JP4107100B2 - 回路構成体の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電力回路を構成するバスバーと、その電力回路中に設けられる電子部品の駆動を制御する制御回路基板とを併有し、放熱部材の回路配設面上に絶縁層を介して配設される回路構成体の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、共通の車載電源から各電子ユニットに電力を分配する電気接続箱に組み込まれる回路構成体として、複数枚のバスバー基板を積層することにより配電用回路を構成し、これにヒューズやリレースイッチを組み込んだものが一般に知られている。
【0003】
さらに近年は、かかる回路構成体の小型化や高速スイッチング制御を実現すべく、前記リレーに代えて或いはこのリレーと共にFET等の半導体スイッチング素子を入力端子と出力端子との間に介在させたものが開発されるに至っており、かかる回路構成体においては半導体素子から発せられる熱を冷却する観点から放熱部材の回路配設面上に絶縁層を介して配設されるのが一般的である。
【0004】
このような回路構成体は、電流回路を形成するバスバー基板と、その電流回路中に組み込まれる電子部品としてのFETと、このFETの作動を制御する制御回路基板とを備えるとともに、前記バスバー基板と制御回路基板とを互いに離間させながら上下2段に配置してその間にFETを設け、このFETのドレイン端子及びソース端子を前記バスバー基板に接続する一方、当該FETのゲート端子を前記制御回路基板に接続するようにしたものが開示されている(例えば特許文献1参照)
【0005】
【特許文献1】
特開平10−35375号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
前記特許文献1に示される電気接続箱の回路構成体では、バスバー基板と制御回路基板の少なくとも2枚の基板が必要であり、しかも、これらの基板を相互に離間させて立体的に配置しなければならない。従って、当該FETの導入によって従来のリレー式の電気接続箱の回路構成体よりは小型化できるものの、全体構成が複雑で、FETのドレイン端子及びソース端子を下側のバスバー基板に接続する一方、ゲート端子は上側の制御回路基板に接続しなければならず、回路構成体全体の組み上げ作業が複雑で自動化が難しく、このため製造コストの上昇を招き、その改善が望まれていた。
【0007】
本発明は、このような事情に鑑み、簡素かつ薄型の構造でFET等の電子部品を含む回路構成体を効率よく、かつ経済的に製造することができる回路構成体の製造方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本願発明者は、鋭意研究の結果、制御回路基板に対してバスバーを直接接着することにより、回路構成体全体の高さ寸法(厚み寸法)が非常に小さくすることができ、また単一の工程で電子部品をバスバーと制御回路基板の双方に実装することが可能で作業効率は飛躍的に簡略化することができることを知見するに至った。ここで、接着剤を効率よく塗布するには、例えばマスクを用いてバスバーの形状に対応した形状の領域に接着剤を印刷塗布することが考えられる。しかし、各バスバーは、電力回路を構成するために複雑に屈曲した形状を有しており、この形状に対応した開口部をもつマスクを用いて印刷した場合、この屈曲部分について開口部の内側に凸の部分が形成され、この凸部分がスキージによる接着剤塗布作業時、或いはマスク清掃時に引っ掛かり、該凸部分を破損させたり、寿命を低下させたりするといった問題が生ずる。このようにマスクについて頻繁に取り替え作業を行っていたのでは、作業効率が低下するだけでなく、製造コストの上昇を招く。
【0009】
この発明は上記知見に基づいてなされたものであり、印刷により接着剤を塗布して各バスバーと制御回路基板とを接着する場合に、マスクの開口部の形状をバスバー形状に一致させるのではなく、特定の形状に設定する一方、このマスク形状の変更に伴いバスバーが接着される塗布領域をバスバーと制御回路基板との重ね合わせ領域に互いに独立して複数の領域を分散設定することにより、上記目的を達成するようにしたものである。
【0010】
すなわち、本発明は、電力回路を構成する複数本のバスバーと、その電力回路中に設けられる電子部品の駆動を制御する制御回路基板とを備えた回路構成体を製造する方法であって、略同一平面上に並んだ状態で配列された複数本のバスバー及び前記制御回路基板のうち前記制御回路基板の表面に接着剤を塗布して両者を接着する接着工程を含み、この接着工程では、各バスバーと制御回路基板とが重ね合わされる重合領域のうち少なくともその外形が内側に凸の部分を含む形状である重合領域について互いに独立した複数の接着剤塗布領域を設定し、これらの塗布領域に同時に接着剤を塗布するために各塗布領域に対応した形状の複数の開口部をもつマスクを用いて接着剤を印刷により塗布するとともに、各塗布領域の形状及び開口部の形状を内側に凸の部分を持たない形状としたことを特徴とするものである。
【0011】
この発明によれば、略同一平面上に並んだ状態で配列された前記バスバー及び前記制御回路基板のうち前記制御回路基板の表面に接着剤を塗布して両者を接着するので、回路構成体全体の高さ寸法(厚み寸法)が非常に小さく、また、従来の電気接続箱において必要とされていたバスバー基板(バスバーを絶縁基板で保持したもの)や電子部品を各基板に接続するための配線材が基本的に不要となり(ただし本発明ではかかる配線材が部分的に使用されることを妨げない。)、従来のように互いに離間して配置されるバスバー基板と制御回路基板とに電子部品の端子を個別に接続するものに比べ、作業効率は飛躍的に簡略化される。
【0012】
