JP4107927B2 - インクジェットヘッド及びインクジェット記録装置 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プリンタ、複写装置、ファクシミリ装置等に用いられるインクジェットヘッド及びインクジェット記録装置に関し、さらに詳しくは、構成要素として量産性、制振効果に優れたベース部材を備えたインクジェットヘッド及びインクジェット記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
オンデマンド型のインクジェット(IJ)ヘッドには、インクを充填した液室の壁の一部に振動板を設け、圧電アクチュエータ等により振動板を変位させ液室の体積を変化させて圧力を高めインクを吐出する方式や、液室内に通電によって発熱する発熱体を設けて、発熱体の発熱により生じる気泡によって液室内の圧力を高め、インクを吐出する方式が広く知られている。
近年では、インクジェットプリンタの低価格化、高画質化、一般家庭へのパソコンの普及等によりインクジェット記録装置が様々な用途で数多く使用されている。
【0003】
インクジェット記録装置における大きな技術課題の1つとして高速化があり、この課題を解決する方法の1つとして、1ヘッド当たりのノズル数を増やす方法がある。ノズル数の多いインクジェットヘッドでは、特に多チャンネル駆動すると振動板の振動や液室の圧力変動がインクジェットヘッドを支持しているベース部材に伝播してベース部材が共振し、インク吐出に影響して画質が低下する不具合が発生する。高速且つ高画質を両立するインクジェットヘッドを実現する上では、このベースの共振の問題を解決する必要がある。
【0004】
このような振動の問題を解決する手段としては、インクの吐出圧を生成する圧電素子を完全に分断し、圧電素子内の振動の伝播をゼロにする方法があるが(例えば、特許文献1参照。)、この方法では圧電素子を固定している基台を介しての振動伝播、あるいは基台自身の共振による不具合の解決にはならない。
また、別の提案として、圧電素子が1チャンネル毎にブロック化され完全に分離されるのに加えて、圧電素子を固定する基台が圧電素子のブロック毎にビームに形成され、全体として櫛形状として基台を介して振動伝播が行われる方法があるが(例えば、特許文献2参照。)、この方法は基台の形状が細かく複雑で脆弱な構造であるとともに、量産性の面で好ましい方式ではない。
【0005】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、高速印字で高画質出力が可能なインクジェット記録装置のノズル数の多い印字ヘッドを支持することができ、多チャンネル駆動時の振動板の振動や液室の圧力変動がインクジェットヘッドを支持しているベース部材に伝播してベース部材が共振することがない、制振性、量産性に優れたベース部材を実現することを目的とする。
また、制振性、量産性に優れたベース部材を用いたインクジェット記録装置を実現することを目的とする。
【0006】
【特許文献1】
特許第2952995号明細書
【特許文献2】
特許第2930562号明細書
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
以下、発明が解決しようとする目的を列挙する。
発明は、インクジェットヘッドにおいて、量産性に優れ、制振効果の大きいベース部材を実現することを目的とする。
さらに、本発明は、接合強度が高く、高精度なベース部材を実現することを目的とする。
さらに、本発明は、ベース部材の制振効果を向上することを目的とする。
さらに、本発明は、圧力発生部材とベース部材の接合性を向上することを目的とする。
また、本発明は、量産性に優れ、制振効果の大きい、上記の発明とは異なった構成のベース部材を実現することを目的とする。
さらに、本発明は、インクジェットヘッドの組立性を向上することを目的とする。
さらに、本発明は、ベース部材の加工性及び組立性を向上することを目的とする。
また、本発明は、高速、高画質の画像形成が可能なインクジェット記録装置を実現することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、インク室内のインクを加圧してインク滴を吐出させる圧電素子または発熱体支持部材または静電アクチュエータからなる圧力発生部材が、複数の板片からなる積層構造のベース部材により支持され、前記圧力発生部材と前記ベース部材の接合面には前記板片の積層によって形成される隙間が設けられることを特徴とし、これにより、制振効果の大きいベース部材を備え、高速印字、高画質出力が可能なインクジェットヘッドを実現する。
請求項2の発明は、請求項1記載のインクジェットヘッドにおいて、前記ベース部材は、複数の板片の端面が溶接されて形成されることを特徴とし、これにより、量産性に優れ、制振効果の大きいベース部材を備え、高速印字、高画質出力が可能なインクジェットヘッドを実現する。
請求項3の発明は、請求項2記載のインクジェットヘッドにおいて、前記板片は凹部を有し、該凹部に溶接部が形成されることを特徴とし、これにより、接合強度が高く、高精度なベース部材を実現する。
