示したように、回転ドラム5には、ワイヤ4を上端位置から引き下ろしたとき、ピン15を、周回巻き取り溝10iから周回引き下ろし溝10lに誘導する初期導入曲線溝10jおよび初期導入曲線溝10kが設けられている。またさらに、ワイヤ4の引き下ろしを止めたとき、ゼンマイ11の付勢力により、周回引き下ろし溝10lより、ドラム回転停止位置10nまでピン15を誘導する第1調整溝10mと、ドラム回転停止位置10nからワイヤ4をさらに引き下ろしたとき、重量支持点10pまでピン15を誘導する第2調整溝10oと、重量支持点10pから周回巻き取り溝10iまでピン15を誘導する収納誘導溝10qと、ワイヤ4の引き下ろしを止めたとき、周回引き下ろし溝10lより、ドラム回転停止位置10sまでピン15を誘導する第1調整溝10rと、ドラム回転停止位置10sからワイヤ4をさらに引き下ろしたとき、重量支持点10uまでピン15を誘導する第2調整溝10tと、重量支持点10uから周回巻き取り溝10iまでピン15を誘導する収納誘導溝10vと、が形成されている。
このように、本実施の形態2の吊り下げ物品昇降器は、初期導入曲線溝10lおよび初期導入曲線溝10kと、第1調整溝10m、第2調整溝10o、収納誘導溝10qよりなる第1の連続誘導溝機構Xと、第1調整溝10r、第2調整溝10t、収納誘導溝10vよりなる第2の連続誘導溝機構Yとを有するものである。
また、ピン誘導溝10(上記各溝)には、一定方向へのピン15の進行を妨げる一方、その逆方向へのピン15の進行を可能とするように、ピン15の進行を規制することにより、回転ドラム5の回動を規制するピン誘導方向規制部18g〜18rが形成されている。このピン誘導方向規制部18g〜18rは、ピン誘導溝10が分岐する部位や収斂する部位、および折り返された部位に形成されるものであり、その位置を図12(a)に、断面形状の各一例を、図12(b)、図12(c)に、それぞれ示す。なお、図12(a)においては、溝底面が所定の深さに水平に形成されている部分にハッチングを付してある。
ピン誘導方向規制部18g〜18rは、実施の形態1によるものと同様に、溝底面を上げて坂を設け、所望の位置に低側壁部19g〜19l,19q,19rおよび低壁部19m〜19pを設けるよう形成してもよい。これにより、ピン15を、坂の最も高い部位より低側壁部や低壁部を経て水平な部位へと移動できるが、逆方向に低側壁部や低壁部を超える、すなわち、水平な部位より低側壁部や低壁部を経て、坂の最も高い部位へと移動できないようにすることができる。
ここで、本実施の形態2においては、収納誘導溝10qおよび収納誘導溝10vを、実施の形態1による収納誘導溝10hより長くしている。これにより、ピン15の動作を安定させることができる。
例えば、洗濯物のシワを伸ばすために、吊り下げ物品保持輪6に吊り下げた洗濯物干し器に下げた洗濯物を引っ張ったり叩いたりした時のように、吊り下げ物品保持輪6に強い力が加わった場合、ピン15が収納誘導溝10qや収納誘導溝10vより外れる可能性がある。ピン15が外れてしまうと、吊り下げ物品保持輪6に吊り下げられている洗濯物干し器や洗濯物が重い場合、その重さにより吊り下げ物品保持輪6とともに洗濯物干し器が引き下げられてしまい、吊り下げ物品保持輪6に吊り下げられている洗濯物干し器や洗濯物が軽い場合、回転ドラム5がゼンマイ11により回転させられるため、ワイヤが4収納され、吊り下げ物品保持輪6とともに洗濯物干し器が上昇してしまう。収納誘導溝10qおよび収納誘導溝10vを、ピン15の動作を安定させることができる形状とすることにより、洗濯物を干す時に、安心して、洗濯物のシワを伸ばす等の手入れを行うことができるようになる。
また、ピン15が急傾斜の坂を上ると、ピン15を保持するレバー16がユニットふたに当たり、ユニットふた1に損傷を与えてしまう可能性がある。本実施の形態2によるピン誘導方向規制部18g〜18lは、レバー16によるユニットふた1に対する衝撃を抑制するために、ピン誘導方向規制部18g〜18lの坂を、実施の形態1によるピン誘導方向規制部18a〜18cに形成した坂より緩傾斜なものとしている。
