JP4101875B2 - 新生血管形成の予防及びヒト悪性疾患の処置のためのキナゾリノン含有薬理組成物 - Google Patents
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Description
1967年発行の米国特許第3,320,124号において、キナゾリノン誘導体によりコクシジウム症を処置するための方法が記載及び請求されている。7−ブロモ−6−クロロ−3−〔3−(3−ヒドロキシ−2−ピペリジニル)−2−オキソプロピル〕−4(3H)−キナゾリノンとして知られるハロフギノンが前記特許においてAmerican Cyanamid Companyにより発表及び請求され、そして前記特許により教示された好適な化合物であり、且つその中で発表及び請求されている誘導体のうちで商品化されたものである。
その後の米国再発行特許第26,833号及び米国特許第4,824,847号、第4,855,299号、第4,861,758号及び第5,215,993号は全てハロフギノンのコクシジウム症特性に関連している。米国特許第4,340,596号はハロフギノンがタイレリア症を治癒するためにも利用できうることを教示する。
1991年に、本発明者の一人は、コクシジウム抑制剤として使用するのに推奨された量で投与したハロフギノンにより処置された鶏の皮膚引裂及び虚弱化皮膚強度において、抑制されたコラーゲン合成が重要な原因要因として認定且つ同定されたことを報告する論文を公表している。また、細胞レベルで、ハロフギノンが鳥類皮膚線維芽細胞によるコラーゲン合成を抑制することも見い出された〔I.Granotら、Poult. Sci, Vol.70, pp.1559-1563(1991)〕。
しかしながら、その時点では、米国特許第3,320,124号に教示のハロフギノン又はその関連キナゾリノン誘導体が線維芽障害の処置、並びに再狭窄、糸球体硬化症及び脈管形成依存性障害の処置のために効果的に利用できることの教示、認識又は予測はされていなかった。
一次又は二次線維症に関わる臨床症状及び障害、例えば硬化症、対宿主性移植片病(GVHD)、肺性及び肝性線維芽症、並びに多種多様な自己免疫障害は、正常な組織の構造及び機能の崩壊をもたらす接続組織の過剰生産とは区別される。これらの障害は細胞機能の乱れの観点で解釈されるのが最良であり得、その主たる徴候は過剰なコラーゲン沈着にある。
現在、線維症のほとんどの処置が有効でなく、そしてその容赦のない病理進行に対する効果はほとんどないことが一般に認識されている。細胞外空間でのコラーゲン沈着を抑制するための様々な試みがなされてきた。知られている通り、進行性線維増殖症は接続組織の過剰生産を示す。線維症におけるコラーゲンの恐ろしい役割はその蓄積を阻害する薬剤の開発の試みを促進した〔K.I.Kivirikko, Annals of Medicine, Vol.25, pp.113-126(1993)〕。
かかる薬剤はプロコラーゲンポリペプチド鎖の合成を調節することにより作用するか、又は特異的な後翻訳現象を阻害し、これは細胞外コラーゲンファイバーの形成を抑制するかもしくは改変された特性をもつファイバーの蓄積を供するであろう。コラーゲン合成のほんのわずかなインヒビターしか、このタンパク質の組織保全における重要性及び様々な障害におけるその関与にもかかわらず、得られていない。
細胞障害性薬剤はコラーゲン産生線維芽細胞増殖を遅める試みにおいて利用されており〔J.A.Casasら、Ann.Rhem.Dis., Vol.46, p.763(1987)〕、とりわけ細胞外マトリックスへのコラーゲン分泌を示すコルヒチン〔D.Kershenobich,らN.Engl.J.Med., Vol.318, p.1709(1988)〕及びキーコラーゲン代謝酵素のインヒビター〔K.Karvonen,らJ.Biol.Chem., Vol.265, p.8414(1990);C.J.Cunliffe,らJ.Med.Chem., Vol.35, p.2652(1992)〕が利用されている。
残念ながら、これらのどのインヒビターもコラーゲン−型特異性ではない。また、古典型的な補体経路、神経−筋肉接続終板、コングルチニン及び肺性界面活性アポタンパク質の如きその他の活性コラーゲン性分子の生合成を妨げる毒性結果についてのかなりの問題がある。
コラーゲン合成を阻害できるその他の薬剤、例えばニフェジビン及びフェニトインは同様にその他のタンパク質の合成を阻害し、それ故コラーゲン生合成経路を非特異性にブロッキングする〔T.Saloら、J.Oral Pathol.Med., Vol.19, p.404(1990)〕。
コラーゲン架橋性インヒビター、例えばβ−アミノ−プロピオニトリルも非特異的であるが、有用な抗線維症剤として働きうる。その長期にわたる使用はエジプト豆中毒症候群(lathritic syndrome)を引き起こし、そしてエラスト原性(elastogenesis)を妨害し、その理由は別の線維接続組織タンパク質であるエラスチンも架橋するからである。更に、コラーゲン架橋性阻害作用は二次的であり、そしてコラーゲン過剰生産はコラゲナーゼによるその分解に先行しなければならないからである。