しかも、接着剤を印刷により塗布すれば、制御回路基板とバスバー構成板との接着を効率良く行うことができる。この接着手法において、各バスバーと制御回路基板とが重ね合わされる重合領域のうち少なくともその外形が内側に凸の部分を含む形状である重合領域について互いに独立した複数の接着剤塗布領域を設定し、これらの塗布領域に同時に接着剤を塗布するために各塗布領域に対応した形状の複数の開口部をもつマスクを用いて接着剤を印刷により塗布するので、重合領域がいかに複雑に屈曲した形状であっても、マスクの各開口部の形状は内側に凸の部分をもたない単純な形状に設定することができる。このように、各塗布領域の形状及び開口部の形状を内側に凸の部分を持たない単純な形状としたので、マスクの破損やその寿命の低下を防止することができ、ひいては製造コストの低減を図ることができる。すなわち、上述したようにマスクにおいて開口部の内側に突出する部分を有する場合には、スキージによる接着工程時或いはマスクの清掃時に該突出部分においてスキージ等が引っ掛かり該マスク、特にその突出部分を破損したり、寿命を低下させたりする虞がある。従って、マスクの開口部について開口部の内側に突出する部分を有しないように形成すれば、マスクの破損等を防止し、ひいてはマスクの交換頻度を低減して経済的に回路構成体を製造することができる。
【0013】
また、上記のように塗布領域について互いに独立した複数の接着剤塗布領域を設定した場合でも、各塗布領域に塗布された接着剤がバスバーと制御回路基板とが重ね合わされた際に押し潰されて拡がり、有効に接着剤を利用して両者を接着することができる。
【0014】
この発明において、前記接着工程では、少なくとも一部の塗布領域を互いに近接する複数の前記重合領域に跨る領域に設定するのが好ましい。このように構成すれば、当該塗布領域が複数の重合領域について共有されるので、その分マスクの開口部の数を低減することができる。しかも、塗布領域のうち前記重合領域間に設けられた塗布領域に塗布された接着剤が硬化されて各バスバー間を連結するブリッジとして機能するので、回路構成体を補強することができる。
【0015】
さらに、この発明において、前記接着工程後に前記電子部品を所定のバスバーと前記制御回路基板との双方に実装する実装工程を含み、前記塗布領域は前記重合領域のうち前記電子部品の実装箇所を避けて設定するのが好ましい。この場合、塗布領域はさらに複雑な形状となるが、本発明のように塗布領域を分散設定することにより開口部形状を単純な形状にしつつ難なく対応することができる。
【0016】
さらに、この発明において、前記接着工程では、前記バスバー同士をつなげた状態で形成されたバスバー構成板と制御回路基板とを接着し、この接着工程後にバスバー同士を切り離すのが好ましい。このように構成すれば、バスバー同士がつながった形状のバスバー構成板と制御回路基板とを接着するようにしているので、複数本のバスバーを所定の配列に保ったまま制御回路基板に対して同時に接着することができ、かつ、その後にバスバー同士を切り離すことによって正規の電力回路を簡単に構築することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明の好ましい実施の形態を図面に基づいて説明する。なお、ここでは、車両等に搭載される共通の電源から供給される電力を複数の電気的負荷に分配する配電回路を構成する回路構成体の製造方法を示すが、本発明にかかる回路構成体の用途はこれに限らず、電力回路における通電のオンオフ切換を半導体スイッチング素子等の電子部品によって行う場合に広く適用が可能である。この回路構成体1は、図1に示すように車両用パワーモジュールに組み込まれている。
【0018】
1)バスバー形成工程
まず、前記回路構成体を製造するにあたり、図3に示すようなバスバー構成板10を形成する。
【0019】
図示のバスバー構成板10は、矩形状の外枠16を有し、その内側領域(本実施形態では矩形状)に、電力回路を構成する複数枚のバスバー11、12が所定のパターン、本実施形態では上記領域両側縁(図3では左右両側縁)に端部が突出されるようなパターンで配列されるとともに、適当なバスバーが小幅のつなぎ部分18によって前記外枠16とつながり、また特定のバスバー同士が小幅のつなぎ部分18によって相互連結された状態となっている。
【0020】
図2及び図3に示すように、上記バスバー11、12のうち、複数本の所定バスバー11が互いに同一方向(図2及び図3では左右方向)に延びて略平行に並べられている部分(細長部11a)を有している。また、バスバー11,12のうち後述するFET30の本体32が実装されるバスバーは、その一部が制御回路基板20の後述する方形状の貫通孔22に対向するように配置され、この貫通孔22に対向する本体実装部11b、12bが貫通孔22を略閉塞し、かつ該貫通孔22から3方向にはみ出すように形成されている。より具体的には、本体実装部11b、12bは、貫通孔22の四周側縁部のうちFET30の脚状端子34、36が挿通される側縁部方向を除く3方向において貫通孔22からはみ出して形成されている。
【0021】
なお、このバスバー構成板10は、例えば単一の金属板をプレス加工で打ち抜くことにより簡単に形成することが可能である。また、前記外枠16は必ずしも含めなくても良い。ただし、この外枠16を含めることにより、バスバー構成板10全体の剛性が高まり、その分制御回路基板20との接着作業が容易になるとともに、外枠16を把持することによって、バスバー本体を傷めることなくその取扱いを簡単に行うことができる。しかも、接着後は当該外枠16をバスバー構成部分から切り離すことにより適当な電力回路を簡単に構築できる。
【0022】
2)接着工程
前記バスバー構成板の片面(図1、図6では上面)に制御回路基板20を接着する。なお、図6は、回路構成体1を分解した状態で示す斜視図であり、回路構成体1の製造方法とは無関係に回路構成体1の構造を示すため便宜的に用いる図である。
【0023】
