JP4109527B2 - 制御モデルの学習方法、制御モデルの学習装置、コンピュータプログラム、及びコンピュータ読み取り可能な記憶媒体 - Google Patents

制御モデルの学習方法、制御モデルの学習装置、コンピュータプログラム、及びコンピュータ読み取り可能な記憶媒体 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、制御モデルの学習方法、制御モデルの学習装置、コンピュータプログラム、及びコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に関し、特に、オンラインで測定した実績データを用いて制御モデルを学習するために用いて好適なものである。
【0002】
【従来の技術】
鉄鋼生産設備のように、固定された生産ラインレイアウトの中で、多品種の製品を大量生産することを目的とし、かつ外乱因子が多く、物理的な影響因子の定式化、あるいはモデル化が困難な場合、オンラインで測定した情報を用いて制御モデルの学習を行うことは不可欠な技術である。
【0003】
しかしながら、検出端の測定精度あるいは信頼性が、要求される制御精度に対して相対的に低い場合や、検出・制御精度が長期的な傾向で変化する場合や、連続して生産される製品間で、全く異なる傾向の検出・制御誤差が頻繁に発生する場合には、効果的かつロバスト(頑健)にオンラインモデル(制御モデル)を学習することは極めて困難であった。
【0004】
すなわち、先行して生産された製品の検出・制御誤差情報に基づいて、次に生産する製品に対する設定を決定しようとする場合、前記検出・制御誤差情報の中には、測定エラーや異常値が不可避的に含まれていることを勘案しなければならない。さらに、製品側の要因により、前記検出・制御誤差情報の傾向が急激に変化する可能性についても考慮しなければならない。
【0005】
したがって、直前に先行して生産した製品に対して連続的に発生した検出・制御誤差情報を次に生産する製品の設定にフィードバックする漸進的・逐次的なオンライン学習方法は、効率的かつロバスト(頑健)な学習方法とは成り得ない。
【0006】
また、一定数の実績データを蓄積し、蓄積した実績データを使用して制御モデルパラメータを最小二乗法等によりオンラインにて修正計算しようとする場合においても、前述した場合と同様に、効率的かつロバスト(頑健)にオンラインモデルを学習することは極めて困難であった。すなわち、前記実績データの中には、測定エラーや異常値が不可避的に含まれていることから、まず、これらの測定エラーや異常値を如何にして除去するかが課題となる。
【0007】
さらに、実際の製造ラインでは頻繁に発生する状況であるが、実績データが全制御範囲に対して偏分布しているケースがある。このようなケースでは、実績データベクトルが一次独立とならない。これにより、最小二乗法の解が発散しやすくなり、モデル係数を安定的に決定することができない。すなわち、実績データを単純に蓄積し、蓄積した実績データの中から異常値を単純に除去し、異常値を除去した実績データを単純に使用したとしても、効率的かつロバスト(頑健)にオンラインモデルを学習することはできない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前述の問題点に鑑みてなされたものであり、効率的かつロバスト(頑健)に制御モデルを学習することができるようにすることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の制御モデルの学習方法は、制御変数とモデル係数とに基づく演算を行って制御量を出力する制御モデルの学習方法であって、前記制御変数とは異なるが、前記制御モデルによる制御に影響を与える制御変数外影響因子により層別されたテーブル毎に、前記制御変数及び前記制御量についてのm(mは2以上の自然数)組の実績データを蓄積する実績データ蓄積処理と、前記蓄積された実績データについて、前記層別されたテーブル毎に統計理論を用いて異常値を除外する異常値除外処理と、前記異常値が除外された実績データの平均値を、前記層別されたテーブル毎に算出する実績データ平均値算出処理と、前記算出された実績データの平均値を各層の代表値として、前記制御モデルのモデル係数を、複数の前記代表値を用いて最小二乗法により決定し、前記定したモデル係数の学習を行うモデル係数学習処理とを行うことを特徴とする。
【0010】
