JP4110363B2 - 画像処理装置、画像処理方法および画像表示装置 - Google Patents

画像処理装置、画像処理方法および画像表示装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えば、画像の拡大、縮小、画質補正などを行なう画像処理装置、画像処理方法、および、画像表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、コンピュータグラフィックス画像や、テレビ受像機やVTR(ビデオテープレコーダ)などからの画像を、拡大したり、縮小したり、あるいは、合成したりして出力するようにする画像処理装置が従来から用いられている。
【0003】
このような画像処理装置において、画像の拡大、縮小は、基本的にいわゆる画素補間、画素間引きによって行なわれる。すなわち、画像の拡大は、拡大前の画像を構成する画素を繰り返し用いるようにして画素補間を行なうことにより実現している。また、画像の縮小は、縮小前の画像を構成する画素を間引くことにより実現している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、画像拡大のための画素補間や画像縮小のための画素間引きを行なうようにした場合には、画像が不自然になるなどして、画像を劣化させてしまう場合がある。
【0005】
例えば、図11Aに示すような三角形の画像部分Grと透明部分Tとからなる画像を単純な画素補間により拡大するようにすると、図11Bに示すように、斜め線がぎざぎざになり、自然な画像を表示することができない場合がある。
【0006】
また、図12Aに示すような円形の画像部分Grと透明部分Tとからなる画像を単純な画素間引きにより縮小すると、図12Bに示すように、画像部分Grに十字形に存在していた線が消えてしまうなど、元画像を忠実に縮小することができない場合がある。
【0007】
このような不都合を解消するために、画像データに対してフィルタ処理が行なわれる。フィルタ処理は、拡大後あるいは縮小後の画像を形成する画素の画素データを、元の画像の複数の画素の画素データを用いて形成するようにする処理である。
【0008】
通常、フィルタ処理においては、例えば、拡大処理の場合には、図15において、(1)式、(2)式に示すように、元画像の複数の画素の画素データ(色データと透明度データ)にそれぞれ係数を掛けたものを合成して、拡大後の画素の画素データを生成する。しかし、使用する元画像の画素の中に完全に透明な画素が含まれていると、その画素には色が存在しないため、正しい色が生成できない。これは、画像の縮小の場合も同じである。
【0009】
このため、フィルタ処理を含む画像の拡大を行なうと、図13Bに示すように、画像Grの斜め線部分は滑らかにはなるが、画像部分Grと透明部分Tとの境界部分に余計な線が現れる場合がある。またフィルタ処理を含む画像の縮小を行なうと、図14Bに示すように、従来消えてしまっていた線が消えることはないが、画像部分Grと透明部分Tとの境界部分に余計な線が現れる場合がある。
【0010】
このように、画像についてフィルタ処理を行なうようにして、斜め線を滑らかにしたり、存在すべき線などの画像が消えないようにしたりしても、透明度100パーセントの完全透明部分が処理対象の画像に含まれている場合には、その完全透明部分との境界には余計な線が現れてしまうので、結果として画質の低下を招いてしまう。
【0011】
以上のことにかんがみ、この発明は、画像の拡大、縮小、合成、画質補正などのために画像データを処理して新たな画像データを形成するようにした場合に、その新たな画像データにより形成される画像を劣化させることなく高品位の画像を形成できるようにする画像処理装置、画像処理方法、および、画像表示装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明の画像処理装置は、
入力画像データの所定範囲毎の複数の画素の画素データを用いて、順次に新たな1画素分の画素データを生成していくことにより、前記入力画像データから新たな画像データを生成する画像処理装置であって、
各画素の画素データが有する透明度データに基づいて、前記所定範囲毎の前記複数の画素のそれぞれについて、完全透明であるか否かを判別する透明度判別手段と、
前記透明度判別手段により完全透明であると判別された画素の画素データが有する色データのみを、前記所定範囲毎の前記複数の画素のうちの完全透明でない画素の画素データが有する色データに置き換える置き換え手段と
前記置き換え手段により色データが置き換えられるようにされた画素データを含む、前記複数の画素の画素データを用いて新たな画素データを形成する画素データ形成手段と
を備えることを特徴とする。
【0013】
この請求項1に記載の画像処理装置によれば、入力画像データの複数個の画素の画素データを用いて、新たに1画素分の画素データを生成する場合に、当該入力画像データの複数個の画素の画素データに、完全透明の画素データが含まれているか否かが透明度判別手段により判別される。
【0014】
完全透明の画素データが含まれているときには、その完全透明の画素の画素データのうちの色データが、当該複数個の画素の画素データのうちの完全透明ではない画素データの色データに置き換え手段によって置き換えられるようにされる。
【0015】
そして、色データが置き換えられた画素データを含む複数個の画素の画像データが用いられて、1画素分の新たな画素データが形成され、これが繰り返されて、新たな画像を形成する画像データが形成される。
【0016】
これにより、完全透明である画素の画素データの当初の色データは用いられないようにされるので、新たな画像データによっては、透明領域部分の境界に不自然な線が現れるなどのことを防止し、品位の高い画像を形成することが可能な画像処理装置が実現される。
【0017】
また、請求項2に記載の発明の画像処理装置は、請求項1に記載の画像処理装置であって、
前記置き換え手段は、完全透明であると判別された画素の前記色データのみを、前記所定範囲毎の前記複数の画素のうちの完全透明でない画素から予め決められたパターンにしたがって選択される画素の色データに置き換えることを特徴とする。
【0018】
この請求項2に記載の発明の画像処理装置によれば、置き換え手段においては、完全透明である画素の位置に応じて、複数個の画素のうちのどの画素の画素データの色データが用いられるかが、予め決められたパターンにしたがって決められる。
【0019】
これにより、できるだけ自然な画像となるように予め決められるパターンにしたがって選ばれる画素の色データによって、完全透明の画素の色データが置き換えられるので、自然で、かつ、高品位の画像を形成するようにすることができる。
【0020】
また、請求項3に記載の発明の画像処理装置は、請求項2に記載の画像処理装置であって、
前記置き換え手段において用いられる前記予め決められたパターンは、前記所定範囲毎の複数の画素の中心に近い画素データが有する色データを優先的に用いるように定められたものであることを特徴とする。
【0021】
この請求項3に記載の発明の画像処理装置によれば、完全透明である画素の画素データの色データを、どの画素データの色で置き換えるかは、用いられる複数の画素において、できるだけ中心に近い画素が優先的に用いられるようにされる。例えば、用いられる複数の画素が4画素の場合には、2番目、3番目の画素が優先的に用いられるようにされる。
【0022】
このように、複数の画素の画像データのうちの中心位置に近い画素の画素データを優先的に色データの置き換えに用いるようにすることによって、新たに形成される画素データの色データができるだけ不自然なものとなることが内容にされる。
【0023】
また、請求項4に記載の発明の画像処理装置は、請求項1に記載の画像処理装置であって、
