JP4103292B2 - 車両用タイヤ空気圧監視システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両における各タイヤの空気圧を監視するタイヤ空気圧監視システムに関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】
従来、タイヤの空気圧および内部温度を検出してそのデータを電波で送信する検出装置を車両の各タイヤに設置し、送信されたデータを車体側に設置した監視装置で受信し、タイヤの異常を検知するとユーザーに警告を発するようにしたタイヤ空気圧監視システムが種々提案されている。
【0003】
このタイヤ空気圧監視システムにおいて、各タイヤに設置された検出装置を、内蔵した電池で動作させるようにした場合には、電力消費を低減して電池寿命を長くする必要がある。
【0004】
特開平9−30220号公報には、タイマを用いてタイヤ空気圧を定期的にモニタするものが記載されている。しかしながら、このものでは、車両が運転状態にない場合であってもタイヤ空気圧をモニタすることになり、電池寿命を長くするという点で不十分である。
【0005】
また、特開平11−20427号公報には、遠心力スイッチにより車両が走行状態にあるときに定期的にタイヤ空気圧を検出するようにしたものが記載されている。このものでは、車両の走行時に限りタイヤ空気圧検出を定期的に行っているため、電池寿命を長くすることができるが、車両が一時停止した場合には、タイヤ空気圧を監視することができないという問題がある。
【0006】
本発明は上記問題に鑑みたもので、検出装置に内蔵された電池の寿命を長くし、車両が一時停止した場合でも、タイヤ空気圧の監視を行うことができる車両用タイヤ空気圧監視システムを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、少なくともタイヤの空気圧を検出してそのデータを電波で送信する検出装置(10、20、30、40)が車両の各タイヤに設置され、送信されたデータを受信して各タイヤの空気圧を監視する監視装置(50)が車体側に設けられてなる車両用タイヤ空気圧監視システムにおいて、
各検出装置(10、20、30、40)は、内蔵電池(11)を電源とするものであって、タイヤの回転を検出するタイヤ回転検出手段(14)を有し、このタイヤ回転検出手段(14)の回転検出に基づいて自らの動作起動及び動作停止を制御し、さらに、タイヤ回転検出手段(14)の回転検出に基づいて車両が停止したことを検出したとき、所定時間が経過するまではその動作を継続するようになっていることを特徴としている。
【0008】
この発明によれば、タイヤ回転検出手段(14)の回転検出に基づいて自らの動作起動及び動作停止を制御するようにしているから、検出装置(10、20、30、40)に内蔵された電池(11)の寿命を長くすることができ、またタイヤ回転検出手段(14)の回転検出に基づいて車両が停止したことを検出したとき、所定時間が経過するまではその動作を継続するようにしているから、車両が一時停止した場合でも、タイヤ空気圧の監視を行うことができる。
【0009】
また、請求項2に記載の発明のように、動作起動したタイミングを基準にして設定されたデータ送信タイミングでデータの送信を行うようにすれば、データ送信タイミングの累積的なずれを防止し、各検出装置(10、20、30、40)のデータ送信タイミングが重なるのを防止することができる。
【0010】
また、請求項3に記載の発明のように、各検出装置(10、20、30、40)が間欠動作し、タイヤの空気圧の検出を行う間隔よりも長い間隔でデータ送信タイミングを設定するようにすれば、内蔵電池(11)の寿命をより長くすることができる。
【0011】
また、請求項4に記載の発明のように、検出したタイヤの空気圧の異常を判定すると、データ送信タイミングを短くするようにすれば、監視装置(50)にその異常を早くかつ確実に知らせることができる。
【0012】
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【0013】
【発明の実施の形態】
図1に本発明の一実施形態に係る車両用タイヤ空気圧監視システムの部品構成を示し、図2にそれぞれの部品を車両に搭載した状態を示す。
【0014】
図2に示すように、タイヤの空気圧および内部温度を監視してデータを電波で送信する検出装置としての送信機(電波式タイヤ内埋込型の通信手段)10、20、30、40が4つのタイヤの内部にそれぞれ設置され、各送信機から送信されたデータを受信して各タイヤの空気圧、温度を監視する監視装置50が車体側に設置されている。
