JP4106303B2 - アンテナ給電部 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は,近接した2つの人工衛星からの送信電波を同一のパラボラ反射鏡を用いて受信するのに好適な2衛星受信用のアンテナ給電部に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来,一台のパラボラアンテナ反射鏡面に,複数の一次放射器を設けたマルチビームアンテナで使用するアンテナ給電部に用いられていた一次放射器は,一列に接近させた複数のホーン部が結合された本体部と,前記各ホーン部に夫々連通している複数の導波管部と,これら導波管部の端部に形成された周波数変換部(コンバーター)との結合用フランジを有し,前記各導波管部のうち両外側に位置するものが,外方に折り曲げられて構成したものが知られている。(例えば,参考文献参照)
【0003】
【特許文献】
特開平11―41028号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし,従来のアンテナ給電部に用いられる一次放射器のように,複数の導波管の両外側に位置するものを,外方に折り曲げて設けていることから,上記導波管に接続されるコンバーターは外形寸法が多少大きくとも,互いに接することなく取付けられた。ところが,導波管を折り曲げて設けることで,コンバーターを接続したときに,このアンテナ給電部の外形寸法が大きくなるといった問題があった。更に,導波管を折り曲げて加工するためには,複雑な金型が必要となると共に,アルミ材等を用いて成形するための工程も増えて,コストアップとなる問題があった。
また,上記一次放射器を,上記各ホーンと導波管の軸線と軸線が結ぶ面に対して,上下方向に分割して形成する方法も考えられるが,この方法によれば,上下を組み付けるときに,防水対策を必要とすると共に,上下の接触面を密着させないと,高周波特性が悪くなるといった問題があった。
本発明は,こうした問題点を解決するためになされたものであり,その目的は,近接した2つの人工衛星からの送信電波を同一のパラボラ反射鏡を用いて受信するのに好適な2衛星受信用のアンテナ給電部を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するためになされた請求項1に記載の発明は,2つの人工衛星から送信され,同一のパラボラ反射鏡にて反射・収束された電波を夫々受け入れる一対のホーンと,当該各ホーンに連通し,端部に次段機器接続用のフランジを備えた導波管と,を一体的に形成してなる一次放射器を備え,当該一次放射器の各導波管には,水平・垂直偏波分波器を介してコンバーターが設けられたアンテナ給電部であって,上記ホーンと導波管とは夫々同一軸線上に形成されると共に,当該軸線が平行となるように左右に近接して対称的に配置され,上記水平・垂直偏波分波器と導波管との連結部から上記ホーンの先端部に至る一次放射器の任意部位には,パラボラアンテナのアームの先端に設けられた支持体に対し,当該一次放射器を,上記ホーンの夫々の軸線に平行で且つ当該軸線間の中心を通る一次放射器の軸線を中心として回動自在に装着し,所望回転角度で固定するための偏波角調整部が設けられ,上記水平・垂直偏波分波器は,上記各ホーンと同一中心軸線上に配置され,上記電波の受入口を一次放射器側に備えた円形導波管と,断面形状が長方形に形成され,上記各円形導波管に対し,夫々,相互に同方向を向いて並ぶ状態で上記円形導波管の軸線と直交する方向に連結された,水平偏波信号用及び垂直偏波信号用の分岐導波管と,を備え,しかも,一方の水平・垂直偏波分波器における各分岐導波管の軸線と,他方の水平・垂直偏波分波器における各分岐導波管の軸線とが,上記ホーン間の中心点から,ホーンの配列方向に対し直交する方向線に対して,左右に夫々,上記2つの人工衛星の衛星軌道上での間隔に応じて設定された一定角度をもつように配置されていることを特徴とする。
【0006】
次に,請求項2に記載の発明は,請求項1に記載のアンテナ給電部において,上記偏波角調整部は,上記一次放射器の軸線から一定距離の周方向に,一次放射器と一体的に形成された嵌合溝からなることを特徴とする。
【0007】
また,請求項3に記載の発明は,請求項1又は請求項2に記載のアンテナ給電部において,上記アームの先端の支持体及び上記一次放射器に,偏波角確認用の目盛り及び指針を表示したことを特徴とする。
