JP4102437B2 - アクチビンおよびインヒビン刺激因子を含有する医薬組成物 - Google Patents

アクチビンおよびインヒビン刺激因子を含有する医薬組成物 Download PDF

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Description

本発明は、創傷または線維性障害の治癒を促進するための医薬組成物、特に創傷または線維性障害の、瘢痕形成が少ない治癒の促進、および慢性創傷の治癒の促進のための医薬組成物に関する。
“創傷または線維性障害”とは瘢痕組織の形成をもたらすかもしれないすべての状態を意味する。特に、これには、皮膚創傷の治癒、腱障害の修復、衝突損傷の治癒、角膜の傷などの眼科創傷の治癒、中枢神経系損傷(CNS)の治癒、CNSに瘢痕組織の形成をもたらす状態、脳卒中の結果としての瘢痕組織形成、損傷または外科手術の結果などの組織付着(例えば腱治癒、腹部狭窄および付着などに適用される)が含まれる。線維性障害の例としては、胸部線維症、糸球体腎炎、肝硬変、全身性硬化症、強皮症、増殖性硝子体網膜症、心筋冬眠を含む心筋梗塞後の修復などがある。
特に、創傷または線維性障害の、瘢痕形成が少ない治癒の促進のための組成物は存在しない。瘢痕組織の形成は、治癒創傷に機械的な強度を与えるものであるが、見苦しく、そして組織の機能を損なう。
これは特に、CNSに瘢痕組織形成をもたらす創傷の場合であり、瘢痕組織は、切断また再生育の神経末端の再結合を阻害し、そしてこの末端の機能に大きい影響を与える。
慢性創傷の処置に用いられる組成物も存在しない。慢性創傷には、例えば静脈潰瘍、糖尿病性潰瘍、床ずれ(褥瘡)があり、特に高齢患者または車椅子の患者に見られる。このような組成物は、治癒が緩慢である患者あるいは創傷治癒過程がまだ瘢痕になっていない患者にとって非常に有用である。このような組成物は創傷治癒を“キックスタート”せしめるのに用いられ、そして創傷または線維性障害の、瘢痕形成が少ない治癒を促進する組成物(例えばPCT/GB93/00586)と併用され得るであろう。慢性創傷が治癒され得るだけでなく、慢性創傷が、瘢痕形成が少なく治癒され得る。
本発明は、創傷および線維性障害の、瘢痕形成が少ない治癒を促進するのに用いられるアクチビンおよび/またはインヒビンの刺激因子を提供する。
“刺激因子”とは活性アクチビンおよび/または活性インヒビンの質または効力をある部位で刺激し得るすべてのものを意味する。それはアクチビンまたはインヒビン自体(またはその薬学的に許容される塩)またはそのフラグメントまたは部分的に修飾された形を意味する。部分的修飾は、例えばアミノ酸残基の付加、除去また置換によってなされる。置換は例えば保護置換である。部分的修飾分子は、例えば親分子よりも長い半減期を有し、そのレセプターに対し異なる結合親和性を有し得る。フラグメントは少なくともアクチビンまたはインヒビンの部分を有し、そのレセプターを刺激するのに必要な部分である。他方、刺激因子は、例えばアクチビン代謝の阻害剤であり、あるいはアクチビン合成の刺激因子であり、あるいはアクチビンまたはインヒビンのバイオ前駆体であり得る。例えば、刺激因子は減成酵素により結合されたアクチビンまたはインヒビンのフラグメント同族体である。例えば、ミモトープ(Geyse, H.M.et al., 1987, Journal of Immunological Methods, 102:259-274)は減成酵素により結合されたアクチビンまたはインヒビンのフラグメントをつくる。このようなミモトープは、酵素のレセプター部位に結合して、酵素に対するアクチビンまたはインヒビンの結合を競合的に阻害して、これによってその減成を阻害する。
刺激因子はアクチビンまたはインヒビンの拮抗物質の拮抗物質であり得る。例えばフォリスタチンの拮抗物質である。
アクチビンは、TGFβスーパーファミリーの一員であって、このファミリーの他のものと同様に2型性タンパク質であり、ジスルフィド連結ベータAまたはベータBサブユニットからなっている。アクチビンの3種の異なる形はインビボで同定されており、アクチビンA(ベータa、ベータa)、アクチビンB(ベータb、ベータb)およびアクチビンAB(ベータa、ベータb)である。本明細書で“アクチビン”はアクチビンのすべての可能な型を意味する、インヒビンは、共通のアルファ鎖を共に有するベータaまたはベータBのヘテロ二量体であり、インヒビンA(アルファ・ベータa)およびインヒビンB(アルファ・ベータb)と呼ばれる。“インヒビン”とはインヒビンのすべての可能な形を意味する(Massague, J., 1990,“The Transforming Growth Factor Beta Family”, Annual Review of Cellular Biochemistry, 6:587-641. Vale, W. et al., 1990,“The Inhibin/Activin Family of Hormones and Growth Factors”in Peptide Growth Factors and Their Receptors, Volume II,M.B.Sporn and A.B.Roberts(eds), Springer-Verlag, pages211-248)。