最近我々が提出した米国特許第08/181,066号において、線維症、再狭窄及び糸球体硬化症に苦しむヒト患者の処置のための方法であって、I型コラーゲン合成を阻害するのに有効な薬理学的有効量の次式Iの薬理活性化合物を含んで成る組成物を患者に投与することを含んで成る方法が記載及び請求されている:
(式中、
R1は水素、ハロゲン、ニトロ、ベンゾ、低級アルキル、フェニル及び低級アルコキシより成る群の構成員であり、
R2はヒドロキシ、アセトキシ及び低級アルコキシより成る群の構成員であり、そして
R3は水素及び低級アルケノキシ−カルボニルより成る群の構成員である)。
更なる研究及び開発を経て、ハロフギノンは新生血管形成を減退及びヒト癌性疾患を処置するために利用できることがこの度発見された。従って、米国特許第3,320,124号(その教示内容は引用することで本明細書に組入れる)に記載及び請求されているその他のキナゾリノン誘導体は類似の特性を有するものと信じられる。
即ち、本発明に従うと、新生血管形成を減退及びヒト癌性疾患を処置するための組成物であって、薬理学的有効の次式Iの化合物
(式中、
nは1又は2である;
R1は水素、ハロゲン、ニトロ、ベンゾ、低級アルキル、フェニル及び低級アルコキシより成る群の構成員であり;
R2はヒドロキシ、アセトキシ及び低級アルコキシより成る群の構成員であり;
R3は水素及び低級アルケノキシ−カルボニルより成る群の構成員である)
をその活性成分として、薬理学的に許容される担体と組合さって含んで成るものをこの度提供する。
本発明はまた長期(protracted)脈管形成に苦しむヒト患者の処置のための方法であって、新生血管形成を減退するのに有効な薬理学的有効量の式Iの化合物:
(式中、
nは1又は2である;
R1は水素、ハロゲン、ニトロ、ベンゾ、低級アルキル、フェニル及び低級アルコキシより成る群の構成員であり;
R2はヒドロキシ、アセトキシ及び低級アルコキシより成る群の構成員であり;そして
R3は水素及び低級アルケノキシ−カルボニルより成る群の構成員である)
を投与することを含んで成る方法を提供する。
本発明は更に癌性腫瘍に苦しむヒト患者の処置のための方法であって:癌性ヒト腫瘍細胞の増殖を阻害するのに有効な薬理学的有効量の式Iの化合物
(式中、
nは1又は2である;
R1は水素、ハロゲン、ニトロ、ベンゾ、低級アルキル、フェニル及び低級アルコキシより成る群の構成員である;
R2はヒドロキシ、アセトキシ及び低級アルコキシより成る群の構成員である;
R3は水素及びアルケノキシ−カルボニルより成る群の構成員である)
を投与することを含んで成る方法を提供する。
更に本発明に従うと、本明細書に記載の新生血管形成減退活性を有する医薬品の製造における式Iの化合物の利用を提供する。
本発明は更に、本明細書に記載のヒト腫瘍細胞に対する抗増殖作用を有する医薬品の製造における式Iの化合物の利用を提供する。
本発明の好適な態様において、前記化合物はハロフギノンである。
米国特許出願第08/181,006号において、本発明の化合物は線維症、例えば強皮症及びGVHD、並びに再狭窄及び糸球体硬化症の処置において有効であることが明示及び実証されている。かかる明示は、当該化合物が作用を奏する前に不活性化されうる;当該化合物が標的領域に到達し得ない、又はその他の機能特性が当該化合物をin vivo利用に不適当なものにする、という根拠のない推論を排除する。しかしながら、これらの可能性は、同一の化合物が過剰コラーゲン沈着に関係する2通りの特異的な線維症、即ち、強皮症及びGVHD、並びに再狭窄及び糸球体の処置において有効であることを示す事実により否定される。従って、前記米国特許出願の教示は引用することで本明細書に組入れる。
本発明の新たな発見に言及すると、脈管形成は順序立った現象の順序で毛細血管が増殖する複雑な過程である〔J.Folkman and M.Klagsbrun,「Angiogenic Factors」Science, Vol.235, pp.442-447(1987);J.Folkman and Y.Shing,「Angiogenesis」J.Biol.Chem., Vol.267, pp.10931-10934(1992)〕。新たな毛細新芽が細静脈から生長し、内皮細胞が基底膜を破壊し、脈管形成原に向って移動し、増殖し、管腔を形成し、2本の新芽の頂部が接続して毛細ループを形成し、そして新たな基底膜を生成する〔J.Folkman,「Toward an Understanding of Angiogenesis: Search and Discovery」Perspectives in Biology and Medicine, Vol.29, pp.1-36(1985)〕。
ECMの破壊及び再造形は脈管形成にとって必須の過程である。更に、内皮細胞により合成されたECM成分(即ち、コラーゲン、ラミニン、トロンボスポンジン、フィブロネクチン及びSPARC)は内皮細胞の成長、移動及び形状を調節するように機能する〔J.Bischoff,「Approaches to Studying Cell Adhesion Molecules in Angiogenesis」Trends Cell Biol., No.5, pp69-74(1995)〕。新芽形成し、そして管形成している牛大動脈内皮細胞(BAE)はI型コラーゲン及びSPARCを合成することが報告されている。I型コラーゲンはBAE細胞の移動及び集合の誘導に関与しうると推定される〔M.L.Iruela-ArispeらLab.Invest., No.64, pp.174-186(1991)〕。外生I型コラーゲンが集密ヒト皮膚微小血管内皮細胞による急速管形成を促進することも見い出された〔C.J.Jackson and K.L.Jenkins, Exp.Cell Res., No.192, pp.319-323(1991)〕。これらの管は管腔空間内にコラーゲンフィブリルを含み、内皮細胞が管構造へと折りたたまれて整列するのにフィブリドを使用することが示唆される。