【0008】
また次に,請求項4に記載の発明は,請求項1乃至請求項3の何れかに記載のアンテナ給電部において,上記水平・垂直偏波分波器は上記コンバーターと一体的に形成したことを特徴とする。
【0009】
また,請求項5に記載の発明は,請求項1乃至請求項4の何れかに記載のアンテナ給電部において,上記各ホーンの軸線の間隔は略38mmであり,一方の水平・垂直偏波分波器における各分岐導波管の軸線と,他方の水平・垂直偏波分波器における各分岐導波管の軸線とは,上記ホーン間の中心点から,ホーンの配列方向に対し直交する方向線に対して,左右に夫々,略2.6°の角度をもつように配置されていることを特徴とする。
【0010】
また更に,請求項6に記載の発明は,請求項1乃至請求項5の何れかに記載のアンテナ給電部において,上記各水平・垂直偏波分配器における円形導波管の電波の受入口の周縁には,透孔を備えた取付部が3つ形成されており,第1の取付部は,上記受入口方向から見て,透孔の中心と円形導波管の軸線とを結ぶ線分が,当該水平・垂直偏波分波器における各分岐導波管の軸線に対し,円形導波管の軸線を中心として,円形導波管の上方から右回りに略13°傾いた位置にあり,第2,第3の取付部は,上記第1の取付部に対して,上記円形導波管の周方向に略120°毎になるように配置されていることを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下に,本発明を具体化した実施形態の1例を,図面を基に詳細に説明する。図1は本発明のアンテナ給電部の上面図を示す。図2は本発明のアンテナ給電部の側面図を示す。図3は本発明のアンテナ給電部を後方から見た図面である。図4は図2のA−A線(水平・垂直偏波分波器のフランジ面)における断面図である。図5は図2のB−B線(一次放射器のフランジ面)における断面図である)。図6は本願のアンテナ給電部を用いたアンテナを用いた受信システムの実施例を示す。
【0012】
1は本願のアンテナ給電部を示す。このアンテナ給電部1は,2つの人工衛星から送信され,同一のパラボラ反射鏡にて反射・収束された電波を夫々受け入れる一対のホーン2a,2bと,当該各ホーン2a,2bに連通し,端部に次段機器接続用のフランジ部6を備えた導波管部4とを一体的に形成した一次放射器7を形成している。3は上記ホーンの開口面側に取付けられる樹脂製材料で形成されたキャップである。5は上記一次放射器と一体的に形成され,当該一次放射器の周方向に設けられた嵌合溝である。ホーン2aと2bとの間隔の中心は,この一次放射器の中心でもあり,さらに上記嵌合溝5はこのホーン2aと2bとの間隔の中心を中心点として,上記フランジ部6からホーン2a,2bの先端部にいたる任意部位に成形されている。この一次放射器は本発明においてはアルミ材を用いて金型成形している。
【0013】
10a,10bは水平・垂直偏波分波器であり,一次放射器7に対応させて一対用意されている。ここでは水平・垂直偏波分波器10aについて説明する。尚,水平・垂直偏波分波器10bも全く同じ金型で成形されており詳細な説明は省く。この水平・垂直偏波分波器10aは,上記ホーン2aと同一中心軸線上に配置された,上記電波の受入口を一端に備えた円形導波管11aと,当該円形導波管11aに対して,夫々コンバーター接続用で且つ夫々断面形状が長方形の,水平偏波信号用の分岐導波管12aと垂直偏波信号用の分岐導波管13aとが,相互に同方向を向いて並ぶ状態で上記円形導波管11aの軸線111aと直交する方向に上記円形導波管11aと一体的に成形してある。本発明ではアルミ材を用いて金型成形している。
【0014】
15aは水平偏波受信用のコンバーター,17aは垂直偏波受信用のコンバーターであり,上記分岐導波管12a,13aの方向,言い換えれば水平偏波信号の出力と,垂直偏波の出力に対応させて取付けられている。16a,18aは出力端子であり,本発明ではF型コネクターを用いている。
【0015】
更に詳しく説明する。ホーン2a,2bは本発明においては,軸線の間隔が38mmとなるように配置されている。この間隔は,衛星軌道上に4°間隔で配置された2つの衛星を受信するために必要であり,パラボラアンテナ反射鏡の開口径と,F/D比(焦点距離/アンテナ開口径)に基づいて最適化されるものであり,本発明においてはアンテナ開口径が75cmの場合について説明してある。
