JP4107898B2 - 純金属・合金超微粉末の製造方法 - Google Patents

純金属・合金超微粉末の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、積層セラミックコンデンサなどの内部電極、水素ニッケル電池その他の電極などに用いられる純金属および合金の超微粉末の製造方法についての提案である。
【0002】
【従来の技術】
Ni,Cu,Ag等の導電性を有する金属粉末は、積層セラミックコンデンサの内部電極、水素ニッケル二次電池の多孔性電極、燃料電池の中空多孔性電極、その他種々の電子部品の電極等を形成する材料として用いられているものである。特に、粒径が0.4μm以下の金属超微粉末は、ペースト性状が良好で、しかも導体部分の微細なパターン化や薄層化が可能であることから、電子回路の導体形成用として需要が急速に高まっている。
【0003】
これら金属の超微粉末の製造方法としては、ガス中蒸発法、プラズマ中蒸発法、気相化学反応法、液相還元析出法などが知られており、それぞれの粒子の特性や金属の種類、生産規模などに合わせて開発が進められている。中でも、気相化学反応法は、高価な装置を必要とせず、コスト的にも有利と考えられ、工業的規模での生産に用いられている。
【0004】
この気相化学反応法は、沸点の低い金属化合物を気化し、熱分解反応や還元反応を起こさせ、気相から粒子を析出させる方法であるが、金属超微粉末の製造には、金属塩化物の蒸気を水素ガスを用いて還元するいわゆる気相還元法によるものが主として適用されている。その理由は、金属塩化物は低沸点で気化しやすく、還元ガスにより容易に金属に還元されるからである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記超微粉末の原料となる金属塩化物には、原料コストが少々高くても、原子価の小さい化合物を使用するのが普通である。例えば、Cu超微粉末を製造する場合には、CuClを原料とし、水素ガスを用いて、下記式;
2CuCl+H2 → 2Cu+2HCl
の還元反応を起こさせ、超微粉末を生成させている。というのは、原料として、CuClより原子価の大きいCuCl2を使用した場合には、原料コストが安価である反面、還元反応が下記のように2段階で進むため、反応が複雑で制御が難しく、かつ、還元に要する水素量も2倍となり、却って製造コストの上昇を招くという問題があるからである。
2CuCl2+H2 → 2CuCl+2HCl
2CuCl+H2 → 2Cu+2HCl
【0006】
したがって、金属超微粉末の製造原料として、高価な原子価の小さい金属塩化物に代わり、安価な、原子価の大きい金属塩化物が使用できる技術が開発されれば、製造コストを大幅に下げることが可能となる。
【0007】
また、かかる気相還元法は、金属単体粉末の製造の他、合金粉末の製造にも利用されている。その方法としては、
1)予め目的とする合金成分の金属塩化物を混合しておき、この混合物を加熱して金属塩化物の混合蒸気を発生させ、水素ガスで還元する方法、
2)合金成分の金属塩化物の蒸気を別々に発生させ、これらの蒸気を反応管内に導入して混合し、水素ガスで還元する方法、
などが知られている。しかし、これらの方法は、原子価の小さい金属塩化物を原料としているため原料コストが高いだけでなく、得られる合金微粉末の組成も安定しないという欠点があり、実用化するには問題があった。
【0008】
本発明の目的は、気相還元法により金属超微粉末を製造する方法において、安価な原料が使用できしかも効率的に製造できる純金属の超微粉末製造方法を提案することにある。また、本発明の他の目的は、所望の組成を有する合金超微粉末を安価にかつ安定して製造できる合金超微粉末の安価な製造方法を提案することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
発明者らは、製造コストが高いとされる気相水素還元法の低コスト化を目的とし、従来用いられている金属塩化物よりも安価な、いわゆる原子価の大きい金属塩化物を含む原料を用いた超微粉末を製造する方法について鋭意研究を行った。その結果、意外にも、原子価の大きい金属化合物と金属単体とを混合した原料を用いて、従来の製造方法のように原子価の小さい高価な金属塩化物を原料とする場合よりも、超微粉末を効率よくかつ安価に製造できることを見いだした。さらに、この知見を応用することにより、2元系や3元系以上の合金の超微粉末も従来法よりも安価にかつ安定して製造できることも見いだした。本発明は、上記の新規な知見に基づき完成したものである。