アクチビンまたはインヒビンの生物的応答は、タイプ1レセプター(アクチビンレセプター様キナーゼ(Alk)2および4と呼ぶ)および透過膜セリン・スレオニン・キナーゼであるタイプ2レセプターのヘテロ型複合体として存在するレセプターにより導入される(Matthews,L.S. and Vale, W.W., 1993,“Molecular and Functional Characterisation of Activin Receptors”, Receptor Volume 3, pages 173-181)。フォリスタチンは、インビトロでアクチビンの拮抗物質として作用するアクチビン結合タンパク質であり、インビボではアクチビンをそのレセプターに提示する(Michael, U. et al., 1993,“Follistatins more than follicle stimulating hormone suppressing proteins”, Molecular and Cellular Endocrinology, Volume 91, pages 1-11)。
アクチビンは下垂体における性腺刺激細胞の数を増加し、卵巣の顆粒膜細胞の分化を起こす(May, K.E., 1994,“Inhibin and Activin: Molecular Aspects of Regulation and Function”, TEM 5:407-415)。アクチビンAもニューロン細胞の分化を高め(Schubert, D. et al., 1990,“Activin is a nerve cell survival molecule”, Nature, 344:868-870)、巨核球および赤血球細胞の分化を刺激し(Nishimura, M. et al., 1991,“Effect of erythroid differentiation factor on megakaryocytic differentiation of L8057, a murine megakaryoblastic leukaemia cell line”, Biochem Biophysics Research Communication, 181:1042-1047)、そしてアメリカツメガエルの初期発育段階における中胚葉形成をもたらす(Smith, J.C. et al., 1990,“Identificati on of a potent Xenopus mesoderm inducing factor as a homologue of Activin A”, Nature, 345:729-731)。
アクチビンベータA鎖の標的とした破壊は、頭蓋顔面欠損を有するマウスをつくり、このマウスは生まれて24時間以内に死んだ(Matzuk, M.M. et al., 1995,“Functional analysis of activins during mammalian development”, Nature, 274:354-356)。このマウスはほほひげを欠き、異常なほほひげ小胞を有した。アクチビンレセプターAlk2およびAlk4(Verschueren, K. et al., 1995,“Expression of type 1 and type 1B receptors for activin in mid-gestation mouse embryos suggests distinct functions in organogenesis”, Mechanisms of Development, 52:109-123)に加えて、アクチビンベータA鎖は、生育毛小胞および胚皮膚の間葉織において検出されているが、新生または成長した皮膚では検出されない(Roberts, V.J. et al., 1991,“Expression of Inhibin/Activin sub-unit messenger ribonucleic acids during rat embryogenesis”, Endocrinology 128:3122-3129; Roberts, V.J. and Barth, S.L., 1994,“Expression of messenger ribonucleic acids encoding the Inhibin/Activin system during mid and late gestation rat embryogenesis”, Endocrinology, 134:914-923)。