【0016】
上記ホーン2a,2bの端部には,図5に示すように当該各ホーンと一体的に導波管部4が形成されており,各ホーンに対して夫々円形導波管4a,4bが連通されている。これらの円形導波管4a,4bの端部にはフランジ部6が形成されており,当該フランジ部には上記円形導波管4a,4bの周縁に配置されたネジ穴9,9…が,次段機器である水平・垂直偏波分波器10aのフランジ20aに形成された取付透孔23a,23a…に相対抗する位置に形成されていると共に,防水パッキング(図示されていない)を取り付け可能とする取付溝8a,8bが形成されている。本発明においては上記各ホーン2a,2aの軸線と,上記各円形導波管4a,4bの軸線は同一線上にあり平行配置されている。
【0017】
上記フランジ6には水平・垂直偏波分波器10a,10bが取付けられる。水平・垂直偏波分波器10aについて説明すれば,当該水平・垂直偏波分波器10aのフランジ20aに設けられ,取付透孔23aを有した取付部22a(本発明の実施例においては3ヶ所)と,当該透孔23aに相対抗して設けられた,一次放射器の導波管4aの周縁に設けられたネジ穴9,9,9とでもって,ネジ21,21,21で上記一次放射器7の導波管4aと水平・垂直偏波分波器10aは連接される。この水平・垂直偏波分波器10aは上記各ホーン2aと同一中心軸線111a上に配置された,上記電波の受入口を一端に備えた円形導波管11aと,当該円形導波管11aに対して,夫々コンバーター接続用で且つ夫々断面形状が長方形の,水平偏波信号用の分岐導波管12aと垂直偏波信号用の分岐導波管13aとが,相互に同方向を向いて並ぶ状態で上記円形導波管11aの軸線111aと直交する方向に上記円形導波管11aと一体的に成形してある。
【0018】
分岐導波管12a,13aは上述のように断面形状が長方形,即ち,一般に矩形導波管と称される構造となっている。本発明の実施例においては,分岐導波管12aはその長手方向を,上記軸線111aの方向と平行にしてあり,水平偏波信号を出力する。また,分岐導波管13aはその長手方向を,上記軸線111aと直交する方向にしてあり,垂直偏波信号を出力する。
夫々の分岐導波管12a,13aの出力端部には,これらの出力端部を取り囲むように連続して形成された,コンバーター取付孔(図示されていない)を備えさせたフランジ14aが形成されている。
【0019】
上記フランジ14aには,分岐導波管12aに対向する位置に,水平偏波信号を周波数変換するコンバーター15aが取付ネジ25,25,…でもって接続される。分岐導波管13aに対向する位置に,垂直偏波信号を周波数変換するコンバーター17aが取付ネジ25,25,…でもって接続される。
水平・垂直偏波分波器10bについても同様な構成となっているため,説明は省略する。
【0020】
ここで,上記水平・垂直偏波分波器10a,10bと一次放射器の取付部について図4を基に詳細に説明する。
ここでも水平・垂直偏波分波器10aについて説明する。この水平・垂直偏波分波器10aの円形導波管11aの一端に備えた受入口の周縁には,透孔23aを備えた取付部22aが3ヶ所形成されており,その第1の取付部の配置は,上記円形導波管11aの軸線111aを中心として,更には,上記受入口方向から見て,上記取付部22aに備えた透孔23aの中心と,上記水平・垂直偏波分波器10aにおける水平偏波信号用及び垂直偏波信号用の分岐導波管12a,13aの軸線18a,19aとのなす角度が,円形導波管11aの上方から右回りに分岐導波管方向12a,13a方向に略13°傾いた位置にあり,第2,第3の取付部は,上記第1の取付部に対して,上記円形導波管の周方向に略120°毎になるように配置され,水平・垂直偏波分波器10aとフランジ6とは連結されている。
【0021】
上記水平・垂直偏波分波器10aは,図3に詳しく示すように,上記一次放射器7に対して傾かせて取付けられている。この取付角度は,上記水平・垂直偏波分波器10aの分岐導波管12a,13aの軸線18a,19a(図においては18aは見えない)と,円形導波管11aの軸線111aと11bの軸線111bとの中心,即ち上記一次放射器7の中心軸から,円形導波管11aと11bの配列方向に対して直交する方向線100とのなす角度が,図のように右回りに2.6°となるように配置され,水平・垂直偏波分波器10bは,図のように左回りに2.6°となるように配置されており,上記方向線100を挟んで,水平・垂直偏波分波器10aと10bとは相互に5,2度傾斜して取付けられている。この傾きは,上述のように衛星軌道上に4°間隔で配置された2つの衛星から送られてくる電波の相対的な偏波面の傾きに合わせるために必要なものである。
