JP4110714B2 - 重合性(メタ)アクリレートの製造方法 - Google Patents

重合性(メタ)アクリレートの製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、重合性(メタ)アクリレートの製造方法に関し、更に詳しくは、特定の構造を有する攪拌翼を備えた攪拌槽を用いて、攪拌により発生する泡が液面上上に滞留するのを抑制する効果のある重合性(メタ)アクリレートの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、重合性(メタ)アクリレートの製造方法としては、(メタ)アクリレートとアルコールとのエステル交換反応、(メタ)アクリル酸とアルコールとの脱水エステル化反応、あるいはエポキシ化合物への(メタ)アクリル酸の付加反応が一般的である。これらのうち、特に、脱水エステル化反応は、重合性(メタ)アクリレートの製造が容易であるとともに、製造可能な重合性(メタ)アクリレートが多様であることから、有用な製造方法である。
脱水エステル化反応による重合性(メタ)アクリレートの製造においては、硫酸、パラトルエンスルホン酸、メタンスルホン酸等の強酸性触媒の使用と反応温度80〜120℃という腐食性環境に耐えられるような反応器を用いることが不可欠となっている。
一方、重合性(メタ)アクリレートの製造においては、生産性を上げるために細部の目的に応じて装置的な改良が数々行われている。特に反応効率を上げるため、すなわち攪拌効率を上げるために攪拌条件(攪拌翼の形状改良や邪魔板の配設等)の検討が行われている。脱水エステル化反応においては、攪拌条件によっては溶媒(トルエン等)が泡として発生することがある。これが液面上に多量にたまって安定化してしまうと、反応器の空間部が泡で占められ、反応器へ充填できる原料の量が抑制され、作業性が悪化する。しかし、重合性(メタ)アクリレートの製造時に泡が発生する機構は未だ不明であり、泡の発生を更に抑制できる重合性(メタ)アクリレートの製造方法が求められている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、熱交換効率の高い攪拌槽を有する一体型反応器の使用を前提として、特定の構造を有する攪拌翼を備えた攪拌槽を用いて、攪拌により発生する泡が液面上に滞留するのを抑制する効果のある重合性(メタ)アクリレートの製造方法を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、特定の構造を有する攪拌翼を備えた攪拌槽を用いて、攪拌により発生する泡が液面上に滞留するのを抑制する効果のある重合性(メタ)アクリレートの製造方法について検討した結果、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明の重合性(メタ)アクリレートの製造方法は、縦型円筒状の攪拌槽内の中心部に垂設される回転軸上の下端側に配設される、翼数が2〜6枚である第1攪拌翼と、その上側に配設される、翼数が2〜8枚である第2攪拌翼と、更にその上側に配設される、翼数が2〜8枚である第3攪拌翼と、を備えた攪拌槽を反応器とし、アルコール類と(メタ)アクリル酸を脱水エステル化反応して得ることを特徴とする。
さらに、本発明の重合性(メタ)アクリレートの製造方法は、上記回転軸最下端から上記第2攪拌翼固定中心までの長さが、上記第2攪拌翼固定中心から上記第3攪拌翼固定中心までの長さよりも短いことを特徴とする。
【0005】
上記「第1攪拌翼」は、回転軸付近の液を外側に押し出す役割がある。その翼の形状は特に問わず、パドル翼、後退翼等が挙げられるが、本第2発明に示すように、後退翼が好ましく用いられる。また、この第1攪拌翼の翼数は、好ましくは2〜6枚、更に好ましくは3〜4枚である。7枚以上では翼重量の増加のわりには攪拌効率の増大が小さくなり、1枚では回転した際の荷重バランスをとることが困難となり、且つ攪拌効率も不十分なものとなり、いずれも好ましくない。
【0006】
