JP4101544B2 - インバータ回路および光発電装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、入力される直流電圧を交流電流に変換するインバータ回路、および、光発電セルにおいて発電した直流電圧を交流電流に変換して系統ラインに出力する系統連係型の光発電装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、環境を悪化させないクリーンなエネルギーとして、自然エネルギーに対する関心が高まりつつある。とりわけ、都市部において簡単に利用できる太陽光発電システムについては、様々な研究がなされている。
【0003】
一般的な太陽光発電システムでは、直列に接続された光発電セルの直流電圧が、昇圧型のDC/DCコンバータによって比較的高い直流電圧(例えば200VDC程度)に変換され、さらにインバータ回路によって系統ラインと同レベルの交流電圧(例えば100VAC)に変換されて、負荷となる電子機器に供給される。
【0004】
しかしながら、光発電セルにおける発電電力は受光量に応じて大きく変動するため、例えば近隣のビルや電柱、樹木などの影によって光発電セルの受光面が覆われると、発電電力が著しく低下してしまう問題がある。
【0005】
このような発電電力の変動を補うために、安定した電力の供給が可能な系統ラインと連係して負荷に電力を供給する系統連係型の太陽光発電システムが知られている。
一般的な系統連係型の太陽光発電システムには、光発電セルと、その直流電圧を交流電流に変換して系統ラインに出力するインバータ回路が含まれている。光発電セルにおいて発電された電力は、インバータ回路を介して系統ラインに接続された負荷に供給されるとともに、その発電電力が光発電セルの受光量に応じて変動しても、負荷には系統ラインから安定した電力が供給される。
【0006】
ここで、上述した太陽光発電システムで用いられるインバータ回路について説明する。
図10は、一般的な電圧型インバータ回路の構成を示す回路図である。
図10に示すインバータ回路において、n型MOSトランジスタQのソースとn型MOSトランジスタQのドレインとが接続された直列回路と、n型MOSトランジスタQのソースとn型MOSトランジスタQのドレインとが接続された直列回路とが並列に接続されている。さらに、その並列回路に対して、キャパシタCinが並列に接続されている。また、n型MOSトランジスタQとn型MOSトランジスタQとの接続ノードには、インダクタLの一方の端が接続され、その他方の端がキャパシタCoutを介してインダクタLの一方の端に接続されている。インダクタLの他方の端は、n型MOSトランジスタQとn型MOSトランジスタQとの接続ノードに接続されている。
【0007】
上述した図10のインバータ回路において、直流の入力電圧vinはキャパシタCinに印可され、交流の出力電圧voutはキャパシタCoutの両端から出力される。
交流の出力電圧voutを生成するための各トランジスタ(Q〜Q)の制御方法には、幾つかの方法がある。例えば、交流の半周期ごとにn型MOSトランジスタQnまたはn型MOSトランジスタQの一方をオン状態、他方をオフ状態に設定するとともに、一定のスイッチング周期でn型MOSトランジスタQまたはn型MOSトランジスタQの一方をオン状態、他方をオフ状態に設定する方法がある。スイッチング周期に対して、n型MOSトランジスタQ(またはn型MOSトランジスタQ)がオン状態になる期間の割合(デューティー比)を可変させることにより、交流の出力電圧voutが得られる。
【0008】
図10のインバータ回路が系統連係型の太陽光発電システムに適用される場合、インバータ回路の入力(キャパシタCinの両端)には光発電セルにおいて発生する直流電圧が印可され、インバータ回路の出力(キャパシタCoutの両端)は系統ラインに接続される。
そして、各トランジスタのオン/オフ状態は、出力電流ioutが系統ラインの電圧に対して同相となるようにフィードバック制御される。これにより、インバータ回路の出力から見た系統ラインのインピーダンスが抵抗負荷と等価になり、光発電セルで発生した電力がインバータ回路を介して系統ラインへ注入される。
