JP4106230B2 - 芳香剤等の徐放性薬剤の放散装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、芳香剤等、徐々に放散される徐放性の薬剤を放散させるための装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、芳香剤は容器に収納した状態で室内等に設置して使用されており、その容器の開口部から芳香剤が徐々に放散されて室内の芳香性が維持されている。
【0003】
そして、芳香剤は一般に徐放性の薬剤であるため、容器の開口部を完全に開口した状態では芳香性を一定期間維持することができず、そのために開口部の開口面積は適度に隙間を形成した蓋体等で閉塞されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、芳香剤を収納する従来のこの種の容器は、容器の開口部を完全に開口させない点で芳香性を一定期間維持するための一応の考慮は払われているものの、容器の開口部からは芳香剤は連続的に放散され、その放散量を制御することはできないし、一端開口部が開口すると、日数の経過とともに芳香効果が徐々に低下することとなり、一定期間経過後にはほとんど芳香性を維持できないのが現状であった。
【0005】
そこで、このような点に鑑み、芳香剤の放散量を制御し、芳香性を維持させるような放散装置も開発されているが、装置の機構が複雑であったり、製造コストが高くつくなどの問題があり、しかも、このような装置をもってしても放散量の制御を十分に行えるわけでない。
このため、実用に供しうるような芳香剤の放散装置は未だ開発されていないのが現状である。
【0006】
本発明は、このような問題点を解決するためになされたもので、必要なときに必要な量だけの芳香剤等の徐放性薬剤を、目的や用途に応じて制御しつつ放散させることができ、しかも構造が複雑化することなくコンパクトな芳香剤等の徐放性薬剤の放散装置を提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、このような課題を解決せんとしてなされたもので、その課題を解決するための手段は、芳香剤等の徐放性薬剤を収容するための収容タンク部7、該収容タンク部7に収容された徐放性薬剤を汲み上げるポンプ機構、及び該ポンプ機構で汲み上げられた徐放性薬剤を放散させるべく開放状態で貯留するための放散貯留部8を具備するポンプ式容器3と、該ポンプ式容器3のポンプ機構を作動させて前記収容タンク部7内の徐放性薬剤を所定量ずつ前記放散貯留部8に供給し、該放散貯留部8に必要量の徐放性薬剤を貯留しうるように制御しながら前記ポンプ機構を電磁的に作動させる電磁的作動体4とを、芳香剤等の徐放性薬剤の放散装置に具備させたことである。
【0008】
電磁的作動体を作動させて、ポンプ式容器のポンプ機構を作動させると、収容タンク部内の徐放性薬剤は所定量ずつ放散貯留部に供給されて、放散貯留部には必要な量のみの徐放性薬剤が貯留され、それ以外の徐放性薬剤は収容タンク部内に貯留されたままの状態に維持される。従って必要なときに必要な量の徐放性薬剤のみを放散させることができ、その放散量も電磁的作動体によって制御することができる。
【0009】
電磁的作動体4は、ソレノイドを備えた作動体ボディ4aと、該作動体ボディ4aに往復動自在に取り付けられた可動片28とで構成され、ポンプ機構は、往復動する可動部分を備え、該可動部分に前記電磁的作動体4の可動片28が係止される係止片27が形成される。
【0010】
このような構成により、電磁的作動体4の可動片28の往動時には、該可動片28がポンプ機構の可動部分の係止片27を押圧し、それに伴ってポンプ機構の可動部分が往動し、一方、可動片28の復動時には、前記可動片28の前記係止片27に対する押圧が解除され、それに伴ってポンプ機構の可動部分が復動するのである。
【0011】
