JP4108801B2 - ポリエーテル核酸 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はヌクレオチド擬似体及びその誘導化核酸擬似体、双方の構築のための方法、並びに生化学及び薬学におけるかかる核酸擬似体の利用に関する。より詳しくは、本発明は(i)非環式ヌクレオチドとも称する非環式ヌクレオチド擬似体;(ii)非環式ヌクレオチド擬似体を合成するための方法;(iii )非環式ポリヌクレオチド配列とも称する非環式ヌクレオチド擬似配列;(iv)非環式ヌクレオチド擬似配列を合成するための方法、及び(v)例えばアンチセンス手順におけるオリゴヌクレオチドとしての非環式ヌクレオチド擬似配列の利用に関する。
【0002】
【従来の技術】
アンチセンスオリゴヌクレオチド(例えばアンチセンスオリゴデオキシリボヌクレオチド)はWatson−Crick塩基対合又はHoogsteen及びアンチHoogsteen塩基対合のいづれかによりその標的核酸に結合しうる。このことについては、Thoung and Helene (1993) Sequence specific recognition and modification of double helical DNA by oligonucleotides, Angev. Chem. Int. Ed. Engl. 32 : 666 を参照のこと。Watson−Crick塩基対合に従うと、アンチセンスオリゴヌクレオチドの複素環塩基は標的の一本鎖核酸(RNA又は一本鎖DNA)の複素環塩基と水素結合を形成し、一方Hoogsteen塩基対合に従うと、標的核酸の複素環塩基は二本鎖DNAであり、ここで第三鎖がHoogsteen及びアンチHoogsteen塩基対合によりB型DNA二量体の大きな溝の中に一体化し、三量構造を形成する。
【0003】
Watson−Crick及びHoogsteen塩基対合モデルの双方に従うと、アンチセンスオリゴヌクレオチドは遺伝子発現を抑制する能力及び核酸の本質機能を破錠する能力を有する。従って、アンチセンスオリゴヌクレオチドは広範囲の病気を制御するうえでの用途の可能性を有する。
【0004】
オリゴヌクレオチドを化学合成するのに有効な方法の開発以来、これらの分子はもっぱら生化学及び生物学的研究において利用され、そして薬学における潜在的な用途を有し、なぜならていねいに考案したオリゴヌクレオチドは転写、転写体及び/又は翻訳のレベルを調節することにより遺伝子発現をコントロールするのに利用されうるからである。
【0005】
100塩基対ほどの長さのオリゴデオキシリボヌクレオチドは市販の完全自動合成装置を利用する固相法により日常的に合成されている。しかしながら、オリゴヌクレオチドの化学合成は日常からはほど遠い。オリゴヌクレオチドはオリゴデオキシリボヌクレオチドよりもはるかに不安定であり、この事実は、遺伝子治療又は転写もしくは翻訳レベルの調節を目的とする医学及び生物学的研究におけるオリゴデオキシリボヌクレオチドの一層の普及的な利用の原因である。
【0006】
遺伝子発現は少数の異なる且つよく調節された段階を含む。遺伝子発現の第一主要段階はアンチセンス(即ち、一)DNA鎖/に相補性のRNA配列である、又は換言すれば、遺伝子を構成するDNAセンス(即ち、+)鎖に対して配列同一性であるメッセンジャーRNA(mRNA)の転写を含む。真核細胞においては、転写は細胞核内で起こる。
【0007】
遺伝子発現の第二主要段階はタンパク質(例えば酵素、構造タンパク質、分泌タンパク質、遺伝子発現因子、等)の翻訳を含み、それにおいてはmRNAがリボソームRNA複合体(リボソーム)及びアミノ酸活性化トランスファーRNA(tRNA)と相互作用し、このmRNA配列によりコードされるタンパク質の合成を誘導する。
【0008】
転写の開始はRNA合成酵素、即ち、RNAポリメラーゼによる遺伝子のコード配列の上流に位置するプロモーターDNA配列の特異的な認識を必要とする。この認識には、1又は複数個のタンパク質転写因子のプロモーター配列に対する配列特異的結合が先行する。プロモーター配列に又はその近くに結合する別のタンパク質は転写を上昇調節し得るものであり、そしてエンハンサーとして知られる。プロモーターに又はその近くに結合するが、その結合がRNAポリメラーゼの作用を阻止するその他のタンパク質はレプレッサーとして知られる。
【0009】
ある状況においては、遺伝子発現は相補的mRNA転写体に結合する内性アンチセンスRNAレプレッサーにより下降調節され、それ故機能性タンパク質に至るその翻訳が阻止されるという証拠もある。このことについては、Green ら(1986) The role of antisense RNA in gene regulation, Ann. Rev. Biochem. 55 : 569 を参照のこと。
【0010】
即ち、遺伝子発現は一般に転写因子及びエンハンサーにより上昇調節され、そしてレプレッサーにより下降調節される。
【0011】
ところで、多くの疾患状況において、遺伝子発現は損われている。多くの場合、例えば様々なタイプの癌の場合、様々な理由のため、特異的な内性又は外性(例えばウィルスの如き病原体)遺伝子の発現が上昇調節されている。更に、寄生虫、細菌又はウィルスの如き病原体により引き起こされる感染症における疾患の進行は病原遺伝子の発現に依存し、この現象も患者に関する限り、外性遺伝子の上昇調節によるものと考えられうる。
【0012】
ほとんどの慣用薬は、1又は複数種の標的化内性又は外性タンパク質、例えば酵素との相互作用又はその調節を介して機能する。しかしながら、かかる薬は一般に標的タンパク質に対して特異的でなく、その他のタンパク質とも相互作用してしまう。即ち、標的タンパク質を効果的に調節するには比較的大用量の薬を使用しなくてはならない。
【0013】
薬の典型的な日常用量は体重1kg当り10-5〜10-1ミリモル、又は100キログラムの人当り10-3〜10ミリモルである。この調節が、その代わりにmRNAとの相互作用又は不活性化により及ぼされうるなら、必須量の薬の劇的な削減が達成され得、それに伴い副作用が対応して軽減する。更なる軽減が、かかる相互作用が部位特異的でありうるなら、起こりうる。機能性の遺伝子がmRNAを産生し続けるなら、遺伝子転写を完全に休止させることがより一層好都合であろう。
【0014】
選定の所定配列を有するオリゴヌクレオチド及びその類似体を化学合成する能力は遺伝子発現を下降調節するための手段を供与する。3タイプの遺伝子発現調節戦略が考えられうる。
【0015】
転写レベルにおいては、鎖の置換又は三量ヘリックスの形成によりゲノムDNAに結合するアンチセンスもしくはセンスオリゴヌクレオチド又は類似体は転写を阻止しうる。この効果については、Thuong and Helene (1993) Sequence specific recognition and modification of double helical DNA by oligonucleotides Angev. Chem. Int. Ed. Engl. 32 : 666を参照のこと。
【0016】
転写レベルでは、標的mRNA分子に結合するアンチセンスオリゴヌクレオチド又は類似体は細胞内RNase Hによるハイブリドの酵素切断に至る。このことについいては、Dashら(1987) Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 84 : 7896 を参照のこと。この場合、標的mRNAへのハイブリダイゼーションにより、オリゴヌクレオチド又はオリゴヌクレオチド類似体は、RNase H酵素により認識され、そして破壊される二量ハイブリドを供する。他方、かかるハイブリド形成は適正なスプライシングの妨害を招きうる。このことについては、Chiangら(1991) Antisense oligonucleotides inhibit intercellular adhesion molecule 1 expression by two distinct mechanisms. J. Biol. Chem. 266 : 18162を参照のこと。その結果、両ケースにおいて、翻訳の用意の整った標的mRNAインタクト転写体の数は減少するか又はなくなる。
【0017】
翻訳レベルでは、標的mRNA分子に結合するアンチセンスオリゴヌクレオチド又は類似体は、Patersonら(1977)Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 74 : 4370 に記載の通り、立体障害により、標的mRNAに対する必須翻訳因子(リボソーム)の結合を阻止する。その現象は当業界においてハイブリダイゼーション抑留として知られ、かかるmRNAの翻訳をできなくする。
【0018】
従って、上述のアンチセンス配列はその特異的な配列に依存して任意の内性及び/又は外性遺伝子の発現を抑留し得、アンチセンスアプローチを新規薬理手段に開発することに従事する科学者及び薬学者によりかなり注目されている。このことについては、Cohen (1992) Oligonucleotide therapeutics. Trends in Biotechnology, 10 : 87 を参照のこと。
【0019】