【0015】
送信機10、20、30、40の各々は、図1に示すように、内蔵電池11を電源とし、圧力センサ12、温度センサ13によりタイヤ内の圧力、温度を検出(測定)し、設定された送信タイミングで測定したデータを監視装置50に送信する。
【0016】
また、送信機10、20、30、40の各々は、タイヤの回転を検出するタイヤ回転検出手段としての回転センサ14を有し、この回転センサ14の回転検出により車両が走行開始したことを判定すると自ら動作起動し、タイヤ内の圧力、温度の測定および測定データの送信を行う動作を間欠的に行い、また回転センサ14の回転検出により車両が停止したことを判定すると、所定時間が経過するまでその動作を継続し、その後自ら動作停止するようになっている。なお、上記した動作とは、タイヤ内の圧力、温度を測定しその測定データを送信する動作(機能)をいい、動作の停止中は、回転センサ14の回転検出により車両が走行開始したか否かの検出のみが間欠的に行われる。
【0017】
監視装置50は、送信機10、20、30、40から送信されるデータを受信するアンテナ51、52、53、54と、その受信したデータに基づいて各タイヤの状態を監視し、いずれかのタイヤに、空気圧低下、空気圧の異常増減、あるいはタイヤ内温度の異常上昇などの異常があることを判定すると、異常表示信号を出力するコントローラ(以下、ECUという)55と、このECU55からの異常表示信号を受けてユーザーに異常を知らせる表示を行う表示装置56と、を備えている。また、ECU55は、車両の運転中にデータの受信およびそれに基づく異常判定を行うようになっており、車両が運転状態にあるか否かを、イグニッションスイッチ57、シフトポジションスイッチ58、エンジン回転数センサ59からの信号に基づいて行う。
【0018】
図3に、ECU55の処理を示す。ECU55は、イグニッションスイッチ57、シフトポジションスイッチ58、エンジン回転数センサ59からの信号に基づいて車両が運転状態になったか否かを判定する(S110)。車両が運転状態になったことを判定すると、送信機10、20、30、40から送信されるデータを受信し、受信したデータに基づいて各タイヤの状態を監視し、いずれかのタイヤに異常があることを判定すると、異常表示信号を表示装置56に出力する(S130)。
【0019】
また、送信機10、20、30、40からの送信データ受信待機中に、イグニッションスイッチ57、シフトポジションスイッチ58、エンジン回転数センサ59からの信号に基づいて車両が運転終了状態になったか否かを判定する(S120)。車両が運転終了状態になったことを判定すると、送信機10、20、30、40から送信されるデータの受信を停止し、再び車両が運転状態となるまで間欠動作を行う。このことにより、車両のバッテリーの消耗を抑えることができる。
【0020】
送信機10、20、30、40の各々は、内蔵電池11から電源供給を受けて作動するマイクロコンピュータ等のコンピュータ手段(図1に図示せず)を有し、図4に示す処理を行う。この処理は、内蔵電池11の消耗を抑えるため、間欠的に行われる(S200)。この間欠動作としては、走行待機状態のときの間欠動作(S210)と動作要因の待機状態のときの間欠動作(S220)がある。
【0021】
走行待機状態のときには、回転センサ14からの信号により、車両が走行開始したか否かが判定される(S230)。車両が走行開始したことが判定されると、圧力センサ12、温度センサ13からの信号による圧力データ、温度データの収集(S250)およびそのデータの送信(S260、S270)を行う動作に移行する。すなわち、自ら動作起動する。
【0022】
また、図4中の処理には示されていないが、動作起動したタイミングを基準にしてデータ送信タイミングが設定される。このデータ送信タイミングは、各送信機のデータ送信タイミングが重ならないように設定される。送信機10、20、30、40からは、予め定められたデータ送信の優先順位に従って一定間隔で繰り返しデータが送信される。このような送信タイミングの設定により、ECU55では、全ての送信機からのデータを確実に受信することができる。また、動作起動のタイミングでデータ送信タイミングが設定されるため、送信機の作動に用いる発振周波数の誤差等によってデータ送信タイミングが累積的にずれることを防止することができ、各送信機のデータ送信タイミングが重なるのを確実に防止することができる。
【0023】