この制御回路基板20は、FET30のスイッチング動作を制御する制御回路を含むもので、例えば通常のプリント回路基板(絶縁基板に制御回路を構成する導体がプリント配線されたもの)によって構成することが可能である。本実施形態では、全体の薄型化向上をさらに促進すべく、非常に厚みの小さい(例えば0.3mm)シート状の制御回路基板20が用いられ、かつ、この制御回路基板20の適所には複数の貫通孔22が設けられている。この貫通孔22は、前記FET30をバスバー11,12上に実装するためのものであり、FET30の数に対応して形成されるが、本実施形態ではFET30の一部が隣接して配置されるように設定されこれら隣接する貫通孔22同士は連通して形成されている。
【0024】
前記制御回路基板20の外形は、図3に示すように、バスバー構成板10の外形よりも小さくし、特に基板左右幅がバスバー構成板10よりも十分小さくなるようにしておく。具体的には、この制御回路基板20を図示のようにバスバー構成板10の中央部分に接着することにより、このバスバー構成板20から後述する外部接続端子14を構成するバスバー11,12端部が突出するとともに、全てのつなぎ部分18が制御回路基板20の外側に露出するようにする。
【0025】
この制御回路基板20をバスバー構成板10に接着するには、次の方法により行う。なお、図2は、制御回路基板20の背面図であって、接着剤が塗布される塗布領域を示す。
【0026】
すなわち、制御回路基板20の裏面(背面)における所定領域40に絶縁性接着剤を塗布し、この接着剤によってバスバー構成板10と制御回路基板20とを接着するための絶縁接着層41を形成するとともに(図4,図5参照)、回路構成体1の剛性を向上するための補強ブリッジ部13を形成する(図3参照)。また、制御回路基板20がスルーホール等の孔部を含む場合には当該孔部に前記絶縁性接着剤が付着しないようにするとともに、FET30の実装箇所などはんだ付けされる箇所を避けて絶縁性接着剤を塗布するようにする。
【0027】
具体的には、本実施形態では、図9に示すように、前記接着を制御回路基板20の裏面における次述する塗布領域40に対応する開口部91をもつメタルマスク90を用いて、印刷で接着剤を塗布している。そして、このメタルマスク90は、スキージを有する公知の印刷機にセットされている。メタルマスク90の開口部91は上記したように塗布領域40に合致させて形成されているので、開口部91の具体的構成は、次述する塗布領域の具体的構成と同様である。
【0028】
この塗布領域40は、図2に示すように、制御回路基板20の裏面側に互いに独立して複数設定されている。具体的には、本実施形態では、塗布領域40は、各バスバー11,12と制御回路基板20とが重ね合わされる全てのバスバー配設領域45(重合領域)、すなわちこのバスバー配設領域45のうち少なくともその外形が内側に凸の部分を含む形状であるもの及びその外形が内側に凸の部分を含まない形状であるものについて互いに独立して複数設定されている。なお、バスバー配設領域45のうち少なくともその外形が内側に凸の部分を含まない形状である領域45については単一の塗布領域を設定するものであってもよい。
【0029】
また、本実施形態における塗布領域40の大部分は、互いに近接する複数のバスバー配設領域45に跨る領域に設定され、これらの塗布領域40については一の塗布領域40が複数の接着領域40aと一ないし複数のブリッジ形成領域40bとを含むものとなされている。このように塗布領域40を複数のバスバー配設領域45に跨る領域に設定して、塗布領域40が複数のバスバー配設領域45について共有されようになされているので、この塗布領域40に対応して形成されるメタルマスク90の開口部91の数を各バスバー配設領域45ごとに複数設ける場合に比べて低減することができ、ひいては開口部91の数を減らしてメタルマスク90の耐久性を向上させることができる。なお、図2において、ドット模様の領域が接着領域40aを示すとともに、専ら網状の斜線模様の領域がブリッジ形成領域40bを示している。
【0030】
ここで、塗布領域40について、上記のように独立した複数の領域に区分けせず、塗布領域についてバスバー11,12と制御回路基板20との重ね合わせ領域であるバスバー配設領域45の全域に接着領域を設け、この接着領域間に橋架するようにブリッジ形成領域を設けることも考えられるが、このように構成した場合、メタルマスク90の耐久性に問題があることが分かり、この問題を解決するために、まず塗布領域40を互いに独立して複数設定するとともに、メタルマスク90の開口部91の形状を次のように設定した。
【0031】
すなわち、メタルマスク90の開口部91が内側に凸の部分をもたない形状に設定されている(対応形状の塗布領域40も同様)。
【0032】
このメタルマスク90の開口部91について、内側に凸の部分を持たない形状に形成されるというのは、例えば開口部91が多角形状である場合には全ての内角が180°未満であることを意味する。また、例えば開口部91の周縁の少なくとも一部が曲線により構成される場合はその曲線部分の任意の点における接線が開口部91の周縁における他の箇所と交わらないことを意味する。従って、開口部91の形状は、▲1▼三角形、四角形、五角形等の多角形であってその内角が180°未満に設定された形状、▲2▼円形、▲3▼楕円形、▲4▼長円形等が好適である。これらの形状は、各開口部91について同一のものであってもよいし、異なるものであってもよい。本実施形態では、メタルマスク90の開口部91は、複数種類の形状によって構成されている。
【0033】
このようにメタルマスク90の開口部91について内側に凸部分を有しないように形成するのは、上記したようにメタルマスク90の破損を防止してその耐久性を向上するためである。すなわち、本実施形態の接着方法においては、塗布領域40に対応する開口部91を有するメタルマスク90を用いてスキージにより接着剤を塗布するものとなされているが、このメタルマスク90は比較的薄いものであり、開口部91について例えばL字状開口部等、内側に突出する部分を有する場合には、スキージによる接着工程時或いはメタルマスク90の清掃時に突出部分においてスキージ等が引っかかり該メタルマスク90、特にその突出部分を破損する虞がある。