【0010】
すなわち、上記知見にもとづく本願発明は、金属塩化物を加熱し、発生した金属塩化物蒸気を水素ガスで還元して純金属の超微粉末を製造する方法において、上記金属塩化物中に、該金属塩化物を構成する金属の単体を混合したことを特徴とする純金属超微粉末の製造方法である。
【0011】
なお、本発明の製造方法においては、上記金属塩化物として、原子価が2以上である金属塩化物を用いることが好ましい。また、上記金属塩化物、塩化第2銅(CuCl)、塩化第2鉄(FeClおよび塩化ニッケル(NiCl )のうちのいずれか1種であることが好ましい。
【0012】
また、本願発明は、金属塩化物を加熱し、発生した金属塩化物蒸気を水素ガスで還元して合金の超微粉末を製造する方法において、上記原料として、合金成分のうち1〜全合金成分数−1の合金成分については金属塩化物を、その他の合金成分については金属単体を用いることを特徴とする合金超微粉末の製造方法である。
【0013】
なお、本発明の製造方法においては、上記金属塩化物は、塩化第2銅(CuCl)、塩化第1銅(CuCl)、塩化第2鉄(FeCl)、塩化第1鉄(FeCl)、塩化ニッケル(NiCl)、塩化コバルト(CoCl)および塩化第1錫(SnClのうちの1種または2種以上であることが好ましい。
【0014】
また、本発明の製造方法においては、上記金属単体は、銅(Cu)、鉄(Fe)、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)、銀(Ag)、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)、クロム(Cr)、バナジウム(V)、ゲルマニウム(Ge)およびアンチモン(Sb)のうちの1種または2種以上であることが好ましい。
【0015】
【発明の実施の形態】
発明者らは、気相水素還元法により、原子価の大きい金属塩化物を原料として金属超微粉末を製造する方法について、図1に示す横型反応器を有する試作実験装置を用いて研究を行った。この装置における横型反応器1は、主として反応管の外部から加熱炉5,6によって加熱される原料蒸発部2、還元部3、外周部を冷却器7によって水冷された冷却部4とから構成されている。製造しようとする金属超微粉末の原料8(金属塩化物等)は、蒸発容器9に入れられ、予め加熱された原料蒸発部2に装入される。加熱された金属塩化物は、温度上昇とともに蒸発し、反応管の左側のキャリアガス導入口10から流されるArガスにより還元部3に運ばれ、ここで、反応管の左側の導入口11から導入された水素ガスと反応することにより還元され、金属超微粉末を生成する。金属超微粉末を含んだガスは冷却部4で冷却され、排出口12を通って超微粉末捕集部に導かれ金属超微粉末が回収される。
【0016】
(実験1)
発明者らは、この研究の過程において、生成した金属超微粉末の量が、装入した原料中に含まれる金属量よりも多い場合があることに着目した。そして、その原因は、図1に示す金属超微粉末試作装置の反応管内部に使用した金属に由来するものであると推定した。すなわち、上記増量の原因は、原料から発生した金属塩化物の蒸気が反応管内部の金属と接触して反応し、その金属の塩化物を生成して蒸発し、さらに還元ガスである水素ガスと反応して元の金属に還元され、目的とする金属超微粉末中に含まれたものと考えられた。
【0017】
これは、原料として用いた金属塩化物の標準生成エネルギーより、反応管内部に使われた金属の塩化物の標準生成エネルギーの方が大きいと、その金属は原料の金属塩化物の塩素と反応して塩化物となって気相中に移行し、逆に、原料の金属塩化物は金属となって析出する方がエネルギー的に有利となるためである。
【0018】
そこで、発明者らは、上記推定を確認するために、塩化第2銅(CuCl2)の粉末に金属銅(Cu)板を小さく切断して混ぜたものを原料蒸発容器に仕込み、この現象の再現を試みた。この実験条件および結果を表1に示す。
【0019】
【表1】
Figure 0004107898
【0020】