前記画素データ生成手段は、入力画像データによって形成される画像を拡大して表示するための新たな画像データを生成することができるものであることを特徴とする。
【0024】
この請求項4に記載の発明の画像処理装置によれば、画素データ生成手段により、入力画像データに基づいて画素補間を行なうようにすることにより、拡大画像を表示するための画像データが形成される。この場合にも新たに形成される画像データの各画素データは、複数の画素データから形成されるが、完全透明の画素データは、その色データが他の画素の色データで置き換えられる。
【0025】
これにより、不自然な線などの画像が浮かび上がるなどのことがなく、高品位の拡大画像を表示するための画像データの形成が可能な画像処理装置を構成することができるようにされる。
【0026】
また、請求項5に記載の発明の画像処理装置は、請求項1に記載の画像処理装置であって、
前記画像データ生成手段は、入力画像データによって形成される画像を縮小して表示するための新たな画像データを生成することができるものであることを特徴とする。
【0027】
この請求項5に記載の発明の画像処理装置によれば、画素データ生成手段により、入力画像データに基づいて画素間引きを行なうようにすることにより、縮小画像を表示するための画像データが形成される。この場合にも新たに形成される画像データの各画素データは、複数の画素データから形成されるが、完全透明の画素データは、その色データが他の画素の色データで置き換えられる。
【0028】
これにより、不自然な線などの画像が浮かび上がるなどのことがなく、高品位の縮小画像を表示するための画像データを形成する画像処理装置を構成することができるようにされる。
【0029】
また、請求項6に記載の発明の画像処理装置は、請求項1に記載の画像処理装置であって、
前記画像データ生成手段は、フリッカ補正、シャープネス補正などの画質補正のための補間画素データを生成することができるものであることを特徴とする。
【0030】
この請求項6に記載の発明の画像処理装置によれば、画素データ生成手段により、入力画像データに基づいて、フリッカ補正やシャープネス補正のための画素データを含む画像データが形成される。この場合にも新たに形成される画像データの各画素データは、複数の画素データから形成されるが、完全透明の画素データは、その色データが他の画素の色データで置き換えられる。
【0031】
これにより、画質補正を高品位に行なって、高品位の画像を表示するための画像データを形成する画像処理装置を構成することができるようにされる。
【0032】
また、請求項7に記載の発明の画像処理装置は、請求項1に記載の画像処理装置であって、
前記透明度検出手段と前記置き換え手段と前記画素データとからなる複数の画素補間手段を備え、
複数の前記画素補間手段からの新たな画像データを合成して、1フレームの画像データを形成する画像合成手段を備えることを特徴とする。
【0033】
この請求項7に記載の発明の画像処理装置によれば、複数の画素補間手段を備え、複数の入力画像データのそれぞれから、拡大画像を表示するための画像データや、縮小画像を表示するための画像データが形成され、そのそれぞれを合成して、合成画像を表示するための画像データが形成するようにされる。
【0034】
この場合、各画素補間手段において新たに形成される各画素データは、複数の画素データから形成されるが、完全透明の画素データは、その色データが他の画素の色データで置き換えられる。これにより、不自然な線などの画像が浮かび上がるなどのことがなく、複数の画像が合成された画像を高品位に表示するための画像データを形成する画像処理装置を構成することができるようにされる。
【0035】
【発明の実施の形態】
以下、図を参照しながらこの発明による画像処理装置、画像処理方法、および、画像表示装置の一実施の形態について説明する。
【0036】
[画像処理装置の概要]
まず、この発明による画像処理装置、画像処理方法が適用されたこの実施の形態の画像処理装置について説明する。図1は、この実施の形態の画像処理装置を説明するための概念図である。この実施の形態の画像処理装置は、例えば、3つの画像データの供給を受け、そのそれぞれについて拡大処理、あるいは、縮小処理を行ない、そのそれぞれを合成して出力することができるようにしたものである。
【0037】
例えば、図1に示すように、この実施の形態の画像処理装置は、画像部分Gr1と透明部分T1とからなる画像G1を形成する画像データと、画像部分Gr2と透明部分T2とからなる画像G2を形成する画像データと、ビデオ画像Vdoを形成する画像データとの供給を受けて、それらを拡大、あるいは、縮小した後に、合成し、合成画像GEを形成する画像データを形成し出力することができるものである。
【0038】
この場合、画像G1を形成する画像データと、画像G2を形成する画像データとは、例えばパーソナルコンピュータなどを用いて作成されたコンピュータグラフィックス画像データ(以下CG画像データと略称する。)である。また、ビデオ画像Vdoを形成する画像データは、例えばテレビチューナ等からの出力ビデオデータである。
【0039】
そして、この実施の形態のスケーラ(拡大/縮小処理部)1においては、図1に示すように、画像G1を形成する画像データについては拡大処理して、拡大画像G1Bを形成する画像データを形成し、画像G2を形成する画像データについては縮小処理して縮小画像G2Sを形成する画像データを形成する。また、ビデオ画像Vdoを形成する画像データについては縮小処理して、縮小画像VdoSを形成する。
【0040】
スケーラ1において、拡大処理、あるいは、縮小処理することにより形成された画像データをブレンダ(画像合成処理部)2において画像合成して合成画像GEを形成し、これを出力することができるものである。すなわち、この実施の形態の画像処理装置は、画像を劣化させることなく拡大、縮小、合成を行なって、高品位の合成画像を形成することができるものである。
【0041】
[画像処理装置の構成、動作]
以下、この実施の形態の画像処理装置の構成と動作について説明する。図2は、この実施の形態の画像処理装置を説明するためのブロック図である。図2に示すように、この実施の形態の画像処理装置は、画像データの3つの入力端子in1、in2、in3と、スケーラ1と、ブレンダ2と、信号処理部3と、コントローラ4とを備えたものである。
【0042】
そして、この実施の形態の画像処理装置においては、入力端子in1とin2とが例えばパーソナルコンピュータなどのCG画像生成装置からの画像データの供給を受け付けるものであり、入力端子3がテレビ受像機などからの画像データを受け付けるものである。
【0043】
コントローラ4は、図示しないが、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)を備えたマイクロコンピュータであり、この実施の形態の画像処理装置の各部を制御するものである。
【0044】
この実施の形態において、スケーラ1は、入力端子in1、in2、in3に対応して、3つのスケーリング処理部11a、11b、11cを備えたものである。スケーリング処理部11a、11b、11cのそれぞれは、これらに供給される画像データについて、コントローラ4からの制御に基づいて、拡大画像を形成する画像データに変換する拡大処理、あるいは、縮小画像を形成する画像データに変換する縮小処理を行なうものである。
【0045】
そして、この実施の形態のスケーラ1のスケーリング処理部11a、11b、11cのそれぞれは、図1に示したように、画像部分Gr1が透明度が100パーセントの完全透明部分T1によって囲まれている画像G1を形成する画像データについて拡大処理を行なって、拡大画像G1Bを形成する画像データを形成するようにしても、拡大画像G1Bにおいて、画像部分Gr1Bと完全透明部分T1Bとの境界部分に図13に示したような不自然な線を生じさせることが無いようにすることができるものである。