形質転換マウスにおけるアクチビン結合タンパク質、フォリスタチンの破壊は、異常なほほびげの生育および角質増殖皮膚をもたらした(Matzuk, M.M. et al., 1995,“Multiple defects and perinatal death in mice deficient in follistatin”, Nature, 374:360-363)。アクチビン/インヒビンベータbサブユニットについての遺伝子の破壊は、瞼の発育に微妙な欠陥をもたらし(Vassaiil, A. et al., 1994,“Activin/Inhibin beta b subunit chain disruption leads to defects in eyelid development and female reproduction”, Genes and Development, 8:414-427)、一方、インヒビンアルファ鎖の標的とする破壊は性腺での腫瘍形成を起こした(Matzuk, M.M. et al., 1992,“Inhibin is a tumour suppressor gene with gonadal specificity in mice”, Nature, 360:313-319)。
創傷治癒、瘢痕または線維症におけるアクチビン、インヒビンまたはフォリスタチンの役割については報告されていない。
本発明者は、アクチビンおよびインヒビンが創傷治癒において繊維生長因子としての役割をなすことを見い出した。アクチビンおよびアクチビンとインヒビンのレセプターの高レベル発現がTGF−β3と同様に(参照、PCT/GB93/00586)創傷後に創傷部位でみられる。このことは、アクチビンおよびインヒビンが顕著に再生的/エリスロイド性/神経学的/中胚葉誘発因子であるとの以前の考え方からすると特に驚くべきことである。
アクチビンおよびインヒビンはTGF−β3に構造的に類似し、その類似性はTGF−β1およびTGF−β2よりも大きいことを見い出した。アクチビンおよびインヒビンはTGF−β3が結合するレセプターに類似のレセプターに結合し、そのルートを経て瘢痕のコントロールを仲介するようである。
アクチビンに結合し、またTGF−β3にも結合すると考えられているAct2aレセプターが、創傷治癒を、具体的には7日後の創傷を上方に調節することを見い出した。表1はTGF−βレセプターファミリーのイソ型の結合も詳しく示す。
アクチビンおよびインヒビンは、TGF−β3に似た抗瘢痕性を有し、同様の作用(参照、例えばPCT/GB93/00586)に用いられ得る。
その刺激因子は、薬学的に許容される担体、希釈剤あるいは賦形剤と併用し得る。それは、創傷および線維性障害の、瘢痕形成が少ない治癒を促進する医薬の製造において、薬学的に許容される担体、希釈剤あるいは賦形剤と併用し得る。したがって、本発明は、創傷および線維性障害の、瘢痕形成が少ない治癒促進に使われる医薬の製造において、アクチビンおよび/またはインヒビンの刺激因子としての使用も提供する。
本発明の二つあるいはそれ以上の刺激因子は、もちろん単一組成物または医薬に含まれ、あるいは単一の処置で使用され得る。
薬学的に許容される担体、希釈剤あるいは賦形剤は、既知である−例えばRemington’s Pharmaceutical Sciences and US Pharmacopeia(1984)Mack Publishing Company, Easton, PAを参照。
薬学的に許容される担体は、例えば中性の無菌クリーム、局所投与のためのゲルまたは粉末、あるいは注射、洗浄または吸入のための無菌溶液ならびにエアゾール剤を含み、傷を局所的に覆う無菌ガーゼを含み、腸内投与のために錠剤またはカプセルの形態をしており、あるいはその担体は生物ポリマー・パッチまたは植え込み用の徐放性デバイスを含む。
本発明に従って製造されたアクチビンおよび/またはインヒビンの刺激因子および医薬品は、クリーム、ゲル、粉末またはドレッシングのような局所投与用の組成物の形態であり、注射、洗浄、吸入の溶液またはエアゾール剤であり、腸内投与用に錠剤またはカプセルといった形態である。それらは、また生物分解性ポリマー・パッチまたは植え込み用の徐放性デバイスを含み、最初の大量放出の後に徐々に放出する外科的な処置には有効である。このリストは不完全であり、当業者なら簡単に思い付くような、ほかに多くの利用法があり得るということが認められる。