【0034】
従って、開口部91について内側に突出する部分を無くすことによりメタルマスク90の破損を防止し、ひいてはメタルマスク90の交換頻度を低減して上記回路構成体1の製作コストを低減することができる。そして、開口部91の形状をこのように設定するために、上記のように塗布領域40を互いに独立した複数の領域に区分けしているのである。
【0035】
接着領域40aは、上記バスバー11,12と制御回路基板20とを接着するための絶縁接着層41を形成するため接着剤が塗布される領域であり、制御回路基板20内において、複数の所定領域(図2では比較的小さい領域)に区分けされている。この各所定接着領域40aに塗布された接着剤が接着時に押し潰されて、バスバー11,12と制御回路基板20とを接着する絶縁接着層41が形成されるものとなされている。従って、絶縁接着層41は、接着領域40aを超えて形成されことがあり、一部において隣接する接着領域40aに塗布された接着剤が連結して形成される。
【0036】
この接着領域40aは、そのほとんどがバスバー配設領域45内に完全に収まるように設定され、制御回路基板20にバスバー11,12が配設された時に押し潰された接着剤が両部材間から基本的にはみ出さないようになされている。すなわち、この接着領域40aに塗布される接着剤は、バスバー11,12(バスバー構成板10)の接着時に押し潰されて一定の範囲に亘って拡がることが知られているが、接着領域40aの大きさや塗布される接着剤の量等により、バスバー構成板10の接着時に各バスバー配設領域45をはみ出すことがあり、このはみ出し分の接着剤が無駄になる虞がある。従って、前記接着領域40aを所定領域に区分して接着剤の塗布量を制御することにより、接着剤の無駄を防止し、ひいては製造コストの低減を図ることができる。
【0037】
また、この接着領域40aは、バスバー配設領域45のうち前記FET11の実装箇所を避けて設定されている。すなわち、塗布領域40の一部である接着領域40aが制御回路基板20の貫通孔22を避けて設定されている。このようにFET11の実装箇所を避けて接着領域40aを設定する場合は、接着領域40aはさらに複雑な形状となるが、本実施形態のように接着領域40aを分散設定することにより開口部形状を単純な形状にしつつ難なく対応することができる。
【0038】
さらに、この接着領域40aは、制御回路基板20とバスバー11,12とを強固に接着し得るように適宜設定され、本実施形態においては、接着領域40aは、少なくともバスバー配設領域45における両端及び屈曲部分に設けられると共に、制御回路基板20の周縁部及び貫通孔22周辺に密に設けられている。特に、接着領域40aは、バスバー11,12における本体実装部11b、12bのはみ出し部分、すなわち貫通孔22の周辺に接着領域40aが設けられている。
【0039】
なお、接着領域40aは、本実施形態では所定領域に区分けされているが、これらの複数の所定領域の区分け態様は特に限定するものではなく、接着剤の伸び等を考慮して適宜設定される。
【0040】
一方、ブリッジ形成領域40bは、後述する補助ブリッジ部13に対応して設けられ、上述したように、制御回路基板20裏面において、特定のバスバー配設領域45と、特定のバスバー配設領域45に隣接する一ないし複数の他のバスバー配設領域に橋架するように設けられている。このブリッジ形成領域40bの具体的配置態様は、後述する補強ブリッジ部13と共に説明するのでここではその説明を省略する。
【0041】
なお、これらの各領域40a、40bは上記のように区別されているが、必ずしも上記領域に塗布された全ての接着剤が対応する各部分(補強ブリッジ部13,絶縁接着層15)を形成するものでなくてもよい。また、接着領域40aは、基本的にバスバー配設領域45内に設けられているが、このバスバー配設領域45から若干はみ出るものを排斥するものではない。
【0042】
そして、図9に示すように、開口部91を制御回路基板20の塗布領域40に合致させた状態でメタルマスク90を重ね合わせ、メタルマスク90の開口部91を通して塗布領域40に接着剤をスキージにより塗布し、この接着剤が塗布された制御回路基板20上にバスバー構成板10を重ねることにより両者を接着する。上記塗布領域40に塗布される接着剤は、絶縁性の接着剤であれば特に限定するものではないが、本実施形態ではエポキシ系樹脂からなる接着剤が用いられている。この接着剤の塗布量は、メタルマスク90厚さにより調整することができ、バスバー幅、塗布領域40の大きさや配置態様等を勘案して適宜設定される。
【0043】
而して、バスバー11,12と制御回路基板20とを接着することにより、制御回路基板20上に塗布された接着剤が制御回路基板20と各バスバー11,12との間で絶縁接着層41を形成するとともに、前記バスバー11、12間でこれらの間を橋架する補強ブリッジ部13を形成する(図4及び図5参照)。
【0044】
絶縁接着層41は、制御回路基板20における接着領域40aに塗布された接着剤がバスバー11,12に押し潰され、両者を接着した状態で硬化されて形成される。本実施形態においては、絶縁接着層41は、バスバー11,12と制御回路基板20との重ね合わせ面の少なくとも一部において形成されている。そして、この絶縁接着層41は、近接する接着領域40aに塗布された接着剤同士が連結して硬化されても形成される。その他の具体的配置態様等は、接着領域40aと略同等であるので、ここではその説明を省略する。
【0045】
なお、この絶縁接着層41は、例えば複数の塗布領域40に塗布された接着剤が連結した結果、バスバー11,12と制御回路基板20との重ね合わせ面の全体に形成されてもよいことは言うまでもない。
【0046】