【0046】
また、この実施の形態のスケーラ1のスケーリング処理部11a、11b、11cのそれぞれは、図1に示したように、画像部分Gr2が完全透明部分T2によって囲まれている画像G2を形成する画像データについて縮小処理を行なって、縮小画像G2Sを形成する画像データを形成するようにしても、縮小画像G2Sにおいて、画像部分Gr2Sと完全透明部分T2Sとの境界部分に図14に示したような不自然な線を生じさせることが無いようにすることができるものである。
【0047】
もちろん、この実施の形態のスケーラ1のスケーリング処理部11a、11b、11cのそれぞれは、図1に示したように、テレビ受像機などからの画像データについても、高品位に拡大処理したり、縮小処理したりすることができるものである。
【0048】
そして、スケーラ1において、拡大処理されて形成された画像データ、あるいは、縮小処理されて形成された画像データのそれぞれは、ブレンダ2に供給される。ブレンダ2は、コントローラ4からの制御に応じて、これに供給された3つの画像データを合成して、合成画像を形成する合成画像データを形成する。
【0049】
ブレンダ2において形成された合成画像データは、信号処理部3に供給される。信号処理部3は、これに供給された合成画像データから表示用映像信号を形成し、これを出力端子outを通じて出力する。出力端子outを通じて出力された表示用映像信号は、例えば、モニタ表示装置等に供給されて用いられたり、記録装置に供給されて、例えば、DVD(Digital Versatile Disk)などの記録媒体に記録されたりすることになる。
【0050】
[スケーリング処理部について]
そして、この実施の形態の画像処理装置において、スケーラ1の各スケーリング処理部11a、11b、11cのそれぞれにおいては、前述もしたように、完全透明部分を含む画像を拡大したり、縮小したりしても、完全透明部分との境界に不自然な線を発生させてしまうことなく、高品位の拡大画像、縮小画像を形成することができるようにしている。
【0051】
前述もしたように、画像の拡大を行なう場合には画素補間を行ない、画像の縮小を行なう場合には、画素間引きを行なう。しかし、単純に画素を補間したり、間引いたりするだけではなく、拡大画像を形成する画像データの各画素データや、縮小画像を形成する画像データの各画素データを、元の画像データの所定区間毎の複数画素の画素データを用いて形成するようにするいわゆるフィルタ処理を行なう。
【0052】
このフィルタ処理の際に、完全透明部分の画素の画素データを用いる場合には、この完全透明の画素の画素データが有する色データを用いないようにすることにより、不自然な線の発生を防止するようにしている。
【0053】
なお、スケーラ1のスケーリング処理部11a、11b、11cのそれぞれは、同じ構成を有し、同じように動作するものであるので、以下においては、スケーリング処理部11a、11b、11cのそれぞれをスケーリング処理部11として説明する。
【0054】
図3は、この実施の形態のスケーラ1のスケーリング処理部11a、11b、11cであるスケーリング処理部11を説明するためのブロック図であり、図4は、画像拡大する場合のスケーリング処理部11の動作を説明するための図である。また、図5は、スケーリング処理部11において用いられる色データの置き換えパターンを説明するための図である。
【0055】
この実施の形態において、スケーリング処理部11は、元の画像データの所定区間毎の4つの画素の画素データを用いて1つの新たな画素データを作成するフィルタ処理を行なうものであり、隣接する4つの画素の画素データの入力を受け付ける4つの入力端111、112、113、114を備えたものである。
【0056】
画素データのそれぞれは、透明度データα、輝度データY、色差データCb、Crを有しており、そのそれぞれを入力端111、112、113、114を通じて受け付けることができるようにしている。
【0057】
入力端111、112、113、114の後段には、セレクタ115と、セレクタ115の切り換え制御を行なう切り換え制御部116とが設けられている。セレクタ116は、4つの入力端からの画素データの供給を受けて、透明度データα1、α2、α3、α4をそのまま出力する。
【0058】
しかし、透明度データが“0”の完全透明の画素データについては、その輝度データと色差データとは、その他の画素のうちの透明度が“0”でない画素データの輝度データと色差データとに置き換える。この輝度データと色差データの置き換えを行なう部分がセレクタ115であり、この置き換えを制御するのが、切り換え制御部116である。
【0059】
なお、以下においては、輝度データと色差データとを色データと呼ぶことにする。すなわち、色データというときには、輝度データと色差データとを含み、最終的には、R(赤)信号、G(緑)信号、B(青)信号の3原色信号を形成することができるものである。
【0060】
セレクタ115と切り換え制御部116との動作について、例えば、図4に示すように、図4(イ)の8画素の元画像を2倍に拡大して、図4(ロ)に示すように拡大画像を形成する場合を例にして説明する。
【0061】
図4において、図4(イ)と図4(ロ)とをつなぐ点線は、新たな画像の画素データを形成する場合に用いる元画像の所定の区間の4つの画素のうちの中心画素との関係を示したものである。
【0062】
例えば、図4(ロ)において、画素U、画素Vを形成する場合には、元画像を形成する画素Dを中心画素とし、その1画素前の画素Cから、中心画素Dの2画素後の画素画素Fまでの4画素(画素C、D、E、F)の画素データを用いるようにする。
【0063】
同様に、図4(ロ)において、画素W、画素Xを形成する場合には、元画像を形成する画素Eを中心画素とし、その1画素前の画素Dから、中心画素Eの2画素後の画素画素Gまでの4画素(画素D、E、F、G)の画素データを用いるようにする。
【0064】
このように、使用する中心画素が決まると、その中心画素を含む隣接する4画素分の画素データを用いてフィルタ処理を行なうとともに、拡大画像を構成する新たな画素の画素データを形成する。
【0065】
そして、図4(イ)において、画素E、F、G、Hが完全透明(透明度100%)である場合に、拡大画像を形成する画素S、T、U、V、W、Xを形成するには、完全透明の画素を用いなければ、拡大画像を構成する新たな画素データを形成することができない。
【0066】
しかし、完全透明の画素の画素データの色データを用いるようにすると、そもそも色データがないはずの完全透明の画素の色データが用いられてしまうために、不自然な線が発生してしまう。そこで、この実施の形態においては、使用する4画素のうちのいずれかの画素が完全透明である場合には、その完全透明の画素の画素データの色データを予め決められたパターンにしたがって選択される画素の色データに置き換える。
【0067】
例えば、図4(ロ)において、画素Vを形成する場合には、図4(イ)と図4(ロ)との間を実線で結んだように、また、図4(ハ)に示すように、元画像を構成する画素C、D、E、Fの画素データが用いられることになる。
【0068】
しかし、元画像の画素E、Fは完全透明の画素であるので、図4(ハ)において矢印が示すように、画素E、Fの色データを画素Dの色データに置き換える。ここでは色データを置き換えるのであって、透明度データは置き換えずに元のまま使用する。
【0069】
すなわち、図3における切り換え制御部116は、使用する4画素のそれぞれの透明度データα1、α2、α3、α4からその値が“0”の完全透明の画素を検出し、その検出結果に基づいて、セレクタ115の切り換え制御を行なう。そして、セレクタ115は、切り換え制御部116からの制御信号に基づいて、完全透明である画素の色データを完全透明でない画素の色データによって置き換える。
【0070】
