JP4105768B2 - タンパク質の抽出方法 - Google Patents
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Description
多くの病気の発病及び進行は細胞代謝、抗原特性のパターンの変化及び細胞生産物の定量的及び定性的生産又はそれらの分泌又は遊離における変化を結果として起す。
一つのそのような病気の型は癌でありそして本発明の目的に関連して特に関心を引くのは胃腸(GI)管の癌である。胃腸管からより離れた位置の癌並びに炎症性及び感染性疾患のようなその他の病気も本発明の範囲に含まれる。
胃腸又は近傍の組織の病気にかかった患者の胃腸管から得られる試料にある種の内生的に生産される物質が増加した又は減少した量で又は変化した形態で検出されることは研究者により指摘されている。例えば、以前L1タンパク質と称したタンパク質カルプロテクチンはある病気に反応して白血球から胃腸管に大量に放出される(例えば米国特許4,833,074号及び米国特許5,455,160号参照)。2つの重鎖及び1つの軽鎖からなるカルシウム結合異種複合タンパク質であるカルプロテクチン(Fagerhol等、1990年)、そして別の例としてタンパク質ヘモグロビンが胃腸癌の患者の糞に増加した量で見いだされている(Roseth等、1993年;Young & St. John, 1992年)。
そのような指標タンパク質の異常な量又は形態の検出は重大な予言的及び診断的価値を有する可能性がありそして病気の進行並びに処置及び/又は治療内容の効果を監視するのに有用であろう。その上、タンパク質プロフィルの変化は胃腸管のどの部分から採取した試料によっても検出可能であろうが、この試料が糞の試料であればこれは全く非侵入性の方法により診断及び予後評価をなし得ることを表す。
現在、胃腸起源のそのようなタンパク質の力価を測定するための十分に信頼性があり正確で作業者にやさしいアッセイは存在しない。このことは主として通常は糞である胃腸試料からタンパク質を慣用的な方法例えばELISAによる直接アッセイに適当な形態で抽出するのが困難なことによる。
Fagerhol等の米国特許4,833,074は抗体に基づくカルプロテクチンタンパク質の検出系及び顆粒球からのカルプロテクチンの単離及び精製の方法を開示している。そのような抗体に基づく定量的検出方法はタンパク質を胃腸管より敏感に影響を受ける分離源から抽出する場合有用に働く(後段でより詳細に論ずる)。しかしながら、関心のあるタンパク質を単離する試料は糞を起源とするのが多くの点で極めて望ましいことは明らかである。
糞試料中の分析物の測定法による別の免疫学的定量法がEP-A-0281251に開示されており、この方法は糞試料を種々の防腐剤、分析物安定化剤及び内因性干渉軽減剤を含む水溶液に分散させ、固体を沈降させ、次に液相を分析物検査に使用する。
Fagerhol等の米国特許5,455,160は胃腸試料中のカルプロテクチンの測定のためのキット及び方法を開示している。このキットと方法は癌及び炎症性大腸疾患の検出に使用する診断用具として提示されている。明らかに、この開示は胃腸管に由来する試料における変化したタンパク質濃度の測定及び臨床評価における有用な手段を提示する。しかしながらこの方法には定量精度及び再現性並びに研究室で作業者が手順を実行する際の容易さの点で重大な欠陥がある。
第一に、上述の米国特許5,455,160号の方法は5gの糞という試料の量を使用すると記述しているが、この量を年長又は虚弱な患者から得ることは困難である。そのような大量の糞を必要とすることは、特に試料の凍結を要する場合貯蔵上の問題が生ずる。
もっと大きな問題は、この方法が比較的少量(2X)の緩衝剤中で糞試料を開放管の中で使い捨てでない棒ミキサーを使用して均質化する過程を必要とすることである。明らかにこれは操作の過程で生ずる糞のエアゾルにより研究室作業者に健康上の危険を引き起こす。これは環境及び作業者の汚染、試料の相互汚染の可能性、封入及び清掃上の問題は言うまでもなく、そして一般にそこで働く者にとって不快な環境を生ずる結果となり得る。これらの問題はそのような方法を臨床的手段として日常的に使用することを妨げるであろう。