過剰な新生血管形成は胚発育に付随するものであるが、健康な成人においては現存の血管の新芽形成及び再生の著しい能力はほとんど抑制されている〔J.Folkman and Y.Shing,前掲(1992)〕。
病理状態は脈管形成を抑制するように正常に機能するコントロールメカニズムが破綻し、そして血管の無秩序な成長が解き放たれている状態にある。その結果の過剰な新生血管形成は数多くのいわゆる「脈管形成病」を示す〔J.Folkman「Angiogenesis in Cancer, Vascular, Rheumatoid and Other Diseases」Nature Medicine Vol.1, pp27-31(1995)〕。脈管形成病の一のグループは、視覚障害、そして最終的な盲目に至る網膜への血管の過剰内成長により区別される網膜障害を含んで成る。
しかしながら、望ましくない脈管形成が重大な役割を担うたいていの恐ろしい病気は固体腫瘍の進行及び拡布である。腫瘍が一旦生ずると、腫瘍細胞集団の各増殖段階には、腫瘍を覆い、且つ細胞に酸素及び栄養素を供給する新たな毛細管の増加が先行するにちがいないことがよくわかっている〔J.Folkman前掲(1985);J.Folkman,「What Is the Evidence that Tumors Are Angiogenesis Dependent?」J.Natl.Cancer Inst., Vol.82, pp.4-6(1989);N.Weidner,ら「Tumor Angiogenesis Correlates with Metastasis in Invasive Prostate Carcinoma」Amer.J.Pathol., Vol.143, pp.401-409(1993)〕。腫瘍は、付随する脈管形成プログラムが活性化しない限り、無害にあり続け、そしてその起源組織に幽閉される。
腫瘍進行における脈管形成依存性段階は全ての原因学的固体腫瘍に共通のため、腫瘍関連脈管形成を阻止する能力は癌を打倒するのに最も期待されるアプローチである〔M.S.O’Reilly,ら「A Novel Angiogenesis Inhibitor that Mediates the Suppression of Metastases by a Lewis Lung Carcinoma」Cell, Vol.79, pp.316-328(1994)〕。
実質的な実験的証拠は腫瘍脈管形成が固体腫瘍の増殖及び転移にとっての基礎である仮説を裏付ける〔J.Folkman,前掲(1989);N.Weidner,ら前掲(1993);M.S.O’Reillyら前掲(1994);N.Weidnerら「Tumor Angiogenesis and Metastasis-Correlation in Invasive Breast Carcinoma」N.Eng.J.Med., Vol.324, pp.1-8(1991)〕。事実、固体腫瘍の大半は、固体腫瘍における誘導が1又は複数の脈管形成因子により媒介されるような新生血管形成の発生後でさえも臨床学的に検定されることができない〔J.Folkman前掲(1987);J.Folkman and Y.Shing前掲(1992)〕。更に、血管増殖及び所定器官への侵入を阻害する能力は、医学的に最重要であるその他の病気の処置能をもっている。
長期脈管形成は様々な病理状態、例えば関節炎、乾癬、糖尿病性網膜症、慢性炎症、強皮症、血管腫、水晶体後線維増殖症及び血友病患者関節における異常毛細管増殖、長期月経及び出血、並びに女性生殖系のその他の障害において認められる〔J.Folkman,前掲(1995);J.W.Miller,ら「Vascular Endothelial Growth Factor/Vascular Permeability Factor Is Temporarily and Partially Correlated with Ocular Angiogenesis in a Primate Model」J.Pathol., Vol.145, pp.574-584(1994);A.P.Adamisら「Increased Vascular Endothelial Growth Factor Levels in the Vitreous of Eyes with Proliferative Diabetic Retinopathy」Amer.J.Ophthal., Vol.118, pp.445-450(1994);K.Takahashi,ら「Cellular Markers that Distinguish the Phases of Hemangioma during Infancy and Childhood」J.Clin.Invest., Vol.93, pp.2357-2364(1994);D.J.Peacockら「Angiogenesis