ポンプ機構は、収容タンク部7に孔15を介して連通する流路を有する固定筒12と、該固定筒12の内部に孔16を介して連通する流路を有し且つ該固定筒12内を往復動する可動筒13と、該可動筒13の底部下面側と固定筒12の底部上面側との間に介装されたコイルバネ14と、前記固定筒12の孔15及び可動筒13の孔16をそれぞれ閉塞する閉鎖球17、18とで構成される。
【0012】
この場合、可動片28が可動筒13を具備する可動部分の係止片27に係止されて該可動部分を押圧したときに、該可動筒13が往動し、可動片28の可動部分に対する押圧解除時に可動筒13が復動するように構成される。
【0013】
ポンプ式容器3と電磁的作動体4は、たとえばカバー体に着脱自在に装着される。また、ポンプ式容器3の放散貯留部8の近傍には、ファン6を設けることも可能である。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について図面に従って説明する。
【0015】
本実施形態の芳香剤等の徐放性薬剤の放散装置の外側は、図1及び図2に示すように、上カバー体1と下カバー体2とで構成されている。
【0016】
本実施形態の芳香剤等の徐放性薬剤の放散装置は、図3及び図4に示すようにポンプ式容器3と、該ポンプ式容器3のポンプ機構を作動させる電磁的作動体4と、該電磁的作動体4を駆動させる駆動源としての電池5と、前記ポンプ式容器3から揮発する芳香剤を外部に放散させるためのファン6とを具備しており、これらはそれぞれ下カバー体2に配設されている。そして、上カバー体1は、下カバー体2に回動自在に取り付けられており、それによって放散装置が開閉自在となる。
【0017】
さらに、ポンプ式容器3は、図5及び図6に示すように、内部に芳香剤を収容するための収容タンク部7と、該収容タンク部7内の芳香剤を汲み上げるためのポンプ機構と、該ポンプ機構によって汲み上げられた芳香剤を放散させるべく開放状態で一時的に貯留するための合成樹脂製の放散貯留部8とで構成されている。
【0018】
収容タンク部7は、さらに有底四角筒状の合成樹脂製のタンクボディ9と、該タンクボディ9の上部の開口部10を閉塞する略四角形状の合成樹脂製の蓋11とで構成されている。
【0019】
ポンプ機構は、図6に示すように、前記収容タンク部7の蓋11の下面側に固着された合成樹脂製の固定筒12と、該固定筒12内を上下動する合成樹脂製の可動筒13と、該可動筒13の底部下面側と固定筒12の底部上面側との間に介装されたコイルバネ14とで構成されている。固定筒12の底部と可動筒13の底部とには、それぞれ孔15,16 が穿設され、それらの孔15,16 は、合成樹脂製の閉鎖球17,18 によって開閉自在とされている。
【0020】
前記可動筒13の上部には、複数のスリット19が形成されてそのスリット19から前記放散貯留部8へ芳香剤を注入する合成樹脂製の注入栓20が設けられ、その注入栓20が前記放散貯留部8の底部に穿設された取付孔21に嵌挿されて取り付けられている。
【0021】
固定筒12の上部であって、収容タンク部9の蓋11の上面側には、合成樹脂製の補助蓋22が装着されている。この補助蓋22によって、前記固定筒12の上部開口部23や蓋11に穿設された孔24が閉鎖されている。補助筒22の内側には介装体25が装着されている。
【0022】
補助筒22のさらに上部には、合成樹脂製の外筒26が装着されている。この外筒26の下端部が前記補助蓋22のフランジ22a の内側に挿入されて該補助蓋22の開口部が閉塞されている。そして、この外筒26は、前記可動筒13の上部に外嵌されている。外筒26の略中央部には係止片27が外向きに突設されている。この係止片27の上面側には、電磁的駆動体4の可動片28が当接しうるように、該可動片28が前記外筒26に外嵌されている。また外筒26の係止片27の外径は、前記補助蓋22の開口部の径よりも大きく形成され、該外筒26が下降したときに前記係止片27が前記補助蓋22の開口部周縁のフランジ部22aの上面側に係止されるように構成されている。
