JP4111965B2 - コーティング布帛およびエアバッグの製造方法 - Google Patents

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本発明は、摩擦特性および引裂き強力に優れたコーティング布帛の製造方法に係り、詳しくは展開性能、収納性に優れた軽量のエアバッグの製造に用いられるコーティング布帛およびエアバッグの製造方法に関する。
自動車の乗員保護安全装置としてエアバッグの装着が進んできている。乗員保護安全装置としてのエアバッグは、通常、ステアリングホイールやインストルメントパネルなどの狭い場所にインフレーターケースを含めたモジュールとして装着されるので、エアバッグは収納容積が小さい(コンパクト)であることが望まれている。収納容積がコンパクトなエアバッグは、細繊度繊維で織られた織物を基布として使用することや、コーティングに用いられるエラストマーの種類乃至塗布量を変更することなどが行われている。例えば、基布織物の製織糸は940dtexから470dtexへと小さく、また、エラストマー種類はクロロプレンからシリコーンへ、塗布量は90〜120g/m2から40〜60g/m2へと変更されてきた。軽量化、コンパクト化されたエアバッグに対する市場の最近の要求は、基布のよりいっそうの軽量化、風合いのソフト化およびエラストマー低塗布量化によるコーティング布帛の軽量化への要望である。これに応えるには以下の技術課題を克服することが不可欠である。その一つは、シリコーン樹脂組成物の塗布量を減量した場合には、(1)非通気性能の確保の問題および(2)燃焼速度の増大によりFMVSS302が定める難燃性、燃焼速度適格性確保の二つの問題が発生する。その二つは、エアバッグのソフト化の問題である。この問題は、コンパクトにエアバッグ装置に収納された軽いエアバッグの展開性能の改良に関係する。乗員が標準想定着座位置に着座していない場合、乗員とエアバッグの距離が短い、すなわちエアバッグによる乗員拘束猶予時間が短い場合であっても、数十msec(ミリ秒)以内にエアバッグがすばやく完全に展開を完了して乗員を拘束するといった性能が求められる。かくして、エアバッグの柔軟化の課題は、よりコンパクトな収納状態からの短時間での滑らかな展開をするといった高度な性能への改良と関係している。
従来のエアバッグ用布帛のエラストマーのコーティング皮膜形態は、特開平6−8779号公報に記載されているように、エラストマーが織物の目合い部に偏在して付与された形態である。エラストマーの塗布量が織物基布上25g/m2以下にもなると、織物の目合い部以外の織り糸部のエラストマー塗布が少なくなって織糸部の単糸間が完全には被覆されなくなるので、所定の空気遮断性を有する基布が得られないことになる。エアバッグは、本来短時間で展開して乗員拘束する態勢を整える機能を必要とするものであるから、インフレータからの発生ガスを完全に利用できる非通気布帛で構成されていることが望ましい。更には、エラストマーが偏在して塗布された布帛構造は、FMVSS302の燃焼試験時に、エラストマーの薄い塗布部分から塗布皮膜が破れてしまって燃焼ガスの拡散を抑制することができないので、FMVSS302燃焼試験で不合格となるコーティング布帛がでてきてしまう。
特開平7−300774号公報には、顔料を10wt%から5wt%含む顔料含有シリコーン樹脂組成物の5〜20μmの厚みのコーティング皮膜を有するコーティング布帛がFMVSS302燃焼試験に合格するエアバッグ用のコーティング布帛が開示されている。しかし、織物基布面とコーティングヘッドのナイフとの間隙によってその間隙とほぼ等しい厚みのコーティング皮膜を形成する方法によるものであるから、織物表面の凹凸を埋めた上での5〜20μmの厚みのコーティング皮膜面は平らな平滑面を形成しているものと理解され、当然のことながら平滑な皮膜表面の故にコーティング布帛は、表面の摩擦抵抗が高いものとなる。
国際公開WO01−09416号公報には、細繊度の繊維(全繊度が250dtex以下で、単糸繊度が4.5dtex以下)からなる高密度織物を基布に用い自己消火性のノンコーティング布帛によるエアバッグについて、特に無精練織物で油剤が付与され小型軽量コンパクトなエアバッグが得られる基布が記載されている。
しかしながら、軽くそして小さくに折り畳みコンパクトにエアバッグ装置に収納できる従来のエアバッグにおいて、エアバッグの展開時の収納状態からの短時間均一展開性能、展開耐圧強力、非通気性能および耐燃焼性を綜合して向上させ得るコーティング布帛の設計の具体的な試みは知られていない。
特開平6−8799号公報 特開平7−300774号公報 国際公開第01/09416号パンフレット
本発明の目的は、コンパクトに収納できる軽いエアバッグであって、特に展開性能、耐燃焼性および機械的性能について改良されたエアバッグの製造に有用な軽量コーティング布帛を提供することにある。
また、本発明の目的は、展開時間が短く展開均一性に優れ、より迅速に乗員拘束可能であるといった要求に応えることができ、展開耐圧に優れ、エアバッグ装置のケーシングにコンパクトに収納できる軽いエアバッグを実現することにある。
本発明のより具体的な目的は、エラストマーで非通気性にコーティングされているにもかかわらず柔軟で、摩擦特性と引裂き強力が改良された軽量のコーティング布帛を提供することにある。本発明のさらなる目的は、エラストマーコーティングの塗布量が少量であっても、エアバッグ展開に有利な空気遮断性があり、FMVSS302が定める難燃性、燃焼速度を満足する軽量のコーティング布帛を提供することにある。
従来の織物などの基布面に非通気性のエラストマーの塗布層を形成したコーティング布帛は、コーティング表面が粘着的な性質をもち、滑り性が欠けて摩擦係数が基布織物の表面に比べて著しく大きく、加えて比較的細繊度の織り糸による目付けの小さい織物を基布に用いるコーティング布帛においても、エラストマー塗布層が存在することで基布織物がもつしなやかな柔軟性を欠いている。本発明者らは、この現象に着目して、軽量の非通気性コーティング布帛のコーティング表面の形状および層構造を精緻に改質することにより、本発明の課題を解決した。
本発明は、繊度0.5〜4.5dtexの単糸で構成された全繊度67〜350dtexの繊維からなる基布の少なくとも1つの面にエラストマ−膜を塗布して形成された非通気性コーティング布帛であって、非通気性コーティング表面の布帛の経方向および緯方向におけるKES計測による摩擦係数(MIU:Mean value of the coefficient of friction [non-unit])が経方向および緯方向ともに0.01〜0.3であり、コーティング表面の経方向の摩擦係数(MIU)と緯方向の摩擦係数(MIU)の差が絶対値で0.15以下であることを特徴とするコーティング布帛である。