一方、補強ブリッジ部13は、制御回路基板20における後述するブリッジ形成領域40bに塗布された接着剤が硬化されて形成され、離間しているバスバー11,12間を橋架するために設けられたものである。本実施形態では、バスバー11,12のそれぞれがこの補強ブリッジ部13を介して一ないし複数の隣接するバスバーに連結され、全てのバスバー11、12が、この補強ブリッジ部13を介して連結されている。従って、バスバー11,12は、一枚板のように相互に連結されてその剛性を担保し、しかも補強ブリッジ部13が硬化された絶縁性接着剤により構成されているので、各バスバー11,12間で短絡することもない。
【0047】
また、この補強ブリッジ部13のうち、複数本の所定補強ブリッジ部13は、バスバー11の細長部11aをその長手方向と略直交する方向に連結する態様で、当該長手方向に並ぶ複数の個所にわたって間欠的に設けられている。従って、回路構成体1は、少なくともその一部において、バスバー11,12と補強ブリッジ部13とにより格子状体を形成し、その箇所での剛性が向上する。さらに、補強ブリッジ部13は、制御回路基板20の縁部(図2及び図3では左右側縁部)に密に設けられている。すなわち、制御回路基板20の縁部は特に外力が作用し易く、撓み易いので、該周縁部を補強して回路構成体1の剛性の向上が図られている。
【0048】
この補強ブリッジ部13を構成する接着層は、前記バスバーと制御回路基板との間の絶縁接着層41よりも厚く形成され、前記補強ブリッジ部13がバスバー11,12の側面にも接着している。特に、本実施形態では補強ブリッジ部13の層厚みがバスバー11、12に近づくにつれ厚くなるように、すなわちフィレット面状に形成され、バスバー11,12同士の相対変位をより確実に抑制するものとなされている。
【0049】
また、補強ブリッジ部13の幅は、後述するブリッジ形成領域40bに塗布される接着剤の使用量や回路構成体1の剛性を考慮して適宜設定されるが、本実施形態では各バスバー11,12の幅と略同等に形成されている。ただし、ブリッジ補強部13について、各バスバー11,12の幅よりも小さいもの、或いは大きいものを排除する趣旨ではない。
【0050】
以上、接着剤は印刷で塗布することが可能であり、これによって製造工程の効率化、自動化を促進することができる。
【0051】
3)実装工程
前記制御回路基板20に設けられている貫通孔22を利用して、当該制御回路基板20とバスバー構成板10の双方に半導体スイッチング素子としてFET30を実装する。
【0052】
前記FET30は、制御回路基板20の貫通孔22を利用して、当該制御回路基板20とバスバー11,12(バスバー構成板10)の双方に実装されている。図8に示すように、ここで用いられるFET30は、略直方体状の本体32と、少なくとも3つの端子(図略のドレイン端子、ソース端子34、及びゲート端子36)とを含んでいる。当該端子のうち、ドレイン端子は前記本体32の裏面に設けられ、ソース端子34及びゲート端子36は本体32の側面から突出して下方に延出され、脚状端子34、36として構成している。具体的には、FET30のソース端子34、ドレイン端子32がバスバー11,12に接続され、ゲート端子36が制御回路基板20に接続される。なお、脚状端子34,36の具体的本数等は、特に限定するものではなく、図8はFET30を例示的に示すものである。
【0053】
このFET30に対応して、制御回路基板20の各貫通孔22には、前記FET30の本体32が挿通可能な矩形状部分22aと、この矩形状部分22aから所定方向に延びて前記FET30のソース端子34が挿通可能な形状をもつ延出部分22bとを含んでいる。そして、前記矩形状部分22aを通じてFET本体32の裏面におけるドレイン端子をバスバー構成板10における入力端子用バスバーの上面に直接接触させて当該バスバー上にFET本体32を実装し、FET30のソース端子(脚状端子)を出力端子用バスバーに接続し、FET30のゲート端子36(脚状端子)を制御回路基板20上の適当な導体パターンに接続する。
【0054】
すなわち、この実装工程では、FET30は全て上側から制御回路基板20と各バスバーの双方に同時実装することが可能であり、従来のようにFET30をバスバー基板と制御回路基板との間の位置で両基板にそれぞれ配線材を介して別個に接続する方法に比べ、組立作業効率は飛躍的に向上する。
【0055】
この実装工程は、例えば各貫通孔22内に印刷等で溶融はんだを塗布し、その上にFET30を載せるだけで簡単に行うことが可能である。
【0056】
なお、バスバー構成板10に含まれるバスバーの中に制御回路基板20の制御回路と直接接続すべきバスバーが存在する場合には、例えば当該バスバーから適当な突起を出させて当該突起を制御回路基板20側にはんだ付けするようにしてもよい。
【0057】
上記したように例えばFET30が実装される領域等、はんだ付けがなされる領域についてはこれらの領域を避けて塗布領域40が設定され絶縁性の接着剤が塗布されていないので、確実に電気的接続が図られる。
【0058】
4)折り曲げ工程
制御回路基板20から左右両外側に突出するバスバー端部を図1、図6に示すように上向きに折り曲げて、外部回路と接続される外部接続端子14を形成する(折り曲げ工程)。このような折り曲げ工程を行うことにより、各端子に対して外部配線材を一方向から接続することが可能になり、その接続作業が簡素化される。
【0059】
これらの外部接続端子14は、例えば共通の車載電源に接続される入力端子、電子ユニットに接続される出力端子または上記FET30のスイッチング動作についての制御信号が入力される信号入力端子として機能する。
【0060】
5)切り離し工程
前記バスバー構成板10におけるバスバー同士をプレス等により切り離して電力回路を完成させる。具体的には、制御回路基板20の外側に露出しているつなぎ部分18を切断、除去すればよい。このつなぎ部分18の除去により、必然的に外枠16も回路構成体から除去されることになる。この切り離し工程後の状態では、全体の高さ寸法(厚み寸法)が非常に小さく、また占有面積も制御回路基板20の面積とほぼ同等に抑えられている。この回路構成体1は、それ単独でも使用することが可能であるが、後述のケース3や放熱部材2をさらに付加することによって防水性や放熱性をより高めることが可能となり、車両用パワーディストリビュータ等に好適な回路構成体1を得ることができる。
