JP4102128B2 - 一体型発熱シートと剥離性シートの積層貼着装置並びにその積層貼着法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、一体型発熱シートと剥離性シートの積層貼着装置並びにその積層貼着法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、発熱性貼着型製品を連続的に打ち抜き製造する製造装置の製造工程で使用される一体型発熱性シートと剥離性シートとを積層貼着する積層貼着装置とその積層貼着法を添付図面の図8〜図11に基づいて説明する。
従来の装置は、長尺の一体型発熱性シートAを案内する第1ロール1と長尺の剥離性シートBを案内する第2ロール2とを、これら該一体型発熱性シートAと該剥離性シートBの夫々の厚さとこれらシートA,Bとの間に介在せしめる粘着剤Cの予定する厚さとを考慮して圧着するクリアランスSを存して対向させて配設し、これら第1ロールと第2ロール2の上方に粘着剤供給ベルト3を配置して成るものである。
【0003】
該一体型発熱性シートAは、予め、前工程において次のようにして製造される。即ち、図9にその一部の拡大断面図に明示するように、長尺の不織布などの通気性シートa1を移行させ乍ら、その上面に一定量の発熱性組成物hをそのシートa1の長さ方向に一定の間隔〈ピッチ〉を存して配設した後、その上面に無孔又は不織布などの多孔性シートから成る長尺の基材シートa2を重ね合わせ、これら上下シートa1,a2を一体に結着し、該上下のシートa1,a2間にその一定間隔〈ピッチ〉Dを存して、各発熱性組成物hが挟持被包された所望の一定形状の高さ0.5〜4mm程度の発熱性被包体部Hの多数個を一列に配設して構成したものである。その上下シートa1,a2の一体結着は、通常、該長尺の該多孔性シートa1の片面に予め施されたポリエチレンなどの熱可塑性合成樹脂フィルムb1と該長尺の基材シートa2の片面に予め施されたポリエチレンなどの熱可塑性合成樹脂フィルムb2とを対面させ、ヒートシール装置を通過させて加圧熱融着させることによりなされる。尚、これらシートA,Bは、適当な同一の広幅を有することは言うまでもない。
また、前記装置の要部である加圧積層貼着部は、図10の拡大側面図に明示のように、前記の対向する第1ロール1と第2ロール2との間に予め形成されるクリアランスSは、第1ロール1により案内される一体型発熱性シートAの該発熱性被包体部Hの厚さと第2ロール2により案内される剥離性シートBの厚さとこれら該一体型発熱性シートAと該剥離性シートBの間に供給される粘着剤Cの塗工層の厚さの総和に対応する寸法に予め設定される。このクリアランスSの寸法は、所望の寸法が得られるように、該第1ロール1に対し該第2ロールが前進、後退し、そのクリアランスSの寸法を所望により調節できるような公知の機械的制御手段が、図示しないが、通常付設されている。
尚、該粘着剤供給ヘッド3としては、これに収容される粘着剤Cが組成物である場合は、例えば、流動性のゲル化組成物である場合は、ヘッド3としてその組成成分を混合するミキシングヘッドが使用される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記の積層貼着装置を用い、長尺の該一体発熱性シートAと長尺の該剥離性シートBとが積層貼着された長尺の発熱性積層貼着シートPを製造する場合は、次のような不都合を伴う。
