JP4103119B2 - 車両修理方法 - Google Patents

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Description

本発明は、事故等によって損傷した自動車等の車両の修理方法に関するものである。
従来、事故等によって損傷した修理対象車両のボディを修理する際に、該修理対象車両の損傷を受けたフレーム等の一部を切断して、これとは別の部品供給車両の新たなフレーム等の一部を切断して得たパーツを、前記修理対象車両の切断箇所に対して溶接する修理方法は、大きな熱歪みが生じたり、パーツの強度を著しく低下させ車体のバランスを悪化させたりする可能性が非常に高く、重大な事故を招来する虞がある。このため、前記修理方法は使用することはできない現状がある。
修理を行わずに、新規に車両を購入することは、安全性重視の観点からすると問題ないが、一方で、車両のフロント部のみを大きく損壊する事故は多く、フロント部の損壊のみで廃車を行うことは、資源の有効活用の観点からすると、非常に無駄が大きい。
現在、フロント部を大きく損壊し、その修理を行う場合には、車両製造業者から細かな供給部品ごとに車両修理業者が注文し、細かな部品ごとを組み付けて溶接し、修理対象車両に固着する車両修理方法が一般的である。
しかしながら、当該車両修理業者による修理方法によって修理された車両は、種々の高性能な生産設備を備えた車両製造業者で生産された新車両と比較して、常に同等の品質を確保できるとは限らず、車両修理業者での多数の細かな部品の溶接により、非常に大きな熱歪みが発生することもあり、品質が安定しているとは言い難い。
また、溶接強度についても、多数の細かな部品について、車両製造業者と同等とするのは至難である。そして、溶接が不十分であると耐久性が低下して溶着箇所の脱落、損壊を招来する虞がある。
また、溶接によって強度が著しく高い場合でも、設計通りの安全性を確保できない場合もある。例えば、衝突安全性能として、複数の部品から組み上げられるフレーム(モノコックボディ車両のラーメン構造体を構成するサイドメンバー等を含む)のエンボス部が衝突時に壊れることで、搭乗者の安全を図るように想定されている箇所を、高強度の溶接を施した場合には、フレームのエンボス部の破壊が妨げられて部品の衝撃吸収性が低下し、予め設計された生存空間が保てず、搭乗者の生命が危険にさらされる虞もある。
更に、車両製造業者から供給される部品は、完成車両の一部から提供されるものではなく、供給専用部品であるため、防錆処理がなされていないことも多く、事実上、車両修理時に防錆処理を車両修理業者が行うこととなる。このため、車両修理業者の設備等の差異によって、防錆品質にもばらつきが生じている。また、予めアッセンブリとして提供される供給専用部品では、その内部等に対して十分な防錆処理を行い得ない構成となることもある。防錆品質が十分でないと、経年劣化(腐食)によって車両の不慮の損壊を招来する虞がある。
以上の事情から、一見確実に修理されたかに見える修理車両は、熱歪みの発生や、防錆処理の不十分から生ずる錆の発生、腐食が生じていることも多く、車両の強度、安全性が十分でないことは多い。このため、真に、フロント部の安全性を十分に確保できる車両修理方法が望まれている。
ところで、熱歪みを抑えることで、損傷したパーツの切断を可能とする車両の修理方法としては、修理対象車両(事故車両)のボディから損傷部位をカットする損傷部位切除工程と、この修理対象車両と同年同型式の新品パーツまたは中古パーツから損傷部位と同部位の補給部品をカットする補給部品供給工程と、修理対象車両と補給部品の各カットライン部の裏面に重ね合わせる所定巾の裏当材を準備する裏当材工程と、修理対象車両と補給部品の各カットライン部の表面を凹み処理するカットライン部処理工程と、修理対象車両と補給部品との各カットライン部に裏当材を重ね合わせて突き合わせるとともに重ね合わせ部位を固着する工程と、各カットライン部の表面凹みを車両表面に沿ってパテ処理した後に塗装する表面仕上げ工程とからなることを特徴とする車両修理方法(例えば、特許文献1参照。)が公知である。
