JP4108858B2 - 符号分割多元接続通信システムにおける送信電力制御方法 - Google Patents

符号分割多元接続通信システムにおける送信電力制御方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、移動通信システムにおける送信電力制御方法に関し、さらに詳しくは、符号分割多元接続(CDMA:Code Devision Multiple Access)方式を適用した移動通信システムにおける送信電力制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
CDMA方式では、複数の移動端末が同じ周波数帯域を共有して基地局と通信を行う。従って、例えば移動端末Aと基地局が通信を行う場合、移動端末Aが基地局に対して発信した信号(所望信号)にとって、他の移動端末Bが基地局に対して発信した信号(非所望信号)は干渉となり、移動端末Aと基地局の通信に妨害を与える。同様に移動端末Aが発信した信号は、移動端末Bと基地局の通信に妨害を与える。
【0003】
干渉レベルは基地局が受信する非所望信号波の受信レベルに比例して大きくなる。非所望信号の受信レベルは、非所望信号が移動端末から送信される際の送信電力に比例する。従って干渉レベルを最小限に抑えるためには、移動端末からの送信電力を基地局が制御し、基地局での受信レベルが常に必要最小限となるようにすることが必要となる。この制御が理想的に行われた場合、通信可能なチャネル数は最大となり、その状態から外れるにつれて通信可能なチャネル数は減少することになる。
【0004】
CDMA移動通信の送信電力制御技術に関して、例えば電波産業会発行“IMT-2000 Study Committee, Air-interface WG, SWG Document Title: Volume3 Specifications of Air-Interface for 3G Mobile System, Source: SWG, Version: 0-4.0, Date: December 18, 1997”(以下、W−CDMA方式という)に記載された送信電力制御方法がある。以下にW−CDMA方式の送信電力制御方法について説明する。なお、説明文中上り方向とは移動端末から基地局へ信号を送信する方向、下り方向とは基地局から移動端末へ信号を送信する方向を表す。
【0005】
基地局は移動端末から送信されてくる上り方向の信号の信号対干渉電力比(SIR)を測定し、測定されたSIRに応じた送信電力制御信号を送信する。従来の基地局の構成図を図29に示す。アンテナ210で受信された受信信号はサーキュレータ211を介した後、受信用無線モジュール212においてベースバンド信号の復調と高/中間周波数での受信処理が行われる。受信信号には複数の移動端末(MSa〜MSnとする)からの信号が多重されているため、基地局は各移動端末用にパラメータを設定した同期捕捉・逆拡散回路213a〜213nで受信信号の同期捕捉と逆拡散処理を行う。同期捕捉・逆拡散回路213a〜213nから出力された信号は、それぞれ検波部214a〜214nへ入力され、位相回転の補償等の検波処理を行われる。検波部214a〜214nから出力された信号は、それぞれ復号部215a〜215nへ入力され、デインターリーブやビタビ復号等の誤り制御処理を施された後、受信データとして使用される。
【0006】
一方、同期捕捉・逆拡散回路213a〜213nから出力された信号は、それぞれ信号線220a〜220nを通って上りチャネルSIR測定部221へ入力される。上りチャネルSIR測定部221は信号線220a〜220nを介して入力された受信信号のSIR(SIRa〜SIRnとする)をそれぞれ測定し、SIRa〜SIRnを信号線230a〜230nを介して上りチャネル送信電力制御信号作成部222へ入力する。
【0007】
上りチャネル送信電力制御信号作成部222はSIRa〜SIRnと、MSa〜MSnに対して予め与えられた目標SIR(T−SIRa〜T−SIRnとする)を比較し、MSa〜MSnに対する送信電力制御信号(TPCa〜TPCnとする)を作成する。上りチャネル送信電力制御信号作成部222の構成を図30に示す。上りチャネル送信電力制御信号作成部222はSIRiとT−SIRiを入力とし、TPCiを出力とする送信電力制御信号作成部222a〜222nから構成される。ここで添え字iはa〜nのいずれかを表すものとする。送信電力制御信号作成部222iの構成図を図31に示す。比較器223iは信号線230iを介して入力されるSIRiとT−SIRiを比較し、SIRi≧T−SIRiの場合はセレクタ224iで0を選択する信号を、SIRi<T−SIRiの場合はセレクタ224iで1を選択する信号を作成する。セレクタ224iは比較器223iの出力に従って0または1のいずれかを選択し、TPCiとして信号線231iを介して出力する。ここでTPCi=0は移動端末に対して送信電力減少を指示する信号であり、逆にTPCi=1は移動端末に対して送信電力の増加を指示する信号である。
【0008】