本発明でいう非通気性コーティング布帛は、繊度0.5〜4.5dtexの単糸で構成された全繊度67〜350dtexの繊維からなる基布の少なくとも一方の面にエラストマーを塗布して非通気性のコーティング層を形成した布帛である。ここで非通気性とは、本発明のコーティング布帛の対象用途であるエアバッグ装置におけるエアバッグの展開を保証する程度のガス非透過性を有することを意味する。
ここに、KES計測法(Kawabata's evaluation system for fabric)とは、布帛の「風合い」すなわち人体が感ずる触感を数値化することを目的に布の力学的基本特性の計測方法として文献(The Standardization and Analysis of Hand Evaluation, 2nd Ed., S.Kawabata, the Texile Machinery Society of Japan, July 1980)で計測方法を定めている。KES計測による摩擦係数(MIU)は、指定の摩擦子表面によって一定張力で水平保持された試料布帛上を経方向および緯方向に移動させ、摩擦子によって静荷重が掛かった状態での摩擦子に掛かる張力(すなわち摩擦力)から検出される摩擦係数(MIU)値である。ここで、KESの摩擦係数の測定により、本発明のコーティング布帛の表面すべり状態を評価することができる。測定条件ついては後に詳述する。
本発明のコーティング布帛は、コーティング表面の形状を凹凸のある非鏡面的な形状とすることで、コーティング表面が基布織物の摩擦係数に比べ、より低減した摩擦係数を有するものに改質されている。本発明のコーティング布帛は、更に、コーティング表面の経方向の摩擦係数と緯方向の摩擦係数の差が極めて小さく、経方向および緯方向に沿った滑り異方性がないことも特異的である。
本発明は、コーティング布帛が、上述したように、コーティング面の滑りが改良されているので、コンパクトに折り畳まれたエアバッグが展開する時間を短縮することができる。本発明のコーティング布帛は、コーティング表面の摩擦係数の経方向、緯方向の異方性がないので、エアバッグ展開時の布帛面の滑りが全方向に実質的に均等であるので、布帛の経方向、緯方向の展開速度の差が実質的になくなり、たとえば、円形のような対称形状のバッグにおいて展開中の形態も対称に展開するので、結果として素早く確実に乗員を拘束することができるエアバッグを得ることができる。
本発明のコーティング布帛における摩擦特性は、エラストマーコーティングの表面が織物など基布表面の凹凸形状の輪郭に沿った凹凸面を有するコーティング層を形成することにより得ることができる。そして、このコーティング層が基布の断面の内部にほとんど浸透することなく形成されていることによって、エラストマーの布帛内部へ浸透により布帛が硬くなることを防ぎ、基布の本来有する柔軟性を活用することができ、同時にコーティング布帛の引裂き強力を向上することができる。
この表面形状を有するコーティング皮膜は、基布面上に付与されたエラストマー固形分1〜25g/m2の層であって、最大膜厚部と最小膜厚部の膜厚比が3未満で形成されるエラストマーの層である。本発明のコーティング布帛は、所定の改質表面を具えておりながらも、膜の薄い部分から灰化燃焼膜破壊がなく、燃焼ガスの拡散による延焼がないので、FMVSS302燃焼試験に合格する耐燃焼性をもっている。
本発明のコーティング布帛の表面特性は、コーティング面の表面粗さ(Ra)が1.5〜12μmである。表面粗さ(Ra)はコーティング布帛の表面も凹凸状態を示すものであり、ここで、表面粗さ(Ra)は、(株)キーエンス製のレーザー反射式変位計LT−8010をプローブとして用い(2μmφスポット径)三次元形状測定機で測定をされるコーティング面の凹凸高さ変位の計測値である。コーティング面の経方向および緯方向のKES計測における触針表面粗さ(SMD:Mean deviation of surface roughness [mean deviation of the thickness<unit:micron>)が2〜10μmで特定される。KES計測における触針表面粗さはコーティング布帛が人体と接触した時のコーティング布帛の体感粗さを評価するものであり、KES計測における触針表面粗さ(SMD)は、KES規定の接触子を試料に載せて、接触子の上下動から表面粗さを検出し、接触子の垂直変位の標準偏差で表わされる値である。
本発明のコーティング布帛は、繊度0.5〜4.5dtexの単糸で構成される総繊度67〜350dtexの織糸からなる、織密度と織糸繊度の積で表される織繊度が経方向および緯方向ともに9,000〜22,000本・dtex/2.54cmの織物に、粘度5,000〜200,000mPa・sのエラストマーを1〜100kgf/mの接圧下にナイフコーターで、1〜25g/m2をコーティングヘッドの相対速度が1〜100m/min好ましくは10〜50m/minにて塗布し、架橋処理することによって製造することができる。
本発明の製造方法によって製造されたコーティング布帛を用いることにより、運転席用、助手席用等あらゆる形式のエアバッグについて、展開時間が短く、展開異方性が無いため衝突時の迅速対応性に優れ、エアバッグ装置にコンパクト収納できる軽いエアバッグを製作することができる。
以下、本発明について具体的に説明する。
本発明のコーティング布帛は、コーティングが布帛の片面にコーティングされている片面コーティング布帛であっても、布帛の両面にコーティングされた両面コーティングの布帛であってもよい。
本発明のコーティング布帛は、エラストマーによるコーティング面がKES計測の摩擦係数(MIU)が経方向および緯方向ともに0.01〜0.3、より好ましくは0.05〜0.25である。摩擦係数(MIU)を0.3以下とすることでエアバッグの展開においてコーティング面の滑りが改良され、コンパクトに折り畳まれたエアバッグの展開時間を短縮することができる。
コーティングが布帛片面に施されたコーティング布帛を用いて得られるエアバッグは、通常、布帛のコーティング面が内側となるように縫製された袋体である。この袋体が折り畳まれてエアバッグ装置におけるエアバッグのケーシングに収納されている。かくして、エアバッグが展開するとき、コーティング布帛のコーティング面同士の滑りと非コーティング面同士の滑りが同時に生じて、コーティング面同士の滑りの悪さが展開時間の短縮を阻害することになる。ここに、コーティング面の摩擦特性の改良の意義がある。