【0022】
この本発明においては,上述のように衛星軌道上に4°間隔で配置された2つの衛星から送られてくる電波を,75cmのアンテナで受信する例を示しているのであるが,これらの電波を効率よく受信するためには,ホーンの配置や偏波面調整が最適化される必要がある。本発明ではホーン2a,2bの配置寸法は,各ホーンの中心間が38mmである。更には,これらのホーン2a,2bに連通させて導波管4a,4bが同一軸線上に平行になるように形成されている。このように形成された一次放射器7には,水平・垂直偏波分波器10a,10bが,方向線100を挟んで相互に5.2°傾かせて取付ける必要がある。つまりはこの狭い間隔において,一次放射器のフランジ6と,水平・垂直偏波分波器10aのフランジ20a,10bのフランジ20bとの接続を効率よく,しかも防水性能を維持して実現する必要が生じる。更に加えて,ドライバー等の一般的な工具でもって取付可能にすることも必用である。
【0023】
本発明の実施例に示す水平・垂直偏波分波器10aの分岐出力12a,13aと水平・垂直偏波分波器10bの分岐出力12b,13bは,各分波器の軸線に対して直交するように形成されている。また,コスト削減,在庫管理等を考慮して,水平・垂直偏波分波器10a,10b全く同じ金型から成形したものでもって構成させてある。従って本発明のように,ホーンの間隔が38mmにおいて,水平・垂直偏波分波器10a,10bを取付けるのに取付部22a,23aの配置が,上記各分岐導波管によって隠れることなく,加えて相互に干渉しない位置であって,ドライバー等の一般的な工具で,防水性や耐久性等の性能を劣化させずに取付けられる条件を満足させるには,図3に示す如く配置する必要がある。
【0024】
即ち,水平・垂直偏波分波器10a,10bの取付部22a,23aは夫々3ヶ所であって,その第1の取付部(図3の円形導波管の上部に位置する)は,上記円形導波管11a,11bの軸線を中心として,更には,上記受入口方向から見て,上記取付部22a,22bに備えた透孔23a,23bの中心と,上記水平・垂直偏波分波器における水平偏波信号用及び垂直偏波信号用の分岐導波管の軸線とのなす角度が,円形導波管の上方から右回りに分岐導波管方向に略13°傾いた位置にあり,第2,第3の取付部は,上記第1の取付部に対して,上記円形導波管の周方向に略120°毎になるように配置させてある。これによって,取付部が相互にぶつかることなく,また,分岐出力に隠れることなく取り付けができるのである。
【0025】
このように構成されたアンテナ給電部1の使用例について図6を用いて説明する。本発明の実施例において,2つの衛星はJCSAT−4A(スカイ,東経124°)とJCSAT−3(パーフェクTV,東経128°)である。ホーン2aではJCSAT−3からの12.25〜12.75GHz帯の電波を受信する。
本発明のアンテナ給電部1は,パラボラアンテナのアームの先端に設けた支持体(図示はされていない)と上記アンテナ給電部1の嵌合溝5とを回動可能に嵌合されているので,受信する場所ごとにパラボラアンテナに対するアンテナ給電部1の偏波角の調整を行うように構成されている。更には,支持体と一次放射器には,目盛りと指針を表示させて偏波角の設定量が容易に分かるようにしてある。
【0026】
ホーン2aによって受信された信号は水平・垂直偏波分波器10aによって,垂直偏波信号と,水平偏波信号とに分波される。垂直偏波信号は局部発振周波数が11.2GHzの周波数変換部を備えたコンバーター部17aによって1048〜1533MHzのパーフェクTVの垂直信号(以下,パーフェクTV V信号)に変換されて出力される。水平偏波信号は局部発振周波数が10.678GHzの周波数変換部を備えたコンバーター15aによって1590〜2070MHzのパーフェクTVの垂直信号(以下,パーフェクTV H信号)に変換されて出力される。
【0027】
