JP4103557B2 - ダイバーシティ受信機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、適応整合フィルタを有するダイバーシティ受信機に関し、特に角度ダイバーシティを用いたダイバーシティ方式において、適応整合フィルタをダイバーシティルート数分必要としなくても品質の高い通信回線を提供できるダイバーシティ受信機に関する。
【0002】
【従来の技術】
受信機のダイバーシティ構成としては、2面のアンテナを使用する空間ダイバーシティと、2波の無線周波数を使用する周波数ダイバーシティのほか、長スパンの見通し外伝搬路では、角度の異なるホーンを使用する角度ダイバーシティがある。周波数ダイバーシティ等単独では、いずれも互い(周波数ダイバーシティの場合は、無線周波数を指す)の無相関性を利用してゲインを稼いでおり、これらを組み合わせてダイバーシティ次数を上げるほど、得られるゲインも増すことができる。従って、より厳しい通信回線では、それだけダイバーシティ次数の大きい構成の受信機を採用している。
【0003】
図5は、前記空間、周波数、角度の3方式を掛け合わせた、8重ダイバーシティの受信機の構成を示したものである。
【0004】
図5において、主ビームホーンと角度ビームホーンを有するダイバーシティアンテナ501a〜bは、伝搬路を通ってきた送信信号を受信して、これを出力する。
【0005】
周波数分配器502a〜dは、前記アンテナ501の出力信号を入力とし、無線周波数別に分配して、これを出力する。
【0006】
D/C(ダウンコンバータ)503a〜hは、前記周波数分配器502の出力信号を入力とし、無線周波数帯から中間周波数帯へ周波数変換した後、これを出力する。
【0007】
AGC AMP(Automatic Gain Control AMP:AGC増幅器)504a〜hは、前記D/C503の出力信号を入力とし、所定の信号レベルまで増幅した後、これを出力する。
【0008】
AMF(Adaptive Matched Filter :適応整合フィルタ)505a〜hは、前記AGC AMP504の出力信号を入力とし、タイミング位相制御を行った後、これを出力する。
【0009】
合成器506は、前記AMF505の出力信号を入力とし、合成して出力する。
【0010】
DFE(Decision Feedback Equalizer :判定帰還形等化器)507は、前記合成器506の出力信号を入力とし、符号間干渉を除去した後、これを出力する。
【0011】
DEM508は、前記DFE507の出力信号を入力とし、復調して出力する。
【0012】
次に従来例の動作を説明する。
伝搬路によるマルチパスフェージングを受けた信号は、主ビームホーン及び角度ビームホーンにて受信され、周波数分配器502a〜dにより各々個別に無線周波数別に分配され、D/C503a〜hにより中間周波数帯へと周波数変換される。周波数変換された受信信号は、AGC AMP504a〜hにて正規化されることで、フェージングによるレベル変動を除去されて出力される。その後のAMF505a〜hでは、マルチパス伝搬路にて時間軸上に分散した信号を、基準となる判定データ信号の位相に集束するように、タイミング位相制御が行われる。この結果、合成器506により各ダイバーシティルートの信号が同相合成され、合成後のS/N比(Signal to Noise Ratio )が最大となる。これが、最大比合成である。一方、伝搬路及びAMFで生じた符号間干渉は、DFE507にて取り除かれる。DEM508では、符号判定後、判定データ信号として出力する。
【0013】
伝搬距離の長い見通し外通信回線では、マルチパスフェージングが厳しく、高いシステムゲインが要求される。従って、回路規模が多少大きくなるとしても、ダイバーシティの次数を大きくした受信装置を採用してきた。
【0014】
しかし、図5のような従来の構成では装置規模及び消費電流が大きくなってしまう。その理由は、従来の構成ではAMFをダイバーシティルート分必要とするためである。従ってダイバーシティ次数を大きくすれば、それだけ装置が大型化し、消費電力も上がることになる。