即ち、対設した第1ロール1と第2ロール2とを矢示のように回転させ、該第1ロール1と第2ロール2により該一体発熱性シートAと該剥離性シートBとを対向させ、上方から両ロール1,2間に導入するように移送させるようにする一方、同時に、このように移送される該一体発熱性シートAと該剥離性シートBの間に、その上方の該ヘッド3から、流動性ゲル化組成物などの粘着剤Cを連続的に吐出供給する。この場合、シートA,Bを該クリアランスSを通過せしめて該第1ロール1と該第2ロール2により加圧し発熱性積層貼着シートPが連続的に得られるように該クリアランスSの上方のシートA,B間の谷間に、図示のように該粘着剤Cの溜りC′が常時生成するように、該ヘッド3から該流動性粘着剤Cが連続的に吐出されるようにする。
而して、図8及び特に図10に明示するように、該第1ロール1により案内されて該クリアランスSへ導入される一体発熱性シートAの発熱性被包体部Hのないシート部a、即ち、各相隣る発熱性被包体部H,H間の各シート部aでは、そのシート部aと該第1ロール1の周面との間に該発熱性被包体部Hの高さに対応する空隙Gが形成されるので、前記の粘着剤の溜りC′の重圧や該溜りC′の外側に圧接している該第2ロール2の作用により、各該シート部aは押されて、図示のように、該空隙G内へ弯曲してへこみ、そのへこんだ分、粘着物Cが余分に入り込んで来る。従って、該第1ロール1と該第2ロール2間の該クリアランスSを通過して得られる発熱性積層貼着シートLは、図8、特に図11に明示するように、相互に貼着された該一体発熱性シートAと該剥離性シートB間の粘着剤塗工層の全長に亘る厚さは不均一となる。すなわち、各発熱性被包体部Hがある部位では、所定の該クリアランスSで定めた通りの粘着剤塗工層の厚さt1 が得られるが、該発熱性被包体部Hのない部位a′では、該一体発熱性シートAが図示のように本来の所定の厚さt1 であるべき仮想線で示す位置より前記のように該シート部aが該発熱性被包体部H,H間の間隙内に垂れ下がった分、粘着剤が充填され、その塗工層の厚さt2 は、所定の厚さt1 より厚くなり、それだけ粘着剤の使用量が無駄に消費され、製造コストが増大した不経済な積層貼着シートLとして製造される不都合をもたらす。
更に、これに加え、次のような不都合をもたらす。即ち、該発熱性被包体部Hのない各シート部a、即ち、相隣る該発熱性被包体部H,H間のシート部aは前記のようにたるむので、一体発熱性シートAで定めた一定間隔で配設した積層貼着前の該各発熱性被包体部H,H間の一定の距離D、即ちピッチDは、そのたるんだ分だけ短くなり、ピッチの寸法に狂いを生じ距離D′となり、該積層貼着シートLに配置された夫々の該発熱性被包体部H,H,…間の距離〈ピッチ〉D′は僅かづつ短くなり、後のダイカット工程において配設したダイカットに対し、累積的な位置ずれを生ずる。従って、該第1ロール1と該第2ロール2を通過した該積層貼着シートLは、その後引き続きニップロール4,4や案内ロール5などを介し牽引装置(図示しない)により前方へ移送され、次のダイカット工程で一対のダイカットロールを通し、一定の間隔を置いて1ショット毎その各一定形状の発熱性被包体部Hを次々とその所定形状に沿いその周囲を打ち抜き、発熱性貼着型パッド製品を次々と連続生産するが、このダイカット工程でその一定の外周面形状を有する各発熱性被包体部Hの周囲輪郭形状の通りの適正な打ち抜きが行われなくなり、しばしば不良製品をもたらす。
更には、該ダイカット工程で刃の入る各発熱性被包体部Hのないたるんだシート部分に比較的多量の粘着剤が塗工されているため、刃に粘着剤が付着し易く、ダイカットされた製品の抜けが悪く、また、刃の掃除が頻繁に必要となる。
更にまた、打ち抜かれた製品は、その周縁に本来の塗工厚さよりは肉厚のシート部が随伴してくるので、製品を端面から見た場合、商品価値が低下するなどの不都合を伴う。
