JP4107046B2 - 走行距離積算装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、走行距離積算装置にかかり、特に、車両に設けられた走行距離積算装置(所謂オドメータ)の値と等価かつ正確な走行距離を積算する走行距離積算装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
車両には、一般的に走行距離を積算するオドメータが設けられており、当該オドメータによって車両の走行積算距離を把握することができるようになっている。
【0003】
近年では、電子式オドメータが一般的とされており、電子式オドメータは、一般に不揮発性メモリを有効に書き換え、かつ冗長性をもたせて非常に厳密なデータ管理を行うようになっており、データ消失、データ化け、改ざん等に対する防止措置を施して構成されている。
【0004】
また、ナビゲーション装置等においても、オイル交換タイミングを通告したりする等の目的で車速信号を積算して積算走行距離を算出する付加機能を持つものが多い。
【0005】
例えば、このような付加機能を利用したナビゲーション装置として、特許文献1に記載の技術では、車両のオドメータの走行距離を現在地を検出するナビゲーション装置に予め設定しておいて、ナビゲーション装置内で走行距離を積算して、予め設定された走行距離に達したところで報知するものが提案されている。
【0006】
【特許文献1】
特開2001−41752号公報(第3−4頁、第2図)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の特許文献1等に記載の技術では、車両に搭載されたオドメータほど厳密なデータ保持信頼性を保証しておらず、例えば、車両の走行距離を情報通信端末等の内部アプリケーションまたはセンターに送信して様々なサービスを提供する等の目的に使用する場合には、車両オドメータをLAN等により外部から読み取りできないシステムにおいては、オドメータ値そのものではなく、同等の数値を継続的に情報通信端末内で積算していく必要があるが、オドメータと情報通信端末の起動タイミングの違いによるパルスの取りこぼしによる誤差積算や、電源断時のデータの保持信頼性が問題となる。
【0008】
そこで、情報通信端末内の距離積算を車両オドメータと同等の方法を用いて信頼性を確保すれば問題ないが、そのためには、オドメータと同レベルの書き換え信頼性を持つ不揮発性メモリが必要となりコストが高くなってしまう。
【0009】
また、データ消失、データ化け、改ざん等を防止するための複雑なロジックも必要となるため処理負荷も高くなってしまう。
【0010】
さらに、上述のような信頼性の確保の手法を用いても、情報処理端末が汎用のOS(Operation System:例えば、Windows(R) CE等)を用いた場合に、オドメータの起動時間に対して大きく遅れを生じるので、長期的には誤差が蓄積してオドメータと同数値とならない可能性がある。
【0011】
本発明は、上記事実を考慮して成されたもので、信頼性の高い簡易な走行距離積算装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1に記載の発明は、車速に応じて変化するパルス信号に基づいて、車両の走行距離を積算する走行距離積算装置であって、前記パルス信号のパルス数をカウントしてカウント値を記憶する第1の記憶手段と、前記第1の記憶手段に記憶されたカウント値を所定時間毎に取得して記憶する第2の記憶手段と、を含むことを特徴としている。
【0013】
請求項1に記載の発明によれば、第1の記憶手段では、車速に応じて変化するパルス信号のパルス数がカウントされ、該カウントのカウント値が記憶される。
【0014】
また、第2の記憶手段では、第1の記憶手段に記憶されたカウント値が所定時間毎に取得されて記憶される。
【0015】
すなわち、第1の記憶手段及び第2の記憶手段には、略同一のカウント値が記憶されることになり、2つの記憶手段で走行距離に対応するパルス数が積算されるので、冗長性及び信頼性を簡易な構成で得ることができる。
【0016】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記第1の記憶手段は、前記パルス数をカウントするカウント手段と、カウント手段によってカウントされたカウント値を積算して記憶する副記憶手段と、を含み、