表1から明らかなように、生成したCu超微粉末の量は、塩化第2銅(CuCl2)中に含まれるCu量より多い量が得られており、発明者らの上記推定が正しいことが確認された。しかも、意外にも、この実験で、上記Cu超微粉末を得るために流した水素ガス量は、従来、塩化第2銅(CuCl2)からCu超微粉末を生成するときの量と同じ流量であった。つまり、生成したCu超微粉末の増量分の水素ガスが削減されたことが判った。なお、生成された超微粉末の平均粒径は0.35μmであり、従来法の値と変化はなかった。
【0021】
この実験の結果から、上記還元反応は以下のように進行したものと推定された。すなわち、原料蒸発容器から発生した原子価の大きい塩化第2銅(CuCl2)の蒸気は、金属Cuと接触して原子価の小さい塩化第1銅(CuCl)に還元されるとともに、金属Cuも酸化されて塩化第1銅(CuCl)を生成する。その結果、金属Cuから生成した塩化第1銅(CuCl)の分だけ、得られるCu超微粉末が増加することになる。さらに、上記金属Cuから生成した塩化第1銅(CuCl)の還元には、本来、塩化第2銅(CuCl2)の還元に使われる水素ガスが使用されることから、Cu超微粉末が増量した分の水素ガスが削減されることになる。
CuCl2+Cu → 2CuCl
2CuCl+H2 → 2Cu+2HCl
【0022】
上記実験1の結果は、金属超微粉末の製造原料として、高価な原子価の小さい金属塩化物の代わりに、安価な原子価の大きい金属塩化物と金属単体とを用いることができることを示すもので、金属超微粉末の原料コストの大幅低減が可能であることを意味している。さらに、還元に要する水素ガスが、原子価の小さい金属塩化物を原料とした場合と同じで済むということは、従来の、原子価の大きい金属塩化物を原料とした製造技術の最大の問題である水素ガスの原単位が高いという欠点を払拭するものである。
【0023】
(実験2)
次に、発明者らは、上記の現象を応用すれば、金属Aの塩化物とその塩化物を構成する金属Aとは別の金属Bを混合して原料として使用すれば、金属Aと金属Bの混合した金属超微粉末が得られると考え、その確認実験を行った。この実験には、金属Aの塩化物として塩化ニッケル(NiCl2)を、金属Bとして金属Cuの粉末を用い、塩化ニッケルに対する金属Cuの比率(モル比)を種々に変化させて混合し、還元処理を試みた。実験条件および得られた結果を表2に示す。
【0024】
【表2】
Figure 0004107898
【0025】
表2から判るように、生成した金属超微粉末の量は、装入した塩化ニッケル(NiCl2)中に含まれるNi量より多い値が得られており、超微粉末中にはCu微粉末が含まれていることが示唆された。そこで、この超微粉末のCu含有量を、ICP発光分光分析装置を用いて測定した。結果を表2中および図2に示したが、Ni以外にCuの含有が認められ、この含有率は、原料中のCuの添加量(モル比)が多くなるに従って増加していることが判った。さらに、この超微粉末について、X線回折を行い、格子定数を測定した結果を図3に示した。超微粉末の格子定数は、Niの格子定数とCuの格子定数の中間にあり、かつ、Cu含有量とともにほぼ直線的に変化していることから、生成した超微粉末は、金属Aと金属Bの超微粉末が混じったものではなく、金属AとBが均一に合金化したものであることがわかった。なお、得られた合金微粉末の粒径は0.4μm以下の0.3μmであった。
【0026】
上記還元反応は、以下のように進行したものと推定される。すなわち、原料蒸発容器から発生した塩化ニッケル(NiCl2)蒸気の一部が、混合された金属Cuと反応して塩化第2銅(CuCl2)又は塩化第1銅(CuCl)を生成して蒸気となり、さらに塩化第2銅(CuCl2)の蒸気は、金属Cuと反応して塩化第1銅(CuCl)の蒸気を生成する。その結果、原料蒸発容器から発生した蒸気中には、塩化第1銅(CuCl)の蒸気と塩化ニッケル(NiCl2)の蒸気が混在することになり、これらの蒸気が水素ガスにより還元されて、NiとCuからなる合金超微粉末を生成したものと考えられる。
NiCl2+Cu → CuCl2+Ni
CuCl2+Cu → 2CuCl
NiCl2+2Cu → 2CuCl+Ni
2CuCl+H2 → 2Cu+2HCl
NiCl2+H2 → 2Ni+2HCl
【0027】