そして、図4に示した例の場合、各画素に対するフィルタ係数をa、b、c、dとし、画素C、D、E、Fの色データをCc、Dc、Ec、Fcとし、画素C、D、E、Fの透明度をCα、Dα、Eα、Fαとすると、拡大画像を構成する画素Vの色データは、図4の(1)式により求められ、画素Vの透明度は、図4の(2)式によって求められる。
【0071】
また、図4(ロ)において、画素Wを形成する場合には、図4(イ)と図4(ロ)とを線で結んだように、元画像を構成する画素D、E、F、Gの画素データが用いられることになる。
【0072】
しかし、元画像の画素E、F、Gは完全透明の画素であるので、この場合には、セレクタ115において、画素E、F、Gの色データが画素Dの色データに置き換えられる。この場合には、4画素全部の色データが画素Dのものとなるようにされる。この場合においても、置き換えるのは、色データだけであって、透明度データは置き換えずに元のまま使用する。
【0073】
そして、各画素に対するフィルタ係数をa、b、c、dとし、画素D、E、F、Gの色データをDc、Ec、Fc、Gcとし、画素D、E、F、Gの透明度をDα、Eα、Fα、Gαとすると、拡大画像を構成する画素Wの色データは、図4の(3)式により求められ、画素Vの透明度は、図4の(4)式によって求められる。
【0074】
しかし、完全透明である画素の色データを完全透明でない画素の色データに置き換えるといっても、完全透明でない画素が複数ある場合には、どの画素の色データを用いるかが問題になる。そこで、この実施の形態においては、図5に示すように、完全透明である画素の位置に応じて置き換えに用いる色データを提供する画素を特定できるように、色データの置き換えのパターン化をしておく。
【0075】
図5(イ)は、色データの置き換え前の状態を、図5(ロ)は色データの置き換え後の状態を示している。また、図5において、アルファベット大文字のA、B、C、Dは、画素を示しており、そのうち塗りつぶしがされて示される画素が、完全透明ではない画素であり、塗りつぶしがされていないで示される画素が、完全透明である画素を示している。
【0076】
すなわち、図5(イ)において、完全透明でない画素は、(1)の画素D、(2)の画素C、(3)の画素C、D、(4)の画素B、(5)の画素B、D、(6)の画素B、C、(7)の画素B、C、D、(8)の画素A、(9)の画素A、D、(10)の画素A、C、(11)の画素A、C、D、(12)の画素A、B、(13)の画素A、B、D、(14)の画素A、B、C、(15)の画素A、B、C、Dである。また、図5(ロ)においては、(0)以外は、全て完全透明でない画素となっている。
【0077】
元画像の4画素を用いて新たな画素を形成する場合、完全透明画素とそうでない画素のパターンは、図5(イ)に示すように16通りとなる。そして、図5(イ)の(0)の場合には、完全透明でない画素は存在しないので、図5(ロ)の(0)に示すように、色データの置き換えは行なわない。
【0078】
図5(イ)の(1)、(2)、(4)、(8)の場合には、完全透明でない画素は1つしかないので、図5(ロ)の対応部分に示すように、3つの完全透明の画素の色データは、ただ1つ完全透明でない画素の色データに置き換えるようにする。また、図5(イ)の(15)の場合には、完全透明である画素は存在しないので、色データの置き換えが行なわれることはない。
【0079】
これ以外のパターンの場合には、中心画素により近い完全透明でない画素の色データによって、完全透明である画素の色データを置き換える。すなわち、中心画素である画素B、画素Cが完全透明でない場合には、これら画素B、画素Cの色データによって、完全透明である画素の色データを置き換えるようにする。
【0080】
このように、図3に示したスケーリング処理部11のセレクタ115は、切り換え制御部116からのどの画素が完全透明であり、どの画素が完全透明でないかを示す情報に基づくとともに、図5に示したパターンにしたがって、完全透明の画素の色データを完全透明でない画素の色データで置き換える。これにより、完全透明の画素の元の色データを用いることが無いようにすることができる。
【0081】
そして、図3に示すように、入力端111、112、113、114からの透明度α1、α2、α3、α4は、そのままスケーリング部117に供給され、また、セレクタ115において完全透明の画素の色データが完全透明でない画素の色データによって置き換えられた各画素の色データである輝度データY1*、Y2*、Y3*、Y4*、色差データCb1*、Cr1*、Cb2*、Cr2*、Cb3*、Cr3*、Cb4*、Cr4*が、スケーリング部117に供給される。
【0082】
スケーリング部117は、図2に示したコントローラ4からの制御信号に基づいて、4つの画素の画素データから拡大画像、あるいは、縮小画像を形成する1画素分の画素データ(透明度データα、輝度データY、色差データCb、Cr)を形成し、これを出力する。
【0083】
この実施の形態の画像処理装置のスケーラ1は、図4を用いて説明したように、画像の拡大を行なう場合には、完全透明の画素の色データを用いることがないので、拡大画像の透明部分と画像部分との境界に不自然な線などを生じさせることもなく、かつ、斜め線がぎざぎざになるなどのこともない。つまり、高品位の拡大画像を表示するための画像データを形成することができる。
【0084】
ここでは、画像拡大の場合を例にして説明したが、図3に示したスケーリング処理部11は、画像縮小を行なう場合にも前述した画像拡大の場合と同様にしてフィルタ処理および画像縮小処理を行なうことができる。
【0085】
図6は、画像縮小する場合のスケーリング処理部11の動作を説明するための図である。図6に示すように、図6(イ)の8画素の元画像を図6(ロ)に示すように2分の1の4画素の画像に縮小する場合を例にして説明する。図6に示す画像の縮小の場合にも、元画像の4画素の画像データから縮小画像の1画素の画像データを形成する。
【0086】
この図6に示す例においても、図6(イ)と図6(ロ)とをつなぐ点線は、新たな画像の画素データを形成する場合に用いる元画像の所定の区間の4つの画素のうちの中心画素との関係を示したものである。
【0087】
例えば、図6(ロ)において、画素Vを形成する場合には、元画像を形成する画素C、Dを中心画素とし、中心画素Cの1画素前の画素Bから、中心画素Dの1画素後の画素Eまでの4画素(画素B、C、D、E)の画素データを用いるようにする。
【0088】
同様に、図6(ロ)において、画素Wを形成する場合には、元画像を形成する画素E、Fを中心画素とし、中心画素Eの1画素前の画素Dから、中心画素Fの1画素後の画素画素Gまでの4画素(画素D、E、F、G)の画素データを用いるようにする。
【0089】
このように、使用する中心画素が決まると、その中心画素を含む隣接する4画素分の画素データを用いてフィルタ処理を行なうとともに、縮小画像を構成する新たな画素の画素データを形成する。
【0090】
そして、図6(イ)において、画素E、F、G、Hが完全透明(透明度100%)である場合には、縮小画像を形成する画素V、Wを形成する場合には、完全透明の画素を用いなければ、縮小画像を構成する新たな画素データを形成することができない。
【0091】
しかし、完全透明の画素の画素データの色データを用いるようにすると、前述もしたように、そもそも色データがないはずの完全透明の画素の色データが用いられてしまうために、不自然な線が発生してしまう。このため、画像縮小処理時においても、使用する4画素のうちのいずれかの画素が完全透明である場合には、その完全透明の画素の画素データの色データを予め決められたパターンにしたがって選択される画素の色データに置き換える。
【0092】
例えば、図6(ロ)において、画素Vを形成する場合には、図6(イ)と図6(ロ)との間を実線で結んだように、元画像を構成する画素B、C、D、Eの画素データが用いられることになる。