図29のフレーム構成部225a〜225nは、符号化部222a〜222nで畳み込み符号化やインターリーブ等の誤り制御処理を施されたMSa〜MSn宛の送信データと、上りチャネル送信電力制御信号作成部222から入力された送信電力制御信号TPCa〜TPCnを、システムで定められたフォーマットに従いフレームを構成する。拡散回路223a〜223nはMSa〜MSnに対応したパラメータでフレーム作成部出力のスペクトル拡散処理を行う。加算回路226はMSa〜MSnに対する信号を多重して送信するために、送信信号の加算を行う。加算回路226を出力された送信信号は、送信用無線モジュール224とサーキュレータ211を介した後、アンテナ210から送信される。
【0009】
移動端末MSiは前記送信電力制御信号TPCiを受信し、復調結果に従って送信電力を変更する。従来の移動端末の構成を図32に示す。アンテナ10で受信された受信信号は、サーキュレータ11を介した後、受信用無線モジュール12においてベースバンド信号の復調と高/中間周波数での受信処理が行われる。受信信号には複数のチャネルの信号が多重されているため、移動端末は、自端末が使用中のチャネル用にパラメータを設定した同期捕捉・逆拡散回路13で、受信信号の同期捕捉及びスペクトル逆拡散処理を行う。同期捕捉・逆拡散回路13から出力された信号は、検波部14で位相回転の補償等の検波処理を行われ、復号部15において、デインターリーブやビタビ復号などの誤り制御処理を施された後、受信データとして利用される。
【0010】
受信した送信電力制御信号は検波部14を出力された後、信号線16を通って送信電力制御信号判定部40に入力される。送信電力制御信号判定部40は、受信した送信電力制御信号が「0」であるか「1」であるかの判定を行う。送信電力制御信号判定部40は、送信電力制御信号の判定結果が「0」の場合、セレクタ41出力として例えば「−1dB」を選択するような制御信号を作成し、判定結果が「1」であった場合はセレクタ41出力として例えば「+1dB」を選択するような制御信号を作成してセレクタ41に送出する。
【0011】
セレクタ41は送信電力制御信号判定部40から入力される制御信号に従い、送信電力の変化量として、例えば「+1dB」あるいは「−1dB」のいずれかを出力する。
【0012】
送信電力算出部19はセレクタ41から入力される送信電力の変化量と、送信電力保持回路20から入力される現時点での送信電力から、変更後の送信電力を決定する。すなわち、セレクタから「+1dB」が入力された場合、変更後の送信電力を現時点の送信電力より1dB増加したものとし、逆にセレクタから「−1dB」が入力された場合、変更後の送信電力を現時点の送信電力より1dB減少させたものとする。
【0013】
送信信号は、符号化部22で例えば畳込み符号化やインターリーブ等の誤り制御処理を施され、フレーム作成部25でシステムで定められたフォーマットのフレームを構成し、拡散回路23でスペクトル拡散処理される。可変利得増幅器21は信号が送信電力算出部19から指定された送信電力で送信されるように、適切な利得で送信信号を増幅する。可変利得増幅器21を出力された送信信号は、送信用無線モジュール24とサーキュレータ11を介した後、アンテナ10から送信される。
【0014】
移動端末が上記の動作を行った場合の、移動端末の送信電力の変化の様子の一例を図33の実線62に示す。横軸60は時間、縦軸61は移動端末の送信電力を表す。また横軸60には時刻120〜124に受信された送信電力制御信号の判定結果83a〜83eも付してある。図33のように、移動端末は、制御信号判定結果が「1」である時刻122、124では送信電力を1dB増加させ、制御信号判定結果が「0」である時刻120、121、123では送信電力を1dB減少させるよう動作する。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
発明が解決しようとする課題として、以下に示す二点がある。
【0016】
第一の課題として、移動端末において送信電力制御信号の受信品質が悪い場合、受信された送信電力制御信号は誤りを含む復調結果となる可能性が大きくなる。この場合、従来の技術のように復調結果を「0」あるいは「1」のいずれかに判定する方法では、正しい送信電力制御信号値と異なる値に誤判定する可能性が大きくなる。
【0017】
ここで「1」と判定すべき送信電力制御信号を誤って「0」と判定した場合、すなわち移動端末が送信電力を増加すべき時に誤って送信電力を減少した場合、基地局では前記移動端末からの受信信号の品質が低下する。この結果、通信品質の劣化、更には通信の切断が発生する。
【0018】
逆に「0」と判定すべき送信電力制御信号を誤って「1」と判定した場合、すなわち移動端末が送信電力を減少すべき時に誤って送信電力を増加した場合、基地局では前記移動端末の信号による他の移動端末に対する干渉量が増大する。従って他の移動端末の通信品質の劣化、及び通信の切断が発生する。これは同時に通信可能な移動端末の数が減少することを意味し、結果としてシステム全体の通信容量が減少する。
【0019】
また、移動端末の受信機に含まれる直流オフセット成分等により、受信品質の悪い送信電力制御信号の判定結果が「0」または「1」のいずれかに偏るような場合、前記の通信品質の低下やシステムの通信容量の減少はより顕著に現れることになる。
【0020】