【0015】
そこで、装置の規模を大きくせずに消費電力を抑えるためには、ダイバーシティアンテナが受信した信号のうち良質なものを選んでAMFに入力することで、回線品質を維持しつつAMFをダイバーシティルート分よりも少なくすればよい。AMFは用いていないが、その良質な信号の選び方に工夫を施した技術が存在している。
【0016】
たとえば、特許文献1に記載の技術では、常に受信回路を良好な受信入力のアンテナに接続しておくことができ、フェージングによる通話の中断が生じにくい角度ダイバーシティ受信装置を提供するために、異なる方角に向けて設置された4個以上のアンテナに対し、接続切り替え回路を介して接続される3個の受信回路と、基地局と移動局との通話中に各受信回路の時間平均的な受信レベルが最大となるように接続切り替え回路の接続切り替えを制御する制御回路及び受信レベルの瞬時値が最大の受信回路の出力のみを後段に伝達せしめるゲート回路を備えるように構成されている。
【0017】
特許文献2に記載の技術では、受信機の台数少なくし、少数の受信機のもとで故障に対する信頼性が高いダイバーシティ受信装置を提供するために、異なる方向を向いて基地局に設置され複数の通話チャンネルを受信する複数の指向性アンテナと、通話チャンネル及び指向性アンテナの個数よりも多くかつ通話チャンネル数の2倍よりも少ない台数を有しそれぞれがすべての通話チャンネルを選択的に受信できる複数の受信機と、前記各指向性アンテナの任意の1つと前記各受信機の1つとの接続を行う第1の接続切り替え手段と、通話中の各通話チャンネルごとに1台又は2台選択された通話用受信機のうち2台選択された場合は、受信レベルの瞬時値が大きい方の出力を後段に伝達するように通話チャンネルごとに設置された伝達手段と、各受信機と各伝達手段間の任意の接続を行う第2の接続切り替え手段並びに前記各受信機を指定された受信通話チャンネルに切り替えると共に前記第1、第2の接続切り替え手段を制御する制御手段とを備え、この制御手段を、移動局との通話開始に際し、指定された通話チャンネルの受信レベルの探索のために空き状態にある通話用受信機のうち前記指向性アンテナの個数以下の台数のものを選択し、この選択した受信機及び前記第1の接続切り替え手段を制御して各指向性アンテナの時間平均的な受信レベルを探索し通話の輻輳状況及び最大の受信レベルに応じて1個又は2個の指向性アンテナを受信レベルの大きい順に通話用アンテナとして選択し、この指向性アンテナに空き状態の受信機を接続して通話用受信機とし、通話用受信機を通話チャンネルの前記伝達手段に接続すると共に、通話中の各通話チャンネルについて、前記1台又は2台の通話用受信機の時間平均的な受信レベルを監視して、受信レベルの一方又は双方が所定値以下となるたびに前記通話開始の際と同様の探索動作を行い時間平均的な受信レベルが大きい順にもしくは該探索動作の途中で前記所定値以上の受信レベルを有することが判明した順に、通話の輻輳状況及び最大の受信レベルもしくは通話の輻輳状況のみに応じて1個又は2個の指向性アンテナを通話用アンテナとして選択するように構成されている。
【0018】
特許文献3に記載の技術では、アンテナ数を増加させても装置全体の回路構成が複雑化することがないダイバーシティ受信回路を提供するために、信号を受信するための複数個のアンテナに対し、これらのアンテナを介して受信した高周波信号の包絡線(エンベロープ)を検出する包絡線検出部を備えている。前記包絡線検出部は各アンテナからの受信出力の内の包絡線のレベルが高いアンテナからの受信出力を2組の位相検出部、移相器に供給すると共に、各々の包絡線レベルに比例したゲイン制御信号を増幅器に供給する。各位相検出部により検出された位相差に基づいて移相器により移相されて位相が一致した各々の受信信号は増幅器によりゲインが調整されて合成部により合成されて検波器により検波される。このような構成であれば、アンテナ数を増加させても包絡線検出部の入力数を増加させるだけでよく、受信手段の数に対応させて位相検出部、移相器等を増加させる必要がない。従って、受信手段の数を増加させても構成が複雑化することを防止することができ、コストの低減、故障発生率の低減等を実現することができるというものである。