アクチビンおよび/またはインヒビンの刺激因子を含む本発明の他の形態には、包帯;ヒアルロン酸のような、生物適合性、生物分解性および非炎症性の送達媒体;移植組織;皮内注射;腹腔内投与、静脈内投与あるいは経口投与等による、例えば線維性障害、重度の外傷、熱傷用の組織治療;角膜の創傷または瘢痕用の目薬;付着を処置するフィルムおよびバリアーをも含まれる。
創傷および線維性障害の、瘢痕形成が少ない治癒を促進する組成物および薬剤の適用は、よく知られており(例えばPCT/GB93/00586,PCT/GB92/00570とUS5,520,926参照)、本発明はこれらを合体する。
その刺激因子は、創傷および線維性障害の、瘢痕形成が少ない治癒を促進する組成物と併用され得る。
その刺激因子は、慢性的な創傷の治癒を促進する組成物と併せて使用され得る。
この発明により提供される方法は、アクチビンおよび/またはインヒビンといった刺激因子を含む創傷または線維性障害の、瘢痕形成が少ない治癒を促進する方法である。
刺激は、部位へのアクチビンおよび/またはインヒビン自体の投与あるいはアクチビンおよび/またはインヒビンの刺激因子の投与により達成される。「部位」なる用語は、創傷または線維性障害の部位という意味である。その刺激因子は本発明による刺激因子である。例えばフォリスタチンの拮抗物質である。
アクチビンおよび/またはインヒビンは創傷直前に刺激され得る。創傷後に直ちに刺激されるのが好ましい。創傷後、14日以内、好ましくは7日以内、さらに好ましくは3日以内に刺激されることが望ましい。
本方法は、創傷または線維性障害の、瘢痕形成が少ない治癒を促進する方法として使用し得る。
本方法は、慢性創傷の治癒を促進する方法として使用し得る。
本発明は、創傷および線維性障害の、瘢痕形成が少ない治癒を促進する形態を示した以下の詳述からさらに明らかになる。これは例示のみである。
実験
最初の実験は、制御組織に関する創傷組織におけるアクチビンの発現プロフィールを測定するために行った。これらの結果は、アクチビンまたはその関連分子インヒビン(アクチビンと同じレセプターに結合する)の外因性添加またはアクチビンの結合タンパク質(フォリスタチン)の拮抗作用が、抗瘢痕活性を有するという結論をもたらした。次いで、これを二つの実験に付し、第1はアクチビンAの使用に関し、第2はインヒビンの使用に関するものであった。実験の結果、アクチビンおよびインヒビンが抗瘢痕効果を有する。
実験1
創傷
成熟雄CD1マウスをハロタン、酸化二窒素および酸素を使用して麻酔した。各動物に4ヶ所の傷を付け、それぞれ中心線から約1cm、頭蓋の基線から20および40cmであった。傷は1cmであり、皮筋まで(それを含む)であった。動物を殺し、創傷後1、3、7、14、28、60および80日に創傷を取り出した。少なくとも4匹の別々の動物の4つの傷を各実験で分析した。創傷を切除し、パラホルムアルデヒドに固定し、脱水し、in situハイブリダイゼーション用に調製したワックスに封埋(無RNAase条件下で)し、またはOCT(Miles Scientific)中に凍結し、凍結切断し、免疫細胞化学に使用した。
in situハイブリダイゼーションのために、アンチセンスリボプローブをAct2aレセプター、ActR1(Alk2)およびActRIB(Alk4)に対して構築した。
免疫細胞化学のために、アクチビンを認識する一次抗体を使用し、FITC(フルオレッセインイソチオシアネート)標識2次抗体を使用したストレプトアビジンビオチン増幅を使用して検出した。
コントロールとして、非創傷成熟および胎児E16(胚芽の日16)皮膚を使用した。
結果
創傷後3および7日に、アクチビンについて促進された染色が創傷部位で見られ、創傷縁の線維芽細胞および顆粒組織に優性であった。染色は創傷後14日までに通常レベルに戻った。抗体が優性にアクチンβA鎖を認識するため、これは顆粒組織中の優性同位体(isoform)であると考えられる。
Act2AレセプターのメッセンジャーRNAは創傷後7日目に創傷縁および顆粒組織で上方制御されていた。Alk2(ActRI)レセプターは正常皮膚の間葉で発現されたが、創傷端または顆粒組織で有意な上昇は検出されなかった。比較して、ActRIB(Alk4)レセプターは、正常皮膚真皮でかなり低いレベルで存在するが、皮膚創傷縁および創傷の顆粒組織で、特に創傷後7および14日に上方制御されていた。
正常成熟マウス皮膚において、Alk2およびAlk4は真皮および表皮でそれぞれ優勢に発現された。正常成熟皮膚のアクチビンの染色は、真皮において著しく低いレベルであった。しかしながら、胚芽日16のマウス胎児皮膚は、特に胎児真皮でアクチビンの有意な染色を示した。
