JP4105054B2 - 光スイッチ、不交差電極を備えた方向性結合器型変調器および光通信システム - Google Patents
光スイッチ、不交差電極を備えた方向性結合器型変調器および光通信システム Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、光スイッチ、不交差電極を備えた方向性結合器型変調器および光通信システムに関するものであり、特に光ファイバー通信システムに用いて好適な光スイッチ、不交差電極を備えた方向性結合器型変調器および光通信システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
数Gb/sのデータ転送率の伝送距離を延ばす目的で、外部光変調器を備えた送信器モジュールが、広く使用される。この送信器モジュールは、チャープ(周波数変動)制御能力および低チャープ特性に優れ、チャープにより引起されたアイパターン劣化を最小限にするために用いられる。半導体光変調器は、小サイズおよび低駆動電圧の可能性があるために魅力的である。
【0003】
F.小山教授らにより「外部変調器中の周波数チャープ」というタイトルの論文(非特許文献1参照)で報告された従来の研究において、光方向性結合器変調器がゼロチャープおよび制御可能なチャープ特性の両方を呈することができるかもしれないということが提唱された。
【0004】
R.C.Alferness博士らにより「高速進行波方向性結合器スイッチ/変調器」というタイトルの論文(非特許文献2参照)において、LiNbO3結晶を用いた簡単な方向性結合器型変調器が、7.2GHzで動作したと報告された。変調周波数が数GHzのオーダーになるにつれて、進行波電極構成は、遮断周波数が寄生RC時定数で制限されないという理由により、望ましい。
【0005】
図1は、従来のΔβ反転方向性結合器型変調器2の構成を示す(特許文献1参照)。
【0006】
このΔβ反転方向性結合器型変調器2は、Δβ交換方向性結合のために十分接近している平行制御電極12、13、14、15を備えた1対の光導波路10、11を含んでいる。このようなデバイスを動作させるために、信号源16、17からの反対符号の電気的変調信号を必要とする。ここに、Δβ=β1−β2であり、β1及びβ2はそれぞれ光導波路10及び11を伝播する光の伝播定数である。伝播定数差Δβは、位相不整合とも称されている。
【0007】
Δβ反転方向性結合器型変調器2の全体の結合領域長(相互作用長)Lが、結合長l=π/(2κ)より長く該結合長の3倍より短いの場合には、クロス状態およびバー状態がそれぞれ、特定印加電圧のとき得られる。ここにκは、結合係数である。電圧VcおよびVbは、結合領域長L、結合長l及び位相不整合Δβにより定り、Vc<Vbである。
【0008】
印加電圧がVcのときのクロス状態では、上側(図面上で上側)の光導波路18の入射光は、第1方向性結合器における上側の光導波路10および下側(図面上で下側)の光導波路11の終端で、各々入力電力の50%ずつに分配されている。その後、Δβ反転方向性結合器型変調器の相反性(時間を逆にした動作も真であるという性質)によって、出射光は、第2方向性結合器の光導波路19の終端だけから現れる。印加電圧がVbのときのバー状態では、上側の光導波路18の入射光は、第2方向性結合器の上側の光導波路20の終端にのみ伝播する。従って、構造パラメータの広い公差にもかかわらず、信号電圧により、クロス状態およびバー状態の両方を制御することができる。
【0009】
R.G.Waker博士らは、「低電圧、50Q、25GHzを超過する帯域幅をもつGaAs/AlGaAs進行波変調器」というタイトルの論文(非特許文献3参照)において、分離した共面伝送線路に周期的容量性負荷をかける進行波マッハ・ツェンダー型電気光学変調器を提案した。
【0010】
図1の変調器に該文献を考慮すると、図2に示すようなΔβ反転方向性結合器型変調器4が考えられる。変調信号は、1つの信号発生器21により供給され、負荷22で終端している。
【0011】
第1方向性結合器23および第2方向性結合器24に反対符号の信号を印加するために、図2に示すように中央部5で進行波電極25、26を曲げて交差させなければならない。また、伝播定数差Δβを効率的に得るために、第1および第2方向性結合器を電気的に完全に分離することが強く望まれる。
【0012】
しかしながら、RF波および光伝送特性を劣化させずにこの構造を実現することは、とても困難である。進行波電極の交差は、RF波の反射および弱い接地を引き起す。
【0013】
光導波路に接合される制御電極が1対のみの単純な方向性結合器を用いれば、進行波電極を交差させる必要がないが、よい消光比をもたらすには、チップ長さを正確に結合長の奇数倍にする必要があり、これを達成した方向性結合器型変調器を製造するのは困難である。これに対し、光導波路に接合される制御電極を2対備えた図1のΔβ反転方向性結合器型変調器は、広い製造(寸法)公差をもつので、実用に適しているが、高周波化のために図2の構成を採用しようとすると、上記問題点に高周波化を実現することができない。
【0014】
したがって、上記問題が生じない進行波電極構成および広い製造公差の両方を備えた方向性結合器が要求されている。
【0015】
【特許文献1】
米国特許第4,012,113号明細書
【非特許文献1】
「外部変調器中の周波数チャープ」, IEEE Journal of Lightwave Technology, Vol. LT-6, No. 1, January 1988
【非特許文献2】
「高速進行波方向性結合器スイッチ/変調器」,IEEE Journal of Quantum Electronics, Vol. QE-19, No. 9, September 1983
【非特許文献3】
「低電圧、50Q、25GHzを超過する帯域幅をもつGaAs/AlGaAs進行波変調器」, Electronics Letters, 9 November 1989 vol. 25 No. 23 pp. 1549-1550
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、このような問題点に鑑み、変調の高周波化が可能であるとともに広い製造公差を有する光スイッチ、不交差電極を備えた方向性結合器型変調器および光通信システムを提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明の一態様では、光を伝播させる第1光導波路と、前記第1光導波路に対して光学的な交差が生じる位置関係で配置され、光を伝播させる第2光導波路と、前記第1及び第2光導波路に沿って配置された第1リード電極と、前記第1光導波路に沿いかつ前記交差の部分を挟んで対向配置され、前記第1リード電極を介して前記交差の状態を制御する制御電圧が印加される1対の第1制御電極と、前記第1リード電極と対向配置された第2リード電極と、前記第2光導波路に沿いかつ前記交差の部分を挟んで対向配置され、前記第2リード電極を介して前記制御電圧が印加される1対の第2制御電極と、を備えている。
【0018】
第1光導波路と第2光導波路とを光学的な交差が生じる位置関係で配置した構成によれば、1対の第1制御電極(1対の第2制御電極)に印加される制御電圧の極性を同じにすることができ、これにより、互いに交差しない第1リード電極及び第2リード電極を配置することができ、構造パラメータの製造公差を広くしつつRF性能が改善されてより高周波の変調動作が可能になり、光通信システムの高速化に寄与するところが大きい。
【0019】
また、交差の部分として、2x2マルチモード干渉結合器、X形交差導波路、又は、互いに略平行に接近した状態で配置された第1光導波路および第2光導波路を用いれば、前後の光導波路と同層に交差の部分を形成することができ、立体交差路を備える必要がないので、製造が容易である。
【0020】
また、交差の部分として、互いに略平行に接近した状態で配置された第1光導波路および第2光導波路を用いた場合にはさらに、交差の部分における第1光導波路と第2光導波路との間隔を、他部分における第1光導波路と第2光導波路の間隔よりも狭くすることにより、コンパクトな構成とすることができる。
【0021】