本発明は、上記の従来の装置の課題を解決し、長尺の一体発熱性シートと長尺の剥離性シートを粘着剤を介して一対の案内ロールで加圧し互いに積層貼着したとき、発熱性被包体部のないシート部のたるみを生ずることなく、該シート部の粘着剤の塗工層の厚さは、発熱性被包体部と剥離性シート間の塗工層と実質上同じ厚さで発熱性被包体部のある部分とない部分とに関係なく均一な塗工層が得られると同時に、粘着剤の使用量を少なくして経済的な積層貼着シートが得られると共に、各発熱性被包体部間のピッチは、積層貼着前のピッチと変わらないので、所定の形状の各発熱性被包体部のダイカットによる一定間隔毎の打ち抜きをその一定形状の輪郭形状に沿い正確に行うことができ、商品価値を向上した一体発熱性シートと剥離性シートとの積層貼着装置とその積層貼着法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記従来の課題を解決した本発明の一体型発熱シートと剥離性シートの積層貼着装置は、長尺の通気性シートと長尺の基材シートとを互いに結着すると共に、そのシート間にその長さ方向において一定間隔を存して介在させた発熱性組成物を挟持被包して発熱性被包体部を少なくとも一列に配設して成る長尺の一体型発熱シートを案内する第1ロールと、長尺の剥離性シートを案内する第2ロールとを、所望のクリアランスを存して対向配設すると共に、該第1ロールとの間並びに該第2ロールとの間に夫々所望のクリアランスを存した位置に長尺の多孔性シートを案内する第3ロールを設け、且つ該第3ロール及び該第2ロール間に粘着剤を供給する粘着剤供給用ヘッドを設けたことを特徴とする。
更に本発明は、上記本発明の積層貼着装置を用いて上記の目的を達成した一体型発熱シートと剥離性シートの積層貼着法を提供するもので、該第3ロールにより案内される長尺の多孔性シートと該第2ロールにより案内される長尺の該剥離性シートとの間に、該粘着剤供給用ヘッドから粘着剤を供給し、該多孔性シートと該剥離性シートとの間に該粘着剤を連続的に供給し乍ら該第3ロールと該第2ロール間の該クリアランスを通過させ、粘着剤層を挟持した複合シートを形成した後、該複合シートと該第1ロールにより案内される一体型発熱シートとを、該第1ロールと該第2ロールとの間の該クリアランスを通過させて該多孔性シートを介して圧着し、積層貼着するようにしたことを特徴とする。
【0006】
【作用】
該第3ロールにより案内された多孔性シートと該第3ロールと対向する第2ロールにより案内された剥離性シートとの間に粘着剤供給ヘッドから連続的に供給される粘着剤は、該第3ロールと該第2ロールとの回転により対向する両シートが両ロール間のクリアランスに導入通過する過程で、該両シートの移行に隋伴し、且つ両シートに連続的に挟まれて該クリアランスを通過したとき、両シートは粘着剤塗工層を挟持した状態の複合シートに形成された後、該複合シートは、その前方の、即ち、下方の対向する第1ロールと該第2ロール間の所定のクリアランス間に移行し、該第1ロールにより案内された一体型発熱性シートの基材シートの外面に、その該多孔性シート側で積層されると共に両ロールにより互いに圧着され、更に、その積層状態で該多孔性シートの微多孔を介し該粘着剤塗工層の一部は滲透し、該一体型発熱性シートの基材シートとの接着をもたらし、全体として全長に亘り実質上均一な粘着剤塗工層で互いに積層貼着された積層貼着シートが得られる。更に詳細には、この積層貼着工程において、該多孔性シートが該一体型発熱性シートと該粘着剤塗工層との間に介在しているので、一体型発熱性シートに一定の間隔〈ピッチ〉で配設された発熱性被包体部がないシート部は該第1ロールとの間に空隙が存するにも拘わらず、その空隙内へへこむことが防止され、当初の平坦な状態が確保される。また、かくして該発熱性被包体部のある個所と同じ厚さの肉薄の粘着剤塗工層が得られると同時に、該第1ロールと該第2ロールを通過して得られた積層貼着シートにおける該発熱性被包体部間の間隔〈ピッチ〉は、積層貼着前の一体型発熱性シートにおける間隔〈ピッチ〉と変わらないので、その後のダイカット工程において位置ずれがなく、各発熱性被包体部を適正な打ち抜きを連続的に行うことができ、外観上、体裁の良い商品価値を向上した発熱性貼着型製品が得られる。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態例を、図1乃至図4に基づき説明するが、図示するその実施の1例の積層貼着装置において、上記従来の装置の構成部材と同じ構成部材は同じ参照符号を用いた。また、本発明の積層貼着法で用いられる一体型発熱性シート、剥離性シート及び粘着剤は、同じものを用いるので、同じ参照符号を用いて説明する。