これらの染色パターンは、アクチビンおよびそのレセプターが胎児皮膚に存在し、成熟皮膚において創傷治癒の間に再誘導されることを示す。胎児の創傷が、胚芽日16で瘢痕無しで(Whitby, D.J.およびFerguson, M.W.J.,“The extracellular matrix of lip wounds in fetal, neonatal and adult mice”, Development, 112:651-668, 1991)、および炎症、従ってTGFβ1およびTGFβ2の少ないレベルであるが、TGFβ3の促進された内因性皮膚レベルで(Whitby, D.J.およびFerguson, M.W.J., 1991,“Immunohistochemical localisation of growth factors and fetal wound healing”, Developmental Biology, 147:207-215)治癒するため、アクチビンがこの瘢痕無しの胎児創傷治癒において役割を担っていると考えるのは理にかなっている。従って、アクチビン、またはその関連分子インヒビン(アクチビンと同じレセプターに結合する)の外因性添加またはアクチビンの結合タンパク質(フォリスタチン)の拮抗作用が、抗瘢痕活性を有する。
これを調べるために、以下の実験を行った:
実験2
材料および方法
組み換えウシアクチビンA(4μg)をInnogenetics, Belgium(Cat. No. CY-035)から得た。アクチビンAを、最初に0.1%ウシ血清アルブミン(BSA)含有の滅菌リン酸緩衝液(PBS)中で凍結乾燥粉末を元に戻して製造し、次いでPBS/BSAで希釈して3用量を得た:100ng/ml;50ng/ml;および25ng/ml。
12匹の年齢および体重(220g−250g)が同じである成熟雄Sprague-Dawleyラットを、ハロタン、酸化二窒素および酸素の当量部の混合物を使用して麻酔した。背表面を剃り、70%アルコールを綿棒でふいた。4つの1cmの直線状の全厚(皮筋まで(それを含む))切傷を、決定した解剖学的位置である頭蓋の基線から5cmおよび8cm、および中心線からそれぞ1cmに付けた。
動物当り4つの創傷のうち2つをアクチビンA 100μl投与量で、一つをPBS 100μlで処置し、残りを処置せずに置いた。全ての注射を皮下的に、切傷の各端に約50μlを、できるだけ創傷に近いが、それを刺すことなく行い、1日1回、3日間、傷つける直前(0日)に開始して投与した。
12匹の動物を投与用量に従って3群に分けた。4匹の動物に100ng/mlアクチビンAの100μl(即ち、10ng/100μl注射)を、4匹に50ng/ml(即ち、5ng/100μl注射)を、残りの4匹は25ng/ml(即ち、2.5ng/100μl注射)に注射した。創傷を覆わず、縫合しなかった。6匹の動物(そのうち2匹は処置動物)をpw(創傷後)7日に、残りの6匹を創傷80日後に、全てクロロホルムの過投与および続く首脱臼により殺した。PCベースイメージキャプチャーシステムを使用して無傷の剃った皮膚の肉眼的映像を保存した。背面皮膚を除去し、完全な厚さの傷を、傷の回り約0.5cmの余分な正常な皮膚と共に切除した。組織の半分を形式的食塩水に固定し、慣用のワックス組織学に従って処理し、残りの半分をOCT封埋媒体に浸し、免疫細胞化学分析のために液体窒素で急激に凍結させた。
ワックス組織学
7μm切片を標準ミクロトームで切断し、切片をヘマトキシリンとエオシンで染色して、細胞性および血管発生を試験し、コラーゲン組織に関してマッソンのトリクローム染色した。
結果
肉眼
可視アナログ採点システムを、正常、非創傷皮膚を意味する0から、増大瘢痕を意味する10までで創案した。10cmの印をしていない直線を白紙に書き、新たに殺したラットの各背中表面の4つの瘢痕を、各瘢痕について別の線で、0から10の間の線に沿って印をおくすることにより採点した。80日目の瘢痕のみを採点した(即ち、6匹のラット)。
アクチビンAで処置した創傷の肉眼での見かけは非常に良好であった。瘢痕はかなり変化するが、最も少ない用量は、コントロールと比較した時、肉眼で最も良好な質の瘢痕であった。
顕微鏡
10ng/100μl注射:
pw7日目に創傷が上皮を再形成したので、上皮を非創傷上皮と同様に平らに除去した。創傷後(pw)7日目の一つの一貫した観察は、創傷の上部に多くの炎症性細胞はないが、下部にかなり多く存在するということであった。コントロール創傷(非処置およびPBS処置)もまた再上皮形成したが相乗に多くの炎症性細胞が分散していた。
pw80日後、瘢痕の顕微鏡での見かけは良好であった。非創傷皮膚を意味する0から、増大瘢痕を意味する10までの他の可視アナログ採点システムを使用した。平均得点を表2に示す。処置創傷の平均得点は2.65、PBS処置は3.3および非処置は3.65であった。処置創傷におけるコラーゲンの配向は正常皮膚と非常に似ており、コラーゲン束は低い密度で詰められ、大きく、特に上皮に向かって、より多くの編かご状の見かけを有した(非創傷真皮は編かご状構造に配置されている)。