本発明のコーティング布帛は、コーティング面の経方向の摩擦係数(MIU)と緯方向の摩擦係数(MIU)の差が0.15以下である。基布布帛は往々にしてその製造過程の張力履歴などによって経方向、緯方向の表面性状が変わるので、摩擦係数に経方向、緯方向の異方性がある。本発明は、独特のコーティング層を形成すことによって、表面の摩擦特性の異方性程度が軽減されて、コーティング布帛の経方向と緯方向の摩擦係数(MIU)の差を0.15以下とすることができる。コーティング布帛のコーティング表面の摩擦係数(MIU)の差が0.15以下であれば、エアバッグの展開において展開均一性が良好である。すなわち、布帛の滑りが均等で、経方向、緯方向の展開速度の差が無くなり、たとえば、円形のような対称形状のバッグにおいて展開中の形態も対称に展開するため、結果として素早く乗員拘束の態勢を整えることができる。
布表面の摩擦特性を検出するためのKES計測法は、本発明では、KES規定の摩擦子表面に試料布帛を貼附して、一定張力で水平保持された試料布帛上を移動させ、摩擦子によって静荷重が掛かった状態での摩擦子に掛かる張力(すなわち摩擦力)を検出する方法によった。その際、摩擦子表面の布帛と水平保持した布帛は、同一試料であり、かつその経方向と緯方向を合致させて経方向および緯方向の摩擦係数(MIU)値を得た。
本発明コーティング布帛のコーティング面の摩擦挙動は、基本的に布帛の繊維の織目や編目が形成する畝の凹凸形状に由来する。コーティング面のエラストマーが、織り編み構造と繊維によって形成されている基布布帛表面の凹凸形状に沿って塗布されていることが本発明所定の摩擦係数を制御する上で重要である。コーティング面の凹凸形状はレーザー計測による表面粗さ(Ra)によって特定することができる。
本発明の所定表面の摩擦係数を得るためには、コーティング面の表面粗さ(Ra)が1.5μm以上であればよく、好ましくは1.5〜12μm、より好ましくは2〜10μmである。
エラストマーによるコーティング面は、往々にして粘着的な性質を有し表面形態が鏡面形状にあるときには、後述の比較例4などで例示するように、摩擦力が高いものである。この表面粗さ(Ra)の範囲にある表面形状が本発明が特定する低摩擦係数(MIU)を達成する表面形状でもある。
本発明のコーティング布帛におけるコーティング面の経方向および緯方向のKES計測における触針表面粗さ(SMD)は、2〜10μmであることが好ましく、より好ましくは2.4〜8μmである。KES計測法による触針表面粗さ(SMD)は、人体が感ずる風合い粗さを計測するための規定の接触子を試料に載せて、接触子の上下動で検出される表面粗さで、電子回路を用いて出力される接触子の垂直変位の平均偏差であり、10μm以下のコーティング面形状で本発明の所定摩擦係数(MIU)を示す低摩擦表面が得られる。
本発明のコーティング布帛は、凹凸表面を形成するコーティング皮膜が基布布帛繊維へのエラストマーの浸透が最低限に抑制された態様で基布の全表面を覆っていることによって、非通気性が付与されている。コーティング表面粗さ形成は、後述するように、コーティングの方法条件に負うが、この表面粗さの調製条件がコーティング布帛の柔軟性、引裂強度、耐燃焼特性とかかわっている。エラストマーの浸透が生ずると、コーティング表面には、布帛の構成繊維の単糸繊維の形状までが明瞭に現われることになるので、表面凹凸を山、谷の平均断面積で表わす(Ra)の値が大きくなる。したがって、表面粗さ(Ra)の値が12μm以下であればコーティングの著しい浸透が抑制され、コーティング皮膜による表面粗さの改良効果を有する布帛となる。コーティングエラストマーが布帛に浸透せず、コーティング皮膜が布帛表面に確実に存在することで、まず、引裂き強力向上が達成される。コーティングが布帛の繊維に浸透している場合は、繊維内の単糸相互の拘束が強すぎて、引裂きが発生している先端では構成繊維が1本ずつ切断する挙動に近づく。一方、コーティングの浸透が無い場合は、引裂きが発生している先端で構成繊維がコーティング皮膜で引き寄せられて束ねられ、複数本切れの挙動を示す。従って、単糸繊維への浸透の少ないコーティング皮膜によって布帛の引裂き強力は向上する。つぎに、こうしたコーティング皮膜は、非通気性能を充分に満たし、展開時間短縮に寄与する。さらに、布帛の表層に形成されたコーティング層は極端に膜厚が薄い部分が無く強固な皮膜であり、FMVSS302の定めによる燃焼試験合格の要求性能を満たすことができる。
FMVSS302の水平燃焼挙動観察によれば、布帛に着火した際、エラストマーによるコーティング皮膜が強固に形態を保持できる場合に延焼が抑制される。逆に、燃焼の際にコーティング皮膜が湾曲したり、亀裂を生ずる場合には延焼してしまうことが判った。軽い薄い皮膜でなるコーティング布帛であっても、コーティング層が布帛に浸透せずに皮膜形成されていることで、燃焼時に強固な形態保持が実現でき、燃焼試験に合格できる布帛を得ることができた。
コーティング布帛におけるエラストマーからなるコーティング皮膜の膜厚は、なるべくは一様な厚みであることが好ましい。最も樹脂膜厚が薄い織糸部の膜厚1に対して、最も厚みが厚くなる部分の織物目合い部の膜厚が3未満の膜厚となっているものが好ましい。より好ましくは、最大膜厚部と最小膜厚部の膜厚比が2以下とする。コーティング皮膜の膜厚変動がこの範囲内であれば、燃焼時に皮膜の薄い部分での灰化燃焼膜が破れるようなことがなく、そこから燃焼ガスが拡散して延焼するようなことがなくなり、FMVSS302燃焼試験に合格する。
本発明のコーティング布帛は、KES計測による、経方向、緯方向それぞれの単位幅あたりの曲げ剛性(B:Bending rigidity per unit length [unit:m N.cm2/cm)が0.5〜9mN・cm2/cmであることが好ましい。さらに好ましくは1.5〜8.5mN・cm2/cmである。この範囲の低曲げ剛性をもつコーティング布は、折り畳み性に優れ、エアバックの収納容積をいっそうコンパクトにすることができる。