【0009】
請求項4の発明は、請求項2記載のインクジェットヘッドにおいて、前記溶接部は、前記ベース部材の長手方向の中心に対して非対称位置に配置されることを特徴とし、これにより、ベース部材の制振効果の向上を実現する。
請求項5の発明は、請求項1記載のインクジェットヘッドにおいて、前記ベース部材は、複数の板片がカシメによって接合され、形成されることを特徴とし、これにより、量産性に優れ、制振効果の大きいベース部材を備え、高速印字、高画質出力が可能なインクジェットヘッドを実現する。
請求項の発明は、請求項1乃至5のいずれかに記載のインクジェットヘッドにおいて、前記ベース部材の前記圧力発生部材との接合部には切り欠きを有することを特徴とし、これにより、ベース部材の制振効果の向上を実現する。
請求項の発明は請求項記載のインクジェットヘッドにおいて、前記切り欠きは、前記ベース部材の長手方向の中心に対して非対称位置に配置されることを特徴とし、これにより、ベース部材の制振効果のさらなる向上を実現する。
請求項の発明は、請求項1乃至のいずれかに記載のインクジェットヘッドにおいて、前記ベース部材は、銅を含有する材料を含むことを特徴とし、これにより、圧力発生部材とベース部材の接合性の向上を実現する。
請求項の発明は、請求項1乃至8いずれかに記載のインクジェットヘッドにおいて、前記ベース部材は、磁性体を含有する材料からなる前記板片を含むことを特徴とし、これにより、ベース部材の加工性及び組立性の向上を実現する。
【0010】
請求項10の発明は、インク室内のインクを加圧してインク滴を吐出させる圧電素子または発熱体支持部材または静電アクチュエータからなる圧力発生部材が、複数のブロック片の集合体であるベース部材により支持され、前記複数のブロック片は前記圧力発生部材との接合面以外の個所で接合され、前記圧力発生部材と前記ベース部材の接合面には前記ブロック片間の隙間が設けられることを特徴とし、これにより、制振効果の大きいベース部材を備え、高速印字、高画質出力が可能なインクジェットヘッドを実現する。
請求項1の発明は、請求項10記載のインクジェットヘッドにおいて、前記複数のブロック片が一体に接合されることを特徴とし、これにより、インクジェットヘッドの組立性の向上を実現する。
請求項1の発明は、請求項1または11記載のインクジェットヘッドにおいて、前記ベース部材は、磁性体を含有する材料からなる前記ブロック片を含むことを特徴とし、これにより、ベース部材の加工性及び組立性の向上を実現する。
請求項13の発明は請求項1乃至1記載のインクジェットヘッドを搭載し、これにより、高速、高画質の画像形成が可能なインクジェット記録装置を実現する。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図1〜図21に示す実施例に基づいて説明する。
(実施例1)
図1は、本発明の実施例1のインクジェットヘッドを示す全体斜視図で、圧力発生部材として圧電素子を用いた圧電型インクジェットヘッドの基本構成図である。
図2は、図1のA−A断面図、図3は、図1のB−B断面図である。
実施例1のインクジェットヘッドは、インクを吐出する複数のノズル6が形成されたノズル板5、インク室8が形成された流路板4、圧電素子2によって駆動される振動板3が順に積層され、各々隔壁によって分離されたインク室8を形成している。
図3に示すように、振動板3の裏面には溝加工により櫛形に形成された圧電素子2が接着されており、FPC等の通電部材10を通じて通電することにより圧電素子2が変位し、この変位に応じて生じるインク室8の内圧変化によりノズル6からインク滴が吐出する。なお、インクは図示しないインクカートリッジから、フレーム部材7に形成されたインク供給路9を通じて供給される。
【0012】
圧電素子2の裏面に配置されているベース部材1は、圧電素子2の変位を精度よく振動板3の変形に作用させるため、金属、セラミクスのような高剛性材料で形成される。このベース部材1は、前述したようにインク吐出性能を達成すべくインクジェットヘッドを支持するとともに、インクジェットヘッド組み立て時の組立性にも大きく関係している。
【0013】
図4は、圧電素子を示す正面断面図である。
インクジェットヘッドの高密度化に伴い、圧電素子2は、図4に示すように厚みと高さのアスペクト比(Yp/Xp)が大きい脆弱な構造となる。このような形状は、通常ダイシングソーによる溝加工により形成するが、その際に圧電素子2がベース部材1に接合されていると、圧電素子2が安定し加工しやすく、その後の振動板3との接合工程でのハンドリング性が非常に良好となる。
また、ベース部材1を磁性材料で形成すれば、ベース部材自身の形状加工やインクジェットヘッドの一連の加工、組立工程においてヘッドをマグネット吸着することができ、作業性を向上させることができる。
【0014】
図5は、ベース部材を示す図で、図5(A)は正面図、図5(B)は底面図である。