前記第2の記憶手段は、前記副記憶手段に積算して記憶されたカウント値を所定時間毎に取得する取得手段と、前記取得手段によって取得されたカウント値の前回からの増加分を積算して記憶する主記憶手段と、を含むことを特徴としている。
【0017】
請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明において、第1の記憶手段は、カウント手段と副記憶手段を含んで構成され、カウント手段によってパルス信号のパルス数がカウントされて、カウント手段によってカウントされたカウント値が副記憶手段によって積算して記憶される。
【0018】
また、第2の記憶手段は、取得手段と主記憶手段を含んで構成され、副記憶手段に積算して記憶されたカウント値が所定時間毎に取得手段によって取得され、該取得のカウント値の前回からの増加分が主記憶手段によって積算して記憶される。これによって、第1の記憶手段及び第2の記憶手段に略同一のカウント値を記憶することが可能となる。
【0019】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記第1の記憶手段の記憶内容を保持する第1の電源手段と、前記第1の電源手段よりも電源供給能力が高く、前記第2の記憶手段の記憶内容を保持する第2の電源手段と、をさらに含むことを特徴としている。
【0020】
請求項3に記載の発明によれば、請求項1又は請求項2に記載の発明において、第1の電源手段が第1の記憶手段の記憶内容を保持し、第2の電源手段が第2の記憶手段の記憶内容を保持する。そして、第2の電源手段は、第1の電源手段のよりも電源供給能力が高くされている。すなわち、第2の記憶手段は第1の記憶手段に比べて記憶保持能力が高くなるので、第2の記憶手段を主たる記憶手段として使用することが可能となる。
【0021】
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の発明において、前記第2の記憶手段に比べて、電源投入時の起動時間が早いことを特徴としている。
【0022】
請求項4に記載の発明によれば、請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の発明において、電源投入時の起動時間を第2の記憶手段に比べて第1の記憶手段の方を早く起動することにより、第1の記憶手段によって、パルス信号のパルス数をカウントすることができるので、起動時のパルス信号の取りこぼしを防止することができる。
【0023】
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載の発明において、前記第2の記憶手段によって、前記第1の記憶手段に記憶されたカウント値を所定時間毎に取得して記憶する際に、前記第2の記憶手段に記憶されたカウント値が前記第1の記憶手段に記憶されたカウント値より大きい場合に、前記第1の記憶手段に記憶されたカウント値を前記第2の記憶手段に記憶されたカウント値に置き換えて前記第1の記憶手段に記憶されたカウント値を修正する修正手段をさらに含むことを特徴としている。
【0024】
請求項5に記載の発明によれば、請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載の発明において、第1の記憶手段及び第2の記憶手段には、同一のカウント値または第1の記憶手段のカウント値の方が若干大きい値のカウント値が記憶されるが、第2の記憶手段に記憶されたカウント値が第1の記憶手段に記憶されたカウント値より大きい場合には、第1の記憶手段の記憶内容が消失している可能性がある。そこで、修正手段によって、第1の記憶手段に記憶されたカウント値を第2の記憶手段に記憶されたカウント値に置き換えて修正することによって、第1の記憶手段のカウント値を正確な値とすることができる。
【0025】
なお、請求項1乃至請求項5の何れか1項に記載の発明は、請求項6に記載の発明のように、第1の記憶手段に記憶されたカウント値及び第2の記憶手段に記憶されたカウント値を、校正する校正手段をさらに含むようにしてもよい。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態の一例を詳細に説明する。なお、本実施の形態は、車両に搭載された情報通信端末装置で用いる、車両の走行距離を積算する走行距離積算装置に本発明を適用したものである。
【0027】
図1には、本発明の実施の形態に係わる走行距離積算装置10の概略構成を示す。
【0028】