第二の課題として、通信の切断を行う際、基地局での制御シーケンスとして受信の動作を送信の動作より早く停止する場合、すなわち図29の同期捕捉・逆拡散回路213i(i=1,2,..,n)の動作が上りチャネルSIR測定部221の動作より早く停止する場合、上りチャネルSIR測定部221は動作が停止した同期捕捉・逆拡散回路213iの出力からSIRiを得ようとするため、その動作が不安定になると考えられる。この場合、不適切な送信電力制御信号TPCiが作成され、基地局から移動端末MSiに送信される。移動端末MSiは上記の不適切な送信電力制御信号TPCiに従って送信電力を制御した結果、過剰な送信電力で送信を行う可能性がある。この場合、基地局では移動端末MSiの信号による他の移動端末に対する干渉量が増大する。従って他の移動端末の通信品質の劣化、及び通信の切断が発生する。これは第一の課題と同様にシステム全体の通信容量を減少させる。
【0021】
【課題を解決するための手段】
第一の課題を解決すべく本願発明は、無線基地局は、移動端末の送信電力を制御する送信電力制御信号を送信し、移動端末は受信した送信電力制御信号と受信品質に基づいて前記送信電力制御信号の尤度を算出し、前記尤度に基づいて送信電力の変化量を算出し、前記変化量に基づいて移動端末の送信電力を制御する構成からなる。
【0022】
また、第一の課題を解決すべく本願発明は、前記尤度の算出を、前記無線基地局から送信される信号のとまり木受信品質をも加えて行うことを特徴とし、また、前記無線基地局から送信される信号のとまり木受信品質と、送信電力制御信号の受信品質とを比較し、受信しているチャネルの受信品質のみが劣化したとき、受信しているチャネルが呼切断されたと判定し、両者が同時に劣化したとき、端末が物陰に入った等の事情で適切な受信状態では無くなったと判定し、これらの判定結果に基づいて尤度の算出を行うことを特徴とする。
【0023】
また、第一の課題を解決すべく本願発明は、前記送信電力制御信号の尤度の絶対値が大きいときに、移動端末の送信電力の上限値と下限値とを更新して保持し、前記移動端末の送信電力を前記上限値と下限値との間に制限することを特徴とする。
【0024】
また、第一の課題を解決すべく本願発明は、移動端末の送信電力の平均値を算出し、前記尤度の大きさに基づいて、前記算出した移動端末の平均送信電力、あるいは、前記尤度に基づいて算出された移動端末の送信電力となるように、前記移動端末の送信電力を切り換えることを特徴とする。
【0025】
また、第一の課題を解決すべく本願発明は、使用中のチャネルとは異なる他のチャネルの受信品質または受信電力に基づいて開ループ送信電力を算出し、前記尤度の大きさに基づいて、前記算出した開ループ送信電力、あるいは、前記尤度に基づいて算出された移動端末の送信電力となるように、前記移動端末の送信電力を切り換えることを特徴とする。
【0026】
また、第一の課題を解決すべく本願発明は、前記送電電力制御信号は2値からなる信号であり、前記尤度の計算は、受信品質が良い場合には尤度の絶対値を大きくし、受信品質が悪い場合には尤度の絶対値を小さくすることを特徴とする。
【0027】
また、第一の課題を解決すべく本願発明は、前記尤度が第1の基準値以上の場合は送信電力を上げ、前記尤度が前記第1の基準値より小さくかつ第2の基準値以上の場合は送信電力を維持し、前記第2の基準値より小さい場合は送信電力を下げることを特徴とする。
【0028】
また、第一の課題を解決すべく本願発明は、前記尤度が第1の基準値以上の場合は送信電力を上げ、前記尤度が前記第1の基準値より小さくかつ第2の基準値以上の場合は送信電力をトグル制御し、前記第2の基準値より小さい場合は送信電力を下げることを特徴とする。
【0029】
また、第一の課題を解決すべく本願発明は、前記尤度が第1の基準値以上の場合は送信電力を上げ、前記尤度が前記第1の基準値より小さくかつ第2の基準値以上の場合は送信電力の変化量を前記尤度に対応した電力とし、前記第2の基準値より小さい場合は送信電力を下げることを特徴とする。
【0030】
また、第二の課題を解決すべく本願発明は、無線基地局は前記各移動端末毎のSIRを測定し、前記測定された各SIRと予め与えられた目標SIRとを比較し、前記SIRが目標SIR以上の場合はまたは前記無線基地局が前記移動端末に対し受信動作停止中の場合は送信電力を減少させる送信電力制御信号を作成し、前記SIRが目標SIR未満の場合は送信電力を増加させる送信電力制御信号を作成し、前記作成された送信電力制御信号を移動端末に送信することを特徴とする。
【0031】
【発明の実施の形態】
図1に第一の実施形態の移動端末の構成図を示す。図32に示した従来の移動端末の構成要素と対応する要素に対しては同一の符号を付してある。
【0032】
アンテナ10、サーキュレータ11、受信用無線モジュール12、同期捕捉・逆拡散回路13及び検波部14でそれぞれ処理を施された受信信号は、信号線16を介して送信電力制御信号尤度算出部30へ入力される。
【0033】
送信電力制御信号尤度算出部30は、受信した送信電力制御信号の受信品質と「0」あるいは「1」の判定結果から、送信電力制御信号の尤度を算出する。送信電力制御信号尤度算出部30の構成を図2に示す。送信電力制御信号0/1判定部40は受信された送信電力制御信号が「0」または「1」のいずれであるかの判定を行う。
【0034】