上記「第2攪拌翼」は、上記第1攪拌翼と同様、回転軸付近の液を外側に押し出す役割がある。その翼の形状は特に問わず、パドル翼、タービン翼、アンカー翼等が挙げられるが、本第3発明に示すように、パドル翼が好ましく用いられる。また、パドル翼には傾斜をつけてもつけなくてもよく、傾斜をつける場合には傾斜角が30度以下(より好ましくは0〜15度、更に好ましくは0〜5度)のパドル翼が好ましい。第2攪拌翼の傾斜角が30度を越えると翼からの吐出量が減少することとなり好ましくない。更に、上記第2攪拌翼の翼数は、好ましくは2〜8枚、更に好ましくは4〜6枚である。9枚以上では翼重量のわりには攪拌効率の増大が小さくなり、1枚では回転した際の荷重バランスをとることが困難となり、且つ攪拌効率も不十分なものとなり、いずれも好ましくない。
【0007】
上記「第3攪拌翼」は、回転軸付近の液を回転軸に沿って下向きに押し出す役割がある。その翼の形状は特に問わず、傾斜パドル翼、プロペラ翼、ハイドロフォイル翼、リボン・スクリュー翼等が挙げられるが、本第3発明に示すように、傾斜パドル翼が好ましく用いられる。この傾斜角としては30〜60度(より好ましくは40〜50度、更に好ましくは45度)が好ましい。上記第3攪拌翼の傾斜角が30度未満では、下向きに押し出す力が不足となり、また60度を越えると翼重量のわりには吐出量が減少し、いずれも好ましくない。更に、上記第3攪拌翼の翼数は、好ましくは2〜8枚、更に好ましくは2〜4枚である。9枚以上では翼重量のわりには攪拌効率の増大が小さくなり、1枚では回転した際の荷重バランスをとることが困難となり、且つ攪拌効率も不十分なものとなり、いずれも好ましくない。
尚、上記第1、第2及び第3攪拌翼の材質も特に問わないが、通常ステンレス製である。また、パドル翼の形状は、四角形のみならず三角形、五角形等種々の形状が適用できる。外端部が直線上でもよいし、曲線状でも鋸刃状でも構わない。いずれの場合も、パドル翼の形状は回転軸を中心に左右線対称であることが好ましい。
【0008】
本発明において、上記回転軸最下端から上記第2攪拌翼固定中心位置までの長さは、本第4発明に示すように、上記第2攪拌翼の回転径と同じかそれより短いものとすることができる。上記第2攪拌翼の回転径より長ければ第2攪拌翼から吐出した反応液の一部が攪拌槽内壁に沿って下向きの流れを形成して第1攪拌翼から発生する上向きの流れを妨げることになり好ましくない。
また、本発明において、上記第1攪拌翼、上記第2攪拌翼及び上記第3攪拌翼の回転半径は、本第5発明に示すように、攪拌槽の上側に設けられている中央開口部の内径より小さいものとすることができる。これにより、回転軸並びに回転軸に配設されている上記第1攪拌翼、上記第2攪拌翼及び上記第3攪拌翼の一体物を熱交換効率の高い攪拌槽を有する一体型反応器に設置しやすくなる。
【0009】
上記第2攪拌翼及び上記第3攪拌翼の大きさは特に限定されないが、攪拌効率及び動力効率を考慮して、上記第1攪拌翼は上記第2攪拌翼及び上記第3攪拌翼よりも大きいことが好ましい。
【0010】
また、本発明においては、反応液の攪拌効率を向上させる目的で、公知の重合性(メタ)アクリレートの製造法で用いられる各種形状の邪魔板を併用してもよく、この邪魔板には、通常攪拌槽周辺に配設される冷却器等を内蔵する等してもよい。
【0011】
本発明において、上記回転軸並びに該回転軸に配設されている上記第1攪拌翼、上記第2攪拌翼及び上記第3攪拌翼、更には上記攪拌槽には、本第6発明に示すように、グラスライニングの表面加工処理が施されているものとすることができる。本発明における脱水エステル化反応は酸性触媒を高温で用いることから腐食性が高いため、グラスライニングの表面加工処理によって、反応液により機器が侵されることなく、また恒久的に利用することができる。また、この場合、上記回転軸と第1、第2及び第3攪拌翼が一体化された一体物となるため、熱交換効率の高い攪拌槽を有する一体型反応器の上側の中央開口部から挿入することにより設置する。
また、本発明では、上述のように回転軸最下端から第2攪拌翼固定中心までの長さが、第2攪拌翼固定中心から上記第3攪拌翼固定中心までの長さよりも短い。
【0012】
本発明において、攪拌槽の容量、大きさ等は特に限定されるものではないが、工業的生産規模と生産効率を考慮して好ましくは1〜200m3の範囲、更に好ましくは1〜50m3の範囲にあるものが好ましい。
また、本発明において、脱水エステル化反応時の攪拌翼の回転数は特に限定されないが、動力効率と攪拌効率の観点より、10〜200rpmで行うことが好ましい。
