JP4102979B2 - ユニット装置筐体 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子部品を搭載したプリント基板を収納する樹脂製のケースとこのケースに係合して該ケースを覆うカバーからなるユニット装置の筐体に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、電子部品を搭載したプリント基板を収納する樹脂製のケースとカバーからなるユニット装置において、前記プリント基板を前記ケースから取り出す際にそのケースに対して装着されている前記カバーを取り外す必要がある。
この場合、通常は専用の治具は用意されておらず、各作業者でそれに相当するものを用意するか、または市販のドライバーなどを使うのが一般的であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、従来技術では、各作業者がカバーを取り外すための治具を自作したり、相当する市販品を購入するなどが必要で、作業性や経済性が悪かった。
また、安全性からみても市販ドライバーを使う場合、ドライバーの材質が金属であることからケースやカバーにキズをつけたり、あるいは破損させる危険性もあった。さらに、対象のユニット装置とは別にこれらを常備させておくため、収納場所の確保も必要であった。
そこで、本発明は上記従来の問題を解決するもので、作業者がカバー取り外し治具を自作したり購入したりする必要のない、作業性や経済性の良い、安全なカバー取り外し治具を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、請求項1記載のユニット装置筐体の発明は、嵌合穴が複数箇所に設けられており、内部に部品を収納する樹脂製ケースと、前記嵌合穴に係合するツメがそれぞれ設けられており、前記ツメを前記嵌合穴に係合させることによって前記樹脂製ケースを覆う樹脂製カバーからなるユニット装置筐体において、前記ユニット装置筐体の内部に収納された電気部品の一側面を覆う電気部品カバーが前記樹脂製カバーに着脱可能に装着されており、かつ、前記嵌合穴に挿入されることで前記樹脂製ケースと前記樹脂製カバーとの係合を外すための突起部が前記電気部品カバーに形成されたことを特徴とする。
また、請求項2記載の発明は、請求項1記載のユニット装置筐体において、前記電気部品カバーが、前記樹脂製カバーに係止させる保護ストッパー部を備えていることを特徴とする。
そして、請求項3記載のユニット装置の発明は、請求項1又は2記載のユニット装置筐体の樹脂製のケースの内部に、電子部品を搭載したプリント基板を収納したことを特徴とする。
以上の構成により、樹脂製ケースと前記樹脂製カバーとの係合を外す専用治具(突起部)が小カバー(電気部品カバー)に形成されているので、小カバーを取り外して用いればよく、作業者の作業性や経済性を向上させる。
同時に、ユニット装置筐体の設計者自身が専用治具も設計するので、最適な治具となり信頼性の高い装置を提供し、さらに小カバーが専用治具の機能を兼用するので、専用治具を別体として備える必要がなくなるのでユニット装置の小型化、及び低コスト化となる。
【0005】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図に基づいて詳細に説明する。
本実施の形態では、電子部品を搭載したプリント基板を複数枚収納する樹脂製のケースとこのケースを覆うカバーからなるユニット装置筐体において、そのケースとこのケースに対して相対する前記カバーとから構成される場合の例について説明する。
図1は本発明の第1の実施の形態を示すユニット装置の全体の等角図である。
図1において、1は樹脂製ケース本体、2、3はケース長穴、4は樹脂製カバー本体、5、6はカバーツメ、7、8はカバー短穴、9は専用治具を形成された樹脂製バッテリカバー、9aはつかみ部、10、11はバッテリカバーツメである。
図から解るように、電子部品を搭載したプリント基板を複数収納する樹脂製のケース1に相対する樹脂製のカバー4が装着されている。このとき、ケース1側の長穴2、長穴3にそれぞれカバー4側のツメ5、ツメ6が入り込み嵌合している。この逆側面に対しても同等である。
また、カバー4には、ケース本体1に収納されたバッテリの一側面を覆う樹脂製のバッテリカバー9(以下、カバー4に対して「小カバー」と呼ぶこともある。)が装着されている。このとき、カバー4側の短穴7、短穴8にそれぞれバッテリカバー9側のツメ10、ツメ11が入り込み嵌合している。
【0006】
図2は樹脂製のバッテリカバー9を示す等角図、図3はその三面図である。
図において、図1と同じ符号は同一物を指す。図1で重複していない符号の12はツメ状の専用治具、12aはストッパー面、13はくさび形状部である。このように、くさび形状部13を持った専用治具12がバッテリカバー9の底面中央に一体成形されている。
図4は専用治貝付きバッテリカバー9がカバー4に装着され、くさび形状部13を持った専用治具12がカバー4内に収納されている状態の正面図を示す。
図5および図6は図4のそれぞれの側面図と下面図を示している。
図において、14は逃げ穴である。このように専用治具12はカバー4内部にあけられた逃げ穴14によってカバー4と干渉せずに収納されることができる。
ここで、専用治具付きバッチリカバー9のつかみ部9aに指を引っかけて正面前方に引っ張ると専用治具付きバッテリカバー9のツメ10、ツメ11が樹脂バネの作用でたわみ、カバー長穴7およびカバー長穴8から外れる。