【0093】
この例においても、元画像の画素E、F、G、Hは完全透明の画素であるので、画素Eの色データを画素Dの色データに置き換える。この場合、前述した画像拡大処理の場合と同様に、色データを置き換えるのであって、透明度データは置き換えずに元のまま使用する。
【0094】
そして、図6に示した例の場合、各画素に対するフィルタ係数をa、b、c、dとし、画素B、C、D、Eの色データをBc、Cc、Dc、Ecとし、画素B、C、D、Eの透明度をBα、Cα、Dα、Eαとすると、縮小画像を構成する画素Vの色データは、図6の(1)式により求められ、画素Vの透明度は、図6の(2)式によって求められる。
【0095】
また、図6(ロ)の画素Wは、元画像の画素D、E、F、Gから形成されるが、この場合、元画像の画素E、F、Gは、いずれも完全透明の画素であるので、これら画素E、F、Gの色データは、画素Dの色データによって置き換えられることになる。
【0096】
したがって、各画素に対するフィルタ係数をa、b、c、dとし、画素D、E、F、Gの色データをDc、Ec、Fc、Gcとし、画素D、E、F、Gの透明度をDα、Eα、Fα、Gαとすると、拡大画像を構成する画素Wの色データは、図6の(3)式により求められ、画素Vの透明度は、図6の(4)式によって求められる。
【0097】
このように、縮小画像を形成する場合においても、完全透明の画素の色データを完全透明でない画素の色データで置き換えることにより、透明部分とそうでない部分の境界に不自然な線を生じさせることもなく、また、必要な線などの情報が消えてしまうなどの不都合を生じさせることが無いようにすることができる。
【0098】
なお、画像縮小の場合にも、色データを置き換えるための画素の選択パターンは、図5に示したパターンと同じパターンを用いることができる。
【0099】
このように、拡大画像を形成する画像データを形成する場合であっても、また、縮小画像を形成する画像データを形成する場合であっても、元画像の複数画素データから新画像の1画素分の画素データ生成するようにするいわゆるフィルタ計算は、完全透明(透明度100%)の画素の無効な色データを用いることなく行なうことができるので、透明度100%の部分と透明度100%未満の部分の境界に余計な線が現れることがなくなり、高品位な拡大画像や縮小画像を得ることができる。
【0100】
なお、この実施の形態においては、図4、図6に示したように、フィルタ処理において、元画像の一方向に並んだ4つの画素を用いた場合を例にして説明したが、実際には、水平方向と垂直方向とのそれぞれで同様の計算処理を行って最終的な拡大または縮小後の画素を求めることになる。
【0101】
また、元画像の使用する画素を、さらに多くの画素にすることや、少ない画素にすることも可能である。その場合も同様に、元画像の使用する画素に透明度100%の画素があれば、その画素の色データを近傍の透明度100%未満の画素の色データに置き換えてフィルタ計算を行なうことになる。
【0102】
また、この実施の形態においては、3つの入力画像データを拡大処理、あるいは、縮小処理して、それらを合成する場合について説明したが、これに限るものではない。1つの画像データの供給を受けて、これを拡大処理したり、縮小処理したりする図3に示したスケーリング処理部11からなる画像処理装置を構成するようにすることもできる。
【0103】
また、前述したように、この実施の形態において、画像処理装置は、ハードウエアによって構成するものとして説明したが、ソフトウエアによって実現することもできる。
【0104】
すなわち、処理の対象となる画像データの供給を受けて、この画像データから新たな画像データを形成する場合に、新たな画像データの画素データを作成する場合に用いる複数画素のそれぞれについて、完全透明(透明度100%)であるか否かを判別する(ステップ1)。
【0105】
そして、完全透明の画素がある場合には、その画素の色データを同時に用いることになる完全透明でない画素の色データで置き換える(ステップ2)。この後、色データを置き換えた複数画素の画素データを用いて、新たな画素データを形成する(ステップ3)。
【0106】
なお、用いる全ての画素が完全透明である場合、あるいは、用いる全ての画素が完全透明でない場合には、色データの置き換えは必要ないので、それらの画素の画素データをそのまま用いて、新たな画素データを形成する。
【0107】
このように、ステップ1〜ステップ3の工程を経るようにプログラムを作成し、このプログラムを用いて画像データを処理することによっても、高品位の画像を形成する画像データの拡大処理や縮小処理を行なうようにすることができる。
【0108】
[拡大、縮小のほかのフィルタ処理への適用について]
図3に示したスケーリング処理部11は、画像の拡大/縮小処理を行なうものとして説明したが、これに限るものではない。スケーリング処理部11が有するフィルタ処理機能を用いることにより、フリッカ補正やシャープネス補正などの画質補正をも行なうことができる。この場合には、画像の拡大や縮小を伴わなくてもよく、いわば1倍拡大、1倍縮小と同じ処理となる。
【0109】
例えば、インターレース画像信号に応じて表示されるフリッカの補正を行なう場合を説明する。図7は、インターレース画像信号を概念的に説明するため図であり、図8は、インターレース画像信号に対するフリッカ補正の必要性を説明するための図である。
【0110】
図7に示すように、NTSC方式のテレビジョン信号などは、その走査線の状態を概念的に示すと、図7Aに示す奇数フィールド(第1フィールド)と、図7Bに示す偶数フィールド(第2フィールド)とを交互に表示するようにすることにより、図7Cに示すように1枚(1フレーム)の画像を表示するようにする。この場合、図8Aに示すように、奇数フィールドに生じている線画像L1が、図8Bに示すように偶数フィールドには生じていない場合には、表示画像がちらちらした感で見えてしまういわゆるフリッカ現象を発生させてしまう。
【0111】
このため、インターレース画像信号については、図3に示したスケーリング処理部11を用いてフィルタ処理を施し、図8Cに示すように、偶数フィールドにおいて、奇数フィールドに発生している線画像L1の近傍となるように、線画像L1*を形成する画素を補間するようにして、フリッカを防止する。
【0112】
この場合には、画像の拡大、縮小は行なわないので、画素補間や画素間引きは行なうことなく、ただ、元画像の所定区間毎の複数の画素の画素データから、新たな画像を構成する1画素の画素データを形成していくようにすればよい。ここでも、元画像の4画素分の画像データから新たな画像の1画素分の画像データを形成する場合を例にして説明する。
【0113】
図9は、インターレース画像を再生する場合のフリッカを防止するためのフィルタ処理を説明するための図である。図9(イ)において、Ao、Bo、Co、Doが奇数フィールドの画素であり、Ae、Be、Ce、Deが偶数フィールドの画素であるものとする。
【0114】
そして、図9(ロ)に示すように、偶数フィールドの画像データをフィルタ処理により作成する場合には、図9において実線で示すように、奇数フィールドと偶数フィールドの画素データを考慮して、偶数フィールドの画素データを作成するようにする。
【0115】
例えば、図9(ロ)に示す偶数フィールドの画素Beを作成する場合には、図9において実線で示すように、偶数フィールドの画素Aeと、奇数フィールドの画素Boと、偶数フィールドの画素Beと、奇数フィールドの画素Coとの画素データを用いることになる。
【0116】
この場合、図9に示すように、画素Co、Ce、Do、Deは、完全透明の画素であるので、偶数フィールドの画素Beを作成する場合には、画素Coの色データを画素Beの色データでおき変える。これにより、偶数フィールドの画素Beの色データは、図9において(1)式に示すようにして作成することができる。