【0013】
本発明における脱水エステル化反応は、酸性触媒の存在下、(メタ)アクリル酸とアルコール類とを加熱・攪拌してなるものであり、酸性触媒としては硫酸、パラトルエンスルホン酸及びメタンスルホン酸等が挙げられる。また、反応温度は使用する化合物及び目的に応じて適宜設定すればよいが、好ましくは70〜140℃である。この反応温度が140℃を越える場合は、反応系が不安定になって不純物が生成したり、ゲル化する場合がある。
【0014】
上記脱水エステル化反応に際しては、反応で生成する水との溶解度が低い有機溶媒を使用し、水を共沸させながら脱水を促進することが好ましい。好ましい有機溶媒としては、例えばトルエン、ベンゼン、キシレン等の芳香族炭化水素、ヘキサンやヘプタン等の脂肪族炭化水素、そしてメチルエチルケトンやシクロヘキサノン等のケトン等が挙げられる。これら有機溶媒は、反応後に減圧で留去してもよいが、臭気の問題がない溶媒を使用した場合には、組成物の粘度調整のために留去することなくそのまま使用してもよい。
上記脱水エステル化反応において、攪拌により発生する泡のほとんどは有機溶媒によるものである。
【0015】
上記脱水エステル化反応に用いられる「アルコール」としては、種々の化合物を用いることができ、以下に示す1価アルコール及び多価アルコール等が挙げられる。
(1)1価アルコール
▲1▼メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、t−ブチルアルコール、n−ヘキシルアルコール、n−オクチルアルコール、2−エチルヘキシルアルコール、イソオクチルアルコール、n−ノニルアルコール及びイソノニルアルコール等のアルキルアルコール、
▲2▼フェノール等の芳香族アルコール、ノニルフェノール等の長鎖アルキル基を有する芳香族アルコール及びこれら芳香族アルコールのアルキレンオキサイド付加物、
▲3▼水添ブタジエンのモノオール及びステアリルアルコール等の分岐状又は直鎖状長鎖アルキルモノオール。
(2)多価アルコール
▲1▼エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール及びネオペンチルグリコール等のグリコール、
▲2▼水添ポリブタジエンのジオール等の分岐状又は直鎖状長鎖アルキルジオール、
▲3▼ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール及びポリプロピレングリコール等のポリアルキレングリコール、
▲4▼ビスフェノールA及びビスフェノールF等のビスフェノール、並びにビスフェノールのアルキレンオキサイド付加物、
▲5▼トリメチロールプロパン、ジトリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール及びジペンタエリスリトール等のポリオール、並びにこれらポリオールのアルキレンオキサイド付加物、
▲6▼トリス−2−ヒドロキシエチルイソシアヌレート。
尚、上記アルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイド及びプロピレンオキサイド等が挙げられる。
【0016】
更に、上記脱水エステル化反応においては、得られる重合性(メタ)アクリレートの重合を防止する目的で、反応液に重合防止剤を添加することができる。重合防止剤の例としては、ハイドロキノン、モノメチルハイドロキノン、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール及びフェノチアジン等が挙げられる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下に本発明について実施例を挙げて具体的に説明するが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。
【0018】
実施例1