上記の実験2の結果は、例えば、タングステンやモリブデンを合金成分とする合金超微粉末を生成するには、高価な6塩化タングステン(WCl6)や5塩化モリブデン(MoCl5)などの塩化物を原料とせず、安価な金属タングステンや金属モリブデンと安価な他の合金成分の金属塩化物とを混合して原料とすることにより、目的とする合金超微粉末を生成できることを示している。また、その合金成分の調整は、図2から明らかなように、原料中に配合する金属Aの塩化物と金属Bの配合比率を変えることにより精度よく調整することができる。そして、この結果を応用すれば、理論的には、2元系だけでなく、3元系以上の多元系の合金超微粉末製造にも適用できることを示すものである。
【0028】
以上説明したように、本発明は、従来技術とは全く異なる新規な知見に基づいて開発されたものである。
なお、本発明に係る純金属の超微粉末製造方法においては、原料として用いる金属塩化物は、上述したように、原料コスト、水素ガス原単位の面から、原子価の大きい金属塩化物を使用することが好ましく、例えば、塩化第2銅(CuCl2)、塩化第2鉄(FeCl3)等の原子価が2価以上の金属塩化物を使用することが必要である。
【0029】
また、合金超微粉末を製造する方法においては、原料として用いる金属塩化物は、原子価の大きいものを用いることが、純金属の場合と同様、原料コストや水素原単位の上からは好ましい。しかし、原子価の小さい金属塩化物(例えば、塩化ニッケル(NiCl2))でも同様の現象(金属Aの塩化物の還元と金属Bの酸化による金属Bの塩化物の生成)が起こり、高価な金属Bの塩化物を使用する必要がないという効果があるので、用いることができる。
合金超微粉末の原料として用いることができる金属塩化物としては、例えば、塩化第2銅(CuCl2)、塩化第1銅(CuCl)、塩化第2鉄(FeCl3)、塩化第1鉄(FeCl2)、塩化ニッケル(NiCl2)、塩化コバルト(CoCl2)および塩化第1錫(SnCl2)等が挙げられる。
【0030】
また、合金超微粉末を製造する場合、従来技術においては、合金成分の数の種類だけの金属塩化物を使用していた。しかし、本発明では、これらの金属塩化物のうち、少なくとも1つ以上を金属単体に置き換えることができる。一方、全ての合金成分を金属単体に置き換えると反応に寄与する塩素源がなくなるため、置き換えることができる上限は(合金成分数−1)である。
原料として用いることができる金属単体としては、例えば、銅(Cu)、鉄(Fe)、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)、銀(Ag)、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)、クロム(Cr)、バナジウム(V)、ゲルマニウム(Ge)およびアンチモン(Sb)等を挙げることができる。
【0031】
なお、合金成分のうちどの成分の原料に金属塩化物を用い、どの成分の原料に金属単体を用いるかは、各合金成分(金属)の塩化物の標準生成エネルギーを比較し、標準生成エネルギーが大きいすなわち塩化物を生成し易い成分(金属)に金属単体を用いるようにすれば効率良く超微粉末の生成を行わせることができる。
【0032】
【実施例】
(実施例1)
図1に示した金属超微粉末試作装置を用いてFe超微粉末を製造した。この製造に当たっては、金属塩化物として塩化第2鉄、金属単体として金属鉄粉を添加・混合したものを原料として用い、所定量を原料蒸発容器に仕込み、蒸発炉と還元炉を所定の温度に設定して保持した後、キャリアガス(Arガス)と還元ガス(H2ガス)を流してから、原料蒸発容器を反応管の蒸発部まで押し出し、蒸発容器から発生した鉄塩化物蒸気をキャリアガスによって還元部に搬送し、水素ガスによって還元し、鉄超微粉末を生成させる処理を行った。この時の、製造条件と得られた結果を表3に示す。この結果から、本発明は、Cu以外の金属の超微粉末製造にも適用できることが判る。
【0033】
【表3】
Figure 0004107898
【0034】
(実施例2)
図1に示した金属超微粉末試作装置を用いて、Ni合金の超微粉末を製造した。原料には、金属塩化物として塩化ニッケル(NiCl2)を用い、合金成分となる金属として、Mo,NbおよびCoの金属粉末を用いた。製造条件と得られた粉末の成分の分析結果を表4に示す。この表から、得られた粉末中には、目的とした金属成分(Mo,Nb,Co)が含まれており、その含有量は、原料の配合量(モル比)が多いほど高いことが判る。図4に、金属Co粉末を用いた時の結果を示した。微粉末中のCo含有量が原料中に添加した金属Co量と良い相関があり、組成制御が精度よくできることを示している。また、得られた粉末について、X線回折を行い、格子定数を測定した結果、これらの粉末は、合金化していることが確認された。この結果から、本発明は、Ni−Cu合金だけでなく、Ni-Mo合金、Ni-Nb合金およびNi-Co合金の超微粉末の製造にも適用でき、また、原料の配合を変えることにより、合金の組成を制御することができることがわかった。