図7および図8は、専用治具付きバッテリカバー9がカバー4に装着されている状態を示す図5からバッテリカバー9を外したときのそれぞれの側面図と下面図を示す。通常は、メモリバックアップ用のバッテリ15(図9)を交換する際にこの手順によりバッテリカバー9を外す。
【0007】
次に、この外したバッテリカバー9を用い、そのバッテリカバー9に形成されている専用治具12でケース1からカバー4を取り外す方法を順に述べる。
図9は本発明の専用治具使用例等角図、図10はその詳細図を示す。
今、図のように専用治具12のくさび部13をケース1の長穴2に押し込むように入れる。このとき、カバー4側のツメ5の傾斜部5aとケース1の長穴2の間に専用治具12のくさび部13が入り込み、カバー4のツメ5が樹脂バネによりたわみ、このツメ5が長穴2から抜け出す。
ケース1の長穴のいくつかに対して同じことを繰り返すことにより、カバー4はケース1から簡単に外れる。
図11はこのようにしてカバー4がケース1から外れた状態の等角図を、図12はその詳細図を示す。
このとき、専用治具12のストッパー面12aがケース1の表面に当たることにより、専用治具12が必要以上にカバー4のツメ5を押し込まないように保護する。
一般的にドライバーなどを使い同様にしてカバー4のツメ5を押し込む際には、ドライバー先が必要以上にケース長穴2に入り込み、場合によってはカバー4のツメ5やケース長穴2を傷つけたり、最悪は破壊する可能性がある。
また、ドライバーや他の工具等を用いる場合はその収納場所が問題となり得る。
本発明では、カバーをケースから簡単にしかも安全に製品を傷つけることなく取り外せるだけでなく、バッテリカバーに機能を兼用させることでスペースを確保できるので製品の小型化、あるいはローコスト化にもつながる。
また、使用しないときにはユニット装置に装着できるので作業者に対しても作業性が向上でき、自ら専用治具を用意しないですむことにより経済性も上がる。
これらにより、付加価値の高いユニット装置を実現することが可能である。
【0008】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、電子部品を搭載したプリント基板を収納する樹脂製のケースと、該ケースに係合して該ケースを覆うカバーからなるユニット装置筐体において、前記ケースとの係合を外して前記ケースから前記カバーを取り外すための樹脂製の専用治具を前記カバーに収納しており、
そしてその専用治具が前記カバーに脱着可能な樹脂製の小カバーに形成されるようにしており、
さらに、その小カバーが、前記ケースと前記カバーとの係合を外すくさび型のツメ突起と、前記小カバーを前記カバーに係止させる保護ストッパー部とを備えているような構成により、専用治具が小カバー自体に形成されているため、小カバーを取り外して用いればよく、作業者の作業性や経済性を向上させることとなる。
同時に、ユニット装置筐体の設計者自身が専用治具も設計するので、最適な治具となり信頼性の高い装置を提供し、さらに小カバーが専用治具の機能を兼用するので、専用治具を別体として備える必要がなくなるのでユニット装置の小型化、及び低コスト化となる、といった効果がある。
また、電子部品を搭載したプリント基板をこの筐体の樹脂製のケースの内部に収納することで、作業性や経済性のよい、小型化及び低コスト化となるユニット装置が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態を示すユニット装置の全体の等角図である。
【図2】本発明の専用治貝を示す等角図である。
【図3】図2の専用治具を示す三面図である。
【図4】図2の専用治具をユニット装置に装着した正面図である。
【図5】図4の側面図である。
【図6】図4の状態から専用治具をユニット装直から外した側面図である。
【図7】図4の下面図である。
【図8】図7の下面図である。
【図9】図7で装置から外した本発明の専用治具を使用してカバーを装置から外す様子を示す例の等角図である。
【図10】図9の専用治具の先端部分の近傍を拡大した下面図で示す詳細図である。
【図11】図9の専用治具を使用してカバーを装置から外した後の様子を示す等角図である。
【図12】図11の専用治具の先端部分の近傍を拡大した下面図で示す詳細図である。
【符号の説明】
1 樹脂製ケース本体
2、3 ケース長穴
4 樹脂製カバー本体
5、6 カバーツメ
5a カバーツメ傾斜部
7、8 カバー短穴
9 専用治具付き樹脂製バッテリカバー
9a つかみ部
10、11 バッテリカバーツメ
12 ツメ状専用治具
12a ストッパー面
13 くさび形状部
14 逃げ穴
15 バッテリ

Claims (3)

  1. 嵌合穴が複数箇所に設けられており、内部に部品を収納する樹脂製ケースと、前記嵌合穴に係合するツメがそれぞれ設けられており、前記ツメを前記嵌合穴に係合させることによって前記樹脂製ケースを覆う樹脂製カバーからなるユニット装置筐体において、
    前記ユニット装置筐体の内部に収納された電気部品の一側面を覆う電気部品カバーが前記樹脂製カバーに着脱可能に装着されており、
    かつ、前記嵌合穴に挿入されることで前記樹脂製ケースと前記樹脂製カバーとの係合を外すための突起部が前記電気部品カバーに形成されたことを特徴とするユニット装置筐体。
  2. 前記電気部品カバーが、前記樹脂製カバーに係止させる保護ストッパー部を備えていることを特徴とする請求項1記載のユニット装置筐体。
  3. 請求項1又は2記載のユニット装置筐体の樹脂製のケースの内部に、電子部品を搭載したプリント基板を収納したことを特徴とするユニット装置。
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