【0023】
可動筒13の略中央には前記補助蓋22のフランジ部22a の下面側に係止される係止片29が外向きに突設されている。その係止片29の上側の可動筒13の上部13a は、前記外筒26の内面に接触しうるような外径に形成され、該可動筒13の中央部13b も上部13a と同径に形成されている。しかし、可動筒13の下部13c は、該上部13a 及び中央部13b よりも大径に形成され、前記固定筒12の内面に接触しうるように構成されている。それによって可動筒13が固定筒12に対して上下動自在となる。
【0024】
放散貯留部8の略中央には斜面部8aが形成されており、その斜面部8aの一方側(図5及び図6の左側)が底深部8bとして形成され、斜面部8aの他方側(図5及び図6の右側)が底浅部8cとして形成されている。前記注入栓20が挿入される取付孔21は、この放散貯留部8の底浅部8cに穿設されている。放散貯留部8は、全体が受皿状に形成されている。
【0025】
電磁的作動体4は、前記ポンプ式容器3の側方(図3及び図4の右側)に配置されたカバー30内に収納されており、外側が合成樹脂で構成され、内部にソレノイドを具備する作動体ボディ4aと、前記外筒26に外嵌された可動片28とで構成されている。
【0026】
電磁的作動体4を駆動させる駆動源としての電池5は、前記ポンプ式容器3及び電磁的作動体4の下方に配置されている。そして、この電池5は、図3及び図4に示すように左右1対の電池ホルダー5a,5b に保持されている。
【0027】
ファン6は、前記ポンプ式容器3の放散貯留部8の上部に配置されており、そのファン6の周囲には、ファンガイド31が設けられている。下カバー体2の側面側には、芳香剤を放散させる複数の放散孔32が穿設されている。
【0028】
そして、上述のような芳香剤の放散装置は、室内等に設置して使用されるもので、これを作動させる場合には、スイッチ(図示せず)をONNの状態として電磁的駆動体4を駆動させると、電磁的駆動体4の可動片28が上下に往復動し、それによってポンプ式容器3のポンプ機構が作動する。
【0029】
すなわち、図7に示すように可動片28が下向きに移動すると、その可動片28に当接している外筒26の係止片27が押し下げられ、それによって外筒26が下向きに移動する。外筒26が下向きに移動すると、その外筒26の下端部を係止している可動筒13の係止片29が該外筒26の下端部によって押し下げられ、その結果、可動筒13が下方へ往動する。また、それと同時にコイルバネ14は収縮された状態となる。
【0030】
このように可動筒13が下方へ往動すると、その往動に伴う可動筒13の速度と、一瞬浮遊する閉鎖球18の速度に差異が生じ、その結果、可動筒13の底部と閉鎖球18とが離間し、閉鎖球18で閉鎖されていた可動筒13の底部の孔16が開口状態となり、その結果、その孔16から芳香剤が可動筒13内に流入することになる。孔16から流入した芳香剤は、可動筒13内を上昇し、注入栓20のスリット19から放散貯留部8内に流入することになる。
この場合、外筒26の係止片27が補助蓋22のフランジ22a の上面に係止されることにより、外筒26がそれ以上下側に移動するのが禁止され、従って可動筒13もそれ以上下側に移動するのが禁止されることとなる。
【0031】
一方、電磁的作動体4の可動片28の押圧力を解除すると、収縮していたコイルばね14の弾発力が作用して該コイルばね14は上向きに付勢され、それによって可動筒13が上向きに押し上げられることとなり、それに伴って放散貯留部8は元の位置まで付勢される。
【0032】
このとき、固定筒12の底部に、前記収容タンク部7から孔15を介して固定筒12内に流入しようとする流体の押圧力が作用し、閉鎖球17が一時的に押し上げられて浮遊し、その結果、閉鎖球17で閉鎖されていた固定筒12の底部の孔15が開口状態となり、その結果、その孔15から芳香剤が固定筒12内に流入することになる。孔15から芳香剤が流入した後は、閉鎖球17は自重によって固定筒12の孔15の位置まで落下して再び固定筒12の孔15を閉塞し、それによって固定筒12内に流入した芳香剤が固定筒12の外部に逆流するのが防止されることとなる。