図5に示すように、ベース部材1に位置決め用の高精度な基準となる基準穴11を形成することにより、圧電素子2の溝加工工程や、圧電素子2と振動板3との接合工程において、その基準穴11を用いて位置決めできる等、高精度かつ効率的に作業を行うことが可能となる。
【0015】
次に、ベース部材1のインク吐出性能との関連について説明する。
インクジェットヘッドの高画質化、印字速度の高速化のため、インクジェットヘッドは狭ピッチで多数ノズルが配列された構造となるが、このようなインクジェットヘッドで多チャンネルを同時に駆動すると、振動板3の振動やインク室8の圧力変動がベース部材1に伝播し、最悪の場合はベース部材1が共振し、画像品質を低下させる不具合が発生する。特に、その共振周波数がインク室8やインク流路の圧力波の共振周波数と一致すると、ノズル6からインクが噴射しなくなる等の著しいトラブルとなる。
【0016】
(実施例2)
図6は、分割構造のベース部材を示す正面図である。
ベース部材1は、ノズル板5、流路板4、振動板3の積層体に比して大型であり、振動した場合には画像に対する影響が大きい。
ベース部材1の振動を抑える検討をシミュレーションと実験を通じて重ねた結果、図6に示すように、ベース部材1と圧電素子2との接合面側がスリット12によって適度に分割されている分割構造にすると、ベース部材1の振動が分断され、インク吐出に悪影響を及ぼすヘッド振動の振動レベルを低下させることができることが判明した。
【0017】
図6に示すような分割構造のベース部材1を作製する方法としては、分割されていない部品をプレス工法やメタルインジェクション工法を用いて形成した後、放電加工等の追加工によってスリット12を形成するような方法があるが、量産性において十分とはいえない。
【0018】
図7は、実施例2のベース部材を示す図で、図7(A)は正面図、図7(B)は側面図である。
図8は、実施例2のベース部材を構成する板片を示す図である。
制振性と量産性を両立するベース部材1としては、まず図8に示すような形状の板片1aを積層して接合した形態がある。この場合は、図8のような形状の板片1aをプレスで打ち抜いた後、積層し、図7に示すように側面の適所を溶接部13として接合すればよく、低コストでヘッドとの接合面が分割されたベース部材1を形成することができる。
接合工法としては溶接に限られるものではなく、接着やカシメ等でも可能である。溶接やカシメの場合は短時間に十分な強度で接合でき量産性の面で優れている。
【0019】
(実施例3)
接合工法として溶接を採用した場合は、図7に示すように単純に溶接すると、溶接部13が盛り上がり、完成したベース部材1の外形寸法が安定しない等の不具合が生じる。
図9は、実施例3のベース部材を構成する板片を示す図である。
図9のように積層する板片1aの溶接部に予め凹部1aを形成しておくことで、溶接部13の盛り上がりが凹部1a内に収容され、外形寸法精度の安定したベース部材1を作製することができる。
【0020】
(実施例4)
図10は、実施例4のベース部材を示す図で、図10(A)は正面図、図10(B)は側面図、図10(C)は底面図である。
実施例4を構成する板片1aは、ベース部材1の長手方向に長く、実施例2、3のベース部材と比較すると、板片の積層方向を変えて積層数を減らしたベース部材の構成例を示すものである。
積層数を減らすことでより、低コストでベース部材を作製することができる。
図10に示す例では、左右両端面と底面のみを溶接部13としているが、圧電素子を接合する上面側を部分的に接合してもよい。その場合は、接合後に研磨を行い、圧電素子接合面を平滑に仕上げることが必要となる。
【0021】
(実施例5)
図11は、実施例5のベース部材を示す図で、図10(C)の底面図に対応する図である。
図10に示す実施例4のベース部材では、ベース部材1の長手方向の中心に対して対称な位置に溶接部13が配置されて接合が行われているが、このような形態の場合は大きな共振が発生しやすい。そのため、溶接部13がベース部材1の長手方向の中心に対して対称にならない位置で接合するとか、図11に示すように溶接部13が非平行になるような方法が好ましい。
【0022】
(実施例6)
図12は、実施例6のベース部材を示す図で、図12(A)は正面図、図12(B)は図12(A)のC−C断面図である。
実施例6のベース部材は、実施例4に示すような板片1aをカシメ工法によりカシメ部14で接合してベース部材1とした例を示すものである。
このようなカシメ工法でベース部材1を作成する場合にも、カシメ部14の位置を適宜に選択することにより、振動特性の良好なベース部材を実現することができる。
【0023】
(実施例7)
図13は、実施例7のベース部材を示す図で、図13(A)は正面図、図13(B)は側面図、図13(C)は上面図である。
実施例7のベース部材1は、積層工法を用いて形成した実施例4のベース部材とは異なる例を示すものである。
図13では、圧電素子の接合面側にスリット12が形成された板片1aを積層し接合したものである。このようにスリット12を形成した板片1aを積層することで、ベース部材の厚み方向と長手方向に分割する形態とすることができる。
