JP4110238B2 - レンズ領域内に一体成形コネクタを有するフルフェイス呼吸マスク - Google Patents

Description

技術分野
本発明は、マスクフェイスシールドと一体成形された、呼吸気供給のためのコネクタを有する、フルフェイス呼吸マスクに関する。
発明の背景
着用者に呼吸気を供給するための呼吸器は周知であり、長年にわたり使用されてきた。このようなマスクは消防隊員によって使用され、軍隊や、給気が汚染されている可能性のある産業においても使用されている。呼吸用に鼻と口とに清浄な空気源を提供することに加え、フルフェイスシールドはまた、有害または刺激ガス類及び他の物質から目と顔とを保護するシールとなる。このようなマスクは一般に透明なフェイスシールドを備え、着脱可能で置換可能なフィルタ構成要素あるいは給気源へのコネクタを受容するためのマウントを備える場合もある。このマウントは、着脱にかなりの時間と手間のかかるねじ式コネクタであり、確実な係止位置に止め具のないことも多い。
着用者の視界を遮るものを最小限にすることによりマスクの実用性は向上すると考えられる。従って透明なフェイスシールドを最大限の寸法にするべきである。従来のフルフェイスシールドは充分に顔を被覆しているが、充分に広い視野を提供することは出来なかった。呼吸気源用の装着機構は一般に、マスク底部から上方に延在する不透明ゴム部分内に搭載されるため、レンズ部分の寸法及びフェイスシールドの底部における視界領域を削減していた。着脱可能なフィルタあるいは空気ホース及びコネクタにも重量があり、このような空気源コネクタあるいはフィルタカートリッジを定位置にしっかり固定するために、通常、吸入口を包囲する呼吸器本体に厚みを加えなければならず、その結果、マスクに追加重量が加わる。厚いゴム装着部分を除去できればマスクの総重量は軽減し、着用者の快適度は増すことになる。このようなフルフェイス呼吸マスクを長時間にわたり着用する際には、マスクの重量及び着用者の快適度が重要な要素となることを理解されたい。
フルフェイス呼吸マスクの例として、Ｎｏｒｔｈ Ｓａｆｅｔｙ ＥｑｕｉｐｍｅｎｔのＭｏｄｅｌ ７６００シリーズ呼吸器を挙げられる。Ｎｏｒｔｈのフルフェイスピースは、呼吸気を受容するように形成されたオリフィスをその中に有する。しかしながら、オリフィスには、呼吸気源に接続するため、フェイスピースに機械的に装着された別個の搭載機構を装着しなければならない。Ｎｏｒｔｈのフェイスピースには、別個のカートリッジコネクタと、呼吸気源のコネクタに接続するためにフェイスピースに取り付けられた鳩目とが必要である。コネクタ部品が適切に締められていない場合、マスクが漏れる、あるいはコネクタアセンブリがオリフィス内で回転することもある。フィルタカートリッジの中には特定の位置に配向しなければならないものもあり、もしカートリッジが回転してしまうと、調整がずれて着用者の視界を減少させる可能性もある。
発明の要約
上記の説明を鑑み、より広い視界を提供し、構造上軽量である新しい改良型マスクの要望があると考えられる。このようなマスクでは、フィルタ構成要素または給気コネクタを、より広いレンズ部分とより広い視界領域とを有するフェイスシールド内に直接装着できる構造を備えるべきである。このようなフルフェイス呼吸マスクはまた、組み立てが容易であり、しかも軽量であることによって着用者に最大限の快適度を提供するべきである。さらに、このようなマスクは着用者の顔全体を全面的に被覆し、密閉しなくてはならない。空気源への接続は安全確実であり、その着脱を迅速かつ容易に行うことができなければならない。本発明は、フルフェイス呼吸マスクに関連する他の問題はもとより、これらの問題に対処する。
本発明は、新鮮な呼吸気供給を施すフィルタあるいは給気コネクタを受容する、フルフェイス呼吸マスクの提供を目的とする。本発明は、透明で着用者の目、鼻及び口を被覆するレンズ部分を有するフルフェイスシールドを備える。フレーム及びシール構造をフェイスシールド部分の周囲に形成し、着用者の顔に対する気密性封止材とする。ハーネス及びストラップアセンブリをフレーム及びシール構造の周囲に接続し、マスクを着用者の顔に対向した適切な位置に心地よい状態で保持する。