【0019】
【特許文献1】
特開昭60−233946号公報
【特許文献2】
特開昭61−053842号公報
【特許文献3】
特開平09−307491号公報
【0020】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献1、2に記載の技術では、受信器を複数個有し、最終出力としては受信レベルの瞬時値の最も高いルートのみを選択している。しかし、瞬時値を基準に選択する場合、フェージングにより信号レベルが瞬間で極端に高くなったり低くなったりするため、安定した信号レベルを維持しづらいものになっている。特に、長スパンの見通し外通信においては、フェージングがより厳しく、速くなるために、その傾向が強くなる。従って、信号の選択に関しては、ある程度まとまった時間をかけて1つの信号に対し複数のサンプルを参照していく方が、安定性の点で優位にある。
【0021】
特許文献3に記載の技術では、包絡線レベルを参照することで、構成の複雑化を防止し、さらにアンテナの切り替えに伴うスイッチングノイズを如何に抑えるかという点に注視することにより受信信号を切り替えているが、瞬間において最高レベルの信号を選択していくという点では、特許文献1、2に記載の技術と同様である。また、アンテナ数が増加しても、S/Nの点では有利となるが、ダイバーシティゲインは変わらない構成である。
【0022】
本発明の目的は、角度ダイバーシティを用いた構成の場合に、角度ビーム側のダイバーシティルート数に値するAMFを削減した上でも、削減前とほぼ同等な性能を有し、信号の切り替え時でもフェージング耐力を維持する、小型で消費電力の低いダイバーシティ受信機を提供することである。具体的には各請求項に対して以下の目的を取り上げる。
【0023】
請求項1に係る発明では、信号レベルの瞬間値ではなく、一定時間受信した受信信号の中央値を検出し安定した信号レベルを維持するダイバーシティ受信機であって、適応整合フィルタに送信する良質な受信信号を選択するダイバーシティ受信機を提供することを目的とする。
【0024】
請求項に係る発明では、信号レベルの瞬間値ではなく、一定時間受信した受信信号の中央値を検出し安定した信号レベルを維持するダイバーシティ受信機であって、切り替え時における装置の性能劣化を抑えるダイバーシティ受信機を提供することを目的とする。
【0029】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を解決するため、請求項1に記載の発明は、主ビームホーンと角度ビームホーンを有するダイバーシティアンテナにて、各々主ビームと角度ビームの受信を行うダイバーシティアンテナと、
前記ダイバーシティアンテナが受信した受信信号を各々個別に無線周波数別に分配する周波数分配器と、
前記周波数分配器により分配された受信信号に対し無線周波数帯から中間周波数帯へ周波数変換するダウンコンバータと、
各ダイバーシティルートに配置されており、所定の信号レベルまで増幅し、受信信号の正規化を行うAGC増幅器と、
全Nルートの前記AGC増幅器の出力信号のうちN/2個の信号を選択し出力する選択手段と、
前記選択手段による出力信号を入力として信号を集束することでタイミング位相制御を行うN/2個の適応整合フィルタと、
各ダイバーシティルートの受信信号を合成して出力する合成器と、
符号間干渉を除去する判定帰還形等化器と、
復調して出力するDEMとを有し、
N重のダイバーシティルート(Nはダイバーシティ次数)を形成するダイバーシティ受信機において、
所定の期間における前記AGC増幅器出力のAGC電圧値を参考に、前記受信信号の信号レベルの中央値を検出する手段を有するダイバーシティ受信機であって、
前記選択手段は、各ダイバーシティルートの信号を分岐しており、それぞれの分岐にスイッチと、前記スイッチを制御する制御手段を有し、該制御手段は、前記AGC増幅器のAGC電圧値を入力とし、前記AGC電圧値から各ダイバーシティルートの受信信号の信号レベルを判断、比較し、
前記選択手段は、信号レベルの前記中央値をもとにレベルの大きい方からN/2個の信号を選択することを特徴とするダイバーシティ受信機である