5ng/100μl注射:
pw7日後に、創傷は全て上皮を再形成し、完全な細胞中および処置創傷はコントロール創傷と同じ見かけであった。処置創傷にはいくつかのバリエーションがあり、いくつかは非常に細胞性であり、他は多くの炎症性細胞を含まなかった。
pw80日後、真皮構築は良好であり、それぞれ平均5.5および4.1であるPBSおよび非処置コントロール創傷と比較して、平均スコアは3.13であった。コラーゲンはよりオープンであり、また特に表皮に近い創傷の上部でより厚い束であった。
2.5ng/100μl注射:
pw7日後、処置創傷はコントロール創傷と似ていた。
pw80日後、処置創傷は合理的なコラーゲン構築を有し、それぞれ5.45および4.25の平均であるPBSおよび非処置コントロール創傷と比較して、平均スコア5.25であった。
結論
これらの実験は、TGF−βファミリーのメンバーであるアクチビンAが抗瘢痕効果を有することを示す。
5ng/100μl注射および10ng/100μl注射処置レジメは、コントロール創傷と比較して、非常に改善された瘢痕を示した。2.5ng/100μl注射処置レジメは恐らく低濃度すぎた。最高投与量が傷への炎症性細胞の流入を減少するようであるというのは興味深い。TGF−β3で得られるのと同様の効果である。10ng/100μl注射アクチビンAで処置したpw80日の顕微鏡での見かけは、コントロールより良好であり、5ng/100μl注射もまたコントロールより良好であった。10ng/100μl注射と5ng/100μl注射処置の比較は、10ng/100μl注射処置が優れているが、これらの動物のコントロール創傷もまた良好であり、恐らくアクチビンAの高用量の全身的効果によるものであった。最低量(2.5ng/100μl)はまた瘢痕を僅かに改善するが、顕微鏡結果はコントロール創傷と近かった。
創傷の肉眼での見かけは非常に変化するが、中間(5ng/100μl注射)および最低(2.5ng/ml注射)投与量で処置した創傷は、各コントロールと比較して良好であった。最高(10ng/100μl注射)投与量で処置した創傷は、肉眼で非常に変化するが、同じ動物のコントロール創傷の質により打ち消され得、従って恐らく高用量のアクチビンAによる全身効果により改善された。
実験3
材料および方法
ブタインヒビン(バイアル当たり20μg)をNational Institute for Biological Standards and Control, Potters Bar, UK(Cat. No. 86/690)から得た。
インヒビンを0.1%BSA含有滅菌PBSで元に戻し、20μg/mlの貯蔵溶液とし、更に0.1、1および5μg/mlに希釈した(即ち、10、100および500ng/100μl注射)。
パイロット実験
年齢および体重(220g−250g)が同じの12匹の成熟Sprague-Dawleyラットを等量部のハロタン、酸化二窒素および酸素の混合物を使用して麻酔した。背表面を剃り、70%アルコールを綿棒でふいた。4つの1cmの直線状の完全な厚さ(皮筋まで(それを含む))の切傷を、決定した解剖学的位置である頭蓋の基線から5cmおよび8cm、および中心線からそれぞ1cmに付けた。
動物当たり2つの傷をインヒビン100μl、一つをPBS/BSAまたはPBS単独100μlのいずれかで処置し、一つを処置せずに置いた。全ての注射は皮下であった。最初の注射を創傷部位に、創傷前(0日)に、次いで創傷2日後に行った。50μlを切傷の両端に、できるだけ創傷に近いが、それを壊すことなく送達した。
12匹の動物を投与用量に従って3群に分けた。4匹の動物に一日10ng/100μlを、4匹に100ng/100μlを、残りの4匹に500ng/100μlを注射した。創傷を覆わず、縫合しなかった。6匹の動物(そのうち2匹は処置動物)をpw(創傷後)7日に、残りの6匹を創傷80日後に、全てクロロホルムの過投与および続く首脱臼により殺した。PCベースイメージキャプチャーシステムを使用して無傷の剃った皮膚の肉眼的映像を保存した。背面皮膚を除去し、完全な厚さの傷を、傷の回りの約0.5cmの正常皮膚のマージンと共に切除した。組織の半分を形式的食塩水に固定し、慣用のワックス組織学に従って処理し、残りの半分をOCT封埋媒体に浸し、免疫細胞化学分析のために液体窒素で急激に凍結させた。
ワックス組織学:7μm切片を標準ミクロトームで切断し、切片をヘマトキシリンとエオシンで染色して、細胞性および血管発生を試験し、コラーゲン組織に関してマッソンのトリクローム染色した。
結果
肉眼