【0008】
図示の本発明の積層貼着装置は、一体型発熱性シートAを案内する第1ロールと剥離性シートBを案内する第2ロール2とを対向させて配設することは、従来装置の構成と変わりないが、その特徴構成は、多孔性シートKを案内する第3ロール10を該第1ロール1の上方に、該第1ロール1との間に該一体型発熱性シートAを通過するに足る所望の寸法のクリアランスS1を存せしめると共に、該第2ロール2との間に所望の寸法のクリアランスS2を存せしめて配設し、その第3ロール10と該第2ロール2の上方に、ミキシングヘッドなどの粘着剤供給ヘッド3を設けたことに在る。
【0009】
該第3ロール10と該第2ロール2との間のクリアランスS2の寸法は、貼着積層に使用されるべき、該一体型発熱性シートAの厚さと該剥離性シートBの厚さとこれらシートA,B間に介在せしめる粘着剤塗工層の厚さとの総和である。そのクリアランスS2の寸法の調節は、該第2ロール2及び該第3ロール10のいずれか一方を他のロールに対し前進、後退動自在に可動し得る調節装置〈図示しない〉を付設することが好ましい。
また、該クリアランスS3の寸法は、該一体型発熱性シートAの厚さと該多孔性シートKの厚さと該剥離性シートBの厚さと該シートK,B間に形成するべき所望の粘着剤塗工層に対応する厚さの総和である。そのクリアランスS3の寸法の調節は、該第1ロール1又は該第2ロール2のいずれか一方を前進、後退動せしめる調節装置〈図示しない〉を付設することにより行われる。
【0010】
多孔性シートKとしては、粘着剤が滲透するに適した無数の微多孔が開いた無機又は有機繊維から成る不織布や多孔性合成樹脂フィルムなどが使用され、その肉厚は、10〜1000μm程度の範囲の肉薄のものを使用することが一般である。
【0011】
粘着剤Cとしては、ゴム系エラストマーやアクリル樹脂を主体とした粘着剤や架橋型の流動性ゲル化組成物などが選択使用される。
流動性ゲル化組成物としては、例えば、ポリアクリル酸ナトリウムなどの架橋剤、酒石酸などの架橋促進剤、グリセリンなどの潤滑剤、水分蒸発を防止する吸水性ポリマー、ベントナイトなどの保水剤及び精製水を夫々適宜の配合量で配合したものであり、架橋反応により保水粘着性ゲルとなるものである。また、身体の所要部を加熱する発熱性貼着型カイロ製品の他に、化粧用、医療用などの用途に応じ、美顔その他の美容用、医薬用などの発熱性貼着型パック製品を製造する場合には、このゲル化組成物に、その夫々の用途に応じた所望の材料を添加配合したものを使用する。例えば、香料、コラーゲンなどの老化防止剤、消臭剤などを添加配合する。
【0012】
一体型発熱性シートAの発熱性被包体H内に充填被包される発熱性組成物hとしては、代表的には、還元鉄粉又はアトマイズ鉄粉などの鉄粉を主体とし、これに活性炭、高吸水性樹脂粉、バーミキュライトなどの保水剤、塩化カルシウムなどの塩類及び水を適当に配合し、混合して成る発熱性混合粉体が使用される。
【0013】
而して、上記本発明の装置を用い、以下のようにして本発明の積層貼着シートL′を製造する。