【0033】
また可動筒13は上方へ復動するが、閉鎖球18は自重によって可動筒13の孔16の位置まで落下し、その孔16を再び閉塞する。この結果、可動筒13内に流入した芳香剤が可動筒13の外部に逆流するのも防止されることとなる。
【0034】
上述のように電磁的作動体4を作動させて、外筒26の係止片27に対する可動片28の押圧及び押圧解除を交互に繰り返すと、芳香剤は収容タンク部9内から固定筒12内に流入し、さらに固定筒12から可動筒13内に流入するが、その逆流は防止されることとなるので、芳香剤は固定筒12内及び可動筒13内を上昇して放散貯留部8内に間欠的に汲み上げられることとなる。
【0035】
従って、係止片27に対する可動片28の押圧及び押圧解除の繰り返しの回数、可動片28の往復動の単位時間、作動時間等を予め設定して電磁的作動体4の作動を制御しておくと、可動片28の往復動の回数、単位時間等が定まるために、芳香剤は所定の量だけ放散貯留部8内に汲み上げられ、貯留されることとなるのである。
【0036】
このようにして放散貯留部8内に貯留された芳香剤は、放散貯留部8が開放状態にされているので、そのままの状態でも放散されるが、その放散貯留部8の上部近傍にファン6が配置されているので、そのファン6によって放散貯留部8からの芳香剤の放散が促進されることとなるのである。
【0037】
そして、放散貯留部8から放散される芳香剤は、上記ファン6によって放散が促進されつつ、下カバー体2の放散孔32から外部に放出されることとなるのである。尚、ファン6は、図示されていないが、その下側に設けられたファン用のモータによって駆動される。そして、このファン6を駆動するためのモータは、制御器によって回転数等が制御されるように構成されており、それによってファン6の回転数が制御されるように構成されている。
【0038】
以上のように、本実施形態においては、通常は閉塞された状態の収容タンク部7に芳香剤が収容されており、必要なときに必要な量だけの芳香剤がポンプ機構によって収容タンク部7から放散貯留部8へ汲み上げられるので、必要な所定量のみの芳香剤を放散させることができる。
【0039】
しかも、芳香剤の放散貯留部8への汲み上げは、電磁的作動体4を作動させ、可動片28を所定の回数上下動させることで、ポンプ機構を作動させて行えるので、可動片28が上下動する回数を制御手段等で予め設定しておくことで、放散貯留部8に貯留する芳香剤の量も自在に制御することができるのである。
【0040】
また、ポンプ式容器3のポンプ機構を作動させる電磁的作動体4は、作動体ボディ4aと可動片28のみからなるため、電磁的作動体4自体をコンパクトにすることができ、従ってその分装置全体も小型化することができる。
【0041】
尚、上記実施形態では、装置の外側を上カバー体1及び下カバー体2で構成し、その内部にポンプ式容器3と、電磁的作動体4と、電池5と、ファン6とを配設したが、このように装置の外側を上カバー体1及び下カバー体2で構成することは本発明に必須の条件ではない。
【0042】
ただし、このような両カバー体1,2で装置の外側を構成した場合には、室内等に設置するのを容易に行うことができる。特に、上記実施形態のように上カバー体1を下カバー体2に対して開閉自在とし、下カバー体2に、上記のようなポンプ式容器3、電磁的作動体4、電池5等を着脱自在に取り付けた場合には、カバー体1,2やポンプ式容器3、電磁的作動体4、電池5等を個別的に回収することができるという効果がある。
【0043】
さらに、上記実施形態では、収容タンク部7のタンクボディ9が有底四角筒状の合成樹脂製のもので構成され、蓋11が略四角形状の合成樹脂製のもので構成されていたが、収容タンク部7の形状、材質、構造は該実施形態に限定されるものではない。
