JP4109932B2 - 積層型熱交換器 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、扁平状の熱交換器コアを複数積層した積層型熱交換器に関する。
【0002】
【従来の技術】
積層型熱交換器(例えば、実開昭64−54685号公報参照)は、複数の熱交換器コアを用いて熱交換効率を高めることができるようになっており、このような積層型熱交換器では各熱交換器コアに設けた入口タンクと出口タンクに、冷却媒体を導入および排出する開口部がそれぞれ形成され、入口タンクの開口部同士および出口タンクの開口部同士を互いに連通させるようになっている。
【0003】
ところで、出口タンクの開口部同士を簡単に位置決めしつつ連通する構造として、例えば、図10に示す積層型熱交換器1では、互いに積層した熱交換器コア2の隣接した一方の出口タンク3に、タンク内方に突設するアウターバーリング4aを設けた開口部4と、隣接した他方の出口タンク3に、タンク外方に突設するインナーバーリング5aを設けた開口部5とを設け、これらアウターバーリング4aとインナーバーリング5aとを互いに密接嵌合することにより、それぞれの開口部4,5同士を簡単に位置決めしつつ連通できるようになっている。
【0004】
そして、各熱交換器コア2の冷媒通路6を流通してきた冷却媒体は、この冷媒通路6の出口部分6aから各出口タンク3に流入した後、各開口部5を通過して出口パイプ7に集められて排出されるようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、かかる従来の積層型熱交換器1では、開口部4,5の周縁部から突設したアウターおよびインナーのバーリング4a,5aが互いに嵌合した状態で出口タンク3の内方に突出しているため、冷媒通路6の出口部分6aから流出した冷却媒体が、突出した前記バーリング4a,5aに衝突して、バーリング4a,5aの衝突した裏側にカルマン渦Vが発生し、これが渦キャビテーションに発展して低周波音の発生原因になってしまう。
【0006】
そこで、本発明はかかる従来の課題を解決すべく成されたもので、出口タンク同士の開口部をバーリングの嵌合により位置決めしつつ、冷媒通路から流出した冷却媒体の流速により渦が発生するのを防止して、キャビテーション音を無くすようにした積層型熱交換器を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明にあっては、第1,第2外殻板の一端部および他端部を膨出して冷却媒体の入口タンクおよび出口タンクを設けるとともに、第1,第2外殻板間の入口タンクと出口タンクとの間に位置して冷媒通路を配した熱交換器コアを構成し、
複数の熱交換器コアを、それぞれの入口タンク同士および出口タンク同士を互いに連通し、かつ、各熱交換器コア間に他の熱交換流体を流通させるアウターフィンを介装しつつ互いに積層し、
少なくとも出口タンク同士の連通部分は、積層方向に隣接した一方の出口タンクの内方に突設するアウターバーリングを設けた開口部と、積層方向に隣接した他方の出口タンクの外方に突設するインナーバーリングを設けた開口部とを設け、これらアウターバーリングとインナーバーリングとを互いに密接嵌合してそれぞれの開口部同士を連通し、
入口タンクに導入した冷却媒体を、冷媒通路に流通させて熱交換した後に出口タンクから排出するようにした積層型熱交換器であって、
前記出口タンクに、冷媒通路の出口部分から冷却媒体が流出した際の渦発生を防止する渦防止手段を設け、前記渦防止手段は、出口タンクの内方に突出して互いに嵌合したアウターバーリングおよびインナーバーリングを、冷媒通路の出口部分に対向する部分で除去したバーリング除去部分であることを特徴としている。
【0009】
請求項の発明にあっては、第1,第2外殻板の一端部および他端部を膨出して冷却媒体の入口タンクおよび出口タンクを設けるとともに、第1,第2外殻板間の入口タンクと出口タンクとの間に冷媒通路を配した熱交換器コアを構成し、
複数の熱交換器コアを、それぞれの入口タンク同士および出口タンク同士を互いに連通し、かつ、各熱交換器コア間に他の熱交換流体を流通させるアウターフィンを介装しつつ互いに積層し、
少なくとも出口タンク同士の連通部分は、積層方向に隣接した一方の出口タンクの内方に突設するアウターバーリングを設けた大径の開口部と、積層方向に隣接した他方の出口タンクの外方に突設するインナーバーリングを設けた小径の開口部とを設け、これらアウターバーリングとインナーバーリングとを互いに密接嵌合してそれぞれの開口部同士を連通し、