また、本発明の一態様では、第1及び第2方向性結合器部と、該第1方向性結合器部と該第2方向性結合器部との間に接続された光路結合部とを有し、該第1及び第2方向性結合器部はいずれも、方向性結合が生ずるように互いに平行に接近して配置された1対の第1及び第2光導波路と、該第1及び第2光導波路のコア層にそれぞれ電界をかけて該コア層の屈折率を変化させるため、該第1及び第2光導波路にそれぞれ沿って配置された第1及び第2制御電極と、を有し、該第1方向性結合器部の第1及び第2光導波路の一端がそれぞれ該第2方向性結合器部の第1及び第2光導波路の一端に対応するように該第1及び第2方向性結合器が配置された方向性結合器型変調器において、該光路結合部は、該第1方向性結合器部の第1及び第2光導波路の該一端からの光をそれぞれ該第2方向性結合器部の第2及び第1光導波路の該一端に入射させる光交差導波路であり、該第1及び第2方向性結合器部の該第1及び第2光導波路に沿ってそれぞれ配置され互いに交差しない第1及び第2不交差電極と、該第1及び第2方向性結合器部の第1制御電極と該第1不交差電極との間並びに該第第1及び第2方向性結合器部の第2制御電極と該第2不交差電極との間をそれぞれ電気的に接続する第1〜4ブリッジとをさらに有する。
【0022】
ここに不交差電極とは、第1不交差電極と第2不交差電極とが不交差という意味であり、第1不交差電極がこれと同電位の他の電極と交差していてもよい。
【0023】
第1方向性結合器部と第2方向性結合器部との間に光交差導波路が接続されているこの構成によれば、第1と第2の方向性結合器部の制御電極に印加する電圧の極性を同じにすることができ、これにより、互いに交差しない第1及び第2不交差電極を配置することができ、構造パラメータの製造公差を広くしつつRF性能が改善されてより高周波の変調動作が可能になり、光通信システムの高速化に寄与するところが大きい。
【0024】
特に、光交差導波路として、2x2マルチモード干渉結合器、X形交差導波路、又は、クロス状態の方向性結合が生ずるように互いに平行に接近して配置された一対の光導波路を用いれば、前後の光導波路と同層に光交差導波路を形成することができ、立体交差路を備える必要がないので、製造が容易である。
【0025】
また、光交差導波路として、クロス状態の方向性結合が生ずるように互いに平行に接近して配置された一対の光導波路を用いた場合にはさらに、該一対の光導波路の間隔を、該第1方向性結合器部の一対の光導波路の間隔及び該第2方向性結合器部の一対の光導波路の間隔よりも狭くすることにより、コンパクトな光交差導波路を得ることができる。
【0026】
本発明の他の目的、構成及び効果は以下の説明から明らかになる。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。複数の図中の対応する同一又は類似の構成要素には、同一又は類似の符号を付している。
【0028】
[第1実施形態]
図3は、本発明の第1実施形態の方向性結合器型変調器100を示す。図4は、図3の3A−3A線に沿った縦断面図である。
【0029】
この方向性結合器型変調器100は、一対の光導波路32、33の第1部と第2部とを用いた第1方向性結合器27および第2方向性結合器29と、光導波路32、33における第1方向性結合器27と第2方向性結合器29との間の部分である交差導波路28とを備えている。
【0030】
第1方向性結合器27および第2方向性結合器29は互いに同一構成であり、光導波路と、該光導波路に沿って配置され該光導波路のコア層に電界を印加してTE(Transverse Electric)波に対し屈折率を変化させる制御電極とを備えている。図3中の39及び40は、第1方向性結合器27の制御電極であり、41及び42は、第2方向性結合器29の制御電極である。
【0031】
各光導波路は、P層とN層の間にI層が挟まれたPIN構造であり、コア層であるI層の屈折率は、クラッド層であるP層及びN層のそれよりも大きい。制御電極39〜42は、該P層の上に堆積されている。
【0032】
交差導波路28は、立体交差路のように、光導波路43と光導波路44とが上下に離間して交差している。第1方向性結合器27の、45の位置にある上側の出力ポートは、光導波路43を介し第2方向性結合器29の、48の位置にある下側の入力ポートに接続されている。同様に、第1方向性結合器27の、49の位置にある下側の出力ポートは、光導波路44を介し第2方向性結合器29の、51の位置にある上側の入力ポートに接続されている。図3は一律の縮尺ではなく、交差導波路28の長さが結合長に比し充分短くて、交差導波路28は方向性結合器として働かない(光結合が無視できる)。
【0033】
光導波路32、33のうち、第1方向性結合器27の入力側の光導波路(部分)34と33の間、及び、第2方向性結合器29の出力側の光導波路(部分)35と36の間との間は、光結合を避けるため方向性結合器の部分よりも離れている。
【0034】
光導波路32、33の両側に、曲ったり交差したりしていない進行波電極30、31が形成されている。進行波電極30、31の終端には、進行波の反射が生じないように終端抵抗38が接続されている。
【0035】
制御電極39及び41はそれぞれエアブリッジ63及び163を介して進行波電極30に電気的に接続され、制御電極40及び42はそれぞれエアブリッジ64及び164を介して進行波電極31に電気的に接続されている。進行波電極30、31、エアブリッジ63、163、64、164及び制御電極39〜42は、例えば金で形成されている。
【0036】
制御電極39と制御電極42との間を実質的に絶縁するために、例えば、光導波路43のP層の上部がエッチングにより削られ、又は、該P層の上部に鉄イオンが打ち込まれて、高抵抗化されている。制御電極40と制御電極41との間の光導波路44のP層についても同様である。なお、削られる前の該P層が充分薄くて実質的に該絶縁がなされていれば、このような処理は不要である。
【0037】
第1方向性結合器27と第2方向性結合器29との長さの合計は、結合長π/(2κ)より大きくて該結合長の3倍より短い。
【0038】
このような方向性結合器型変調器100は、従来のΔβ反転方向性結合器型変調器2のように、入力電圧信号によりクロス状態及びバー状態の両方を制御することができる。注目すべき点は、反対極性の2入力信号を使用する必要がなく、1つの入力信号駆動および不交差進行波電極構成を可能にする点である。
【0039】
方向性結合器型変調器100の動作は以下のとおりである。以下において、光導波路32に入射した光が全て同一側の光導波路35から出射する場合をバー状態、光導波路32に入射した光が全て反対側の光導波路36から出射する場合をクロス状態と称する。このため、図1で説明したバー状態及びクロス状態を得るための電圧Vb及びVcと、本実施形態でバー状態及びクロス状態を得るための電圧Vb'及びVc'とは、Vb=Vc'、Vc=Vb'の関係にある。
【0040】
Δβ動作モードを達成するために、1組のエアブリッジ63、64、163、164を通って、方向性結合器導波路上の制御電極39、40、41、42に電圧信号が印加される。この印加状態では、第1方向性結合器27と第2方向性結合器29の極性は同じである(この点は従来のΔβ反転方向性結合器型変調器と異なる)。
【0041】
低い伝播定数差Δβ(理想的には0)のための電圧Vb'を信号発生器37から進行波電極30、31間に印加すると、上側(図面上で上側)の光導波路34の入射光は、第1方向性結合器27の終端45、49において、各々入力電力の50%になる。終端45、49の光はそれぞれ交差導波路28でクロスし、第2方向性結合器29の始端48、51に至る。次いで上記相反性により、第2方向性結合器29の終端では、上側の光導波路のみに光が存在し、これが光導波路35から出射する。
【0042】
印加電圧がVc'である場合、上側の光導波路34の入射光は、大きな伝播定数差Δβのために、第1方向性結合器27の上側の光導波路のみ通る。次いで、交差導波路の中を光が伝播した後に、第2方向性結合器29の下側の光導波路のみ伝播する。
【0043】
本実施形態によれば、交差導波路28の採用によって、第1方向性結合器27、第2方向性結合器29の制御電極に印加する電圧の極性を、同じにすることができる。これにより、直線の進行波電極を用いて、交差するRF信号を無くし、RF性能を改善することができ、高周波動作が可能となる。
【0044】
また、構造パラメータの製造公差を広くしつつ、より高周波の信号電圧でバー状態及びクロス状態の両方を完全に制御することが可能となる。
【0045】
[第2実施形態]
図3の構成では、電気信号波長に比し長い制御電極が進行波特性に大きく影響して、伝送損失を引き起こすので、適切に動作させるためには、図3に示す各制御電極39、40、41、42の長さを、進行波電極30、31を通る電気信号の波長より短くなければならない。
【0046】