本発明者等は先行技術の方法の抽出工程により結果として糞試料中に存在するカルプロテクチン総量の約15から30%程度のみを測定していることを証明した(後記する実施例4、表1)。先行技術の方法による一回の抽出で得られるカルプロテクチン量を試料中に存在するカルプロテクチン総量と比較することによりこの発見に至った。試料中のカルプロプロテクチン総量はカルプロテクチンのほとんど全部が抜き取られるように本発明の方法を使用して同じ試料を5回抽出し、次に試料から抽出した5回の量を合計することにより求めた。
さらに、先行技術の方法には本質的にかなりの大きさの変動性があると思われた。
さらに、先行技術の抽出方法の最終生産物は大量の不溶性の粒状デトリタスからなる懸濁物である。そのような粘性の粒状の上清は多くの定量的測定方法、例えば特異的抗体を担持する膜フィルターを使用する方法に使用するには不適当であろう。
従って要約すると、胃腸管に由来する試料から、特に但し唯一のとは言わないが糞から関心のあるタンパク質を、好ましくは当業者に知られたいずれかの方法によるそれらの分析及び/又は定量を容易にする形態で抽出する信頼性のある実際的な方法が求められている。
意外にも今回、先行技術におけるよりはるかに少ない試料、例えば50〜100mgの糞(先行技術の5gと比較して)を使用してはるかに正確で再現性のあるカルプロテクチン又はその他の内生タンパク質の量の定量測定を実行できることを見いだした。同時に、カルプロテクチン測定に使用した同じ糞抽出物についてその他の内生タンパク質例えばヘモグロビンの濃度を測定することができる。本発明者等は胃腸管試料からのタンパク質の測定のための先行技術の方法の問題点を改良し、実際的で、信頼性があり、作業者にやさしい方法である新しい抽出方法を考え出した。
従って本発明の一つの態様は、ヒト又はその他の哺乳動物からの糞を含む胃腸(GI)管試料からのタンパク質の抽出方法に関し、この方法は
a)小量の試料(好ましくは10から500mg、より好ましくは20〜150mgであり、場合により予備秤量する)を少なくとも一つの下記の解離剤、解凝集剤及び/又はキレート化剤からなる水性抽出媒質の過剰量(好ましくは約50倍(v/w)過剰量)と混合する工程、
b)試料を密閉管中で均質化する(好ましくは渦流撹拌による)工程、
c)分散物の固体及び液体物質を分離する(好ましくは遠心分離、追加として又は場合により濾過による)工程、および
d)以後濾液又は上清とも称する透明な液体抽出物を回収する工程
からなり、前記抽出物及びその中のタンパク質はいずれかの適当な方法を使用する定性及び/又は定量測定が可能である。
試料は少ないほど採集、貯蔵および希釈が容易である。試料の採集は年長又は虚弱な患者を考慮する場合又は関心のある試料が糞ではなく、胃鏡検査、内視鏡検査又は他のいずれかの侵入性の方法によらなければ得られない試料の場合特に適している。
試料塊の量を5gから10〜500mg程度、又はより好ましくは20〜150mgへ少なくすることにより抽出媒質によるより大きな試料の希釈効果が得られ、その一方で研究室実務上完全に管理可能な量でもなお処理することが可能になる。2倍量(v/w)の希釈を使用する米国特許5,455,160号の抽出過程に対して本発明では約50倍量(v/w)の希釈が容易である。
理論により制限されることを望むものではないが、とりわけ、抽出媒質の量が多いほど試料の分子成分の媒質への到達可能性が増し、従って関心のあるタンパク質を含む前記成分の可溶化が向上すると推察することができる。
ホモジネートの濃縮度は低いほど液相の均一性が高まり、pH、金属イオン濃度など(これらはすべて糞によって影響を受け得る)の点で最終組成の変動が小さくなる。そのように高度に希釈された試料については抽出媒質の緩衝化、キレート化又は解離能力は使い尽くされることがなく、従って抽出物質例えばタンパク質の抽出収率並びに安定性はより容易に調節することが可能である。