KES計測法による曲げ剛性(B)は、純曲げ試験機(KES−FB2)を用いて、布帛試料全体を一定曲率で円弧状に曲げ、その曲率を一定速度で変化させるとともに、発生する曲げモーメントを測定して得られる値である。布帛の経糸方向、緯糸方向それぞれについて、表裏方向の「曲げモーメント−曲率」の往復曲線を得て、曲率ゼロを中心とする直線部の勾配から往復それぞれの曲げ剛性値を求めた上で往復の平均をとり、コーティング布帛の単位幅当たりの値として求めたものである。この曲げ剛性(B)が布帛の経方向、緯方向とも小さい方が柔軟であることを示す。曲げ剛性(B)が9mN・cm2/cm以下であれば、折り畳んだ形状が小さく、いっそうコンパクトな折り畳み形状が得られるエアバッグを製作することができ、エアバッグの折り畳み作業性が良好で、コンパクトな折り畳みに手間がかかり過ぎるようなことがない。コーティング布帛の曲げ剛性は展開容易性や乗員へのソフトな接触に寄与する。
本発明において、コーティング布帛の基布構成繊維は、特に限定されないが、ポリヘキサメチレンアジパミドを主体とする繊維が好ましく、特に、ポリヘキサメチレンアジパミド(以下、ナイロン66という)繊維、ナイロン66コポリマー(ナイロン66/6、ナイロン66/6I、ナイロン66/610等)繊維、及びナイロン系ポリマー(ナイロン6、ナイロン610等)をブレンドしたナイロン66繊維であることが耐熱性の点で特に好ましい。
これらの繊維素材は、原糸の製造工程や加工工程での生産性あるいは特性改善のために、通常使用されている各種添加剤を含んでも良い。例えば、熱安定剤、酸化防止剤、光安定剤、平滑剤、帯電防止剤、可塑剤、増粘剤、顔料、難燃剤、ツヤ消し剤などを含有せしめることができる。
本発明のコーティング布帛を構成する繊維の引張強度は、好ましくは6cN/dtex以上、より好ましくは6.5cN/dtex以上である。引張強度が6cN/dtex以上で得られるエアバッグが展開時において必要とされる耐圧強力をみたすことになる。特に好ましい引張強度は6.5cN/dtex以上である。繊維の引張強度は高ければ高いほど好ましいが、繊維の製糸性からみて10cN/dtexが実用上の上限である。
本発明のコーティング布帛は、基布として織物、編物、不織布などが用いられるが、好適な基布は平織、格子織、斜子織り等の組織の織物である。基布織物の製織方法は、特に制限を受けないが、汎用のエアージェット製織、ウォータージェット製織、レピア製織、多相織機による製織などを用いることができる。生産性の点から、特にエアージェット製織やウォータージェット製織による製織が好ましい。
基布織物は、好適には、緯糸として用いられる織糸が繊度0.5〜4.5dtexが好ましく、より好ましくは1〜3.5dtexの単糸で構成される全繊度が67〜350dtexのマルチフィラメント糸を用いる長繊維織物であり、特に全繊度が好ましくは67〜250dtex、より好ましくは100〜250dtexを用いた長繊維織物である。ここで、織り糸の全繊度とは、織物を構成する時に使用する経方向、緯方向の織糸あたり単糸繊度の合計をいう。この意味での全繊度が350dtex以内であれば、軽量、コンパクトのエアバッグが得られる。全繊度が67dtex以上で、コーティング布帛の引張強力や引裂機械特性などのエアバッグ作動時の機械特性を満足するようになる。単糸繊度が4.5dtex以下での繊維でなる基布織物を用いて得られるコーティング布帛は、柔らかく、折り曲げ易くなり、エアバッグ装置のケーシングにコンパクトに折りたたんで収納できるエアバッグの製作に好適な布帛である。織物の織組織における経糸または緯糸を構成する繊維は、複数のヤーンの撚糸、合糸、引き揃え糸であってもよい。
本発明のコーティング布帛に用いられる基布織物は、織物の経方向および緯方向の各々において、織物を構成する繊維の全繊度と織密度(経糸または緯糸の本数/2.54cmで表される)との積、すなわち織繊度が9,000〜22,000dtex・本/2.54cmであることが好ましく、より好ましくは10,000〜20,000dtex・本/2.54cmである。最も好ましくは、12,000〜19,000dtex・本/2.54cmである。織繊度が22,000dtex・本/2.54cm以下で、エアバッグの軽量性、コンパクト性が得られ、9,000dtex・本/2.54cm以上で充分な耐圧張力を付与することができる。この織物基布を用いることで、引張強力や引裂機械特性等のエアバッグ作動時の機械特性を満足するエアバッグ用コーティング布帛が得られる。
本発明において、コーティング用のエラストマーは、汎用されているエラストマー、例えば、クロロプレン、クロルスルホン化オレフィン、シリコーンゴム、ポリアミド系エラストマー、スチレンブタジェン樹脂、ニトリルゴム、フッ素系ゴム、ポリウレタンなどを用いることができる。中でも、耐熱性、耐寒性、難燃性を有するシリコーンゴムが特に好ましい。塗布エラストマー組成物は、汎用されている増粘剤、難燃剤、充填剤、及び安定剤等を含有していてもよい。コーティング布帛は、布帛の表裏面を見分ける便宜のために、コーティング皮膜に顔料または染料による識別色をつけることもできる。
コーティングは、塗布固形分量で1〜25g/m2で形成されていることが好ましい、より好しくは5〜22g/m2である。なるべく少ない量のエラストマーを塗布することで、コーティング布帛の全厚みを小さくして、ソフトで安価なコーティング布帛とすることができる。固形分量25g/m2以下の塗膜で本発明に特有な凹凸形状をもったコーティング表面を得ることができる。基布布帛の織り組織、織り糸の繊度に対応して形成される織物の表面形態に応じて非通気性の皮膜が形成できるエラストマーの塗布量条件が選択されることが必要である。本発明でいうコーティング布帛の単位面積当たりの質量は、200g/m2以下、厚みは0.30mm以下であることが、エアバッグの軽量性、コンパクト性を高める上で好ましい。
本発明のコーティング布帛は、繊度0.5〜4.5dtexの単糸で構成される全繊度67〜350dtexの織糸からなる、織密度と織糸繊度の積で表される織繊度が経方向および緯方向ともに9,000〜22,000本・dtex/2.54cmの織物に、粘度5,000〜200,000mPa・sのエラストマーを1〜500kgf/mの線圧(接圧)下にナイフコーターで、1〜25g/m2を塗布し、架橋処理することによって製造することができる。