この場合、1種類の板片1aを用いて積層すると、板片1aに形成したスリット幅の溝が圧電素子の接合面に設けられることになる。スリット幅が圧電素子の溝幅に比べて同等以上の場合、スリット上に位置する圧電素子の変位が振動板に良好に作用せず、インクの噴射特性が不均一になる可能性がある。
そこで、異なる位置にスリット12が形成された板を積層して図13のような構成にすれば、全ての圧電素子がベース部材に強固に支持されるので、全チャンネルの噴射特性がそろい、良好な印字品質を得ることができる。
【0024】
(実施例8)
図14は、実施例8の分割構造のベース部材を示す正面図である。
実施例8のベース部材において、スリット幅が十分小さい場合には、1種類の板片を単に積層して図6のような形態とすることができるが、図14のように最終形態でスリット12をベース部材1に対して非対称な位置に配置されるようにすることで、大きな共振を発生しにくくすることができる。
【0025】
(実施例9)
本発明によるベース部材は、積層構造としているので、積層する板片1aを適宜な形状とすることにより、容易に機能を付加することができる。
図15は、実施例9のベース部材を構成する板片を示す図で、図15(A)、図15(B)はそれぞれ異なる板片を示す図である。
図16は、実施例9のベース部材を示す図で、図16(A)は正面図、図16(B)は側面図、図16(C)は底面図である。
例えば、図15(A)に示す板片1aを外層、図15(B)の板片1a′を内層に配置して接合すれば、図16のような底面に角穴15を設けた構成とすることができる。
【0026】
(実施例10)
例えば、図7に示す実施例2のベース部材1に用いる板片1a、図10に示す実施例4のベース部材に用いる板片1aにおいて、一部または全部の板片1aに磁性材料の板片を含めれば、ベース部材1をマグネット固定することができるようになる。このため、ベース部材1の加工性、ベース部材1と圧電素子の接合工程等における組立性を向上することができる。
【0027】
(実施例11)
また、圧電素子とベース部材1を接着剤によって接合する場合、加熱硬化型接着剤や二液反応型接着剤等を用いることができるが、これらの接着剤では大きな接着強度が得られる反面、硬化に長時間を要し量産には不向きである。
短時間で接合強度が得られる接着剤としては、嫌気性接着剤が好適である。嫌気性接着剤は、金属イオンが介在することによって硬化反応が促進される。特に銅イオンが好適である。
したがって、ベース部材に銅系の材料(銅、黄銅、リン青銅等)の板片を含めれば、量産性に優れた嫌気性接着性を用いる場合の接着性を向上することができる。
このように、形状や材質を様々に組み合わせることにより、ベース部材が多機能化するため、ベース部材に圧電素子を接合する工程や圧電素子に溝加工する工程、さらにはヘッドを圧電素子に接合する工程等の作業性並びに組立品質が向上する。
【0028】
(実施例12)
図17は、実施例12のベース部材を示す図で、図17(A)は正面図、図17(B)は側面図である。
図18は、図17のベース部材の変形例を示す図で、図18(A)は正面図、図18(B)は側面図である。
図17に示す実施例12のベース部材は、ブロック片1b,1b,1b,1b,1b,1bを整列させて、底面と側面を溶接部13として接合して形成している。この構成では、圧電素子との接合面及び側面の上面側を接合しない形状とすることで、限りなくゼロに近い微小幅スリットを簡単に形成することができる。
図17に示すベース部材は、中央部1b〜1bを同一のブロック片で構成しているが、図18に示すようにサイズの異なるブロック片1b′〜1b′を繋ぎ合わせる構造にすれば、部品の対称性が失われ、大きな共振が発生しにくくなる。
【0029】
(実施例13)
図19は、実施例13のベース部材を示す図で、図19(A)は正面図、図19(B)は側面図、図19(C)は底面図である。
実施例13のベース部材は、図17で説明したブロック片1b〜1bを繋げて圧電素子の接合面に微小スリットを形成した上部を、下部穴16が施された下部のブロック片1cに接合して形成される。
図19では側面の溶接部13で各部位を接合する形態を示しているが、上部のブロック片1b〜1bの底面を用いて接合しても良いし、接着やカシメによって接合しても良い。このように上部と下部に分離した構造とすると、本例のようにベース部材1の底面に下部穴16を形成する場合には、穴ピッチ等を高精度にすることができるし、また必要に応じて上部のブロック片1b〜1bと下部のブロック片1cを異なる材質にすることもできる。例えば、下側のブロック片1cを磁性材料にすればヘッドの組立て性が向上するし、上部のブロック片1b1〜1b6を銅系の材料にすれば圧電素子等との接着性を向上することができる。
また、図19では下部ブロック片1cは一枚の板構造であるが、必要に応じて薄板を積層接合して形成しても良い。同様に、上部のブロック片1b1〜1b6を構成する個々のブロック片についても必要に応じて積層構造のものを用いることができる。
【0030】