図5は、このような問題点を解消する構造を有する本発明の第2の実施形態の方向性結合器型変調器102を示す。
【0047】
図3の各方向性結合器の制御電極が分割され、図5に示されるように、2組の3つの部分43、44および45になっている。各制御電極片は、別々にエアブリッジ63、64を通って、外側の進行波電極47、48に接続されている。
【0048】
信号発生器49からの電気的駆動信号は、進行波電極47、48の各々の入力ポートに印加され、次いでそれぞれ進行波電極47、48を通り、エアブリッジ63、64を通って、各制御電極43、44、45、46に伝播する。進行波電極47、48の終端には、50Ωの終端抵抗が接続されている。
【0049】
光導波路のトポロジーは、図3のものと同一である。第1方向性結合器51、交差導波路領域52および第2方向性結合器53は、カスケード接続されている。
【0050】
したがって、入力導波路54に入射した光は、入力信号電圧によって出力導波路55あるいは56に切替えられる。
【0051】
変調器が信号波長に比し長いこの構成は、低損失の電気的伝送をもたらす。同様の構成に基いて、より長い変調器に対しても入力インピーダンスを目標値(典型的には50Ω)に維持することができる。
【0052】
[第3実施形態]
図6は、本発明の第3実施形態の構成の中心を横切る(それは図7の例えば断面5−5の位置に相当する)方向性結合器型変調器104の縦断面図を示す。
【0053】
この構成では、リッジ導波路構造を採用している。N型クラッド層57、I(Intrinsic)コア層58、および制御電極に接するP型クラッド層59がGaAs又はInPなどの半絶縁性閃亜鉛鉱型結晶の基板60上に配置されている(この点は、他の実施形態についても同様)。電気信号は、進行波電極30、31からエアブリッジ63、64を通ってP型クラッド層59に供給される。エアブリッジを介して印加した電圧は、Iコア層58内によく閉じ込められた電界を生成するので、駆動電圧を最小にすることを可能にする。また、N型クラッド層57は、両方の外側の進行波電極30、31から完全にフローティング状態に維持され、好ましい。
【0054】
エアブリッジ63、64の下側のエアの代りに絶縁層を使用することができるかもしれないが、その厚さを、選ばれた半導体製造プロセスに適するものよりもはるかに大きくする必要があるだろう。この理由のため、エアブリッジ構造は好ましい。
【0055】
領域65で表される光ビームは、Iコア層58とN型クラッド層57の屈折率差が小さく設定されているので、Iコア層58からN型クラッド層57内にはみ出し、N型クラッド層57を介して隣り合う光導波路に結合することができる。
【0056】
エアブリッジ63、64で供給された進行波電極30、31からのマイクロ波信号は、P−I−N構造により、各光導波路のIコア層58のみに電界を集中させる。したがって、Iコア層58において、光強度とマイクロ波信号強度のオーバラップが増加し、結合領域長が調節されるにつれて駆動電圧が減少する。
【0057】
[第4実施形態]
図8は、図6の構造の変形例であって、リッジ構造がない方向性結合器型変調器の第4実施形態である。
【0058】
この構造は、共通のIコア層58を含んでおり、この層は共通のN型クラッド層57上に広がっている。ブリッジ間のIコア層58の部分の除去は必要ではない。更に、光結合が、このIコア層58で直接生じる。2つの光導波路間の結合強度は、該2つの光導波路間の距離を規定することにより特定されるという点に留意すべきである。Iコア層58の中の光閉込は、かなり大きくしておくことができる。
【0059】
[第5実施形態]
図9は、本発明の第5実施形態の方向性結合器型変調器106の、一方の方向性結合器の位置での縦断面図を示す。
【0060】
この実施形態では、埋込ヘテロ構造(BH)の光導波路構造を用いている。基板60上には、N型クラッド(伝導)層66、一対のIコア層67およびPクラッド層68が堆積されている。一対のIコア層67の各々の両側部は、半絶縁性クラッド層70で完全に埋め込まれている。電気信号は、進行波電極71、72からエアブリッジ73、74を通って供給される。領域75で表される光ビームは、半絶縁性クラッド層70より高い屈折率のIコア層67内に閉じ込められ、また、該光ビームは半絶縁性クラッド層70を通って隣接導波路に結合することができる。
【0061】
一方、進行波電極71、72からエアブリッジ73、74を介し供給されたマイクロ波信号により生成される電界は、P−I−NかつIコア層埋込の構造であることにより、各光導波路のIコア層67に集中する。したがって、Iコア層内の光強度とマイクロ波信号強度の間のオーバラップが増加し、一対の光導波路間の距離を設定して結合長が調節されている限りは、駆動電圧が低減する。
【0062】
リッジ導波路構造と比較して、BH光導波路構造は、より複雑であるが、きつい光閉込めにより、より低い光学的挿入損を示す。
【0063】
[第6実施形態]
図10は、本発明の第6実施形態の方向性結合器型変調器108を示しており、ここでは光交差導波路として、実際に交差した光導波路の代りに従来のクロス状態方向性結合器76が使用されている。図中の矢印は、クロス状態であることを示している。クロス状態方向性結合器76は、クロス状態の方向性結合が生ずるように互いに平行に接近して配置された一対の光導波路で構成されている。
【0064】
注目すべき点は、クロス状態方向性結合器76の一対の光導波路間の距離が、第1または第2方向性結合器領域のそれらと比較して短いことである。この構造により結合長がより短くなり、よりコンパクトな変調器を提供することができる。
【0065】
クロス状態方向性結合器76以外の部分は、上記又は後述の実施形態のいずれの構造であってもよい。
【0066】
本第6実施形態の方向性結合器型変調器によれば、クロス状態方向性結合器76の光導波路がその前後の光導波路と同じ層に連続的に形成されており、立体的に交差していないので、製造が容易で実用的である。
【0067】
[第7実施形態]
図11は、本発明の第7実施形態の方向性結合器型変調器110を示しており、ここでは、光交差導波路として、2つの入力ポート121、122および2つの出力ポート123、124を備えた2×2マルチモード干渉(MMI)結合器77が採用されている。2×2MMI結合器77の幅Wおよび長さLを適当に選ぶことによって、L.B.ソルダーノ博士らによって述べられているように("Optical Multi-Mode Interference Devices Based on Self-Imaging: Principles and Applications"Journal of Lightwave Technology, vol. 13, No. 4, pp. 615-627, April 1995.)、反対側の光導波路の位置に鏡像を得ることができる。
【0068】
光交差導波路としてこのような同層構造の方向性結合器を使用することにより、光交差導波路をチップに容易に形成することができる。
【0069】
4つの制御電極間は、2×2MMI結合器77のPIN構造のP層につき上記第1実施形態と同様の高抵抗化処理により、又は処理前に、実質的に絶縁されている。
【0070】
2×2MMI結合器77以外の部分は、上記又は後述の実施形態のいずれの構造であってもよい。
【0071】
[第8実施形態]
図12は、本発明の第8実施形態の方向性結合器型変調器112を示す。
【0072】
ここでは、光交差導波路として、簡単なX型交差導波路80およびその前後の屈曲導波路81、82が用いられている。
【0073】
この構成では、図10のクロス状態方向性結合器76や図11の2×2MMI結合器77に対して要求される導波路構造パラメータを正確に調整する必要がないので、比較的単純な構造を用いた波長無依存の光交差導波路が得られる。
【0074】
4つの制御電極間は、X形交差導波路80のPIN構造のP層につき上記第1実施形態と同様の高抵抗化処理により、又は処理前に、実質的に絶縁されている。
【0075】
光交差導波路以外の部分は、上記又は後述の実施形態のいずれの構造であってもよい。
【0076】
[第9実施形態]
図13は、本発明の第9実施形態の方向性結合器型変調器114の一部の斜視図(一律の縮尺ではない)を示す。該一部は、例えば図5の一方の方向性結合器の一部に相当しており、光導波路の長手方向に関し分割された制御電極を備えている。
【0077】