【0035】
【表4】
Figure 0004107898
【0036】
(実施例3)
図1に示した金属超微粉末試作装置を用いて、Ni−W−Fe3元系合金の超微粉末の製造を行った。原料には、金属塩化物として塩化ニッケル(NiCl2)を用い、合金成分となる金属としてWとFeの金属粉末を用いた。製造条件と得られた粉末の成分分析結果を表5に示す。これから、得られた粉末中には、目的とした金属成分(W,Fe)が含有されていることが判った。また、得られた粉末について、X線回折により格子定数を測定した結果、これらの粉末は合金化していることが確認された。これらの結果は、本発明が、2元系だけでなく、3元系合金の超微粉末の製造にも適用できることを示すものである。
【0037】
【表5】
Figure 0004107898
【0038】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、気相還元法により純金属超微粉末を製造する際の原料として、安価な原子価の大きい金属塩化物と単体金属が使用できるので、製造コストを大幅に低減することができる。また、本発明によれば、所望の組成を有する合金の超微粉末の製造も、安価に効率よく安定して製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 金属超微粉末製造装置の構造を示す模式図である。
【図2】 Ni−Cu合金超微粉末製造における原料中への金属Cu添加量と生成微粉末中のCu含有量の関係を示す図である。
【図3】 Ni−Cu合金超微粉末中のCu含有量と格子定数との関係を示す図である。
【図4】 Ni−Co合金超微粉末製造における原料中への金属Co添加量と生成微粉末中のCo含有量の関係を示す図である。
【符号の説明】
1.反応管
2.原料蒸発部
3.還元部
4.冷却部
5.原料蒸発炉
6.還元炉
7.冷却器
8.原料
9.原料蒸発容器
10.キャリアガス導入口
11.水素ガス導入口
12.超微粉末補足部につながる排出口

Claims (6)

  1. 金属塩化物を加熱し、発生した金属塩化物蒸気を水素ガスで還元して純金属の超微粉末を製造する方法において、上記金属塩化物中に、該金属塩化物を構成する金属の単体を混合したことを特徴とする純金属超微粉末の製造方法。
  2. 上記金属塩化物として、原子価が2以上である金属塩化物を用いることを特徴とする請求項1に記載の純金属超微粉末の製造方法。
  3. 上記金属塩化物が、塩化第2銅(CuCl)、塩化第2鉄(FeClおよび塩化ニッケル(NiCl )のうちのいずれか1種であることを特徴とする請求項1または2に記載の純金属超微粉の製造方法。
  4. 金属塩化物を加熱し、発生した金属塩化物蒸気を水素ガスで還元して合金の超微粉末を製造する方法において、上記原料として、合金成分のうち1〜全合金成分数−1の合金成分については金属塩化物を、その他の合金成分については金属単体を用いることを特徴とする合金超微粉末の製造方法。
  5. 上記金属塩化物が、塩化第2銅(CuCl)、塩化第1銅(CuCl)、塩化第2鉄(FeCl)、塩化第1鉄(FeCl)、塩化ニッケル(NiCl)、塩化コバルト(CoCl)および塩化第1錫(SnClのうちの1種または2種以上であることを特徴とする請求項4に記載の合金超微粉末の製造方法。
  6. 上記金属単体が、銅(Cu)、鉄(Fe)、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)、銀(Ag)、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)、クロム(Cr)、バナジウム(V)、ゲルマニウム(Ge)およびアンチモン(Sb)のうちの1種または2種以上であることを特徴とする請求項4または5に記載の合金超微粉末の製造方法。
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