【0044】
また、該実施形態では、放散貯留部8の略中央に斜面部8aが形成され、その斜面部8aの一方側が底深部8bとして形成され、斜面部8aの他方側が底浅部8cとして形成され、放散貯留部8が全体として受皿状に形成されていたが、放散貯留部8の形状も該実施形態の受皿状に限定されるものではない。また、その材質も該実施形態の合成樹脂に限定されない。
【0045】
要は、ポンプ式容器3は、収容タンク部7と、その収容タンク部7に収容された徐放性薬剤を汲み上げるポンプ機構と、そのポンプ機構で汲み上げられた徐放性薬剤を放散させるべく開放状態で貯留するための放散貯留部8とを具備していればよいのである。
【0049】
さらに上記実施形態では、ポンプ式容器3の放散貯留部8の近傍にファン6を設けたため、放散貯留部8内の芳香剤の放散を促進しうるという好ましい効果が得られたが、このようなファン6を設けることは本発明に必須の条件ではない。
【0050】
尚、本発明は、上記のような芳香剤に適用することを主眼とするものではあるが、芳香剤以外にたとえば消臭剤等にも適用することが可能であり、さらにはこのような臭気を発する薬剤以外に、殺虫剤や防黴剤等の薬剤に適用することも可能であり、要は徐放性の薬剤であればその種類を問わず適用可能である。
【0051】
また、装置に具備させるポンプ式容器3の数も該実施形態のように1個に限らず、2個以上具備させることも可能であり、この場合には、異なる種類の芳香剤を使用することができるとともに、たとえば異なる種類の芳香剤を任意の時間に放散させるようなことも可能となる利点がある。
【0052】
【発明の効果】
以上のように、本発明の芳香剤等の徐放性薬剤の放散装置は、芳香剤等の徐放性薬剤を収容するための収容タンク部、該収容タンク部に収容された徐放性薬剤を汲み上げるポンプ機構、及び該ポンプ機構で汲み上げられた徐放性薬剤を放散させるべく開放状態で貯留するための放散貯留部を具備するポンプ式容器と、該ポンプ式容器のポンプ機構を作動させ、前記収容タンク部内の徐放性薬剤を所定量ずつ前記放散貯留部に供給して所望量の徐放性薬剤を貯留しうるように制御しながら前記ポンプ機構を電磁的に作動させる電磁的作動体とを具備したものであるため、電磁的作動体を作動させて、ポンプ式容器のポンプ機構を作動させると、収容タンク部内の徐放性薬剤は所定量ずつ放散貯留部に供給されて必要な量のみの徐放性薬剤が貯留されることとなる。
【0053】
従って、使用する所定量の徐放性薬剤のみが開放状態の放散貯留部に貯留され、それ以外の徐放性薬剤は収容タンク部に収容されたままの状態であるので、一定期間内にすべての徐放性薬剤が不用意に放散されてしまうことがない。
【0054】
特に、本発明においては、収容タンク部内の徐放性薬剤を放散貯留部へ汲み上げるためのポンプ機構の作動を、電磁的な手段によって行うため、ポンプ機構の作動時間、可動部分の往復動の単位時間、回数等を任意に制御することで、収容タンク部から放散貯留部への供給量を、使用目的や徐放性薬剤の種類等に応じて任意に且つ自動的に制御することができるという効果がある。
また、電磁的な手段を採用しているので、ポンプ機構の作動時間等もデジタルに管理することができるという効果がある。
【0055】
さらに、電磁的作動体を、ソレノイドを備えた作動体ボディと、該作動体ボディに往復動自在に取り付けられた可動片とで構成したため、その可動片をポンプ機構の可動部分に係止させることにより、ポンプ機構の往復動等を簡単な構造で実現できることとなり、その結果、装置全体を小形化することができるという効果がある。
【0056】