進行波伝送は、周波数が高くなるにつれ、光導波路上の長手方向制御電極間の電気的相互作用に影響される。よい進行波伝送特性を維持するためには、該相互作用を除去した方がよい。該長手方向制御電極間の絶縁が十分でない場合、後方への伝送が容易に引き起こされて、電気的反射損失が増加する。
【0078】
図13を参照すれば、P型クラッド層83、84は、制御電極131、132、133、134の下でのみ配置されている。すなわち、リッジ構造の光導波路上の制御電極間のP型クラッド層が除去されている。したがって、制御電極131と132の間及び133と134の間の電流はかなり抑えられる。その結果、そうでなければそのような漏電流で引き起こされた相互作用は、回避される。
【0079】
一方、Iコア層85および86、ならびに基板60上のN型クラッド層66の中の光ビームは、この領域で、大きな光損失なく伝播することができる。リッジ構造の光導波路では、図6に示すようにコア層から下側のクラッド層へ光が大きく侵入しており、上側のクラッド層への光の侵入を無視できるので、このような上側の制御電極間クラッド層の除去は問題ない。
【0080】
[第10実施形態]
図l4は、本発明の第10実施形態の方向性結合器型変調器116を示す。
【0081】
Δβ切換方向性結合器として動作するために、2つの方向性結合器87、88を備える必要がある。方向性結合器87と88とでは、光導波路の屈折率変化の大きさが同じで極性が逆になるように、所望の屈折率変化を得るように電気光学I層(不図示)の電界の変化を制御すべきである。図14では、この目的を達成するためにDCバイアス電極が設けられている。
【0082】
すなわち、バイアス電圧印加用のパッド91は、図14に示すように、N+型電極層92の上に堆積している。このN+型電極層92は、全体の光導波路と基板の間に配置されている。すなわち、N+型電極層92の上にPIN光導波路のN層が堆積している。N+型電極層92は、全体の光導波路に沿って形成され、中間部は広幅の一直線になっている。
【0083】
外側の進行波電極89、90に接続された制御電極39、40、41、42は、コア層の電界強度変化を引起すことができるが、本発明の方向性結合器型変調器116はP−I−N半導体構造に基いているので、ダイオード特性を有する。
【0084】
パッド91には、変調モード中に、全ての光導波路をダイオード特性の負バイアス(逆バイアス)状態にさせるDC電圧が印加される。この電圧は、信号発生器93のRF出力信号の最大値の半分である。例えば、バー状態及びクロス状態にするときのRF出力信号がそれぞれ0V及び1Vで、DCバイアス電圧が0.5Vである。なお、94は終端抵抗である。
【0085】
[第11実施形態]
図l5は、本発明の第11実施形態の方向性結合器型変調器117を示す。
【0086】
この方向性結合器型変調器117は、図14の構成にさらに、出力段に方向性結合器型光減衰器200を備えている。
【0087】
方向性結合器型光減衰器200は、光導波路34の出力側を延設した光導波路201と、光導波路201と方向性結合が生ずるように平行に接近して配置された光導波路202と、PIN構造の光導波路202のP層(不図示)上に接合された制御電極203と、201及び202の下方まで延設されたN+型電極層92とを備え、制御電極203には、可変DC電源205の出力電位が印加される。光導波路202の長さは、結合長π/(2κ)の偶数倍、例えば2倍の長さである。
【0088】
N+型電極層92と制御電極203との間の電圧Vが0である場合、光導波路201に入った光は全て光導波路201の出口から出射する。この電圧Vが0でないとき、電圧値Vに応じて、光導波路201に入った光の一部が光導波路202の出口から出射するので、結果として、光導波路201の出口から出射する光は減衰された光となり、方向性結合器型光減衰器200が可変光減衰器として機能する。
【0089】
光減衰量、すなわちDC電圧Vは、光導波路201に接続される不図示の光通信システムが要求する光入力のパワーにより定められる。
【0090】
光導波路201から離れた光導波路202上に制御電極203が備えられているので、制御電極203は制御電極41に影響を与えず、方向性結合器型変調器117の変調性能が確保される。
【0091】
なお、光導波路202の長さを結合長の奇数倍にし、光導波路202の出口を方向性結合器型変調器117の出力ポートとしてもよい。また、光導波路202及びこの上に接合された制御電極203の位置は、光導波路201に対し図15の場合の反対側であってもよい。すなわち、光導波路202は、光導波路201と方向性結合が生ずるように平行に接近して配置されていればよい。さらに、電圧Vにより減衰量を調整できるので、光導波路202の長さは、結合長の整数倍でなくてもよい。
【0092】
同様に、光導波路202の替わりに、光導波路33を延設した光導波路204(光導波路204は、光導波路201と光結合が生じないように離れている。)と方向性結合が生ずるように平行に接近して光導波路を配置し、この光導波路又は光導波路204の出口を方向性結合器型変調器117の出力ポートとしてもよい。
【0093】
また、方向性結合器型光減衰器200を、図14の構成の入力段に備えてもよい。
【0094】
[第12実施形態]
さて、前述した第1実施形態では、図3に示したように、方向性結合器型変調器100の光導波路35(出力ポート)または光導波路36(出力ポート)のいずれか一方のポートから出射光が出射されるようにメーカ側で調整された状態でユーザに渡される。
【0095】
従って、実施形態1では、ユーザ側で出射光の出力ポートを容易に変更することができない。図10に示した第6実施形態の方向性結合器型変調器108においても同様にして、ユーザ側で出力ポートを容易に変更することができない。
【0096】
そこで、第6実施形態においては、方向性結合器型変調器108に方向性結合器を縦列接続し、直流制御により、出射光の出力ポートをユーザ側で容易に変更可能な構成例としてもよい。以下では、この構成例を第12実施形態として説明する。
【0097】
図16は、本発明の第12実施形態の方向性結合器型変調器108および方向性結合器300を示す平面図である。同図において、図3および図10の各部に対応する部分には同一の符号を付ける。
【0098】
第12実施形態においては、方向性結合器型変調器108と方向性結合器300とが縦列接続されて一つの方向性結合器型変調器が構成され、直流制御により、方向性結合器型変調器108の光導波路35(または、光導波路36)からの出射光が、出力ポート321または出力ポート322に切り替え制御される。
【0099】
方向性結合器300は、2入力2出力型とされており、クロス状態方向性結合器76と同様にして、一対の光導波路311、312を備えている。
【0100】
光導波路311は、光導波路35に接続されており、出射光(バー状態)を導く。光導波路312も、光導波路36に接続されており、出射光(クロス状態)を導く。
【0101】
クロス状態部330は、方向性結合器型変調器108のクロス状態方向性結合器76(図10参照)と同様の構成とされており、クロス状態の方向性結合が生ずるように一部分が互いに平行に接近して配置された一対の光導波路331および光導波路332で構成されている。
【0102】
光導波路331および光導波路332には、直流制御電極340および直流制御電極341が設けられている。これらの直流制御電極340および直流制御電極341には、直流制御部350より、直流電圧V(0≦V≦Vm)が印加される。直流制御部350では、ユーザにより直流電圧Vが可変される。
【0103】
この直流電圧Vは、出力ポート321および出力ポート322における光出射量比率を制御するための電圧である。すなわち、図17に示したように、直流電圧Vが0の場合、出力ポート321からの出射光P1の光出射量が100%であるのに対して、出力ポート322からの出射光P2の光出射量が0%である。なお、図17においては、出射光P1の光出射量と出射光P2の光出射量とを加算すると100%となる。
【0104】
直流電圧Vが0の場合、例えば、方向性結合器型変調器108の光導波路35からの出射光は、出力ポート321から100%出射され、出力ポート322から出射されない。
【0105】
また、直流電圧Vを増加させると、出射光P1の光出射量が減少するとともに、出射光P2の光出射量が増加する。そして、直流電圧VがVh(Vm/2)の場合には、出射光P1の光出射量が50%、出射光P2の光出射量も50%とされる。
【0106】
そして、直流電圧VがVmの場合には、出力ポート321からの出射光P1の光出射量が0%であるのに対して、出力ポート322からの出射光P2の光出射量が100%である。