Inhibition Suppresses Collagen Arthritis」J.Exp.Med., Vol.175, pp.1135-1138(1992);B.J.Nickoloff,ら「Aberrant Production of Interleukin-8 and Thrombospondin-1 by Psoriatic Keratinocytes Mediates Angiogenesis」Amer.J.Pathol., Vol.44, pp.820-828(1994);J.Folkman,「Angiogenesis in Female Reproductive Organs」Steroid Hormones and Uterine Bleeding, N.J.Alexander and C.d’Arcangues, Eds., American Association for the Advancement of Science Press, Washington, D.C., U.S.A., pp.144-158(1992)〕。
上記の異常の多くにおいて、未拘束の新生毛細管の増殖自体が病気の進行に貢献する。例えば、関節炎において、新生毛細管は関節の軟骨に侵入して破壊を及ぼしうる。糖尿病において、眼の中の新生毛細管は出血して盲目の原因となる。所定の発達型障害、例えば腸閉塞、血管奇形及び片側顔面萎縮も脈管形成異常に原因しうる〔J.Folkman前掲(1995)〕。
脈管形成のいくつかのインヒビターが研究されている;とりわけ、それらは血小板第4因子、フマギリン誘導体AGH1470、インターフェロンα2a、トロンボスポンジン、アンジオスタチック(angiostatic)ステロイド及びアンジオスタチンである〔J.Folkman,前掲(1995);M.S.O’Reilly,ら前掲(1994);V.Castle,ら「Antisence-Mediated Reduction in Thrombospondin Reverses the Malignant Pheotype of a Human Squamous Carcinoma」J.Clin.Invest., Vol.87, pp.1883-1888;D.Ingber,ら「Synthetic Analogues of Fumagillin that Inhibit Angiogenesis and Suppress Tumor Growth」Nature, Vol.348, pp.555-557〕。
本発明をこれより一定の好適な態様に関連づけて下記の図面及び実施例において説明して、その観点がより完全に理解且つ認定されるようにするが、それらは本発明をその特定の態様に限定するものではない。これに反し、全ての変更、改良及び均等物は請求の範囲により規定される本発明の範囲に含まれうるつもりである。即ち、好適な態様を含む下記の図面及び実施例は単なる例示であり、本発明を限定するものではない。
実施した実験の結果を添付図面を参考に以下に示す。ここで:
図1A及び1Bは特徴的な用量応答曲線であり、1ng/mlの塩基性線維芽細胞増殖因子の非存在下(図1A)又は存在下での、培養物に維持しておいた牛大動脈内皮細胞への3H−チミジン組込みに対するハロフギノンの作用を示す。
図2Aは毛細管様ネットワークへの牛大動脈内皮細胞の統合の特徴的な例示である。細胞単層をコラーゲンゲルで覆い、そして1ng/mlのbFGFと1μg/mlのヘパリンに曝露した。培養2日後に位相差顕微鏡写真を撮った。細胞は枝分れし、且つ吻合した毛細管様チューブのネットワークへと再統合した。
図2Bは0.1μg/mlのハロフギノンとのインキュベーションを経た図2Aの内皮細胞培養物を示す。細胞は重なりのない単層配列を維持し、そして典型的な枝分れ及び吻合した毛細管様チューブを形成することはなかった。
図3Aはループ及びネットワークを供する、I型コラーゲンゲルの中に包埋されたラットの大動脈環から枝分れした新たに形成された(10日)微小血管の特徴的な例示である。
図3Bは1日おきに交換する0.1μg/mlのハロフギノンとのインキュベーションを経た図3Aのラット大動脈環を示す。孤立細胞は大動脈環から末梢へと伸びるが、微小血管へと整列することはなかった。
図4は、図3のI型コラーゲン包埋化ラット大動脈環アッセイを利用する、微小血管形成に対するハロフギノンの阻害作用の時間及び用量応答性を示す特徴的な曲線である。
図5は2日目(1)又は6日目(2)でのハロフギノン(250ng/ml)の除去が、未処置大動脈環(未処置)で観察されたものと類似の微小血管形成(14日目に評価)をもたらすことを示す特徴的な棒グラフである。微小血管形成の完全な阻害はハロフギノンが14日間のインキュベーション期間全体にわたって存在しているときに得られた(3)。
図6は内皮下ECMへのスルフェート組込みに対するハロフギノンの作用を実証する特徴的な曲線である。牛角膜内皮細胞を集密細胞密度で播種し、そしてNa2[35S]O4の存在下で1μg/mlのハロフギノン(□)に曝露した。コントロール細胞(■)はハロフギノンの非存在下で維持した。様々な時点において、細胞層を溶解して下層ECMを露出し、トリプシンで消化し、そして溶解材料をβ−シンチレーションカウンターで計測した。
図7Aは、活発に増殖する半集密ヒト平滑筋肉腫細胞への3H−チミジンの組込みに対するハロフギノンの作用を示す特徴的な曲線である。