受信品質算出部50は受信された送信電力制御信号の受信品質を算出し、尤度算出部51へ出力する。受信品質算出部50が算出する受信品質としては、基本的には送信電力制御信号受信時に瞬時に測定された受信電力やSIR等を用いるべきである。一方、受信電力やSIRを正確に観測するためには長時間の積分操作が必要となる。高速性が要求される送信電力制御に、前記長時間積分された受信電力あるいはSIR(以下長時間積分値と呼ぶ)を使用した場合、制御遅延が大きくなり、適切に送信電力が制御できなくなることが考えられる。従って、受信品質算出部50は前記送信電力制御信号及び、前記送信電力制御信号と時間的に近い時刻に受信された信号の受信電力やSIRの積分結果(以下短時間積分値と呼ぶ)から、送信電力制御信号の受信品質を算出する。
【0035】
また、短時間積分値は誤差が大きいと考えられるため、短時間積分値をそのまま受信品質の算出に用いると、誤った受信品質を算出してしまう可能性がある。そこで例えば、受信電力算出部50は長時間積分値と短時間積分値を比較し、両者の差が大きな場合には悪い受信品質を出力する動作を行っても良い。
【0036】
さらに、受信しているチャネルが呼切断、あるいは物陰に入った等の事情で適切な受信状態では無くなった事を推定するため、受信品質算出部50は以下の動作を行っても良い。移動端末は、例えばW−CDMA方式におけるとまり木チャネルのように基地局より常時送信され、且つその送信電力が既知であるチャネルの受信電力あるいはSIR(以下とまり木受信品質と呼ぶ)を測定する。この場合の受信品質算出部の構成を図34に示す。とまり木受信品質測定部300は上記とまり木受信品質を測定する。比較部301は前記短時間積分値と、とまり木受信品質測定部300から得られるとまり木受信品質を比較する。受信品質決定部302は比較部301での比較結果から、受信しているチャネルの受信品質のみが劣化したときは、受信しているチャネルが呼切断されたと判定し、あるいは両者が同時に劣化したときは端末が物陰に入った等の事情で適切な受信状態では無くなったと判定し、悪い受信品質を出力する。
【0037】
尤度算出部51は送信電力制御信号0/1判定部40の判定結果、及び受信品質算出部50の算出結果を基に、前記送信電力制御信号の尤度を算出する。送信電力制御信号0/1判定部40の判定結果、及び受信品質算出部50の算出結果と尤度の関係の一例を図3の折線150に示す。以下に図3の場合の尤度算出結果について説明する。送信電力制御信号の判定結果が1の場合、尤度は正の値を取るものとする。逆に判定結果が0の場合、尤度は負の値を取るものとする。さらに受信品質が良い場合は尤度の絶対値を大きくし、逆に受信品質が悪い場合は尤度の絶対値を小さくするものとする。
【0038】
上記方法で算出された送信電力制御信号の尤度は図1の送信電力変化量算出部31へ入力される。送信電力変化量算出部31は、入力された送信電力制御信号の尤度を基に送信電力の変化量を算出する。第一の実施形態の送信電力変化量算出部31の構成を図4に示す。尤度判定部70は送信電力制御信号尤度算出部30から入力される送信電力制御信号の尤度を基に、送信電力の変化量として例えば「+1dB(増加)」、「−1dB(減少)」、「0dB(変化なし)」のいずれかを選択する制御信号を作成し、セレクタ71へ出力する。第一の実施形態での尤度判定部70の動作の一例を図5に示す。入力される送信電力制御信号の尤度がα+以上の領域100に存在する場合、尤度判定部70はセレクタ71において「+1dB」が選択されるような制御信号をセレクタ71に出力する。同様に、入力される送信電力制御信号の尤度がα−以上α+未満の領域101に存在する場合、尤度判定部70は「0dB」が選択されるような制御信号を、入力される送信電力制御信号の尤度がα−未満の領域102に存在する場合、尤度判定部70は「−1dB」が選択されるような制御信号をセレクタ71へ出力する。セレクタ71は尤度判定部70からの制御信号に従って送信電力変化量を選択し、図1の送信電力算出部19へ出力する。
【0039】
図1の送信電力算出部19は送信電力変化量算出部31から入力される送信電力の変化量と、送信電力保持回路20から入力される現時点での送信電力を基に、従来の移動端末と同様に送信電力を算出する。符号化部21及び拡散回路23で処理を施された送信信号は、可変利得増幅器21で前記送信電力で送信されるように増幅された後、送信用無線モジュール24及びサーキュレータ11を介してアンテナ10より送信される。
【0040】
移動端末が第一の実施形態の動作を行った場合の移動端末の送信電力の変化の様子の一例を図6の実線63に示す。図6のように、送信電力制御信号の尤度がα−以上α+未満の時間103の間は、移動端末は送信電力の変化量を0dB、すなわち送信電力を変化させないよう動作する。
【0041】
次に、第二の実施形態の移動端末の動作について説明する。第二の実施形態の移動端末の構成は第一の実施形態と同様に図1となる。第二の実施形態では送信電力変化量算出部31の構成が第一の実施形態とは異なる。第二の実施形態の送信電力変化量算出部31の構成を図7に示す。第一の実施形態の送信電力変化量算出部31と対応する構成要素に対しては同一の番号を付してある。
【0042】