【0107】
直流電圧VがVmの場合、例えば、方向性結合器型変調器108の光導波路35からの出射光は、出力ポート322から100%出射され、出力ポート321から出射されない。
【0108】
このように、第12実施形態では、ユーザにより直流制御部350の直流電圧Vが可変されることにより、出射光の出力ポートをユーザ側で容易に変更可能とされる。なお、実施形態12においては、方向性結合器型変調器108に代えて、その他の実施形態における方向性結合器型変調器を方向性結合器300に縦列接続する構成としてもよい。
【0109】
以上説明したように、第12実施形態によれば、直流電圧Vの可変により、光導波路35または光導波路36から出射される出射光を出力ポート321(第1ポート)または出力ポート322(第2ポート)へ切り替え制御することとしたので、ポート切り替えを容易に行うことができ、ユーザの使い勝手を向上させることができる。
【0110】
また、第12実施形態によれば、直流電圧Vの可変により、光導波路35または光導波路36から出射される出射光を出力ポート321(第1ポート)および出力ポート322(第2ポート)へ導き、図17に示したように、出力ポート321(第1ポート)および出力ポート322(第2ポート)の各光出射量比率を制御することとしたので、光出射量比率の可変を容易に行うことができ、ユーザの使い勝手を向上させることができる。
【0111】
[第13実施形態]
さて、前述した第12実施形態では、図16に示したように、方向性結合器300を方向性結合器型変調器108に縦列接続し、直流制御を行う構成例について説明したが、方向性結合器型変調器108で直流制御を行う構成例としてもよい。以下では、この構成例を第13実施形態として説明する。
【0112】
図18は、本発明の第13実施形態の方向性結合器型変調器400の構成を示す平面図である。同図において、図16の各部に対応する部分には同一の符号を付ける。
【0113】
同図においては、クロス状態方向性結合器76を構成する光導波路76aおよび光導波路76bに沿って、直流制御電極401および直流制御電極402が対向配置されている。光導波路76aおよび光導波路76bは、クロス状態の方向性結合が生ずるように互いに平行に接近して配置されている。
【0114】
また、直流制御電極401および直流制御電極402には、直流制御部410より、直流電圧Vが印加される。直流制御部410では、ユーザにより直流電圧Vが可変される。
【0115】
ここで、第6実施形態(その他の実施形態も同様)では、光導波路35(出力ポート)で負のチャープ(周波数変動)が得られ、光導波路36でゼロチャープが得られる。
【0116】
第13実施形態では、直流制御部410の直流電圧Vを可変することにより、負のチャープを表すチャープパラメータαが任意の値に可変(例えば、−0.1〜−1.0)される。なお、直流電圧Vを可変した場合であっても、ゼロチャープは変化しない。
【0117】
以上説明したように、第13実施形態によれば、光導波路76aおよび光導波路76bに沿って直流制御電極401および直流制御電極402を対向配置し、光導波路35または光導波路36から出射される出射光のチャープを制御するための直流電圧V(チャープ制御電圧)を直流制御電極401および直流制御電極402に印加することとしたので、チャープも制御することができ、ユーザの使い勝手を向上させることができる。
【0118】
[第14実施形態]
さて、上述した第10実施形態(図14参照)でDC(直流)バイアス電圧を印加する構成例について説明したが、実際には、他の実施形態においてもDCバイアス電圧が第10実施形態と同様の目的で印加されている。以下では、かかる構成例を第14実施形態として、DCバイアスを印加する構成例について説明する。
【0119】
図19は、本発明の第14実施形態の方向性結合器型変調器500を示す。図20は、図19のA−A’線に沿った縦断面図である。
【0120】
図19に示した方向性結合器型変調器500は、一対の光導波路504、505の第1部と第2部とを用いた第1方向性結合器501および第2方向性結合器503と、光導波路504、505における第1方向性結合器501と第2方向性結合器503との間の部分であるクロス状態方向性結合器502とを備えている。
【0121】
第1方向性結合器501は、光導波路504および光導波路505と、光導波路504および光導波路505に沿って配置され、該光導波路504および光導波路505の各Iコア層に電界を印加してTE波に対し屈折率を変化させる制御電極508および制御電極509とを備えている。
【0122】
光導波路504および光導波路505は、他の実施形態と同様にして、P層とN層の間にI層が挟まれたPIN構造である。コア層であるI層の屈折率は、クラッド層であるP層及びN層のそれよりも大きい。
【0123】
ここで、図20に示したように、方向性結合器型変調器500は、InPなどの半絶縁性閃亜鉛鉱型結晶からなる基板530と、基板530の上に堆積されたN型クラッド層531、進行波電極506および進行波電極507と、N型クラッド層531の上に堆積されたIコア層532およびDCバイアス印加用電極516と、Iコア層532の上に堆積されたP型クラッド層533およびP型クラッド層534と、P型クラッド層533の上に堆積された制御電極512と、P型クラッド層534の上に堆積された制御電極513と、進行波電極506と制御電極512とを電気的に接続するエアブリッジ514とを含んでいる。
【0124】
光導波路504は、P型クラッド層533、Iコア層532およびN型クラッド層531からなるPIN構造である。同様にして、光導波路505も、P型クラッド層534、Iコア層532およびN型クラッド層531からなるPIN構造である。
【0125】
図19に戻り、第2方向性結合器503は、光導波路504および光導波路505と、光導波路504および光導波路505に沿って配置され、該光導波路504および光導波路505の各Iコア層に電界を印加してTE波に対し屈折率を変化させる制御電極512および制御電極513とを備えている。
【0126】
クロス状態方向性結合器502は、クロス状態方向性結合器76(図10参照)と同様にして、クロス状態の方向性結合が生ずるように互いに平行に接近して配置された一対の光導波路で構成されている。
【0127】
進行波電極506および進行波電極507は、光導波路504および光導波路505を挟むように、平行配置されている。進行波電極506は、エアブリッジ510およびエアブリッジ514を介して、制御電極508および制御電極512に電気的に接続されている。
【0128】
一方、進行波電極507は、エアブリッジ511およびエアブリッジ515を介して、制御電極509および制御電極513に接続されている。DCバイアス印加用電極516は、N型クラッド層531(図20参照)の上に堆積されており、DCバイアス電源517に接続されている。
【0129】
DCバイアス電源517は、DCバイアス印加用電極516を介して、光導波路504および光導波路505について共通のN型クラッド層531にDCバイアス電圧を印加するための電源である。DCバイアス電圧は、第10実施形態で説明したように、変調モード中に、全ての光導波路をダイオード特性の負バイアス(逆バイアス)状態にさせるための電圧であり、後述する信号発生器518のRF出力信号の最大値の半分である。
【0130】
信号発生器518は、進行波電極506および進行波電極507にRF出力信号を供給する。終端抵抗519は、進行波電極506および進行波電極507に接続されている。
【0131】
[第15実施形態]
さて、上述した第14実施形態においては、図20に示したように、厚みがある進行波電極506および進行波電極507を有する構成例について説明したが、図21に示したように、薄い進行波電極545および進行波電極546を有する構成例としてもよい。以下では、この構成例を第15実施形態として説明する。
【0132】
図21は、本発明の第15実施形態の方向性結合器型変調器500’を示す。同図において、図20の各部に対応する部分には同一の符号を付ける。同図においては、図20に示したN型クラッド層531、進行波電極506および進行波電極507に代えて、N型クラッド層540、N型クラッド層547、Iコア層541、Iコア層542、P型クラッド層543、P型クラッド層544、進行波電極545および進行波電極546が設けられている。
【0133】
N型クラッド層540およびN型クラッド層547は、基板530の上に堆積されている。Iコア層532およびDCバイアス印加用電極516は、N型クラッド層540の上に堆積されている。