特許第2945383号公報
上記特許文献1に係る発明は、具体的には、車両のサイドパネルの修理等について開示するものであり、資源の有効活用、熱歪みを抑える点に関しては効果を得られる。当該修理方法を用いた前記サイドパネルの補修程度であれば、ある程度の強度が確保できれば、車両の走行中の強度に大きな影響を与えるという深刻なものではないから、大きな問題は無いとも考えられる。
しかしながら、当該特許文献1にかかる車両修理方法は、車両がフレーム全体に対して大きな損壊を受けた場合にまで適用できるものではない。当該車両修理方法によれば、本来修理に係る部品の着脱等の工程を大幅に省略でき、修理費用を大幅に低減することができる利点はあるが、フレーム自体の変形破損等修理対象車両のボディの強度やバランスが事故前の車両と同じ状態にまで復元するものではない。そして、当該車両修理方法における重ね合わせ部位の固着が、基本的に接着によって行うことで、外観上の体裁を良好とするものであり、十分な固着方法として溶接を行うと、結局熱歪みを生じるのである。
本願発明は、以上の事情に鑑みてなされたものであり、資源の有効活用を図ることができることはもとより、修理対象車両のボディの強度やバランスが事故前の車両と同じ状態にまで復元することを可能とする車両の修理方法等の提供を、発明が解決しようとする課題とするものである。
フロント部が損傷したモノコックボディの修理対象車両と、該修理対象車両と同型式の車両であってフロント部が使用可能な部品供給車両とを用いて、前記修理対象車両を修理する車両修理方法において、修理対象車両から、該修理対象車両のフロント部を、当初溶接箇所を揉み取ることで外す損傷フロント部除去工程と、部品供給車両から、該部品供給車両のフロント部を、当初溶接箇所を揉み取ることで外すフロント部取り外し工程と、フロント部を除去した修理対象車両のダッシュパネルの当初溶接箇所と前記部品供給車両のフロント部におけるフロントサイドメンバーの当初溶接箇所とを、溶接により固着し、フロント部を除去した修理対象車両と部品供給車両のフロント部とを連結する連結工程を備え、連結工程は、修理対象車両を昇降及び前後左右に移動自在として支持するための移動量表示部を有する第一位置調節手段と、部品供給車両を支持するための第二位置調節手段とを用い、修理対象車両内には重量物を設け、第一位置調節手段上には、損傷したフロント部を除去した修理対象車両を載置し、第二位置調節手段上には、部品供給車両のフロント部を載置して、第一位置調節手段を第二位置調節手段に対して相対的位置を調節し、フロント部を除去した修理対象車両の当初溶接箇所と、部品供給車両のフロント部における当初溶接箇所とを連結位置に位置決めし、揉み取りで生じた箇所を溶融して閉塞し溶接することを特徴とする車両修理方法を、課題を解決するための手段とするものである。尚、溶接箇所を揉み取るとは、溶接箇所を削り取ることをいう。
尚、上記「同型式」とは、同一の構造を有するものを意味し、同年式且つ同型式のみならず、年式が相違しても実質的に同年式と変わらない同型式のものを含む。また、「当初溶接箇所」とは、製造時において溶接された車両上の箇所をいい、そのナゲット部を示すものではない。「フロント部」とは、車両中、フロントパネルよりも前方に位置する部分をいう。
本発明における車両修理方法は、部品供給車両のフロント部をそのまま修理対象車両に対して取付ける構成であるから、この点で、一見、上記問題のある従来の修理方法、即ち、事故等によって損傷した修理対象車両のボディを修理する際に、該修理対象車両の損傷を受けたフレーム等の一部を切断して、これとは別の部品供給車両の新たなフレーム等の一部を切断して得たパーツを、前記修理対象車両の切断箇所に対して溶接する修理方法とも共通する。