入口タンクに導入した冷却媒体を、冷媒通路に流通させて熱交換した後に出口タンクから排出するようにした積層型熱交換器であって、
前記出口タンクに、冷媒通路の出口部分から冷却媒体が流出した際の渦発生を防止する渦防止手段を設け、前記渦防止手段は、出口タンクの内方に突出して互いに嵌合したアウターバーリングおよびインナーバーリングを、冷媒通路の出口部分に対向する部分で、かつ、アウターフィンに他の熱交換流体が流入する側を部分的に除去したバーリング除去部分であることを特徴としている。
【0013】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明によれば、出口タンクに、冷媒通路の出口部分から流出した冷却媒体の渦発生を防止する渦防止手段を設けたので、入口タンクに導入した冷却媒体を冷媒通路に流通させて熱交換した後に出口タンクから排出する際に、出口タンクの内方に突出したアウターバーリングとインナーバーリングの嵌合部分によってカルマン渦が発生するのを防止若しくは抑制できるため、このカルマン渦によるキャビテーション音の発生を無くすことができる。
【0014】
また、渦防止手段は、出口タンクの内方で互いに嵌合したアウターバーリングおよびインナーバーリングを、冷媒通路の出口部分に対向する部分で除去したバーリング除去部分としたので、このバーリング除去部分によりカルマン渦の発生原因となっていた部分を無くすことができるため、冷媒通路の出口部分から流出した冷却媒体はキャビテーション音を発生することなく出口タンク内に流出させることができる。
【0015】
また、このようにバーリング除去部分を形成した場合にも、残ったアウターバーリングとインナーバーリングとによって開口部を位置決めすることができる。
【0016】
請求項に記載の発明によれば、出口タンクに、冷媒通路の出口部分から流出した冷却媒体の渦発生を防止する渦防止手段を設けたので、入口タンクに導入した冷却媒体を冷媒通路に流通させて熱交換した後に出口タンクから排出する際に、出口タンクの内方に突出したアウターバーリングとインナーバーリングの嵌合部分によってカルマン渦が発生するのを防止若しくは抑制できるため、このカルマン渦によるキャビテーション音の発生を無くすことができる。
また、渦防止手段は、出口タンクの内方に突出して互いに嵌合したアウターバーリングおよびインナーバーリングを、冷媒通路の出口部分に対向する部分で、かつ、アウターフィンに他の熱交換流体が流入する側を部分的に除去したバーリング除去部分としたので、このバーリング除去部分は、アウターフィンに流入する他の熱交換流体の高温側のみに設けられることになり、アウターバーリングおよびインナーバーリングを周方向の広い範囲で残しておくことができるため、位置決め精度を高めて組付け性を向上することができるとともに、開口部周縁の剛性を高く保持することができる。
【0017】
また、前記バーリング除去部分はアウターフィンに流入する他の熱交換流体の高温側のみであるが、この高温部分で冷媒通路を流通する冷却媒体が高温となってキャビテーションを発生し易くなる部分をバーリング除去部分に通過させることができるため、キャビテーション音の発生を効率良く防止することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を添付図面を参照して詳細に説明する。
【0022】
(第1実施形態)
図1〜図5は本発明の積層型熱交換器の第1実施形態を示し、図1は積層型熱交換器の分解斜視図、図2は熱交換器コアの分解斜視図、図3は熱交換器コアの組付け状態の斜視図、図4は積層型熱交換器の出口タンク部分の拡大断面図、図5は出口タンクの開口部を示す拡大斜視図である。
【0023】
この第1実施形態の積層型熱交換器10は、図1に示すように扁平状の熱交換器コアとしてのチューブシート組付体11を、それぞれの間にアウターフィン12を介装しつつ複数積層し、このチューブシート組付体11の積層群11Aをサイドプレートアッパー13とサイドプレートロアー14との間に挟んだ状態で、サイドプレートロアー14側からボトムケース15に収納し、このボトムケース15の収納側開口部15aを前記サイドプレートアッパー13によって閉止することにより構成される。
【0024】