本発明の制御モデルの学習装置は、制御変数とモデル係数とに基づく演算を行って制御量を出力する制御モデルを学習する制御モデルの学習装置であって、前記制御変数とは異なるが、前記制御モデルによる制御に影響を与える制御変数外影響因子により層別されたテーブル毎に、前記制御変数及び前記制御量についてのm(mは2以上の自然数)組の実績データを蓄積する実績データ蓄積手段と、前記蓄積された実績データについて、前記層別されたテーブル毎に統計理論を用いて異常値を除外する異常値除外手段と、前記異常値が除外された実績データの平均値を、前記層別されたテーブル毎に算出する実績データ平均値算出手段と、前記算出された実績データの平均値を各層の代表値として、前記制御モデルのモデル係数を、複数の前記代表値を用いて最小二乗法により決定し、前記定したモデル係数の学習を行うモデル係数学習手段とを有することを特徴とする。
【0011】
本発明のコンピュータプログラムは、制御変数とモデル係数とに基づく演算を行って制御量を出力する制御モデルを学習するに際して、前記制御変数とは異なるが、前記制御モデルによる制御に影響を与える制御変数外影響因子により層別されたテーブル毎に、前記制御変数及び前記制御量についてのm(mは2以上の自然数)組の実績データを蓄積する実績データ蓄積処理と、前記蓄積された実績データについて、前記層別されたテーブル毎に統計理論を用いて異常値を除外する異常値除外処理と、前記異常値が除外された実績データの平均値を、前記層別されたテーブル毎に算出する実績データ平均値算出処理と、前記算出された実績データの平均値を各層の代表値として、前記制御モデルのモデル係数を、複数の前記代表値を用いて最小二乗法により決定し、前記定したモデル係数の学習を行うモデル係数学習処理とをコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0012】
本発明のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体は、制御変数とモデル係数とに基づく演算を行って制御量を出力する制御モデルを学習するに際して、前記制御変数とは異なるが、前記制御モデルによる制御に影響を与える制御変数外影響因子により層別されたテーブル毎に、前記制御変数及び前記制御量についてのm(mは2以上の自然数)組の実績データを蓄積する実績データ蓄積処理と、前記蓄積された実績データについて、前記層別されたテーブル毎に統計理論を用いて異常値を除外する異常値除外処理と、前記異常値が除外された実績データの平均値を、前記層別されたテーブル毎に算出する実績データ平均値算出処理と、前記算出された実績データの平均値を各層の代表値として、前記制御モデルのモデル係数を、複数の前記代表値を用いて最小二乗法により決定し、前記定したモデル係数の学習を行うモデル係数学習処理とをコンピュータに実行させるコンピュータプログラムを記憶したことを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の制御モデルの学習方法、制御モデルの学習装置、コンピュータプログラム、及びコンピュータ読み取り可能な記憶媒体の実施の形態について詳細に説明する。
まず、オンラインモデル係数の学習対象となる制御モデルが、以下の(1)式で表されるとする。
【0014】
【数1】
Figure 0004109527
【0015】
ここで、yは、制御量(従属変数)である。また、x1、x2、・・・xnは、制御変数(独立変数)である。さらに、a0、a1、a2、・・・anは、オンラインモデル係数である。このように、前記(1)式で表される制御モデルは、n次元の線形モデルにて表現される。
【0016】
一定の期間において、前記(1)式からなるn次元の線形モデルにて表される制御対象に対して、m組の実績データベクトル(y、x1、x2、・・・xnj(j=1〜m)を蓄積した場合の処理について以下に示す。
【0017】
制御モデルの予測精度に対して影響を与えると考えられるものの、制御変数とはなりえない設備製造の条件や、検出端の測定精度あるいは信頼性に影響を与えると考えられる設備製造の条件や、時間的に比較的長期的な周期で変動することが予測される設備製造の条件等は、制御変数外影響因子と考えられる。すなわち、制御変数外影響因子は、制御変数とは異なるが、制御モデルによる制御に何らかの影響を与える設備製造の条件である。このような制御変数外影響因子としては、p個の因子があり、それぞれqk(k=1〜p)個の層に層別されるとする。したがって、制御変数外影響因子の総層別数Npは、以下の(2)式のようになる。
【0018】
【数2】
Figure 0004109527
【0019】
そして、m組の実績データベクトル(y、x1、x2、・・・xnj(j=1〜m)をp個の制御変数外影響因子により、Np個のテーブルに層別し(図1のステップS1)、層別範囲(層別したテーブル)毎に、制御量(y)及び各制御変数(x1、x2、・・・xn)それぞれについて、標本数、平均値、及び標準偏差を算出する(図1のステップS2)。
【0020】