コーティング液(ドープ)としては、有機溶媒希釈型、水系エマルジョン型、無溶媒型などのエラストマー組成物が用いられる。本発明のコーティング膜表面形態を実現するには、それぞれのコーティング液に応じた適切な粘度範囲、接圧条件、コーティングヘッド形状を選定することで達成できる。特に、無溶媒型エラストマー組成物を用いるコーティングは、本発明のコーティング皮膜の表面形態を形成する方法として好ましい。実質的に有機溶媒希釈剤を含まない無溶媒型のエラストマー組成物によるコーティング法では、コーティング液の粘度は5,000〜200,000mPa・sが好ましく、より好ましくは10,000〜100,000mPa・sである。エラストマー組成物の粘度が5,000mPa・s以上であれば、高粘性であるほどコーティングの繊維への浸透を抑制できる。通常200,000mPa・s以上の粘度で軽量コーティングが困難になる。有機溶媒型では、溶媒が布帛への浸透性を高めてしまうため、コーティング液をいっそう高粘度に調整する必要がある。たとえば、エラストマーの分子量を上げるなどの方法で、コーティング液を50,000mPa・s以上、好ましくは80,000mPa・s以上にすることが必要である。水系エマルジョン型でも、水が布帛への浸透性を高めてしまうため、コーティング液を高粘度に調整する必要がある。適当な増粘剤、たとえば、カルボキシメチルセルロース塩などを適宜添加し、10,000mPa・s以上に調整する必要がある。
塗布方法としては、接圧型のコーティングが用いられる。汎用の各種ナイフコート、ロールコート、リバースコートなどを用いることができる。基布織物とコーティングヘッドの間に間隙を設けるコーティング方法(ギャップ法)は、塗布量を少なく制御することが困難なばかりか、織り、編みによる繊維構成の畝の凹凸が発現したコーティング面が得られない。ナイフコーティングにおける接圧条件は、線圧で1〜500kgf/mが好ましく、より好ましくは20〜200kgf/mである。1kgf/m以上でギャップ法に比べて基布布帛へのコーティング量を軽量に制御できる。高圧力にすればするほど軽量コーティングが可能になり、さらには、繊維構成の畝の凹凸形状を活かしたコーティング面を得ることができる。本発明では、コーティングヘッドがコーティングの瞬間に布帛の凹凸を平らにし、コーティング皮膜が均一膜厚で塗られ、コーティングヘッドが通過した後に基布面の凹凸が回復するために、基布面の凹凸形状をなぞったコーティング面が形成される。さらに、接圧は500kgf/m以下であれば、良好にコーティングできる。接圧条件は、エラストマーの粘度などの性状、コーティングヘッド形状、コーティング液の種類などに応じて適宜設定することができる。コーティングヘッドが布帛に接する部分は、実質の接触圧力に係っており、例えば、ナイフではその厚み2mm程度から50μm程度まで選択すればよいが、厚みが小さければ小さいほど実質の接触圧力が高くなり、いっそう軽量の塗布で凹凸の形状を形成することができる。なお、コーティングナイフ形状は先端部が半円状、直角状、凹状でも良く、半円状の半径は0.05〜1.0mm、直角状の角部半径は0〜1.0mm未満を選択すればよい。コーティング速度は1〜100m/minが好ましく、より好ましくは10〜50m/minである。コーティング速度の上限はエラストマーが粘着性を低下するまでの架橋を完了するに至る架橋処理滞留時間を要するに足りる速度となる。
コーティングに引き続く架橋処理は、エラストマーの架橋システムに応じた処理を行えばよい。例えば、シリコーンゴムで付加型の架橋剤で架橋する場合は、架橋反応の触媒のインヒビター剤を揮散させて付加反応を開始促進するために、150〜230℃程度の加熱処理を0.1〜5分間程度適用すればよい。
基布織物における油剤の付着量(織物の質量と油剤の質量とを加えた総質量に対する油剤の質量の100分率)を、0.8wt%以上とすることにより、コーティング液の織物への浸み込みを抑制し、布帛の繊維凹凸に沿った均一膜厚コーティングとする方法も好ましい。コーティング面の摩擦低下を発現することができる。油剤の付着量が0.8wt%以上であると、コーティング液を撥いて織物への浸み込みを防止することができる。油剤量が8wt%以下であれば、コーティングエラストマーと布帛との接着性が損なわれることはない。
基布織物に付着が許される油剤には、紡糸油剤、整経油剤が含まれる。油剤の付着量とは、コーティング後の織物に付着しているこれら油剤の合計量を言う。基布に油剤を付着させる方法としては、布帛をディップ加工して油剤を付着させて使用する方法と、布帛形成前に原糸に付着させて精練せずに使用する方法がある。本発明で、基布布帛が織物の場合、油剤は織物の製織前に予め原糸に油剤を付着させてから製織し、生機を精練せずに油剤を残存させる方法が好ましい。さらに、無糊の織物原糸をエアジェット製織して無精練で基布織物として用いると原糸の付与油剤を失うことなく油剤が均一に付着した状態に保たれた油剤付基布織物として使用できるので好ましい。なお、織物用原糸に繊維の製造段階で付着させる紡糸油剤として耐熱平滑剤を用いる場合、平滑剤としては、ジアルキルチオジプロピネートを主成分とするもので、PO/EOアルキルポリエーテルとPOE硬化ヒマシ油トリアルキルエステルの乳化剤とを、主成分との混合比率が40wt%となるような組み合わせで用いるとよい。
基布布帛が織物の場合、製織性の向上を目的として付与される整経油剤をそのまま活用することができる。整経油剤を用いる場合には、前記した油剤の付着量の範囲で、整経油剤としては0.5〜5.0wt%を経糸に付着させてもよい。整経油剤としては、加熱減量率差が2wt%以下のもので、自動車の窓ガラスの曇りを防止し得る耐熱油剤であることが好ましく、具体的には、高引火点の鉱物油、合成パラフィン及びグリセリンエステルを主成分とするものが好ましい。なお、加熱減量率差は次のようにして求められる。直径6cmのアルミ皿に油剤1gを精秤した試料を2個準備し、それを120℃及び150℃の個々のホットプレート上で各々10分間加熱した後の質量を測定して150℃と120℃との減量率差を求める。本発明では、油剤の付着量が、経糸と緯糸とで同等か、または、経糸の方が緯糸よりも多く付着していることが製織上好ましく、製織効率の観点から経糸の方が0.1wt%以上多いことが特に好ましい。更に、布帛を長期間放置した際のカビ防止のために、油剤中に抗菌剤を添加することができる。抗菌剤としては、整経油剤の安定性に害を与えないものであれば、その種類、その添加量に限定はない。塩化イソチアゾロン、イソチアゾン、ブロモニトリルアルコールの混合物等を整経油剤に対して0.02〜0.5wt%添加するとよい。
コーティングを適用するのに先立って、基布にカレンダー加工を適用しておくことができる。コーティングに先立つカレンダーの適用は、基布織物をその表面が鏡面にならない範囲で適度にその粗さを調整できる利点がある。カレンダー加工によって、より少量のエラストマーの塗布で布帛表面のコーティングが可能になり、適切な凹凸形状を発現する設計が可能になる。