【0030】
請求項2に記載の発明は、主ビームホーンと角度ビームホーンを有するダイバーシティアンテナにて、各々主ビームと角度ビームの受信を行うダイバーシティアンテナと、
前記ダイバーシティアンテナが受信した受信信号を各々個別に無線周波数別に分配する周波数分配器と、
前記周波数分配器により分配された受信信号に対し無線周波数帯から中間周波数帯へ周波数変換するダウンコンバータと、
各ダイバーシティルートに配置されており、所定の信号レベルまで増幅し、受信信号の正規化を行うAGC増幅器と、
全Nルートの前記AGC増幅器の出力信号のうちN/2個の信号を選択し出力する選択手段と、
前記選択手段による出力信号を入力として信号を集束することでタイミング位相制御を行うN/2個の適応整合フィルタと、
各ダイバーシティルートの受信信号を合成して出力する合成器と、
符号間干渉を除去する判定帰還形等化器と、
復調して出力するDEMとを有し、
N重のダイバーシティルート(Nはダイバーシティ次数)を形成するダイバーシティ受信機において、
所定の期間における前記AGC増幅器出力のAGC電圧値を参考に、前記受信信号の信号レベルの中央値を検出する手段を有するダイバーシティ受信機であって、
前記選択手段は、各ダイバーシティルートの信号を分岐しており、それぞれの分岐にスイッチと、前記スイッチを制御する制御手段を有し、該制御手段は、前記AGC増幅器のAGC電圧値を入力とし、前記AGC電圧値から各ダイバーシティルートの受信信号の信号レベルを判断、比較し、
前記選択手段は、N/2個の前記受信信号を選択するにあたり、最低レベルの1ルートの信号のみを切り替えることで常に(N/2)−1の次数は保持していることを特徴とするダイバーシティ受信機である
【0035】
以上の装置構成により、受信された信号は、中間周波数への変換後所定のレベルに保たれるが、その際に用いる制御電圧により受信信号のレベルを判断することができる。通常、主ビーム側の信号レベルは角度ビーム側より高いので、S/N比の良い前記主ビーム側の受信信号のみを選択、該選択信号を最大比合成した後符号間干渉を除去、復調を行う。このことにより、レベルの低い角度ビーム側の信号を合成しなくても十分品質の高い回線を提供できる。一方、主ビーム側の信号レベルが下がり、角度ビーム側が上がってきた場合には、前記電圧を参照してレベルの高い信号を順にN/2個選択し、前記選択信号を最大比合成する。その後は、前述した通常時と同じである。この結果、主ビーム側の信号レベルが下がった場合でも、全ての受信信号を合成することなしに回線品質の低下を防止できる。かつ、機器の小型化や低消費電力化を図ることも可能となる。
【0036】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0037】
[実施例の構成の説明]
図1は本発明の一実施例のブロック図である。尚、SEL105より前に関しては図5における従来例と同様の構成であり、D/C103cからD/C103g、及びAGC AMP104cからAGC AMP104gとそれらの接続に関する記載を省略している。
また、図2は、図1の構成要素SEL105の内部ブロック図である。本発明は、角度ダイバーシティを用いたN重ダイバーシティ(但し、Nは2の指数関数で8以上)に適用されるが、ここでは説明を容易にするため、8重ダイバーシティにおいて説明を行う。
【0038】
主ビーム用と角度ビーム用の2つのホーンを持つダイバーシティアンテナ101a、bにて受信した信号は、ホーン毎に配置された周波数分配器102a〜dにて無線周波数別に分配され、出力される。
【0039】
D/C103a〜hは前記出力信号毎に配置されており、中間周波数帯に周波数変換した後、これを出力する。
【0040】
AGC AMP104a〜hは、前記出力信号を入力とし、信号レベルの正規化を行った後、これを出力する。
【0041】
SEL105は、前記8ルート分のAGC AMP104a〜hの出力信号を入力とし、該入力信号のうちレベルの高い4つの信号を選択してこれらを出力する。またSEL105は、各ルートの受信信号レベルを参照するため、前記AGC AMP104a〜hのAGC電圧(AGCV1〜8)を取り込んでいる。