しかしながら、本発明における修理方法は、修理対象車両に直接取付けられるパーツを切断することがなく、僅かな部分のみを溶接することによって、製造業者が十分な防錆処理及び安定した溶接による固着を行った部品供給車両のフロント部分をそのまま使用することで、上記一般的な修理方法、即ち、車両製造業者から細かな供給部品ごとに車両修理業者が注文し、前記細かな部品ごとを組み付けて溶接し、修理対象車両に固着する車両修理方法よりも、熱歪みを大幅に低減することができ、また車両製造業者の高度な防錆処理をそのまま利用することができるため、前記車両修理方法よりも高品質の修理を行うことができる。そして、本発明に係る車両修理方法は、資源の有効活用、リサイクルの観点からも非常に優れたものとすることができる。
また、車両修理工数は若干増加するものの、多数の新規補給部品の購入を要せず、非常に安価な修理を実現することができる。
請求項1に係る発明によれば、
フロント部が損傷したモノコックボディの修理対象車両と、該修理対象車両と同型式の車両であってフロント部が使用可能な部品供給車両とを用いて、前記修理対象車両を修理する車両修理方法において、修理対象車両から、該修理対象車両のフロント部を、当初溶接箇所を揉み取ることで外す損傷フロント部除去工程と、部品供給車両から該部品供給車両のフロント部を、当初溶接箇所を揉み取ることで外すフロント部取り外し工程と、フロント部を除去した修理対象車両のダッシュパネルの当初溶接箇所と前記部品供給車両のフロント部におけるフロントサイドメンバーの当初溶接箇所とを、溶接により固着し、フロント部を除去した修理対象車両と部品供給車両のフロント部とを連結したことによって、フロント部を一から組み上げて溶接を行うことがなく、溶接による熱の発生を大幅に低減することができることから、熱歪みを最低限に抑えることができ、また溶接強度の品質の安定性を保つことができる。このため、フロント部の衝撃吸収性が低下することもなく、安価で高品質な修理車両を提供することができる。
更に、連結工程を、修理対象車両を昇降及び前後左右に移動自在として支持するための移動量表示部を有する第一位置調節手段と、部品供給車両を支持するための第二位置調節手段とを用い、修理対象車両内には重量物を設け、第一位置調節手段上には、損傷したフロント部を除去した修理対象車両を載置し、第二位置調節手段上には、部品供給車両のフロント部を載置して、前記第一位置調節手段を第二位置調節手段に対して相対的位置を調節し、フロント部を除去した修理対象車両のフレームと、部品供給車両のフロント部におけるフレームを連結位置に位置決めし、揉み取りで生じた箇所を溶融して閉塞して溶接する構成としたから、昇降及び前後左右に移動自在として支持するための移動量表示部を有する第一位置調節手段によって、損傷したフロント部を除去した修理対象車両と部品供給車両のフロント部とのスポットの位置を完全に一致させることができる。このため、修理した車両の本来有する重量バランスを崩すことが無い。
また、同構成によって、フロント部は予め製造業者の高度な防錆処理が行われていることから、フロント部の十分な防錆機能を維持することができる。
また損傷したフロント部を除去した修理対象車両には重量物を設けることによって、第一位置調節手段上に載置する軽量でバランスを失いやすい修理対象車両を安定させ、作業安全性を大きく向上させることができる。