具体的に説明すると、r番目の層別範囲に含まれる制御量(従属変数)の平均値と、r番目の層別範囲に含まれる制御変数(独立変数)xiの平均値は、それぞれ以下の(3)式及び(4)式により表される。
【0021】
また、r番目の層別範囲に含まれる制御量(従属変数)の標準偏差σyrと、r番目の層別範囲に含まれる制御変数(独立変数)xiの標準偏差σxirは、それぞれ以下の(5)式及び(6)式により表される。
【0022】
【数3】
Figure 0004109527
【0023】
ここで、Nr(r=1〜Np)は、r番目の層別範囲に含まれる標本数である。また、以下では、前記(3)式の左辺に示している「r番目の層別範囲に含まれる制御量(従属変数)の平均値」を「yrバー」と称し、前記(4)式の左辺に示している「r番目の層別範囲に含まれる制御変数(独立変数)xiの平均値」を「xirバー」と称する。
【0024】
m組の実績データベクトル(y、x1、x2、・・・xnj(j=1〜m)について、層別範囲毎に、以下の(7)式及び(8)式に示す判定基準に適合するものを異常値として検出する(図1のステップS3)。そして、検出した実績データ(異常値)を除外する(図1のステップS4)。すなわち、m組の実績データベクトル(y、x1、x2、・・・xnj(j=1〜m)について、以下の(7)式及び(8)式に基づいて、層別範囲毎に異常値を除外する。
【0025】
【数4】
Figure 0004109527
【0026】
前記(7)式において、Nyr(1≦Nyr≦4)は、r番目の層別範囲に含まれる制御量の異常値検出基準である。また、前記(8)式において、Nxir(=1〜4)は、r番目の層別範囲に含まれる制御変数xiの異常値検出基準である。
【0027】
すなわち、層別範囲毎に蓄積した実績データの平均値を取り、層別範囲内の個々のデータと平均値を比較して、個々のデータが異常値検出基準(Nyr/Nxir)に対応する信頼性水準により、平均値に対して有意に差異を持つと判定された場合には、そのデータを除外する。異常値検出基準値が1、2、3、4の場合、正規分布累積関数を用いて、信頼性水準は、それぞれ、68.3%、95.5%、99.7%、99.99%となる。
【0028】
前記(7)式及び(8)式により異常値が検出され、実績データが除外されるたびに、各制御範囲では標本数、平均値、標準偏差が変化するから、前記(3)式〜(6)式により、標本数、平均値、及び標準偏差を更新する(図1のステップS5)。そして、前記(7)式及び(8)式により、異常値の検出を再度行う(図1のステップS6)。これらの処理を新たに異常値が検出されなくなるまで繰り返し行う(図1のステップS4〜S6)。
【0029】
すなわち、全ての異常値を除外したm´組の実績データベクトル(y、x1、x2、・・・xnj(j=1〜m´)について、以下の(9)式及び(10)式が成り立つようにする。
【0030】
【数5】
Figure 0004109527
【0031】
以上の処理の結果、NP個に層別された制御変数外影響因子の各層別範囲に、それぞれNr(r=1〜Np)の標本が蓄積され、r番目の層別範囲に含まれる制御量(従属変数)の平均値(yrバー)と、制御変数(独立変数)の平均値(xirバー)が得られる。
【0032】
また、Nr(r=1〜Np)の値が基準値Nmin未満の場合には、r番目の層別範囲の平均値の信頼性は低いと見なして、以下に述べるモデル係数の同定には使用しない(図1のステップS7、S8)。
【0033】
なお、Nr(r=1〜p)の値が基準値Nmin以上の場合には、NP組の実績平均データベクトルを使用して((11)式を参照)、最小二乗法により、前記(1)式にて表されるn次元の線形モデルのモデル係数を同定する(図1のステップS9)。
【0034】
【数6】
Figure 0004109527
【0035】
この際、モデル係数が一意に決定されるためには、NP組の実績平均データベクトルのうち、一次独立なベクトル数がモデルの次元数n以上でなければならない。
【0036】
以上に説明した本実施の形態の制御モデルの学習方法は、CPU、RAM及びROMなどで構成される制御装置によって制御されるものであり、RAMやROMに記憶されたプログラムが動作することによって実現できる。
【0037】
図2は、上述した制御装置101を構成可能なコンピュータシステムの一例を示したブロック図である。
図2に示すように、制御装置101は、CPU102と、ROM103と、RAM104と、キーボード(KB)105のキーボードコントローラ(KBC)106と、表示部としてのCRTディスプレイ(CRT)107のCRTコントローラ(CRTC)108と、ハードディスク(HD)109及びフレキシブルディスク(FD)110のディスクコントローラ(DKC)111と、ネットワー112との接続のためのネットワークインターフェースコントローラ(NIC)113とが、システムバス114を介して互いに通信可能に接続された構成としている。