【0042】
AMF106a〜dは、前記SEL105の出力信号を入力とし、伝搬路におけるフェージングにより時間軸上に分散した信号を集束することでタイミング位相制御を行い、これを出力する。
【0043】
合成器107は、前記AMF106a〜dの出力信号を入力とし、合成して出力する。
【0044】
DFE108は、前記合成器107の出力信号を入力とし、符号間干渉を除去した後、これを出力する。
【0045】
DEM109は、前記DFE108の出力信号を入力とし、復調後、判定データ信号として出力する。
【0046】
以上のように、本実施例では、AMF106を角度ダイバーシティルート数分搭載せず、SEL105で選択した受信信号分のみを用いて最大比合成及び復調を行うことを特徴としている。
【0047】
[実施例の動作の説明]
次に、本実施例の動作処理を説明する。
図1において、SEL105までの構成及び動作は、図5による従来例と同様の動作処理である。各ダイバーシティアンテナの主ビームホーンにて受信された信号は、D/C103aからD/C103dに、前記アンテナの角度ビームホーンにて受信された信号は、D/C103eからD/C103hに独立に入力されて、各々無線周波数帯から中間周波数帯に周波数変換される。
【0048】
AGC AMP104a〜hでは信号の正規化を行っているが、その際のAGC電圧を参照することで、各ルートの受信信号レベルの相対関係を把握することができる。
【0049】
SEL105では、前記AGC電圧を利用して受信信号の選択を行っている。以下に、該SEL105の動作を、図2及び図3を用いて説明する。
【0050】
図2はSEL105の内部ブロック図であり、実線は主信号を、2点鎖線は制御信号を示している。尚、実際はSW201a〜hと同様の構成が4ルート分あるが、SW202b以降は省略している。
【0051】
SEL105は、AGC AMP104から入力された信号が、各々4分岐され、SWを経てルート別のAMF106へ出力される回路構成になっている。該SWの開閉はSWCONT203により制御され、該SWCONT203には、AGC AMP104a〜hからAGC電圧(AGCV1〜8)が、固有に配置された中央値検出回路204a〜hを経て入力されている。
【0052】
該中央値検出回路204a〜hでは、最大値や最小値となるようなノッチによる瞬間的なレベル変動は除き、50%値を検出するものである。このため、緩やかな変動分のみを取り出すことが出来、長時間の推移を検出するのに適している。尚、信号レベルそのものではなくAGC電圧で代用しているが、これはAGC増幅範囲内では信号レベルと電圧とがほぼ線形の関係を保っているからである。
【0053】
前述したように、AMF106aにはSW201a〜hを介して各ダイバーシティルートのAGC AMP104a〜hが接続されているが、このうち閉じるSWは唯一つのみであり、同時に2つ以上のSWが閉じることはない。従って、1つのAMFに入力される信号は、各AGC AMP出力のいずれか唯1つである。また、逆に一つのAGC AMPの出力信号が分岐されて、同時に2つ以上のAMFに出力されることもないように制御される。そして、該SWの選択基準となるのは信号の受信レベルである。伝搬路では、送信信号は様々な要因により散乱や反射、及び減衰されるため、受信アンテナにて受信される信号は絶えずレベルが変動し、受信アンテナに侵入してくる角度も異なっている。従って安定した回線品質を保つには、信号レベルの高い、つまりS/N比の良い信号を常に使用する必要がある。従来では、全ての信号を使用していたため何も考慮する必要はなかったが、その反面、回路規模が大きくなるため、ドロワや架の構成によってはかなりの場所を占有するばかりか、消費電力も多大なものとなる。
【0054】