図1及び図2に示す攪拌翼の配置の反応器において、攪拌がなされた場合の液の流れをシュミレーション(用いたソフト;株式会社CRC総合研究所製「PHOENICS」)してみた。図2は液面から見た第1攪拌翼及び第2攪拌翼を備える回転軸の平面図である。図1において、攪拌槽は形状が半楕円形底を上下に備えた円筒形、直胴部高さ/攪拌槽内径=1.54であり、第1攪拌翼は回転軸の下端側に配設される、翼数が3枚、回転径/攪拌槽内径=0.56の後退翼である。第2攪拌翼は回転軸最下端から固定中心位置まで長さ/攪拌槽内径=0.35であり、翼数4枚、傾斜角0度、高さ/攪拌槽内径=0.10、回転径/攪拌槽内径=0.35のパドル翼であり、第3攪拌翼は第2攪拌翼から対攪拌槽内径比が0.51上側に配設される、翼数2枚、傾斜角45度、高さ/攪拌槽内径=0.084、回転径/攪拌槽内径=0.35のパドル翼である。
シュミレーションの結果を図3に示す。攪拌槽の中央部、すなわち回転軸3近くでは液が下方に流れており、第3攪拌翼6が液を回転軸に沿って下向きに流れるよう押し出していることが分かる。また、攪拌槽の側壁部、すなわち邪魔板7a及び7b周辺では上方へと流れて循環しており、第1攪拌翼4、第2攪拌翼5が液を外向きに押し出していることが分かる。
【0019】
実施例2
(1)攪拌翼を備えた反応器の構成
重合性(メタ)アクリレートの製造において用いる攪拌翼付き回転軸を備えた反応器1の説明概略図が図4である。本反応器1は、攪拌槽2と、回転軸3に配設される第1攪拌翼4と、第2攪拌翼5と、第3攪拌翼6と、2本の邪魔板7a及び7bとを備える。
上記攪拌槽2は、直胴部高さ/攪拌槽内径=1.54である。回転軸3は回転軸直径/攪拌槽内径=0.067である。第1攪拌翼4は回転径/攪拌槽内径=0.56であり、翼数が3枚(等角度120度間隔)のオーバル型後退翼であり、回転軸3の最下端に配設されている。第2攪拌翼5は、回転径/攪拌槽内径=0.35であり、傾斜角が0度、翼数が2枚(等角度180度)のパドル翼(回転軸最下端から第2攪拌翼の固定中心位置までの長さと第2攪拌翼5の回転径の比は0.994)である。第3攪拌翼6は、回転径/攪拌槽内径=0.35であり、傾斜角が45度、翼数が2枚(等角度180度)のパドル翼であり、第2攪拌翼5の対攪拌槽内径比が0.51上側に配設されている。これら一体化した攪拌翼付き回転軸が、このままグラスライニング処理されている。
上記攪拌翼付き回転軸の設置は、一体型反応器の上側に設けられている中央開口部(開口径/攪拌槽内径=0.33)より攪拌翼付き回転軸を挿入した。第1攪拌翼の回転径は上記中央開口部8の内径よりも長いため、邪魔板7a及び7b(直径/攪拌槽内径=0.063、回転軸に対して180度の方向に2本設置)に当たらないよう、攪拌槽に対して回転軸を斜めに傾斜させ、3枚ある翼を1枚ずつ回転させるようにして内部に入れ、3枚すべてが中に入ってから回転軸を垂直にし第2攪拌翼、第3攪拌翼を降ろし、攪拌槽内の中心部にセットした(図4)。また、反応器1の中央開口部8の横には、製造に用いられる原料等を投入したり、攪拌槽内部を観察できる開口窓部9が設けられている。
【0020】
(2)重合性(メタ)アクリレートの製造
図4に示す反応器に、下記原料を仕込み、攪拌回転数85rpm、反応液温度80℃、内圧400mmHgとして、脱水エステル化反応を行った。
ジトリメチロールプロパン 27.7部
アクリル酸 36.4部
トルエン 35.0部
硫酸 0.8部
モノメチルハイドロキノン 0.1部
反応は、トルエン還流開始後12時間で終了し、転化率は95%であった。反応開始から、回転軸における反応液の液面、あるいは泡が発生している場合にはその泡沫の上面位置をモニターし、見かけの液面高さを図5に実線で示した。図5において、X軸は反応すなわち還流開始からの経過時間を、Y軸は原料を全量攪拌槽に投入し減圧操作を開始する前の液面高さを0とし、攪拌槽天上壁を10とした場合の黙視による10段階評価とするものである。
【0021】
比較例
図6に示すような、実施例で用いた物と同じ第1攪拌翼のみを備える反応器を用いた以外は、実施例と全く同様にして脱水エステル化反応を行った。
反応は、トルエン還流開始後12時間で終了し、転化率は95%であった。見かけの液面高さについても実施例と同様にしてモニターし、見かけの液面高さを図5に破線で示した。
【0022】
実施例及び比較例の効果