動作起動後は、上記した間欠動作(S200)において、動作要因待機状態となる(S220)。この動作要因とは、データ収集タイミング、データ送信タイミング、車両停止状態検出である。データ送信タイミングは、データ収集タイミングよりも長い間隔で設定される。また、そのデータ送信タイミングは、収集したタイヤの空気圧、内部温度が異常であることが判定されると、それまでよりも短く設定される。
【0024】
図4に示す処理では、データの収集(S250)およびデータの送信(S260、S270)が直列的に処理されるような形で示されているが、それぞれ、動作要因判定ステップ(S240)にてデータ収集タイミング、データ送信タイミングが判定されたときに個別に実行される。従って、データの収集は比較的に短い周期で行われ、データの送信はそれよりも長い周期で行われる。また、タイヤ空気圧、内部温度が異常になると、短いタイミングで連続してデータが送信される。このことにより、監視装置50に異常を早くかつ確実に知らせることができる。
【0025】
また、動作要因判定ステップ(S240)にて、車両停止状態検出の動作要因が判定されると、回転センサ14からの信号により、車両が停止したか否かが判定される。車両が停止したことが判定される(S280の判定がYESになる)と、所定時間が経過するまで上記したデータの収集および送信の動作が継続される。このことにより、一時停止したような場合でもタイヤ空気圧、内部温度の異常の監視を行うことができる。
【0026】
そして、車両が停止してから所定時間(一定時間、もしくは何らかの条件で可変となる時間であってもよい)が経過したことが判定される(S290の判定がYESになる)と、動作停止として、走行待機状態のときの間欠動作(S210)に移行する。
【0027】
このように各送信機は、回転センサ14からの信号に基づいて車両の走行状態及び停止状態を検出し、自らの動作起動及び動作停止を制御しているため、内蔵電池11の消耗を低減することができる。また、タイヤ空気圧、内部温度のデータの収集を例えば数十秒毎に実施し、収集時以外の状態では間欠動作を行い、また収集したデータが正常であれば送信タイミングを例えば数十分毎とするようにすれば、電池11の消耗をより低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る車両用タイヤ空気圧監視システムの部品構成を示す図である。
【図2】送信機および監視装置の車両への搭載状態を示す図である。
【図3】ECUの処理を示すフローチャートである。
【図4】各送信機での処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
10、20、30、40…送信機、11…内蔵電池、12…圧力センサ、
13…温度センサ、14…回転センサ、50…監視装置、
51〜54…アンテナ、 55…ECU、56…表示装置、
57…イグニッションスイッチ、 58…シフトポジションスイッチ、
59…エンジン回転数センサ。
Claims (4)
- 少なくともタイヤの空気圧を検出してそのデータを電波で送信する検出装置(10、20、30、40)が車両の各タイヤに設置され、前記送信されたデータを受信して各タイヤの空気圧を監視する監視装置(50)が車体側に設置されてなる車両用タイヤ空気圧監視システムにおいて、
前記各検出装置(10、20、30、40)は、内蔵電池(11)を電源とするものであって、タイヤの回転を検出するタイヤ回転検出手段(14)を有し、このタイヤ回転検出手段(14)の回転検出に基づいて自らの動作起動及び動作停止を制御し、さらに、前記タイヤ回転検出手段(14)の回転検出に基づいて車両が停止したことを検出したとき、所定時間が経過するまではその動作を継続するようになっていることを特徴とする車両用タイヤ空気圧監視システム。 - 前記各検出装置(10、20、30、40)は、前記動作起動したタイミングを基準にして設定されたデータ送信タイミングで前記データの送信を行うようになっていることを特徴とする請求項1に記載の車両用タイヤ空気圧監視システム。
- 前記各検出装置(10、20、30、40)は、動作時に間欠動作するようになっており、前記タイヤの空気圧の検出を行う間隔よりも長い間隔で前記データ送信タイミングが設定されていることを特徴とする請求項2に記載の車両用タイヤ空気圧監視システム。
- 前記各検出装置(10、20、30、40)は、前記検出したタイヤの空気圧が異常であることを判定すると、データ送信タイミングを短くするようになっていることを特徴とする請求項2または3に記載の車両用タイヤ空気圧監視システム。
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