JP4108413B2 - 履物 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、履用時に意識しないで正常の歩行動作を身に着け、健康保持、増進に役に立つ履物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、健康増進に役に立つ履物として、踵部及び足指付け根の靴底底面に適宜高さの下駄歯状突起を附設した履物が実開昭63−31801号によって開示されている。また、平行な二本の歯を下駄の前後縁に対して非平行に設けた下駄が特開平7−327705号によって開示されている。
【0003】
前者の従来の履物は、下駄利用の場合と同様に足の爪先を後方に蹴るようにする、所謂つま先のまねきが招来されて、健康増進に役に立つ効果とするものである。また後者の下駄は、この下駄を使用した場合、歩行時に踵の内側−踵の外側−足裏の外側側方−小指外側−爪先−親指内側を押すことを繰り返すか、または、その逆回りの押しを繰り返して、足の各所のツボを巡回して繰り返し刺激するとともに、両膝に内方向と外方向に反復して押し、O脚またはX脚の矯正にも役立つ効果とするものである。
【0004】
しかしながら、これら従来の履物及び下駄は、ともに靴底爪先部に体重などの荷重を支持する構造でないから、この履物または下駄を履いた者は十分な蹴る動作を行うことが困難であった。しかも、両者は踵部と踏付け部でしか歩行における荷重の支えが行われないため、足にかかる衝撃力が2箇所に集中して自然な歩行動作ができず、また足や膝を痛め、歩行による足への疲労進行が早くなるなどの問題点があった。
【0005】
ところで、文献名「足と靴−その整形外科的処理方法」(発行所スフントシュー インステテュート)によれば、正常歩行は一般に歩行のときの足の先端が進行方向に対して外向きにおよそ7°傾いており、これより足先が強く外に向いている場合は外旋歩行といい、これより内に向いていると内旋歩行と呼ばれている。
【0006】
また足というものが正常歩行において、経済的に力を消費するエネルギーを消費し、関節や靭帯などが正常な構造を逸脱している場合には、正常歩行より多くの筋を動かすことになり、常に多くのエネルギーを必要とされている旨のことが開示され、常に安定した状態にあると言われている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明は、前記従来の問題点を解決しようとするものであって、その目的とするところは、爪先で蹴る動作を地面から離れる時点まででき、かつ歩行動作をスムーズに行われるとともに消費エネルギーを少なくし、正常歩行を自然と身につけて健康増進を図る履物を提供しようとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、靴底(2)の接地面側に突起を備えた履物において、爪先部に第1趾基節骨及び該末節骨及び第2〜5趾末節骨相当部を隆起させた形状からなる蹴り出し突起(3)と、踏付け部及び踵部に下駄歯状突起(4、4’)を配し、該下駄歯状(4、4’)の後方端(42、42’)の外側を足の長軸(L)の垂線に対して前方に向けて5〜12°の傾斜角度(α)を設け、且つその踏付け部の下駄歯状突起(4)の前縁部の内側を種子骨に位置させ、また踵部の下駄歯状突起(4’)を踵中心に位置させるかそれより前方に位置させ、しかも爪先部の蹴り出し突起(3)と踏付け部の下駄歯状突起(4)との境であって、第1中足骨関節の位置に合わせた屈曲溝(5)を設けたことを特徴とする履物を発明の要旨とするものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例について、図面に基づいて説明する。図1は本発明の履物を側部及び底部からみた説明図であり、図2は履物の正常歩行のステップを示す説明図である。図面の中の符号1は履物、符号2は靴底、符合3は蹴り出し突起、符号4、4’は下駄歯状突起、符号Lは足の長軸を示す。
【0010】
本発明の履物(1)は、靴底(2)に胛被を備えたシューズやサンダルなどからなり、靴底には踏付け部及び踵部の靴底接地面側に足の長軸(L)の垂線に対して突起の外側が前方向きに5〜12°、より好ましくは7〜8°傾斜させた下駄歯状突起(4、4’)を配設させる。足の長軸(L)は第2趾先端と踵後端とを結んだ直線を言う。
【0011】