本発明は、フロント部が損傷したモノコックボディの修理対象車両と、該修理対象車両と同型式の車両であってフロント部が使用可能な部品供給車両とを用いて、前記修理対象車両を修理する車両修理方法において、修理対象車両から、該修理対象車両のフロント部を、当初溶接箇所を揉み取ることで外す損傷フロント部除去工程と、部品供給車両から該部品供給車両のフロント部を、当初溶接箇所を揉み取ることで外すフロント部取り外し工程と、フロント部を除去した修理対象車両のダッシュパネルの当初溶接箇所と前記部品供給車両のフロント部におけるフロントサイドメンバーの当初溶接箇所とを、溶接により固着し、フロント部を除去した修理対象車両と部品供給車両のフロント部とを連結する連結工程を備え、連結工程は、修理対象車両を昇降及び前後左右に移動自在として支持するための移動量表示部を有する第一位置調節手段と、部品供給車両を支持するための第二位置調節手段とを用い、修理対象車両内には重量物を設け、第一位置調節手段上には、損傷したフロント部を除去した修理対象車両を載置し、第二位置調節手段上には、部品供給車両のフロント部を載置して、前記第一位置調節手段を第二位置調節手段に対して相対的位置を調節し、フロント部を除去した修理対象車両の当初溶接箇所と、部品供給車両のフロント部における当初溶接箇所とを連結位置に位置決めし、揉み取りで生じた箇所を溶融して閉塞して溶接することにより、フロント部の衝撃吸収性の低下を招来せず、安価且つ高品質で、重量バランス等の崩れを起こすことが無く、熱歪みを有しない、優れた車両修理方法を実現した。
図1は本発明の実施例1における修理対象車両1及び部品供給車両2の組合わせの関係を示す説明図、図2は本実施例1における修理前の修理対象車両の骨格構造を示す斜視図、図3は実施例1におけるフロント部を除去した修理対象車両1と部品供給車両2のフロント部20を示す固着前の斜視図及び連結用治具上に載置した状態の側面図、図4は同実施例におけるフロントサイドメンバー21とダッシュパネル12との対応関係を示す斜視図、図5は同実施例において、当初溶接箇所6の揉み取り及び再溶接の手順を示す説明図、図6は実施例1におけるフロント部を除去した修理対象車両1と部品供給車両2のフロント部20を示す固着後の斜視図及び連結用治具上に載置した状態の側面図、図7及び図8は他の実施例に係るフレーム車の車両骨格を示すものであり、図7は部品供給車両2のフロント側フレームとフロント部を除去した修理対象車両1のフレームとを固着する前の状態を示す斜視図、図8は固着後の状態を示す斜視図である。
本発明の実施例に係る車両修理方法は、図1に示すように、モノコック車両である同年式同型の修理対象車両1と部品供給車両2とを用いて、該修理対象車両1を修理するものである。具体的には、(イ)修理対象車両1の損傷したフロント部10を修理対象車両1から取り外す損傷フロント部除去工程と、(ロ)部品供給車両2の損傷の無いフロント部20を部品供給車両2から取り外すフロント部取り外し工程と、(ハ)フロント部10を除去した修理対象車両1と部品供給車両2のフロント部20とを取り付ける連結工程とを行うものである。
以下に、前記各工程、即ち、(イ)損傷フロント部除去工程、(ロ)フロント部取り外し工程、(ハ)連結工程の夫々について、順次説明する。
(イ)損傷フロント部除去工程
損傷フロント部除去工程は、上記したように、図1及び図2に示す修理対象車両1で不要となる損傷したフロント部10を、前記修理対象車両1から取り外すものである。当該工程においては、先ず、準備工程として内装パーツ(例えば、室内トリム、シート、内張り、インストルメントパネル等)、一部の外装パーツ(例えば、フロントガラス等)の取り外しを行う。取り外すパーツ類の数量は非常に多いため、適宜選別整理しながら取り外し作業を行うこととなる。
前記パーツ類を取り外した後に、電動鋸等を用いて粗切りを行う。粗切りにおける切断箇所としては、例えばフロントサイドメンバー21等とすることができる。
粗切り後に、粗切りで残存するフロントサイドメンバー21とダッシュパネル12とのスポット溶接された当初溶接箇所6を、図5(A)乃至5(B)に示すように、揉み取り、残存するフロントサイドメンバー21を除去する。本実施例1での具体的な作業としては、スポット溶接部位に対して該溶接部位のみを切削可能なドリル刃(スポットカッター)を用いている。スポット溶接された残存するフロントサイドメンバー21のみを前記ドリル刃で切削して鏨で軽く叩き、粗切りで残存するフロントサイドメンバー21をダッシュパネル12から取り外す。