【0061】
なお、この切り離し工程は、前記実装工程工程、折り曲げ工程の前に行ってもよい。ただし、端子を構成する外部接続端子14を外枠16または他のバスバーとつないでいる場合には、切り離し工程を先に行う必要がある。
【0062】
6)ケース装着工程
上記切り離し工程で得られた回路構成体に対し、さらに上側から合成樹脂等の絶縁材料からなるケース3を被せる(図1参照)。
【0063】
具体的には、上記ケース3の後述するシール部材充填溝52に上記樹脂用シール部材4を充填するとともに、上記回路構成体1をその外部接続端子14をハウジング54の下端開口に挿通してケース3に回路構成体1を組み付ける。このようにケース3に回路構成体1を予め組み付けておくことによりハウジング54の下端開口に対する外部接続端子14のアライメントを確保することができる。
【0064】
ケース3は、絶縁材からなり、図1に示すように、下側に開口して前記制御回路基板20全体を上側から覆う形状を有し、その中央には前記制御回路基板20を上方に開放する開口部が設けられている。
【0065】
このケース3は、下端面が放熱部材2の後述する回路配設面2aの周縁部に沿う壁部50と、この壁部50の周縁部から下方に延出して放熱部材2の周側面を覆うスカート部51と、上記壁部50の下端面に配設された樹脂用シール部材4とを有し、上記回路構成体1、言い換えると放熱部材2の回路配設領域を取り囲み得るものとなされている。
【0066】
そして、壁部50は、放熱部材2の回路配設領域を取り囲む形状を有し、図7に明示するように、その下端面の全周に亘ってシール部材充填溝52が形成されている。このシール部材充填溝52は、回路配設面2aの回路配設領域を取り囲むように設けられ、樹脂用シール部材4が充填されるものとなされている。
【0067】
また、壁部50は、その周側壁高さが回路構成体1に実装されているFET30の高さよりも高く形成されている。
【0068】
この壁部50の左右両縁部(防水壁52の左右両外側の部分)には、上下に開口する筒状のハウジング54がケース3と一体に形成されている。ハウジング54は、複数箇所に形成され、外部接続端子14とともにコネクタを構成する。
【0069】
この構造では、前記各外部接続端子14とハウジング54とで構成されたコネクタに対し、例えば車両に配索されるワイヤハーネスの端末に設けられたコネクタを結合することにより、当該端子と外部回路とを簡単に接続することが可能となっている。
【0070】
このコネクタハウジング54内においては、図7に示すように、底面よりも下方(放熱部材2側)に没入する樹脂溜まり用凹部55が形成され、この樹脂溜まり用凹部55が形成された領域内に外部接続端子14が挿通されるハウジング54の下端開口が設けられている。
【0071】
この樹脂溜まり用凹部55は、後述する防水用樹脂をハウジング54の下端開口を通して導入し充填するために設けられたものであり、この樹脂溜まり用凹部55内に後述する防水層6を形成してハウジング54の下端開口を通した水の浸入を防止して回路構成体1の短絡を効果的に防止するために設けられたものである。
【0072】
樹脂用シール部材4は、回路配設領域を取り囲む環状形状に形成され、上記シール部材充填溝52に密に嵌合し得るものとなされている。この樹脂用シール部材4は、後述する液状の防水用樹脂が硬化されるまで、この防水用樹脂が漏れ出すのを一時的に防止するために設けられたものであり、従ってその長期にわたっての耐久性が要求されず、比較的安価なものを用いることができる。本実施形態では、上記樹脂用シール部材4として、クロロプレンゴムからなる独立気泡の発泡ゴムが用いられている。
【0073】
7)放熱部材接続工程
前記回路構成体1の各バスバー11,12の下面に図1に示すような放熱部材2の上面である回路配設面2aを接着して両者を合体させる。
【0074】
放熱部材2は、図1に示すように、例えば全体がアルミニウム系金属等の熱伝導性に優れた材料で形成され、その上面が平坦に形成されて回路配設面2aとして構成されている一方、下面から左右方向に並ぶ複数枚の放熱フィン62が下向きに突設されている。この回路配設面2a上には、電力回路部1が配設される回路配設領域が設けられており、この領域からはみ出した状態で絶縁層5が設けられている。この絶縁層5は、放熱部材2に熱的に接続されており、例えば絶縁性の高い接着剤(例えばエポキシ系樹脂からなる接着剤、シリコーン系接着剤等)を塗布して乾燥させることにより形成され、あるいは回路配設面2a上に絶縁シートを貼着することにより形成される。
【0075】
具体的には、この放熱部材2の回路配設領域に接着剤を塗布して、放熱部材2の回路配設領域を取り囲んで回路配設面2a上に樹脂用シール部材4を密着させた状態で、上記回路構成体1が組み付けられたケース3を放熱部材2に取り付ける。このとき、上記接着剤により回路構成体1が放熱部材2の回路配設面2a上における回路配設領域に接合される。
【0076】
ケース3を放熱部材2に取り付けるに当たっては、スカート部51の係止爪53を放熱部材2の対応する箇所に係止することにより行われるが、その他の公知の取り付け方法が採用される。
【0077】
そして、その後、ケース3の上端開口を通して回路構成体1の適所、特に回路構成体1の周縁部とFET30周辺を押圧して回路構成体1を放熱部材2の回路配設領域に強固に接合する。特に本実施形態における回路構成体1によれば、その剛性が担保されているので、この押圧時に回路構成体1が撓み、この状態で接着されるといった事態が抑制される。従って、回路構成体1が極めて薄く形成されていると共に回路構成体1が放熱部材2に密着した状態で接着することができるので、その放熱性を向上することができる。