【0134】
N型クラッド層547の上には、Iコア層541、P型クラッド層543および進行波電極545が堆積されている。進行波電極545は、エアブリッジ514を介して、制御電極512に接続されている。
【0135】
一方、N型クラッド層540の上には、Iコア層542、P型クラッド層544および進行波電極546が堆積されている。進行波電極546もエアブリッジ(図示略)を介して、制御電極513に接続されている。進行波電極545および進行波電極546には、信号発生器518および終端抵抗519(図19参照)が接続されている。
【0136】
[第16実施形態]
さて、上述した第10、第14および15実施形態でDC(直流)バイアス電圧を印加する構成例について説明したが、図22および図23に示した構成例としてもよい。
【0137】
図22は、本発明の第16実施形態の方向性結合器型変調器600を示す。図23は、図22のB−B’線に沿った縦断面図である。
【0138】
図22に示した方向性結合器型変調器600は、一対の光導波路604、605の第1部と第2部とを用いた第1方向性結合器601および第2方向性結合器603と、光導波路604、605における第1方向性結合器601と第2方向性結合器603との間の部分であるクロス状態方向性結合器602と、第1のリード電極606、第2のリード電極607、第3のリード電極616および第4のリード電極617とを備えている。
【0139】
第1方向性結合器601は、光導波路604および光導波路605と、光導波路604および光導波路605に沿って配置され、該光導波路604および光導波路605の各Iコア層に電界を印加してTE波に対し屈折率を変化させる制御電極608および制御電極609とを備えている。
【0140】
光導波路604および光導波路605は、他の実施形態と同様にして、P層とN層の間にI層が挟まれたPIN構造である。コア層であるI層の屈折率は、クラッド層であるP層及びN層のそれよりも大きい。
【0141】
ここで、図23に示したように、方向性結合器型変調器600は、InPなどの半絶縁性閃亜鉛鉱型結晶からなる基板630と、基板630の上に堆積されたN型クラッド層631と、N型クラッド層631の上に堆積された第3のリード電極616、第4のリード電極617およびIコア層632と、Iコア層632の上に堆積されたP型クラッド層634、P型クラッド層635、P型クラッド層636およびP型クラッド層637とを含んでいる。
【0142】
また、方向性結合器型変調器600は、P型クラッド層634の上に堆積された第1のリード電極606と、P型クラッド層635の上に堆積された第2のリード電極607と、P型クラッド層636の上に堆積された制御電極608と、P型クラッド層637の上に堆積された制御電極609と、第1のリード電極606と制御電極608との間を電気的に接続するエアブリッジ610と、第2のリード電極607と制御電極609との間を電気的に接続するエアブリッジ611とを含んでいる。
【0143】
光導波路604は、P型クラッド層636、Iコア層632およびN型クラッド層631からなるPIN構造である。同様にして、光導波路605も、P型クラッド層637、Iコア層632およびN型クラッド層631からなるPIN構造である。
【0144】
図22に戻り、第2方向性結合器603は、光導波路604および光導波路605と、光導波路604および光導波路605に沿って配置され、該光導波路604および光導波路605の各Iコア層に電界を印加してTE波に対し屈折率を変化させる制御電極612および制御電極613とを備えている。
【0145】
クロス状態方向性結合器602は、クロス状態方向性結合器76(図10参照)と同様にして、クロス状態の方向性結合が生ずるように互いに平行に接近して配置された一対の光導波路で構成されている。
【0146】
第1のリード電極606および第2のリード電極607は、光導波路604および光導波路605を挟むように、平行配置されている。第1のリード電極606は、エアブリッジ610およびエアブリッジ614を介して、制御電極608および制御電極612に電気的に接続されている。
【0147】
一方、第2のリード電極607は、エアブリッジ611およびエアブリッジ615を介して、制御電極609および制御電極613に接続されている。
【0148】
第3のリード電極616および第4のリード電極617は、第1のリード電極606および第2のリード電極607を挟むように、平行配置されている。これらの第3のリード電極616および第4のリード電極617は、光導波路604および光導波路605について共通のN型クラッド層631(図23参照)の上に堆積されている。
【0149】
信号発生器618およびDCバイアス電源619は、第1のリード電極606および第3のリード電極616に接続されている。終端抵抗620も第1のリード電極606および第3のリード電極616に接続されている。
【0150】
同様にして、信号発生器621およびDCバイアス電源622は、第2のリード電極607および第4のリード電極617に接続されている。終端抵抗623も、第2のリード電極607および第4のリード電極617に接続されている。
【0151】
信号発生器618は、第1のリード電極606および第3のリード電極616にRF出力信号を供給する。DCバイアス電源619は、第1のリード電極606および第3のリード電極616にDCバイアス電圧を印加する。
【0152】
一方、信号発生器621は、信号発生器618に対して独立的に動作し、第2のリード電極607および第4のリード電極617にRF出力信号を供給する。DCバイアス電源622は、DCバイアス電源619に対して独立的に動作し、第2のリード電極607および第4のリード電極617にDCバイアス電圧を印加する。
【0153】
上記DCバイアス電圧は、前述したように、変調モード中に、全ての光導波路をダイオード特性の負バイアス(逆バイアス)状態にさせるための電圧であり、RF出力信号の最大値の半分である。
【0154】
ここで、第16実施形態においては、信号発生器618からのRF出力信号と、信号発生器621からのRF出力信号とについて、同一振幅かつ逆位相(位相差=180度)となるように駆動制御してもよい。このように同一振幅かつ逆位相で駆動制御した場合には、例えば、図19に示した信号発生器518からのRF出力信号に比べて、上記RF出力信号(信号発生器618、信号発生器621)の振幅(動作電圧)を半分にすることができる。また、第16実施形態においては、第3のリード電極616および第4のリード電極617を接地させてもよい。
【0155】
[第17実施形態]
さて、上述した第16実施形態(図22参照)においては、第1のリード電極606および第2のリード電極607の外側に第3のリード電極616および第4のリード電極617を配置した構成例について説明したが、逆配置とする構成例としてもよい。
【0156】
図24は、本発明の第17実施形態の方向性結合器型変調器700を示す。図25は、図24のC−C’線に沿った縦断面図である。図24および図25においては、図22および図23の各部に対応する部分には同一の符号を付ける。
【0157】
図24に示した方向性結合器型変調器700は、一対の光導波路604’、605’の第1部と第2部とを用いた第1方向性結合器701および第2方向性結合器703と、光導波路604’、605’における第1方向性結合器701と第2方向性結合器703との間の部分であるクロス状態方向性結合器702と、第1のリード電極704、第2のリード電極705、第3のリード電極711および第4のリード電極712とを備えている。
【0158】
第1方向性結合器701は、光導波路604’および光導波路605’と、光導波路604’および光導波路605’に沿って配置され、該光導波路604’および光導波路605’の各Iコア層に電界を印加してTE波に対し屈折率を変化させる制御電極608および制御電極609とを備えている。
【0159】
光導波路604’および光導波路605’は、他の実施形態と同様にして、P層とN層の間にI層が挟まれたPIN構造である。コア層であるI層の屈折率は、クラッド層であるP層及びN層のそれよりも大きい。
【0160】
ここで、図25に示したように、方向性結合器型変調器700は、InPなどの半絶縁性閃亜鉛鉱型結晶からなる基板630と、基板630の上に堆積されたN型クラッド層720、第1のリード電極704および第2のリード電極705と、N型クラッド層720の上に堆積されたIコア層721、第3のリード電極711および第4のリード電極712とを含んでいる。