以上説明したように、板片1aあるいはブロック片1b1〜1b6の積層によりベース部材1を構成することにより、インクジェットヘッドの制振に関する良好な特性と、インクジェットヘッドの組立性、量産性向上を両立させることができる。なお、本発明によるベース部材は、これまで説明してきた圧電方式のインクジェットヘッドに限られるものではなく、静電方式やバブル方式等、本例とは異なる圧力発生部材によってインクを吐出するインクジェットヘッドに対しても適用でき、良好な制振特性を得ることができる。
【0031】
(実施例14)
本発明の実施例14のインクジェット記録装置について説明する。
図20は、本発明の実施例1〜13のインクジェットヘッドを適用したシリアルプリンタとしてのインクジェット記録装置の機構部を示す斜視図である。
実施例14のインクジェット記録装置は、フレーム21に横架したガイドレール22,23にキャリッジ24を移動可能に装着し、キャリッジ24にインクジェット記録ヘッド(以下、記録ヘッドという)25を搭載し、図示しないモータ等の駆動源によってキャリッジ24を矢示A方向に移動可能とするとともに、ガイド板26にセットされる被印字媒体である用紙27を、図示しない駆動源によってドライブギヤ28及びスプロケットギヤ29を介して回動される送りノブ30aを備えたプラテン30にて取り込み、プラテン30周面とこれに圧接するプレッシャローラ31とによって矢示B方向に搬送可能としている。
このインクジェット記録装置では、キャリッジ24に搭載した記録ヘッド25を主走査方向(矢示A方向)に移動走査させながら、用紙27を副走査方向(矢示B方向)に搬送して、記録ヘッド25からインク滴を噴射させて用紙27に画像を形成する。
【0032】
キャリッジ24、記録ヘッド25及びインク供給系等に関して説明する。
インクジェットプリンタの記録ヘッド25は、通常イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色に対応した噴射ユニットが一体となった記録ヘッド25から用紙27の表面にインク滴を飛ばして記録を行う。キャリッジ24には各色のインク液滴を吐出する噴射ユニットからなる記録ヘッド25が具備され、その噴射ユニットは、それぞれ複数のインク吐出口を主走査方向と交叉する方向に配列し、インク液滴の吐出方向を下方に向けて装着される。また、キャリッジ24には記録ヘッド25に各色のインクを供給するための各インクカートリッジが交換可能に装着されている。
インクカートリッジは上方に大気と連通する大気口、下方には記録ヘッド25へインクを供給する供給口を、内部にはインクが充填された多孔質体を有しており、多孔質体の毛管力により記録ヘッド25へ供給されるインクを僅かながら負圧して維持している。
また、本例では、記録ヘッドとして各色個別構成のヘッドを用いて構成しているが、各色のインク液滴を吐出するノズル列を有する1個のヘッド構成としてもよい。
【0033】
記録ヘッド25を構成している各色の噴射ユニットは、それぞれ図1〜図3に示すように、インク室8を形成する流路板4の前面に複数のノズル6を形成したノズル板5が設けられ、圧電素子2によってインク室8内のインクに圧力を与え、インク室8内のインクがノズル板8のノズル6からインク滴となって飛翔し、用紙27にドットとして付着する。
【0034】
一方、ガイド板26にセットした用紙27を記録ヘッド25の印写部に搬送するために、ガイド板26から用紙27を給装する給紙ローラ(図示しない)及びフリクションパッドと、用紙を案内するガイド部材と、給紙された用紙を搬送する搬送ローラと、この搬送ローラの周面に押し付けられる搬送コロ及び搬送ローラからの用紙の送り出し角度を規定する先端コロとを設けている。搬送ローラは副走査モータによってギヤ列を介して回転駆動される。そして、キャリッジ24の主走査方向の移動範囲に対応して搬送ローラから送り出された用紙27を記録ヘッド25の印写部まで案内(ガイド)するために、プレッシャローラ31を配置している。更に、印写受け部材の用紙搬送方向下流側には、用紙を排紙方向へ送り出すために回転駆動される搬送コロ、及び拍車とを設け、さらに用紙を排紙トレイに送り出すための排紙ローラ,及び拍車と、排紙経路を確保するためのガイド部材等を配設している。
【0035】
印刷時には、キャリッジ24を移動させながら画像信号に応じて記録ヘッド25を駆動させる。停止している用紙27にインクを吐出して1行分を印字し、用紙27を所定量搬送後、次の行の印字を行う。印刷終了時には、印字終了信号、または、用紙の後端が印字領域に到達した信号を受け取ることにより、印字動作を終了させて用紙27が排紙される。