カレンダー加工は熱間圧縮、常温圧縮、冷間圧縮などいずれでもよいが、熱間圧縮による方が好ましい。熱間圧縮のカレンダー加工における加熱温度(カレンダロール)は、繊維材料の融点以下で印加圧力との組み合わせで決定できる。基布構成繊維の高分子構造固定の観点からは150〜220℃が好ましい。加工圧力は線圧で1〜100kgf/cmが好ましい。加工速度は適宜選択できるが、1〜30m/minが好ましい。加圧圧縮の方法は、ロール間で圧縮して一定速度で通過させるロール法や加圧プレスで一定時間圧縮する方法など各種方法を採用することができる。カレンダーロールとしては、フラットな表面を有するロール及びプレスの素材は金属、セラミック、紙、エラストマー、プラスチックスなど適宜選択でき、組み合わせたロールでもよい。基布布帛の表面が鏡面にならない範囲で適度に粗さを改良することで、より少量の塗布量によりコーティング表面特性をもったコーティング布帛を得ることが可能である。
次に、実施例によって本発明を具体的に説明する。
実施例において「部」は、重量部を表す。なお、実施例および比較例におけるコーティング布帛およびエアバッグの評価方法は次の通りである。
(1)織密度
JIS L−1096 8.6.1に従い測定した。
(2)コーティング重量
布帛から0.3m角程度相当の面積(A)の試料を採取精秤し、105℃で2時間以上乾燥する。次に、ジクロロメタンで脱脂し乾燥する。これを、90%蟻酸200gで常温で3時間溶解し、ガラス焼結フィルター((株)ビードレックス製 ガラス濾過器17G−3)で不溶解分を濾別し、充分に蟻酸洗浄、水洗を行い、乾燥し、不溶解分の105℃、2時間での乾燥質量を測定する(M)。コーティング重量(g/m2)は、蟻酸不溶解分(M)を布帛試料の面積(A)で割って得た。
(3)引裂き強力
コーティング前およびコーティング後の布帛の引き裂き強力をJIS L−1096 6.15.1(シングルタング法)に従い、測定した。
(4)摩擦係数(MIU:mean value of the coefficient of friction (unit:non))
表面試験機(KES FB4)で、コーティング布(幅20cm、長さ20cm)をKES規定の標準条件(The Standardization and Analysis of Hand Evaluation,2nd Ed.S.Kawabata,The Textile Machinery Society of Japan,July 1980)を使用して、測定した。
KES文献規定の接触子(0.5mm直径を有するピアノ線10本が並べられている)を使用し、接触子には試料布帛を貼付け、水平保持した同一の試料布帛(水平保持張力:20gf/cm)上を移動させて得られる値を用いた。このときの接触荷重は50gf、測定走査速度は0.1cm/secとした。測定は試料内で場所を変えてn=5回の平均を求めた。また、KES規定の諸条件以外に、布帛同士の摩擦を測定するための工夫を施した。すなわち、そのひとつは、摩擦子の摩擦面に資料のコーティング布帛片8mm角を貼附した。次に、摩擦される布帛を水平保持する際に摩擦子に試料布帛と水平保持の試料布帛の両者の経方向、緯方向を合致させ、経方向摩擦と緯方向摩擦のそれぞれの摩擦係数を計測した。
(5)表面粗さ(Ra)
(株)キーエンス製のレーザー反射式変位計LT−8010(2μmφスポット径)をプローブとして、シグマ光機(株)製の三次元形状測定機(ステージ:LMS−3D 500XY(H))にて布帛表面をXY走査することで表面凹凸を高さ変位として計測した。JIS B−0601の表面粗さ(Ra)を、計算ソフト「LMS 3D」を用いカットオフを設定しない値で算出した。計測範囲は4000μm四方で、まず、経方向に連続走査して20μm間隔で計測した後、緯に20μm移動して経方向計測を行いこれを繰り返した。次に、緯方向に連続走査して20μm間隔で計測した後、経に20μm移動して緯方向計測を行いこれを繰り返した。すなわち、20μm間隔の格子点で高さ変位をサンプリングして40401ポイントの計測を行った。このとき表面粗さの計算は、まず、経方向に連続走査して得た表面粗さの値を緯方向で平均し、表面粗さ(Ra)wを求めた。次に、緯方向に連続走査して得た表面粗さの値を経方向で平均し、表面粗さ(Ra)fを求めた。最後に、両方法の平均からサンプル表面の表面粗さ(Ra)を求めた。
測定範囲 :4000μm四方
測定ポイント:40,401ポイント(20μmピッチ)
(6)触針表面粗さ(SMD:mean deviation of surface roughness (mean deviation of the thickness (unit:micron)))
表面試験機(KES FB4)で、コーティング布帛(幅20cm、長さ20cm)をKES標準条件(The Standardization and Analysis of Hand Evaluation,7.2nd Ed.S.Kawabata,8.The Textile Machinery Society of Japan,9.1980)で測定した。測定条件は装置に付属したKES規定接触子(直径0.5mmのピアノ線からなる)を用い、接触荷重10gf、押圧ばね定数25gf/m、測定0.1cm/sec、水平保持布帛試料の保持張力を20gf/cmとした。測定は試料を変えてn=5回の平均を求めた。
(7)曲げ剛性(B:Bending rigidity per unit length (unit:mN・cm2/cm))
純曲げ試験機(KES FB2)で、コーティング布を幅5cm、長さ10cmとした以外は、KES標準条件で測定した。
(8)コーティング布帛の目付
JIS L−1096 8.4に従い測定した。
(9)コーティング布帛の厚み
JIS L−1096 8.5に従い測定した。
(10)燃焼速度
FMVSS302法(水平法)に従い測定した。
(11)通気度
JIS L−1096 6.27.1 A法(フラジール法)に従い測定した。
(12)コンパクト性(エアバッグの折り畳み厚さ)
国際公開WO99/28164号明細書の記載に基づいて縫製法で調製された平面視円形のエアバッグ10(容量:60リットル、図中15はガス導入孔である)を、図6(A)で示すように、a縁とb縁とを中央線c−d上で突き合わせて線α,βおよびγ(均等間隔)に沿って折山と折谷が形成されるように蛇腹状に折りたたんで中間折りたたみ片20(図6(B)参照図中e,f,gは折たたみ縁周縁)を形成する。中間折りたたみ片20は、c縁とd縁を中央線a−bで突き合わせて線α’,β’およびγ’に沿って折山と折谷が形成されるように蛇腹状に折りたたむことで150mm角の折りたたみパッケージ2(図7参照)が調製される。図7中、α’,β’およびγ’は、パッケージ2中これらの線に沿って折られ形成された折山または折谷を示す。