そこで、本実施例では、角度ダイバーシティによる追加分のAMFを削減している。その理由として、主ビーム系ホーンによる受信信号レベルと、角度ビーム系ホーンによる受信信号レベルの各々の中央値を比較した場合、通年のほとんどで約10dBの差があるためである。ここでの10dBとは正規化前の受信時のレベルであり、AMF106では自乗合成されるため、合成器107の入力時点では20dBのレベル差となる。このレベル差は、角度ビーム系の信号が最大比合成においてあまり寄与しない、逆にいえば、回線品質が主ビーム系ルートの信号でほぼ決定されることを意味している。
【0055】
以上から、角度ダイバーシティは不要であるように考えられるが、実際は季節の影響から、主ビーム系のレベルと角度ビーム系のレベルが逆転する時期が存在する。この推移を例示したものが図3である。図3において、縦軸方向が受信入力レベル(中央値)を、横軸が時間を示している。通年して品質の高い安定した回線を提供する上では、前述したレベルの逆転する時期(図3中のAの期間)は問題となる。すなわち、前記期間では、主ビーム系のレベルも下がりS/N比が劣化するためである。前記問題を解決するには、該期間において角度ビーム系の信号を代用すればよい。これにより、常にS/N比の良い受信信号が得られるのである。尚、図3のグラフで示されているのは中央値であり、実際にはフェージングの影響により短時間にはレベルが大きく変動している。瞬間、主ビーム系のレベルが下がり、角度ビーム系のレベルが上がって逆転することもあるので、図3中のAの期間以外でも全く角度ダイバーシティが寄与しないわけではないことを付け加えておく。
【0056】
次に、受信信号の選択手段の動作処理を図4を用いて説明する。
図4は、SW制御のフロー図である。また、図4内のn及びkは、0以上の整数値をとる変数である。
【0057】
まず全ダイバーシティルートのAGC電圧(中央値)を読み込む。次に、前記AGC電圧を参照して、受信レベルの高い順序で順位付けを行う。求めた順位はメモリに格納していく。以上をk回繰り返す(S1〜S6)。ここで、kにはいくらかの値を持たせることで、k回のループが数秒かかる程度が望ましい。その後、各ダイバーシティルートでこれまでの順位数の総和をとる(S7)。前記総和を持って入れ替えのための順位とする。そして、前記総和をとった順位をもとにして、切り替え前に接続されているルートで5番目以降となった信号を断とし、代わりに接続されていなかったルートで最も順位の高いもの(4番以内)を接続する(S8)。
【0058】
このとき、接続の変更をするのは切り替え前に接続されているルートで5番目以降となったルートのうち最下位の1ルートのみである。これは、一度に全てのルートを切り替えるのではなく、レベルの最も低い1ルートのみを対象とすることで、常に(N/2−1)以上のダイバーシティ次数を確保、切り替え時の性能劣化を最小限に抑えるためである。また、順位において複数のルートが切り替え対象となった場合は、常に若い番号のルートを優先、生き残るよう制御するものとする。
【0059】
その後の処理は図5による従来例と同様なので、省略する。
【0060】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によるダイバーシティ受信機は、本来のダイバーシティルート数分のAMFを構成として持たなくても、常に受信レベルを監視してレベルの高いルートの信号を選択、合成することで従来並みの性能と、高い回線品質を提供することが可能である。
従って、AMFの構成数を従来の半数にすることにより機器の簡素化・小型化、低消費電力化が実現可能である。そして、ダイバーシティ次数が大きくなるほど、その効果は増すことになる。
また、一度に全てのルートではなく、レベルの最も低い1ルートのみを切り替え、常に(N/2−1)以上のダイバーシティ次数を確保することにより信号の切り替え時でもフェージング耐力を維持できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例のブロック図である。
【図2】SEL105の内部ブロック図である。
【図3】受信信号レベルの時間推移を示した図である。
【図4】本発明のSW制御のフロー図である。
【図5】従来例のブロック図である。
【符号の説明】
101a〜b、501a〜b ダイバーシティアンテナ
102a〜d、502a〜d 周波数分配器
103a〜h、503a〜h D/C(ダウンコンバータ)