【0009】
図11は、図10のインバータ回路における出力電流ioutおよび入力電流iinの波形を示す図である。
図11Aに示すように、出力電流ioutとして低周波の電流、例えば50Hz程度の交流電流が流れると、図11Bに示すように、入力電流iinにも、出力電流に対して2倍の周波数を有する低周波の成分が生じる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
一方、光発電セルの電圧に対する電流や電力の関係には、受光量が一定の場合において図12に示すような関係がある。
図12は、一般的な光発電セルにおける電圧と電流の関係、および電圧の電力との関係を示す図である。図12において曲線CVaは電圧と電流の関係を示し、曲線CVbは電圧と電力との関係を示す。また、横軸は光発電セルの電圧を示し、縦軸はその電流または電力を示す。
【0011】
図12に示すように、光発電セルが発生する電力は、電圧Vmaxおよび電流Imaxにおいて最大となるので、光発電セルの次段につながるインバータ回路においては、光発電セルの出力電流がこの電流Imaxと一致するように、入力電流iinおよび出力電流ioutを設定することが望ましい。
【0012】
しかしながら、図11Bにおいて示したように、図10のインバータ回路では入力電流iinに低周波の成分が含まれるため、光発電セルからの電力を最大にする最適な電流Imaxに対して周期的に誤差が発生し、発電の効率を低下させてしまう問題がある。
【0013】
そこで、このような入力電流iinの低周波成分を減衰させるために、通常は、キャパシタCinの静電容量を大きくする方法が用いられる。この場合、100Hz程度の低い周波数成分を減衰させるためにはかなり大きな静電容量が必要となるので、例えば大容量の電解コンデンサなどが用いられる。しかしながら、電解コンデンサはサイズが大きく高価なうえ、時間とともに特性が劣化してしまう寿命の問題がある。
【0014】
また、光発電セルとインバータ回路との間にDC/DCコンバータを挿入する方式も一般的であるが、このDC/DCコンバータにおいても、入力電流の低周波成分を減衰させるためにある程度大きな静電容量のキャパシタが必要になる。さらに、DC/DCコンバータで発生する電力損失のために発電効率が低下してしまう問題や、部品点数が増えてコストが上昇してしまう問題もある。
【0015】
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、大容量のキャパシタを使用することなく入力電流の変動を効果的に低減でき、構成が簡易なインバータ回路と、そのようなインバータ回路を有した光発電装置を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明の第1の観点に係るインバータ回路は、入力される直流電圧を交流電流に変換するインバータ回路であって、第1の巻線と、タップを備えた第2の巻線とを含んだ変圧器と、上記第1の巻線に直列に接続された第1のスイッチと、上記第1の巻線と上記第1のスイッチとの直列回路に上記直流電圧を入力する入力端子と、上記第1の巻線に並列に接続された、キャパシタと第2のスイッチとの直列回路と、上記第2の巻線に並列に接続された、第3のスイッチと第4のスイッチとの直列回路と、上記第3のスイッチおよび上記第4のスイッチの接続ノードと、上記第2の巻線のタップとの間に流れる電流を、上記交流電流として出力する出力端子と、第1のモードにおいて、上記第1のスイッチを導通させるとともに、上記第2のスイッチを開放させ、上記第1のモードに続く第2のモードにおいて、上記第1のスイッチを開放させるとともに、上記第2のスイッチを導通させ、上記第2のモードに続く第3のモードにおいて、上記第1のスイッチおよび上記第2のスイッチをともに開放させ、上記第3のスイッチおよび上記第4のスイッチは、上記交流電流の極性に応じて選択した何れか一方のスイッチを全モードにおいて開放させるとともに、他方のスイッチを上記第1のモードおよび上記第2のモードにおいて開放、上記第3のモードにおいて導通させ、上記第1のモードから上記第3のモードまでの制御を周期的に反復する制御回路とを有する。