例えば、いくつかのアンチセンスオリゴヌクレオチドが造血細胞の増殖を抑え(Szczylikら(1991)Selective inhibition of leukemia cell proliferation by BCR-ABL antisense oligodeoxynucleotides. Science 253 : 562)、成長を抑え (Calabrettaら (1991) Normal and leukemic hematopoietic cell manifest differential sensitivity to inhibitory effects of c-myc antisense oligodeoxynucleotides : an in vitro study relevant to bone marrow purging. Proc. Natl. Acad. Sci. USA 88 : 2351)、細胞周期のS相への進展を抑え(Heikhilaら (1987) A c-myc antisense oligodeoxynucleotide inhibits entry into S phase but not progress from G (0) to G (1). Nature, 328: 445)、生存率を低め (Reedら (1990) Antisense mediated inhibition of BCL2 prooncogene expression and leukemic cell growth and survival : comparison of phosphodiester and phosphorothioate oligodeoxynucleotides. Cancer Res. 50 : 6565)そしてレセプター媒介式反応を阻止する (Burch and Mahan (1991) Oligodeoxynucleotides antisense to the interleukin I receptor m RNA block the effects of interleukin I in cultured murine and human fibroblasts and in mice. J. Clin. Invest. 88 : 1190) ことが示されている。抗ウィルス剤としてのアンチセンスオリゴヌクレオチドの利用については、Agrawal (1992) Antisense oligonucleotides as antiviral agents. TIBTECH 10 : 152 を参照のこと。
【0020】
アンチセンスオリゴヌクレオチド又は類似体を利用する遺伝子発現のin vivo阻害における効率のため、オリゴヌクレオチド又は類似体は以下の要件を満たさなくてはならない:(i)標的配列に対する結合における十分な特異性;(ii)水における溶解性;(iii )細胞内及び細胞外ヌクレアーゼに対する安定性;(iv)細胞膜を透過する能力;並びに(v)生体の処置に利用した場合の低毒素性。
【0021】
未修飾オリゴヌクレオチドをアンチセンス配列として利用するのは無理であり、その理由はそれらが短いin vivo半減期を有し、その際それらはヌクレアーゼにより急速分解されるからである。更に、それらはミリグラムより多い量で調製するのが困難である。更に、かかるオリゴヌクレオチドは劣った細胞膜侵入体である。Uhlmann ら(1990) Chem. Rev. 90 : 544 を参照のこと。
【0022】
そこで、上記の要件を全て満足させるには、オリゴヌクレオチド類似体を適当な態様で考案する必要がある。従って、修飾オリゴヌクレオチドについてのかなりの研究が開始されている。
【0023】
例えば、三量ヘリックス形式を介する二本鎖DNA(dsDNA)認識に関して生ずる問題は利口な「スイッチバック」化学連結により減り、それでは一方の鎖のポリプリンが認識され、そして「スイッチバック」により、他方の鎖のホモプンが認識されうる。また、人工塩基を利用することにより良好なヘリックス形成が得られ、これによりイオン強度及びpHに関する結合条件が向上する。
【0024】
更に、半減期及び膜浸透性を向上させるため、ポリヌクレオチド骨格内に数多くの変異が施されているが、ほとんど成功を収めていない。
【0025】
オリゴヌクレオチドは塩基、糖又はリン酸成分のいづれかにおいて修飾されうる。このような修飾はメチルスルホネート、モノチオホスフェート、ジチオホスフェート、ホスホラミデート、リン酸エステル、架橋化ホスホロチオエート、架橋化ホスホラミデート、架橋化メチレンホスホネート、デホスホインターヌクレオチド類似体の、シロキサン結合、炭酸結合、カルボキシメチルエステル結合、アセトアミド結合、カルバミン酸結合、チオエーテル結合、スルホキシ結合、スルホノ結合、様々な「可塑性」DNA、α−アノマー結合及びボラン誘導体による利用を含む。更なる詳細については、Cook (1991) Medicinal chemistry of antisense oligonucleotides - future opportunities. Anti - Cancer Drug Design 6 : 585 を参照のこと。
【0026】
国際特許出願WO86/05518号は標的塩基配列を含む一本鎖ポリヌクレオチドに対する結合に有効なポリマー組成物を広く請求する。この組成物は次式の非ホモポリマーの実質的に立体規則性のポリマー分子を含んで成るとされている:
【化6】
(式中:
(a)R1〜Rnは、標的配列における対応の配列内塩基にWatson/Crick対合により結合するのに有効なプリン、擬プリン、ピリミジン及びピリミジン様複素環から選ばれる認識成分であり;
(b)nはポリマー分子と標的配列とで形成されるWatson/Crick水素結合の総数が約15以上となるものであり;
(c)B〜Bは化学的に安定な実質的に無荷電の主としてアキラル連結により主に連結された骨格成分であり;
(d)前記骨格成分の長さが、もしこの骨格成分が環式構造を有するなら5〜7個の原子に範囲し、そしてもしこの骨格成分が非環式構造を有するなら、4〜6個の原子に範囲し;そして
(e)前記骨格成分は、前記認識成分と標的配列の対応の配列内塩基とのWatson−Crick塩基対合を可能にする位置において前記認識成分を支持している)。
【0027】
WO86/05518号によると、認識成分は様々な天然核塩基及び核塩基類似体であり、そして骨格成分はフランもしくはモルホリン環を含んで成る環式骨格成分又は下記の式の非環式骨格成分。
【化7】
(式中、Eは−CO−又は−SO2 −である)のいづれかである。この出願の明細書はサブユニットの合成、骨格カップリング反応及びポリマー集成手法についての一般の説明を供与している。WO86/05518号は請求のポリマー組成物が標的配列と結合でき、そしてその結果可能性のある診断及び治療用途を有すると示唆しているが、この出願は請求のポリマーの結合能力についてのデーターを全く含まない。
【0028】
国際特許出願WO86/05519号は、固相支持体に付加されたWO86/05518号に記載のポリマーを含んで成る診断試薬及びシステムを請求している。
【0029】
国際特許出願WO89/12060号はオリゴヌクレオチド類似体を合成するための様々な構成単位及びかかる構成単位を規定の順序で連結することにより形成したオリゴヌクレオチド類似体を請求している。この構成単位は「硬質」(即ち、環構造を含む)又は「柔軟性」(即ち、環構造を欠く)のいづれかでありうる。両ケースにおいて、この構成単位はヒドロキシ基及びメルカプト基を含み、それを介して構成単位は連結されてオリゴヌクレオチド類似体を形成するとされている。オリゴヌクレオチド類似体内の連結成分はスルフィド(−S−)、スルホキシド(−SO−)及びスルホン(−SO2 −)より成る群から選ばれる。しかしながら、この出願は標的オリゴヌクレオチドに対するオリゴヌクレオチドの特異的な結合を裏づけるデーターを供していない。
【0030】
Nielsen ら(1991) Science 254 : 1497及び国際特許出願WO92/20702号には、任意の選定の化学核塩基又は類似体がつながっており、そして天然DNA又はRNAにおけるようなコード特性を担うペプチド骨格を含む非環式オリゴヌクレオチドが記載されているペプチド核酸(PNAs)として知られるこのような新規の化合物はその天然対応物よりも細胞内で安定であるばかりでなく、互いとつながり合った天然核酸よりも50〜100倍強く天然DNA及びRNAに結合する。PNAヘテロハイブリドについては、Biotechnology research news (1993) Can DNA mimics improve on the real thing ? Science 262 : 1647参照のこと。
【0031】
PNAオリゴマーはMerrifield固相ペプチド合成によりチミン、シトシン、アデニン及びグアニンを含む4種の保護モノマーから合成できる。水溶性を高め、且つ凝集を防ぐには、リジンアミド基をC末端に配置する。
【0032】
しかしながら、PNAアプローチに関するいくつかの重要な欠点がある。一の欠点は、少なくとも試験管培養では、PNA分子は細胞膜を、一定範囲の天然の短いDNA及びRNAセグメントのように透過しないことにある。第二の欠点は毒性に遭遇する副作用である。PNAは標的配列に強く結合するため、それらはその天然対応物の特異性を欠き、そして標的配列に結合するのみならず、DNAの他方の鎖、RNA又はタンパク質に対しても結合し、細胞を予測し得ない態様で無効にしてしまう。
【0033】
【発明が解決しようとする課題】
従って、(i)標的配列に対する結合における十分なる特異性;(ii)水溶性;(iii )細胞内及び細胞外ヌクレアーゼに対する安定性;(iv)細胞膜を透過する能力;並びに(v)生体の処置に使用したときの低毒素性、即ち、オリゴヌクレオチド類似体をアンチセンス治療薬として非常に適切なものにする総合的特性を特徴とする、上記の欠点のないオリゴヌクレオチドを獲得することの広く認識されたニーズがあり、そしてそれを獲得することは非常に好都合であろう。
【0034】
【課題を解決するための手段】
本発明により、ポリエーテル骨格を有するヌクレオチド擬似体及びその誘導化核酸擬似体、双方の構築のための方法、並びに生化学及び薬学におけるかかるポリエーテル核酸擬似体の利用が提供される。
【0035】
下記の本発明の好適な態様における更なる特徴により、骨格内に位置するキラル炭素原子に個別に結合した複数のリガンドを担持するポリエーテル骨格(即ち、C−C及びC−O結合のみより成る骨格自体)を含んで成る化合物が提供され、ここで少なくとも一つのリガンドは天然核塩基(即ち、A,C,G,T,Uの如き核塩基)、核塩基結合基(即ち、天然核塩基ではないが、天然核塩基として天然核塩基として似たように核塩基と水素結合を形成しうる成分、例えばイノシン、チオウラシル、ブロモチミン、アザグアニン、アザアデニン、5−メチルシトシン)及びDNA挿入因子より成る群から選ばれる成分を含む。即ち、本発明に係る化合物は天然ポリヌクレオチド、例えばDNA及びRNAとの特異的な相互作用(例えばハイブリダイゼーション)を形成しうる。