104a〜h、504a〜h AGC AMP(自動利得制御増幅器)
105 SEL(切り替え器)
106a〜d、505a〜h AMF(適応整合フィルタ)
107、506 合成器
108、507 DFE(判定帰還形等化器)
109、508 DEM(復調器)
201a〜h、202a〜b SW
203 SWCONT(切り替え制御回路)
204a〜h 中央値検出回路

Claims (2)

  1. 主ビームホーンと角度ビームホーンを有するダイバーシティアンテナにて、各々主ビームと角度ビームの受信を行うダイバーシティアンテナと、
    前記ダイバーシティアンテナが受信した受信信号を各々個別に無線周波数別に分配する周波数分配器と、
    前記周波数分配器により分配された受信信号に対し無線周波数帯から中間周波数帯へ周波数変換するダウンコンバータと、
    各ダイバーシティルートに配置されており、所定の信号レベルまで増幅し、受信信号の正規化を行うAGC増幅器と、
    全Nルートの前記AGC増幅器の出力信号のうちN/2個の信号を選択し出力する選択手段と、
    前記選択手段による出力信号を入力として信号を集束することでタイミング位相制御を行うN/2個の適応整合フィルタと、
    各ダイバーシティルートの受信信号を合成して出力する合成器と、
    符号間干渉を除去する判定帰還形等化器と、
    復調して出力するDEMとを有し、
    N重のダイバーシティルート(Nはダイバーシティ次数)を形成するダイバーシティ受信機において
    所定の期間における前記AGC増幅器出力のAGC電圧値を参考に、前記受信信号の信号レベルの中央値を検出する手段を有するダイバーシティ受信機であって、
    前記選択手段は、各ダイバーシティルートの信号を分岐しており、それぞれの分岐にスイッチと、前記スイッチを制御する制御手段を有し、該制御手段は、前記AGC増幅器のAGC電圧値を入力とし、前記AGC電圧値から各ダイバーシティルートの受信信号の信号レベルを判断、比較し、
    前記選択手段は、信号レベルの前記中央値をもとにレベルの大きい方からN/2個の信号を選択することを特徴とするダイバーシティ受信機。
  2. 主ビームホーンと角度ビームホーンを有するダイバーシティアンテナにて、各々主ビームと角度ビームの受信を行うダイバーシティアンテナと、
    前記ダイバーシティアンテナが受信した受信信号を各々個別に無線周波数別に分配する周波数分配器と、
    前記周波数分配器により分配された受信信号に対し無線周波数帯から中間周波数帯へ周波数変換するダウンコンバータと、
    各ダイバーシティルートに配置されており、所定の信号レベルまで増幅し、受信信号の正規化を行うAGC増幅器と、
    全Nルートの前記AGC増幅器の出力信号のうちN/2個の信号を選択し出力する選択手段と、
    前記選択手段による出力信号を入力として信号を集束することでタイミング位相制御を行うN/2個の適応整合フィルタと、
    各ダイバーシティルートの受信信号を合成して出力する合成器と、
    符号間干渉を除去する判定帰還形等化器と、
    復調して出力するDEMとを有し、
    N重のダイバーシティルート(Nはダイバーシティ次数)を形成するダイバーシティ受信機において、
    所定の期間における前記AGC増幅器出力のAGC電圧値を参考に、前記受信信号の信号レベルの中央値を検出する手段を有するダイバーシティ受信機であって、
    前記選択手段は、各ダイバーシティルートの信号を分岐しており、それぞれの分岐にスイッチと、前記スイッチを制御する制御手段を有し、該制御手段は、前記AGC増幅器のAGC電圧値を入力とし、前記AGC電圧値から各ダイバーシティルートの受信信号の信号レベルを判断、比較し、
    前記選択手段は、N/2個の前記受信信号を選択するにあたり、最低レベルの1ルート の信号のみを切り替えることで常に(N/2)−1の次数は保持していることを特徴とするダイバーシティ受信機。
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