十分な希釈がなされていれば、試料と抽出媒質との間の比はカルプロテクチンの抽出収率にとって重要ではないであろう。これにより、秤量した糞試料を一定量、例えば5mlの抽出媒質と混合することにより若干の手順の簡略化が可能になる。従って、一定量の抽出媒質を含む予め満たしたバイアルを使用することができ、試料の秤量が唯一の変動工程である。
秤量工程を省くことにより手順の一層の簡略化が可能である。経験を積んだ研究室技術者の手によれば、ある程度一定した量、例えば30〜50mgの範囲の糞試料を採集することが可能である。ほとんど一定量の糞の採集は簡単に視覚検査により、又はより再現的にはそのような目的のための採取用具、例えばBoehringer(カタログ番号718211)又はその他の市販用具を使用して実行することができる。従って、秤量工程を含む完全な手順より正確さは劣るが、臨床的に十分な正確さを得ることができる。これは本質的には健康人及び病人の間にはカルプロテクチン濃度に大きな差異があり、従って臨床的に適切であるための正確なデータが常に必要不可欠ではないからである。
クエン酸塩−尿素抽出培地を使用する注意深く秤量した糞試料の多数回抽出は最も信頼性の高い定量結果を与えることが分かっているが、一方で単純化された変法でも驚くべき有用な結果を与えることも示されている。
よって、ループ一回分(約50mg)の糞試料の無クエン酸媒質を使用して実行した抽出により、健康人及び病人の間に高度に有意なカルプロテクチン濃度の差異のあることが分かった。正確さを犠牲にし過ぎることなく、かなりの信頼性と再現性とを有する結果を秤量工程および場合により遠心分離工程を省いたこの簡略化した検査の変法を用いて得ることができる。結局、高度に正確な検査を、例えば癌治療の追跡検査のため選択するか、又はやや精度は劣るがしかしなお臨床的に極めて有用であり、大規模スクリーニングにはより適してさえおり、さらには必要な作業が少なく従って作業者にとってよりやさしい検査を選ぶかは一部分臨床上の問題に左右される選択の問題である。
緩衝剤自体の性質、すなわち、そのpH安定化能力、その濃度及び組成はタンパク質によっては重要であり、胃腸試料中からのこれらのタンパク質の抽出及び安定化に貢献することがあり得る。
本発明の好ましい態様は胃腸試料中からのタンパク質を安定化し、溶離することができる緩衝剤処理抽出媒質を含む。カルプロテクチン抽出の場合、pH8の0.1Mトリス緩衝液が優れた結果を与える。クエン酸塩の存在下において、収率はさらに高く、媒質のpH値はそれほど重要でないことが分かった。実際に、5〜10という広いpH範囲内で本発明の抽出媒質を使用してタンパク質を抽出することが可能である。このことは抽出媒質中のクエン酸塩のその緩衝能力とは関係のない特別な働きを示しており、これについては後段でより詳細に論ずる。
さらに、抽出媒質の分子を分散、解凝集又は脱複合化する能力は予想タンパク質収率に対して極めて大きな影響を与えることが期待される。そこで本発明のもう一つの好ましい態様においては、抽出媒質はタンパク質分子を周囲の細胞、液体及び/又は糞状廃棄物から分離できる一つ又は二つ以上の解離剤を好ましくはおよそモル濃度で含む。そのような薬剤の例としてはSDS又は尿素があるが、当業者に知られたその他の適当な薬剤のいずれでも十分であろう。
解離剤は抽出されるタンパク質にとって、例えば活性分子複合体の不活性単量体への解離を起こすことにより有害なことがあり得るので、解離剤及びその濃度は関心のある特定のタンパク質を想定して選ばなければならないことに注意すべきである。8Mの尿素はカルプロテクチンの単量体化及び不活性化を引き起こすことが示されている(Fagerhol等、1990年)。従って、抽出媒質への1M尿素の配合が有利とする本発明者等による発見は意外であり予想外であった。
解離剤及びその濃度の選択はその抽出収率に対する直接の影響のみならず関心のあるタンパク質又は他の分子の特に貯蔵条件下における安定性に対するすべての影響に基づいてなされるべきである。本発明者等はSDSのような解離剤が抽出物中のカルプロテクチンの収率を上げることを示した。しかしながら、貯蔵時SDSを抽出媒質に使用するとタンパク質は変性を受けやすかった。一方1M尿素の使用は安定した形で収率を増大させ、BSA 0.5〜2%を場合により生理食塩水に加えて抽出媒質に添加するとさらに増大させた。従って本発明の好ましい態様では、抽出媒質はさらに一つ又は二つ以上の解離剤及び/又は解凝集剤を含み、さらにウシ血清アルブミン(BSA)も含むことができる。