尤度判定部70は送信電力制御信号尤度算出部30から入力される送信電力制御信号の尤度を基に、送信電力の変化量として例えば「+1dB(増加)」、「−1dB(減少)」、「トグル部72(トグル動作)」のいずれを選択するかの制御信号作成し、セレクタ71へ出力する。トグル部72の動作を図8に示す。トグル部72は入力が「+1dB」の場合は「−1dB」を出力し、入力が「−1dB」の場合は「+1dB」を出力するものとする。第二の実施形態での尤度判定部70の動作の一例を図9に示す。入力される送信電力制御信号の尤度がα+以上の領域100に存在する場合、尤度判定部70はセレクタ71において「+1dB」が選択されるような制御信号をセレクタ71に出力する。同様に、入力される送信電力制御信号の尤度がα−以上α+未満の領域101に存在する場合、尤度判定部70は「トグル部72」が選択されるような制御信号を、入力される送信電力制御信号の尤度がα−未満の領域102に存在する場合、尤度判定部70は「−1dB」が選択されるような制御信号をセレクタ71へ出力する。セレクタ71は尤度判定部70からの制御信号に従って送信電力変化量を選択し、図1の送信電力算出部19へ出力する。以下送信信号がアンテナ10から送信されるまでの動作は第一の実施形態と同様である。
【0043】
移動端末が第二の実施形態の動作を行った場合の移動端末の送信電力の変化の様子の一例を図10の実線64に示す。図10のように、送信電力制御信号の尤度がα−以上α+未満の時間103の間は、移動端末は送信電力の変化量として「+1dB」と「−1dB」を交互に繰返すように動作する。
【0044】
次に、第三の実施形態の移動端末の動作について説明する。第三の実施形態の移動端末の構成は第一の実施形態及び第二の実施形態と同様に図1となる。第三の実施形態では送信電力変化量算出部31の構成が第一の実施形態及び第二の実施形態とは異なる。第三の実施形態の送信電力変化量算出部31の構成を図11に示す。尤度−送信電力変化量変換部73は送信電力制御信号尤度算出部30から入力される送信電力制御信号の尤度を、送信電力変化量に変換する。尤度−送信電力変化量変換部73の動作の一例を図12の折線74に示す。図12では、入力される送信電力制御信号の尤度がα+以上の場合、尤度−送信電力変化量変換部73は送信電力変化量として例えば「+1dB」を送信電力算出部19へ出力する。同様に入力される送信電力制御信号の尤度がα−未満の場合、尤度−送信電力変化量変換部73は送信電力変化量として例えば「−1dB」を送信電力算出部19へ出力する。ここで、入力される送信電力制御信号の尤度がα−以上α+未満の場合、尤度−送信電力変化量変換部73は送信電力制御信号の尤度に応じて、例えば、図12の折線74のように変化する送信電力変化量を送信電力算出部19へ出力する。以下送信信号がアンテナ10から送信されるまでの動作は第一の実施形態と同様である。
【0045】
移動端末が第三の実施形態の動作を行った場合の移動端末の送信電力の変化の様子の一例を図13の実線65に示す。図13のように、送信電力制御信号の尤度がα−以上α+未満の時間103の間は、移動端末は送信電力の変化量が「+1dB」や「−1dB」よりも小さな値となるように移動端末は送信電力を制御する。
【0046】
第四の実施形態の移動端末の構成を図14に示す。図32及び図1に示した移動端末の構成と対応する構成要素には同一の番号を付してある。第一の実施形態と同様に送信電力制御信号尤度算出部30で算出された送信電力制御信号の尤度は送信電力変化量算出部31へ入力される。
【0047】
第四の実施形態の送信電力変化量算出部31の構成を図15に示す。尤度判定部130は送信電力制御信号尤度算出部30から入力される送信電力制御信号の尤度を基に、送信電力の変化量として例えば「+1dB(増加)」あるいは「−1dB(減少)」のいずれかを選択する制御信号作成し、セレクタ131へ出力する。第四の実施形態での尤度判定部130の動作の一例を図16に示す。入力される送信電力制御信号の尤度が0以上の領域に存在する場合、尤度判定部130はセレクタ131において「+1dB」が選択されるような制御信号をセレクタ131に出力する。逆に入力される送信電力制御信号の尤度が0未満の領域に存在する場合、尤度判定部130は「−1dB」が選択されるような制御信号をセレクタ131へ出力する。セレクタ131は尤度判定部130からの制御信号に従って送信電力変化量を選択し、図14の送信電力算出部19へ出力する。送信電力算出部19は第一の実施形態と同様に移動端末の送信電力を算出する。
【0048】
送信電力制限部32は送信電力算出部19で算出された送信電力と送信電力制限部32内部で算出される送信電力制限値とを比較し、移動端末の送信電力の制限を行う。送信電力制限部32の構成を図17に示す。送信電力算出部19より入力された送信電力は送信電力制限値算出部90と比較部91に入力される。送信電力制限値算出部90の動作の一例を図18に示す。送信電力制限値算出部90では、まず送信電力制御信号尤度算出部30より入力される送信電力制御信号の尤度と閾値β−及びβ+との比較が行われる。ここで送信電力制御信号の尤度がβ−≦(尤度)<β+の関係が成立しない場合、すなわち送信電力制御信号の尤度の絶対値が大きな場合、送信電力の上限値TXPU及び送信電力の下限値TXPLの値を更新する。この動作により、送信電力制御信号の尤度の絶対値が大きな場合、すなわち送信電力制御信号の受信品質が良い場合、に移動端末の送信電力の上限値と下限値を算出し、逆に送信電力制御信号の尤度の絶対値が小さな場合、すなわち送信電力制御信号の受信品質が悪い場合、には移動端末の送信電力の上限値と下限時を保持することになる。
【0049】