なお、図12(b),(c)においては、ピン誘導方向規制部18g〜18lの坂の長さと、ピン誘導方向規制部18m〜18rの坂の長さとが異なるように示しているが、これは、ピン誘導方向規制部18g〜18rを配置するスペースの余裕に基づいて設計されたものであり、本発明を限定するものではない。上述したように、坂は、レバー16によるユニットふた1に対する衝撃を抑制するために、傾斜を緩くするよう形成するのが望ましい。
次に、以上のように構成された吊り下げ物品昇降器の動作について説明する。
吊り下げ物品保持輪6が引き下ろされ、ワイヤ4が引き下ろされている時、回転ドラム5はワイヤ4が引き下ろされるのに伴って回転し、ピン15は、周回巻き取り溝10iを進み、ピン誘導方向規制部18gあるいは18h、初期導入曲線溝10jあるいは10kへと誘導され、さらに該初期導入曲線溝より周回引き下ろし溝10lへと誘導され、周回引き下ろし溝10lを周回し続ける。
吊り下げ物品保持輪6を所望の高さまで下ろし、ワイヤ4を引くのを止めると、回転ドラム5は、ワイヤ4が引き下ろされていた時とは逆の方向に回転させられ、ピン15も、ワイヤ4が引き下ろされていた時とは逆の方向に、周回引き下ろし溝10lを進み、ピン誘導方向規制部18k、ピン誘導方向規制部18lのいずれかによって、第1連続誘導溝機構Xあるいは第2連続誘導溝機構Yへと誘導され、実施の形態1によるものと同様の動作を行う。
すなわち、第1連続誘導溝機構Xへと誘導されたピン15は、ピン誘導方向規制部18mによって、第1調整溝10mをドラム回転停止位置10nへと誘導され、第2連続誘導溝機構Yへと誘導されたピン15は、ピン誘導方向規制部18nによって、第1調整溝10rをドラム回転停止位置10sへと誘導され、該位置にて停止する。これにより回転ドラム5が固定されるので、引き下ろしたワイヤ4を手から放した状態で、ワイヤ4が固定される。
ここで、吊り下げ物品保持輪6を所望の高さまで下ろした後、ワイヤ4を引くのを止めると、回転ドラム5はゼンマイ11の付勢方向に回転しながらワイヤ4の一部を収納するため、ワイヤ4(吊り下げ物品保持輪6)は上記所望の高さより上昇することとなる。上昇距離が最長となるのは、ワイヤ4を引くのをやめた時に、ピン15が、ピン誘導方向規制部18kの低側壁部19k直前、およびピン誘導方向規制部18lの低側壁部19l直前に位置している時である。すなわち、ピン15がピン誘導方向規制部18kの低側壁部19k直前に位置する場合、回転ドラム5の回転に伴いピン15はピン誘導方向規制部18lまで戻った後、第1調整溝10rをドラム回転停止位置10sまで進むこととなり、同様に、ピン15がピン誘導方向規制部18lの低側壁部19l直前に位置する場合、回転ドラム5の回転に伴いピン15はピン誘導方向規制部18kまで戻った後、第1調整溝10mをドラム回転停止位置10nへと進むこととなる。このため、ワイヤ4の上昇する最長距離は、周回引き下ろし溝10lの円周の1/2の距離と、第1調整溝10m,第1調整溝10rの距離との和となり、また、ワイヤ4固定位置の高さは、周回引き下ろし溝10lの円周の1/2の距離単位で調節可能となる。
すなわち、上記実施の形態1による吊り下げ物品昇降器においては、ワイヤ4を引くのをやめた時にワイヤ4が上昇する最大上昇距離は、周回引き下ろし溝10cの円周分の距離と、第1調整溝10dの距離との和であり、また、ワイヤ4に荷重をかけても該ワイヤ4を固定保持できる固定保持位置間の間隔は、周回引き下ろし溝10cの円周分の距離であった。これに対し、本実施の形態2においては、上記第1の連続誘導溝機構Xと、第2の連続誘導溝機構Yとを設けたことにより、ワイヤ4を引くのをやめた時のワイヤの最大上昇距離は、上記実施の形態1における、周回引き下ろし溝10cの円周分の1/2の距離と、第1調整溝10dの距離との和となり、また、ワイヤ4の荷重印加可能な固定保持位置間の間隔は、上記実施の形態1における、周回引き下ろし溝10cの円周分の距離、の1/2の距離、となっている。