また、前記アウターフィン12は、チューブシート組付体11の積層群11Aとサイドプレートアッパー13との間、および積層群11Aとサイドプレートロアー14との間にも介装してある。
【0025】
前記サイドプレートアッパー13には、冷却媒体としての冷却水の導入用開口13aに入口パイプ131を接続してあるとともに、冷却水の排出用開口13bに出口パイプ132を接続してあり、入口パイプ131から導入した冷却水を、積層した各チューブシート組付体11に供給した後に出口パイプ132から排出するようになっている。
【0026】
また、前記チューブシート組付体11の積層群11Aを収納したボトムケース15には、入口パイプ131と出口パイプ132の配置方向に対して直角となる方向に対向した側壁15b,15cの一方に、他の熱交換流体Gの導入用開口151を形成するとともに、他方にこの熱交換流体Gの排出用開口152を形成し、導入用開口151からボトムケース15内に導入した熱交換流体Gを前記アウターフィン12に流通した後に排出用開口152から排出するようになっている。
【0027】
前記積層群11Aを構成する各チューブシート組付体11は、図2に示すように、内部に空間を形成しつつそれぞれの周縁部を互いに結合する第1,第2外殻板としての第1,第2チューブシート111,112を備え、これら第1,第2チューブシート111,112の一端部(図2中右端部)および他端部(図2中左端部)を膨出して、前記冷却水の入口タンク113および出口タンク114を設けるとともに、第1,第2チューブシート111,112間の入口タンク113と出口タンク114との間に冷媒通路115を配して構成してある。冷媒通路115中には、放熱性能の向上、冷媒分布の向上等のためにインナーフィン115bが介装されている。
【0028】
このように構成した各チューブシート組付体11は、第1,第2チューブシート111,112の面積を、チューブシート組付体11の厚みよりも十分に大きく設定することにより扁平状に形成され、複数のチューブシート組付体11は扁平面の垂直方向に積層される。
【0029】
複数のチューブシート組付体11を積層した際、それぞれの入口タンク113同士および出口タンク114同士を互いに連通し、かつ、各チューブシート組付体11間に前記アウターフィン12を介装するようになっている。
【0030】
出口タンク114同士の連通部分は、図4に示すように積層方向に隣接した一方(図中上方)の出口タンク114の内方に突設するアウターバーリング114aを設けた大径の開口部114bと、積層方向に隣接した他方(図中下方)の出口タンク114の外方に突設するインナーバーリング114cを設けた小径の開口部114dとを設け、これらアウターバーリング114aとインナーバーリング114cとを互いに密接嵌合してそれぞれの開口部114b,114d同士を連通してある。
【0031】
尚、入口タンク113同士の連通部分にあっても、図2,図3に示すように前記出口タンク114同士の連通部分と同様に、積層方向に隣接した一方(図中上方)の入口タンク113の内方に突設するアウターバーリング113aを設けた大径の開口部113bと、積層方向に隣接した他方(図中下方)の出口タンク113の外方に突設するインナーバーリング113cを設けた小径の開口部113dとを設け、これらアウターバーリング113aとインナーバーリング113cとを互いに密接嵌合してそれぞれの開口部113b,113d同士を連通してある。
【0032】
前記入口タンク113の開口部113b,113dおよび前記出口タンク114の開口部114b,114dは、図2,図3に示すようにチューブシート組付体11の幅方向、つまり入口タンク113と出口タンク114の対向方向に対して直角方向に延びる長穴状に形成してあり、前記アウターバーリング113a,114aおよび前記インナーバーリング113c,114cは、長穴となった開口部113b,113dおよび開口部114b,114dの周縁に沿って形成してある。
【0033】
ところで、前記積層体11Aを構成した最上層のチューブシート組付体11は、これの入口タンク113および出口タンク114がサイドプレートアッパー13に対向する部分は、導入用開口13aおよび排出用開口13bに連通する形状となっている。
【0034】