【0078】
また、このように、回路構成体1を押圧して放熱部材2に接合することにより、電力回路部1の裏面に位置するバスバー10が接着剤に埋没してこの接着剤による絶縁性によりバスバー10間の短絡が確実に防止されるとともに、電力回路部1と放熱部材2との間の熱伝導性を向上させることができる。
【0079】
而して、放熱部材2の回路配設面2a上の回路配設領域に回路構成体1が配設される(回路配設工程)とともに、ケース3によって回路構成体1を含めた放熱部材2の回路配設面2a上における回路配設領域を取り囲んで囲繞壁が形成され、この囲繞壁が防水用樹脂に対する堰堤として機能する。
【0080】
8)防水層形成工程
そして、上記囲繞壁形成工程及び回路配設工程の後、上記ケース3により取り囲まれた空間内に所定量の液状の防水用樹脂を充填してこの防水用樹脂を硬化させて防水層6を形成する。
【0081】
具体的には、まずケース3が取り付けられ、かつ回路構成体1が配設された放熱部材2をその回路配設面2a側が上方に向くようにセットして、ケース3の上端開口から液状の防水用樹脂を充填する。この防水用樹脂は、回路構成体1に実装されている各種電子部品(FET30)を封止する状態にまで充填する。このとき、防水用樹脂は、ハウジング54の下端開口を通してコネクタハウジング54内に溢れ出し、樹脂溜まり用凹部55内の所定高さまで達するようにその量が設定されている。
【0082】
この防水用樹脂は、防水性があればよいが、本実施形態のように液状の樹脂を用いることにより、ケース3の隅々まで防水用樹脂が行き渡り、確実に封止することができる。また、この防水用樹脂として、硬化後も一定の弾力性、保形性を有するものを用いれば、FET30やはんだ等に与える影響も少ないので好ましい。さらに、耐熱性、耐寒性に優れるばかりでなく、電気的絶縁性も良好となるという観点からシリコーン系樹脂などを用いるのが好ましい。また、この防水用樹脂として、接着性を有するものを採用すれば、プライマー等の塗布作業を省略して作業をより簡易なものとすることができる。さらに、防水用樹脂として、熱伝導性に優れたものを採用すれば、放熱部材2による放熱が促進されるだけでなく、防水層6からも放熱され、より放熱性に優れたものとすることができる。
そして、充填された防水用樹脂を、加熱硬化させて防水層6を形成する。而して、この防水層6は、上記ケース3の内側に、上記回路構成体1の少なくとも一部を封止しかつ上記ハウジング54の下端開口を封止するものとなる。
9)蓋体取り付け工程
次に、上記ケース3の上端開口を覆う蓋体7を製造し、上記防水層6を形成した後、この蓋体7を上端開口を覆った状態でケース3に取り付ける。この蓋体7は、上記ケース3の上端開口に対応した板状形状を有し、図示しない係止構造によりケース3に取り付けられ、あるいは接着、溶着等によりケース3に取り付けられる。なお、この蓋体7は、適宜省略することができるが、ケース3内部の露出を回避して、回路構成体1を外部衝撃から保護する観点から、この蓋体7を設けることが好ましい。
【0083】
以上のようにして製造された回路構成体1において、その入力端子(外部接続端子14)に電源を、出力端子(外部接続端子14)に電気的負荷を接続することにより、前記電源から適当な電気的負荷に電力を分配する配電回路が構築されるとともに、当該配電回路の途中に設けられるFET30の動作が制御回路基板20に組み込まれた制御回路によって制御されることにより、前記配電回路の通電のオンオフ制御が実行されることになる。しかも、回路構成体1が放熱部材2に密着した状態で設けられるので、熱伝導効率にも優れ、FET30の能力を十分に発揮することができる。
【0084】
本発明にかかる回路構成体は以上の方法により製造されたものに限られず、少なくとも、そのバスバーが制御回路基板の表面に接着された状態でこれらに電子部品が実装され、かつ前記接着工程では、各バスバー11,12と制御回路基板20とが重ね合わされるバスバー配設領域45のうち少なくともその外形が内側に凸の部分を含む形状であるバスバー配設領域45について互いに独立した複数の塗布領域40を設定し、この塗布領域40に同時に接着剤を塗布するために各塗布領域40に対応した形状の複数の開口部91をもつメタルマスク90を用いて接着剤を印刷により塗布するとともに、各塗布領域40の形状及び開口部91の形状を内側に凸の部分を持たない形状とすることにより、全体構成の簡素化及び薄型化、経済性の向上という効果を享受することができる。
【0085】
なお、以上に本実施形態に係る回路構成体について説明したが、この発明に係る回路構成体は、上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。例えば、以下のような変更が可能である。
【0086】
▲1▼図10は、この発明の他の実施形態に係る回路構成体の制御回路基板をその塗布領域140と共に示す背面図である。
【0087】
この他の実施形態では、破線で示される複数のバスバー配設領域145内にそれぞれ複数の塗布領域140が互いに独立して複数設定されている。
【0088】
各塗布領域140は、全て矩形状をなし、従ってこの塗布領域140に対応して設けられたメタルマスク等のマスク(図示せず)の開口部も全て矩形状で構成されている。
【0089】
そして、屈曲部分をもつバスバー配設領域145について設定されている塗布領域140は、屈曲部分で区分けされ、これにより全ての塗布領域140が矩形状に設定されている。なお、この他の実施形態においては、バスバー配設領域145の屈曲部分について二つの領域に区分けされているが、三つ以上の領域に区分けするものであってもよい。例えば、屈曲部分について三角形の塗布領域を配し、その両側に矩形状の領域を配し、これにより複数の独立の塗布領域によって構成されるものであってもよい。
【0090】