【0036】
記載の好適な態様における更なる特徴によると、キラル炭素原子は骨格内で4〜6個の介在原子により互いと離れている。好ましくは5個の介在原子がある。
【0037】
記載の好適な態様における更なる特徴によると、当該化合物は次式を有する:
【化8】
又は次式を有する:
【化9】
(式中、nは1より大きい整数であり、一般にnは5〜20、好ましくは7〜15に範囲し;B1〜Bnのそれぞれは化学官能基であり、B1〜Bn基の少なくとも一つは天然核塩基、核塩基結合基又はDNA挿入因子であり;Y1〜Ynのそれぞれは第一リンカー基であり;X1〜Xnのそれぞれは第二リンカー基であり;C1〜Cnはキラル炭素原子であり;そして〔K〕及び〔I〕は第一及び第二エキソ接合体である)。
【0038】
記載の好適な態様における更なる特徴によれば、B1〜Bn化学官能基のそれぞれは独立して水素基、ヒドロキシ基、アミノ基、アミド基、スルフヒドリル基、カルボキシル基、(C1〜C3)アルカノイル基、芳香基、複素環基、錯形成因子及びリポーター基より成る群から選ばれる。
【0039】
記載の好適な態様における更なる特徴によれば、Y1〜Yn第一リンカー基のそれぞれは独立してアルキル基、リン酸基、(C2〜C4)アルキレン鎖、(C2〜C4)置換化アルキレン鎖及び単結合より成る群から選ばれる。
【0040】
記載の好適な態様における更なる特徴によれば、Y1〜Yn第一リンカー基のそれぞれは独立してメチレン基及びC−アルカノイル基より成る群から選ばれる。
【0041】
記載の好適な態様における更なる特徴によると、X1〜Xn第二リンカー基のそれぞれは独立してメチレン基、アルキル基、アミノ基、アミド基、硫黄原子、酸素原子、セレン原子、C−アルカノイル基、リン酸誘導基、カルボニル基及び単結合より成る群から選ばれる。
【0042】
記載の好適な態様における更なる特徴によると、C1〜Cnキラル炭素のm%はS形態にあり、ここでmは90〜95%,96〜98%,99%及び99%より大きい値より成る群から選ばれる。
【0043】
記載の好適な態様における更なる特徴によると、〔K〕及び/又は〔I〕はそれぞれポリエチレングリコール成分である。
【0044】
記載の好適な態様における更なる特徴によると、当該化合物は次式を有する:
【化10】
【0045】
記載の好適な態様における更なる特徴によると、当該化合物はアルカリ、アルカリ土類又は遷移金属のイオンと相互作用したものである。
【0046】
記載の好適な態様における更なる特徴によると、次式を有するモノマー化合物が提供される:
【化11】
(式中、Bは化学官能基であり;Yは第一リンカー基であり;Xは第二リンカー基であり;Cはキラル炭素原子であり;Zは第一保護基であり;そしてAは離核基である)。
【0047】
記載の好適な態様における更なる特徴によると、モノマー化合物のB化学官能基は天然核塩基又は核塩基結合基であり、この核塩基がアミノ基を含むなら、このアミノ基は第二保護基により保護されている。
【0048】
記載の好適な態様における更なる特徴によると、Z保護基はジメトキシトリチル基、トリチル基、モノメトキシトリチル基及びシリル基より成る群から選ばれる。
【0049】
記載の好適な態様における更なる特徴によると、A離核基はハライド基、スルホン酸基、アンモニウム誘導体、及びSN1又はSN2機構により置換されうるラジカル成分(SN1又はSN2機構については、Roberts and Caserio (1965) Basic principles of organic chemistry. U. A. Benjamin Inc. New-York, NY、頁292 を参照のこと)より成る群から選ばれる。
【0050】
記載の好適な態様における更なる特徴によると、この第二保護基はベンズアミド基、イソブチルアミド基、t−ブトキシカルボニル基、フルオレニルメチルオキシカルボニル基、及びZ保護を解裂する試薬によっては解裂しない酸不安定基より成る群から選ばれる。
【0051】
記載の好適な態様における更なる特徴によると、当該モノマー化合物は次式を有する:
【化12】
【0052】
記載の好適な態様における更なる特徴によると、本発明に係る化合物を調製するための方法を提供し、この方法はエーテル成分をそれぞれが有するモノマーを順々に縮合する工程を含んで成り、ここでこのエーテル成分は少なくとも一本のエーテル連結を含み、このエーテル成分は更に、官能基の連結した少なくとも1個のキラル炭素原子を含み、その官能基の少なくとも一つは天然核塩基、核塩基結合基及びDNA挿入因子より成る群から選ばれる。
【0053】
記載の好適な態様における更なる特徴によると、本発明に係る化合物を調製するための方法を提供し、この方法はエーテル成分を有するモノマーを少なくとも一種の追加モノマーに順々に縮合する工程を含んで成り、ここでこのエーテル成分は少なくとも一本のエーテル連結を含み、このエーテル成分は更に、官能基の連結した少なくとも1個のキラル炭素原子を含み、その官能基の少なくとも一つは天然核塩基、核塩基結合基及びDNA挿入因子より成る群から選ばれる。
【0054】
記載の好適な態様における更なる特徴によると、二本鎖ポリヌクレオチドの配列特異的認識のための方法が提供され、この方法は本発明に係る化合物が前記ポリヌクレオチドの一方の鎖に配列特異的な態様で結合し、それ故他方の鎖を追い出すように前記ポリヌクレオチドを前記化合物に接触させる工程を含んで成る。
【0055】
記載の好適な態様における更なる特徴によると、一本鎖ポリヌクレオチドの配列特異的認識のための方法が提供され、この方法は本発明に係る化合物が前記ポリヌクレオチドに配列特異的な態様で結合するように前記ポリヌクレオチドを前記化合物に接触させる工程を含んで成る。
【0056】
記載の好適な態様における更なる特徴によると、生物における遺伝子の発現を調節するための方法が提供され、この方法は本発明に係る化合物が配列特異的な態様で前記遺伝子に由来するDNA又はRNAに結合するように前記化合物を前記生物に投与する工程を含んで成る。
【0057】
記載の好適な態様における更なる特徴によると、前記調節は前記遺伝子の転写の阻害を含む。
【0058】
記載の好適な態様における更なる特徴によると、前記調節は前記遺伝子の複製の阻害を含む。
【0059】
記載の好適な態様における更なる特徴によると、前記調節は前記遺伝子のRNAの翻訳の阻害を含む。
【0060】
記載の好適な態様における更なる特徴によると、生物における所望されないタンパク質の産生に関わる症状を処置するための方法が提供され、この方法は前記生物を有効量の本発明に係る化合物と接触させる工程を含んで成り、ここでこの化合物は前記タンパク質の産生をコントロールする遺伝子に由来するDNA又はRNAに特異的に結合するものである。
【0061】
記載の好適な態様における更なる特徴によると、生物の細胞におけるDNA又はRNAの分解を誘導するための方法が提供され、この方法は前記生物に本発明に係る化合物を投与する工程を含んで成り、ここでこの化合物は前記DNA又はRNAに特異的に結合するものである。
【0062】
記載の好適な態様における更なる特徴によると、細胞又はウィルスを殺傷するための方法が提供され、この方法は前記細胞又はウィルスを本発明に係る化合物と接触させる工程を含んで成り、ここでこの化合物は前記細胞又はウィルスのゲノムの一部又はそれに由来するRNAに特異的に結合するものである。
【0063】
記載の好適な態様における更なる特徴によると、本発明に係る化合物と、少なくとも一種の薬理学的に有効な担体、結合剤、増粘剤、希釈剤、緩衝剤、保存剤又は界面活性剤とを含んで成る薬理組成物が提供される。
【0064】
本発明は、オリゴヌクレオチド類似体であって、(i)標的配列に対する結合における十分なる特異性;(ii)水溶性;(iii )細胞内及び細胞外側面ヌクレアーゼに対する安定性;(iv)細胞膜を透過する能力;並びに(v)生物を処置するのに用いたときの低毒素性、即ち、本発明のオリゴヌクレオチド類似体をアンチセンス治療薬として非常に適切なものにする特性を特徴とするオリゴヌクレオチド類似体を提供することにより、現状公知の形態の欠点を効果的に解決する。
【0065】
本発明の一の目的は、ssDNA及び/又はRNA鎖を結合してそれとの安定ハイブリドを形成する化合物の提供にある。
【0066】
本発明の更なる目的は、対応のDNAよりも強く、しかしPNAよりは弱くssDNA及び/又はRNA鎖に結合する化合物の提供にある。
【0067】
別の目的は天然核塩基又はその他の核塩基結合成分がポリエーテル骨格に共有結合した化合物の提供にある。
【0068】
更なる別の目的は、in vivo条件下で二本鎖ポリヌクレオチドの一方の鎖と結合でき、それ故他方の鎖を追い出すことのできる、RNA又はPNA以外の化合物の提供にある。
【0069】
本発明の更なる別の目的は前記化合物の作製に適する構成単位を作製するための方法の提供にある。
【0070】
本発明の更なる別の目的はこれらの構成単位からかかる化合物を作製するための方法の提供にある。
【0071】
更なる別の目的はかかる化合物を利用した治療及び予防方法の提供にある。
本発明の他の目的を以下に更に記載する。
【0072】
【発明の実施の形態】
本発明は、ポリヌクレオチドではないが、相補性DNA及びRNA配列に結合する化合物に関連し、本発明に係る化合物はポリエーテル骨格に共有結合して天然核塩基又はその他の核塩基結合成分(本明細書においては核塩基類似体とも称する)を含み、これは例えばアンチセンス手順においてオリゴヌクレオチド類似体として利用できうる。本発明に係るオリゴヌクレオチド類似体は前述の従来の技術の欄に記載のアンチセンスオリゴヌクレオチド類似体を選定するための5つの基準を最も良く満足せしめる新規の非環式バイオポリマー骨格を含む。
【0073】
本発明に係るアンチセンスオリゴヌクレオチド類似体の合成、構造及び操作態様は図面及びその中の説明を参照することで一層良く理解できうる。