また、最下層のチューブシート組付体11は、これの入口タンク113および出口タンク114がサイドプレートロアー14に対向する側は閉塞形状となっているとともに、図1に示すようにサイドプレートロアー14には入口タンク113および出口タンク114に対応する位置に突部141,142を形成して、このサイドプレートロアー14と最下層のチューブシート組付体11との間にアウターフィン12の配置スペースを確保するようになっている。
【0035】
このように構成した積層型熱交換器10は、入口パイプ131から導入した冷却水を、積層した各チューブシート組付体11の入口タンク113にそれぞれの小径の開口部113dを介して供給し、そして、各入口タンク113から冷媒通路115を流通して、この冷媒通路115の出口部分115aから出口タンク114内に流出する。
【0036】
このとき、冷媒通路115を冷却水が流通する間に、アウターフィン12を流通する他の熱交換流体Gと熱交換して、この熱交換流体Gを冷却するようになっており、一方、各チューブシート組立体11の出口タンク114に至った冷却水は、それぞれの小径の開口部114dを通過して上層側に集合し、この集合した冷却水は出口パイプ132から排出するようになっている。
【0037】
例えば、前記積層型熱交換器10は積層型としたことにより高い熱交換効率の性能を示し、その小型化が可能となることから例えば燃料電池の発電システムに用いられる。
【0038】
この燃料電池では水の電気分解とは逆の原理を用いて発電するシステムで、酸素と水素を化学的に反応させて電気を取り出すようになっており、通常、酸素は空気中に含まれたものを利用するようになり、水素は圧縮水素を用いる場合と、その他の水素含有物質を改質して水素を取出して用いる場合があり、例えばメタノールやガソリンまたは都市ガスなどが原料として用いられる。
【0039】
水素の原料としてガソリンを用いた場合は、その改質システム中には複数の熱交換器が用いられ、その熱交換器に積層型熱交換器を用いることによりシステム全体のコンパクト化を図ることができる。
【0040】
このようにガソリン改質システムに前記積層型熱交換器10を用いた場合、冷媒通路115に流通する冷却水としては、酸素と水素を反応させた際に生成する純水を用い、アウターフィン12に流通する熱交換流体Gとしては、高温シフト反応器を通過した高温の改質ガスとなり、結果的にこの高温の改質ガスを純水によって冷却して低温シフト反応器に供給するようになっている。
【0041】
ここで、本実施形態では図4,図5に示すように、出口タンク114の内方に突出して互いに嵌合したアウターバーリング114aおよびインナーバーリング114cを、冷媒通路115の出口部分115aに対向する部分で除去することにより渦防止手段としてのバーリング除去部分116を形成し、冷媒通路115の出口部分115aから冷却水が流出した際の渦発生を防止するようになっている。
【0042】
この第1実施形態では、図5に示すように前記バーリング除去部分116は、長穴となった開口部114b,114dの冷媒通路115の出口部分115aに対向する側の前記アウター,インナーバーリング114a,114cを、その長軸方向の略全体に亘って切除するようになっている。
【0043】
(作用)
以上の構成により本実施形態の積層型熱交換器10にあっては、出口タンク114の内方に突出して互いに嵌合したアウターバーリング114aおよびインナーバーリング114cを、冷媒通路115の出口部分115aに対向する部分で除去してバーリング除去部分116を形成したので、このバーリング除去部分116によりカルマン渦の発生原因となっていた部分を無くすことができるため、冷媒通路115の出口部分115aから流出した冷却水はキャビテーション音を発生することなく出口タンク114内に流出させることができる。
【0044】
そして、出口タンク114内に流出した冷却水は、積層した出口タンク114間の小径の開口部114dを通過して排出用開口13b方向に集合し、出口パイプ132から排出される。
【0045】
また、このように大径の開口部114bおよび小径の開口部114dの周縁から起立して、それぞれが密接嵌合するようになったアウターバーリング114aおよびインナーバーリング114cの片側を切除してバーリング除去部分116を形成したが、このようにバーリング除去部分116を形成した場合にも、残ったアウターバーリング114aとインナーバーリング114cとによって開口部114b,114dを位置決めすることができるため、双方のバーリング114a,114cの機能が損なわれることはない。
【0046】