【0038】
CPU102は、ROM103或いはHD109に記憶されたソフトウェア、或いはFD110より供給されるソフトウェアを実行することで、システムバス114に接続された各構成部を総括的に制御する。
すなわち、CPU102は、所定の処理シーケンスに従った処理プログラムを、ROM103、或いはHD109、或いはFD110から読み出して実行することで、上記本実施の形態での動作を実現するための制御を行う。
【0039】
RAM104は、CPU102の主メモリ或いはワークエリア等として機能する。
KBC106は、KB105や図示していないポインティングデバイス等からの指示入力を制御する。
【0040】
CRTC108は、CRT107の表示を制御する。
DKC111は、ブートプログラム、種々のアプリケーション、編集ファイル、ユーザファイル、ネットワーク管理プログラム、及び本実施の形態における所定の処理プログラム等を記憶するHD109及びFD110とのアクセスを制御する。
NIC113は、ネットワーク112上の装置或いはシステムと双方向にデータをやりとりする。
【0041】
以上のように、本実施の形態では、複数の制御変数x1〜xnを有する制御モデルを学習する際に、制御変数外影響因子により、制御量yと制御変数x1〜xnをNp個のテーブルに層別し、層別したNp個のテーブル毎に制御量yと制御変数x1〜xnを蓄積する。そして、蓄積した制御量yと制御変数x1〜xnについて、前記層別したテーブル毎に異常値を除外し、異常値を除外した制御量yと制御変数x1〜xnの平均値を、前記層別したテーブル毎に算出し、前記算出した制御量yと制御変数x1〜xnの平均値を用いて、制御モデル係数a0〜anを同定するようにした。したがって、外乱因子が多く、制御量yや制御変数x1〜xnの測定精度または信頼性が、要求される制御精度と比較して相対的に低いような場合であっても、制御量yや制御変数x1〜xnの偏分布に影響を受け難く、制御範囲全般にわたり平準化されたモデル係数a0〜anを得ることができる。これにより、モデル係数a0〜anを効率的かつロバスト(頑健)に学習することが可能となり、従来にはない全く新しいオンラインモデル学習方法を提供することができる。
【0042】
(実施例)
以下に、本実施の形態の制御モデルの学習方法を鋼板の熱間圧延荷重予測モデルに適用した例を示す。
図3は、鋼板の熱間圧延システムの一例を示した図である。
【0043】
図3において、熱間圧延システム201は、鋼板202を熱間圧延する圧延機203と、前述した制御装置101とを有している。
【0044】
圧延機203は、第1のワークロール204と、第2のワークロール205と、第1のバックアップロール206と、第2のバックアップロール207と、ロードセル(荷重測定装置)208と、油圧圧下機構209とを有している。
【0045】
図3に示すように、所定の温度に加熱された鋼板202は、所定の回転数で回転する第1のワークロール204及び第2のワークロール205の間を通過することにより圧延される。
【0046】
そして、鋼板202が第1のワークロール204及び第2のワークロール205の間を通過して圧延されるときに生じる圧延荷重が、例えば上記第1のワークロール204を支持する第1のバックアップロール206に設けられたロードセル208で測定される。
【0047】
また、第2のワークロール205を支持する第2のバックアップロール207には油圧圧下機構209が設けられており、この油圧圧下機構209を制御することにより鋼板202の圧下位置が調整される。
【0048】
なお、圧延前の鋼板202の板厚が入側板厚計210で測定され、圧延後の鋼板202の板厚が出側板厚計211で測定される。
【0049】
そして、制御装置101は、以下の(12)式で熱間圧延荷重予測モデルを定義し、ロードセル208で測定された圧延荷重の実績データ(実績圧延荷重)を用いて圧延荷重を予測する。そして、予測した圧延荷重(圧延荷重予測値)を油圧圧下機構209に出力する。油圧圧下機構209は、前記圧延荷重予測値に基づいて鋼板202の圧下位置などを調節する。
c=Kfm×b×Ld×Qp/1000・・・(12)
【0050】
ここで、Pcは予測圧延荷重(tonf)、Kfmは拘束変形抵抗(kgf/mm2)、bは圧延幅(mm)である。また、Qpは圧下力関数、Ldは接触投影弧長(mm)である。
【0051】
このとき、熱間圧延荷重予測モデルのモデル誤差学習係数yは、以下の(13)式で定義される。
y=PC/PR・・・(13)
ここで、PRは実績圧延荷重(tonf)である。
【0052】