即ち、該第3ロール10と該第2ロール2とを矢示のように互いに反対方向に回転させ、多孔性シートKと剥離性シートBとを、夫々のロール10,2間のクリアランスS2に向かい導入移送する一方、該ミキシングヘッド3から上記の例えば流動性ゲル化組成物から成る粘着剤Cをそのロール10,2の周面に沿い対向して導入移送されるこれらシートK,B2間に形成される谷間に粘着剤の溜りC′が常時生成するように連続的に供給する。かくして、該粘着剤Cは、移送されるシートK,Bに挟まれて、そのクリアランスS2を通過するとき、両シートK,B間に粘着剤塗工層Cが介在した複合シートEが形成される。次いで、この複合シートEを、引き続く移送によりその前方の、即ち、その下方の該第1ロール1と該第2ロール2間のクリアランスS3に移送される、そのクリアランスS3において、該複合シートEは、矢示の方向に回転する第1ロール1により、前記の該第3ロール10との間のクリアランスS1を通過して案内導入される該一体型発熱性シートAの基材シートa2の外面にその多孔性シートKを介して積層されると共に、その積層シート全体は、該第1ロール1と該第2ロール2とにより加圧され乍ら該クリアランスS3を通過し、本発明の積層貼着シートL′が得られる。
一方、該積層シートは、クリアランスS3を通過し移行する過程において、該粘着剤塗工層Cの一部は、図4に矢示するように、該多孔性シートKを滲透し、該一体型発熱性シートAの基材シートa2との結着をもたらす。
その後、引き続き、その下方の一対のニップロール4,4間を通過させ下方へ導き、更に案内ロール5を介し水平方向に移行させ、次の工程のダイカット工程に導くよう図示しない牽引装置により牽引され、そのダイカット工程で所定の一定間隔で配設したダイカットを具備した一対のダイカットローラーを通し、各発熱性被包体部Hを順次切り抜き発熱性貼着型製品を連続製造する。
【0014】
このように、本発明によれば、該複合シートEを作成した後、これをその多孔性シートKを介して、該一体型発熱性シートAに積層させたので、該一体型発熱性シートAの該発熱性被包体部Hのない該包体部H,H間のシート部a(a1,a2)は、その各相隣る発熱性被包体部H,Hの空隙G内へへこみ弯曲されることが防止され、従って、図3及び図4に明示するように、該発熱性被包体部Hのあるところの厚さt1 は、該発熱性被包体部Hの部分である塗工厚さt1 と実質上同じ厚さt1 で得られるので、従来に比し、粘着剤の使用量が節約でき、而も該粘着剤塗工層の厚さは全長に亘り肉薄で且つ実質上均一であり、外観上体裁の良く、商品価値の向上した長尺の積層貼着シートL′をもたらす。また、該一体型発熱性シートAの該発熱性被包体部Hのないシート部aは、該包体部H,H間の間隙空間内に変位しないので、積層貼着後の各相隣る発熱性被包体部H,H間の距離Dは、積層貼着前の距離Dと変わらないので、その前方のダイカット工程時に、ダイカットによる一定間隔又は時間間隔による適正な打ち抜きが連続的に得られ、ロスのない発熱性貼着型パッドの連続生産が円滑に得られる。
【0015】
図5は、前記の積層貼着シートL′から打ち抜かれて得られた1例の発熱性貼着型製品P1の上面図、図6は、図5のVI−VI線断面図である。
【0016】
図7は、他の実施例で得られた美顔用マスク型の発熱性貼着型製品P2を示す。該製品P2の発熱性被包体部Hは、シート部aにより多数の小区劃に分割されて構成したもので、その使用に当たり、該剥離性シートBを剥がして、その粘着剤塗工C面でその中央を顔の鼻に当て乍ら顔に貼着したとき、該発熱性包体部Hのないシート部aで折り曲げ自由であるので、その多数の小区劃の発熱性被包体部H1,H2,…H6は、顔の曲面形状に密着し、使用中に発熱性組成物が発熱硬化したときでも、各区劃部Hは、顔面から容易に剥がれることなく、長期に亘り安定良好な加熱作用を維持することができる。
【0017】