図1に示すように、走行距離積算装置10は、第1の記憶手段としてのサブ制御部12と、第2の記憶手段としてのメイン制御部14から構成されている。
【0029】
サブ制御部12は、CPU16、ROM18、RAM20、及びSRAM22等がバス24に接続されたマイクロコンピュータで構成されており、バス24には、この他にメイン制御部14とデータの送受信を行うための通信インタフェース(I/F)26、及び外部の装置にデータを入出力するための入出力I/F28が接続されている。
【0030】
サブ制御部12は、メイン制御部14に比べて電源オン時に高速で起動するマイクロコンピュータとされており、車両に搭載されたオドメータと同等の起動性を有する。
【0031】
また、サブ制御部12の入出力I/F28には、車両の走行速度(以下、車速という)に応じて変化するパルス信号を発生する車速センサ30が接続されており、該車速センサ30より出力されるパルス信号がサブ制御部12に入力されるようになっている。
【0032】
なお、車速センサ30から出力されるパルス信号は、本実施の形態では、637×4パルスで1kmとして換算するが、これに限るものではなく、適宜設定することが可能である。
【0033】
サブ制御部12のROM18には、車速センサ30より入力されるパルス信号のパルス数をカウントするための16bitのカウンタプログラムや、32bitのカウンタプログラム等が記憶されている。なお、以下では、サブ制御部12で動作する16bitのカウンタをイベントカウンタ、32bitのカウンタをサブカウンタと称す。
【0034】
また、SRAM22には、イベントカウンタのカウント値及びサブカウンタのカウント値がそれぞれ記憶されるようになっている。
【0035】
一方、メイン制御部14もサブ制御部12と同様に、CPU32、ROM34、RAM36及びSRAM38がバス40に接続されたマイクロコンピュータで構成され、バス40に、サブ制御部12とデータの送受信を行うための通信I/F42、及び外部の装置にデータを入出力するための入出力I/F44が接続されている。
【0036】
また、ナビゲーション機能や車両とは別の情報センタ等に接続して様々なサービスを受けることが可能な車載情報通信端末装置46が走行距離積算装置10に接続されている。
【0037】
車載情報通信端末装置46には、ナビゲーション機能やその他の機能(例えば、所定距離毎にオイル交換を報知するオイル交換報知機能等)等に利用する、車両のオドメータに相当する走行距離情報を表すメインテナンスカウンタ48を備えている。
【0038】
メインテナンスカウンタ48は、メイン制御部14の入出力I/F44に接続されており、走行距離積算装置10によって得られる走行距離情報がメインテナンスカウンタ48に出力されるようになっている。詳細には、後述するメインカウンタのカウント値または必要に応じてメインカウンタのカウント値を変換した値がメインテナンスカウンタ48に出力されるようになっている。
【0039】
なお、メインテナンスカウンタ48は、通常の状態においてオドメータと等価な数値となるが、その数値自体は各種サービスの目的に応じて、必ずしもオドメータと同じ10進表示である必要はなく、サービスの目的によっては、表示をユーザから意味のわかりにくいよう特定のルールに基づいて、暗号化したものとしてもよい。また、走行距離に連動(比例)した数値であれば、km相当値に変換したものに限定する必要はない。
【0040】
また、メインテナンスカウンタ48は、データがリセットされた場合でもサービス上、リセットを検知して、補正、継続が可能であるものであれば、車両のオドメータの数値と全く等価な保持性を必要とするものではない。
【0041】
メイン制御部14のROM34には、サブ制御部12のサブカウンタによってカウントされたパルス数を所定間隔で取得してカウントする32bitのカウンタプログラム等のプログラムが記憶されている。なお、以下では、メイン制御部14で動作する32bitカウンタをメインカウンタと称す。
【0042】
また、SRAM38には、メインカウンタのカウント値がそれぞれ記憶されるようになっている。
【0043】
さらに、メイン制御部14及びサブ制御部12には、車両に搭載されたバッテリ50から電源を得るための電源供給回路52が接続されており、それぞれ電源供給回路52から駆動用の電源を得るようになっている。なお、電源供給回路54からメイン制御部14及びサブ制御部12に電源が供給されるのは、イグニッションスイッチがオンまたはACC(アクセサリ電源オン)の位置にあるときであるが、後述するように、メイン制御部14のRAM46やSRAM38には常時電源が供給されている。