同様に,ホーン2bではJCSAT−4Aからの12.25〜12.75GHz帯の電波を受信する。ホーン2bによって受信された信号は水平・垂直偏波分波器10bによって,垂直偏波信号と,水平偏波信号とに分波される。垂直偏波信号は局部発振周波数が11.2GHzの周波数変換部を備えたコンバーター部17bによって1053〜1533MHzのスカイの垂直信号(以下,スカイ V信号)に変換されて出力される。水平偏波信号は局部発振周波数が10.678GHzの周波数変換部を備えたコンバーター15bによって1590〜2070MHzのスカイの垂直信号(以下,スカイ H信号)に変換されて出力される。
【0028】
このように出力された,CS−IF信号は相互に重なっているため,アンテナからの出力を一本のケーブル56で宅内に引き込むために周波数帯の配列をし直す。本発明の実施例では,スカイのIF出力をブロックコンバーター52によって周波数変換する。例えば,スカイ V信号は局部発振周波数1069MHzの周波数変換部によって2122〜2602MHzの第2のスカイ V信号に変換される。また,スカイ H信号は局部発振周波数1069MHzの周波数変換部によって521〜1001MHzの第2のスカイ H信号に変換される。そのときの周波数配列は図7の(A)に示す。
【0029】
これらの信号を混合器53によって混合すれば,上記アンテナによって受信された信号は,スカイ H信号,パーフェクTV V信号,パーフェクTV H信号,スカイ V信号と配列されて引き込み線56一本で宅内に引き込むことができる。この時,スカイは放送の信号が出ているIF帯域(V,H共に高域の250MHz帯域)だけを混合するようにフィルターが設けられており,そのときの周波数配列は図7の(B)に示す。
この引き込まれた信号の内スカイの信号は,宅内に設けられたブロックコンバーター58によって再度もとのCS−IF帯に周波数変換された後,必用に応じて分配器等によって分配されてから,夫々チューナー61に入力される。そのときの周波数配列は図7の(C)に示す。
図6において,51はアンテナ,53はスカイ H信号,パーフェクTV V信号,パーフェクTV H信号,スカイ V信号を混合する混合器,54は混合された信号を適宜増幅するCS−IF帯の増幅器である。増幅された信号は,分岐器55,分配器56でもって必要数に応じて分配される。宅内に引き込まれた信号はブロックダウンコンバーター58に入力される。その後,分配器によって必用に応じて分配されてから,テレビ端子60から出力される。62はテレビである。
65,66はVHF,UHFアンテナであり,混合器67で混合された後,VU増幅器68で適宜増幅される。増幅された信号は分岐器69,分配器70で必要数分配されてから宅内に引き込まれる。その後分配器71で分配されてから,テレビ端子を介して出力されている。
尚,本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく,本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各部の構造や配置を適宜に変更して実施することも可能である。
【0030】
【発明の効果】
以上詳述したように,請求項1に記載のアンテナ給電部によれば,一次放射器は,2つの人工衛星から送信され,同一のパラボラ反射鏡にて反射・収束された電波を夫々受け入れる一対のホーンと,当該各ホーンに連通し,端部に次段機器接続用のフランジを備えた導波管と,を一体的に形成することにより構成されており,しかも,ホーンと導波管とは夫々同一軸線上に形成されると共に,当該軸線が平行となるように左右に近接して対称的に配置されている。
このため,本発明によれば,一次放射器を,簡単な金型構成によって成形でき,成形の容易性や,コストの削減が可能であるといった点において優位性があると共に,次段以降に接続する機器がホーンと同一軸線上に連接することによって,アンテナ給電部の外形寸法が小型化できるといった優位性も合わせて持つ。
また,一次放射器の各導波管には,水平・垂直偏波分波器を介してコンバーターが設けられるが,この水平・垂直偏波分波器は,各ホーンと同一中心軸線上に配置され,電波の受入口を一次放射器側に備えた円形導波管と,断面形状が長方形に形成され,各円形導波管に対し,夫々,相互に同方向を向いて並ぶ状態で上記円形導波管の軸線と直交する方向に連結された,水平偏波信号用及び垂直偏波信号用の分岐導波管とを備え,しかも,一方の水平・垂直偏波分波器における各分岐導波管の軸線と,他方の水平・垂直偏波分波器における各分岐導波管の軸線とが,上記ホーン間の中心点から,ホーンの配列方向に対し直交する方向線に対して,左右に夫々,上記2つの人工衛星の衛星軌道上での間隔に応じて設定された一定角度をもつように配置されている。
