JP4102669B2 - コリメータ装置 - Google Patents

Description

本発明は、初めて高空間解像度の画像を、乳房を配置する際にアグロノミー（ａｇｒｏｎｏｍｙ）を損なうことなく、位置合せすることができるという意味で、乳房撮影の走査スリットＸ線撮像を可能にする。本発明はさらに、（コリメータの前の）アクティブな検出域に当たり、（コリメータの後で）散乱したＸ線を取り除くようにＸ線ビームを整形する、Ｘ線機器中の１つまたは複数のコリメータからなるビーム・コリメータ装置に関する。本発明はさらに、Ｘ線源、Ｘ線源からＸ線を受け取るように配置されたＸ線受像機、Ｘ線源とＸ線受像機の間に配置可能である検査すべき被写体を位置決めする手段、ならびにＸ線源と被写体を位置決めする手段との間に配置された前記前置コリメータを備えている。

走査スリット乳房撮影を実行するとき、１つの重要な問題は、患者の乳房を正しい位置に配置すると同時に、空間解像度の点で高画質が得られるように、可動コリメータの位置を乳房にできるだけ近接させることである。

図１ａは、Ｘ線源１１、コリメータ装置１２、圧迫パドル１３、１４、および検出器アセンブリ１５を備えるデジタル乳房撮影Ｘ線装置１０の概略側面図である。Ｘ線は１７で示されている。

（Ｘ線）検査すべき乳房１６を圧迫パドル１３と１４の間に配置し、圧力をかけると、それによって暴露の間の動きが妨げられるとともに、乳房が押しつぶされるので、組織が重なり合う量が減少する。

図１ａおよび図１ｂに示されているように、コリメータ装置１２は、上側の圧迫パドル１２にできる限り近接して配置されなければならない。図１ａに示すように、そうでない場合には画質が損なわれることになる。スリットを通して検出器上に結像されるＸ線源のサイズによって、コリメータが被写体から離される場合に、空間解像度ｂ１は低下することになる。これは、一寸法、すなわち図１ｂに示されるような、スリットに直角な寸法だけに当てはまる。したがって、検査位置に乳房を配置するときには、コリメータ装置を避け、検査が開始されると、コリメータをできるだけ上側パドルに近接させ、かつその上に配置しなければならない。

欧州特許第０４１７９６５号は、事前に選択した構成のＸ線ビームをターゲット域の少なくとも一部分に向ける機器を組み込んだ制御可能なＸ線源を備えるＸ線撮影機械における結像を改良する方法および機器を開示している。ターゲット域のほぼ等しい複数のセグメントのそれぞれにおいてビームの生成強度を検出し、最低の放射線強度をもつ第１のセグメントを識別する。識別された第１のセグメント中で所定の放射線強度が確立されるようにＸ線源を調整する。次いで、識別された第１のセグメント中の放射線強度に対する所定の百分比より強い放射線強度をそれぞれが有する第２のセグメントを識別する。次いで、その第２のセグメント中で検出された放射線強度に応答する制御システムにより、識別された第２のセグメントに向けられた放射線強度を自動的に減衰させる。この減衰は、第２のセグメントに向けられた放射線が減少するように、コリメータをビーム中に移動することによって実現される。ターゲット上でビームを走査し、各ビーム・セグメントで検出された放射線に従ってビームを連続的に調整する。このようにして、ターゲットの各区域は、他の区域よりも減衰の少ないターゲットの区域を暴露過多にすることなく適切な結像を提供するのにちょうど十分な放射線を受け取る。したがって、本発明の目的は、コリメータを水平方向に移動させることによって減衰を得ることである。

最適のビーム・コリメーションをもつ乳房撮影画像を得る乳房撮影機器が、米国特許第５，６２７，８６９号に開示されている。所望の結像技術および圧迫された乳房の厚みに対するＸ線ビームの最適コリメーションを得るための、圧迫パドルの位置および寸法入力に基づくコリメータ要素位置の比例制御が提供されている。同発明の関連する目的は、任意の倍率で適切に平行にしたＸ線ビームを提供するように自動調整されるＸ線ビーム・コリメータを備えた乳房撮影機器を提供すること、ならびに任意の寸法の圧迫パドルを使用して任意の厚みの乳房に対して任意の倍率で適切に平行にしたＸ線ビームを提供するように自動調整されるＸ線ビーム・コリメータを備えた乳房撮影機器を提供することである。したがって、コリメータはコリメータ・ブレードを備え、このブレードが水平方向に移動するように制御される。