そして、本例の熱間圧延荷重予測モデルにおけるモデル誤差は、鋼板202の板厚と鋼板202に含まれる炭素当量の影響によるものとすると、モデル誤差学習係数yは、以下の(14)式のように表される。
y=a0+a1×x1+a2×x2・・・(14)
【0053】
ここで、x1は、圧延機203に圧延される直前の所定位置における鋼板202の板厚(入側板厚)であり、x2は、鋼板202に含まれる炭素当量である。また、a0〜a2は、誤差モデル係数である。
【0054】
制御変数外影響因子として、鋼種(10層別)、圧延機スレッド(2層別)、圧延方向(2層別)の3つの因子を考える。したがって、前記(2)式に従い、制御変数外影響因子の総層別数NPは、以下の(15)式のように、
P=10×2×2=40・・・(15)
40となる。
【0055】
制御装置101は、制御量(y;モデル誤差学習係数)及び各制御変数(x1;入側板厚、 x2;炭素当量)の標本数、平均値、及び標準偏差を、前記(1)式で算出した40個の層別範囲毎に、前記(3)式〜(6)式を用いて算出する。そして、算出した結果を前記(7)式と(8)式に代入して制御量(y;モデル誤差学習係数)と各制御変数(x1;入側板厚、x2;炭素当量)の異常値を検出する。
【0056】
そして、検出した異常値を除外し、40組の実績平均データベクトルを求め((16)式を参照)、最小二乗法により、前記(1)式で表される誤差モデルの係数a0〜a2を同定する。
【0057】
【数7】
Figure 0004109527
【0058】
このように、外乱因子が多く、圧延荷重の測定精度や信頼性が、要求される制御精度と比較して相対的に低い鉄鋼生産設備を制御する制御モデルに対して、本実施の形態の学習方法を適用すれば、誤差モデルの係数a0〜a2を効率的かつロバスト(頑健)に学習することができる。
【0059】
(本発明の他の実施形態)
上述した実施形態の機能を実現するべく各種のデバイスを動作させるように、該各種デバイスと接続された装置あるいはシステム内のコンピュータに対し、上記実施形態の機能を実現するためのソフトウェアのプログラムコードを供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(CPUあるいはMPU)に格納されたプログラムに従って上記各種デバイスを動作させることによって実施したものも、本発明の範疇に含まれる。
【0060】
また、この場合、上記ソフトウェアのプログラムコード自体が上述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコード自体、およびそのプログラムコードをコンピュータに供給するための手段、例えば、かかるプログラムコードを格納した記録媒体は本発明を構成する。かかるプログラムコードを記憶する記録媒体としては、例えばフレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM等を用いることができる。
【0061】
また、コンピュータが供給されたプログラムコードを実行することにより、上述の実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードがコンピュータにおいて稼働しているOS(オペレーティングシステム)あるいは他のアプリケーションソフト等と共同して上述の実施形態の機能が実現される場合にもかかるプログラムコードは本発明の実施形態に含まれることは言うまでもない。
【0062】
さらに、供給されたプログラムコードがコンピュータの機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに格納された後、そのプログラムコードの指示に基づいてその機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって上述した実施形態の機能が実現される場合にも本発明に含まれることは言うまでもない。
【0063】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、外乱因子が多く、検出端の測定精度や信頼性が、要求される制御精度と比較して相対的に低い環境下においても、実績データの偏分布に影響を受け難く、制御範囲全般にわたり平準化され、かつロバスト(頑健)なモデル係数学習を行うことが可能となる。これにより従来にはない全く新しい制御モデルの学習方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態を示し、制御装置における制御モデルの学習動作を説明するためのフローチャートである。
【図2】本発明の実施の形態を示し、制御装置を構成可能なコンピュータシステムの一例を示したブロック図である。