このため,本発明のアンテナ給電部は,一次放射器に対して,同じ金型から作成した水平・垂直偏波分波器を左右に取付け,衛星の配列状態によって生じる相対的な偏波面の傾きを補正するために,水平・垂直偏波分波器を夫々傾斜させたものとなるが,その取付部が分岐導波管によって隠れることなく,相互に取付部が干渉せずに,加えて一般的な工具であるドライバー等を用いて,簡単且つ確実に一次放射器に水平・垂直偏波分波器を接続することができる。よって,金型作成費の削減,組立ての容易性等を有したアンテナ給電部を提供できる。
【0031】
また,本発明のアンテナ給電部において,水平・垂直偏波分波器と導波管との連結部からホーンの先端部に至る一次放射器の任意部位には,パラボラアンテナのアームの先端に設けられた支持体に対し,当該一次放射器を,上記ホーンの夫々の軸線に平行で且つ当該軸線間の中心を通る一次放射器の軸線を中心として回動自在に装着し,所望回転角度で固定するための偏波角調整部が設けられている。
このため,2つの人工衛星から到来する電波の偏波角に対し最適となるよう,一次放射器の回転位置を調整できると共に,その調整を確実に且つ簡単に行うことができる。
なお,偏波角調整部は,例えば,請求項2に記載のように,一次放射器の軸線から一定距離の周方向に一次放射器と一体的に形成された嵌合溝にて構成するとよい。
また,請求項3に記載のように,アームの先端の支持体及び一次放射器に,偏波角確認用の目盛り及び指針を表示すれば,偏波角の調整をより簡単に行うことができる。
【0032】
次に,請求項4に記載のアンテナ給電部によれば,水平・垂直偏波分波器がコンバーターと一体的に形成されているので,構成が簡単なアンテナ給電部を提供することができる。
【0033】
また,請求項5に記載のアンテナ給電部においては,各ホーンの軸線の間隔は略38mmであり,一方の水平・垂直偏波分波器における各分岐導波管の軸線と,他方の水平・垂直偏波分波器における各分岐導波管の軸線とは,上記ホーン間の中心点から,ホーンの配列方向に対し直交する方向線に対して,左右に夫々,略2.6°の角度をもつように配置されている。
このため,このアンテナ給電部によれば,衛星軌道上での配列位置が4°離れている2つの人工衛星からの電波を,75cmのパラボラアンテナ反射鏡で持って受信するのに最適なアンテナ給電部を提供できる。
【0034】
次に,請求項6に記載のアンテナ給電部においては,水平・垂直偏波分配器における円形導波管の電波の受入口の周縁には,透孔を備えた取付部が3つ形成されており,第1の取付部は,上記受入口方向から見て,透孔の中心と円形導波管の軸線とを結ぶ線分が,当該水平・垂直偏波分波器における各分岐導波管の軸線に対し,円形導波管の軸線を中心として,円形導波管の上方から右回りに略13°傾いた位置にあり,第2,第3の取付部は,上記第1の取付部に対して,上記円形導波管の周方向に略120°毎になるように配置されている。
このため,このアンテナ給電部によれば,全く同じ金型から成形した2つの水平・垂直偏波分波器を一次放射器に接続する際に,水平・垂直偏波分波器の取付部が,分岐導波管によって隠れたり,互いに取付部がぶつからないように配置すると共に,一般的に手に入る工具,例えばドライバー等で持って容易に且つ確実に取付が可能であるアンテナ給電部を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のアンテナ給電部の上面図を示す。
【図2】本発明のアンテナ給電部の側面図を示す。
【図3】本発明のアンテナ給電部を後方から見た図面である。
【図4】図2のA−A線(水平・垂直偏波分波器のフランジ面)における断面図である。
【図5】図2のB−B線(一次放射器のフランジ面)における断面図である)
【図6】本願のアンテナ給電部を用いたアンテナを用いた受信システムの実施例を示す。
【図7】本発明の受信システムにおける各部の周波数配列を示す。
【符号の説明】