フェイスシールドは、着用者の実質的に顔全体上に延在する透明なレンズ部分を備える。複数のオリフィスをレンズ部分の下部に形成し、置換可能で交換可能なフィルタ類あるいは正圧給気類などの呼吸源のためのコネクタを提供する。１実施例において、オリフィスは、呼吸マスク内部から外側に向かって空気を流出するノーズカップ及び吐出口の受容部分である。１つまたは複数の吸入口は、内側への空気の流入部分となる。図示する実施例において、吸入口を吐出口の各側に位置決めする。
吸入口は、レンズ部分内に直接形成された複数のコネクタ、あるいは好適実施例において、レンズ部分に超音波によって溶接され、一体構造型レンズ及びコネクタ構成要素を形成する複数のコネクタを備える。コネクタ部分は、吸入口を介して内側方向にのみ向かう空気流を制御及び限定するため、吸入口に隣接した吸入弁を備えてもよい。１実施例において、各コネクタは、交換可能なフィルタあるいは給気コネクタ上の相補雌コネクタ部分と接合する、外側に伸張する雄部を備える。雄コネクタ部は、雄コネクタの外側の周囲に配置された複数のタブを備える。タブは呼吸用給気コネクタに形成された細穴内に延伸する。好適実施例において、タブに異なる幅あるいは高さを持たせてもよいし、または異なる間隔をあけて配置してフィルタカートリッジを位置合わせまたは配向してもよい。コネクタ部分内のオリフィスは複数の横材を備えて、吸入弁内に挿入し、吸入弁を支持するあご付き部分を支持する。別の実施例において、各コネクタは、呼吸気源からの相補雄コネクタを受容する形状を備えてレンズ内に成形された雌部を備える。
このレンズ及びコネクタの形状により、従来のフェイスマスク機構に比較して、組立が容易になる。更に、コネクタをレンズアセンブリ内に形成することにより、全体として視野領域を広げるのはもとより、コネクタ周囲の視界を拡大する。また、コネクタを一体成形することにより、機械的な接続では起こり得る漏出の可能性を排除しつつ、フェイスシールドに対して頑丈でしかも軽量な接続が得られ、接続された構成要素の配向も実現する。
本発明を特徴付ける、上記及び様々な他の新規な利点と特性とを、本明細書の一部を構成する貼付の請求の範囲における事項を用いて明示する。しかしながら、本発明と、その利点と、その利用により得られる対象物とをより理解するため、本明細書の一部を更に構成する図面と、本発明の好適実施例を例証し、説明する付随の説明事項とを参照するべきである。
【図面の簡単な説明】
図面において、同様の参照文字及び数字は、複数の図面を通じて対応する構成要素を示すものとする。
図１は、本発明の原理によるフルフェイス呼吸マスクの正面透視図である。
図２は、図１に示した呼吸マスクの正面図である。
図３は、図１に示した呼吸器の分解透視図である。
図４は、図１に示した呼吸器用レンズ及び出入り口構成要素の第１の実施例を示す透視図である。
図５は、図１に示した呼吸マスク用雄差込式（バイヨネット式）コネクタの透視図である。
図６は、本発明の原理によるフルフェイス呼吸マスクの第２の実施例を示す分解透視図である。
図７は、図１に示した呼吸器用レンズ及び出入り口構成要素の第２の実施例を示す。
図８は、図７に示したレンズの出入り口部分及びコネクタの側面詳細図である。
図面の詳細な説明
図１及び図２を特に参照すると、広く１０で示す呼吸マスクが示されている。呼吸マスク１０は、目、鼻及び口の被覆を備える、着用者の顔の実質的に全体領域の被覆を提供するフルフェイス呼吸マスクである。呼吸マスク１０は、硬質なプラスチックレンズ部分１４を包囲するフェイスシール２０を有する、フェイスシールド１２を備える。フェイスシール２０は、蒸気、煙霧、塵埃、霧、及び他の刺激的及び有害なガス及び流体が侵入し着用者の顔に接触することを防止する。硬質なプラスチックレンズ14は、透明な視界部分15と出入り口部分17とを含んでいる。この出入り口部分17は、図２に示されるようにこのマスクを正面から見ると、視界部分15の下に配置されている。出入り口部分17は、吐出口18の両側に対向配置されている第１と第２の空気取り込み口（吸入口）16を含んでいる。