【図3】本発明の実施例を示し、鋼板の熱間圧延システムの一例を示した図である。
【符号の説明】
101 制御装置
201 熱間圧延システム
202 鋼板
203 圧延機

Claims (6)

  1. 制御変数とモデル係数とに基づく演算を行って制御量を出力する制御モデルの学習方法であって、
    前記制御変数とは異なるが、前記制御モデルによる制御に影響を与える制御変数外影響因子により層別されたテーブル毎に、前記制御変数及び前記制御量についてのm(mは2以上の自然数)組の実績データを蓄積する実績データ蓄積処理と、
    前記蓄積された実績データについて、前記層別されたテーブル毎に統計理論を用いて異常値を除外する異常値除外処理と、
    前記異常値が除外された実績データの平均値を、前記層別されたテーブル毎に算出する実績データ平均値算出処理と、
    前記算出された実績データの平均値を各層の代表値として、前記制御モデルのモデル係数を、複数の前記代表値を用いて最小二乗法により決定し、前記定したモデル係数の学習を行うモデル係数学習処理とを行うことを特徴とする制御モデルの学習方法。
  2. 前記モデル係数学習処理は、前記層別されたテーブル毎に蓄積された実績データの数が予め決めた値より少ない場合、前記予め決めた値より少ない数の実績データを、前記モデル係数の定に使用しないことを特徴とする請求項1に記載の制御モデルの学習方法。
  3. 制御変数とモデル係数とに基づく演算を行って制御量を出力する制御モデルを学習する制御モデルの学習装置であって、
    前記制御変数とは異なるが、前記制御モデルによる制御に影響を与える制御変数外影響因子により層別されたテーブル毎に、前記制御変数及び前記制御量についてのm(mは2以上の自然数)組の実績データを蓄積する実績データ蓄積手段と、
    前記蓄積された実績データについて、前記層別されたテーブル毎に統計理論を用いて異常値を除外する異常値除外手段と、
    前記異常値が除外された実績データの平均値を、前記層別されたテーブル毎に算出する実績データ平均値算出手段と、
    前記算出された実績データの平均値を各層の代表値として、前記制御モデルのモデル係数を、複数の前記代表値を用いて最小二乗法により決定し、前記定したモデル係数の学習を行うモデル係数学習手段とを有することを特徴とする制御モデルの学習装置。
  4. 前記モデル係数学習手段は、前記層別されたテーブル毎に蓄積された実績データの数が予め決めた値より少ない場合、前記予め決めた値より少ない数の実績データを、前記モデル係数の定に使用しないことを特徴とする請求項3に記載の制御モデルの学習装置。
  5. 制御変数とモデル係数とに基づく演算を行って制御量を出力する制御モデルを学習するに際して、
    前記制御変数とは異なるが、前記制御モデルによる制御に影響を与える制御変数外影響因子により層別されたテーブル毎に、前記制御変数及び前記制御量についてのm(mは2以上の自然数)組の実績データを蓄積する実績データ蓄積処理と、
    前記蓄積された実績データについて、前記層別されたテーブル毎に統計理論を用いて異常値を除外する異常値除外処理と、
    前記異常値が除外された実績データの平均値を、前記層別されたテーブル毎に算出する実績データ平均値算出処理と、
    前記算出された実績データの平均値を各層の代表値として、前記制御モデルのモデル係数を、複数の前記代表値を用いて最小二乗法により決定し、前記定したモデル係数の学習を行うモデル係数学習処理とをコンピュータに実行させることを特徴とするコンピュータプログラム。
  6. 制御変数とモデル係数とに基づく演算を行って制御量を出力する制御モデルを学習するに際して、
    前記制御変数とは異なるが、前記制御モデルによる制御に影響を与える制御変数外影響因子により層別されたテーブル毎に、前記制御変数及び前記制御量についてのm(mは2 以上の自然数)組の実績データを蓄積する実績データ蓄積処理と、
    前記蓄積された実績データについて、前記層別されたテーブル毎に統計理論を用いて異常値を除外する異常値除外処理と、
    前記異常値が除外された実績データの平均値を、前記層別されたテーブル毎に算出する実績データ平均値算出処理と、
    前記算出された実績データの平均値を各層の代表値として、前記制御モデルのモデル係数を、複数の前記代表値を用いて最小二乗法により決定し、前記定したモデル係数の学習を行うモデル係数学習処理とをコンピュータに実行させるコンピュータプログラムを記憶したことを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
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