(第2実施形態)
図6は本発明の第2実施形態を示し、前記第1実施形態と同一構成部分に同一符号を付して重複する説明を省略して述べる。
【0047】
図6は出口タンクの開口部を示す拡大斜視図であり、この第2実施形態では前記第1実施形態と同様に、アウターバーリング114aおよびインナーバーリング114cが冷媒通路115の出口部分115aに対向する部分を除去してバーリング除去部分116Aを形成するが、この第2実施形態が第1実施形態と異なる点は、アウターバーリング114aおよびインナーバーリング114cが冷媒通路115の出口部分115aに対向する部分のうち、アウターフィン12に他の熱交換流体Gが流入する側、つまり図6中手前側の所定区間Lを部分的に除去して前記バーリング除去部分116Aとしてある。
【0048】
尚、図6では出口タンク114の冷却水排出側(図1中上方)を示した関係上インナーバーリング114cのみを示したが、勿論、このインナーバーリング114cが嵌合する相手側のアウターバーリング114aにあっても、図6に示したインナーバーリング114cと同じ部位を切除するようになっている。
【0049】
従って、この第2実施形態にあっては、前記第1実施形態と同様の作用・効果を奏するのであるが、特に、バーリング除去部分116Aは、アウターバーリング114aおよびインナーバーリング114cを冷媒通路115の出口部分115aに対向した部分で切除する際に、アウターフィン12に他の熱交換流体Gが流入する側を部分的に除去するようにしたので、このバーリング除去部分116Aはアウターフィン12に流入する他の熱交換流体Gの高温側のみに設けることができる。
【0050】
従って、アウターバーリング114aおよびインナーバーリング114cを周方向の広い範囲で残しておくことができるため、これら両バーリング114a,114cを嵌合した際の位置決め精度を高めて組付け性を向上することができるとともに、開口部114b,114d周縁の剛性を高く保持することができる。
【0051】
また、前記バーリング除去部分116Aはアウターフィンに流入する他の熱交換流体Gの高温側のみであるが、この高温部分では冷媒通路115を流通する冷却水が高温となってキャビテーションを発生し易くなるが、このキャビテーションを発生し易い部分をバーリング除去部分116Aに通過させることができるため、バーリング除去部分116Aを狭い所定区間Lに形成した場合にも、キャビテーション音の発生を効率良く防止することができる。
【0052】
(第3実施形態)
図7は本発明の第3実施形態を示し、前記各実施形態と同一構成部分に同一符号を付して重複する説明を省略して述べる。
【0053】
図7は積層型熱交換器の出口タンク部分の拡大断面図を示し、この第3実施形態では、出口パイプ132を出口タンク114の積層方向(図中下方)に延設して、開口部114dの内側との間に冷却水を通過させる適宜隙間δを設けつつ、積層した出口タンク114の開口部114dに挿通する延設管16を設け、この延設管16を渦防止手段として用いるようになっている。
【0054】
前記延設管16は、前記開口部114dの内側形状に沿って扁平な筒状に形成され、延設管16と開口部114dとの間には周方向に前記隙間δを設けてあり、本実施形態では延設管16は上層から3段目までの出口タンク114の開口部114dを貫通した後、この延設管16の下端部161を上層から4段目の出口タンク114の開口部114dに位置させてある。
【0055】
延設管16は、これの出口パイプ132側の端部には排出用開口13bに挿入されるフランジ部162を形成し、このフランジ部162を、最上層のチューブシート組付体11の出口タンク114に形成したアウターバーリング114aと出口パイプ132との間で挟持してある。
【0056】
従って、この第3実施形態では延設部16を設けたことにより、出口タンク114の開口部114d(最上層では開口部114b)の流速を遅くして静圧を高めることにより、渦キャビテーションの発生を抑制できる。
【0057】
つまり、通常、出口パイプ132に近くなる出口タンク114、つまり最上層の出口タンク114に近付く程、冷却水が集合して開口部114d(最上層では開口部114b)は流速が早くなって静圧が低下し、渦キャビテーションが発生し易くなる。
【0058】