【0117】
また、この偶数フィールドの画素Beを作成する場合、透明度は、各画素の画素データが有する透明度データをそのまま用いるので、図9において、(2)式に示すようにして作成することができる。
【0118】
同様に、偶数フィールドの画素Ceを作成する場合には、図9において実線で示すように、偶数フィールドの画素Beと、奇数フィールドの画素Coと、偶数フィールドの画素Ceと、奇数フィールドの画素Coとの画素データを用いることになる。
【0119】
この場合、画素Co、Ce、Doが完全透明であるので、これらの画素の色データが画素Beの色データで置き換えられ、偶数フィールドの画素Ceの色データは、図9において、(3)式に示すようにして作成することができる。また、透明度は、各画素の画素データが有する透明度データをそのまま用いるので、図9において、(4)式に示すようにして作成することができる。
【0120】
なお、図9に示した(1)式から(4)式において、a〜dは予め決められたフィルタ係数であり、また、Aec、Boc、Becは、各画素の色データである。また、Aeα、Boα、Ceα、Coα、Deαは、各画素の透明度データである。
【0121】
ここでは、偶数フィールドの画素を作成する場合を例にして説明したが、奇数フィールドの画素を作成する場合にも、同様に、同じフレームを形成する偶数フィールドの画素をも考慮し、完全透明の画素の色データについては、完全透明でない画素の色データで置き換えることにより作成することができる。
【0122】
このようにして、インターレース画像データの各フィールドの画素を形成することにより、画像のちらつきを生じさせるいわゆるフリッカ現象を低減させた画像を表示する画像データを形成することができる。
【0123】
なお、ここでは、フリッカ現象を防止するためのフリッカ補正のためのフィルタ処理について説明したが、例えば、シャープネス補正を行なう場合など、種々の画質調整のために画素補間、画素間引きなどの複数画素を用いた画素単位の処理を行なう場合において、完全透明の画素の色データを同時に使用することになる完全透明でない画素の色データに置き換えるフィルタ処理を行なうこの発明を、適用することができる。この場合には、良好に画質調整を行なうとともに、画質調整後の画像の画質を高品位なものとすることができる。
【0124】
[画像表示装置への適用について]
次に、前述した画像処理装置、画像処理方法を適用した構成したこの発明による画像表示装置について説明する。図10は、この発明による画像表示装置が適用されたデジタルテレビジョン受像機(以下、テレビ受像機という。)200を説明するためのブロック図である。
【0125】
図10に示すように、テレビ受像機200は、アンテナ201、CS/BSチューナ202、デ・スクランブル部203、デ・マルチプレクサ204、デジタルI/F205、デジタル出力端子206、音声用圧縮解凍部207、オーディオアンプ208、スピーカ209、映像用圧縮解凍部210、スケーリング処理部211、212、合成部213、映像信号処理部214、表示部215、制御部220を備えたものである。
【0126】
制御部220は、この実施の形態のテレビ受像機200の各部を制御するものであり、CPU221、ROM222、RAM223、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable ROM)224が、CPUバス225を通じて接続されて形成されたマイクロコンピュータである。
【0127】
制御部220には、インターフェース(以下、I/Fと略称する。)231を通じて、キー操作部232が接続されるとともに、I/F233を通じてリモコン信号受光部234が接続されている。リモコン信号受光部234は、リモートコマンダ(以下、リモコンと略称する。)240からの赤外線のリモコン信号を受信し、これを電気信号に変換して、制御部220に供給することができるものである。
【0128】
キー操作部232、リモコン240を通じて行なわれた使用者からの指示入力に応じて、制御部200は各部を制御し、使用者の要求に応じた放送信号を選択するとともに目的とする放送番組を選択し、これを使用者に提供したり、音量調整や画質調整をしたりするなどの種々のことができるようにされている。
【0129】
そして、テレビ受像機200は、例えば、EPG(Electronic Program Guide)やアイコンなどのGUI(Graphical User Interface)を作成して、これを放送番組の画像に重ね合わせて表示することができるようにされている。この場合に、EPGやGUIを合成した高品位の画像を形成することができるようにしている。
【0130】
以下、図10に示すテレビ受像機を構成する各部について詳細に説明する。アンテナ201により受信されたCSデジタルテレビ放送信号、あるいは、BSデジタルテレビ放送信号は、CS/BSチューナ202に供給され、ここで、制御部220からの選局信号に応じて、使用者からの指示に応じたデジタル放送信号が選局、検波される。CS/BSチューナ202において選局、検波されたデジタル放送信号は、デ・マルチプレクサ204に供給される。
【0131】
デ・マルチプレクサ204は、これに施されているスクランブル処理を、例えば、制御部220のEEPRAM224に記憶するようにされているスクランブル解除キーを用いて解除し、スクランブル解除後のデジタル放送信号をデ・マルチプレクサ204に供給する。
【0132】
デジタル放送信号には、複数の放送番組の画像データや音声データ、あるいは、デジタルデータ、EPGを作成するためのEPGデータなどが時分割多重化されたものである。デ・マルチプレクサ204は、これに供給されたデジタル放送信号に多重化されているデータを分離し、必要となるデータを抽出して関連する回路部に供給する。
【0133】
デ・マルチプレクサ204は、例えば、使用者からの指示入力に応じた制御部200からの制御信号に基づいて、使用者が目的とする放送番組の音声データや画像データを抽出する。抽出された音声データは、音声用圧縮解凍部207に供給され、画像データは、映像用圧縮解凍部207に供給される。
【0134】
また、デジタル放送信号に含まれるデジタルデータは、デ・マルチプレクサ204において抽出され、デジタルインターフェース(図10においては、デジタルI/Fと記載。)、デジタル出力端子206を通じて出力される。また、デ・マルチプレクサ204は、EPGデータなどのこのテレビ受像機200において用いるデータについても抽出し、これを制御部220に供給する。デ・マルチプレクサ204からのデータは、例えば、EEPROM224に記憶保持され、このテレビ受像機200において用いられることになる。
【0135】
そして、音声用圧縮解凍部207は、これに供給されたデータ圧縮されているデジタル音声データの圧縮解凍を行ない、圧縮解凍後のデジタル音声データをアナログ音声信号に変換して、これをオーディオアンプ208を通じてスピーカ209に供給する。これにより、使用者により選択された放送番組の音声がスピーカ209より放音するようにされる。
【0136】
また、映像用圧縮解凍部210は、これに供給されたデータ圧縮されているデジタル画像データの圧縮解凍を行ない、圧縮解凍後のデジタル画像データをスケーリング処理部211に供給する。また、スケーリング処理部212には、例えば、EPGやGUIを表示するための画像データが制御部220から供給される。
【0137】
スケーリング処理部211、212は、図3を用いて前述したスケーリング部11と同様に構成されたものであり、すなわち、4タップの画像処理フィルタである。そして、スケーリング処理部211、212は、これに供給された画像データの所定範囲毎の4画素分の画素データを用いて、順次に新たな1画素分の画素データを形成していくことにより新たな画像データを形成し、これを後段の合成部(ブレンダ)213に供給する。