次に、図7に示すように、折り畳んだエアバッグを平面台4上に置き、その上に300mm角のガラス板3を置き、1kgの重り5により荷重をかけ、30分後に平均厚さX(mm)を測定した。
(13)展開時間(高速VTR観察)
WO99/28164号明細書に記載の運転席用エアバッグ(60リットル)を縫製し、インフレーター(非アザイド型で最高タンク圧185kPa)を取り付けたモジュールとし、室温で展開試験を行った。ただし、バッグ正面と背面の布帛の経、緯方向を合致させて縫製した。
展開状況を高速VTRにて記録し、正面から観て、全周方向で48msecの時点で達している外周辺の中心からの距離すなわち展開距離の98%まで達した時刻を展開の完了とし、展開開始から展開完了までの時間を展開時間とした。
(14)エアバッグの展開均一性(高速VTR観察)
WO99/28164号明細書に記載の運転席用エアバッグ(60リットル)を縫製し、インフレーター(非アザイド型で最高タンク圧185kPa)を取り付けたモジュールとし、室温で展開試験を行った。ただし、バッグ正面と背面の布帛の経、緯方向を合致させて縫製した。
展開状況を高速VTRにて記録し、展開開始から14msecおよび19msecの時点の展開形態を観察し、正面から観た展開形状が円形を保って展開するサンプルを均一展開するものとし、下記の基準に基づいて評価した。
○ :均一展開(例を図1、図2に示す)
全周方向で明確な展開遅れが観察されず、展開外周に凹みを生ずることなく、 凸型で拡大展開してゆく場合。
× :不均一展開(例を図3、図4に示す)
全周方向の中で展開遅れの部分があって、明らかに展開外周に凹みを生じてい る場合。
なお、エアバッグの展開試験における、運転席エアバッグの展開動作状況の高速VTRによる正面からみた観測の過程の事例を、図1〜図5に示す。図1から図5は、運転席用エアバッグの展開試験における展開開始から完全展開するまでの展開動作状況を示し、展開するエアバッグの展開バッグの正面から高速VTRで観測した展開動作の経時過程を示す図である。
(15)展開耐圧強力の評価
WO99/28164号明細書に記載の運転席用エアバッグ(60リットル;ただし、ベントホールを設けない)を縫製し、高圧タンク試験装置へ取り付けた。高圧タンクから室温のエアバッグに対して瞬時に各種圧力のガス圧を導入して破袋までの時間を求め、100msecの時点で破袋する際のガス圧条件でのエアバッグ内圧の最大圧力すなわち、エアバッグ展開耐圧強力(kPa)を求めた。
(実施例1〜9および比較例1〜9)
ナイロン66をエクストルダー型紡糸機で溶融紡糸し、紡糸油剤を付着後、熱延伸してナイロン糸を得た。この糸は、引張強度7.7cN/dtex、伸度21%、油剤の付着量0.5wt%であった。
紡糸油剤は、「ジアルキルチオジプロピネート40部、PO/EOアルキルポリエーテル30部、POE硬化ヒマシ油トリアルキルエステル30部」の22wt%エマルジョン液として、ノズルオイリング方法で給油した。
この糸を整経する時に、整経油剤としてS560(互応化学工業株式会社製;150℃と120℃の加熱減量率差1.3%)をキスロール方式で付与し、経糸原糸の油剤の総付着量が1.0wt%になるようにして、ビーミング等の経糸準備を行い、エアージェットルーム製織機(AJL)で製織し織物を得た。
この織物を精練せず、170℃でヒートセットを行なった。
各種幅のナイフを用い、フローティング・ナイフ法で織物に50kgf/mの線圧を印加し、10m/minの速度で片面にシリコーン樹脂をコーティングした。コーティング後、乾燥機内で180℃、3分間、熱処理してコーティング布帛を得た。ここで、シリコーンは、旭化成−ワッカー株式会社製「LR6200A/B」100部、付着助剤として有機ケイ素化合物(旭化成ワッカー株式会社製「HF86」)3部、粘度20,000mPa・sで、希釈剤を使用せず用いた(組成A)。ただし、比較例9では、コーティングを行わずに各種評価を行った。
実施例1〜9および比較例1〜9で使用した糸の特性、得られた織物の評価結果およびエアバッグに縫製して展開試験した結果を第1表に示す。
実施例2のコーティング布帛の断面SEM写真を図8に示す。図8は、コーティング布帛のコーティング皮膜の表面形状が基布織物表面の凹凸形状に沿う形状に形成されていることを示しており、布帛が摩擦される際の接触面積が少ないことがわかる。そして、実施例2におけるコーティング布帛のコーティング面の摩擦係数が低い。実施例2のコーティング布帛で製作されたのエアバッグは展開時間が短く、また、経方向、緯方向の摩擦係数差が少ないことから、エアバッグ展開均一性がよい。
実施例2と比較例9とを比較する。比較例9は実施例2の基布織物そのものの評価データを示す。実施例2のコーティング布帛は、エラストマーのコーティングにより、完全に非通気にできた上で、摩擦係数が低減しており、経方向、緯方向の摩擦係数差は小さくなるよう改善されており、エアバッグの展開時間が短縮している。一方、比較例5は織物に従来通りの比較的多めのコーティングを施したコーティング布帛である。比較例5のコーティング表面は、図9に断面のSEM写真で示されるように平らである。そして布帛の摩擦の際の接触面積が大きく、布帛の摩擦係数が高い。比較例4のコーティング布帛によるエアバッグは、展開速度が小さく、展開に時間がかかる。比較例4に示すように、コーティング重量を減らすと摩擦係数は低減され始めるがまだ不十分で、むしろ経方向、緯方向の摩擦係数差が強調されて展開均一性が劣っている。また、比較例7はコーティング重量が21g/m2と少なくても高摩擦となっており、織物の総繊度が低いため繊維構成の凹凸が小さく、少ないコーティング量で平らな高摩擦面になり易いことを示している。比較例8は、摩擦係数は本発明の範囲に入るが基布の引裂強力が低く、展開試験ではバーストが生じた。
(実施例10及び比較例10、11)
実施例2〜4に示したナイロン織物に以下のコーティングを施した。
シリコーンは、旭化成−ワッカー株式会社製「RD6600F」100部(キシレン溶液)にSi結合した水素原子を少くとも3個有するオルガノポリシロキサン(旭化成ワッカー株式会社製「クロスリンカーW」)を1.5部、接着助剤として有機ケイ素化合物(旭化成−ワッカー株式会社製「HF86」)1.5部を加えた粘度80,000mPa・s(組成B)、および、さらにキシレン希釈を行った2種組成、粘度40,000mPa・s(組成C)、粘度20,000mPa・s(組成D)を準備した。フローティング・ナイフ法で織物に50kgf/mの線圧を印加して、片面にシリコーンをコーティングした。コーティング後、乾燥機内で180℃、3分間、熱処理してコーティング布を得た。糸、織物、コーティングの条件及びその特性評価結果について第2表に示す。