また靴底の爪先部には、第1趾基節骨及び該末節骨及び第2〜5趾末節骨相当部を隆起させた形状からなる蹴り出し突起が配置される。第1中足骨頭部と第1趾基節骨との境には屈曲溝(5)が設けられる。
【0012】
本発明の靴底は弾性を有するゴム材が用いられ、例えば天然ゴム、合成ゴムやPVC、PUなどの合成樹脂などが使用される。下駄歯状突起は靴底本体と同質材料が用いられ、一体に成形されるのが好ましい。
【0013】
踏付け部の下駄歯状突起(4)は、その後方縁部(42)を踵部の下駄歯状突起(4’)の後方縁部(42’)に対して平行若しくはより前方に傾斜させて配置しても良い。また踏付部の下駄歯状突起(4)は、その前縁部(41)の内側を種子骨に位置させ、突起接地面を前方に向かって上方に傾斜させるのが望ましい。そして、踵部の下駄歯状突起(4’)は、その中心を踵中心に位置させるかそれより前方に位置させ、突起接地面を後方に向かって上方に傾斜させるのが望ましい。
【0014】
下駄歯状突起(4、4’)の大きさは、任意であるが踏付け部の駄歯状突起(4)を幅3.2cm×高さ約1.2cm程度とし、踵部の駄歯状突起(4’)を幅3.5cm×高さ約1.8cm程度とした。本発明の履物は、踏付け部の突起より踵部の突起を高く形成すれば身体の重心が前方位置に移動することからよりスムーズな歩行動作ができ、歩行による疲労を少なくできる。また、下駄歯状突起(4、4’)の下部には、必要に応じて滑り止め意匠を形成したゴム素材を別途設けても良い。
【0015】
また蹴り出し突起(3)は、爪先部に踏付け部の下駄歯状突起(4)の間に屈曲溝(5)が配設され、該屈曲溝(5)は第1中足骨関節の位置に合わせて形成されるのが望ましい。また本発明の履物は、必要によって靴底には補強のため踏付け部の下駄歯状突起(4)と踵部の下駄歯状突起(4’)の間に横架するように平板状のシャンク(図示せず)を設けてもよい。
【0016】
本発明の履物を使用した者は、踵着地時から足裏接地、踵離脱時にかけて足が下駄状歯突起の後方端部を軸として直交方向に軌道修正され、進行方向に対して所定の傾斜角度(α)で開いた状態での歩行ステップに誘導される。また、本発明の履物は、屈曲溝の箇所で履物の前方部が柔軟に屈曲するとともに、爪先部の蹴り出し突起によって爪先が最後まで地面に接するので蹴り出しの動作が充分に行える。
【0017】
【発明の効果】
本発明の履物は、以上のように踵部及び踏付け部に斜めに設けた踵部及び踏付け部の下駄歯状突起によって、足が所定角度に開いた状態での歩行動作が繰り返し行われるため、安定した歩行ステップが行われるとともに身体の左右のぶれが少なくなり、歩行による消費エネルギーを最小に留め、また外旋歩行や内旋歩行の者は足の歩行動作が意識せずに正常歩行に矯正される。
【0018】
また踵部及び踏付け部の下駄歯状突起と爪先部の蹴り出し突起とにより、踵着地、足裏接地、踵離れ、蹴り出し段階へとスムーズな歩行動作ができ、さらには屈曲溝により履物前方部が屈曲して指先における蹴り動作が最後まででき、それによって身体の血流が促進され、また腰の動きが活発になって健康保持、増進に役立つ効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の履物を側部(a)及び靴底部(b)からみた説明図である。
【図2】本発明の履物の正常歩行ステップを示す説明図である。
【符号の説明】
1 …履物
2 …靴底
3 …蹴り出し突起
4、4’…下駄歯状突起
41、41’…前方端部
42、42’…後方端部
5 …屈曲溝
L …足の長軸

Claims (1)

  1. 靴底(2)の接地面側に突起を備えた履物において、爪先部に第1趾基節骨及び該末節骨及び第2〜5趾末節骨相当部を隆起させた形状からなる蹴り出し突起(3)と、踏付け部及び踵部に下駄歯状突起(4、4’)を配し、該下駄歯状(4、4’)の後方端(42、42’)の外側を足の長軸(L)の垂線に対して前方に向けて5〜12°の傾斜角度(α)を設け、且つその踏付け部の下駄歯状突起(4)の前縁部の内側を種子骨に位置させ、また踵部の下駄歯状突起(4’)を踵中心に位置させるかそれより前方に位置させ、しかも爪先部の蹴り出し突起(3)と踏付け部の下駄歯状突起(4)との境であって、第1中足骨関節の位置に合わせた屈曲溝(5)を設けたことを特徴とする履物。
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