Ca2+はカルプロテクチン単量体に特異的に結合することが知られており、カルプロテクチン複合体の安定化を助けると思われる。又、カルシウムイオンはインビボで細胞膜をその上に二価の橋を作ることにより安定化させることが知られている。カルプロテクチンはそのようなカルシウム橋によりその抽出を妨げそれによりカルプロテクチン収率を低下させるように糞中又は腸細胞上の物質に結合すること又はそれにより束縛されることが可能である。これが事実であれば、抽出媒質にカルシウムキレート化剤を含有させるとカルプロテクチン複合体を不溶性細胞残渣から解離し、それによりタンパク質収率の改良が期待される可能性がある。又、上で述べたように、既知のカルシウムキレート化剤であるクエン酸塩の比較的pHと無関係な作用はそのpH緩衝能力よりカルシウム結合に関連する作用を示唆する。
この仮説をさらに究明するため、数種のカルシウムキレート化剤例えばEDTA、EGTA、クエン酸塩及びリン酸塩を抽出媒質に配合しカルプロテクチン収率に対する効果を評価した。EDTAはカルプロテクチンの収率を増すがこのタンパク質は貯蔵時不安定であることが判明した。しかしながらいくらか弱いカルシウム錯化剤、特にクエン酸塩は重大な不安定化作用を示さずにタンパク質収率を増大させた。クエン酸塩は複合体自体からカルシウムを除くことなく糞試料中のカルシウム結合成分を除くか又はこれと競合し、それによりカルプロテクチン複合体を不安定化することなく抽出を容易にすることが可能である。カルプロテクチン、Ca2+、Ca2+キレート化剤及び糞又は胃腸試料の間の微妙な均衡は多分抽出収率及びカルプロテクチン安定性に対しておそらくかなりの影響を与える。
この結果、本発明の好ましい態様においては、抽出媒質は一つ又は二つ以上のカルシウムキレート化剤を例えば10〜250mMの濃度(それらのCa2+に対する親和性による)で含有し、このカルシウムキレート化剤は好ましくはクエン酸塩であるが可能性としては当業者に知られたカルシウムキレート化剤のいずれでもよい。
又、抽出媒質へのキレート化剤の配合には他の利点も考えられる。例えば、Zn2+はカルプロテクチンを結合する能力があり(Raftery等、1996年)、二価金属イオン(Ca2+、Zn2+、Mn2+及びFe2+)はカルプロテクチンの生物学的機能に著しい影響を与える(Yiu等、1997年)ことも知られている。従って、Zn2+の存在はカルプロテクチンの抽出及び/又はアッセイに影響を与えるであろう。精製したカルプロテクチンのアッセイに対するZn2+及び数種の他の金属イオンの影響を研究したところ、Zn2+、Al3+、Fe2+及びFe3+、特にFe2+及びFe3+は低濃度でアッセイを否定的に妨害した。この妨害はキレート化剤、例えばクエン酸塩及び/又はリン酸塩の存在により打ち消すことができた。胃腸試料にこれらのイオンを加えた場合、多分キレート化物質を生産することが知られている細菌が大量に糞試料中に存在することにより、妨害は顕著ではない(Finkelstein等、1983年)。それにもかかわらず、この知見は抽出媒質にとってカルシウム以外のイオンをキレート化する能力を有するキレート化剤を含むのが有利であり得ることを示している。この結果、本発明の好ましい態様においては、抽出媒質は一つ又は二つ以上の他の金属イオンをキレート化する能力のある一つ又は二つ以上のキレート化物質を含有する。
糞試料からカルプロテクチンを遊離させる場合、(カルシウム)キレート化剤及び解離剤(例えば尿素)の増強作用は拮抗的、付加的又は相乗的であり得る。予備実験では尿素及びクエン酸塩は相互依存性を何ら示すことなく付加様式で作用することが示されている。すなわち、異なる糞試料を使用する二つの実験で尿素は約150%そしてクエン酸塩は約225%の収率を与えたのに対して、併用した効果は約270%であった。従って、増強作用は尿素よりクエン酸塩が著しく高いようであるが、二つの薬剤の併用が有利であろう。相対的な効果は試料によって変動するであろうから、恐らく異なる機構により作用するこれら二つの薬剤の併用はより多数の試料からの効率的な抽出を確実にする。