【0017】
本発明の第1の観点に係るインバータ回路によれば、上記第1のモードにおいて、上記直流電圧が上記第1のスイッチを介して上記第1の巻線に印可されて、上記第1の巻線に励磁エネルギーが蓄積される。上記第2のモードにおいて、上記第1の巻線に蓄積された励磁エネルギーが上記第2のスイッチを介して上記キャパシタに放出され、さらに、上記キャパシタの放電電流が上記第2のスイッチを介して上記第1の巻線に流れることにより、上記第1の巻線に励磁エネルギーが蓄積される。上記第3のモードにおいて、上記変圧器に蓄積された励磁エネルギーが上記第2の巻線から電流として放出され、上記第3のスイッチまたは上記第4のスイッチを介して、上記出力端子から出力される。
【0018】
好適には、上記第3のスイッチおよび上記第4のスイッチは、上記第3のモードにおいて上記第2の巻線から流れる導通電流が絶えた場合に、導通状態から開放状態へ変化し、上記制御回路は、上記第3のスイッチおよび上記第4のスイッチが何れも開放した状態で、上記第3のモードから上記第1のモードに移行する。
【0019】
また、上記第1の巻線の電流を検出する電流検出回路を更に設けて、上記制御回路は、上記第1のモードにおいて、上記電流検出回路の検出値が、上記入力端子に流れる入力電流の指令値に達した時点で、上記第1のモードから上記第2のモードに移行し、上記第2のモードにおいて、上記電流検出回路の検出値が、上記交流電流の指令値に達した時点で、上記第2のモードから上記第3のモードに移行する制御を行っても良い。
【0020】
本発明の第2の観点に係る光発電装置は、少なくとも1つの光発電セルと、上記光発電セルにおいて発生した電圧を交流電流に変換し、系統ラインに出力するインバータ回路とを有する光発電装置であって、上記インバータ回路は、第1の巻線と、タップを備えた第2の巻線とを含んだ変圧器と、上記第1の巻線に直列に接続された第1のスイッチと、上記第1の巻線と上記第1のスイッチとの直列回路に上記直流電圧を入力する入力端子と、上記第1の巻線に並列に接続された、キャパシタと第2のスイッチとの直列回路と、上記第2の巻線に並列に接続された、第3のスイッチと第4のスイッチとの直列回路と、上記第3のスイッチおよび上記第4のスイッチの接続ノードと、上記第2の巻線のタップとの間に流れる電流を、上記交流電流として出力する出力端子と、第1のモードにおいて、上記第1のスイッチを導通させるとともに、上記第2のスイッチを開放させ、上記第1のモードに続く第2のモードにおいて、上記第1のスイッチを開放させるとともに、上記第2のスイッチを導通させ、上記第2のモードに続く第3のモードにおいて、上記第1のスイッチおよび上記第2のスイッチをともに開放させ、上記第3のスイッチおよび上記第4のスイッチは、上記交流電流の極性に応じて選択した何れか一方のスイッチを全モードにおいて開放させるとともに、他方のスイッチを上記第1のモードおよび上記第2のモードにおいて開放、上記第3のモードにおいて導通させ、上記第1のモードから上記第3のモードまでの制御を周期的に反復する制御回路とを含む。
【0021】
【発明の実施の形態】
本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る光発電モジュールの外観の一例を示す図である。
パネルPNは、図示しない光発電セルや、その配線の接続装置CN、インバータ回路INVなどを固定するための基部であり、図1の例において、平らな箱状の形態を有している。
【0022】
その箱状のパネルPNの内部には、光発電セルからの配線を直列に接続するための接続装置CNと、この接続装置CNで直列接続された光発電セルの直流電圧を交流電流に変換して系統ラインULに出力するインバータ回路INVが固定されている。
またパネルPNの、接続装置CNおよびインバータ回路INVが固定された面に対して反対側の面には、図示しない1つまたは複数の光発電セルが受光面を外側に向けて配置されている。
【0023】
図2は、図1に示す光発電モジュールが複数並列に接続された光発電システムの構成例を示す概略的なブロック図である。
図2の例において、n個の光発電モジュール(MD〜MD)の電流出力端子が、系統ラインULに対してそれぞれ並列に接続されている。