さらに、ポンプ機構が、収容タンク部に孔を介して連通する流路を有する固定筒と、該固定筒の内部に孔を介して連通する流路を有し且つ該固定筒内を往復動する可動筒と、該可動筒の底部下面側と固定筒の底部上面側との間に介装されたコイルバネと、前記固定筒の孔及び可動筒の孔をそれぞれ閉塞する閉鎖球とで構成されているため、電磁的作動体を作動させて、可動筒に対する電磁的作動体の可動片の押圧及び押圧解除を交互に繰り返すことで、徐放性薬剤は収容タンク部から固定筒内に流入し、さらに固定筒から可動筒内に流入するが、その逆流は防止されることとなるので、徐放性薬剤は固定筒内及び可動筒内を上昇して放散貯留部内に間欠的に汲み上げられることとなる。このため、放散貯留部への徐放性薬剤の供給も確実に行われることとなる。
【0057】
また、可動筒、固定筒、コイルバネでポンプ機構が構成されるので、ポンプ機構の構造も簡易であり、小型化が図れるという効果がある。
【0058】
さらに、ポンプ式容器と電磁的作動体を、カバー体に着脱自在に装着した場合には、カバー体やポンプ式容器、電磁的作動体等を個別的に回収することができるという効果がある。
【0059】
ポンプ式容器の放散貯留部の近傍にファンを設けた場合には、放散貯留部内の徐放性薬剤の放散を促進しうるという効果がある。
【0060】
以上のように、本発明においては、必要なときに必要な量だけの芳香剤を制御しつつ放散させることができ、しかも構造が複雑化することなくコンパクトな芳香剤等の徐放性薬剤の放散装置を提供することが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施形態の芳香剤の放散装置の外観正面図。
【図2】同外観側面図。
【図3】上カバー体を外した状態の正面図。
【図4】上カバー体を外した状態の斜視図。
【図5】ポンプ式容器の正面図。
【図6】ポンプ式容器の縦断面図。
【図7】電磁的作動体の可動片で外筒の係止片を押圧した状態の断面図。
【符号の説明】
3…ポンプ式容器 4…電磁式作動体
6…ファン 7…収容タンク部
8…放散貯留部 12…固定筒
13…可動筒 14…コイルスプリング
28…可動片
Claims (3)
- 芳香剤等の徐放性薬剤を収容するための収容タンク部(7)、該収容タンク部(7)に収容された徐放性薬剤を汲み上げるポンプ機構、及び該ポンプ機構で汲み上げられた徐放性薬剤を放散させるべく開放状態で貯留するための放散貯留部(8)を具備するポンプ式容器(3)と、該ポンプ式容器(3)のポンプ機構を作動させて前記収容タンク部(7)内の徐放性薬剤を所定量ずつ前記放散貯留部(8)に供給し、該放散貯留部(8)に必要量の徐放性薬剤を貯留しうるように制御しながら前記ポンプ機構を電磁的に作動させる電磁的作動体(4)とが具備され、前記電磁的作動体(4)は、ソレノイドを備えた作動体ボディ(4a)と該作動体ボディ(4a)に往復動自在に取り付けられた可動片(28)とで構成され、ポンプ機構が、往復動する可動部分を備え、該可動部分に前記電磁的作動体(4) の可動片(28)が係止される係止片(27)が形成され、且つ前記ポンプ機構は、収容タンク部(7)に孔(15)を介して連通する流路を有する固定筒(12)と、該固定筒(12)の内部に孔(16)を介して連通する流路を有し且つ該固定筒(12)内を往復動する可動筒(13)と、該可動筒(13)の底部下面側と固定筒(12)の底部上面側との間に介装されたコイルバネ(14)と、前記固定筒(12)の孔(16)及び可動筒(13)の孔(16)をそれぞれ閉塞する閉鎖球(17)、(18)とを具備して構成され、しかも前記可動片(28)は、可動筒(13)を具備する可動部分の係止片(27)に係止されて該可動部分を押圧したときに、該可動筒(13)が往動し、可動片(28)の可動部分に対する押圧解除時に可動筒(13)が復動するように構成されていることを特徴とする芳香剤等の徐放性薬剤の放散装置。
- ポンプ式容器(3)と電磁的作動体(4)が、カバー体に着脱自在に装着されている請求項1記載の芳香剤等の徐放性薬剤の放散装置。
- ポンプ式容器(3)の放散貯留部(8)の近傍にファン(6)が設けられている請求項1又2記載の芳香剤等の徐放性薬剤の放散装置。
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