尚、長尺の一体型発熱性シートA、長尺の剥離性シートB、長尺の多孔性シートKは夫々所望の幅を有するものが使用され、また、一定の間隔Dで一列に配設した発熱性被包体部H,H,…は、所望によりその幅方向に一定の間隔を存して長さ方向に同様に一列に配設し、複数列規則的に並んだ発熱性被包体部を具備せしめた長尺の一体型発熱性シートAを、前工程で作製しておき、これを、同幅の長尺の剥離性シート、長尺の多孔性シートを用い、同様に本発明によりその積層貼着シートを製造するようにしてもよいことは言うまでもない。
【0018】
【発明の効果】
上記から明らかなように、請求項1に係る発明により構成した積層貼着装置を用い、請求項2に係る発明の積層貼着方法を実施するときは、該一体型発熱性シートと該剥離性シートとの間に全長に亘り実質上同一厚さの肉薄の粘着剤塗工層が得られるので、粘着剤の使用量を節約できるばかりでなく、該発熱性被包体部間の当初の一定の距離〈ピッチ〉が保たれた長尺の積層貼着シートが得られるので、後のダイカット工程において、発熱性被包体部の打ち抜きを次々と適正に行うことができ、製造ロスのない連続生産をもたらし、且つ得られた発熱性貼着型製品の商品価値の向上をもたらす。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の1例の積層貼着装置とこれによる長尺の積層貼着シートの製造方法を説明する側面図。
【図2】 該装置の要部の拡大側面図。
【図3】 該装置により製造された長尺の積層貼着シートの一部の拡大断面模写図。
【図4】 図3の一部の拡大断面模写図。
【図5】 該長尺の積層貼着シートから所定形状の発熱性被包体部をその外周形状に沿い打ち抜かれた発熱性貼着型製品の1例の一部を裁除した平面図。
【図6】 図5のVI−VI線裁断面図。
【図7】 本発明で製造された他例の長尺の積層貼着シートから所定形状の発熱性被包体部をその外周形状に沿い打ち抜かれた美顔用の発熱性貼着型製品の一部を裁除した平面図。
【図8】 従来の積層貼着装置とこれによる長尺の積層貼着シートの製造方法を説明する側面図。
【図9】 一体型発熱性シートの一部の断面模写図。
【図10】 該装置の要部の側面図。
【図11】 該装置で製造された長尺の積層貼着シートの一部分の拡大側面図。
【符号の説明】
1 第1ロール
2 第2ロール
3 粘着剤供給ヘッド
10 第3ロール
A 長尺の一体型発熱性シート
B 長尺の剥離性シート
C 粘着剤
K 多孔性シート
L′ 本発明の積層貼着シート
Claims (2)
- 長尺の通気性シートと長尺の基材シートとを互いに結着すると共に、そのシート間にその長さ方向において一定間隔を存して介在させた発熱性組成物を挟持被包して発熱性被包体部を少なくとも一列に配設して成る長尺の一体型発熱シートを案内する第1ロールと、長尺の剥離性シートを案内する第2ロールとを、所望のクリアランスを存して対向配設すると共に、該第1ロールとの間並びに該第2ロールとの間に夫々所望のクリアランスを存した位置に長尺の多孔性シートを案内する第3ロールを設け、且つ該第3ロール及び該第2ロール間に粘着剤を供給する粘着剤供給用ヘッドを設けたことを特徴とする一体型発熱シートと剥離性シートの積層貼着装置。
- 請求項1に記載の積層貼着装置の該第3ロールにより案内される長尺の多孔性シートと該第2ロールにより案内される長尺の該剥離性シートとの間に、該粘着剤供給用ヘッドから粘着剤を供給し、該多孔性シートと該剥離性シートとの間に該粘着剤を連続的に供給し乍ら該第3ロールと該第2ロール間の該クリアランスを通過させ、粘着剤層を挟持した複合シートを形成した後、該複合シートと該第1ロールにより案内される一体型発熱シートとを、該第1ロールと該第2ロールとの間の該クリアランスを通過させて該多孔性シートを介して圧着し、積層貼着するようにしたことを特徴とする一体型発熱シートと剥離性シートの積層貼着法。
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