可視アナログ採点システムを、正常、非創傷皮膚を意味する0から、増大瘢痕を意味する10までで創案した。10cmの印をしていない直線を白紙に書き、新たに殺したラットの各背中表面の4つの瘢痕を、各瘢痕について別の線で、0から10の間の線に沿って印をおくことにより採点した。80日目の瘢痕のみを採点した(即ち、6匹のラット、24の創傷)。
インヒビンで処置した創傷の肉眼での見かけは80日で非常に変化した。最高量(500ng/注射)で処置した創傷で、一つは非常に良好であり、優れた直線瘢痕であったが、残りはコントロールと同様であった。PBS/BSAで処置した創傷もまた非処置コントロールと同様であった。インヒビンの中間投与量で処置した創傷もまたコントロール創傷と同様であった。最低の投与量で処置した二つの創傷は非常に良好な直線瘢痕を有し、回りの非創傷部位とかろうじて識別できたが、他の瘢痕はコントロールと同様の見かけであった。全体として、肉眼での結果はインヒビンの最低または最高の投与量が瘢痕を改善し得ることを示した。
組織学
創傷形成後7日
全体的に、処置した創傷は、7日目で非処置またはPBS処置対照創傷と類似した。この創傷は炎症細胞を多く含んでおり、再上皮化しており、その幅は不定であった。PBS/BSAで処置した対照創傷は、非常に細胞性であり、非常に幅が広く、再上皮化していないものもあった。
創傷形成後80日
正常な創傷のない皮膚を示す0から肥大性瘢痕形成を示す10までの範囲の目視アナログ評点システム(visual analogue scoring system)を用いて、創傷形成後80日目で組織学スライドのスコアをつけた(表3)。最大用量のインヒビン(500ng/100μl注射)で処置した創傷のなかには、良好な皮膚構造を持つものもあり、そのコラーゲン束は厚く、創傷のない皮膚の正常な籠織り模様に類似する無作為組織化状態であった。その他の創傷の多くでは、コラーゲンは密集しており、平行に並んでいて、対照創傷と類似した。平均スコアは、インヒビン500ng/100μl注射で処置した創傷では4.49であり、非処置対照創傷では5.6であり、PBS対照創傷では5.08であった。中間用量(100ng/100μl注射)で処置した創傷はPBS対照と類似しており(スコアはそれぞれ7.58と7.9であった)、コラーゲン繊維は厚いが、殆ど創傷の頂部で密集して束になっていた(非処置対照は、この群の中では4.9という良好なスコアであった)。最低用量のインヒビン(10ng/100μl注射)で処置した創傷のコラーゲンは、目が粗く(open)無作為に配向しているが、これも創傷の頂部であり、コラーゲンは非常に密集して束になっていた。これらの創傷は、対照に類似するスコアであった(表3参照)。
結論
最大用量のインヒビンは、肉眼データと相関する顕微鏡結果によると僅かに抗瘢痕形成作用を持つようであった。PBS/BSA対照は、創傷形成後80日目と創傷形成後7日目でよりひどい瘢痕を形成するようであり、その創傷は非常に多数の炎症細胞を含有した。PBS単独でインヒビンを再構成するとより著しい抗瘢痕形成作用を与えることができる。
実施例4
追試実験
材料および方法
ブタインヒビン(バイアル当たり20μg)は、National Institute for Biological Standards and Control,Potters Bar,UK(カタログ番号86/690)から入手した。
インヒビンは、0.1%BSA含有滅菌PBSで再構成して、20μg/mlのストック溶液とし、更に2.5、10および15μg/mlに希釈した(即ち、250、1000および1500ng/100μl注射)。
使用した外科的技術は、使用した動物数(18;n=72)を除外する前のものであり、創傷形成後40日目で余分な時点があった。
動物1匹当たり2カ所の創傷をインヒビン100μl用量で処置し、1つはPBS/BSAまたはPBS単独のいずれか100μlを含み、1つは非処置のままにした。注射は全て皮内であった。最初の注射は、創傷部位に創傷形成直後(0日)、次いで、創傷後2日間投与した。創傷を裂くことなく創傷にできるだけ近い切口の各側に沿って50μlを送達した。
動物18匹を投与用量に従い3つのグループに分けた。動物6匹に毎日250ngを100μl注射し、次の6匹は1000ng、残りの6匹は1500ngで処置した。創傷にはカバーも縫合もしなかった。各処置グループから2匹ずつ、6匹の動物を創傷形成後7日で、次の6匹は創傷後40日で、残りの6匹は創傷後80日で、全てクロロホルム過剰投与と首の脱臼により屠殺した。PCベースの影像検索システムを用いて無傷の剃毛した皮膚の肉眼的影像をセーブした。背側皮膚を除去し、創傷周辺の正常皮膚を余分におよそ0.5cmとって全厚創傷を切り取った。その組織の半分はホルマール塩水中に固定して定型のワックス組織学用に処理し、もう一方の半分はOCT包埋培地に浸し、免疫細胞化学分析用に液体窒素で急凍させた。