ところが、本実施形態のように前記出口パイプ132の延設管16を各開口部114d(最上層では開口部114b)に挿通したことにより、延設管16を挿入した部分の出口タンク114に冷媒通路115から流入した冷却水は、延設管16と開口部114dとの隙間δを通って下層の出口タンク114へと流通し、そして、延設管16の先端開口163へと至り、この先端開口163から延設管16の内方を通過して出口パイプ132から排出される。
【0059】
従って、出口パイプ132に近くなる最上層の出口タンク114の開口部114bおよび延設管16を挿入した近傍(下層)の出口タンク114の開口部114dの流速を遅くして静圧を高くできるようになるため、それら開口部114b,114dでの渦キャビテーションの発生を抑制し、若しくは無くして、キャビテーション音の発生を効率良く防止することができる。
【0060】
(第4実施形態)
図8は本発明の第4実施形態を示し、前記各実施形態と同一構成部分に同一符号を付して重複する説明を省略して述べる。
【0061】
図8は積層型熱交換器の出口タンク部分の拡大断面図を示し、この第4実施形態では、延設管16Aは、冷媒通路115の出口部分115aに対向する側とは反対側(図中左側)を除去するようになっている。
【0062】
即ち、この実施形態では前記延設管16Aを冷媒通路115の出口部分115aから冷却水が流出する方向に略2分割し、その出口部分115aに対向する側とは反対側(図中左側)を除去することにより、延設管16Aは冷媒通路115から冷却水が流出して来る側の略半分を残存した状態となっている。
【0063】
従って、この実施形態では延設管16Aの冷媒通路115の出口部分115aに対向する側とは反対側を除去したので、延設管16Aの残存した半割部分によって前記第1実施形態と同様の作用・効果を奏することができ、更に、延設管16Aの冷媒通路115の出口部分115aに対向する側とは反対側の除去部分は開口部114dに開放された状態であるため、出口タンク114の開口部114dから冷却水の流出量を増大して、開口部114dでの流速を更に低減し、渦キャビテーション発生の抑制効果を高めることができる。
【0064】
(第5実施形態)
図9は本発明の第5実施形態を示し、前記各実施形態と同一構成部分に同一符号を付して重複する説明を省略して述べる。
【0065】
図9は積層型熱交換器の出口タンク部分の拡大断面図を示し、この第5実施形態では、延設管16Bは、冷媒通路115の出口部分115aに対向する側とは反対側(図中左側)に多孔部分164を形成するようになっている。
【0066】
多孔部分164は、冷却水を抵抗無く通過させるに十分な径を有する小孔164aを多数形成してあり、出口タンク114内の冷却水がその多孔部分164から自由に延設管16B内に流入できるようになっている。
【0067】
従って、この第5実施形態では延設管16Bを設けたことにより、第3実施形態と同様の作用・効果を奏するのは勿論のこと、この延設管16Bには冷媒通路115の出口部分115aに対向する側とは反対側に多孔部分164を形成して、冷却水が自由に延設管16B内に流入するようにしたので、前記第4実施形態と同様の作用・効果を奏すのであるが、特に本第5実施形態では多孔部分164を介して延長管16Bの全周が繋がっているため、第4実施形態の半割状にした延設管16Aに較べてこの第5実施形態の延設管16Bの強度を高めることができる。
【0068】
ところで、本発明の積層型熱交換器10は前記第1〜第5実施形態に例を取って説明したが、これら各実施形態に限ることなく本発明の要旨を逸脱しない範囲でその他の各種実施形態を採ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態における積層型熱交換器の分解斜視図。
【図2】本発明の第1実施形態における熱交換器コアの分解斜視図。
【図3】本発明の第1実施形態における熱交換器コアの組付け状態の斜視図。
【図4】本発明の第1実施形態における積層型熱交換器の出口タンク部分の拡大断面図。
【図5】本発明の第1実施形態における出口タンクの開口部を示す拡大斜視図。
【図6】本発明の第2実施形態における出口タンクの開口部を示す拡大斜視図。
【図7】本発明の第3実施形態における積層型熱交換器の出口タンク部分の拡大断面図。
【図8】本発明の第4実施形態における積層型熱交換器の出口タンク部分の拡大断面図。
【図9】本発明の第5実施形態における積層型熱交換器の出口タンク部分の拡大断面図。
【図10】従来の積層型熱交換器を示す出口タンク部分の拡大断面図。