【0044】
電源供給回路52は、上述のように車両に搭載されたバッテリ50から電源を得るようになっており、詳細には、車両のイグニッションのオンオフに拘わらず、電源を得ることができる常時電源に接続されており、メイン制御部14及びサブ制御部12のRAM18、36やSRAM22、38等に記憶された内容を保持できるようになっている。
【0045】
また、車両の使用が長期間なされずに、バッテリ50から電源が得られなくなってしまった場合等に、メイン制御部14のRAM36やSRAM38に記憶された内容を保持することができるようにバックアップ電源として、バックアップ電池54が接続されている。すなわち、車両のバッテリ50交換等で電源が断たれた場合にもメイン制御部14のRAM36やSRAM38の記憶内容はバックアップ電池54により長期間保持することができ、通常のバッテリ50あがりや交換作業等でデータが消失してしまうのを防止することができる。なお、バックアップ電池54は、例えば、リチウム電池等の充電可能な電池を適用可能である。また、バックアップ電池54はメイン制御部14に内蔵される。
【0046】
メイン制御部14及びサブ制御部12は、上述のように、常時電源に接続されて、それぞれに記憶された内容を保持する構成とされているが、メイン制御部14及びサブ制御部12の起動は、基本的には車両のイグニッションのオンオフに連動して起動されるようになっている。
【0047】
なお、バッテリ50及び電源供給回路52は、本発明の第1の電源手段に相当し、バッテリ50、電源供給回路52、及びバックアップ電池54は、本発明の第2の電源手段に相当する。
【0048】
ここで、上述のサブ制御部11のイベントカウンタ及びサブカウンタ、並びにメイン制御部14のメインカウンタについて図2を参照して詳細に説明する。
【0049】
図2に示すように、サブ制御部12のイベントカウンタ56は、上述したように16bitのカウンタであり、本実施の形態では、パルス数が65536(216)で、走行距離が25.7kmの換算となる。
【0050】
イベントカウンタ56は、サブ制御部12が起動されて、車速センサ30からパルス信号が入力されると、即座にカウントが開始される。
【0051】
また、サブ制御部12のサブカウンタ58は、32bitのカウンタであり、本実施の形態では、パルス数が約43億(232)で、走行距離が約168万kmの換算となる。
【0052】
そして、イベントカウンタ56は、イベントカウンタ56のカウント値を所定時間毎にサブカウンタ58に出力するようになっており、サブカウンタ58は、イベントカウンタ56から所定時間毎に出力されるカウント値を、RAM20等に一時記憶して、前回のカウント値からの増加分をサブカウンタ58に積算するようになっており、サブカウンタ58のカウント値は、SRAM22に記憶される。
【0053】
また、サブカウンタ58は、サブカウンタ58のカウント値を所定時間毎にメイン制御部14のメインカウンタ60に出力するようになっている。
【0054】
メイン制御部14のメインカウンタ60は、サブカウンタ58と同様に、32bitのカウンタとされ、本実施の形態では、パルス数が約43億(232)で、走行距離が約168万kmの換算となる。
【0055】
メインカウンタ60は、サブカウンタ58から所定時間毎に出力されるカウント値を、RAM36等に一時記憶して、前回のカウント値からの増加分をメインカウンタ60に積算するようになっており、メインカウンタ60のカウント値は、SRAM38に記憶される。
【0056】
なお、イベントカウンタ56は本発明のカウント手段に相当し、SRAM22に記憶されるサブカウンタ58は本発明の副記憶手段に相当し、SRAM38に記憶されるメインカウンタ60は本発明の主記憶手段に相当する。
【0057】
続いて、上述のように構成された走行距離積算装置10の動作の一例について図3〜図5のフローチャートを参照して説明する。なお、図3及び図4は、サブ制御部12の動作の流れを示すフローチャートであり、図5は、メイン制御部14の動作の流れを示すフローチャートである。
【0058】
サブ制御部12では、まず電源が投入されるとステップ100で、イベントカウンタ56及びサブカウンタ58のそれぞれのカウント値がSRAM22から読出されると共に、タイマt1がスタートされる。
【0059】
