JP4106689B2 - 表面触感計測装置 - Google Patents
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Description
表面性状計測装置50は、試料51を載置したサンプルステージ52と、L字型のロボットアーム53と、ロボットアーム53の下面53aに固着したセンサー部54と、ロボットアーム53をサンプルステージ52の長手方向(矢印Aの方向)に移動するスライド機構(図示せず)とを備えている。
また、表面性状計測装置50の受感材54cから出力される電圧信号は、微小信号であるにも拘らず、センサー部54をロボットアーム53で平行移動させるため、センサー部54の移動によりセンサー部54に生じうる電気的なノイズを拾うこともある。
また、表面性状計測装置50には、外部からの電気的なノイズや微振動に対する対策がなされておらず、受感材54cにより変換出力される電圧信号中に、電気的なノイズや微振動によるノイズが混入されることもある。
また、センサー部54の試料51との接触面は略平面であるので、試料51の表面の微小な凹凸に対応して、受感材54cの電圧信号が出力しない可能性もありうる。
好ましくは、前記ラバーの底面は平面であるか、ラバーの底面に所定の大きさの突起が配列されているかの何れかである。
好ましくは、前記ラバーはシリコンラバーである。
好ましくは、前記圧電素子はポリフッ化ビニリデン製のフィルムである。
特に、ラバーを、人の指の皮膚に近いシリコンラバーとすることで、人の皮膚感覚に近い状態でデータを得ることができる。また、圧電素子をポリフッ化ビニリデン製のフィルムとすることで、人の皮膚感覚に近い検出感度で検出することができる。また、センサー部を、基体と支柱と横木で構築して横木を位置調整できる枠組みとすることで、試料の大きさに拘わらず、計測を行うことができる。さらに、枠組みと移動機構とを除振台に載置することで、外部振動を除去できて表面触感を計測することができる。この移動機構を螺旋棒とナットとで基本的に構築すれば、装置を小型化し得る。そして、移動機構において、螺旋棒の一端に結合部を設け、この結合部が振動を低減する錘を兼用することで、移動機構に伴う振動を生じさせることなく、ノイズの少ない安定した表面触感を計測することができる。
以上のように、本発明の表面触感計測装置によれば、より皮膚感覚に近く、しかも正確に表面触感に関する情報を得ることができる。その得られる情報は、試料表面を人の指先でなぞったときに感じる触感に匹敵する。
図1は表面触感計測装置の好ましい一例を示す概略斜視図、図2は図1の表面触感計測装置の右側面図、図3は図1の表面触感計測装置の正面図である。
図1の表面触感計測装置1は、試料2を載置するサンプル台3と、サンプル台3を搭載して装置の長手方向(図の矢印Bの方向)に移動する移動機構4と、試料2の表面との触感を検知するセンサー部5を備えている。
支柱7の間に横木8を渡して架設する。例えば、支柱7には鉛直方向に所定の長さだけ溝7bが掘られている。一方、横木8の支柱7側の面にはネジ穴が穿設してある。横木8を所定の高さに位置調整してその両端のネジ穴に溝7bからネジ8aを挿入して横木8を支柱7間に架け渡して固定する。
また、移動機構4、基体6及び支柱7は、例えばアルミ製の除振台9上に配置されており、外部からの振動、特に微振動が伝達しないようにすることが好ましい。除振台9の上面の両サイドには金属製の取っ手9aが設けられている。さらには、除振台9の底面に、例えばその四隅に、耐震ゴムのインシュレーター9b、すなわち、円柱の足が配置されることで、外部振動を完全に遮断することが好ましい。
移動機構4は、例えば、図1に示すように、スイッチボックス41のスイッチ42でON、OFFされるモータ43を動力源として、モータ43の回転力を例えば歯車44で伝達して作用する。モータ43は、電気的、磁気的な電気ノイズを発生しにくいDCステッピングモータであることが好ましい。また、モータ43の動力源のエネルギー源、すなわち商用周波数AC電源として、ノイズを発生しない電源を用いるのが好ましい。
図4の移動機構4は、一対の基体6の間に配置される。移動機構4は、一対の基体6に平行、すなわち、サンプル台3を移動する方向に螺旋棒4aを配置する。螺旋棒4aの一端は、結合部4bを介してトランス4cに結合する。結合部4bは、螺旋棒4aとトランス4cとを接続するだけでなく、所定の重量を有しており振動を可及的に低減する。トランス4cは、結合部4bを介してモータ43の回転力を螺旋棒4aに伝達する。一方、螺旋棒4aの他端は支持部(図示せず)で回転可能に支持される。トランス4cや歯車44などで駆動部が構成される。