実施例10のように有機溶媒希釈法のコーティング液が高粘性である場合は、所望の効果を示すが、比較例10、11のように無溶媒と同等以上のコーティング液粘性であっても、コーティング中のコーティング液の浸透が生じてしまう。コーティングの浸透形状は、表面粗さ(Ra)が高いことに現れているが、この浸透の効果によって引裂き強力向上が小さく、また、燃焼試験では、燃焼中にシリコーン皮膜がひび割れを生じ、そこへの炎の伝搬で延焼して行き不合格となっている。
(比較例12)
実施例2〜4に示したナイロン織物に以下のコーティングを施した。シリコーン水性エマルジョン(旭化成−ワッカー株式会社製「DEHENSIVE 38197 VP」)52部、Si結合した水素原子少なくとも3個を有するオルガノポリシロキサン(旭化成−ワッカー株式会社製「V20」)6部、付着助剤として有機ケイ素化合物(旭化成−ワッカー株式会社製「HF86」)3部、水37.5部を攪拌混合した混合液で、濃度32wt%、25℃における粘度を80mPa・sのものをコーティング組成物(組成E)とした。
上記コーティング組成物を織物にフローティング・ナイフコータを用いて、線圧50kgf/mでコーティングした。コーティング後、130℃×2分で水分を除去し、更に、180℃×1分で架橋した。糸、織物、コーティングの条件及びその特性評価結果について第2表に示す。
水系エマルジョン液では、コーティング液の浸透が著しく、通気度をゼロにすることができない。コーティング表面は繊維の単糸の凹凸も明確に現れており、このコーティングの浸透形状は、大きい表面粗さ(Ra)の値に現れている。コーティングの浸透効果によって引裂き強力が向上せず、また、燃焼試験では、燃焼中にシリコーン皮膜がひび割れを生じ、そこへの炎の伝搬で延焼して行き不合格となっている。
(比較例13)
実施例2〜4と同一のナイロン織物に、実施例2と同じシリコーン組成物(組成A)でコーティングを施した。その際、ナイフはロールオンナイフ型に配置してナイロン織物とナイフの間に20μmの間隙を設けてコーティングした。糸、織物、コーティングの条件及びその特性評価結果について第2表に示す。コーティング面は摩擦係数が非常に高く、電子顕微鏡観察ではコーティング面がほとんどフラットであった。
(実施例11および比較例14〜16)
実施例2と比較例9、10、12のコーティング布帛を用いて展開耐圧強力の試験を行った結果を第3表に示す。実施例11では、コーティング無しの比較例16に比べ、コーティングによる引裂き強力向上の効果によるエアバッグ展開耐圧強力の向上が観測された。さらに、比較例14、15ではコーティングが繊維に浸透して引裂強力の向上がないかわずかであり、エアバッグ展開耐圧強力の向上が得にくい。
(実施例12および比較例17)
実施例1に示したナイロン織物を、メタル・ペーパーロールを用いてカレンダー加工し(200℃、80t/150cm、20m/min)、実施例1のコーティング組成とコーティング条件でコーティングし、180℃で3分間熱処理した。糸、織物、コーティングの条件及びその特性評価結果について第4表に示す。
実施例12では、カレンダー加工であらかじめ布帛表面の表面粗さを低めに制御することにより少量コーティングで低摩擦のコーティング面が得られた。比較例17では、布帛凹凸が少なく加工された上に、これを埋めてしまうほどのコーティング重量となっており、コーティング面がフラット面となって高摩擦となっている。
本発明の製造方法によって製造されたコーティング布帛は、非通気性のエラストマーコーティングを有するにもにもかかわらず布帛コーティング表面の摩擦係数が低く、引裂き強力が改良され、FMVSS302が定める難燃性、燃焼速度を満足する柔軟で軽量のコーティング布帛である。本発明の製造方法によって製造されたコーティング布帛を用いて得られるエアバッグ装置用のエアバッグは、展開時間が短く展開均一性に優れているので、より迅速に乗員拘束可能な性能をもつエアバッグの要求に応えることができ、展開耐圧に優れた、エアバッグ装置のケーシングにコンパクトに収納することができる軽いエアバッグである。
均一に展開することができるエアバッグの展開開始後14msecの展開形状の例を示す図である。 均一に展開することができるエアバッグの展開開始後19msecの展開形状の例を示す図である。 不均一に展開するエアバッグの展開開始後14msecの展開形状の例を示す図である。 不均一に展開するエアバッグの展開開始後19msecの展開形状を示す図である。 エアバッグの完全展開(48msec)における展開形状の例を示す図である。 運転席用のエアバッグの折り畳み説明図である。 図6で示される方法で折り畳まれた運転席用エアバッグの折り畳み厚さの測定方法を示す説明図である。 本発明の実施例2のコーティング布帛(片面コーティング布帛)におけるコーティング皮膜の断面を斜視的に示すSEM写真(150倍:スケール表示10ドット間が200μm)である。 比較例5のコーティング布帛(片面コーティング布帛)におけるコーティング皮膜の断面を斜視的に示すSEM写真(90倍:スケール表示10ドット間が500μm)である。

Claims (5)

  1. 繊度0.5〜4.5dtexの単糸で構成される全繊度67〜350dtexの織糸からなる、織密度と織糸繊度の積で表される織繊度が経方向および緯方向ともに9,000〜22,000本・dtex/2.54cmの織物に、粘度5,000〜200,000mPa・sのエラストマーを1〜500kgf/mの接圧下にフローティングナイフコーターで、1〜25g/m2を塗布し、織物表面の凹凸形状の輪郭に沿った凹凸面を有するコーティング層を形成し、架橋処理することを特徴とする非通気性コーティング布帛の製造方法。
  2. エラストマーが実質的に無溶媒のエラストマーである請求項1に記載のコーティング布帛の製造方法。
  3. ナイフコーターの接圧が20〜200kgf/mである請求項1または2に記載のコーティング布帛の製造方法。
  4. ナイフコーターの厚みが50μm〜2mmである請求項1〜3のいずれか一項に記載のコーティング布帛の製造方法。
  5. 請求項1〜のいずれか一項に記載の製造方法によって得られたコーティング布帛を用いてなるエアバッグ。
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