図7Bは10ng/mlのハロフギノンの非存在下で又は存在下で10%のFCS(■)又は10ng/mlのHB-EGF(■)に応答して増殖するように刺激した増殖抑制平滑筋肉腫細胞を対比する。
実施例
実験手順
細 胞
血管内皮細胞の培養物を牛大動脈から既に発表の通りにして樹立した〔D.Gospodarowicz,ら「Clonal Growth of Bovine Endothelial Cells: Fibroblast Growth Factor as a Survival Agent」Proc.Natl.Acad.Sci. U.S.A., Vol.73, p.4120(1979)〕。ストック培養物を10%の仔牛血清、50U/mlのペニシリン及び50μg/mlのストレプトマイシンの添加したDMEM(1gのグルコース/リットル)の中で、37℃で10%のCO2多湿インキュベーター内で維持した。部分精製した脳由来のbFGF(100ng/ml)を活性細胞増殖段階の際に1日おきに加えた〔D.Gospodarowicz,ら前掲(1979);I.Vlodavsky,ら「Vascular Endothelial Cells Maintained in the Absence of Fibroblast Growth Factor Undergo Structural and Functional Alterations that Are Incompatible with Their in Vivo Differentiated Properties」J.Cell Biol., Vol.83, pp.468-486(1979)〕。
細胞増殖: 3 H−チミジン組込み
牛大動脈内皮細胞を10%の仔牛血清の添加したDMEMの中でプレート培養した(4×104細胞/16mmのウェル)。播種の4日後、細胞を様々な濃度のハロフギノン(100〜500ng/ml)に、1ng/mlのbFGFの非存在又は存在下で曝露した。3H−チミジン(1μCi/ウェル)を48時間添加しておき、そしてDNA合成をトリクロロ酢酸不溶性材料に組込まれた放射能を測定することによりアッセイした〔M.Benezra,ら「Reversal of bFGF Autocrine Cell Transformation by Aromatic Anionic Compounds」Cancer Res., Vol.52, pp.5656-5662(1992);I.Vlodavsky,ら「Endothelial Cell-Derived Basic Fibroblast Factor:Synthesis and Deposition into Subendothelial Extracellular Matrix」Proc.Natl.Acad.Sci. U.S.A., Vol.84, pp.2292-2296(1987)〕。
培養内皮細胞によるECM沈着
牛角膜内皮細胞の培養物を雄の仔牛から樹立し、そして既に発表の通りにして維持した〔D.Gospodarowicz,ら「Stimulation of Corneal Endothelial Cell Proliferation in Vitro by Fibroblast and Epidermal Growth Factors」Exp.Eye Res., No.25, pp.75-89(1977)〕。細胞を37℃で10%のCO2多湿インキュベーター内で培養し、そして実験は早期(3〜8)細胞継代で実施した。
スルフェートラベル化ECMの調製のため、角膜内皮細胞を4枚のウェルプレートに、4〜6時間以内で密接し且つ増殖阻止型の細胞より成る接触阻止細胞単層を形成する集密度において播種した。これらの条件下で、細胞は目に見え続け、そしてその正常な単層形態及び形態学的外観は2μg/mlのハロフギノン濃度まで維持された。播種の1及び5日後にNa2[35S]O4(540〜590mCi/mmol)を加え(40μCi/ml)、そしてその培養物を培地交換抜きでインキュベーションした。播種後、様々なインターバルで、その細胞層を0.5%のトリトンX-100及び20mMのNH4OHを含むPBSに溶解し(5分、室温)、次いでPBSで4回洗浄することにより内皮下ECMを露出させた〔I Vlodavsky,ら「Lymphoma Cell Mediated Degradation of Sulfated Proteoglycans in the Subendothelial Extracellular Matrix: Relationship to Tumor Cell Metastasis」Cancer Res., Vol.43, pp.2704-2711(1983); I.Vlodavskyら「Endothelial Cell-Derived Basic fibroblast Growth Factor: Synthesis and Deposition into Subendothelial Extracellular Matrix」Proc.Natl.Acad.Sci. USA, Vol.84, pp.2292-2296(1987)〕。スルフェートラベル化材料の総量を決定するため、ECMをトリプシンで消化し(25μg/ml、24h、37℃)、そして溶解した材料をβ−カウンターで計測した。
コラーゲンIの三次元ゲルにおけるin vitro脈管形成