【0074】
ポリエーテルポリ(エチレングリコール)(PEG)は一連の有用な特性をもつ最も良く知られた生体適合性ポリマーの一つである。とりわけそれらは、有機及び水性媒体の中での幅広い溶解性(Mutterら (1979) The Peptides Academic Press, 285) 、毒性及び免疫原性の欠如(Dreborg ら (1990), Crit. Rev. Ther. Drug Carrier Syst. 6 : 315) 、非生体分解性並びに生体から排出の容易性(Yamaoka ら(1994)J. Pharm. Sci. 83 : 601)をもつ。
【0075】
ここ20年の間、PEGはもっぱら様々な物質の共有改質剤として使用され、出発基材及びポリマーの双方の特性のいくつかを組合せた接合体を供していた。Harris, J. M. (1992), Poly (ethylene Glycol) Chemistry, Plenum Press, New York参照のこと。この分野における研究の圧倒的大多数は、注目の基材の1又は複数の特性をそれが特定の生物学的用途に適するように改変することの所望により即発されている。PEG接合体の備え及びその用途が高まるにつれ、様々な生物学的認識機構によりin vivoで誘導される数多くの所望されない効果がPEGによる共有修飾により削減できることが明らかとなった。
【0076】
例えば、PEG接合体を利用し、タンパク質の免疫原性及び抗原性は軽減されうる。このことについては、Davisらの米国特許第4,179,337号を参照のこと。血栓性並びに細胞及びタンパク質接着力はPEGグラフト化表の層で軽減されうる。このことについては、Merill (1992) Poly (ethylene Glycol) Chemistry、頁199 、Plenum Press, New Yorkを参照のこと。PEGによりもたらされるこのような有利な特性は血液接触を必要とする任意のシステムにとって非常に重要である。PEGの生体適合性を考慮した更なる情報については、Zalipsk (1995) Functionalized poly (ethylene glycol) for preparation of biologically relevant corjugates Biocorjugate Chem. 6 : 150 を参照のこと。しかしながら、今までに知られるPEG接合体は全てエキソ接合体であって、接合成分がPEGの末端ヒドロキシル基の一つに接合したものである(以下の式I参照のこと)。
【0077】
その生体適合特性により、本発明の好適な態様に従って使用するPEGは、核酸(例えばDNA挿入因子)と相互作用する核塩基、核塩基類似体(即ち、核塩基結合成分)及び/又はその他の化学基が共有結合して所望の特徴を有するオリゴヌクレオチド類似体を形成している骨格として使用される。下記を更に参照のこと。
【0078】
そこで、広い意味で、本発明は一本鎖(ss)のDNA及びRNA鎖に相補的に結合する新規のクラスの非環式骨格DNA化合物を提供する。これらの化合物は本明細書においてはポリエーテル核酸(ENAs)と称する。本発明の化合物は一般に(i)ポリエーテル骨格(即ち、C−C及びC−O結合のみより成る骨格)並びに(ii)少なくとも一部がssDNA及びRNAと相補的な態様で適当な水素結合を形成できる化学官能基を含む。代表的な化学官能基は、5種の天然DNA及びRNA核塩基、即ち、チミン、アデニン、シトシン、ウラシルもしくはグアニンを、又は修飾塩基、例えば限定することなく、イノシン、チオウラシル、ブロモチミン、アザグアニン、アザアデニン、5−メチルシトシンを、一般にはポリエーテル骨格、例えばPEGに、1又は複数のリンカー基より成る適当なリンカーアームを介して、本発明の好適な態様において、隣接化学官能基が互いと11原子離れ、天然DNAを擬態するようにして、含む。
【0079】
PEGは式OH−(CH2 CH2 O)n −CH2 CH2 OHであり、(I)において反復する:
【化13】
【0080】
本発明の一の態様において、当該ポリエーテル核酸化合物は次の一般式(II)を有する:
【化14】
(式中、B1〜Bnのそれぞれは化学官能基であり;Y1〜Ynのそれぞれは第一リンカー基であり;X1〜Xnのそれぞれは第二リンカー基であり;C1〜Cnはキラル炭素原子であり;そして〔K〕及び〔I〕第一及び第二エキソ接合体である)。
【0081】
本発明の好適な態様に従うと、化学官能基B1〜Bnは所定の選定順序で骨格に付加され、配列を決定した天然又は類似核塩基である。好ましくは、これらの核塩基は天然において見い出せる位置、即ち、プリン(例えばアデニン及びグアニン)については9位、そしてピリミジン(例えばウラシル、チミン及びシトシン)については1位を介してYに付加されている。
【0082】
更に、様々な目的のため、化学官能基B1〜Bnの一部はヒドロキシ基、アミノ基、アミド基、スルフヒドリル基、カルボキシル基、(C1〜C3)アルカノイル基、芳香基、複素環基、鎖形成因子(例えばEDTA,EGTA、ジオール基、例えば隣接ジオール基、トリオール基等)でありうる。
【0083】
二本鎖及び一本鎖DNAの双方に対する結合力を高めるため、一部のB1〜Bn官能基はDNA挿入因子、例えば限定することなく、アントラキノン基等であってよい。
【0084】
更に、官能基B1〜Bnのうちの1又は複数の基はリポーター分子、例えば燐光、放射能ラベル、ケミルミネッセンス因子、酵素、基質、レセプター、リガンド、ハプテン、抗体等を、その化合物がハイブリダイゼーションアッセイにおいてラベル化又は検出可能プローブを担いうるように含みうる。
【0085】
更にまた、B1〜Bn化学官能基のうちの任意の1又は複数の基は、相補性DNA又はRNA鎖と相互作用して共有的に改変させることのできるリガンドであってよい。適当なリガンドはアルキル化性求電子基、例えば限定することなく3−(ヨードアセトアミド)プロピルによりデオキシウリジンの5位において修飾された天然又は類似核塩基を含む。後者の場合、修飾化合物は、相補性標的核酸鎖との塩基対合に基づき、この相補性DNA又はRNA鎖内に存在するグアニン残基の7位と共有架橋し得る。逐次的な架橋化グアニンの脱プリン化及び相補鎖の鎖切断がin vivo条件下で自然に起こりうる。このことについてはMeyer ら(1989) Efficent specific cross-linking and cleavage of DNA by stable synthetic complementary oligodeoxynucleotides. J. Am. Chem. Soc. 111 :
8517 を参照のこと。
【0086】
Y1〜Yn第一リンカー基のそれぞれはアルキル基、例えば二級炭素原子、三級炭素原子又はリン酸基でありうる。好ましくは、Y1〜Ynリンカー基のそれぞれはメチレン基又はC−アルカノイル基である。更に、Y1〜Ynリンカー基のそれぞれは(C2〜C4)アルキレン鎖又はR1 R2 により置換された(C2〜C4)アルキレン鎖であってよい。ある状況においては、Yは単に単結合であってよい。
【0087】
X1〜Xn第二リンカー基のそれぞれはメチレン基(又はR1 R2 の如きアルキル基で置換された炭素原子)、アミノ基、アミド基、硫黄原子、酸素原子、セレン原子、C−アルカノイル基、リン酸誘導基(例えばメチルホスフェート及びホスホアミデート)、又は好ましくはカルボニル基であってよい。ある状況においては、Xは単に単結合であってよい。
【0088】
図1a〜bをこれより参照すると、本発明の教示に従い、X及びY基は天然核酸の場合のように、隣接する化学官能基B間で好ましくは11原子の間隔があることを確保するリンカーアームを担う。図1a〜bはDNA鎖(図1a)上及び本発明の好適な態様に従うENA鎖上(図1b)の2個の隣接する核塩基(B)を示している。
【0089】
C1〜Cnはキラル炭素原子である。これらの原子のキラルティーはS又はR形態のいづれかより選定されうる。現状、S形態が好ましい。以下に更に説明する通り、本発明に係る化合物は段階式に構築され、それにおいては各モノマー又は構成単位を生長ポリマーに逐次的に付加させている。従って、構成単位が所望のキラルティー(即ち、R又はS形態)を備えて調製されたことを前提に、所定の未だ混合していないS及びR形態C1〜Cnキラル炭素の化合物が調製できうる。
【0090】
更に本発明に従うと、〔K〕及び〔I〕は第一及び第二エキソ接合体、例えば限定することなく、それぞれが1又は複数の反復単位又は水素原子を有するポリエチレングリコール(PEG)成分である。エキソ接合体〔K〕及び〔I〕は水溶性又は水不溶性ポリマーであってよい。かかる接合体は化合物の細胞膜を横切る能力を調節するのに利用されうる。にもかかわらず、〔K〕及び〔I〕の任意の一方又は双方が水素原子であってよい。
【0091】
本発明に係る好適なポリエーテル核酸分子は一般式(III )を有する:
【化15】
(式中、各B1〜Bnは化学官能基、例えば天然核塩基又は核塩基類似体であり、そしてPEGはポリエチレングリコールである)。
【0092】
現状、最も好適な態様は上記一般式III を有する化合物であって、Bが天然核塩基、即ちチミン(T)、アデニン(A)、シトシン(C)、グアニン(G)及びウラシル(U)であり、そしてnが4〜50の範囲、好ましくは8〜30の範囲、最も好ましくは12〜22の範囲の整数である化合物である。
【0093】
これより図2を参照すると、式III に係るテトラ−チミジン−ENA化合物と天然アデニンテトラヌクレオチドとのハイブリダイゼーションを表わしている分子モデルは最低のエネルギーでのハイブリドの水素結合の完璧なハイブリダイゼーションを示しており、ここでOはR(赤);CはY(黄);NはB(青)、PはP(紫)で示しており、そして関連の原子をつなげている形成された水素結合は破線で強調している。
【0094】
本発明のポリエーテル核酸は、溶液中又は固相上のいづれかで、標準のDNA合成手順を利用して合成されうる。
【0095】