図17の比較部91は送信電力算出部19から入力された送信電力と、送信電力制限値算出部90から入力された送信電力の上限値及び下限値との比較を行う。ここで送信電力算出部19から入力された送信電力が、送信電力制限値算出部90から入力された送信電力の上限値TXPUより大きな場合、比較部91は送信電力をTXPUに変更して図14の送信電力保持回路20及び可変利得増幅器21へ出力する。逆に送信電力算出部19から入力された送信電力が、送信電力制限値算出部90から入力された送信電力の下限値TXPLより小さな場合、比較部91は送信電力をTXPLに変更して図14の送信電力保持回路20及び可変利得増幅器21へ出力する。また、送信電力算出部19から入力された送信電力が、TXPUとTXPLの間に存在する場合、送信電力算出部19から入力された送信電力をそのまま図14の送信電力保持回路20及び可変利得増幅器21へ出力する。以下送信信号がアンテナ10から送信されるまでの動作は第一の実施形態と同様である。
【0050】
移動端末が第四の実施形態の動作を行った場合の移動端末の送信電力の変化の様子の一例を図19の実線66に示す。図19のように、送信電力制御信号の尤度がα−以上α+未満の時間103の間は、移動端末の送信電力の上限値TXPU及び下限値TXPLの値は一定に保たれている。また図19の例では時間103の間、移動端末の送信電力は送信電力の下限値TXPLを下回ることの無いように制限される。
【0051】
なお第四の実施形態において、送信電力変化量算出部31は第一〜第三の実施形態で示した構成であってもよい。
【0052】
第五の実施形態の移動端末の構成を図20に示す。図32及び図1に示した移動端末の構成と対応する構成要素には同一の番号を付してある。第一の実施形態と同様に送信電力制御信号尤度算出部30で算出された送信電力制御信号の尤度は送信電力変化量算出部31へ入力される。送信電力変化量算出部31は第一〜第四の実施形態において説明した送信電力変化量算出部31のいずれの構成及び動作であっても良い。送信電力変化量算出部31で算出された送信電力の変化量は、送信電力算出部19へ入力される。
【0053】
送信電力算出部19は第一の実施形態と同様に移動端末の送信電力を算出する。
【0054】
送信電力算出部19で算出された送信電力は、送信電力選択部33へ入力される。送信電力選択部33は、送信電力制御信号尤度算出部30より入力される送信電力制御信号の尤度に応じて、送信電力の選択を行う。
【0055】
第五の実施形態における送信電力選択部33の構成を図21に示す。尤度判定部140は送信電力制御信号尤度算出部30から入力される送信電力制御信号の尤度を基に、送信電力として送信電力算出部19より入力される送信電力、あるいは送信電力平均化部142から入力される送信電力のいずれかを選択する制御信号作成し、セレクタ141へ出力する。第五の実施形態での尤度判定部140の動作の一例を図22に示す。入力される送信電力制御信号の尤度がγ+以上の領域104あるいはγ−未満の領域106に存在する場合、すなわち受信した送信電力制御信号の受信品質が良い場合、尤度判定部140はセレクタ141において送信電力算出部19より入力される送信電力が選択されるような制御信号をセレクタ141に出力する。逆に、入力される送信電力制御信号の尤度がγ−以上γ+未満の領域105に存在する場合、すなわち受信した送信電力制御信号の受信品質が悪い場合、尤度判定部140は送信電力平均化部142から入力される送信電力が選択されるような制御信号をセレクタ141へ出力する。セレクタ141は尤度判定部140からの制御信号に従って送信電力を選択し、図20の送信電力保持回路20及び可変利得増幅器21へ送信電力を出力する。ここで、送信電力平均化部142は入力される送信電力の平均値を計算し、セレクタ142へ出力するものとする。
【0056】
以下送信信号がアンテナ10から送信されるまでの動作は第一の実施形態と同様である。
【0057】
次に第六の実施形態の移動端末の動作について説明する。第六の実施形態の移動端末の構成は第五の実施形態と同様に図20となる。第六の実施形態では送信電力選択部33の構成が第五の実施形態とは異なる。第六の実施形態の送信電力選択部33の構成を図23に示す。尤度判定部150は送信電力制御信号尤度算出部30から入力される送信電力制御信号の尤度を基に、送信電力として送信電力算出部19より入力される送信電力、あるいは開ループ送信電力算出部152から入力される送信電力のいずれかを選択する制御信号作成し、セレクタ151へ出力する。第六の実施形態での尤度判定部150の動作の一例を図24に示す。入力される送信電力制御信号の尤度がδ+以上の領域107あるいはδ−未満の領域109に存在する場合、すなわち受信した送信電力制御信号の受信品質が良い場合、尤度判定部150はセレクタ151において送信電力算出部19より入力される送信電力が選択されるような制御信号をセレクタ151に出力する。逆に、入力される送信電力制御信号の尤度がδ−以上δ+未満の領域108に存在する場合、すなわち受信した送信電力制御信号の受信品質が悪い場合、尤度判定部150は開ループ送信電力算出部152から入力される送信電力が選択されるような制御信号をセレクタ151へ出力する。セレクタ151は尤度判定部150からの制御信号に従って送信電力を選択し、図20の送信電力保持回路20及び可変利得増幅器21へ送信電力を出力する。
【0058】