【0161】
また、方向性結合器型変調器700は、Iコア層721の上に堆積されたP型クラッド層722およびP型クラッド層723と、P型クラッド層722の上に堆積された制御電極608と、P型クラッド層723の上に堆積された制御電極609と、第1のリード電極704と制御電極608との間を電気的に接続するエアブリッジ706と、第2のリード電極705と制御電極609との間を電気的に接続するエアブリッジ708とを含んでいる。
【0162】
光導波路604’は、P型クラッド層722、Iコア層721およびN型クラッド層720からなるPIN構造である。同様にして、光導波路605’も、P型クラッド層723、Iコア層721およびN型クラッド層720からなるPIN構造である。
【0163】
図24に戻り、第2方向性結合器703は、光導波路604’および光導波路605’と、光導波路604’および光導波路605’に沿って配置され、該光導波路604’および光導波路605’の各Iコア層に電界を印加してTE波に対し屈折率を変化させる制御電極612および制御電極613とを備えている。
【0164】
クロス状態方向性結合器702は、クロス状態方向性結合器76(図10参照)と同様にして、クロス状態の方向性結合が生ずるように互いに平行に接近して配置された一対の光導波路で構成されている。
【0165】
第1のリード電極704および第2のリード電極705は、第3のリード電極711および第4のリード電極712、光導波路604’および光導波路605’を挟むように、平行配置されている。第1のリード電極704は、エアブリッジ706およびエアブリッジ709を介して、制御電極608および制御電極612に電気的に接続されている。
【0166】
一方、第2のリード電極705は、エアブリッジ708およびエアブリッジ710を介して、制御電極609および制御電極613に接続されている。
【0167】
第3のリード電極711および第4のリード電極712は、光導波路604’および光導波路605’を挟むように、平行配置されている。これらの第3のリード電極711および第4のリード電極712は、光導波路604’および光導波路605’について共通のN型クラッド層720(図25参照)の上に堆積されている。
【0168】
信号発生器618およびDCバイアス電源619は、第1のリード電極704および第3のリード電極711に接続されている。終端抵抗620も第1のリード電極704および第3のリード電極711に接続されている。
【0169】
同様にして、信号発生器621およびDCバイアス電源622は、第2のリード電極705および第4のリード電極712に接続されている。終端抵抗623も、第2のリード電極705および第4のリード電極712に接続されている。
【0170】
信号発生器618は、第1のリード電極704および第3のリード電極711にRF出力信号を供給する。DCバイアス電源619は、第1のリード電極704および第3のリード電極711にDCバイアス電圧を印加する。
【0171】
一方、信号発生器621は、信号発生器618に対して独立的に動作し、第2のリード電極705および第4のリード電極712にRF出力信号を供給する。DCバイアス電源622は、DCバイアス電源619に対して独立的に動作し、第2のリード電極705および第4のリード電極712にDCバイアス電圧を印加する。
【0172】
上記DCバイアス電圧は、前述したように、変調モード中に、全ての光導波路をダイオード特性の負バイアス(逆バイアス)状態にさせるための電圧であり、RF出力信号の最大値の半分である。
【0173】
ここで、第17実施形態においても、信号発生器618からのRF出力信号と、信号発生器621からのRF出力信号とについて、同一振幅かつ逆位相(位相差=180度)となるように制御してもよい。また、第17実施形態においても、第3のリード電極711および第4のリード電極712を接地させてもよい。
【0174】
本発明は、以上述べた実施形態に限定されない。本発明は、その範囲を離れない様々な代案および変形例を含む。したがって、請求項に示されたもの以外については、本発明が制限されることを意図するものではない。
【0175】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、第1光導波路と第2光導波路とを光学的な交差が生じる位置関係で配置することとしたので、1対の第1制御電極(1対の第2制御電極)に印加される制御電圧の極性を同じにすることができ、これにより、互いに交差しない第1リード電極及び第2リード電極を配置することができ、構造パラメータの製造公差を広くしつつRF性能が改善されてより高周波の変調動作が可能になり、光通信システムの高速化に寄与することができるという効果を奏する。
【0176】
また、本発明によれば、交差の部分として、2x2マルチモード干渉結合器、X形交差導波路、又は、互いに略平行に接近した状態で配置された第1光導波路および第2光導波路を用いれば、前後の光導波路と同層に交差の部分を形成することができ、立体交差路を備える必要がないので、製造が容易であるという効果を奏する。
【0177】
また、本発明によれば、交差の部分として、互いに略平行に接近した状態で配置された第1光導波路および第2光導波路を用いた場合にはさらに、交差の部分における第1光導波路と第2光導波路との間隔を、他部分における第1光導波路と第2光導波路の間隔よりも狭くすることにより、コンパクトな構成とすることができるという効果を奏する。
【0178】
また、本発明によれば、第1方向性結合器部と第2方向性結合器部との間に光交差導波路を接続することとしたので、第1と第2方向性結合器部の制御電極に印加する電圧の極性を同じにすることができ、これにより、互いに交差しない第1及び第2不交差電極を配置することができ、構造パラメータの製造公差を広くしつつRF性能が改善されてより高周波の変調動作が可能になり、光通信システムの高速化に寄与することができるという効果を奏する。
【0179】
また、本発明によれば、特に、光交差導波路として、2x2マルチモード干渉結合器、X形交差導波路、又は、クロス状態の方向性結合が生ずるように互いに平行に接近して配置された一対の光導波路を用いれば、前後の光導波路と同層に光交差導波路を形成することができ、立体交差路を備える必要がないので、製造が容易であるという効果を奏する。
【0180】
また、本発明によれば、光交差導波路として、クロス状態の方向性結合が生ずるように互いに平行に接近して配置された一対の光導波路を用いた場合にはさらに、該一対の光導波路の間隔を、該第1方向性結合器部の一対の光導波路の間隔及び該第2方向性結合器部の一対の光導波路の間隔よりも狭くすることにより、コンパクトな光交差導波路を得ることができるという効果を奏する。
【0181】
また、本発明によれば、交差の部分における第1光導波路および第2光導波路に沿って第1チャープ制御電極および第2チャープ電極を対向配置し、第1光導波路または第2光導波路から出射される光のチャープを制御するためのチャープ制御電圧を第1チャープ制御電極および第2チャープ制御電極に印加することとしたので、チャープも制御することができ、ユーザの使い勝手を向上させることができるという効果を奏する。
【0182】
また、本発明によれば、外部電圧の可変により、第1光導波路または第2光導波路から出射される光を第1ポートまたは第2ポートへ切り替え制御することとしたので、ポート切り替えを容易に行うことができ、ユーザの使い勝手を向上させることができるという効果を奏する。
【0183】
また、本発明によれば、外部電圧の可変により、第1光導波路または第2光導波路から出射される光を第1ポートおよび第2ポートへ導き、第1ポートおよび第2ポートの各光出射量比率を制御することとしたので、光出射量比率の可変を容易に行うことができ、ユーザの使い勝手を向上させることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来のΔβ反転方向性結合器型変調器の構成を示す平面図である。
【図2】進行波電極を図1のΔβ反転方向性結合器型の変調器に適用した構成を示す平面図である。
【図3】本発明の第1実施形態の方向性結合器型変調器を示す平面図である。
【図4】図3の3A−3A線に沿った縦断面図である。
【図5】本発明の第2実施形態の方向性結合器型変調器の構成を示す平面図である。
【図6】本発明の第3実施形態の方向性結合器型変調器の構成を示す縦断面図である。