次にステップ102では、タイマt1に所定時間遅れてタイマt2がスタートされる。
【0060】
そして、ステップ104では、サブカウンタ58のカウント処理が行われる。ここで、図4のフローチャートを参照してサブカウンタ58のカウント処理について説明する。
【0061】
ステップ200では、イベントカウンタ56のカウントが行われる。すなわち、16bitのイベントカウンタ56によって車速センサ30より入力されるパルス信号のパルス数がカウントされる。
【0062】
ステップ202では、タイマt1が100ms経過したか判定され、該判定が否定された場合には、ステップ200に戻ってイベントカウンタ56のカウントが継続される。
【0063】
ステップ202の判定が肯定された場合には、ステップ204へ移行して、イベントカウンタ56のカウント値がRAM20に一時記憶される。
【0064】
そして、ステップ206へ移行して、タイマt1がリセットされて再スタートされる。
【0065】
続いてステップ208では、イベントカウンタ56がオーバーフローしたか否か判定される。該判定は、イベントカウンタ56が16bitのカウンタであるので、65536パルス毎にオーバーフローして、0からのカウントとなるので、前回のRAM20に記憶されたイベントカウンタ56のカウント値が今回のカウント値より大きいか否かを判定することによってなされる。
【0066】
ステップ208の判定が否定された場合には、ステップ210へ移行して、RAM20に記憶された今回のイベントカウンタ56のカウント値と前回のイベントカウンタ56のカウント値の差分が算出され、前回からの増加したパルス数が算出されて、ステップ212へ移行する。
【0067】
一方、ステップ208の判定が肯定された場合には、ステップ214へ移行して、オーバーフロー処理が行われてステップ212へ移行する。該オーバーフロー処理は、前回のカウント値よりも今回のカウント値が小さい場合には、前回からのパルス数の増加分を算出することができないので、65536と前回のカウント値の差分を算出して、今回のカウント値を加算することによって、前回からのパルス数の増加分が算出される。
【0068】
ステップ212では、前回からのパルス数の増加分がサブカウンタ58のカウント値に積算されて、図3のステップ106へ移行する。ここで、図3のフローチャートに戻って説明する。
【0069】
ステップ106では、タイマt2が100ms経過したか否か判定される。該判定が否定された場合には、ステップ104のサブカウンタ58のカウント処理が行われる。
【0070】
ここで、ステップ106の判定が肯定された場合には、ステップ108へ移行して、サブカウンタ58のカウント値がメイン制御部14に出力される。
【0071】
そして、ステップ110では、タイマt2がリセットされて再スタートされ、ステップ112へ移行する。
【0072】
ステップ112では、電源オフか否か判定される。該判定は、車両のイグニッションがオフされたか否かを判定することによってなされ、該判定が否定された場合には、上述のステップ104に戻って、イベントカウンタ56及びサブカウンタ58のカウントが継続される。
【0073】
一方、ステップ112の判定が肯定された場合には、ステップ114へ移行して、イベントカウンタ56のカウント値及びサブカウンタ58のカウント値がそれぞれSRAM22に記憶されて一連の処理を終了する。
【0074】
一方、メイン制御部14では、車両のイグニッションがオンされると、ステップ300で、メインカウンタ60のカウント値がSRAM38から読出される。
【0075】
続いて、ステップ302では、サブカウンタ58のカウント値がサブ制御部12より入力されたか否か判定され、該判定が肯定されるまで、待機してステップ304へ移行する。
【0076】
ステップ304では、サブ制御部12より入力されたサブカウンタ58のカウント値が異常か否か判定される。該判定は、サブ制御部12より入力されたサブカウンタ58のカウント値が、例えば、車両の走行上想定不可能なパルス数であるか否かを判定することによってなされ、該判定が否定された場合には、ステップ306へ移行する。
【0077】
ステップ306では、メインカウンタ60とサブカウンタ58のカウント値の比較が行われ、メインカウンタ60のカウント値よりもサブカウンタ58のカウント値の方が大きいか否か判定される。すなわち、メインカウンタ60とサブカウンタ58のそれぞれのカウント値は、基本的には、一致するかサブカウンタ58のカウント値の方が大きくなり、メインカウンタ60のカウント値の方がサブカウンタ58のカウント値よりも大きい場合には、サブカウンタ58のカウント値が消失していることになるので、メインカウンタ60とサブカウンタ58のカウント値の比較を行う。