開ループ送信電力算出部152は通信に使用中のチャネルとは異なるチャネル、例えばW−CDMA方式におけるとまり木チャネル等、の受信品質や受信電力等を使用することにより、移動端末と基地局の間の減衰量を見積り、基地局において所要の受信品質を満たすような移動端末の送信電力を算出する。開ループ送信電力算出部152は算出された送信電力をセレクタ152へ出力する。
【0059】
以下送信信号がアンテナ10から送信されるまでの動作は第一の実施形態と同様である。
【0060】
第七の実施形態の基地局の構成を図25に示す。図29に示した従来の基地局の構成と対応する構成要素には同一の番号を付してある。受信された信号は、従来の基地局と同様に上りチャネルSIR測定部221において各移動端末(MSa〜MSn)毎のSIR(SIRa〜SIRn)を測定され、信号線230a〜230nを介して、上りチャネル送信電力制御信号作成部250に入力される。上りチャネル送信電力制御信号作成部250はSIRa〜SIRnと、MSa〜MSnに対して予め与えられた目標SIR(T−SIRa〜T−SIRnとする)との比較結果、及びMSa〜MSnから送信されてくる信号に対して受信動作を行っているか否かを示す制御信号RXa〜RXnを基に、MSa〜MSnに対する送信電力制御信号(TPCa〜TPCnとする)を作成する。
【0061】
上りチャネル送信電力制御信号作成部250の構成を図26に示す。上りチャネル送信電力制御信号作成部250はSIRi、T−SIRi及びRXiを入力とし、TPCiを出力とする送信電力制御信号作成部250a〜250nから構成される。ここで添え字iはa〜nのいずれかを表すものとする。送信電力制御信号作成部250iの構成図を図27に示す。比較器254iは信号線230iを介して入力されるSIRiとT−SIRiを比較し、SIRi≧T−SIRiの場合はセレクタ251iで0(送信電力減少を指示する信号)を選択する信号を、SIRi<T−SIRiの場合はセレクタ251iで1(送信電力増加を指示する信号)を選択する信号を作成する。セレクタ251iは比較器254iの出力に従って0または1のいずれかを選択し、信号線252iを介してセレクタ253iへ出力する。セレクタ253iは受信動作を行っているか否かを制御する信号RXiに従い、送信電力制御信号TPCiを決定する。セレクタ253iの動作を図28に示す。RXiが受信動作中であることを示す信号の場合、セレクタ253iは送信電力制御信号TPCiとして信号線252iを介して入力された信号を選択する。逆にRXiが受信停止中であることを示す信号の場合、セレクタ253iは送信電力制御信号TPCiとして0(送信電力減少を指示する信号)を選択する。
【0062】
上記方法によって作成されたMSa〜MSnに対する送信電力制御信号TPCa〜TPCnは信号線231a〜231nを介してフレーム作成部225a〜225nへ入力され、従来の基地局と同様の処理を施された後、アンテナ210から送信される。
【0063】
【発明の効果】
本発明によれば、移動端末は受信誤りを含む送信電力制御信号による送信電力制御の誤制御の影響を少なくすることが可能となる。また基地局が受信動作停止後に不適切な送信電力制御信号の送信を行わないよう制御することにより、移動端末が過剰な送信電力で送信を行うことを防ぐことが可能となる。従って、誤制御による通信品質の劣化及びシステム全体の容量の低下を回避することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の移動端末の構成図である。
【図2】本発明の送信電力制御信号尤度算出部の構成図である。
【図3】本発明の尤度算出方法を示す図である。
【図4】本発明の送信電力変化量算出部の構成図である。
【図5】本発明の尤度判定部の動作の一例を示す図である。
【図6】本発明の移動端末の送信電力の変化の一例を示す図である。
【図7】本発明の送信電力変化量算出部の構成図である。
【図8】本発明のトグル部の動作説明図である。
【図9】本発明の尤度判定部の動作説明図である。
【図10】本発明の移動端末の送信電力の変化の一例を示す図である。
【図11】本発明の送信電力変化量算出部の構成図である。
【図12】本発明の送信電力変化量算出部の動作説明図である。
【図13】本発明の移動端末の送信電力の変化の一例を示す図である。
【図14】本発明の移動端末の構成図である。
【図15】本発明の送信電力変化量算出部の構成図である。
【図16】本発明の尤度判定部の動作説明図である。
【図17】本発明の送信電力制御部の構成図である。
【図18】本発明の送信電力制限値算出部の構成図である。
【図19】本発明の送信電力変化の一例を示す図である。
【図20】本発明の移動端末の構成図である。
【図21】本発明の送信電力選択部の構成図である。
【図22】本発明の尤度判定部の動作説明図である。
【図23】本発明の送信電力選択部の構成図である。
【図24】本発明の尤度選択部の構成図である。
【図25】本発明の基地局の構成図である。
【図26】本発明の上りチャネル送信電力制御信号作成部の構成図である。
【図27】本発明の送信電力制御信号作成部の構成図である。
【図28】本発明のセレクタ235iの動作説明図である。
【図29】従来の基地局の構成図である。
【図30】本発明の上りチャネル送信電力制御信号作成部の構成図である。
【図31】従来の送信電力制御信号作成部の構成図である。
【図32】従来の移動端末の構成図である。