糞又は胃腸試料の起源又は病気の症状又は腸の状態により、米国特許5,455,160の方法に比較して本発明により得られるカルプロテクチン収率の増加はかなり変化し得る。個々の糞試料について見れば、本発明の方法を使用した場合先行技術の方法に比べて3〜20倍の収率の増加が通常認められたが、例外的な場合(約5%)においては増加が認められなかった(後記する実施例4、表2参照)。下痢状液体及び極端な固体状物のような極端な場合を含めて糞試料の自然変動はタンパク質又は関連するエピトープの利用可能性に影響を与える。従って抽出方法の間の直接の相関を予測することはできない。
本明細書記載の方法を使用するタンパク質抽出により透明な上清又は濾液が得られこれは当該分野で既知の適当なアッセイ、好ましくはELISA又はRIA又は上清もしくは濾液を目詰まりすることなく直接付加することができる抗体を担持する膜フィルターの使用に基づくアッセイのような免疫学的測定方法のいずれかを使用するその後のタンパク質分析に適している。
明らかに、この抽出物は適当なアッセイが利用できる試料から抽出した任意のタンパク質、例えばヘモグロビンの測定に直接使用することができる。例えばヘモグロビン及びカルプロテクチンの両方のアッセイを使用する例が報告されており(Gilbert等、1996年)、前記タンパク質は両方とも相互に無関係に胃腸疾患の指標物質である。従って、一つの抽出上清には本方法の診断的価値を高める多数の胃腸疾患マーカー検査に適する物質が存在し得る。
例えば年齢が50歳を超える健康人の糞試料の大規模スクリーニングが将来において勧奨されるであろうと思われる。糞血液に対する現在のスクリーニング検査は多数の誤った陽性及び誤った陰性の結果を与えており、従ってカルプロテクチンによるスクリーニングはそのような検査の補助手段として有用であることが分かるであろう。
本発明の方法により得られる遠心分離した抽出物の透明で粘性のない性質はこの抽出物をその後の検出又はアッセイにおいて直接フィルターに付加し得るという有利な効果を与える。すなわち、特異抗体を担持するフィルターを使用してカルプロテクチンをアッセイする多数の糞試料の内、それらの約3分の1のみが抗体担持フィルターに付加する前、粒状物を除くため遠心分離後濾過することが必要である。これは遠心分離後検査用フィルターに直接かけるのに適した試料が事実上無く、そのような粒状物を除くため濾過した後でさえ僅かに試料の約10分の1のみがそのような付加に適していたという先行技術の方法とは対照的である。
本明細書に開示した抽出方法が迅速且つ経済的であり、汚染のリスクが少なく、安全であり作業者にやさしいことを示した。それは先行技術の方法より実施のための費用が少なくそして時間がかからない。生成する上清は膜フィルター法に使用する場合直接付加することができる点で適しており、従って簡単且つ管理可能な完全なアッセイが提供される。
先行技術の方法を取り巻くすべての問題は本発明により軽減される。より少量を使用することにより小規模で処理することができ、これは密閉系の使用と両立する。先行技術の方法で使用した使い捨てでない均質化用ミキサー棒は使用のたびごとに徹底的な清浄化が必要であり、それでもなお試料相互汚染のリスクが伴っていた。本発明においては、使い捨てでない棒を試料採集に使用する一回使用の接種用ループで置き換え、これは抽出過程の間管の中に残りホモジナイザー棒の機能を果たす。そのような装備は管を渦流撹拌の前に密封し密閉系とすることを可能にする。抽出媒質中で糞試料を均質化する際密閉系を使用することは先行技術の方法に比較して糞便細菌による環境汚染を劇的に減らす結果となる。
密閉系の使用で得られるさらなる利点は自明のことであるが不快な臭気の減少、他の試料との相互汚染のリスクの減少及び比較的な速さおよび試料のタンパク質抽出の後作業空間の清浄化が容易なことである。