【0078】
ステップ306の判定が否定された場合には、サブカウンタ58のカウント値が正常とみなして、ステップ308へ移行する。
【0079】
ステップ308では、入力されたサブカウンタ58のカウント値がRAM36に一時記憶される。
【0080】
続いて、ステップ310では、RAM36に記憶された今回のサブカウンタ58のカウント値と前回のサブカウンタ58のカウント値の差分が算出され、前回から増加したパルス数が算出されて、ステップ312へ移行する。
【0081】
ステップ312では、前回からのパルス数の増加分がメインカウンタ60のカウント値に積算されてステップ314へ移行する。
【0082】
一方、ステップ304の判定が肯定された場合、すなわち、メイン制御部14に入力されたサブカウンタ58のカウント値が異常であると判定された場合には、メインカウンタ60への積算を行わずに、そのままステップ314へ移行する。すなわち、入力されたサブカウンタ58のカウント値が通信またはメイン制御部14の処理負荷等により欠落した場合や、前回と不整合となる(前回のカウント値に対して考え得る範囲を逸脱する)場合は、単発的な異常の可能性もあるため、当該データ(カウント値)を棄却し積算処理を行わない。次回のサブカウンタ58のカウント値が入力された場合には、今回分も含めて積算されるので、問題(パルスの欠落)はなく、積算の信頼性を非常に高くすることができる。
【0083】
また、ステップ306の判定が肯定された場合、すなわち、サブカウンタ58のカウント値が消失している可能性がある場合には、ステップ318へ移行する。
【0084】
ステップ318では、サブカウンタ58のカウント値がメインカウンタ60のカウント値に置き換えられてステップ314へ移行する。すなわち、サブカウンタ58のカウント値がメインカウンタ60のカウント値によって復旧される。
【0085】
なお、ステップ306及びステップ318は本発明の修正手段に相当する。
【0086】
続いて、ステップ314では、電源オフか否か判定される。該判定は、車両のイグニッションがオフされたか否かを判定することによってなされ、該判定が否定された場合には、上述のステップ302に戻って、メインカウンタ60のカウントが継続される。
【0087】
一方、ステップ314の判定が肯定された場合には、ステップ316へ移行して、メインカウンタ60のカウント値がSRAM38に記憶されて一連の処理を終了する。
【0088】
このように、本実施の形態に係わる走行距離積算装置10は、サブ制御部12のイベントカウンタ56で車速センサ30から出力されるパルス信号のパルス数がカウントされて、所定時間毎の増加分がサブカウンタ58に積算されて格納され、そして、所定時間毎のサブカウンタ58の増加分がメインカウンタ60に積算されて格納される。すなわち、メインカウンタ60とサブカウンタ58は基本的に同じ数値を積算して格納することになり、2つのカウンタで走行距離に対応するパルス数が積算されるので、冗長性及び信頼性を簡易な構成で得ることができる。
【0089】
なお、上記の実施の形態では、メインカウンタ60はバックアップ電池54によって消失しないことを前提にしたが、バックアップ電池54の消耗(長期に渡るバッテリ50断でのバックアップ電池54の完全放電など)等により、データが消失した場合には、手動で車両のオドメータ数値に復元できるようにしてもよい。すなわち、図6に示すように、メイン制御部14の入出力I/F44及びサブ制御部12の入出力I/F28に車両のオドメータ数値を入力するための校正手段としての入力装置70を接続可能なように構成して、所定の操作が入力装置に行われた時に、メインカウンタ60及びサブカウンタ58のカウント値を書き換えるように構成するようにしてもよい。
【0090】
また、上記の実施の形態では、イベントカウンタ56からサブカウンタ58へカウント値を出力する所定時間t1と、サブカウンタ58からメインカウンタ60へカウント値を出力する所定時間t2と、をそれぞれ100msとしたが、これに限るものではなく、適宜設定するようにしてもよい。また、イベントカウンタ56からサブカウンタ58へカウント値を出力する所定時間t1と、サブカウンタ58からメインカウンタ60へカウント値を出力する所定時間t2と、を異なる時間としてもよい。