【図33】従来の送信電力変化の様子を示す図である。
【図34】とまり木受信品質を用いた受信品質算出部の構成図である。
【符号の説明】
10 アンテナ
11 サーキュレータ
12 受信高周波部
14 検波部
15 復号部
19 送信電力算出部
20 送信電力保持回路
22 符号化
23 拡散回路
24 送信高周波部
25 フレーム作成部
30 送信電力制御信号尤度算出部
31 送信電力変化量算出部

Claims (11)

  1. 無線基地局と移動端末からなる符号分割多元接続通信システムにおける送信電力制御方法において、前記無線基地局は、移動端末の送信電力を制御する送信電力制御信号を送信し、前記移動端末は受信した送信電力制御信号と受信品質に基づいて前記送信電力制御信号の尤度を算出し、前記尤度に基づいて送信電力の変化量を算出し、前記変化量に基づいて移動端末の送信電力を制御することを特徴とする符号分割多元接続通信システムにおける送信電力制御方法。
  2. 請求項1記載の符号分割多元接続通信システムにおける送信電力制御方法において、前記尤度の算出は、前記無線基地局から送信される信号のとまり木受信品質をも加えて行われることを特徴とする符号分割多元接続通信システムにおける送信電力制御方法。
  3. 請求項1記載の符号分割多元接続通信システムにおける送信電力制御方法において、前記無線基地局から送信される信号のとまり木受信品質と、送信電力制御信号の受信品質とを比較し、受信しているチャネルの受信品質のみが劣化したとき、受信しているチャネルが呼切断されたと判定し、両者が同時に劣化したとき、端末が物陰に入った等の事情で適切な受信状態では無くなったと判定し、これらの判定結果に基づいて尤度の算出を行うことを特徴とする符号分割多元接続通信システムにおける送信電力制御方法。
  4. 請求項1記載の符号分割多元接続通信システムにおける送信電力制御方法において、前記送信電力制御信号の尤度の絶対値が大きいときに、移動端末の送信電力の上限値と下限値とを更新して保持し、前記移動端末の送信電力を前記上限値と下限値との間に制限することを特徴とする符号分割多元接続通信システムにおける送信電力制御方法。
  5. 請求項1記載の符号分割多元接続通信システムにおける送信電力制御方法において、移動端末の送信電力の平均値を算出し、前記尤度の大きさに基づいて、前記算出した移動端末の平均送信電力、あるいは、前記尤度に基づいて算出された移動端末の送信電力となるように、前記移動端末の送信電力を切り換えることを特徴とする符号分割多元接続通信システムにおける送信電力制御方法。
  6. 請求項1記載の符号分割多元接続通信システムにおける送信電力制御方法において、使用中のチャネルとは異なる他のチャネルの受信品質または受信電力に基づいて開ループ送信電力を算出し、前記尤度の大きさに基づいて、前記算出した開ループ送信電力、あるいは、前記尤度に基づいて算出された移動端末の送信電力となるように、前記移動端末の送信電力を切り換えることを特徴とする符号分割多元接続通信システムにおける送信電力制御方法。
  7. 請求項3記載の符号分割多元接続通信システムにおける送信電力制御方法において、前記送信電力制御信号は2値からなる信号であり、前記尤度の計算は、受信品質が良い場合には尤度の絶対値を大きくし、受信品質が悪い場合には尤度の絶対値を小さくすることを特徴とする符号分割多元接続通信システムにおける送信電力制御方法。
  8. 請求項7記載の符号分割多元接続通信システムにおける送信電力制御方法において、前記尤度が第1の基準値以上の場合は送信電力を上げ、前記尤度が前記第1の基準値より小さくかつ第2の基準値以上の場合は送信電力を維持し、前記第2の基準値より小さい場合は送信電力を下げることを特徴とする符号分割多元接続通信システムにおける送信電力制御方法。
  9. 請求項7記載の符号分割多元接続通信システムにおける送信電力制御方法において、前記尤度が第1の基準値以上の場合は送信電力を上げ、前記尤度が前記第1の基準値より小さくかつ第2の基準値以上の場合は送信電力をトグル制御し、前記第2の基準値より小さい場合は送信電力を下げることを特徴とする符号分割多元接続通信システムにおける送信電力制御方法。
  10. 請求項7記載の符号分割多元接続通信システムにおける送信電力制御方法において、前記尤度が第1の基準値以上の場合は送信電力を上げ、前記尤度が前記第1の基準値より小さくかつ第2の基準値以上の場合は送信電力の変化量を前記尤度に対応した電力とし、前記第2の基準値より小さい場合は送信電力を下げることを特徴とする符号分割多元接続通信システムにおける送信電力制御方法。
  11. 無線基地局と移動端末からなる符号分割多元接続通信システムにおける送信電力制御方法において、前記無線基地局は前記各移動端末毎のSIRを測定し、前記測定された各SIRと予め与えられた目標SIRとを比較し、前記SIRが目標SIR以上の場合または前記無線基地局が前記移動端末に対し受信動作停止中の場合は送信電力を減少させる送信電力制御信号を作成し、前記SIRが目標SIR未満の場合は送信電力を増加させる送信電力制御信号を作成し、前記作成された送信電力制御信号を移動端末に送信することを特徴とする符号分割多元接続通信システムにおける送信電力制御方法。
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