【図7】図6の変調器の平面図である。
【図8】本発明の第4実施形態の方向性結合器型変調器の構成を示す縦断面図である。
【図9】本発明の第5実施形態の方向性結合器型変調器の構成を示す縦断面図である。
【図10】本発明の第6実施形態の方向性結合器型変調器の構成を示す縦断面図である。
【図11】本発明の第7実施形態の方向性結合器型変調器の構成を示す平面図である。
【図12】本発明の第8実施形態の方向性結合器型変調器の構成を示す平面図である。
【図13】本発明の第9実施形態の方向性結合器型変調器の一部構成を示す斜視図である。
【図14】本発明の第10実施形態の方向性結合器型変調器の構成を示す平面図である。
【図15】本発明の第11実施形態の方向性結合器型変調器の構成を示す平面図である。
【図16】本発明の第12実施形態の方向性結合器型変調器および方向性結合器の構成を示す平面図である。
【図17】本発明の第12実施形態における直流電圧/光出射量比率を表す特性図である。
【図18】本発明の第13実施形態の方向性結合器型変調器の構成を示す平面図である。
【図19】本発明の第14実施形態の方向性結合器型変調器の構成を示す平面図である。
【図20】図19のA−A’線に沿った縦断面図である。
【図21】本発明の第15実施形態の方向性結合器型変調器の構成を示す縦断面図である。
【図22】本発明の第16実施形態の方向性結合器型変調器の構成を示す平面図である。
【図23】図22のB−B’線に沿った縦断面図である。
【図24】本発明の第17実施形態の方向性結合器型変調器の構成を示す平面図である。
【図25】図24のC−C’線に沿った縦断面図である。
【符号の説明】
27、51、87 第1方向性結合器
29、53、88 第2方向性結合器
28、52 交差導波路
30、31、47,48、71、72、89、90 進行波電極
32、33 光導波路
39〜46、131〜134 制御電極
37、49、93 信号発生器
38 終端抵抗
57、66 N型クラッド層
58、85、86 Iコア層
59、68、83、84 P型クラッド層
70 半絶縁性クラッド層
60 基板
63、64、163、164、73、74 エアブリッジ
76 クロス状態方向性結合器
77 2×2マルチモード干渉(MMI)結合器
80 X形交差導波路
81、82 屈曲導波路
91 パッド
92 N+型電極層
100、102、104、108、110 方向性結合器型変調器
Claims (18)
- 第1及び第2方向性結合器部と、該第1方向性結合器部と該第2方向性結合器部との間に接続された光路結合部とを有し、該第1及び第2方向性結合器部はいずれも、
方向性結合が生ずるように互いに平行に接近して配置された1対の第1及び第2光導波路と、
該第1及び第2光導波路のコア層にそれぞれ電界をかけて該コア層の屈折率を変化させるため、該第1及び第2光導波路にそれぞれ沿って配置された第1及び第2制御電極と、
を有し、該第1方向性結合器部の第1及び第2光導波路の一端がそれぞれ該第2方向性結合器部の第1及び第2光導波路の一端に対応するように該第1及び第2方向性結合器が配置された光スイッチにおいて、
該光路結合部は、該第1方向性結合器部の第1及び第2光導波路の該一端からの光をそれぞれ該第2方向性結合器部の第2及び第1光導波路の該一端に入射させる光交差導波路であり、
該第1及び第2方向性結合器部の該第1及び第2光導波路に沿ってそれぞれ配置され互いに交差しない第1及び第2不交差電極と、
該第1及び第2方向性結合器部の第1制御電極と該第1不交差電極との間並びに該第1及び第2方向性結合器部の第2制御電極と該第2不交差電極との間をそれぞれ電気的に接続する第1〜4ブリッジと、
をさらに有することを特徴とする光スイッチ。 - 該第1不交差電極と該第2不交差電極とは、該第1及び第2光導波路を挟んで対向配置されていることを特徴とする請求項1記載の光スイッチ。
- 該第1不交差電極と該第2不交差電極とは、略平行に配置されていることを特徴とする請求項2記載の光スイッチ。
- 該光交差導波路は、方向性結合が無視できるように互いに離間してクロスする一対の光導波路であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1つに記載の光スイッチ。
- 該光交差導波路は、2x2マルチモード干渉結合器であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1つに記載の光スイッチ。
- 該光交差導波路は、X形交差導波路を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1つに記載の光スイッチ。
- 該光交差導波路は、クロス状態の方向性結合が生ずるように互いに平行に接近して配置された一対の光導波路であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1つに記載の光スイッチ。
- 該光交差導波路の一対の光導波路の間隔は、該第1方向性結合器部の一対の光導波路の間隔及び該第2方向性結合器部の一対の光導波路の間隔よりも狭いことを特徴とする請求項7記載の光スイッチ。
- 該光交差導波路における該第1光導波路および該第2光導波路に沿って対向配置され、該記第1光導波路または該第2光導波路から出射される光のチャープを制御するためのチャープ制御電圧が印加される第1チャープ制御電極および第2チャープ制御電極を備えたことを特徴とする請求項7または8に記載の光スイッチ。
- 該第1及び第2制御電極はいずれも、長手方向に関し複数に分割された制御電極片を有し、
該第1〜4ブリッジはいずれも、対応する複数の制御電極片を対応する不交差電極に接続する複数のブリッジを有する、
ことを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1つに記載の光スイッチ。 - 該第1及び第2方向性結合器部の第1及び第2光導波路はいずれも、長手方向に隣り合う該制御電極片の間の真下以外は、クラッドであるP層とN層の間にコアであるI層が挟まれたPIN構造であり、該P層の上に、対応する該制御電極片が堆積され、
該長手方向に隣り合う該制御電極片の間の真下の光導波路については、該PIN構造からP層を除去した構造であり、
該PIN構造のN層は、該第1及び第2方向性結合器部の各々において、該第1及び第2光導波路に共通の層である、
ことを特徴とする請求項10記載の光スイッチ。 - 該第1及び第2方向性結合器部の第1及び第2光導波路はいずれも、3層形又はI層埋込形のPIN構造であり、該3層形の場合には該第1及び第2光導波路のP層の上にそれぞれ該第1及び第2制御電極が堆積され、該I層埋込形の場合には該第1及び第2光導波路のI層の上にそれぞれ該第1及び第2制御電極が堆積されており、
該第1及び第2方向性結合器部の第1及び第2光導波路に共通のN層を有すること、
を特徴とする請求項1乃至11のいずれか1つに記載の光スイッチ。 - 該第1及び第2方向性結合器部の少なくとも一方の、該第1及び第2光導波路の少なくとも一方が延設された第3光導波路と、
該第3光導波路と光結合が生ずるように該第3光導波路に平行に接近して配置された第4光導波路と、
該第4光導波路のコア層に電界をかけて該コア層の屈折率を変化させるため、該第4光導波路に沿って配置された第3制御電極と、
を備えた方向性結合器型光減衰器をさらに有することを特徴とする請求項1乃至12のいずれか1つに記載の光スイッチ。 - 第1ポートおよび第2ポートを有し、外部電圧の可変により、前記第1光導波路または前記第2光導波路から出射される光を前記第1ポートまたは前記第2ポートへ切り替え制御する方向性結合器を備えたことを特徴とする請求項1乃至13のいずれか1つに記載の光スイッチ。
- 第1ポートおよび第2ポートを有し、外部電圧の可変により、前記第1光導波路または前記第2光導波路から出射される光を前記第1ポートおよび前記第2ポートへ導き、前記第1ポートおよび前記第2ポートの各光出射量比率を制御する方向性結合器を備えたことを特徴とする請求項1乃至13のいずれか1つに記載の光スイッチ。
- 請求項1乃至15のいずれか1つに記載の光スイッチを有し、前記第1及び第2不交差電極に変調信号を印加することを特徴とする方向性結合器型変調器。
- 請求項1乃至15のいずれか1つに記載の光スイッチを有することを特徴とする光通信システム。
- 請求項16に記載の方向性結合器型変調器を有することを特徴とする光通信システム。
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