これにより、モータ43からトランス4c及び結合部4bを介して螺旋棒4aに伝達された回転力が、螺旋棒4aとナット4dとの螺合で抵抗を受けずに、螺旋棒4aが回転してナット4d、挟掴部4e及びサンプル台3が移動しやすくなるとともに、サンプル台3に振動を可及的に与えない。
準備として、サンプル台3に試料2を載せた状態で、センサー部5の底面、すなわち、ラバー5aの底面が試料2の表面と接触する高さに横木8を合わせてネジ8aでネジ留めする。その際、支柱7に印字などして設けた目盛り7c(図3参照)を活用することで高さ調整を容易に行うことができる。
図5はセンサー部の別形態の底面図、図6はその側面図である。図5及び図6のセンサー部10は、図1のセンサー部5と同じように、試料表面と接触するラバー10aと、ラバー10aの側面、すなわち、サンプル台2の移動方向を法線方向とする面にそれぞれ装着した圧電素子10bとで構成される。ラバー10aは銅板10cを介在して横木8の底面に固着される。図1のセンサー部5の試料表面との接触面は平面であるのに対して、このラバー10aの底面側には所定の大きさの半球面状の突起10a1が配列してある。図では、サンプル台3の移動方向に3個、それに垂直な方向に12個の合計36個配列されているが、別に突起10a1の数は図示した場合に限定されることなく、一列であってもよい。また、突起10a1はその下面が丸みを帯びた形状となっているが、図示の場合に限定されるものではない。このように、ラバー10aの底面に突起10a1を配列したことで、試料2の接触面積を必要な大きさとし、スムーズに移動機構4によりサンプル台3を移動できる。また、試料2の表面を摩擦力で損傷することなく、試料2の表面の触覚に関する情報を得ることができる。
また、以上の説明においては、基体6、支柱7及び横木8で構築した枠組みに、センサー部5,10を移動しないように支持固定しているが、枠組みはこの場合に限定されることなく様々な枠組みであっても構わない。また、圧電素子5b,10bに電気的、磁気的なノイズが入らないように、除振台9の上に、基体6、支柱7、横木8、センサー部5,10、サンプル台3、試料2及び移動機構4を、シールドボックスで覆うようにしてもよい。
このように、本発明は、上記した例に限定されることなく、特許請求の範囲に記載した範囲内において適宜変更でき、これらも本発明の範囲に含まれる。
2 試料
3 サンプル台
4 移動機構
43 モータ
4a 螺旋棒
4b 結合部
4c トランス
4d ナット
4e 挟掴部
4f 上板
4g 側板
4i レール
5,10 センサー部
5a,10a ラバー
10a1 突起
5b,10b 圧電素子
5c,10c 銅板
6 基体
7 支柱
8 横木
9 除振台
Claims (4)
- 試料表面との触感を検知するセンサー部と、試料を載置するサンプル台とを備えた表面触感計測装置において、
上記センサー部に対して上記サンプル台を移動する移動機構と、
上記移動機構を挟んで所定の間隔を開けて配設した一対の基体と、該基体にそれぞれ固着して立設した支柱と、該支柱間に高さ調整可能に架設した横木とで構築された門型の枠組みと、
上記一対の基体と上記移動機構と上記支柱とを配置した除振台と、
を備え、
上記横木に上記センサー部が固着され、
上記センサー部が、上記サンプル台上の試料表面と接触するラバーと該ラバーの側面に装着した圧電素子とを備え、
上記移動機構が、上記サンプル台に固着するナットと、該ナットに螺合して挿着する螺旋棒と、該螺旋棒を回転駆動する駆動部と、上記螺旋棒に平行に配設した一対のレールとを備え、
上記横木の高さ調整により上記センサー部を上記サンプル台上に載置した試料の表面に接触させつつ、上記駆動部による上記螺旋棒の回転に伴い上記ナットが上記レール上を平行移動して上記サンプル台が移動することで、表面触感を計測することを特徴とする、表面触感装置。 - 前記ラバーの底面は平面であるか、ラバーの底面に所定の大きさの突起が配列されているかの何れかであることを特徴とする、請求項1に記載の表面触感計測装置。
- 前記ラバーはシリコンラバーであることを特徴とする、請求項1または2に記載の表面触感計測装置。
- 前記圧電素子はポリフッ化ビニリデン製のフィルムであることを特徴とする、請求項1〜3の何れかに記載の表面触感計測装置。
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