使用する構成単位は特別にデザインされたキラル(S)モノマートリオール又はその活性化形態である。
【0096】
本発明に係るモノマー構成単位は好ましくは一般式(IV)を有するトリオール又はケトトリオールである:
【化16】
(式中、B,Y及びXは上記の通りであり;又は適当な保護基であり;そしてAは適当な離核基である)。
【0097】
特定の構成単位が天然又は類似核塩基であるBを含むなら、そのアミノ基は任意の慣用の保護基、例えば限定することなく、ベンズアミド基、イソブチルアミド基、t−ブトキシカルボニル(Boc)基、フルオレニルメチルオキシカルボニル(Fmoc)基等で保護されていてよい。
【0098】
Zはモノマーの末端ヒドロキシル基を保護するための保護基である。Zは当業界公知の任意の保護基、例えば限定することなく、ジメトキシトリチル基、トリチル基、モノメトキシトリチル基又はシリル基であってよい。好ましくは、Zはジメトキシトリチル基である。
【0099】
Aは離核基、例えばハライド基、スルホン酸基、アンモニウム誘導体、又はSN1もしくはSN2機構により置換されうる任意のラジカル成分である。
【0100】
本発明に係る好適なモノマー構成単位は一般式(V)を有する:
【化17】
(式中、B,Z及びAは上記の通りである)。
【0101】
本発明の別の態様に従うと、当該ポリエーテル核酸化合物は一般式(VI)を有する:
【化18】
(式中、B1〜Bn,Y1〜Yn,X1〜Xn、〔K〕及び〔I〕は全て上記に詳細した通りである)。式VIで一般的に表わした化合物と式IIにより一般的に表わしを化合物との相違は隣接するB官能基間に存在する原子の数にある。式IIで表わす化合物においては11個のかかる原子があるが、式VIであ表わす化合物においては10個の原子しかなく、なぜなら図16に示すように6位(又は5位)の炭素が除去されてC−O−C結合を形成しているからである。
【0102】
これより図3を参照すると、アデニントリヌクレオチドのうちの2個のアデニン残基により対合した2個のモノマーより成る一般式VIに係る化合物(ここでX1及びX2はカルボニル基であり、Y1及びY2は−CH2 −基であり、そしてB1及びB2はチミン核塩基である)のコンピューターモデリングは−CH2 −リンカー基の所定の水素原子(G(線)で示す)及びポリエーテル骨格上の−CH2 −基により強いられる立体コンホメーション拘束を示し、従ってかかる対合はエネルギー的に好ましくなく、それ故起こりにくい。
【0103】
図4をこれより参照すると、本発明の好適な態様において、上述の任意の態様に係るポリエーテル核酸は、ポリエーテル骨格及び/又はリンカー基の酸素原子又はその他の陰性成分と配位結合又はその他の結合を形成することのできるアルカリ金属イオン、例えば限定することなく、Na+ 、アルカリ土類金属イオン、例えば限定することなく、Ca++及びMg++、又は遷移金属イオン、例えばFe++,Zn++,Cu++,Mn++及びCr++と相互作用している。かかる配位結合は本発明に係るポリエーテル核酸を相補性一本鎖DNA又はRNAと塩基対合するのに非常に適切なコンホメーションにするのに役立ちうる。図4の例において、Mg++イオンはそれぞれポリエーテル核酸と三本の配位結合を形成しているように示しており、そのうちの二本はポリエーテル骨格の2個の隣接酸素原子と形成しており、そしてもう一本の結合はカルボニルリンカー基の酸素原子と形成している。
【0104】
本発明は更に、固相生化学(Solid - Phase Biochemistry - Analytical and Synthetic Aspect (1983) W. H. Scouten 編、John Wiley & Sons, New York)、特に固相バイオシステム、特に相補性核酸の診断検査/定量又はアフィニティー精製に関するバイオアッセイ又は固相技術(Affinity Chromatography - A Practical Approach (1986) P. D. G. Dean, W. S. Johnson and F. A. Middle 編、IRL Press Ltd., Oxford ; Nucleic Acid Hybridization - A Practical Approach (1987) B. D. Harnes and S. J. Higgins, IRL Press Ltd., Oxfordを参照のこと)におけるENA分子の利用に関する。
【0105】
かかるバイオアッセイ又は精製技術を実施するための今日の方法はほぼ絶対的に、固相支持体、例えばセルロース、ガラスビーズ、例えばコントロールされた孔質性を有するそれら(Mizutaniら(1986) J. Chromatogr. 356 : 202) 、「Sepharose」、「Sephadex」、ポリアクリルアミド、アガロース、ヒドロキシアルキルメタクリレートゲル、孔質粒状アルミナ、孔質セラミックス、ダイオボンドシリカ(diobonded silica)、連続材料、例えばナイロンもしくはニトロセルロースのフィルターディスクに対する物理吸着又は実質的な永久共有定着連結を介して結合した「通常の」又は若干修飾されたオリゴヌクレオチドを利用する。一例はポリAテール含有mRNAのアフィニティー単離のためのセルロースビーズ上でのオリゴーdTの化学合成を利用する。(GilhamのMethods in Enzymology (1971) L. Grossmann and K. Moldave、編、第21巻、D部、頁191, Academic Press, New York and London) 。
【0106】
上記の方法は全て本発明との関係で適用される。しかしながら、可能なら、共有結合の方が注目の分子の物理吸着よりも好ましく、なぜなら物理吸着法は固定化分子の一部がハイブリダイゼーション又はアフィニティー工程の際に洗い流されてしまいうる(脱離)欠点を有するからである。
【0107】
従って、かかる支持体がバイオアッセイ/精製手順において委ねられる様々な処理の際に支持材料の表層上に吸着している物質が失われる程度をコントロールすることはほとんどできない。この問題の重要度は、むろん、吸着と「自由」物質との間で平衡が確立される速度にかなり依存するであろう。所定の状況においては、許容の精度及び/又は再現性をもって定量アッセイを実施することは事実上不可能でありうる。体液、水性試薬又は洗浄媒体による支持体の処理の際の吸着物質の損失は、一般に、比較的低分子量の物質に関して最も際立ってしまうものと予測されるであろう。
【0108】
従って、ENA物質は上記の固相技術よりも、相補性核酸に対するはるかに高い(そして更には配列特異的な)結合親和力及び二本鎖構造の中に存在する核酸の更に独特な配列特異性認識(及び強い結合力)の点で有利である。それ故これらは、ハイブリダイゼーションアッセイ、例えば限定することなく、ブロットハイブリダイゼーション(「サザン」及び「ノーザン」)、ドットブロットハイブリダイゼーション、リバースブロットハイブリダイゼーション、in situハイブリダイゼーション、液相ハイブリダイゼーション、クローン(細菌/ファージ等)のスクリーニング、並びにハイブリダイゼーションの関与するその他のアッセイ、例えば限定することなく、PCR、配列決定、プライマー伸長、等において一般のオリゴヌクレオチドを代替しうる。
【0109】
これらは固相支持体上に大量に載せることができ、それ故固相技術の感度/能力を更に高める。更に、固相生化学におけるENAの利用を考慮した所定のタイプの研究は、最近報告されている「光依存式、空間アドレス性平行化学合成」(light - directed, spatially addressable, parallel chemical syntesis)技術 (Fodor ら (1991) Science, 251 : 767) 、即ち、固相化学と写真石版術とを組合せ、数千の非常に多種の、しかしながら同定可能な永久固定化化合物(例えばタンパク質)を実質的に同時に作り出す技術の利用を介してアプローチ、促進又は大いに加速されうる。
【0110】
本発明は更にポリエーテル核酸(ENA)に関する治療及び/又は予防的用途に関する。本発明に係る有望な治療及び予防の標的には、限定することなく、ヒトパピロマウィルス(HPV)、ヘルペス単純ウィルス(HSV)、カンジダ・アルビカンス(Candidia albicans)、インフレンザウィルス、ヒト免疫欠損ウィルス(HIV)、細胞内接着分子(ICAM)、サイトメガロウィルス(CMV)、ホスホリパーゼA2(PLA2)、5−リポキシゲナーゼ(5−LO)、タンパク質キナーゼC(PKC)及びRAS癌遺伝子が含まれる。
【0111】
かかる標的化の潜在的な用途には、限定することなく、口唇、眼及び頸部癌;性器いぼ;カポジ肉腫;尋常性ゆうぜい;皮膚及び全身菌類感染症;AIDS;肺炎;フルー;単核細胞症;免疫抑制患者の網膜炎及び肺炎;眼、皮膚及び全身炎症;癌;心臓血管病;乾癬;ぜん息;心筋梗塞;心臓血管崩壊;腎臓病;胃腸病;変形性関節症;リウマチ様関節炎;敗症症ショック;急性膵臓炎;並びにクローン病が含ませる。
【0112】
治療的又は予防的処置のため、本発明のポリエーテル核酸は薬理組成物の中に配合してよく、それは増粘剤、担体、緩衝剤、希釈剤、界面活性剤、保存剤、等を含んでよく、全て当業界に公知である。薬理組成物は1又は複数種の活性成分、例えば限定することなく、抗炎症剤、抗微生物剤、麻酔薬等をポリエーテル核酸の他に含みうる。
【0113】
この薬理組成物は選定の局所又は全身処置に依存して、及び処置すべき領域に依存して1又は複数の方法で投与してよい。投与は局所的(点眼、経膣、直腸、鼻内的を含む)、吸入により経口的、又は例えば静脈点滴もしくは腹内、皮下もしくは筋肉内注射により非経腸的に行ってよい。
【0114】
局所投与のための製剤には、限定することなく、ローション、オイントメントゲル、クリーム、座薬、ドロップ、液体、スプレー及び粉末が含まれうる。慣用の薬理担体、水性、粉末又は油ベース、増粘剤等が必要とされる又は所望されうる。コーティングを施したコンドームも有用でありうる。
【0115】
