JP4102500B2 - むだ毛成長抑制剤 - Google Patents

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、エキナケア等の生薬の抽出物を有効成分とするむだ毛成長抑制剤及びこれを含有する化粧料に関する。
【０００２】
【従来の技術】
美的外観上から、手足等における体毛や髭等のむだ毛の処理が行われており、例えばシェーバー等を用いる機械的除去方法、脱毛剤を用いてむだ毛を毛根から除去する方法、除毛剤を用いてその化学的作用によりむだ毛を除去する方法等の体毛除去方法が開発、利用されている。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、これらのむだ毛除去方法は、体毛が再生するため、一定期間経過後には再びむだ毛除去処理を行わなければならず、また皮膚に対して物理的または化学的刺激を伴うため、むだ毛除去処理の軽減化が望まれている。
【０００４】
【課題を解決するための手段】
本発明は、エキナケア及び／またはキンレンカの抽出物を有効成分とするむだ毛成長抑制剤を提供するものであり、これによりむだ毛の成長を有効に抑制することができる。
本発明はまたかかるむだ毛成長抑制剤を含有する化粧料を提供するものである。
【０００５】
【発明の実施の形態】
本発明においてむだ毛とは、頭髪、眉毛及び睫毛以外の体毛、例えば髭、脇毛、手足等の毛を意味する。また成長を抑制するとは、毛の本数、長さ、毛径等を減少させることを意味する。
【０００６】
本発明において、エキナケアはEchinacea angustifoliaまたはE.purpurea（ムラサキバレンギク）の根または全草を用いる。エキナケアはエキナコシド（Echinacosid ）という弱い抗生作用のある配糖体を含むことが知られており、全身性の特異的抵抗力増大を目的とする植物性薬剤として用いられている。キンレンカは、Tropaeolum majusの葉を用いる。キンレンカは弱いが全く無毒の抗生作用を有する物質を含有しており、従来より外傷性感染症治療薬として用いられている。しかし、これらがむだ毛の成長抑制作用を有することは全く知られていなかった。
【０００７】
本発明に用いるエキナケア、キンレンカの抽出物には、これらの植物の粉砕物を、常温または加温下に溶媒により抽出するか、またはソックスレー抽出器等の抽出器具を用いて抽出することにより得られる各種溶媒抽出液、その稀釈液、その濃縮液、あるいはその乾燥末が含まれる。
【０００８】
抽出溶媒としては、水；メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール類；プロピレングリコール、ブチレングリコール等の多価アルコール；アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類；酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル類；テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル等の鎖状及び環状エーテル類；ジクロロメタン等のハロゲン化炭化水素類；ヘキサン、シクロヘキサン、石油エーテル等の炭化水素類；トルエン等の芳香族炭化水素類；ポリエチレングリコール等のポリエーテル類；ピリジン類等が挙げられ、これらは１種以上を単独でまたは２種以上の混合物、好ましくはエタノール、プロピレングリコール、１，３−ブチレングリコール及び水の１種または２種以上の混合物を用い、通常３〜７０℃で抽出処理して得ることができる。
【０００９】
これらの抽出物は、液液分配、可溶媒沈殿物の除去等により、上記抽出物から不活性な夾雑物を除去し、さらに必要により公知の方法で脱臭、脱色等の処理を施してから用いてもよい。さらに適当な分離手段、例えばゲル濾過、クロマトグラフィー、精密濾過等により活性の高い画分を分画して用いることもできる。
【００１０】
本発明のむだ毛成長抑制剤は、外用、内服のいずれの方法でも投与可能である。本発明のむだ毛成長抑制剤を含有する化粧料としては、除毛剤、脱毛剤、髭剃り料、髭剃り前処理料、髭剃り後処理料、除毛後処理料または脱毛後処理料であることが好ましい。このような化粧料としては具体的には、ペースト状、クリーム状、エアゾール状等の除毛剤、ワックス状、ジェル状、シート状等の脱毛剤、除毛または脱毛の後処理に用いるローション、クリーム等の後処理料、デオドラントローション、デオドラントパウダー、デオドラントスプレー、デオドラントスティック等の制汗・防臭化粧料、プレシェーブローション等の髭剃り前処理料、シェービングクリーム等の髭剃り料、アフターシェーブローション等の髭剃り後処理料等が挙げられる。
【００１１】
本発明の化粧料中の、エキナケア及び／またはキンレンカの抽出物の含有量は、むだ毛成長抑制効果、経済性の観点から、固形分換算で０．００１〜１０重量％、特に０．０１〜１重量％が好ましい。
【００１２】
本発明の化粧料は、上記有効成分以外に、通常配合される成分、例えば精製水、アルコール、キレート剤、各種油剤、界面活性剤、乳化剤、増粘剤、防腐剤、酸化防止剤、溶剤、薬効成分、粉体、色素、香料等を配合し、常法に従い製造できる。
【００１３】
【実施例】
実施例１
乾燥エキナケアの粉砕物１０ｇを、５０容量％プロピレングリコール水溶液で４時間抽出し、固形分濃度が１．１重量％のむだ毛成長抑制剤１を１００ｇ得た。
【００１４】
実施例２
乾燥キンレンカの粉砕物１５ｇを、５０容量％プロピレングリコール水溶液で４時間抽出し、固形分濃度が１．３重量％のむだ毛成長抑制剤２を１００ｇ得た。
【００１５】
試験例１
実施例１及び２で得られたむだ毛成長抑制剤１及び２を６０容量％エタノールに１０容量％濃度となるように溶解し、それぞれ４名及び３名の健康な男性の上唇及び顎部に、１日２回２週間塗布した。塗布開始前、塗布終了後及びその２週間後に、被験者の下顎部の髭を剃刀で回収し、回収された各被験者当たり約３００本の毛径（長径）を測定した。結果を表１に示す。
【００１６】
【表１】

【００１７】
むだ毛成長抑制剤１、２のいずれを用いた場合も、塗布終了後の毛径は、開始前と比較して約９％減少した。また塗布終了２週間後の毛径は、塗布終了後と比較して約１１〜１２％増加した。これから、本発明品のむだ毛成長抑制効果が確認された。
【００１８】
実施例３及び４
表２に示す配合（重量％）でアフターシェーブローションを常法に従い製造した。即ち各処方成分を秤込み、室温で攪拌可溶化し、アフターシェーブローションを得た。これらは優れたむだ 毛成長抑制効果を示した。
【００１９】
【表２】

【００２０】
【発明の効果】
本発明のむだ毛成長抑制剤及び化粧料を用いれば、むだ毛の成長を有効に抑制できる。

Claims (2)

1. キンレンカ（ Tropaeolum majus ）の葉抽出物を有効成分とするむだ毛成長抑制剤。
2. 請求項１記載のむだ毛成長抑制剤を含有する化粧料。