ワイヤ4が固定された後、吊り下げ物品保持輪6に洗濯物干し器33を吊り下げるか、あるいはワイヤ4をさらに引き下げると、回転ドラム5は、再びワイヤ4が引き下ろされるのに伴って回転し、ピン15は、第2調整溝10oを進み、重量支持点10pにて停止する。あるいは第2調整溝10tを進み、重量支持点10uにて停止する。これにより、洗濯物干し器33が吊り下げられた吊り下げ物品保持輪6が固定される。
そして、吊り下げ物品保持輪6に吊り下げていた洗濯物干し器33を取り除いたり、ワイヤ4を引くのを止めると、回転ドラム5はゼンマイ11の付勢力により回転し、ワイヤ4を巻き取って収納する。
このように、本実施の形態2の吊り下げ物品昇降器においては、周回引き下ろし溝10l、および、周回巻き取り溝10iに対して、初期導入曲線溝10jおよび10k、および、第1調整溝(10m、10r)、第2調整溝(10o、10t)、および収納誘導溝(10q、10v)よりなる連続誘導溝機構X、Yを、設けているので、ワイヤ4を引くのをやめた時のワイヤの最大上昇距離、および、ワイヤ4の荷重印加可能な固定保持位置間の間隔が、上記実施の形態1におけるそれらのほぼ半分となっており、洗濯物干し器を吊り下げる位置を、短い間隔ごとに調整することができ、操作性を大きく向上できるものである。
また、本実施の形態2においては、収納誘導溝10qおよび収納誘導溝10vを、実施の形態1による収納誘導溝10hより長くしている。したがって、ピン15の動作を実施の形態1より安定させることができ、吊り下げ物品保持輪6に強い力が加わった場合でも、ピン15が収納誘導溝10qおよび収納誘導溝10vより外れにくくすることができる。
また、ピン誘導方向規制部18g〜18lの坂を、実施の形態1によるピン誘導方向規制部18a〜18cに形成した坂より緩傾斜なものとしている。したがって、ピン15を保持するレバー16による、ユニットふた1に対する衝撃を抑制することができるものである。
なお、実施の形態1および実施の形態2においては、吊り下げ物品保持輪6に洗濯物干し器33を吊り下げた場合を例にとって説明したが、本発明は、吊り下げ物品保持輪6に吊り下げる物品を限定するものではなく、吊り下げ物品保持輪6にはいかなる物を吊り下げても良い。例えば、吊り下げ物品保持輪6に、物品を収容するための物入れを吊り下げても良く、この場合は、物入れの高さを調節することにより、物品を置きやすくする効果が得られる。
本発明の吊り下げ物品昇降器は、引き下ろしたワイヤの先端に物品を吊り下げることができるため、室内に洗濯物を干す時や、物品を収容するための物入れ等を吊り下げる時に用いることができる。
本発明の実施の形態1による吊り下げ物品昇降器の構成を示す正面図である。 本発明の実施の形態1による吊り下げ物品昇降器の構成を示す背面図である。 本発明の実施の形態1による吊り下げ物品昇降器の構成を示す断面図である。 吊り下げ物品昇降器のワイヤを吊り下げる機構を説明するための要部斜視図である。 レバーと溝との係合を説明するための要部断面図である。 ドラムに形成された溝を説明するための正面図である。 ドラムに設けられたゼンマイを説明するための背面図である。 ドラムの構成を示す断面図である。 ドラムの溝に形成されたピン誘導方向規制部を説明するための正面図である。 ピン誘導方向規制部の断面形状を示す断面図である。 ピン誘導方向規制部の断面形状を示す断面図である。 ピン誘導方向規制部の断面形状を示す断面図である。 ピン誘導方向規制部の断面形状を示す断面図である。 ピン誘導方向規制部の断面形状を示す断面図である。 本発明の実施の形態による吊り下げ物品昇降器をカバーで覆った例を示す側面図である。 本発明の実施の形態による吊り下げ物品昇降器をカバーで覆った例を示す正面図である。 本発明の実施の形態による吊り下げ物品昇降器の使用方法を示す図である。 本発明の実施の形態2による吊り下げ物品昇降器のドラムに形成された溝を説明するための正面図である。 ドラムの溝に形成されたピン誘導方向規制部を説明するための正面図である。 ピン誘導方向規制部の断面図である。 ピン誘導方向規制部の断面図である。 従来の物干し装置の構成を示す斜視図である。 従来の物干し装置の構成を示す断面図である。