経口投与用組成物には粉末又は顆粒、水もしくは非水性媒体中の懸濁物もしくは溶液、サッシェ、カプセル又は錠剤が含まれる。増粘剤、希釈剤、風味料、分散助剤、乳化剤又は結合剤が所望されうる。
【0116】
経口投与用の製剤は、限定することなく、無菌水性溶液を含んでよく、それは更に緩衝剤、希釈剤及びその他の添加剤を含みうる。
【0117】
投与は処置すべき症状の症度及び応答性に依存するが、通常は1日当り1又は数回の投与であり、処置は数日から数カ月まで、又は治癒するまでもしくは病気状態の軽減が達成されるまで続ける。当業者は最適用量、用法及び反復率を容易に決定することができる。
【0118】
このタイプの処置は単細胞の原核及び真核生物から多細胞の真核生物に至るまでの様々な生物に対して実施してよい。遺伝、代謝又は細胞コントロールの基本部分として転写(DNA−RNA転写及び逆転写)、RNA転写物又はRNAタンパク質翻訳を利用する任意の生物が本発明に係る治療及び/又は予防処置に対して感受性である。見たところ、様々な生物、例えば酵母、細菌、藻類、原虫類、全ての植物及び全ての高等動物、例えば温血動物が処置できうる。
【0119】
更に、多細胞真核類の各細胞が処置し得、なぜならそれらはその細胞活性の必須要素としてDNA−RNA転写及びRNA−タンパク質翻訳の双方を含むからである。
【0120】
更に、真核細胞の多くのオルガネラ(例えばミトコンドリア、クロロプラスト及びクロモプラスト)も転写及び翻訳機構を含む。即ち、単一の細胞、細胞集団又はオルガネラも治療又は診断用ホスホロチオエートオリゴヌクレオチドにより処置できうる生物の定義に含まれうる。本明細書で用いる「治療」は、生物を殺傷することによる、又は異常もしくは有害な細胞増殖もしくは発現のコントロールによる病気状態の根絶を含むことを意味する。
【0121】
本発明に係るポリエーテル核酸(ENA)は現存のオリゴヌクレオチド類似体技術に勝る様々な利点を供する。
【0122】
第一に、本発明の好適な態様に従うと、当該ENAsの骨格は、高濃度において水性及び有機溶媒の双方において溶解性であることの知られるPEGである。本発明に係るENAのポリエーテル骨格は一方で疎水性を有し、そして他方で水溶性を有する。ENAsのこの独特な特徴はENAsと相補性DNA又はRNA分子とのバランスのとれたハイブリダイゼーションを可能にし、なぜならENAsはタンパク質核酸(PNAs)ほど強く相補性配列と相互作用しないが、ENAsは天然DNA及びRNA鎖のように水性媒体の中で高度に溶媒和しないからである。
【0123】
第二に、アンチセンス分子として使用したときのPNAsの主たる欠点の一つはPNA−DNAハイブリドが高融点(Tm )を特徴とすることにある。例えば、PNA−T10−dA10の如き二量体のTm 値は70℃より高く、一方同等の天然二本鎖DNA(dT10−dA10)のTm 値はほぼ3分の1の約24℃である。PNAsは相補性配列にこれほど強く結合するので、体温(例えば37℃)ではPNAsはその意図する対応物に対する特異性を欠き、そして標的配列のみならず、その他のDNA,RNAの鎖、又はタンパク質にさえとも結合し、細胞を予測し得ない態様で無効なものにしてしまう。PNAsはリジン残基が溶媒和したとき、ミセルとして働く。PNAsは水において混和性が弱く、一方骨格の疎水性は非極性環境、例えば天然相補性DNAの塩基を探す性質を有する。このような疎水性相互作用は非常に安定なPNA−DNAハイブリドの形成、それ故かかるハイブリドの非常に高いTm 値のための主たる駆動力となる。PEGの如きポリエーテルの疎水性−親水性の特性の保存によるENAsのこの独特の溶解特性は、天然DNAよりも若干高いが、PNAsよりははるかに低いTm 値をもたらし、このような中程度の値は特異性にとって非常に重要である。
【0124】
第三に、シクロデキストリンの如きポリエーテル化合物はヘリックスを形成する性質をもち、これは生理学的条件下で水及び金属イオンにより溶液中で安定化する。この現象は図4において本発明に係るENAについて模式図で示してある。ポリエーテル化合物のこの特徴は、核塩基が相補性DNA又はRNA分子と塩基対合することに関してかかる化合物を非常に安定な非環式骨格にする。
【0125】
第四に、PEGは非経腸用途、局所適用、並びに座薬、鼻スプレー、食品及び化粧品の構成成分としてFDAにより承認されている。PEGは経口又は非経腸的に投与したときに低毒素性であり、そして大量のときにのみ有害な反応が係わる。Smyth, H. F.ら(1955) J. Am. Pharm. Assoc., 34 : 27 を参照のこと。PEG−タンパク質接合体の投与を経験して累積した証拠は、PEG接合化タンパク質の血漿半減期(循環時間)及びその生体有用性の双方が、天然タンパク質と比べて向上することを示唆し、この向上には向上した効能が付随する。Ganserら〔(1989)Blood, 73 : 31〕はPEG修飾体を用い、低用量での低い副作用を観察した。いくつかのPEG修飾酵素により軽減した毒素性が観察された。Fuertgesら (1990) J. Contr. Release, 11 : 139 を参照のこと。PEGの向上した薬物動態の開拓におけるその他の利点は、Pizzo (1991) Adv. Drug Del. Rev. 6 : 153に記載の如き、連続静脈点滴の代わりのボーラス注射の投与の選択である。本発明の好適な態様において、ENAsはPEG骨格を含む及び/又はPEGエキソ接合体に接合しており、それ故上記の利点をもつ。
【0126】
最後に、以降の実施例の欄に更に詳細に説明してある通り、ENAs合成は好ましくはわかっているキラリティーをもつ1個のキラル中心を有するモノマーの利用を包含する。このモノマー(式V)はポリエーテル骨格及び予め選定した且つ所望の核塩基配列を有する適当なオリゴヌクレオチドを調製するのに必要なだけ縮合させる。かかる縮合の際、キラル中心はラセミ化しにくい。以降の実施例の欄に更に詳細に説明してある通り、モノマーの合成は純粋形態で所望のキラリティーで入手できるキラル出発材料を包括する。他方、Millerら〔(1971)J. Am. Chem. Soc. 93 : 6657 〕は非イオン性オリゴヌクレオチド類似体を調製し、それにおいてはリン酸成分におけるヒドロキシル基がメチル基により置換され、メチルホスホネート連結を形成している。Millerにより示されている通り、各メチルホスホネート連結(p)はR又はSキラル形態を有しうる。即ち、例えばポリdTにハイブリダイゼーションしたdApA(S)(dA)12はdApA(R)(dA)12と比べて4.4℃高いTm 値を有する。この観察は、R形態におけるメチル基が多少特異的な立体障害を供しうることを示唆している。各合成工程につきR又はS形態に関してTm が劇的に低下する同等な機会があるため、オリゴヌクレオチド鎖における4個より多くのメチルホスホネートの導入は一般にTm 値の約20℃の低下をもたらす。明らかに、各合成段階において形成されるジアステレオ異性体を分割するのは不可能である。同じ推論が、ホスホチオコートオリゴヌクレオチドにおけるが如き、リン酸成分のヒドロキシ基のスルフヒドリル基による置換に適用される。更に、これらの材料は水にほとんど溶けない。水性緩衝液中のかかる種類の化合物の溶解性はオリゴマーのサイズ、組成、そして可能としてはその配列にさえも依存する。グアニンの高比率、又はなおひどくは、連続グアニン残基の凝集はかかる化合物の溶解度を急降下させる。例えば、d(CpT)8 はミリモル濃度まで溶解性であるが、d(ApG)8 は0.1mM未満の溶解度をもつ。
【0127】
ENAの更なる目的、利点及び新規の特徴は、限定するつもりのない下記の実施例の参照により当業者に明らかとなるであろう。
【0128】
【実施例】
実施例1
式Vに記載のモノマーの調製
キラリティーの選択:上記式Vに記載のモノマーを合成するための出発材料は好ましくは(S)−(+)−エリトルロース水和物(Aldrich)である。この化合物は適当なS形態を有するキラル中心を有する。アセトニドとしての隣接ジオールの保護は13.8gの(S)−(+)−エリトルロース水和物を11mlの酢酸に溶解することにより実施する。次いでこの溶媒を22mlの添加トルエンとの共エバポレーションにより除去する。得られる残渣を触媒量(1.9g)のp−トルエンスルホン酸を含む30mlのアセトン中の10%の1,2−ジメトキシプロパンの中に溶かす。この混合物を室温で30分撹拌する。次いで1.6gの酢酸ナトリウムを加え、この混合物を濾過し、そして得られる残渣をクロマトグラフィー担体として酢酸エチル/ヘキサン(3/7)を利用してシリカゲルでクロマトグラフィーし、油としての約8.0g(50%)の3,4−O−イソプロピリデン−(+)−エリトルロース(化合物A)が得られる。
【0129】
この工程を式Iで簡単に表わす:
【化19】
【0130】
カルボニル基の保護:3,4−O−イソプロピリデン−(+)−エリトルロース(化合物A)のカルボニル基は、3,4−O−イソプロピリデン−(+)−エリトルロースを過剰量のメチルトリメチルシリルチオール(Evans ら (1977) J. Am. Chem. Soc. 99 : 5009 に従って調製)及びZnI2 とエーテル中で反応させることによりジチアンとして保護し得る。反応はTLCプレート上でモニターする。反応の終了時に、濃アンモニアを加え、そして得られる生成物をエーテルで抽出する。このようにして得られるジチアン化合物(化合物B)は好ましくは溶出剤として酢酸エチル/ヘキサン(3/7)を用いるシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製する。
【0131】
この工程を式2で簡単に表わす。
【化20】
【0132】