I型コラーゲンを成Sprague-Dawleyラットの尾腱から調製した。簡単には、コラーゲンファイバーを4℃において48時間無菌の1/1,000(v/v)の酢酸溶液(1gのコラーゲン当たり300ml)の中でゆっくり撹拌することにより溶解した。得られる溶液を無菌三重ガーゼで濾過し、そして16,000gで1h4℃で遠心分離した。次いでこの上清液を1/10のDMEMに対して徹底的に透析し、そして4℃で保存した。コラーゲンマトリックスゲルはコラーゲン溶液のpH及びイオン強度の同時の上昇により得られた。この目的のため、7容量のコラーゲン溶液を1容量の10×の最少必須培地及び2容量の炭酸水素ナトリウム(0.15M)とす早く混合した。
胸郭大動脈を断頭により殺した生後1〜2ケ月のSDラットから得た〔R.F.Nicosia and A.Ottinetti「Growth of Microvessels in Serum-Free Matrix Culture of Rat Aorta」Lab.Invest., Vol.63, pp.115-122(1990)〕。大動脈を直ちにPBSの入ったペトリ皿に移した。大動脈周囲のフィブロ−アジポース組織を解剖顕微鏡の下で慎重に取り除き、そして長さ1mmの大動脈環を切片化し、そしてPBSでよくすすいだ。
コラーゲン溶液(0.2ml)を各16mmウェルに加え、そして37℃で15分かけてゲル化させた。各大動脈環をゲルの中心に移動配置し、そして更なる0.4mlのコラーゲン溶液を環の頂部の上に静かに注いだ。ゲルの形成後、0.1μg/mlのハロフギノンの入った又は入っていない0.4mlの無血清内皮増殖培地を加え、そしてこの培地を1日おきに交換した。
内皮細胞の毛細管様ネットワークに至るin vitro統合
牛大動脈内皮細胞を24穴プレートの16mmウェルに播種して24h増殖させ、半集密単層を得た。次いで培養培地を除去し、そして上記の0.4mlの低温コラーゲン混合物を細胞単層の頂部に注ぎ、そして37℃で10分重合させた。様々な濃度のハロフギノンの入った又は入っていない新鮮番地(0.6ml)をコラーゲンがゲル化後加えた。内皮細胞単層の再統合をモニターし、そしてZeissの倒立位相差顕微鏡で写真撮景した〔R.Montesano,ら「In Vitro Rapid Organization of Endothelial Cells into Capillary-like Networks Is Promoted by Collagen Matrices」J.Cell Biol., Vol.97, pp.1648-1652(1983)〕。
ヒト平滑筋肉腫細胞の増殖に対するハロフギノンの作用
ヒト平滑筋肉腫サンプルを前述の通りにして、子宮摘出術を受けた女性から得た〔R.S.Mangrulkerら、前掲〕。ミンチした組織を20mlの低温ホモジナイゼーションバッファー:1MのNaCl、10mMのトリス(pH7.4)、1mMのEDTA、1mMのベンズアミジン、0.1%のCHAPS、0.01%のアプロチニン(Sigma)、10μg/mMのロイペプチン、1mMのAEBSF〔R.S.Mangrulkerら、前掲〕に入れた。サンプルを2分ホモジナイズし、そして12,000gで60分4℃で遠心分離した。その上清液を10mMのトリス(pH7.4)で1:5に希釈して100mlの最終容量にし、そして0.45μmのナイロンフィルターで濾過した。細胞を10%の仔牛血清の入ったDMEMに維持した。細胞は何回も継代を経て可視であり続けたが、2又は3回の継代目に使用した。増殖アッセイのため、細胞を96穴プレートの中に10,000細胞/ウェルにおいて200μlの培地(4.5g/lのグルコース、10%の仔牛血清、1%のグルタミン、1%のペニシリン/ストレプトマイシンの入ったDMEM)の中でプレート培地し、そして集密となるまで2日間インキュベーションした。培地を0.5%の仔牛血清、1μMのインスリン及び5μMのトランスフェリンの入ったDMEMに交換した。24h後、サンプル(5〜10μl)を加え、そして更に24h後、〔3H〕チミジン(1μCi/ウェル)を各ウェルに加えた。36〜48hのインキュベーション後、細胞をメタノールで固定し、そしてDNAを5%のHトリクロロ酢酸で沈殿させた。細胞を150μ/ウェルの0.3NのNaOHで溶解し、シンチレーションバイヤルに移し、そしてβ−カウンターで計測した。
実験結果
血管内皮細胞に対するハロフギノンの抗増殖作用
半集密牛大動脈内皮細胞を、1ng/mlのbFGFの非存在下及び存在下で、様々な濃度のハロフギノンの入った又は入っていない10%の仔牛血清を含む培地の中で維持した。3H−チミジンを播種の4日後に加え(1μCi/ウェル)、そしてDNA合成を48時間後に測定した。図1に示す通り、3Hチミジン組込みの50%の阻害が、bFGF(1ng/ml)を培養培地に加えようと加えまいと関係なく、100ng/mlのハロフギノンにおいて得られた(図1)。
培養内皮細胞によるECMの沈着に対するハロフギノンの作用