符号の説明
1 ユニットふた
2 ユニットケース
3 主軸
4 ワイヤ
5 回転ドラム
6 吊り下げ物品保持輪
10 ピン誘導溝
10a、10i 周回巻き取り溝
10b、10j、10k 初期導入曲線溝
10c、10l 周回引き下ろし溝
10d、10m、10r 第1調整溝
10e、10n、10s ドラム回転停止位置
10f、10o、10t 第2調整溝
10g、10p、10u 重量支持点
10h、10q、10v 収納誘導溝
11 ゼンマイ
15 ピン
18a〜18r ピン誘導方向規制部
31 カバー
32 引き出し棒
33 洗濯物干し器

Claims (5)

  1. ケーシング内に回動自在に設けられた回転ドラムと、
    一端が上記回転ドラムに固定され、これに巻回されて該回転ドラムから引き出し、あるいは巻き取りされるワイヤと、
    上記ワイヤを巻き取る方向の付勢力を上記回転ドラムに与えるゼンマイと、
    上記ケーシングの一端に枢軸回動自在に設けられた、その先端にピンを有するレバーと、を有する吊り下げ物品昇降器であって、
    上記回転ドラムの側面には、上記ワイヤの引き出しによる上記回転ドラムの回転角度位置を決める、上記ピンを誘導するピン誘導溝が設けられ、
    上記ピン誘導溝は、
    上記ワイヤを巻き取るとき、上記ピンを誘導する周回巻き取り溝と、
    上記ワイヤを引き下ろすとき、上記ピンを誘導する周回引き下ろし溝と、
    上記ワイヤを上端位置から引き下ろしたとき、上記ピンを上記周回巻き取り溝から上記周回引き下ろし溝に誘導する初期導入曲線溝と、
    上記ワイヤの引き下ろしを止めたとき、上記ゼンマイの力により、上記周回引き下ろし溝より該溝終端のドラム回転停止位置まで上記ピンを誘導する第1調整溝と、
    上記ドラム回転停止位置から上記ワイヤをさらに引き下ろしたとき、所要の重量を支持する重量支持点まで上記ピンを誘導する第2調整溝と、
    上記重量支持点から上記周回巻き取り溝まで上記ピンを誘導する収納誘導溝とを備え、
    引き下ろした上記ワイヤを、上記ピンが上記重量支持点に到ったときのワイヤ引き下ろし位置にて、その下端に物品を吊り下げた状態で固定可能である、
    ことを特徴とする吊り下げ物品昇降器。
  2. 請求項1に記載の吊り下げ物品昇降器において、
    上記周回巻き取り溝と上記初期導入曲線溝とが接する部位と、上記初期導入曲線溝と上記周回引き下ろし溝とが接する部位と、上記周回引き下ろし溝と上記第1調整溝とが接する部位と、上記第1調整溝と上記第2調整溝とが接する部位と、上記第2調整溝と上記周回巻き取り溝とが接する部位と、のそれぞれに、上記ピンの一方向への移動を可能とし、他の方向への進行を妨げるピン進行規制部が形成されている、
    ことを特徴とする吊り下げ物品昇降器。
  3. 請求項1または請求項2に記載の吊り下げ物品昇降器において、
    上記ケーシングは、天井に取り付け可能なものとした、
    ことを特徴とする吊り下げ物品昇降器。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の吊り下げ物品昇降器において、
    上記ワイヤの下端に、洗濯物を保持する洗濯物干し器を吊り下げた、
    ことを特徴とする吊り下げ物品保持器。
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の吊り下げ物品昇降器において、
    上記ワイヤの下端に、物品を収容するための物入れを吊り下げた、
    ことを特徴とする吊り下げ物品昇降器。
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