さらに付け加えれば、本発明及び先行技術の抽出過程を実行する所要時間を比較したところ、先行技術の過程では32試料からタンパク質富化上清を抽出するのに60分を要したが、本発明の過程では僅かに25〜30分のみを要した。しかも、処理した試料は透明な上清として凍結貯蔵できる。これにより解凍後均質化などに伴う問題が最小になる。
抽出媒質の貯蔵を可能にし微生物損傷を防止するため、保存料、例えばアジ化ナトリウムを必要に応じて媒質に添加してよい。
本発明の別の態様においては、米国特許5,455,160にFagerhol等が開示したカルプロテクチンのアッセイの変法を利用するキットが提供され、これは抗体に基づく検出方法を膜フィルター/カード系と組み合わせており、胃腸管試料抽出物中のカルプロテクチンの定性及び/又は定量的測定のために使用される。
本発明の好ましい実施態様においてはNycoCardTMを使用する。従ってフィルターとしてニトロセルロース膜又はナイロン膜、例えばHybond N(R)(Amersham Internationalが販売)又はMagna Nylon(R)(MSIが販売)を使用する。0.22又は0.45μmの孔径が好都合である。膜は標的分子、例えばカルプロテクチンに結合する能力がある抗体を担持する。吸収性パッド例えばセルロース吸い取り紙を液体試料の膜の通過を促進するため膜の片側に置く。液体不浸透性のシート又はフレームを膜の他の側に置く。円形の孔、例えば直径5mmの孔が不浸透性のシート又はフレームに、膜に液体試料及びアッセイ用液を正確に付加できるように穿設されている。既知の量の試料例えば10〜500μlを膜に付加し下の吸収性パッドの中に通過させる。マーカーである金ゾルコロイドと共役した抗体の水溶液例えば10〜500μlを付加し膜を通過させる。次に膜を2×200μlの分量の適当な洗浄液、例えばトリス塩酸緩衝液(pH7.0)で洗浄し、その後膜に固定された金ゾルの量を通常肉眼で色表と比較して又は反射計を使用して評価する。本発明の抽出液は簡単な計量棒又は膜型フォーマットを使用する糞カルプロテクチンアッセイの一層の簡略化に使用することもできる。臨床研究の結果、本発明の方法はRoseth等(1992年)の方法として臨床的に適当且つ信頼性があり、糞カルプロテクチン濃度と結腸直腸新生物疾患の程度との間の密接な相関の強い証拠となることが示された。
ここで本発明は下記の非限定的な実施例によりさらに例証される。
実施例1a
抽出媒質(水性貯蔵溶液)の一例を下記のように製造した。
0.25M トリス
0.25M クエン酸
2.5M 尿素
0.025M CaCl2
1.25% ウシ血清アルブミン(BSA)
0.05% アジ化ナトリウム
pHを8.0にNaOHを使用して調節し、媒質を孔径0.22μmのフィルターを使用して濾過する。媒質はその後室温で約3ヵ月間又は4℃で約12ヵ月間貯蔵することができる。
実施例1b
実施例1aで製造した抽出媒質の簡略化した変形を下記のように製造した。
トリス 変化しない
クエン酸 除く
尿素 変化しない
CaCl2 変化しない
BSA 0.5%の代わりに1%(最終)
アジド メルチオレートで置き換える;生理食塩水添加
実施例2a
人糞試料からのタンパク質カルプロテクチンの抽出方法。次の実験手順に従った。
1.50〜100mgの糞試料を使い捨て接種用ループで採取し秤量した。
2.ループ及び試料を14m1の抽出管に移した。
3.抽出媒質の貯蔵溶液を上記の実施例1aのように製造した。貯蔵溶液を水で2.5倍に希釈し1:50の全希釈率になるように管に添加した。
4.管を密封し糞試料を抽出媒質で均質化した。
5.均質化は使い捨ての接種用ループを管に残したまま約30秒間過流撹拌し次に振盪機で1400〜1800rpmで20分間振盪することにより実行した。
6.1m1の粗製抽出物をエッペンドルフ2TMミニ遠心管で10,000gで20分間遠心分離して透明な上清を得た。このようにして得られた上清は特異タンパク質濃度を測定するいずれのアッセイに使用するにも適している。
7.このようにして得られた上清は−20℃で貯蔵することができる。
実施例2b
実施例2aに記述した過程の簡略化した変形は秤量及び遠心分離工程を省き、実施例1bに記述した抽出媒質を使用して次のように実行することができる。