1…アンテナ給電部,2a,2b…ホーン,3…キャップ,4…導波管部,4a,4b…円形導波管,5…嵌合溝,6…フランジ部,7…一次放射器,8a,8b…取付溝,9…ネジ穴,10a,10b…水平・垂直偏波分波器,11a,11b…円形導波管,12a,12b…水平偏波信号用の分岐導波管,13a,13b…垂直偏波信号用の分岐導波管,14a,14b…フランジ,15a,15b…水平偏波信号用のコンバーター,16a,16b,18a,18b…出力端子,17a,17b…垂直偏波信号用のコンバーター,18a,18b…水平偏波信号用の分岐導波管の軸線,19a,19b…垂直偏波信号用の分岐導波管の軸線,20a,20b…フランジ,21…ネジ,22a,22b…取付部,23a,23b…透孔,25…取付ネジ,
100…方向線,111a,111b…軸線,51…アンテナ,52…ブロックコンバーター,53…混合器,54…CS−IF帯の増幅器,55…分岐器,56…分配器,57…引き込み線,58…ブロックコンバーター,60…テレビ端子,61…チューナー,62…テレビ,65…VHFアンテナ,66…UHFアンテナ,67…混合器,68…VU増幅器,69…分岐器,70…分配器,71…分配器。
Claims (6)
- 2つの人工衛星から送信され,同一のパラボラ反射鏡にて反射・収束された電波を夫々受け入れる一対のホーンと,当該各ホーンに連通し,端部に次段機器接続用のフランジを備えた導波管と,を一体的に形成してなる一次放射器を備え,
当該一次放射器の各導波管には,水平・垂直偏波分波器を介してコンバーターが設けられたアンテナ給電部であって,
上記ホーンと導波管とは夫々同一軸線上に形成されると共に,当該軸線が平行となるように左右に近接して対称的に配置され,
上記水平・垂直偏波分波器と導波管との連結部から上記ホーンの先端部に至る一次放射器の任意部位には,パラボラアンテナのアームの先端に設けられた支持体に対し,当該一次放射器を,上記ホーンの夫々の軸線に平行で且つ当該軸線間の中心を通る一次放射器の軸線を中心として回動自在に装着し,所望回転角度で固定するための偏波角調整部が設けられ,
上記水平・垂直偏波分波器は,
上記各ホーンと同一中心軸線上に配置され,上記電波の受入口を一次放射器側に備えた円形導波管と,
断面形状が長方形に形成され,上記各円形導波管に対し,夫々,相互に同方向を向いて並ぶ状態で上記円形導波管の軸線と直交する方向に連結された,水平偏波信号用及び垂直偏波信号用の分岐導波管と,
を備え,しかも,一方の水平・垂直偏波分波器における各分岐導波管の軸線と,他方の水平・垂直偏波分波器における各分岐導波管の軸線とが,上記ホーン間の中心点から,ホーンの配列方向に対し直交する方向線に対して,左右に夫々,上記2つの人工衛星の衛星軌道上での間隔に応じて設定された一定角度をもつように配置されていることを特徴としたアンテナ給電部。 - 上記偏波角調整部は,上記一次放射器の軸線から一定距離の周方向に,一次放射器と一体的に形成された嵌合溝からなることを特徴とした請求項1に記載のアンテナ給電部。
- 上記アームの先端の支持体及び上記一次放射器に,偏波角確認用の目盛り及び指針を表示したことを特徴とした請求項1又は請求項2に記載のアンテナ給電部。
- 上記水平・垂直偏波分波器は上記コンバーターと一体的に形成したことを特徴とした請求項1乃至請求項3の何れかに記載のアンテナ給電部。
- 上記各ホーンの軸線の間隔は略38mmであり,
一方の水平・垂直偏波分波器における各分岐導波管の軸線と,他方の水平・垂直偏波分波器における各分岐導波管の軸線とは,上記ホーン間の中心点から,ホーンの配列方向に対し直交する方向線に対して,左右に夫々,略2.6°の角度をもつように配置されていることを特徴とした請求項1乃至請求項4の何れかに記載のアンテナ給電部。 - 上記各水平・垂直偏波分配器において,円形導波管の電波の受入口の周縁には,透孔を備えた取付部が3つ形成されており,
第1の取付部は,上記受入口方向から見て,透孔の中心と円形導波管の軸線とを結ぶ線分が,当該水平・垂直偏波分波器における各分岐導波管の軸線に対し,円形導波管の軸線を中心として,円形導波管の上方から右回りに略13°傾いた位置にあり,
第2,第3の取付部は,上記第1の取付部に対して,上記円形導波管の周方向に略120°毎になるように配置されていることを特徴とした請求項1乃至請求項5の何れかに記載のアンテナ給電部。
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