米国特許第４，２０３，０３７号は、調整可能な被写体の支持・圧迫手段と、開口部を有し、Ｘ線発生装置と被写体支持手段の間に配置された第１のコリメータ手段とを含む、Ｘ線放射に被写体を暴露する機器を開示している。第２のコリメータ手段は、開口部を有し、被写体の支持手段とＸ線検出手段の間に配置されている。第１のコリメータ手段を通過するＸ線の被写体の各部分を順次暴露し、かかるＸ線が第２のコリメータ手段中の開口部を通過し、Ｘ線検出手段に衝突できるようにするために、その開口部とＸ線発生装置の間の整合を維持するように、第１および第２のコリメータ手段を移動する手段が設けられる。被写体の支持・圧迫手段は、コリメータ手段から構造上独立していることが好ましい。Ｘ線検出手段は、フィルム・スクリーン・カセットやシンチレータ手段に光学的に結合されたフォトダイオードの自動走査アレイなど、高感度検出器の形をとることが好ましい。

したがって、本発明の主な目的は、コリメータ装置、および従来技術に伴う問題を解決し、看護士または他の人に障害のない作業領域を提供するコリメータ装置を使用したＸ線機器を提供することにある。本発明の他の目的は、暴露の間、検査すべき被写体にできる限り近く配置することのできるコリメータ装置を提供することである。

したがって、最初に述べたコリメータ装置は、Ｘ線への暴露が行われないときの第１の位置と、Ｘ線への暴露が開始される直前およびＸ線への暴露中における第２の位置との間で、ビーム・コリメータ装置を移動させる搬送機構上に配置される。第２の位置は、前記圧迫手段から十分に短い距離にあることが好ましい。適応性を得るため、前記移動は、横方向および／または水平方向である。

本発明はまた、Ｘ線源と、Ｘ線源からＸ線を受け取る位置に配置されたＸ線受像機と、Ｘ線源とＸ線受像機の間に配置可能で、所定の寸法の圧迫面をさらに提供する、組織を圧迫するための第１および第２の手段と、Ｘ線源と組織を圧迫する手段との間に配置されたビーム・コリメータとを備える乳房撮影機器に関する。この機器はさらに、Ｘ線への暴露が行われないときの第１の位置と、Ｘ線への暴露が開始される前の第２の位置との間で、ビーム・コリメータ装置を移動させる、ビーム・コリメータ装置移動手段を備える。

以下では、さらに添付の図面に関して本発明を非限定的に説明することにする。

図２は本発明によるＸ線機器２０を示す概略図である。この機器２０は、Ｘ線源２１、コリメータ装置２２、圧縮パドル２３、２４、および検出器アセンブリ２５を備える。（Ｘ線により）検査すべき乳房２６が、圧迫パドル２３と２４の間に配置され、圧力がかけられ、この圧力によって、乳房のできるだけ多くがＸ線に暴露され、検出器アセンブリ２５によって検出され、十分なコントラストが得られるようにして乳房を押しつぶす。Ｘ線は２７で示されている。

コリメータ装置２２は、少なくとも２つの位置、すなわち休止位置Ｐと動作位置Ａを取るように構成されている。休止位置にあるとき、コリメータは、圧迫パドル間に患者の乳房を配置するのを妨げないような区域に配置される。この区域は、好ましくは、暴露域からコリメータ装置を移動および／または上昇させることにより、暴露域外の区域とすることができる。コリメータ装置全体の移動は横方向の動きであるが、上昇は図面の面に対して垂直な動きである。

検査が開始されるとき、コリメータ装置２２は休止位置Ｐに配置されている。コリメータ装置は、看護士による乳房２６の調整を妨げないように、十分に高いところにおき、またはずらしておかなければならない。圧迫が完了し、Ｘ線への暴露が開始されるとき、コリメータ装置２２は下方／横方向に移動し、圧迫板２３にできるだけ近い位置で停止する。暴露が完了すると、コリメータ装置は、少なくとも圧迫板の速度で上方／横方向に、休止位置まで移動する。圧迫パドルに向かうコリメータの移動は、乳房の位置決めを行った後に、例えば専用のスイッチによって開始することができる。乳房を圧迫する必要のある時間を最小限にすることが重要である。この理由から、コリメータ装置の動きは、患者の心配を引き起こさないようにできるだけ速くすべきである。制御システムのコマンドにより、検出器から約１８ｃｍと検出器から約５０ｃｍの間で、コリメータの正確な休止位置を設定することが可能である。特にマルチ・スリット・コリメータを使用するときには、コリメータを検査すべき被写体に近接して配置することが重要である。この場合、得られる画像の解像度は、コリメータのスリットに対して直角の方向において低下する。

