JP4112767B2 - 複層ガラス窓構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は複層ガラス窓構造の改良に関する。なお、本発明で使用した「弾性率」は、縦弾性係数(弾性限度において材料が受けた引張り応力を材料に生じた歪で徐した値。ヤング率に相当)を意味する。
【0002】
【従来の技術】
2枚のガラス板の一方に対して他方の厚さを異ならせた形式の複層ガラスは、例えば実開平1−168687号公報「複層ガラス」に示されるものが知られている。すなわち、同公報第1図に示される通りに、厚い方の板ガラス1a(符号は公報記載のものを流用。)と薄い方の板ガラス1bとを並べた複層ガラスに関する。
この様な複層ガラスは、例えば実開平3−101793号公報「複層ガラス」の第4図に示されるように、サッシ枠5に嵌めた状態で使用されることが多い。
【0003】
図3は従来のサッシ枠付き複層ガラス窓構造の要部断面図であり、上記実開平1−168687号公報の複層ガラスを、実開平3−101793号公報のサッシ枠に嵌めたものに相当する。
図3の複層ガラス窓構造は、サッシ111の溝112にセンタブロック113を置き、その上に、スペーサ121を介して薄いガラス板122と厚いガラス板123を一定の間隔Dを置いて平行に配置してなる複層ガラス120を載せ、溝112の左壁114と複層ガラス120との間にバックアップ材115及び第1シーリング材116、複層ガラス120と溝112の右壁117との間にバックアップ材115及び第2シーリング材118を充填したものである。
第1,第2シーリング材116,118は風の吹き抜けや雨水の侵入を防止するシールの役割を果たすとともに、複層ガラス120を支える重要な部材である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記第1,第2シーリング材116,118は、シール性に富み、経年変化(劣化)が起こりにくい材料から選択するが、第1,第2シーリング材116,118は同じ材料(材質)を使い、作業性を高めるようにしている。
【0005】
しかし、本発明者等が検討したところでは、薄いガラス板112に接する第1シーリング材116の種類により、薄いガラス板112における分担荷重が変化することが分かった。
そこで、本発明の目的はシーリング材の適正な選択を実施し、薄いガラス板の分担荷重を低減することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1は、スペーサを介して2枚のガラス板を一定の間隔を置いて平行に配置し、中間層に乾燥した気体を封じ込め且つ一方のガラス板を薄いガラス板とし、他方のガラス板を厚いガラス板とすることで複層ガラスを構成し、この複層ガラスを、サッシの溝又はアタッチメントの溝の左右壁間に嵌め、溝の左壁と薄いガラス板との間に第1シーリング材を充填し、溝の右壁と厚いガラス板との間に第2シーリング材を充填してなる複層ガラス窓構造において、第1シーリング材は、第2シーリング材より低い弾性率の材料とし、これらの第1シーリング材の断面形状と第2シーリング材の断面形状とが同一であり、且つ、厚いガラス板は、薄いガラス板より高強度のガラスであることを特徴とする。
【0007】
薄いガラス板に接する第1シーリング材を低弾性率材料とすることにより、薄いガラス板における分担荷重の増加を抑える。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を添付図に基づいて以下に説明する。
図1は本発明に係るサッシ枠付き複層ガラス窓構造の要部断面図であり、複層ガラス窓構造は、サッシ11の溝12にセンタブロック13を置き、その上に、スペーサ21を介して薄いガラス板22と厚いガラス板23を一定の間隔Dを置いて平行に配置してなる複層ガラス20を載せ、溝12の左壁14と複層ガラス20との間にバックアップ材15及び第1シーリング材16、複層ガラス20と溝12の右壁17との間にバックアップ材15及び第2シーリング材18を充填したものである。
【0009】
複層ガラス20は直接的にサッシ枠に嵌めるものと、アタッチメントと称する縁部材を介してサッシ枠に嵌めるものとがある。従って、前記サッシ11はアタッチメントであってもよい。スペーサ21はアルミニウム合金製スペーサや樹脂製スペーサが好適である。
【0010】
なお、バックアップ材15,15は第1,第2シーリング材16,18の支持作用(複層ガラス20の図左右の支持)を妨げないように軟質材を使用する。
【0011】
薄いガラス板22はガラスの種類は問わないが、フロートガラスや網入りガラスが採用できる。
厚いガラス板23も種類は問わないが、異なる厚さのガラス板を組み合わせた複層ガラス20では厚い方のガラス板23に大きな分担荷重が作用することが知られている。そこで、厚いガラス板23は高強度ガラス(倍強度ガラスや強化ガラス)にすることが望ましい。
【0012】
ここで重要なことは、第1シーリング材16を低い弾性率の材料で構成し、第2シーリング材18をそれより高い弾性率の材料で構成したことである。すなわち、本発明では、第1シーリング材16は、第2シーリング材18より低い弾性率の材料としたことを特徴とする。
その理由を次に説明する。
【0013】
図2は弾性率とガラス板の分担荷重の関係を示すグラフであり、次の条件でシミュレーションしたところ、図に示す傾向を見出すことに成功した。
条件:
薄いガラス板の厚さ:3mm
厚いガラス板の厚さ:6mm
間隔D(図1参照):12mm
薄いガラス板に作用する圧力(図1のP1):1kPa
第1シーリング材の弾性率E1:グラフの横軸
第2シーリング材の弾性率E2:1MPa,10MPa
【0014】
グラフの縦軸は薄いガラス板の分担荷重を示し、横軸は第1シーリング材の弾性率E1を示す。
【0015】
そして、グラフ上の曲線▲1▼は第2シーリング材の弾性率E2を1MPaとし、第1シーリング材の弾性率E1を0〜10MPaの範囲で変化させたときの薄いガラス板の分担荷重を示すものであり、傾きがプラスの一次曲線となることが分かった。
【0016】
また、グラフ上の曲線▲2▼は第2シーリング材の弾性率E2を10MPaとし、第1シーリング材の弾性率E1を0〜10MPaの範囲で変化させたときの薄いガラス板の分担荷重を示すものであり、傾きがプラスの一次曲線となることが分かった。
【0017】
そして、マクロ的に見れば曲線▲1▼と曲線▲2▼とには大差はなく、薄いガラス板の分担荷重は第1シーリング材の弾性率E1に依存し、且つ弾性率E1が小さいほど分担荷重が小さくなると言える。
また、ミクロ的にみれば第2シーリング材の弾性率E2が大きい方が、薄いガラス板の分担荷重は小さくなると言える。
【0018】
即ち、図1において、薄いガラス板22に接触する第1シーリング材16は、その弾性率E1が小さいほど、薄いガラス板22の分担荷重は小さくなり、薄いガラス板22の破損を防止する上で好ましいことである。
【0019】
また、図1において、厚いガラス板23に接触する第2シーリング材18は、その弾性率E2が大きいほど、薄いガラス板22の分担荷重は小さくなる。
加えて、複層ガラス20に圧力P1が作用したときには、第1シーリング材16が引張り部材、第2シーリング材18が圧縮部材となって複層ガラス20の移動を阻止する。
なお、圧力P1はマイナスであれば、第1シーリング材16は圧縮部材、第2シーリング材18は引張り部材となって複層ガラス20の移動を阻止する。シーリング材16,18の引張り性能と圧縮性能は実質同一であると考えられるので、圧力P1の作用方向は何れであってもよい。
【0020】
第1,第2シーリング材16,18ともに低弾性率材であれば、荷重に対する第1,第2シーリング材16,18の変形が大きくなり、結果として複層ガラス20がサッシ11の溝12内を大きく移動することになり、実用上課題が残る。
そこで、第1シーリング材16を低弾性率とする代わりに第2シーリング材18を高弾性率とすることが、実用上好ましいことである。
このことから、第1シーリング材16は、第2シーリング材18より低い弾性率の材料とすれば良いことになる。
【0021】
尚、本発明の複層ガラスは、薄いガラス板が室外側、室内側の何れに臨んでいてもよい。また、請求項1での「左壁、右壁」は便宜上の表記であり、上下、前後、表裏であってもよく、一方の壁、他方の壁を意味する。
【0022】
【発明の効果】
本発明は上記構成により次の効果を発揮する。
請求項1は、スペーサを介して2枚のガラス板を一定の間隔を置いて平行に配置し、中間層に乾燥した気体を封じ込め且つ一方のガラス板を薄いガラス板とし、他方のガラス板を厚いガラス板とすることで複層ガラスを構成し、この複層ガラスを、サッシの溝又はアタッチメントの溝の左右壁間に嵌め、溝の左壁と薄いガラス板との間に第1シーリング材を充填し、溝の右壁と厚いガラス板との間に第2シーリング材を充填してなる複層ガラス窓構造において、第1シーリング材は、第2シーリング材より低い弾性率の材料とし、これらの第1シーリング材の断面形状と第2シーリング材の断面形状とが同一であり、且つ、厚いガラス板は、薄いガラス板より高強度のガラスであることを特徴とし、薄いガラス板に接する第1シーリング材を低弾性率材料とすることにより、薄いガラス板における分担荷重の増加を抑える。
この結果、薄いガラス板にフロートガラスなどの比較的低強度のガラス板を安心して採用することができ、複層ガラス並びに複層ガラス窓構造の低コスト化を容易に達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るサッシ枠付き複層ガラス窓構造の要部断面図
【図2】弾性率とガラス板の分担荷重の関係を示すグラフ
【図3】従来のサッシ枠付き複層ガラス窓構造の要部断面図
【符号の説明】
11…サッシ、12…溝、14…溝の左壁、16…第1シーリング材、17…溝の右壁、18…第2シーリング材、20…複層ガラス、21…スペーサ、22…薄いガラス板、23…厚いガラス板、D…間隔。
Claims (1)
- スペーサを介して2枚のガラス板を一定の間隔を置いて平行に配置し、中間層に乾燥した気体を封じ込め且つ一方のガラス板を薄いガラス板とし、他方のガラス板を厚いガラス板とすることで複層ガラスを構成し、この複層ガラスを、サッシの溝又はアタッチメントの溝の左右壁間に嵌め、溝の左壁と薄いガラス板との間に第1シーリング材を充填し、溝の右壁と厚いガラス板との間に第2シーリング材を充填してなる複層ガラス窓構造において、
前記第1シーリング材は、第2シーリング材より低い弾性率の材料とし、これらの第1シーリング材の断面形状と第2シーリング材の断面形状とが同一であり、且つ、前記厚いガラス板は、前記薄いガラス板より高強度のガラスであることを特徴とする複層ガラス窓構造。
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