【符号の説明】
10 積層型熱交換器
11 チューブシート組付体(熱交換器コア)
111 第1チューブシート(第1外殻板)
112 第2チューブシート(第2外殻板)
113 入口タンク
114 出口タンク
114a アウターバーリング
114b 大径の開口部
114c インナーバーリング
114d 小径の開口部
115 冷媒通路
115a 出口部分
116,116A バーリング除去部分(渦防止手段)
12 アウターフィン
132 出口パイプ
16,16A,16B 延設管(渦防止手段)
164 多孔部分

Claims (2)

  1. 第1,第2外殻板(111,112)の一端部および他端部を膨出して冷却媒体の入口タンク(113)および出口タンク(114)を設けるとともに、第1,第2外殻板(111,112)間の入口タンク(113)と出口タンク(114)との間に冷媒通路(115)を配した熱交換器コア(11)を構成し、
    複数の熱交換器コア(11)を、それぞれの入口タンク(113)同士および出口タンク(114)同士を互いに連通し、かつ、各熱交換器コア(11)間に他の熱交換流体(G)を流通させるアウターフィン(12)を介装しつつ互いに積層し、
    少なくとも出口タンク(114)同士の連通部分は、積層方向に隣接した一方の出口タンク(114)の内方に突設するアウターバーリング(114a)を設けた大径の開口部(114b)と、積層方向に隣接した他方の出口タンク(114)の外方に突設するインナーバーリング(114c)を設けた小径の開口部(114d)とを設け、これらアウターバーリング(114a)とインナーバーリング(114c)とを互いに密接嵌合してそれぞれの開口部(114b,114d)同士を連通し、
    入口タンク(113)に導入した冷却媒体を、冷媒通路(115)に流通させて熱交換した後に出口タンク(114)から排出するようにした積層型熱交換器(10)であって、
    前記出口タンク(114)に、冷媒通路(115)の出口部分(115a)から冷却媒体が流出した際の渦発生を防止する渦防止手段を設け、前記渦防止手段(116)は、出口タンク(114)の内方に突出して互いに嵌合したアウターバーリング(114a)およびインナーバーリング(114c)を、冷媒通路(115)の出口部分(115a)に対向する部分で除去したバーリング除去部分(116)であることを特徴とする積層型熱交換器。
  2. 第1,第2外殻板(111,112)の一端部および他端部を膨出して冷却媒体の入口タンク(113)および出口タンク(114)を設けるとともに、第1,第2外殻板(111,112)間の入口タンク(113)と出口タンク(114)との間に冷媒通路(115)を配した熱交換器コア(11)を構成し、
    複数の熱交換器コア(11)を、それぞれの入口タンク(113)同士および出口タンク(114)同士を互いに連通し、かつ、各熱交換器コア(11)間に他の熱交換流体(G)を流通させるアウターフィン(12)を介装しつつ互いに積層し、
    少なくとも出口タンク(114)同士の連通部分は、積層方向に隣接した一方の出口タンク(114)の内方に突設するアウターバーリング(114a)を設けた大径の開口部(114b)と、積層方向に隣接した他方の出口タンク(114)の外方に突設するインナーバーリング(114c)を設けた小径の開口部(114d)とを設け、これらアウターバーリング(114a)とインナーバーリング(114c)とを互いに密接嵌合してそれぞれの開口部(114b,114d)同士を連通し、
    入口タンク(113)に導入した冷却媒体を、冷媒通路(115)に流通させて熱交換した後に出口タンク(114)から排出するようにした積層型熱交換器(10)であって、
    前記出口タンク(114)に、冷媒通路(115)の出口部分(115a)から冷却媒体が流出した際の渦発生を防止する渦防止手段を設け、前記渦防止手段は、出口タンク(114)の内方に突出して互いに嵌合したアウターバーリング(114a)およびインナーバーリング(114c)を、冷媒通路(115)の出口部分(115a)に対向する部分で、かつ、アウターフィン(12)に他の熱交換流体(G)が流入する側を部分的に除去したバーリング除去部分(116A)であることを特徴とする積層型熱交換器。
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