図３は、本発明によるＸ線機器３０を示す、概略的であるがより詳細な図である。機器３０は一般に、基部３８と、基部３８に旋回可能に取り付けられた撮像アーム３８１と、撮像アーム３８１の一端に固定されたＸ線源３１と、撮像アームの第２端に固定された受像機または検出器アセンブリ３５とを備える。この機器は、撮像アームにスライド可能に取り付けられた圧迫パドル・ホルダも備えている。この圧迫パドル・ホルダは、上側および下側の圧迫パドル３３および３４を支える。移動可能なコリメータ装置３２がコリメータ・アーム３９上に配置される。この実施形態によれば、検出器アセンブリ３５は、下側の圧迫パドル３４と一体化される。

コリメータ・ホルダ・アーム３９は、コリメータを垂直方向にスライドさせることにより、コリメータ装置３２を移動させるように構成されており、このアームはコリメータ装置を水平に移動させる伸縮構造を備えることもできる。図３では、コリメータ装置３２がその休止位置にある。

本発明は、乳房撮影に限定されるものではなく、半導体またはガスの検出器、あるいはＸ線フィルムを使用した任意のタイプのＸ線撮像機器で使用することができる。

本発明は、ここに示した実施形態に限定されるものではない。本発明は添付の特許請求の範囲から逸脱することなく、いくつかの点で改変可能であり、装置および方法は、用途、機能ユニット、ニーズ、および要件に応じて様々な方法で実施することができる。

従来技術によるＸ線機器の概略図である。 従来技術によるＸ線機器の概略図である。 本発明によるＸ線機器の一実施形態を示す概略図である。 本発明によるＸ線機器のより詳細な実施形態を示す概略図である。

Claims (5)

1. Ｘ線源（２１；３１）と、
   該Ｘ線源からＸ線を受け取るように配置されたＸ線受像機（２５；３５）と、
   前記Ｘ線源と前記Ｘ線受像機の間に位置するように配置され、所定の寸法の圧迫面を有した、組織を圧迫する手段（２３、２４；３３、３４）と、
   前記Ｘ線源と前記組織を圧迫する手段の間に配置されたビーム・コリメータ装置（２２；３２）と
   を備える乳房Ｘ線撮影機器（２０；３０）において、該乳房Ｘ線撮影機器が、
   前記ビーム・コリメータ装置（２２；３２）がＸ線への暴露を行わないときの第１の位置（Ｐ）と、Ｘ線への暴露を開始する前の、組織に近い第２の位置（Ａ）との間で前記ビーム・コリメータ装置を移動させる手段（３９）を有し、
   前記第１の位置が前記第２の位置及び前記Ｘ線源に対して縦方向及び水平方向にずれていることを特徴とする、乳房Ｘ線撮影機器。
2. 前記第２の位置が、前記圧迫手段（２３；３３）から、十分に近い距離にあることを特徴とする、請求項１に記載の乳房Ｘ線撮影機器。
3. 前記第１の位置（Ｐ）が前記第２の位置（Ａ）の縦方向上方に位置していることを特徴とする、請求項１に記載の乳房Ｘ線撮影機器。
4. Ｘ線源（２１；３１）と、
   該Ｘ線源からＸ線を受け取るように配置されたＸ線受像機（２５；３５）と、
   前記Ｘ線源と前記Ｘ線受像機の間に位置するように配置され、所定の寸法の圧迫面を有した、組織を圧迫する手段（２３、２４；３３、３４）と、
   前記Ｘ線源と前記組織を圧迫する手段の間に配置されたビーム・コリメータ装置（２２；３２）と、
   前記ビーム・コリメータ装置（２２；３２）を移動させる手段（３９）と
   を備える乳房Ｘ線撮影機器（２０；３０）における方法であって、該方法が、
   Ｘ線への暴露を行わないときの第１の位置（Ｐ）に前記ビーム・コリメータ装置（２２；３２）のみを前記移動させる手段（３９）によって置くことと、
   Ｘ線への暴露を開始する前の、組織に近い第２の位置（Ａ）に前記ビーム・コリメータ装置（２２；３２）のみを前記移動させる手段（３９）によって置くこととを有し、
   前記第１の位置が前記第２の位置及びＸ線源に対して縦方向及び水平方向にずれていることを特徴とする、方法。
5. 請求項１による乳房Ｘ線撮影機器において使用する移動可能なビーム・コリメータ装置。

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