1.糞試料の一部を検査用物質を採取する前に棒で均質化する。
2.均質化した糞物質の2ループ分(使い捨て接種用ループ、ループ当たり約100mg)をねじ蓋付き管の10mlの抽出媒質(実施例1bの記述による)中に投入する。ループを抽出媒質ですすぐ。
3.密封管を20〜30秒間渦流撹拌する。
4.管を試料回転機(1〜2rpm)に少なくとも20分間置く。
5.砕片を5〜10分間沈降させる。
6.上層から50μlをアッセイ用に採取する。又は、100μl分を検査するまで−18℃で凍結することができる。
実施例3
環境汚染のリスクの監視
抽出物の製造の間の細菌の拡散を先行技術の過程及び本発明の抽出過程のそれぞれの間に作業場所に隣接する付近(約10〜20cm)に大腸菌群及びその他のグラム陰性細菌の培養に適する栄養寒天平板を置いて評価した。抽出物の製造後平板を集め、37℃で一晩インキュベートし、翌日コロニーの数を数えた。方法及び発生した細菌数を下記及び図1に示す。
先行技術の方法 検査平板で認められたコロニー数
均質化 50〜100コロニー
すすぎ 200コロニー以上
本発明の方法
全工程 5コロニー
二つの異なる方法の際発生したコロニー数の比較は先行技術に比べて本発明で生ずる周辺空間の糞汚染は極めて僅かであることを示している。
実施例4
新しい方法及び先行技術の方法によるカルプロテクチンの抽出収率
(a)カルプロテクチンの総量の確認
糞試料中のカルプロテクチンの総量の評価を得るため、カルプロテクチンの低い値及び高い値を代表するその4個の試料を実施例2の手順を用いて5回抽出し、各抽出物のカルプロテクチン量をELISAにより測定した。すべての試料で、5番目の抽出物は少量のカルプロテクチンを含むのみであったので、5個の抽出物に検出されるカルプロテクチンの合計を各試料に存在する総量を表すものとした。
(b)新しい方法及び先行技術の方法を使用する一回抽出で得られる収率
新しい方法及び先行技術の方法を使用して四つの糞試料からのカルプロテクチンを一回抽出するため実施例2aの方法を使用した。表1に得られた収率を示す。
四つの試料について収率は52から80%の間で変動したが(新しい方法)、これに対して先行技術の方法では5〜18%であった。
(c)新しい方法及び先行技術の方法により得られるカルプロテクチン値の比
糞試料から実施例2aの方法及び先行技術の方法によりカルプロテクチンを一回抽出した。ELISAにより測定したカルプロテクチン濃度及び二つの方法の間の比を表2に示す。
二つの方法で得られた比は0.9から19.6まで変動し、中央値は3.9であった。二つの方法の間の相関の欠如は先行技術の方法の小さく、高度に変動する抽出収率によると思われる(表1)。しかしながら、二つの試料(12および18)の例外はあるが、収率は新しい方法が40〜2000%大きかった。
実施例5
ELISAによるカルプロテクチン及びフィルター法(NycoCardTM)を使用するカルプロテクチン及びヘモグロビンの測定
結腸直腸癌患者からの16個の糞試料から、カルプロテクチン及びヘモグロビンを実施例2の手順により抽出した。透明な上清を通常のELISA法によるカルプロテクチンの測定及び金標識モノクローナル抗体複合体を使用するフィルターカード(NycoCardTM)を使用するカルプロテクチン及びヘモグロビンの測定に使用した。測定値を表3に示す。
アッセイされた糞試料で測定されたカルプロテクチン及びヘモグロビンの量の間に相関は認められない。これは癌の指標物質としてそれらの明らかに無関係な性質により説明できる(Gilbert等、1996年)。
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Raftery, M.J., Harrison, C.A., Alewood, P., Jones, A. & Geczy, C.L.(1996年)、活性化脾臓細胞からのネズミS100タンパク質MRP14(14kDa遊走阻止因子関連タンパク質)の単離:翻訳後修飾及び亜鉛結合の特性決定、Biochemical Journal 316巻:1部、285-293ページ。