図３に示すように、フルフェイス呼吸マスク１０は、マスク１０を着用者の顔上に支持するため、マスクに接続し、着用者の頭部の背後を取り囲んで延在するハーネスアセンブリ２６を備える。呼吸マスク１０はまた、フェイスシールド１２とフェイスシール２０とを取り囲んで延在する下部フレーム部材２４に接続する上部フレーム部材２２を備える。
吐出口１８は、ノーズカップ４０が着用者の顔に対し適合し、口と鼻とをほぼ被覆するように、カップ４０を嵌合する中央アダプタ３０を受容し、位置合わせする形状を有する。図６に示すように、中央アダプタ３０は、吐出口１８の周囲に対向して嵌合する中央アダプタガスケット３２と、中央アダプタ基部３４とを備える。中央アダプタ基部３４は、外側への流出は許可するが内側への流入を認めないことにより、着用者によりよい通気状態を提供する吐出弁３８を受容する。中央アダプタカバー３６を中央アダプタ基部３４上に装着する。中央アダプタ３０は更に、スピーカ機材（図示せず）を備えることにより、選定使用において、コミニュケーションに改良をもたらしてもよい。
１実施例において、ノーズカップ４０は、中央アダプタ３０に嵌合する中央オリフィス４２を備える。ノーズカップ４０は更に、外側へは認めず、内側への流入のみを許可する吸入弁４６を受容する吸入弁オリフィス４４を備える。弁４６を、図示する実施例におけるノーズカップ４０の内部の各側部に位置決めする。
各フェイスシールド吸入口１６は、交換可能で置換可能なフィルタカートリッジあるいは給気コネクタなどの呼吸気源の相補コネクタ部材を受容する形状を備えた差込式（バイヨネット式）コネクタ５０を備える。コネクタ５０は、レンズ１４と「一体構造」であり、即ち、コネクタ５０を機械的に固定するのではなく、接着、溶接、成形、あるいは他の方法でコネクタ５０をレンズ１４と共に形成する。プラスチック差込式（バイヨネット式）コネクタ部分５０を、超音波によりプラスチックレンズ１４に直接溶接するか、またはレンズ部分１４と直接成形する、あるいは他の方法で共に形成することにより、継ぎ目なしの連続構成要素を形成することが好ましい。レンズ表面から突出し、吸入口１６を取り囲むシールリング５１を設けて、レンズ１４とコネクタ５０との間に溶接密閉を形成する補助としてもよい。
直接装着することにより、透明レンズ１４の寸法が拡大され、差込式（バイヨネット式）コネクタ部分５０に直接隣接し包囲する視界範囲が広くなることから、着用者の視界が拡大されることを理解されたい。レンズ１４及びコネクタ５０を一体構造にすると、従来技術による機械的接続に比較して頑丈な接続が得られる。フェイスシールドは、本出願と同日出願され、本明細書内に参照として全容を開示する、米国意匠特許シリーズ第Ｄ−２９／０６０，１１１号「フルフェイス呼吸器レンズ（Ｆｕｌｌ Ｆａｃｅ Ｒｅｓｐｉｒａｔｏｒ Ｌｅｎｓ）」にも示されている。
図４及び図５に示すように、コネクタ部分５０は各々、カートリッジをレンズ部分１４に直接接続するため、呼吸用給気コネクタ（図示せず）上の雌コネクタに設けられた対応細穴と噛み合う、放射状に伸張するタブ６０を有する雄コネクタ部分５８を備える。差込式（バイヨネット式）コネクタ５０を、呼吸気源コネクタの相補コネクタ部分に挿入し、タブが対応細穴の端部と係合するまで回転してタブ６０を係合することにより、確実な回転止め地点に到達する。好適形状において、放射状に外側に向かって伸張するタブ６０を異なる間隔をあけて配置することにより、あるいはタブ６０に異なる高さまたは幅を持たせることにより、呼吸気源コネクタの相補細穴内における位置合わせを可能にする。カートリッジによっては左右対象ではない、あるいは呼吸マスク１０に対応する特定配向を必要とする場合もあるが、この形状により、空気フィルタカートリッジの自動的な位置合わせと配向とを得られる。
図６に示すように、差込式（バイヨネット式）コネクタ部分５０は各々、雄コネクタ部分５８上に嵌合するガスケット５２を備える。吸入弁６２は、吸入口１６の内側上に接続する可撓性平盤部材であり、あご型突起６４を受容する中央オリフィスを備えることが好ましい。図４及び図５に最も明確に示すように、あご型突起６４を、差込式（バイヨネット式）コネクタ５０のオリフィス５４内に位置する複数の横材５６上で支持する。