【0138】
この場合、スケーリング処理部211、212は、制御部220からの制御信号に応じて、図4を用いて説明したように、画像の拡大処理を行なったり、図6を用いて説明したように、画像の縮小処理を行なったり、あるいは、図9を用いて説明したように、フリッカ補正やシャープネス補正などの画質補正を行なうようにしている。
【0139】
合成部213は、図2に示したブレンダ2と同様に構成されたものであり、スケーリング処理部211、212からの画像データを合成して合成画像データを形成し、これを映像信号処理部214に供給する。映像信号処理部214は、これに供給された合成画像データからR(赤)信号、G(緑)信号、B(青)信号の3原色信号を形成し、これを例えばCRTディスプレイである表示部215に供給する。
【0140】
これにより、表示部215の表示画面には、使用者により選択するようにされた放送番組の画像と、例えば、EPGやGUIなどの画像とが合成された画像が表示される。この場合、放送番組の画像と、EPGやGUIの画像とは、スケーリング処理部211、212において、完全透明の画素の色データを用いないようにすることによって、高品位の画質となるように形成されているので、放送番組の画像にEPGやGUIを自然な画像として合成して、使用者に提供することができる。
【0141】
なお、表示部は、CRTディスプレイに限るものではなく、LCD(Liquid Crystal Disply)、PDP(Plasma Display Panel)など種々のディスプレイを用いるようにすることができる。
【0142】
また、前述した実施の形態においては、スケーリング処理部11は、4タップの画像処理フィルタであるものとして説明したが、これに限るものではない。1画素の画素データを形成するのに用いる画素数は、適宜の数に変更できるようにすることができ、これに対応して、スケーリング処理部11においてのタップ数を変更するようにしてもよい。
【0143】
また、色データの置き換えパターンも、図5に示したパターンに限るものではなく、各種のパターンを用いることができる。また、新たな画素データの形成に用いる元の画像データの画素数を多くすれば、色データの置き換えパターンもそれに応じて増えることになる。
【0144】
また、スケーリング処理部11のフィルタ処理で用いる画素の数や、色データの置き換えパターンなどは、画像の拡大率や縮小率、色、輝度、絵柄の種類等に応じて切り換えたり、動的に変化させたりしてもよい。
【0145】
もちろん、フィルタ係数も固定しておく場合に限るものではなく、画像の拡大率や縮小率、色、輝度、絵柄の種類等に応じて切り換えたり、動的に変化させたりしてもよい。なお、フィルタ係数は、全体で100%になるように、切り換えたり、動的に変化させたりすればよい。
【0146】
例えば、1画素の画素データを形成するのに用いる画素数は、拡大/縮小率に応じて変えるようにしてもよい。すなわち、拡大率が小さい場合には、1画素の画素データを形成するのに用いる画素数を少なくし、逆に、拡大率が大きい場合には、1画素の画素データを形成するのに用いる画素数を多くするというように動的に変化させるようにしてもよい。
【0147】
また、フィルタ係数の場合には、例えば、文字が多いような細かい画像(高周波成分の多い画像)の場合には、用いる複数の画素のうちの中心の画素に対するフィルタ係数を大きくし、中心の画素から離れるほど小さくする。また、風景などの画像(高周波成分の少ない画像)の場合には、用いる複数の画素のうちの中心の画素に対するフィルタ係数を小さくするように動的に変えるようにすることができる。
【0148】
また、前述の実施の形態においては、3つの画像データを合成する場合を例にして説明したが、これに限るものではなく、スケーリング処理部11を多数設けるようにすることにより、多数の画像データについて同時に処理することができる。
【0149】
また、多数のスケーリング部11を設けるようにした場合であっても、それらにおいて、必ず、拡大や縮小などの画像フィルタ処理を行なう必要はなく、必要に応じて用いるようにすることもできる。
【0150】
このように、処理する画像データが形成する画像の特性に応じて、フィルタ係数を動的に変更する場合において、画像の特性は、例えば、データ圧縮された画像データが有するDCT係数などの情報を用いて判別することができる。
【0151】
また、前述した画像処理装置は、IRD(Integrated Receiver Decoder)やSTB(Set Top Box)などと呼ばれるデジタル放送の受信機や、光ディスク、光磁気ディスク、磁気ディスク、磁気テープなどの種々の記録媒体を用いる記録装置、再生装置、記録再生装置、あるいは、パーソナルコンピュータなどの、画像データを処理する各種の装置に適用することができる。
【0152】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、比較的簡単なフィルタ処理で、画像を高品位に拡大、縮小、画質補正などを行なうようにすることができ、高品位の画像を提供することができる。また、拡大、縮小した画像を合成することもできる。
【0153】
また、画像には透明色や半透明色を用いることができ、複数の画像合成時においては、背景の画像を前面に透過させるように処理することもできる。このように、透明色を含む画像であっても、これを拡大、縮小などしても、画質を劣化させることがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による画像処理装置の概要を説明するための図である。
【図2】この発明による画像処理装置を説明するためのブロック図である。
【図3】この発明による画像処理装置のスケーリング処理部の構成を説明するための図である。
【図4】この発明による画像処理装置においての画像の拡大処理を説明するための図である。
【図5】この発明による画像処理装置において用いられる色データの置き換えパターンを説明するための図である。
【図6】この発明による画像処理装置においての画像の縮小処理を説明するための図である。
【図7】インターレース画像のフリッカ現象を説明するための図である。
【図8】インターレース画像のフリッカ現象とその低減方法について説明するための図である。
【図9】この発明による画像処理装置において実現可能なインターレース画像のフリッカ現象を低減させるフィルタ処理を説明するための図である。
【図10】この発明による画像表示装置の一実施の形態が適用されたデジタルテレビジョン受信機を説明するためのブロック図である。
【図11】従来の画像処理装置において行なわれている画像の拡大処理の問題点について説明するための図である。
【図12】従来の画像処理装置において行なわれている画像の縮小処理の問題点について説明するための図である。
【図13】従来の画像処理装置において行なわれている画像の拡大処理時におけるフィルタ処理の問題点を説明するための図である。
【図14】従来の画像処理装置において行なわれている画像の縮小処理時におけるフィルタ処理の問題点を説明するための図である。
【図15】従来の画像処理装置において行なわれている画像データのフィルタ処理を説明
するための図である。
【符号の説明】
1…スケーラ、11a、11b、11c…スケーリング処理部、2…ブレンダ、3…信号処理部、4…コントローラ、11…スケーリング処理部、111、112、113、114…入力端、115…セレクタ、116…切り換え制御部、117…ブレンダ、out…出力端

Claims (21)

  1. 入力画像データの所定範囲毎の複数の画素の画素データを用いて、順次に新たな1画素分の画素データを生成していくことにより、前記入力画像データから新たな画像データを生成する画像処理装置であって、
    各画素の画素データが有する透明度データに基づいて、前記所定範囲毎の前記複数の画素のそれぞれについて、完全透明であるか否かを判別する透明度判別手段と、