内皮下EMCは血管内皮細胞の移動及び増殖を促進することが示された〔D.Gospodarowicz,ら「The Extracellular Matrix and the Control of Proliferation of Vascular Endothelial and Vascular Smooth Muscle Cells」J.Supramol.Struc., No.13, pp.339-372(1980)〕。この活性はECMの巨大分子成分と、ECMの硫酸ヘパリンプロテオグリガンのGAG側鎖に結合したbFGFの如きヘパリン結合性成長因子との双方に基づく〔I.Vlodavsky,ら「Endothelial Cell-Derived Basic Fibroblast Factor:Synthesis and Deposition into Subendothelial Extracellular Mattix」Proc.Natl.Acad.Sci. USA, Vol.84, pp.2292-2296(1987)〕。ECM沈着に対するハロフギノンの作用を調べるため、ラベル化スルフェート(Na2[35S]O4)及びハロフギノンを播種の24時間後に集密内皮細胞単層に加えた。様々な時点で(5,10及び14日目)、細胞層を溶解させて下層ECMを露出させた。次いでECMをトリプシン処理し、そしてβ−シンチレーション計測にかけた。スルフェート組込みのほぼ完全な阻害が1μg/mlのハロフギノンにおいて観察され、一方50%の阻害が0.2μg/mlの薬剤の存在下で得られた。
毛細管様ネットワークに至る内皮細胞の統合
牛大動脈内皮細胞を24穴プレートの16mmのウェルに播種し、そしてゲルの表層上で24h増殖させ、半集密単層を得た。次いで培養培地を除き、そして0.4mlの低温コラーゲンを細胞単層の頂部に注ぎ、そして重合化させた。ハロフギノンの入った(図2B)又は入っていない(図2A)bFGF(1ng/ml)及びヘパリン(1μg/ml)を含む新鮮培地を、コラーゲンがゲル化した後に加えた〔R.F.Nicosa and A.Ottinetti「Growth of Microvessels in Serum Free Matrix Culture of Rat Aorta」Lab.Invest., Vol.63, pp.115-122(1990)〕。図2Bに示す通り、ハロフギノンは内皮細胞のコラーゲンゲルへの侵入、並びにその後の枝分れ及び吻合毛細管様チューブのネットワークへの統合を完全に阻止した。
微小血管の形成
胸郭大動脈を断頭により殺した生後1〜2ケ月のSDラットから得た〔R.F.Nicosiaら前掲(1990)〕。大動脈をペトリ皿に移し、そして長さ1mmの大動脈環を切片化し、そしてPBSでよくすすいだ。I型コラーゲン溶液を各16mmウェルに加え、そして37℃で15分かけてゲル化させた。更に0.4mlのコラーゲンを環の頂部に注いだ。ゲルの形成後、0.1μg/mlのハロフギノンの入った又は入っていない無血清内皮増殖培地を加え、そしてその培地を1日おきに交換した。図3Aは10日目の培養物を示し、新たに形成された枝分れ微小血管が大動脈の切除端から発達し、ループ及びネットワークを供していた。図3Bは1日置きに交換する0.1μg/mlのハロフギノンで処理した同一の培養物を示す。これらの条件下で、孤立細胞は大動脈環から末梢へと伸びたが、微小血管へと整列するには至らなかった。図4はこの作用の用量応答定量化を示す。
微小血管形成のほぼ完全な阻止が100ng/mlのハロフギノンで得られた(図4)。完全な阻害は250ng/mlのハロブギノンの存在下で観察されたが、2日又は6日目での薬剤の除去は、未処置の大動脈環で見られたものと似た微小血管形成を供した(図5)。
ヒト平滑筋肉腫細胞に対するハロフギノンの抗増殖作用
ヒト平滑筋肉腫細胞の増殖に対するハロフギノンの作用を調べた。平滑筋肉腫は多量の細胞外マトリックスを有し、そして更によく血管形成されている〔A.Ferenczy,ら「A Comparative Ultrastructural Study of Leiomyosarcoma, Cellular Leiomyoma, and Leiomoma of the Uterus」Cancer, No.28, pp.1004-1018(1971)〕。その増殖は、正常及び悪性子宮筋層細胞により産生され〔A.Zhang,ら「Heparin-Binding Epidermal Growth Factor-Like Growth Factor is Differentially Regulated by Progesterone and Estradiol in Rat Uterine Epithelial and Stromal Cells」Endocrinology, No.134, pp.1089-1094(1994);R.S.Mangrulker,ら「Isolation and Characterization of Heparin-Binding Growth Factors in Human Leiomyomas and Normal Myometrium」Biology of Reproduction, No.53, pp.636-646(1995)〕、且つ周囲ECMの中に局所的に包埋された〔I.Vlodavsky,ら「Extracellular Matrix-Bound Growth Factors, Enzymes and Plasma Proteins」Basement Membranes:Cellular and Molecular Aspects, D.H.Rohrbach and R.Timpl, Eds., Academic Press, Inc., Orlando, Florida, U.S.A., pp.327-343(1993)〕成長因子(即ち、bFGF,HB-EGF)に依存するものと考えられる。