各塗布領域140は、バスバー配設領域145の幅よりも僅かに狭い幅を有し、バスバー配設領域145をはみ出さない範囲で極力大きな塗布領域140の面積が確保されている。すなわち、上記実施形態における図2,図3に示した構造と異なり、近接するバスバー配設領域145を跨ぐ塗布領域は設定されていない。
【0091】
また、各塗布領域140は、バスバー配設領域145の幅よりも僅かに狭い幅を有し、バスバー配設領域145をはみ出さない範囲で極力大きな塗布領域140の面積が確保されている。すなわち、上記実施形態における図2,図3に示した構造と異なり、近接するバスバー配設領域145を跨ぐ領域に設定されているものはない。
【0092】
さらに、同一のバスバー配設領域145内における隣接する塗布領域140の間隔が比較的狭く設定され、制御回路基板120にバスバー(図示せず)を重ね合わせた際には、隣接する塗布領域140に塗布された接着剤が押し潰されてバスバーと制御回路基板120との重ね合わせ面の略全面に拡がり、この略全面にわたって絶縁接着層が形成されるものとなされており、これにより両者が確実かつ強固に接着される。
【0093】
このように本発明において塗布領域40、140の具体的形状や大きさは仕様に応じて適宜設定可能である。
【0094】
なお、この他の実施形態では、制御回路基板120に形成される貫通孔122、バスバー配設領域145の具体的配置態様等も上記実施形態における制御回路基板20と異なるが、要は、接着工程では、各バスバーと制御回路基板120とが重ね合わされるバスバー配設領域145のうち少なくともその外形が内側に凸の部分を含む形状であるバスバー配設領域145について互いに独立した複数の塗布領域140を設定し、この塗布領域140に同時に接着剤を塗布するために各塗布領域140に対応した形状の複数の開口部をもつメタルマスク(図示せず)を用いて接着剤を印刷により塗布するとともに、各塗布領域40の形状及び開口部91の形状を内側に凸の部分を持たない形状とすることにより、上記実施形態と同様の効果を享受することができる。
【0095】
▲2▼本発明において使用される電子部品は、前記FET30に限定されるものではなく、リレー、サイリスタ、LSI等のバスバーにより形成される電力回路側に接続される通電端子と制御回路基板20側に接続される制御端子とを含むものであれば広く適用が可能である。
【0096】
【発明の効果】
以上のように、本発明は、電力回路を構成する複数のバスバーを、その電力回路中に設けられる電子部品の駆動を制御する制御回路基板の表面に接着したので、簡素かつ薄型の構造で電子部品を含む電力回路を構築することができる。しかも、その構築にあたって従来のものと比して、作業効率は飛躍的に簡略化される。また、この接着にあたって使用される接着剤を有効利用すると共に上記接着剤のはみ出し量を低減して、より経済的に回路構成体を製造することができる。さらに、マスクの破損を防止し、ひいてはマスクの交換頻度を低減して経済的に回路構成体を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態の回路構成体を含む車両用パワーモジュールを分解して示す斜視図である。
【図2】同回路構成体の制御回路基板をその塗布領域と共に示す背面図である。
【図3】同回路構成体のバスバー構成板と制御回路基板とを接着した状態で示す背面図である。
【図4】図3におけるIV−IV線断面図である。
【図5】図4における一部拡大図である。
【図6】回路構成体を分解した状態で示す斜視図である。
【図7】同回路構成体を含む車両用パワーモジュールの一部断面図である。
【図8】同回路構成体におけるFETの実装状態を示す斜視図である。
【図9】本実施形態の回路構成体を製造する場合に用いるメタルマスクを示す平面図である。
【図10】この発明の他の実施形態に係る回路構成体の制御回路基板をその塗布領域と共に示す背面図である。
【符号の説明】
1 回路構成体
10 バスバー構成板
11、12 バスバー
11a、12a 細長部
11b、12b 本体実装部
13 補強ブリッジ部
20 制御回路基板
22 貫通孔
30 FET(電子部品)
40 塗布領域
45 バスバー配設領域(重合領域)
90 メタルマスク
91 開口部

Claims (4)

  1. 電力回路を構成する複数本のバスバーと、その電力回路中に設けられる電子部品の駆動を制御する制御回路基板とを備えた回路構成体を製造する方法であって、
    略同一平面上に並んだ状態で配列された複数本のバスバー及び前記制御回路基板のうち前記制御回路基板の表面に接着剤を塗布して両者を接着する接着工程を含み、
    この接着工程では、各バスバーと制御回路基板とが重ね合わされる重合領域のうち少なくともその外形が内側に凸の部分を含む形状である重合領域について互いに独立した複数の接着剤塗布領域を設定し、これらの塗布領域に同時に接着剤を塗布するために各塗布領域に対応した形状の複数の開口部をもつマスクを用いて接着剤を印刷により塗布するとともに、各塗布領域の形状及び開口部の形状を内側に凸の部分を持たない形状としたことを特徴とする回路構成体の製造方法。
  2. 請求項1記載の回路構成体の製造方法において、前記接着工程では、少なくとも一部の塗布領域を互いに近接する複数の前記重合領域に跨る領域に設定することを特徴とする回路構成体の製造方法。
  3. 請求項1または請求項2記載の回路構成体の製造方法において、前記接着工程後に前記電子部品を所定のバスバーと前記制御回路基板との双方に実装する実装工程を含み、前記塗布領域は前記重合領域のうち前記電子部品の実装箇所を避けて設定することを特徴とする回路構成体の製造方法。
  4. 請求項1ないし請求項3記載の回路構成体の製造方法において、前記接着工程では、前記バスバー同士をつなげた状態で形成されたバスバー構成板と制御回路基板とを接着し、この接着工程後にバスバー同士を切り離すことを特徴とする回路構成体の製造方法。
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