    前記透明度判別手段により完全透明であると判別された画素の画素データが有する色データのみを、前記所定範囲毎の前記複数の画素のうちの完全透明でない画素の画素データが有する色データに置き換える置き換え手段と、
    前記置き換え手段により色データが置き換えられるようにされた画素データを含む前記複数の画素の画素データを用いて、新たな画素データを形成する画素データ形成手段と
    を備えることを特徴とする画像処理装置。
  2. 請求項1に記載の画像処理装置であって、
    前記置き換え手段は、完全透明であると判別された画素の前記色データのみを、前記所定範囲毎の前記複数の画素のうちの完全透明でない画素から予め決められたパターンにしたがって選択される画素の色データに置き換えることを特徴とする画像処理装置。
  3. 請求項2に記載の画像処理装置であって、
    前記置き換え手段において用いられる前記予め決められたパターンは、前記所定範囲毎の複数の画素の中心に近い画素データが有する色データを優先的に用いるように定められたものであることを特徴とする画像処理装置。
  4. 請求項1に記載の画像処理装置であって、
    前記画素データ生成手段は、入力画像データによって形成される画像を拡大して表示するための新たな画像データを生成することができるものであることを特徴とする画像処理装置。
  5. 請求項1に記載の画像処理装置であって、
    前記画像データ生成手段は、入力画像データによって形成される画像を縮小して表示するための新たな画像データを生成することができるものであることを特徴とする画像処理装置。
  6. 請求項1に記載の画像処理装置であって、
    前記画像データ生成手段は、フリッカ補正、シャープネス補正などの画質補正のための補間画素データを生成することができるものであることを特徴とする画像処理装置。
  7. 請求項1に記載の画像処理装置であって、
    前記透明度検出手段と前記置き換え手段と前記画素データとからなる複数の画素補間手段を備え、
    複数の前記画素補間手段からの新たな画像データを合成して、1フレームの画像データを形成する画像合成手段を備えることを特徴とする画像処理装置。
  8. 入力画像データの所定範囲毎の複数の画素の画素データを用いて、順次に新たな1画素分の画素データを生成していくことにより、前記入力画像データから新たな画像データを生成する場合の画像処理方法であって、
    各画素の画素データが有する透明度データに基づいて、前記所定範囲毎の前記複数の画素のそれぞれについて、完全透明であるか否かを判別し、
    完全透明であると判別した画素の画素データが有する色データのみを、前記所定範囲毎の前記複数の画素のうちの完全透明でない画素の画素データが有する色データに置き換え、
    色データが置き換えられた画素データを含む、前記複数の画素の画素データを用いて新たな画素データを形成することを特徴とする画像処理方法。
  9. 請求項8に記載の画像処理方法であって、
    前記色データの置き換えは、前記所定範囲毎の前記複数の画素のうちの完全透明でない画素から予め決められたパターンにしたがって選択される画素の色データに置き換えることを特徴とする画像処理方法。
  10. 請求項9に記載の画像処理方法であって、
    前記色データの置き換えに用いる前記予め決められたパターンは、前記所定範囲毎の複数の画素の中心に近い画素データが有する色データを優先的に用いるように定められるものであることを特徴とする画像処理方法。
  11. 請求項8に記載の画像処理方法であって、
    前記入力画像データから形成される前記新たな画像データは、前記入力画像データによって形成される画像を拡大して表示するようにするものであることを特徴とする画像処理方法。
  12. 請求項8に記載の画像処理方法であって、
    前記入力画像データから形成される前記新たな画像データは、前記入力画像データによって形成される画像を縮小して表示するようにするものであることを特徴とする画像処理方法。
  13. 請求項8に記載の画像処理方法であって、
    前記入力画像データから形成される前記新たな画像データは、フリッカ補正、シャープネス補正などの画質補正のための補間画素データを含むものであることを特徴とする画像処理方法。
  14. 請求項8に記載の画像処理方法であって、
    異なる入力画像信号から形成されるそれぞれの画像データを合成することにより、合成した画像を表示する画像データを形成することを特徴とする画像処理方法。
  15. 入力画像データの所定範囲毎の複数の画素の画素データを用いて、順次に新たな1画素分の画素データを生成していくことにより、前記入力画像データから新たな画像データを生成し、これを表示する画像表示装置であって、
    各画素の画素データが有する透明度データに基づいて、前記所定範囲毎の前記複数の画素のそれぞれについて、完全透明であるか否かを判別する透明度判別手段と、
    前記透明度判別手段により完全透明であると判別された画素の画素データが有する色データのみを、前記所定範囲毎の前記複数の画素のうちの完全透明でない画素の画素データが有する色データに置き換える置き換え手段と
    前記置き換え手段により色データが置き換えられるようにされた画素データを含む、前記複数の画素の画素データを用いて新たな画素データを形成する画素データ形成手段と、
    前記画像データ形成手段により形成された画像データから表示用画像信号を形成する信号処理手段と、
    前記信号処理手段において形成された前記表示用画像信号の供給を受けて、前記表示用画像信号に応じた画像を表示画面に表示するようにする表示手段と
    を備えることを特徴とする画像表示装置。
  16. 請求項15に記載の画像表示装置であって、
    前記置き換え手段は、完全透明であると判別された画素の前記色データのみを、前記所定範囲毎の前記複数の画素のうちの完全透明でない画素から予め決められたパターンにしたがって選択される画素の色データに置き換えることを特徴とする画像表示装置。
  17. 請求項16に記載の画像表示装置であって、
    前記置き換え手段において用いられる前記予め決められたパターンは、前記所定範囲毎の複数の画素の中心に近い画素データが有する色データを優先的に用いるように定められたものであることを特徴とする画像表示装置。
  18. 請求項15に記載の画像表示装置であって、
    前記画素データ生成手段は、入力画像データによって形成される画像を拡大して表示するための新たな画像データを生成することができるものであることを特徴とする画像表示装置。
  19. 請求項15に記載の画像表示装置であって、
    前記画像データ生成手段は、入力画像データによって形成される画像を縮小して表示するための新たな画像データを生成することができるものであることを特徴とする画像表示装置。
  20. 請求項15に記載の画像表示装置であって、
    前記画像データ生成手段は、フリッカ補正、シャープネス補正などの画質補正のための補間画素データを生成することができるものであることを特徴とする画像表示装置。
  21. 請求項15に記載の画像表示装置であって、
    前記透明度検出手段と前記置き換え手段と前記画素データとからなる複数の画素補間手段と、
    複数の前記画素補間手段からの新たな画像データを合成して、1フレームの画像データを形成する画像合成手段と
    を備え、
    前記信号処理手段は、前記画像合成手段からの合成されて形成された画像データの供給を受けて、この合成されて形成された画像データに基づいて表示用画像信号を形成することができるものであることを特徴とする画像表示装置。
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