(S)−4−O−メタンスルホニル−1,2−3−ジチアンブタンジオールの調製:式2の生成物(化合物B)をピリジンと一緒に共エバポレーションし、次いでその中に溶かす。得られる溶液を氷水槽を利用して0℃にまで冷やし、1.5モル当量のメタンスルホニルクロリドを滴下し、次いでその混合物を室温で2時間撹拌する。次いでその反応混合物を0℃に再冷却し、20mlのメタノールを加え、そしてその溶媒をエバポレーションする。このようにして得られる残油を300mlの酢酸エチルに溶かし、300mlの飽和NaHCO3 溶液で2回洗い、そして水性層を300mlの酢酸エチルで3回抽出する。合わせた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾かし、エバポレーションし、そして上記の通りにしてシリカゲルでのカラムクロマトグラフィーにより精製して(S)−4−O−メタンスルホニル−1,2−3−ジチアンブタントリオール(化合物C)が得られる。
【0133】
この工程を式3で簡単に表わす。
【化21】
【0134】
(S)−4−O−メタンスルホニル−1,2−3−ジチアンブタントリオール(化合物C)に対する核塩基の付加:以下の記載のアデニンの付加に関するが、任意のその他の天然又は類似核塩基も似たようにして付加できることが明らかであろう。即ち、8.11g(60mmole )のアデニンと200mlのDMF中の2.4gの60%のNaH分散体(60mmole )との混合物を室温で90分撹拌する。次いで50mmole の化合物Cを加え、そしてその混合物を90℃で更に2.5時間撹拌する。エバポレーション及び溶出剤としてCHCl3 /MeOH(95/5)を用いるカラムクロマトグラフィーによる精製後、化合物Dが得られる。
【0135】
この工程を式4により簡単に表わす。
【化22】
【0136】
ベンゾイルアミドとしての核塩基のアミノ基の保護:前工程の生成物(化合物D)の一部25.3mmole をドライピリジンと共エバポレーションし、そして225mlのドライピリジンの中に溶かす。この溶液を氷水槽の中で0℃にまで冷やし、次いで4.4ml(38mmole )のベンゾイルクロリドを添加する。室温で15時間後、追加量1.47ml(12.6mmole )のベンゾイルクロリドを0℃において添加する。この反応混合物を、TLC分析が出発材料の完全な消失を示すまで室温で撹拌する(一般には2時間以内)。水槽の中で冷却後、75mlの水及び52mlの濃アンモニアを添加する。この混合物を室温にまで徐々に温める。TLC分析がモノベンゾイル誘導体のジベンゾイルのほぼ完全な変換を示した後、この混合物をエバポレーションし、そしてエタノール酢酸/H2 O(1/1)による抽出により精製し、次いで溶出剤としてCHCl3 /MeOH(98/2)を用いるカラムクロマトグラフィーにかけ、化合物Eが得られる。
【0137】
この工程を式5で簡単に表わす。
【化23】
化合物Eのアセトニドの加水分解:前工程に得られる化合物Eを200mlの80%の水性酢酸を溶かし、そして室温に21時間、次いで50℃に4時間保つ。エバポレーション、その後のトルエンとの共エバポレーション及びメタノール/酢酸エチル(1:9)かの結晶化は63%の収率で化合物Fを供する。
【0138】
この工程を式6で簡単に表わす。
【化24】
【0139】
ジメトキシトリチル基による化合物Fのヒドロキシルの保護:11mmole の化合物Fの混合物をドライピリジンと共エバポレーションし、次いで100mlのドライピリジンに溶かす。得られる混合物を氷水槽で冷やし、そして75mlのドライピリジンに溶解した13.2mmole のジメトキシトリチルクロリド(Aldrich)を滴下する。この混合物を室温に17時間保ち、その後その混合物を乾くまでエバポレーションし、そして酢酸エチル/水(1:1)で抽出し、100mlの飽和NaHCO3 溶液で1回、水で2回、そしてブライン溶液で2回洗う。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾かし、エバポレーションし、そしてCH2 Cl/MeOH(95/5)を利用するカラムクロマトグラフィーにより精製して化合物Gが得られる。
【0140】
この工程を式7により簡単に表わす。
【化25】
【0141】
化合物Gとエチレンジブロミドとの反応:前段階で得られる10mmole の化合物Gと50mlのドライDMF中の10mmole のNaHの混合物をアルゴン雰囲気下で−20℃で撹拌する。この混合物に、50mlのDMFに溶かした50mmole のエチレンジブロミド(Aldrich)を滴下する。次いでこの混合物を室温にまで温め、そして1時間撹拌する。水を滴下し、そしてその生成物を酢酸エチルで抽出し、ブラインで洗い、硫酸ナトリウムで乾かし、そして乾くまでエバポレーションする。抽状生成物を溶出剤としてCH2 Cl2 /MeOH(98/2)を利用するシリカゲルでクロマトグラフィーにかけて化合物Hが得られ、これは一般式Vに係るENAのための現状好ましい構成単位である。
【0142】
この工程を式8により簡単に表わす。
【化26】
【0143】
上記の工程1〜8を利用して、付加されている核塩基で相違するモノマーを製造できることが明らかであり、かかるモノマーは、以下の実施例に例示の通り、所望の所定の配列のENA化合物を合成するのに利用できる。
【0144】
実施例2
ENA合成のためのポリマー支持体の調製
ヒドロキシポリマーの調製:本発明に係る固相ENA合成のために好適なポリマー支持体は架橋度2%のMerrifieldペプチド樹脂である(クロロメチル化スチレン/ジビニルベンゼンコポリマー、Aldrich)。−CH2 −基を介してポリマーに共有結合したクロリド基を、10gのポリマーを大過剰量(50ml)の酢酸/トリエチルアミン(1/1)及び無水エタノール(100ml)と混合し、次いでこの混合物を還流温度で48時間加熱することにより、ヒドロキシル基により置換する。このポリマーを真空下でエタノールで洗い、そして100mlのメタノール中の5gのKOHと一緒に室温で3時間再懸濁する。得られるヒドロキシポリマーをまず水で、次いでメタノールにより洗い、そしてエーテルによる洗浄により乾かす。
【0145】
この工程を式9〜10により簡単に表わす。
【化27】
【0146】
このヒドロキシポリマーを下記の反応により1,4−ジブロモ−2,3−イソプロピリデンブタンジオールと反応させる。
【0147】
1,4−ジブロモ−2,3−イソプロピリデン−2,3−ブタンジオールの調製:1,4−ジブロモ−2,3−ブタンジオール(24.8g;100mmole ;Aldrich)を、触媒量(1.9g;10mmole )のp−トルエンスルホン酸を含む200mlのドライアセトンに溶かす。この混合物を室温で3時間撹拌する。1.6gの酢酸ナトリウム(20mmole )の添加後、この混合物を濾過し、そしてその残渣をCH2 Cl2 /ヘキサン(9/1)を利用するシリカゲルでのクロマトグラフィーにかけて油として27g(93%)が得られる。
【0148】
この工程を式11で簡単に表わす。
【化28】
【0149】
ヒドロキシ−ポリマーに対するジブロミドの付加:式10に従って得られる5gのヒドロキシ−ポリマーに、2gの水素化ナトリウム(鉱物油中の60%の分散体)を50mlの乾燥DMFを含む混合物中で添加する。この懸濁物を12時間還流し、次いでドライDMF中の5gの1,4−ジブロモ−2,3−イソプロピリデン−ブタンジオール(ジブロミド)を添加する。この混合物を室温で16時間撹拌する。得られるポリマーをまずジオキサンで洗い、次いでメタノールで洗い、そしてエーテルによる洗浄により乾かす。
【0150】
この工程を式12で簡単に表わす。
【化29】
【0151】
ポリマー−ブロミドのアルコールへの転換:最後の工程で形成された5gのポリマーブロミドを50mlの酢酸/トリエチルアミン(1/1)及び100mlの無水エタノールの混合物と反応させる。この懸濁物を48時間還流し、そのポリマーをメタノールで洗い、そしてエーテルで乾燥させる。乾燥ポリマーを100mlのメタノール中の5gのKOHと室温で3時間懸濁する。
【0152】
この工程を式13で簡単に表わす。
【化30】
【0153】
このようにして得られるポリマーのヒドロキシ基は、本発明の好適な構成単位Vである化合物Hのブロミドと容易に縮合する。
【0154】
実施例3
ENA合成(サイクル)
ENA合成サイクルは縮合、キャッピング及び脱保護の三工程を含む。
縮合:10mlのドライDMF中の1gのポリマー支持体の懸濁物に、10mlのドライDMF中の0.5gのNaH(鉱物油中の60%の分散体)を加える。この懸濁物を室温で1時間撹拌し、次いでドライDMF中の第一塩基(B1)が付加された式Vに係る第一化合物(例えば化合物H−B1)2gを添加する。この混合物を室温で2時間撹拌する。この懸濁物を10mlのメタノール及び10mlのジクロロメタンで洗う。
【0155】
この工程を式14で簡単に表わす。
【化31】
【0156】
キャッピング:未反応ポリマーヒドロキシ基のアセチル化は、先の工程に由来するポリマー支持体への10mlの無水酢酸/ルチジン/テトラヒドロフラン(1/1/8)の添加により達成される。この懸濁物を5分撹拌する。次に、この溶媒を真空により吸引し、10mlのメタノールで2回、そして10mlのジクロロメタンで2回洗う。
【0157】
ジメトキシトリチル基(DMT)の脱保護:先の工程に由来する乾燥ポリマーをジクロロメタン中の2%のトリクロロ酢酸5mlで1分間処理し、橙色を光学的にモニターし、そのポリマーをメタノール及びドライエーテルで洗う。
【0158】
次いでこの乾燥ポリマーをドライDMF中の第2塩基(B2)の付加された式Vに係る第二化合物(例えば化合物H−B2 )と上記の縮合条件下で縮合させる。かかるサイクルを適当なアンチセンス配列が形成されるのに必要なだけ繰り返し、ここで各三工程サイクルにおいては一の追加モノマーを生長鎖に順々に付加していく。
【0159】
サイクルが完了したら、数工程の脱保護工程を下記のようにして実施する:
【0160】
アミノ基含有塩基の脱保護:アンチセンス配列の付加されたポリマー支持体を濃水酸化アンモニウムで55℃で16時間処理する。このポリマー支持体、水、メタノール、次いでエーテルで洗う。
【0161】
ジチアン(S−C−S)基の脱保護:ポリマー支持体を20mlの水/ベンゼン(1/1)混合物の中に溶解した2gの銀パーコレートの溶液で室温で4時間更に処理する。得られるポリマーを水、次いでメタノールそしてエーテルで洗う。