また、キャリッジ24の移動方向右端側の印字領域を外れた位置には、記録ヘッド25の吐出不良を回復するための回復処理装置(図示しない)を配置している。回復処理装置にはキャップ手段と吸引手段とクリーニング手段とを有している。キャリッジは印字待機中にはこの回復処理装置側に移動されてキャッピング手段でヘッドがキャッピングされ、吐出口部を湿潤状態に保つことによりインク乾燥によるインク吐出不良を防ぐことができる。また、印字途中等に印字と関係しないインクを吐出することで、全ての吐出口内のインク粘度が一定となり、安定した吐出性能が維持される。吐出不良が発生した場合等には、キャッピング手段でヘッドの吐出口を密封し、チューブを通して吸引手段で吐出口からインクとともに気泡等を吸い出し、吐出口面に付着したインクやゴミ等はクリーニング手段により除去され吐出不良が回復される。また、吸引されたインクは、本体下部に設置された廃インク溜(図示しない)に排出され、廃インク溜内部のインク吸収体に吸収保持される。
【0036】
以下、本発明を適用した具体的な実験例について説明する。
(実験例1)
図1、図2、図3に示すインクジェットヘッドにおいて、長さ37mm、幅4mm、高さ7mmのステンレス製(SUS430)のベース部材1に、圧力発生部材として積層圧電素子2を嫌気性接着剤によって接合した。
次に、ダイシングソーを用いてこの圧電素子2に溝加工を行い、Xp=0.05mm、Yp=0.6mmとして図4のような形状に形成した。この溝加工した圧電素子2の側面に通電部材10としてFPCをはんだを用いて接合し、アクチュエータユニットを形成した。
次に、電鋳工法で製作したノズル板5と振動板3とエッチング工法で製作したシリコン製の流路板4を高精度に位置決め積層し、それぞれの界面をエポキシ接着剤で接合した。この振動板3の裏面に先に製作しておいたアクチュエータユニットの圧電素子上面をエポキシ接着剤で接合し、最後に樹脂製のフレーム7を振動板3の裏面及びベース部材1の端面で嫌気性接着剤で接着し、インクジェットヘッドを作成した。
【0037】
このインクジェットヘッドをプリンタに搭載して印字試験を行ったところ、全ノズルからインクを吐出して印字(以下、マルチ印字と称す)した場合に、不良画質が発生した。駆動するチャンネル数が少ない場合には異常画質が発生しないこと、また圧電素子の駆動周期に依存する現象であるから共振の問題と推測し、シミュレーション等の検討から振動面で特性が良い、図6に示すようなベース部材1を作製した。スリット12はワイヤー放電加工で形成し、幅0.04mm、深さ3mmとした。
図21は、ノズル板表面の振動の周波数特性を示すグラフである。
スリット12を付加した図6に示すベース部材1とスリットのないベース部材を用いたインクジェットヘッドを、同条件で全チャンネルの圧電素子を駆動して、ノズル板表面の振動の周波数特性を調べたところ、図21に示すように、スリットを付加したベース部材の方が振動が抑えられていることが確認された。さらに、このベース部材を改良したインクジェットヘッドをプリンタに搭載して印字試験を行ったところ、マルチ印字の場合にも不良画像が発生することなく、良好な結果を得た。
【0038】
(実験例2)
実験例1では、ワイヤー放電加工でベース部材にスリットを形成して特性を改善したが、この構造は量産性の面で難があるため、図8に示す4×7mmの長方形の厚さが1mmのステンレス製(SUS430)の板片1aをプレス加工により打ち抜き、図7に示すように積層して側面及び底面をYAGレーザにより溶接する方法で圧電素子接合面側が分離された構造のベース部材1を形成した。溶接部13が凸状に盛り上がったため、その凸部を研磨して形状を整えた。
このベース部材1を用いてインクジェットヘッドを組立てて印字評価をしたところ、画像不良が出ることなく良好な結果を得ることができた。また、板片1aとして磁性材料のステンレス(SUS430)を用いたので、圧電素子の溝加工工程においてマグネットによりチャックができ、良好な作業性も得ることができた。
【0039】
次に、図9に示すように、後続する工程で溶接する部分を予め幅2mm、深さ0.1mmの凹部1a1として凹状に加工し、同様に積層溶接してベース部材を作成し評価したところ、組立性、インク噴射特性共に良好な結果を得た。実験例2の場合には、溶接部が凹部で行われるため溶接の外形寸法への影響が少なく、研磨工程を省略できて、さらに量産性が向上した。
さらに、リン青銅板を図9の形状にプレスで打ち抜き、同形状のステンレス製(SUS430)の板片と交互に積層して溶接してベース部材を作製した。その結果、圧電素子の接合において接着剤の硬化時間が短くなり、量産性が向上した。また、接合強度も大きくなり、部品の信頼性が向上した。
【0040】
(実験例3)
厚さ1mmのステンレス(SUS430)製の板片を図15(A),(B)に示す2種類の板片1a,1a′をプレス加工で打ち抜き、図15(A)の板片1aを外層、図15(B)の板片1a′を内層に用いて積層し、底面及び端部をレーザ溶接して図16のような形状のベース部材1を作成した。
実験例3のベース部材においては、角穴15が設けられているので、インクジェットヘッドの組立工程において位置決め等が容易になり、組立性が向上した。この構成のベース部材1の製造工程において、底面における溶接を図10のようにベース部材1に対称な位置に等間隔で行ったものと、図11のようにベース部材1に対称性がないように溶接した場合で、実験例1で説明したノズル板表面の振動を評価して比較した。