次いで、ダッシュパネル12の当初溶接箇所6を研磨して平滑な状態に整える。本工程によって、修理対象車両1は概ね図3に示すようにフロント部が除去されフレームの一部が露呈した状態となる。
また、本実施例1においては、上記フロントサイドメンバー11及びダッシュパネル12と同様の要領で、フロントフェンダエプロンリーンホースメント13とサイドパネル14との当初溶接箇所6においても、本工程中の作業を行う。
(ロ)フロント部取り外し工程(部品供給車両の正常なフロントを取り外す)
フロント部取り外し工程は、前記したように、部品供給車両2の損傷の無いフロント部20を、部品供給車両2から取り外す工程である。従って、フロント部20を除去した後の部品供給車両2は基本的に不要である。但し、当該部品供給車両2の走行時の安全性能とは関係の無い細かな部品については、部品供給車両2から取り外し、最終的に修理対象車両1に取付けることはできる。部品供給車両2は、修理対象車両1の修理のために使用する部品取り用車両としての位置づけである。
本工程においては、準備工程として、部品供給車両2の内装パーツ(例えば、室内トリム、シート、内張り、インストルメントパネル等)、一部の外装パーツ(例えば、フロントガラス等)のみならず、エンジン本体やホイール、フロント部の外装部品(フロントボディパネル等)も取り外している。
準備工程において取り外す部品は、車種や損傷の度合い等によって、適宜選定することができる。
例えば、ダッシュパネル等に対して電動鋸等を用いて粗切りを行う。粗切り後に、フロント部2を完全な状態で取り外す。取り外しは、上記損傷フロント部除去工程と同様に、当初溶接箇所6となるスポット溶接部分を揉み取ることによって行う。より具体的には、スポット溶接部位12に対して該溶接部位12のみを切削可能なドリル刃(スポットカッター)を用いている。スポット溶接されたフロントサイドメンバー21のみを前記ドリル刃で切削して鏨で軽く叩き、粗切りでフロントサイドメンバー21を取り外す。次いで、取り外したフロントサイドメンバー21の当初溶接箇所6を研磨して平滑な状態に整える。
また、本実施例1においては、上記フロントサイドメンバー21及びダッシュパネルと同様の要領で、フロントフェンダエプロンリーンホースメント23とサイドパネルとの当初溶接箇所6においても、各工程作業を行う。
(連結工程)
以上の修理対象車両1に対する損傷フロント部除去工程、部品供給車両2に対するフロント部取り外し工程によって得られた、フロント部を除去した修理対象車両1と、部品供給車両2のフロント部20とを図6に示すように、連結する工程である。以下に本工程の詳細を示す。
連結に際しては、連結用治具3を用いる。本実施例における連結用治具3としては、市販の車両フレーム修正機3aを利用している。車両フレーム修正機3aは、本来フレームの修正を目的とするものであるところ、本発明では、車両フレーム修正機3aで用いられる各部の寸法測定用の目盛を位置調節のための移動量表示部として利用し、修理車両を支持するための後記ジグ台32等を、フロント部10を除去した修理対象車両1と部品供給車両2のフロント部20とを連結させるための手段として利用する。
本実施例において使用した市販の車両フレーム修正機3aを利用した連結用治具3は、枠体30と、枠体30上の左右に架橋される複数のレール枠31と、レール枠31上には車両を支えるためのジグ台32を備えている。
枠体30は、図示されないキャスター部及び牽引部を備えている。また、レール枠31は、前記枠体30上を前後方向にスライド可能である。ジグ台32は、レール枠31上を摺動可能であり、高さ調節が可能である。
そして、レール枠31、ジグ台32、枠体30の側面には夫々位置調節のための移動量表示部となる目盛を備えている。