半集密ヒト平滑筋肉腫細胞を10%の胎児仔牛血清(FCS)を含む培地の中に播種した。播種して24h後、様々な濃度のハロフギノン(10〜100ng/ml)を加え、そして24h後、細胞を3H−チミジン(1μCi/ウェル)に曝露した。DNA合成を48時間後に測定した。図7Aに示す通り、3H−チミジン組込みの60〜70%の阻害が2.5ng/mlのハロフギノンで得られた。
休止中のヒト平滑筋腫瘍細胞をFCS又はヘパリン結合性内皮成長因子(HB-EGF)に応答して増殖するように誘導させた。平滑筋肉腫細胞を0.5%のFCSを含む培地の中での48hのインキュベーションにより増殖休止させた。次いで細胞を10%のFCS又は10ng/mlのHB-EGFのいづれかに対して10ng/mlのハロフギノンの非存在下及び存在下で曝露した。次いで3H−チミジンを加え、そしてDNA合成を36h後に測定した。血清又はHB-EGFの双方により誘導される細胞増殖の完全阻害がハロフギノンの存在下で認められた(図7B)。
結 論
本発明は、その最も好適な態様において、新生血管形成に関与する複数の成分を阻害する高能で安価で無毒な化合物を利用する。例えば、ハロフギノンは血管内皮細胞及び平滑筋細胞の双方の増殖〔E.F.Choi,ら「Halofuginone, A Specific Collagen Type I Inhibitor, Reduces Anastomotic Intimal Hyperplasia」Arch.Surg., Vol.130, pp.257-261(1995)〕並びにコラーゲンの合成〔I.Granot,ら「Halofuginone:An Inhibitor of Collagen Type I Synthesis」Biochem.Biophys.Acta, Vol.1156, pp.107-112(1993)〕及び内皮下ECMの集成であって、微小血管形成にとって全て必須であるもの〔J.Folkman and M.Klagsbrun,前掲(1987);J.Folkman and Y.Shing, ibid.(1992);J.Folkman,前掲(1985)〕を阻害する。脈管形成を阻止する現状のアプローチの一部は広い作用スペクトルを及ぼす傾向のある抗インテグリン抗体又はシグナル変換インヒビターの如き因子を利用し〔J.Folkman,前掲(1995);P.C.Brooks,ら「Integrin αv β3 Antagonists Promote Tumor Regression by Inducing Apoptosis of Angiogenic Blood Vessels」Cell, Vol.79, pp.1157-1164(1994)〕、それ故潜在的な副作用を有し得る。他方、ハロフギノンは比較的狭い、且つ特異的な態様の作用を有する。更に、今日抗脈管形成剤として評されている多くの化合物はタンパク質、例えば抗体、トロンボスポンジン、アンジオスタチン、血小板第IV因子であり〔J.Folkman,前掲(1995);M.S.O’Reilly,ら前掲(1994);V.Castle,ら前掲;P.C.Brooks,ら前掲(1994)〕それらは体内で容易に分解し、それ故高用量及び高頻度で投与すべきものである。
本発明のアプローチは高能、安価、そして無毒な化合物を利用する。更に、ハロフギノンは低分子量化合物であり、他のものと同様に経口投与できる。この化合物は家畜を処置するうえで利用することについてF.D.A.により承認されている。このような特徴はハロフギノンが、新生血管形成及び腫瘍脈管形成を阻止するために最も有望で臨床学的に有用な薬剤にする。
血管形成を効率的に阻害する無毒な化合物としてのハロフギノンの利用は、前述の通り、腫瘍の増殖及び拡布を阻止する、並びに長期脈管形成を有する様々な臨床障害を処置するために有効な戦略を提供するものと予測される。
上述において、ハロフギノンは極めて低濃度(2.5ng/ml)においてヒト平滑筋肉腫細胞のDNA合成を、その細胞が血清により、又はHB-EGFの如き潜在的な増殖促進因子により刺激されようと関係なく、ほぼ完全に阻害することも実証された。ハロフギノンのこの濃度は正常血管内皮細胞の増殖を阻害するのに必要な濃度の40分の1であり、平滑筋肉腫細胞に対するハロフギノンの直接、且つ非常に高能な抗増殖作用を示唆する。
Claims (5)
- 新生血管形成を減退させる及びヒト癌性疾患を処置するための組成物であって、薬理学的有効量のハロフギノンを含んで成る、前記組成物。
- 新生血管減退活性を有する医薬品の製造における、ハロフギノンの利用。
- ヒト癌性腫瘍細胞に対して抗増殖作用を有する医薬品の製造における、ハロフギノンの利用。
- 長期脈管形成に苦しむヒトを除く動物の処置のための方法であって、新生血管形成を減退するのに有効な薬理学的有効量のハロフギノンを投与することを含んで成る方法。
- 癌性疾患に苦しむヒトを除く動物の処置のための方法であって、癌性ヒト腫瘍細胞の増殖を阻害するのに有効な薬理学的有効量のハロフギノンを投与することを含んで成る方法。
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