その結果、対称性がない位置で溶接したベース部材の方が、若干であるが共振時の振動ピークが小さく良好な結果であった。
【0041】
(実験例4)
厚さ0.5mmのステンレス(SUS430)製の板片を用い、図6のようにPZTの接合面に相当する部分に幅1mm、深さ3mmのスリット12を形成し、積層溶接してベース部材作成した。このベース部材を用いてインクジェットヘッドを組立てて印字評価を行ったところ、マルチ印字で異常画像は発生しなかったが、スリットの位置に相当するチャンネルのインクの飛翔速度が他のチャンネルに対して小さい不具合が生じた。そこで、スリットの位置の異なる板を用いて図13のような形態に変更し、再度印字評価を行ったところ、前述したインク飛翔速度の異常がなく良好な結果が得られた。
【0042】
(実験例5)
図17は、本発明のベース部材の異なる実施形態であり、ブロック片1b1〜1b6を重ね合わせて接合することで、前述の実験例で説明したようなスリットと同様の効果を得るものである。8.5×4×7のサイズのブロック片1b1,1b6の間に、5×4×7のブロック片1b2〜1b5を4個整列して密着配置し、図17のハッチングで示すように底面及び側面を溶接部13により接合した。側面の溶接部13は、図17に示すように圧電素子の接合面側を溶接しない形態とした。
このように実験例5の場合は、ベース部材1を構成する個々の部品が単純な形状であり、部品数も少なく簡単な工程で製造でき、量産性に優れている。本ベース部材1をプリンタにセットし印字評価を行ったところ、マルチ印字の場合においても良好な印字品質を得ることができた。実験例5のベース部材では、各ブロック片間の隙間はほとんどゼロとすることができるため、実験例4で説明したようなスリット直上のチャンネルの噴射が異常になることもなく良好な性能を得ることができた。
【0043】
(実例6)
図19は、本発明のベース部材の別の実施形態である。まず、厚さ2mmのステンレス(SUS430)製の板材をプレスで37×4×2の形状に打ち抜き、両端に直径2mmの丸穴を形成して下部板片(基台部)1cを形成した。次に、下部板片1c上で8.5×4×5のサイズのブロック片1b1,1b6の間に、5×4×5のブロック片1b2,1b5を4個整列して密着配置し、図19のハッチングで示す箇所を溶接により接合した。このようにして、37×4×7のベース部材1を形成し、インクジェットヘッドに組立てて評価を行ったところ、良好な印字特性を得ることができた。
実験例6のベース部材においては、下面を磁性材料とし、また下部穴16を設けたことにより、圧電素子の接合や溝加工、さらにその後の接合工程における部品の位置決め固定が容易に行え、高精度にインクジェットヘッドを作成することができた。
【0044】
【発明の効果】
以上の記載から明らかなように、本発明によれば次のような効果を有する。
力発生部材が積層構造のベース部材により支持されるので、印字品質を劣化させるヘッドの振動を低減することができる。また、量産性の高い工法でベース部材を形成することができる。
さらに、ベース部材が溶接もしくはカシメにより接合された複数の板片から構成されるので、印字品質を劣化させるヘッドの振動を低減することが可能な高強度のベース部材を、量産性の高い工法で形成することができる。
さらに、ベース部材の溶接部を凹部に形成するので、形状精度の良いベース部材を容易に形成することができる。
【0045】
さらに、ベース部材の強度上の非対称性が増すので振動レベルを低減することができる。
さらに、圧力発生部材との接合面に切り欠きを設けて振動を伝達しにくくするので、印字品質を劣化させるヘッドの振動を低減することができる。
さらに、ベース部材の強度上の非対称性が増すので振動レベルを低減することができる。
さらに、ベース部材の構成部材に銅系の材料が含まれるため、圧力発生部材との接着性が向上する。
【0046】
また、ブロック片の集合体でベース部材を構成して圧力発生部材を支持するので、印字品質を劣化させるヘッドの振動を低減することができる。また、量産性の高い工法でベース部材を形成することができる。
さらに、ブロック片集合体が一部品に接合される形態のベース部材とするので、ベース部材の機能性を拡大することが容易になる。
さらに、ベース部材を構成する材料に磁性材料を用いるので、ベース部材の加工やヘッドの組立の際に固定が容易になり、組立性が向上する。
また、量産性の高い工法により形成可能な不必要な振動の少ないヘッドを搭載するので、低コストで高速、高画質のインクジェット記録装置を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1のインクジェットヘッドを示す全体斜視図である。
【図2】 図1のA−A断面図である。
【図3】 図1のB−B断面図である。
【図4】 圧電素子を示す正面断面図である。
【図5】 ベース部材を示す図で、図5(A)は正面図、図5(B)は底面図である。
【図6】 実施例2の分割構造のベース部材を示す正面図である。
【図7】 実施例2のベース部材を示す図で、図7(A)は正面図、図7(B)は側面図である。