【0162】
ポリマー支持体からのイソプロピレン基の脱保護:先の工程に由来するポリマー支持体を80%の水性酢酸溶液で処理し、そして室温で21時間、次いで50℃で4時間撹拌する。このポリマーを水、メタノール、次いでエーテルで洗う。
【0163】
この段階でエーテル核酸の用意が整い、そして下記の通りにして支持ポリマーから外す。
【0164】
ポリマー支持体からのENAの脱保護:このポリマー支持体を10mlの水中の1gの過ヨウ素酸ナトリウム溶液で3時間更に処理する。このようにして形成されたアルデヒド基を還元するため、1gの固体ナトリウムボロヒドリドを加え、そしてこの溶液を室温で1時間撹拌する。この溶液を集め、そして水に対して4℃で16時間透析することにより精製し、次いでHPLC精製する。
【0165】
形成したENA化合物にPEGエキソ接合体を付加させるなら、このポリマー支持体−ENAを上記の通りに過ヨウ素酸ナトリウムで処理した後、2gのアミノ−ポリエチレングリコール(PEG−NH2 ;下記実施例3参照)を加え、次いで250mgのシアノボロヒドリドを加える。この混合物を室温で5時間撹拌し、次いでPEG−ENAを上記の通りに精製する。
【0166】
実施例4
PEG−NH2 の調製
ポリ(エチレングリコール)(PEG)は水溶性ポリマーであり、タンパク質の如きその他の基材に共有結合させると、その特性をその潜在的な用途を広げるように改変する。PEG−タンパク質接合体のその未修飾タンパク質対応物と比較した場合の向上した薬理学的性能はこのタイプのPEG接合体の治療剤としての開発を促進させる。例えば、天然酵素による治療が迅速な浄化及び/又は免疫反応により無効であることが見い出された酵素欠損症、例えばアデニンデアミナーゼ(ADA)欠損症は同等のPEG−酵素、例えばPEG−ADAで現在処置されうる。この新規の見解はPEG化技術の適用により新たな視野を開きうる。
【0167】
ENAに対するPEGの共有付加は求核基による求核的攻撃により追い出されうる適当な離核基によるPEGポリマーのヒドロキシル末端基の活性化を必要とする。
【0168】
PEGの活性化はその末端ヒドロキシル基を離核性アミノ基へと変換させてPEG−NH2 を得ることにより成し遂げられうる。
【0169】
PEGは以下の方法(式15〜17)によりPEG−NH2 へと変換し得る:
【化32】
【0170】
PEG−NH2 誘導体は式18に従い活性化カルボキシル基と縮合させ、本発明に係るENA分子をPEGに接続するアミド連結を形成させることができる:
【化33】
他にPEG−NH2 誘導体はシッフ塩基を形成するようにアルデビトと縮合させることができ、この縮合は、式19に従い、本発明に係るENA分子をPEGに接続するアミノ連結への還元に従う。
【化34】
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)従来技術のDNA及び(b)本発明に係るENA化合物上の核塩基を隔離する11個の原子を示す図。
【図2】本発明に係る隣接するB官能基間に11個の原子を有するテトラ−チミン−ENA化合物と天然テトラ−アデニン−ssDNAとのハイブリダイゼーションを示す分子モデルの図面に代わる写真。
【図3】本発明に係る隣接するB官能基間に10個の原子を有するジチミジン−ENA化合物と天然トリアデニン−ssDNAとのハイブリダイゼーションを示す分子モデルの図面に代わる写真。
【図4】本発明に係るENAとMg++イオンとの可能な配位相互作用(その相互作用は相補性鎖との対合を促進し得るものである)。
Claims (34)
- 骨格内に位置するキラル炭素原子に個々に結合した複数のリガンドを担持するポリエーテル骨格を含んで成る化合物であって、前記リガンドの少なくとも一つが天然核塩基(ヌクレオベース)、及び、天然核塩基と同様に核塩基と水素結合を形成し得る核塩基結合基より成る群から選ばれる成分を含み、前記核塩基結合基が、イノシン、チオウラシル、ブロモチミン、アザグアニン、アザアデニン、及び5−メチルシトシンよりなる群から選択される、前記化合物。
- 前記キラル炭素原子が4〜6個の介在原子で前記骨格内において離れている、請求項1記載の化合物。
- 前記Y1〜Yn第一リンカー基のそれぞれが独立してアルキル基、リン酸基、(C2〜C4)アルキレン鎖、(C2〜C4)置換化アルキレン鎖及び単結合より成る群から選ばれる、請求項3記載の化合物。
- 前記Y1〜Yn第一リンカー基のそれぞれが独立してメチレン基及びC−アルカノイル基より成る群から選ばれる、請求項3記載の化合物。
- 前記X1〜Xn第二リンカー基のそれぞれがメチレン基、アルキル基、アミノ基、アミド基、硫黄原子、酸素原子、セレン原子、C−アルカノイル基、リン酸誘導基、カルボニル基及び単結合より成る群から選ばれる、請求項3記載の化合物。
- 前記C1〜Cnキラル炭素のm%がS形態にあり、ここでmは90〜95%,96〜98%,99%及び99%より高い値より成る群から選ばれる、請求項3記載の化合物。
- 〔K〕及び〔I〕がそれぞれポリエチレングリコール成分である、請求項3記載の化合物。
- Y第一リンカー基がアルキル基、リン酸基、(C2〜C4)アルキレン鎖、(C2〜C4)置換化アルキレン鎖及び単結合より成る群から選ばれる、請求項10記載の化合物。
- Y第一リンカー基がチメレン基及びC−アルカノイル基より成る群から選ばれる、請求項10記載の化合物。
- 前記X第二リンカー基がメチレン基、アルキル基、アミノ基、アミド基、硫黄原子、酸素原子、セレン原子、C−アルカノイル基、リン酸誘導基、カルボニル基及び単結合より成る群から選ばれる、請求項10記載の化合物。
- 前記B化学官能基が天然核塩基又は核塩基結合基であり、前記核塩基がアミノ基を含むなら、前記アミノ基は第二保護基により保護されている、請求項10記載の化合物。
- 前記Z保護基がジメトキシトリチル基、トリチル基、モノメトキシトリチル基及びシリル基より成る群から選ばれる、請求項10記載の化合物。
- 前記A離核基がハライド基、スルホン酸基、アンモニウム誘導体、及びSN1又はSN2機構により置換されうるラジカル成分より成る群から選ばれる、請求項10記載の化合物。
- 前記第二保護基がベンズアミド基、イソブチルアミド基、t−ブトキシカルボニル基、フルオレニルメチルオキシカルボニル基及び酸不安定基であって前記Z保護基を解裂する試薬によっては解裂されない基より成る群から選ばれる、請求項14記載の化合物。
- 前記化合物がアルカリ金属、アルカリ土類金属又は遷移金属のイオンと相互作用したものである、請求項1記載の化合物。
- 前記化合物がアルカリ金属、アルカリ土類金属又は遷移金属のイオンと相互作用したものである、請求項3記載の化合物。
- 前記化合物がアルカリ金属、アルカリ土類金属又は遷移金属のイオンと相互作用したものである、請求項19記載の化合物。
- 請求項1記載の化合物を調製するための方法であって、それぞれがエーテル成分を有するモノマーを順々に縮合させる工程を含んで成り、前記エーテル成分が少なくとも一本のエーテル結合を含み、前記エーテル成分が更に官能基の連結した少なくとも1個のキラル炭素原子を含み、前記官能基の少なくとも一つが天然核塩基、及び、天然核塩基と同様に核塩基と水素結合を形成し得る核塩基結合基より成る群から選ばれ、前記核塩基結合基が、イノシン、チオウラシル、ブロモチミン、アザグアニン、アザアデニン、及び5−メチルシトシンよりなる群から選択される、前記方法。
- 請求項1記載の化合物を調製するための方法であって、エーテル成分を有する第一モノマーを少なくとも一種の追加モノマーに順々に縮合する工程を含んで成り、前記エーテル成分が少なくとも一本のエーテル結合を含み、前記エーテル成分が更に官能基が連結した少なくとも1個のキラル炭素原子を含み、ここで前記官能基の少なくとも一つが天然核塩基、及び、天然核塩基と同様に核塩基と水素結合を形成し得る核塩基結合基より成る群から選ばれ、前記核塩基結合基が、イノシン、チオウラシル、ブロモチミン、アザグアニン、アザアデニン、及び5−メチルシトシンよりなる群から選択される、前記方法。
- 二本鎖ポリヌクレオチドの配列特異的認識のための方法であって、請求項1記載の化合物が前記ポリヌクレオチドの一方の鎖に対して配列特異的な態様で結合し、それ故他方の鎖を追い出してしまうように前記ポリヌクレオチドを前記化合物と接触させる工程を含んで成る、前記方法。
- 一本鎖ポリヌクレオチドの配列特異的な認識のための方法であって、請求項1記載の化合物が前記ポリヌクレオチドに対して配列特異的な態様で結合するように前記ポリヌクレオチドを前記化合物と接触させる工程を含んで成る、前記方法。
- 生物における遺伝子の発現を調節するための医薬の製造における請求項1記載の化合物の使用であって、前記化合物は、配列特異的な態様で前記遺伝子に由来するDNA又はRNAと結合するものである、前記使用。
- 前記調節が前記遺伝子の転写の阻害を含む、請求項27記載の使用。
- 前記調節が前記遺伝子の複製の阻害を含む、請求項27記載の使用。
- 前記調節が前記遺伝子の翻訳の阻害を含む、請求項27記載の使用。
- 生物における所望されないタンパク質産生に関わる症状を処置するための医薬の製造における請求項1記載の化合物の使用であって、前記化合物は前記タンパク質産生をコントロールする遺伝子に由来するDNA又はRNAに特異的に結合するものである、前記使用。
- 生物の細胞中のDNA又はRNAの分解を含む医薬の製造における請求項1記載の化合物の使用であって、前記化合物は前記DNA又はRNAに特異的に結合するものである、前記使用。
- 細胞又はウィルスを殺傷するための医薬の製造における請求項1記載の化合物の使用であって、前記化合物は前記細胞又はウィルスのゲノムの一部又はそれに由来するRNAに特異的に結合するものである、前記使用。
- 請求項1記載の化合物と、少なくとも一種の薬理学的に有効な担体、結合剤、塩粘剤、希釈剤、緩衝剤、保存剤又は界面活性剤とを含んで成る薬理組成物。
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