図5によれば、破線で示される比較例では、反応開始3時間ぐらいから液面上に泡が異常に発生し始め、還流開始から9時間後には反応開始時に比べ約5倍も見かけの液面が上昇(図5中で見かけの液面高さ2→9.5)した。一方、実線で示される実施例では、反応開始2時間ぐらいまでは泡が発生したため見かけの液面高さが少しずつ上昇したが、それ以降は下降して、反応終了まで液面高さが安定していた。攪拌によって反応液が攪拌槽全体に循環し、液面が次々と更新され泡が破泡し、特に回転軸周辺での液面上の泡が安定化せず、新たな泡の発生の抑制効果が確認できた。
また、回転軸並びに回転軸に配設されている第1攪拌翼、第2攪拌翼及び第3攪拌翼をグラスライニング処理で一体物とすることで、一度に一体型の攪拌槽を有する反応器にセットすることができた。
【0023】
尚、本発明においては、上記実施例に限定されるものではなく、目的、用途に応じて本発明の範囲内で種々変更した実施例とすることができる。
例えば、各攪拌翼の形状は1枚が平面状でなく、曲面状でもよい。また、各種形状(四角形、三角形、半月形等)のフィンが付いているものでもよく、このフィンは目的に応じて傾斜、変形させてもよい。また、攪拌槽の大きさ、形状や脱水エステル化の反応系も特に限定されない。
更に、脱水エステル化の反応条件についても製造目的に合わせて種々変更することができる。
【0024】
本発明には含まれないが、上記攪拌翼を備える反応器では、本発明のように溶媒が蒸発する反応のほか、酵母の増殖のようなガスを吹き込む反応やウレタンポリマーの合成でCO2が発生するような気体の発生を伴う反応にも適用できる。
【発明の効果】
本発明の(メタ)アクリル酸エステルの製造方法によれば、製造中に液面上に新たに発生する泡を抑制でき、攪拌効率が上げることができる。また、新たな泡の発生が少なくなれば、反応圧力を低下させて還流速度を上げることができるため、製造時間の短縮効果が期待できる。更に、回転軸を中心とした攪拌翼をグラスライニング処理することから、製造機器の耐久性に効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における攪拌翼を配置した反応器の一例を示す説明概略図である。
【図2】図1において液面から第1及び第2攪拌翼を備える回転軸の説明平面図である。
【図3】本発明において反応液が循環する様子を示す説明概略図である。
【図4】実施例において用いた反応器を示す説明概略図である。
【図5】実施例及び比較例において得られた見かけの液面高さを示す図である。
【図6】比較例において用いた反応器を示す説明概略図である。
【符号の説明】
1;反応器,2;攪拌槽,3;回転軸、4;第1攪拌翼、5;第2攪拌翼、6;第3攪拌翼、7、7a、7b;邪魔板、8;中央開口部、9;開口窓部。

Claims (6)

  1. 縦型円筒状の攪拌槽内の中心部に垂設される回転軸上の下端側に配設される、翼数が2〜6枚である第1攪拌翼と、その上側に配設される、翼数が2〜8枚である第2攪拌翼と、更にその上側に配設される、翼数が2〜8枚である第3攪拌翼と、を備えた攪拌槽を反応器とし、アルコール類と(メタ)アクリル酸を脱水エステル化反応させる重合性(メタ)アクリレートの製造方法であって、
    上記回転軸最下端から上記第2攪拌翼固定中心までの長さが、上記第2攪拌翼固定中心から上記第3攪拌翼固定中心までの長さよりも短いことを特徴とする重合性(メタ)アクリレートの製造方法。
  2. 上記第1攪拌翼が後退翼である請求項1記載の重合性(メタ)アクリレートの製造方法。
  3. 上記第2攪拌翼は傾斜角が0〜30度のパドル翼であり、上記第3攪拌翼は傾斜角が30〜60度のパドル翼である請求項1又は2に記載の重合性(メタ)アクリレートの製造方法。
  4. 上記回転軸最下端から上記第2攪拌翼固定中心位置までの長さが該第2攪拌翼の回転径と同じかそれより短い請求項1乃至3のいずれかに記載の重合性(メタ)アクリレートの製造方法。
  5. 上記第1攪拌翼、上記第2攪拌翼及び上記第3攪拌翼の回転半径が反応器の上側に設けられている中央開口部の内径より小さい請求項1乃至4のいずれかに記載の重合性(メタ)アクリレートの製造方法。
  6. 上記回転軸並びに該回転軸に配設されている上記第1攪拌翼、上記第2攪拌翼及び上記第3攪拌翼、更には上記攪拌槽の内面に、グラスライニングの表面加工処理が施されている請求項1乃至5のいずれかに記載の重合性(メタ)アクリレートの製造方法。
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