ワックス組織学
標準ミクロトームにより7μm切片を切り取り、その切片を細胞性および脈管形成について試験するためのヘマトキシリンおよびエオシン(Haematoxylin & Eosin)で染色し、さらにコラーゲン組織化のためにメイソン・トリクロム(Masson’s Trichrome)染色した。
結果
肉眼
正常な創傷のない皮膚を示す0から肥大性瘢痕形成を示す10までの範囲の標準目視アナログ評点システムを用いた。10cmの見えない線を白紙片に引き、屠殺したばかり各ラットの剃毛背側表面上の4つの瘢痕を、各瘢痕毎に別の線で0と10の間の線に沿って記しを付けることによりスコアをつけた。40日および80日目の瘢痕のみスコアをつけた(即ち、各時点でラット6匹、24創傷)。
40日目の肉眼分析では、最大用量のインヒビン(1500ng/100μl注射)で処置した創傷は、1000ng/100μl注射または250ng/100μl注射で処理した創傷(それぞれ、平均スコア5と4.6)と比較して明らかに最も小さい瘢痕であることが示された。しかしながら、80日目で、最低用量のインヒビン(250ng/100μl注射)で処置した創傷の平均肉眼スコア(4.51)は、2つのより高用量(1500ng/100μl注射および1000ng/100μl注射)の場合のスコアよりもかなり良く、それぞれ5.275と5.375というよく似た平均スコアであった。
組織学
創傷形成後7日
創傷形成後7日目で創傷は全て再上皮化した。PBS処置と非処置対照創傷との間には何の相異もなかった。1500ng/100μl注射および1000ng/100μl注射で処置した創傷ベースでは多数の炎症細胞があり、対照創傷と比べ新たなコラーゲン量はそれほど多くなかった。250ng/100μl注射で処置した創傷は、幅が狭く、炎症細胞を多く含有せず、新たなコラーゲン量が多かった。
創傷形成後40日および80日
標準目視類似物スコアシステムを用いて、40日目と80日目の創傷を評価した。結果は表4に示す。
40日目、250ng/100μl注射で処置した創傷は最悪の皮膚構造であり、コラーゲンは密集して束になって平行に並んでおり、これは平均スコア7.4に反映された。1000ng/100μl注射で処置した創傷は、平均スコア6.0であり、PBS処置対照創傷(6.2)と似ていた。1000および1500ng/100μl注射で処置したグループ中の非処置対照創傷は、最高の平均スコアを持ち、これは恐らく全身性作用を示している。創傷の組織学的スコアは肉眼での外観と一致しており、これはこの段階で観察された優れた皮膚構造に反映された(4.7)。
創傷後80日目で、250ng/100μl注射で処置した創傷の組織学的外観は、1000または1500ng/100μl注射で処置した創傷よりも良好であった。コラーゲン束は、特に瘢痕の頂部、表皮の真下では、より低い密集度で束になっており、より無作為に配向していた。この用量で処置した瘢痕のうち1つだけは幅が広く、質が悪かった。1000ng/100μl注射処置を施した創傷は、創傷全体でコラーゲンが密集して束になっており、1500ng/100μl注射で処置した創傷は、あるものはその頂部で比較的目の粗いコラーゲン配向を有したが、コラーゲンが特に密集している所からすれば、全般的に非常に幅が広かった。
要約
これらの結果は、この研究で使用した最低用量のインヒビン(250ng/100μl注射)が抗瘢痕形成作用を持つことを示している。予備実験からは、500ng/100μl注射の用量もまた僅かに抗廠痕形成作用を持つことが示された。故に、インヒビンを外部から添加すると抗瘢痕作用が生じるようであり、そのデータはインヒビンの最適用量がこの処置型では250から500ng/100μl注射の間であることを示している。
Figure 0004102437
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Claims (7)

  1. 活性成分としてアクチビンを含む、当該活性成分の有効量を5ng/100μl以上の濃度で適用することにより、皮膚創傷および線維性障害の、瘢痕形成が少ない治癒を促進するための、薬物。
  2. 創傷が慢性創傷である、請求項1記載の薬物。
  3. 薬学的に許容できる担体、希釈剤または賦形剤と併用して処方される、請求項1または2に記載の薬物。
  4. 創傷形成の直前または直後に使用する、請求項1−3のいずれかに記載の薬物。
  5. 創傷形成から14日間以内に使用する、請求項1−3のいずれかに記載の薬物。
  6. 創傷形成から7日間以内に使用する、請求項5に記載の薬物。
  7. 創傷形成から3日間以内に使用する、請求項6に記載の薬物。
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