【図8】 実施例2のベース部材を構成する板片を示す図である。
【図9】 実施例3のベース部材を構成する板片を示す図である。
【図10】 実施例4のベース部材を示す図で、図10(A)は正面図、図10(B)は側面図、図10(C)は底面図である。
【図11】 実施例5のベース部材を示す図で、図10(C)の底面図に対応する図である。
【図12】 実施例6のベース部材を示す図で、図12(A)は正面図、図12(B)は図12(A)のC−C断面図である。
【図13】 実施例7のベース部材を示す図で、図13(A)は正面図、図13(B)は側面図、図13(C)は上面図である。
【図14】 実施例8の分割構造のベース部材を示す正面図である。
【図15】 実施例9のベース部材を構成する板片を示す図で、図15(A)、図15(B)はそれぞれ異なる板片を示す図である。
【図16】 実施例9のベース部材を示す図で、図16(A)は正面図、図16(B)は側面図、図16(C)は底面図である。
【図17】 実施例12のベース部材を示す図で、図17(A)は正面図、図17(B)は側面図である。
【図18】 図17のベース部材の変形例を示す図で、図18(A)は正面図、図18(B)は側面図である。
【図19】 実施例13のベース部材を示す図で、図19(A)は正面図、図19(B)は側面図、図19(C)は底面図である。
【図20】 実施例1〜13のインクジェットヘッドを適用したインクジェット記録装置の機構部を示す斜視図である。
【図21】 ノズル板表面の振動の周波数特性を示すグラフである。
【符号の説明】
1…ベース部材、1a…板片、1a…凹部、1b〜1b…ブロック片、1c…下部ブロック片、2…圧電素子、3…振動板、4…流路板、5…ノズル板、6…ノズル、7…フレーム部材、8…インク室、9…インク供給路、10…通電部材(FPC)、11…基準穴、12…スリット、13…溶接部、14…カシメ部、15…角穴、16…下部穴、21…フレーム、22,23…ガイドレール、24…キャリッジ、25…記録ヘッド、26…ガイド板、27…用紙、28…ドライブギヤ、29…スプロケットギヤ、30…プラテン、30a…送りノブ、31…プレッシャローラ。

Claims (13)

  1. インク室内のインクを加圧してインク滴を吐出させる圧電素子または発熱体支持部材または静電アクチュエータからなる圧力発生部材が、複数の板片からなる積層構造のベース部材により支持され、前記圧力発生部材と前記ベース部材の接合面には前記板片の積層によって形成される隙間が設けられることを特徴とするインクジェットヘッド。
  2. 請求項1記載のインクジェットヘッドにおいて、前記ベース部材は、複数の板片の端面が溶接されて形成されることを特徴とするインクジェットヘッド。
  3. 請求項2記載のインクジェットヘッドにおいて、前記板片は凹部を有し、該凹部に溶接部が形成されることを特徴とするインクジェットヘッド。
  4. 請求項2記載のインクジェットヘッドにおいて、前記溶接部は、前記ベース部材の長手方向の中心に対して非対称位置に配置されることを特徴とするインクジェットヘッド。
  5. 請求項1記載のインクジェットヘッドにおいて、前記ベース部材は、複数の板片がカシメによって接合され、形成されることを特徴とするインクジェットヘッド。
  6. 請求項1乃至5のいずれかに記載のインクジェットヘッドにおいて、前記ベース部材の前記圧力発生部材との接合部に切り欠きが形成されることを特徴とするインクジェットヘッド。
  7. 請求項6記載のインクジェットヘッドにおいて、前記切り欠きは、前記ベース部材の長手方向の中心に対して非対称位置に配置されることを特徴とするインクジェットヘッド。
  8. 請求項1乃至7のいずれかに記載のインクジェットヘッドにおいて、前記ベース部材は、銅を含有する材料を含むことを特徴とするインクジェットヘッド。
  9. 請求項1乃至8のいずれかに記載のインクジェットヘッドにおいて、前記ベース部材は、磁性体を含有する材料からなる前記板片を含むことを特徴とするインクジェットヘッド。
  10. インク室内のインクを加圧してインク滴を吐出させる圧電素子または発熱体支持部材または静電アクチュエータからなる圧力発生部材が、複数のブロック片の集合体であるベース部材により支持され、前記複数のブロック片は前記圧力発生部材との接合面以外の個所で接合され、前記圧力発生部材と前記ベース部材の接合面には前記ブロック片間の隙間が設けられることを特徴とするインクジェットヘッド。
  11. 請求項10記載のインクジェットヘッドにおいて、前記複数のブロック片が一体に接合されることを特徴とするインクジェットヘッド。
  12. 請求項10または11記載のインクジェットヘッドにおいて、前記ベース部材は、磁性体を含有する材料からなる前記ブロック片を含むことを特徴とするインクジェットヘッド。
  13. 請求項1乃至12のいずれかに記載のインクジェットヘッドを搭載したことを特徴とするインクジェット記録装置。
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