本実施例では、複数のジグ台32のうち修理対象車両1を昇降及び前後左右に移動自在として支持するための移動量表示部を有するジグ台32を、第一位置調節手段320とする。また、ジグ台32のうち部品供給車両2のフロント部20を支持するための移動量表示部を有するジグ台32を、第二位置調節手段321とする。
前記第一位置調節手段320上には、損傷したフロント部10を除去した修理対象車両1を載置する。また、第二位置調節手段321上には、部品供給車両2のフロント部20を載置する。
フロント部10を除去した修理対象車両1は、車両の中央部と、後部との重量バランスからすると、後部が重く中央部は軽いこと、また、第一位置調節手段320上への載置の際は中央部が主として載置された状態となることから、そのまま第一位置調節手段320に積載すると、修理対象車両1が落下する危険性がある。このため、修理対象車両1の中央部となる車内に、タイヤ等の重量物4を格納した状態として、前記第一位置調節手段320へ積載する。
本実施例に係る連結用治具3である車両フレーム修正機3aは、第二位置調節手段321に対して第一位置調節手段320を動かすことによって、フロント部10を除去した修理対象車両1と部品供給車両2のフロント部20の位置決めを行う。位置決めを完了すると、損傷したフロント部10を除去した修理対象車両1と部品供給車両2のフロント部20の対応する当初溶接箇所6が一致する(図4及び図6参照)。
この状態で、準備段階において取り外した各種パーツの組付けを行う。一旦全てのボルトオンパーツ(螺子止め固定するパーツ)を仮止めする。また、ドアなどの可動部品については動作の確認を行う。
確認が終了した時点で、スポット溶接を行い、フロント部10を除去した修理対象車両1と部品供給車両2のフロント部20とを固着する。本実施例1では、図5(C)に示すように、当初溶接箇所6のスポット溶接時に形成されていたナゲット部位置の周囲を囲むように、新たなナゲット部5を形成している。
この後、細かなパーツ類を修理対象車両1に取り付け、塗装等を行うことにより、修理が完了する。パーツ類は取り外し時と逆の手順(最後に取り外したパーツを最初に取り付ける手順)で行う。尚、損傷フロント部除去工程とフロント部取り外し工程とは並列的に行うものであり、損傷フロント部除去工程をフロント部取り外し工程よりも先に終了させる必要性は無い。
以上の工程によって、鋼材自体を切断後に継ぎ足すといったことがなく、本来の製品が有するバランス、強度を確保することができる。また、本来設計上スポット溶接を想定した強度を有する部分にスポット溶接を行うことから、熱による歪等は本来の設計から想定される程度の範囲のものとなる。本発明によれば、これらの相乗効果によって、極めて品質の高い修理を行うことができるのである。
そして、本来廃棄されるべき、修理対象車両1及び部品供給車両2のうち、修理対象車両1については、事故前の車両と同程度の品質にまで修理することができるため、資源の有効活用を実現することができる。
尚、上記実施例1においては、第一位置調節手段320と第二位置調節手段321のいずれについても、個別に位置調節を行うことができる。しかしながら、本発明においては、第一位置調節手段と第二位置調節手段321の双方が必ずしも位置の調節を可能とする必要は無く、第一位置調節手段320と第二位置調節手段321の双方を使用することによって、相対的に位置の調節ができればよい趣旨である。従って、例えば、第二位置調節手段321が高さなどの移動調節が不可能であっても、第一位置調節手段320が第二位置調節手段321に対して相対的に位置の調節が可能であればよい。
また、本発明は、モノコックボディの車両のみに適用するものではなく、例えば、トラック等種々のフレーム付き車両におけるフレーム7(例えば、ペリメータフレーム、はしご形フレーム、X形フレーム等)にも適用することができる。他の実施例として図7及び図8に示すように、フレーム付き車両に適用する際には、ボディを取り外した状態で、修理対象車両1のフロントフレームレール70とセンターフレームレール71の連結部位の溶接箇所を揉み取り、上記実施例1と同様に、部品供給車両2のフロント部20を当初溶接箇所6で溶接することによって行うことができる。