図７において、フェイスシールド１１２の第２の実施例を示す。フェイスシールド112は、視界部分115と下方の出入り口部分117とを有するレンズ114を有している。好適実施例において、フェイスシールド１１２は、中央アダプタ１３０と、中央アダプタの各側に位置決めされた一対の吸入口１１６とを有するレンズ１１４を備える。フェイスシールド１１２は、吸入口１１６が各々、呼吸気源の相補雄コネクタ１６０を受容する雌コネクタ１５０を備えることを除き、フェイスシールド１２に類似である。呼吸気源の雄コネクタ１６０は、放射状に外側に向かって伸張する複数のタブ１６２を備える。雄コネクタ１６０は吸入弁とガスケットとを保持する。雌コネクタ１５０のオリフィスは、相補的に形成されたタブ１６２を受容する形状を備えた、放射状に外側に向かって伸張する複数のくぼみ１５２を有する。図８に示すように、雌コネクタ１５０は更に、放射状に外側に向かって伸張するタブ１６２を受容するための細穴を形成するタブ保持部材１５４を備える。放射状に外側に伸張するタブ１６２をくぼみ１５２内に挿入することにより、呼吸気源からの雄コネクタ１６０を雌コネクタ１５０に接続すると理解されたい。次に雄コネクタを回転することによってタブ１６２を、張り出した保持部材１５４が形成する細穴内に挿入し、細穴の端部において確実な係止位置に到達する。部材を反対方向に回転し、タブ１６２にくぼみ１５２をくぐらせ、雄コネクタ１６０をレンズ１１４から引き抜けば、取り外すことができる。好適実施例において、タブ１６２は異なる高さおよび／または幅を有し、あるいは異なる間隔をあけて配置され、タブ保持部材１５４は雄コネクタ１６０を配向するための対応細穴を形成する。
図６に示すように、本発明はめがねを収容する実施例を備えてもよい。めがねを着用者の目の前に適切に位置合わせして支持するために、めがねキット７０をレンズ部分１４内部に装着する。更に、首用ストラップ７４を着用者の頭部の背後を囲んで適合させ、呼吸マスクを着用していないときは持ち運べるようにする。具体的な幾つかの適用においては、保護強化のためにレンズカバー７２をレンズ部分１４の外側上部上に装備する。
以上、本発明の多数の特性及び利点を本発明の構造及び機能の詳細と合わせて上記に説明してきたが、開示内容は例証のみを目的とするものであり、特に本発明の原理内である部品の形状、寸法及び配置に関して、貼付の請求の範囲を記す用語の広義の一般的意味が指す最大範囲にまで、様々な変更が詳細において加えられることを理解されたい。

Claims (3)

1. フルフェイス呼吸マスクが、
   （ａ）透明な視界部分と出入り口部分とを有する硬質のプラスチックレンズであって、該マスクを正面から見たときに、該出入り口部分が該視界部分の下に配置されている該硬質のプラスチックレンズと、
   （ｂ）該硬質のプラスチックレンズの該出入り口部分に配置された吐出口と、
   （ｃ）該吐出口の両側に対向している該硬質のプラスチックレンズの該出入り口部分に配置された第１と第２の空気取り込み口と、
   （ｄ）その出入り口部分で該硬質のプラスチックレンズと一体化されている第１と第２のコネクタであって、第１と第２のフィルタカートリッジをそれぞれ受け入れ、取り込み空気が該第１と第２の空気取り込み口へ導かれるように該出入り口部分にそれぞれ配置されるようになっている該第１と第２のコネクタと、
   （ｅ）着用者の目、鼻及び口を覆って該マスクをシールするために、該フルフェイス呼吸マスクに配置されたフェイスシールと、
   を備えるフルフェイス呼吸マスク。
2. 該第１と第２のコネクタが各々、第１と第２のカートリッジを係合するための差込式（バイヨネット式）コネクタを備え、該第１と第２のカートリッジの各々が、該差込式コネクタを係合するための形状を有する相補コネクタを備えている請求項１に記載のフルフェイス呼吸マスク。
3. 該第１と第２のコネクタと該プラスチックレンズとが、一体成形型構成要素を成している請求項１に記載のフルフェイス呼吸マスク。

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