【0091】
また、上記の実施の形態では、イベントカウンタ56、サブカウンタ58、及びメインカウンタ60をそれぞれソフトウエアで動作させる構成としたが、これに限るものではなく、例えば、シフトレジスタ等のハードウエア構成を用いるようにしてもよい。
【0092】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、車速に応じて変化するパルス信号のパルス数をカウントして記憶する第1の記憶手段と、第1の記憶手段に記憶されたカウント値を所定時間毎に取得して記憶する第2の記憶手段と、を車速に応じて変化するパルス信号に基づいて車両の走行距離を積算する走行距離積算装置に備えることにより、第1の記憶手段及び第2の記憶手段には、略同一のカウント値が記憶されることになり、2つの記憶手段で走行距離に対応するパルス数が積算されるので、冗長性及び信頼性を簡易な構成で得ることができる、という効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係わる走行距離積算装置の概略構成を示すブロック図である。
【図2】サブ制御部のイベントカウンタ及びサブカウンタ、並びにメイン制御部のメインカウンタを説明するための図である。
【図3】サブ制御部の動作の流れを示すフローチャートである。
【図4】サブカウンタのカウント処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図5】メイン制御部の動作の流れを示すフローチャートである。
【図6】本発明の実施の形態に係わる走行距離積算装置の変形例の概略構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
10 走行距離積算装置
12 サブ制御部
14 メイン制御部
30 車速センサ
50 バッテリ
52 電源供給回路
54 バックアップ電池
56 イベントカウンタ
58 サブカウンタ
60 メインカウンタ
70 入力装置
Claims (6)
- 車速に応じて変化するパルス信号に基づいて、車両の走行距離を積算する走行距離積算装置であって、
前記パルス信号のパルス数をカウントしてカウント値を記憶する第1の記憶手段と、
前記第1の記憶手段に記憶されたカウント値を所定時間毎に取得して記憶する第2の記憶手段と、
を含むことを特徴とする走行距離積算装置。 - 前記第1の記憶手段は、前記パルス数をカウントするカウント手段と、カウント手段によってカウントされたカウント値を積算して記憶する副記憶手段と、を含み、
前記第2の記憶手段は、前記副記憶手段に積算して記憶されたカウント値を所定時間毎に取得する取得手段と、前記取得手段によって取得されたカウント値の前回からの増加分を積算して記憶する主記憶手段と、を含むことを特徴とする請求項1に記載の走行距離積算装置。 - 前記第1の記憶手段の記憶内容を保持する第1の電源手段と、前記第1の電源手段よりも電源供給能力が高く、前記第2の記憶手段の記憶内容を保持する第2の電源手段と、をさらに含むことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の走行距離積算装置。
- 前記第1の記憶手段は、前記第2の記憶手段に比べて、電源投入時の起動時間が早いことを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の走行距離積算装置。
- 前記第2の記憶手段によって、前記第1の記憶手段に記憶されたカウント値を所定時間毎に取得して記憶する際に、前記第2の記憶手段に記憶されたカウント値が前記第1の記憶手段に記憶されたカウント値より大きい場合に、前記第1の記憶手段に記憶されたカウント値を前記第2の記憶手段に記憶されたカウント値に置き換えて前記第1の記憶手段に記憶されたカウント値を修正する修正手段をさらに含むことを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載の走行距離積算装置。
- 前記第1の記憶手段に記憶されたカウント値及び前記第2の記憶手段に記憶されたカウント値を、校正する校正手段をさらに含むことを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れか1項に記載の走行距離積算装置。
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