上記実施例1では、当初溶接箇所6のスポット溶接時に形成されていたナゲット部位置の周囲を囲むように、新たなナゲット部5を形成しているが、本発明はこれに限るものではなく、揉み取りで生じた穴を溶融して閉塞し、溶接することもできる。
本発明の実施例1における修理対象車両及び部品供給車両の組合わせの関係を示す説明図である。 本実施例1における修理前の修理対象車両の骨格構造を示す斜視図である。 本発明の実施例1におけるフロント部を除去した修理対象車両と部品供給車両のフロント部を示す固着前の斜視図及び連結用治具上に載置した状態の側面図である。 本発明の実施例1におけるフロントサイドメンバーとダッシュパネルとの対応関係を示す斜視図である。 本発明の実施例における、当初溶接箇所の揉み取り及び再溶接の手順を示す説明図である。 本発明の実施例1におけるフロント部を除去した修理対象車両と部品供給車両のフロント部を示す固着後の斜視図及び連結用治具上に載置した状態の側面図である。 本発明の他の実施例に係るフレーム車の車両骨格を示すものであり、部品供給車両のフロント側フレームとフロント部を除去した修理対象車両のフレームとを固着する前の状態を示す斜視図である。 本発明の他の実施例に係るフレーム車の車両骨格を示すものであり、部品供給車両のフロント側フレームとフロント部を除去した修理対象車両のフレームとを固着した後の状態を示す斜視図である。
符号の説明
1 修理対象車両
10 損傷したフロント部
11 フロントサイドメンバー
12 ダッシュパネル
13 フロントフェンダエプロンリーンホースメント
14 サイドパネル
2 部品供給車両
20 フロント部
21 フロントサイドメンバー
23 フロントフェンダエプロンリーンホースメント
3 連結用治具
3a 車両フレーム修正機
30 枠体
31 レール枠
32 ジグ台
320 第一位置調節手段
321 第二位置調節手段
4 重量物
5 ナゲット部
6 当初溶接箇所
7 フレーム
70 フロントフレームレール
71 センターフレームレール

Claims (1)

  1. フロント部が損傷したモノコックボディの修理対象車両と、該修理対象車両と同型式の車両であってフロント部が使用可能な部品供給車両とを用いて、前記修理対象車両を修理する車両修理方法において、
    修理対象車両から、該修理対象車両のフロント部を、当初溶接箇所を揉み取ることで外す損傷フロント部除去工程と、
    部品供給車両から、該部品供給車両のフロント部を、当初溶接箇所を揉み取ることで外すフロント部取り外し工程と、
    フロント部を除去した修理対象車両のダッシュパネルの当初溶接箇所と前記部品供給車両のフロント部におけるフロントサイドメンバーの当初溶接箇所とを、溶接により固着し、フロント部を除去した修理対象車両と部品供給車両のフロント部とを連結する連結工程を備え、
    連結工程は、修理対象車両を昇降及び前後左右に移動自在として支持するための移動量表示部を有する第一位置調節手段と、部品供給車両を支持するための第二位置調節手段とを用い、
    修理対象車両内には重量物を設け、
    第一位置調節手段上には、損傷したフロント部を除去した修理対象車両を載置し、
    第二位置調節手段上には、部品供給車両のフロント部を載置して、
    第一位置調節手段を第二位置調節手段に対して相対的位置を調節し、
    フロント部を除去した修理対象車両の当初溶接箇所と、部品供給車両のフロント部における当初溶接箇所とを連結位置に位置決めし、
    揉み取りで生じた箇所を溶融して閉塞し溶接することを特徴とする車両修理方法。
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