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米国特許4,833,074号
米国特許5,455,160号
Claims (25)
- a)10〜500mgの糞試料を尿素を含有する水性抽出媒質の過剰量と混合する工程、
b)試料を密閉容器中で均質化する工程、
c)分散物の固体及び液体物質を分離する工程、そして
d)透明な液体抽出物を回収する工程
からなる、ヒト又はその他の哺乳動物から採取した糞試料からカルプロテクチンを抽出する方法。 - 前記試料の量が20〜150mgである請求項1に記載の方法。
- 工程a)の水性抽出媒質が使用する試料の重量に対して約50倍過剰v/wの比で使用される請求項1又は2に記載の方法。
- 前記試料が使い捨ての接種用ループを使用して採集されそして前記接種用ループが均質化工程b)の間容器中に封入したままである請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
- 固体及び液体物質が工程c)で遠心分離により及び/又は濾過により分離される請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
- 試料が予め決められた一定容量の過剰の水性抽出媒質と混合される請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
- 試料が水性抽出媒質と混合される前に秤量される請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
- 抽出媒質のpHが5〜10である請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
- 抽出媒質が約pH8に緩衝剤で処理される請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
- 前記緩衝剤が約0.1Mトリスからなる請求項9に記載の方法。
- 抽出媒質がさらに一つ又は二つ以上の金属イオンキレート化剤を含む請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
- 前記キレート化剤がクエン酸塩、EDTA、EGTA及びリン酸塩からなる群より選ばれる請求項11に記載の方法。
- 抽出媒質が10〜250mMのクエン酸塩を含む請求項12に記載の方法。
- 抽出媒質がさらに解離剤を含む請求項1〜13のいずれか一項に記載の方法。
- 前記解離剤がSDSである請求項14に記載の方法。
- 尿素が抽出媒質に約1モル濃度で配合される請求項1〜15のいずれか一項に記載の方法。
- 前記抽出媒質がさらにBSAを含む請求項1〜16のいずれか一項に記載の方法。
- 前記BSAが抽出媒質に約0.5〜2%の濃度で配合される請求項17に記載の方法。
- 抽出物に含まれるタンパク質の濃度が測定される請求項1〜18のいずれか一項に記載の方法。
- 抽出媒質がさらに一つ又は二つ以上の抗損傷剤を含む請求項1〜19のいずれか一項に記載の方法。
- タンパク質濃度がイムノアッセイにより測定される請求項19に記載の方法。
- イムノアッセイがELISA、RIA及び膜フィルター型アッセイから選ばれる請求項21に記載の方法。
- (i)尿素を含有する水性抽出媒質、
(ii)抽出したタンパク質を濃度測定のため固定化するための手段
からなる請求項19に記載の方法に使用するためのキット。 - 前記手段がタンパク質に結合しうる膜フィルター担持抗体である請求項23に記載のキット。
- 吸収性パッドが前記膜フィルターの上に置かれておりそして一つ又は二つ以上の孔をそこに有する液体不浸透性シートが前記吸収性パッドから離れた膜フィルターの面の上に置かれており、それにより使用する際抽出したタンパク質を含む前記抽出媒質を一つ又は二つ以上の前記孔を通して前記膜フィルターに適用しそして前記吸収性パッドの中に通過させ、そして前記抽出媒質中のタンパク質を前記抗体に結合させる請求項24に記載のキット。
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