また、光発電モジュール(MD〜MD)には、それぞれ1つまたは複数の光発電セルPVと、その直流電圧を交流電流に変換するインバータ回路INVが含まれている。なお、図2において接続装置CNは図示が省略されている。
【0024】
図2に示す光発電システムによれば、太陽電池モジュール(MD〜MD)のそれぞれにおいて、光発電セルPVの直流電圧がインバータ回路INVにより交流電流に変換されて、系統ラインULに出力される。これにより、系統ラインULに接続された負荷に対して光発電モジュール(MD〜MD)の発電電力が供給されるとともに、その発電電力が光発電セルPVの受光量に応じて変動しても、負荷には系統ラインから安定した電力が供給される。
【0025】
図3は、本発明の実施形態に係るインバータ回路の主回路の構成例を示す概略的な回路図である。
図3において、符号SW〜符号SWはスイッチを示す。符号Q〜符号Qは、それぞれスイッチSW〜スイッチSWに含まれるn型MOSトランジスタを示す。符号D〜符号Dは、それぞれスイッチSW〜スイッチSWに含まれるダイオードを示す。
符号TRは変圧器を示し、符号Wはその1次巻線を、符号W21および符号W22はその2次巻線をそれぞれ示す。また、符号TPは、2次巻線W21および2次巻線W22の接続点から引き出されたタップを示す。
符号C、符号Cおよび符号Cはキャパシタを示し、符号Loはインダクタを示す。
符号1〜符号4は、それぞれn型MOSトランジスタQ〜n型MOSトランジスタQのゲート−ソース間に駆動電圧を入力する駆動回路を示す。
符号5は電流検出回路を、符号6は電圧検出回路をそれぞれ示す。
符号TNおよび符号TNは、光発電セルPVにおいて発電された電圧が入力される入力端子を示す。符号TNおよび符号TNは、系統ラインULに接続されるインバータ回路の出力端子を示す。
【0026】
上述した構成を有する図3のインバータ回路の接続関係を説明する。
1次巻線WとスイッチSWとが直列に接続され、その直列回路に対してキャパシタCが並列に接続されるとともに、その両端に、入力端子対(TN−TN)から入力される光発電セルの電圧Vが印可される。
また、キャパシタCとスイッチSWとが直列に接続され、その直列回路が1次巻線Wと並列に接続される。
なお、1次巻線Wには、その電流を検出するための電流検出回路5が直列に挿入されている。
【0027】
スイッチSWとスイッチSWとが直列に接続され、その直列回路が、2次巻線W21および2次巻線W22巻線に対して並列に接続される。
スイッチSWとスイッチSWとの接続ノードNは、インダクタLoを介して出力端子TNに接続されるとともに、キャパシタCを介して、出力端子TNと接続される。2次巻線W21および2次巻線W22巻線の接続中点から引き出されるタップTPは、出力端子TNに接続される。
なお、出力端子対(TN−TN)には、その電圧を検出するための電圧検出回路6が挿入されている。
【0028】
また、図3の例において、スイッチSWは、n型MOSトランジスタQとダイオードDとの直列回路として構成される。
すなわち、n型MOSトランジスタQのドレインは1次巻線Wの一方の端子に接続され、そのソースは、ダイオードDを介して入力端子TN2に接続される。
ダイオードDは、n型MOSトランジスタQのドレインからソースへ流れる電流が順方向となる向きで接続される。
【0029】
図3の例において、スイッチSWは、n型MOSトランジスタQとダイオードDとの並列回路として構成される。
すなわち、n型MOSトランジスタQのドレインは、キャパシタCを介して1次巻線Wの一方の端子に接続され、そのソースは1次巻線Wの他方の端子に接続される。
ダイオードDは、n型MOSトランジスタQのソースからドレインへ順方向となる向きで接続される。
【0030】
図3の例において、スイッチSWは、n型MOSトランジスタQとダイオードDとの直列回路として構成され、スイッチSWは、n型MOSトランジスタQとダイオードDとの直列回路として構成される。
すなわち、n型MOSトランジスタQのドレインは、2次巻線W21の一方の端子と接続され、そのソースは、ダイオードDを介してノードNに接続される。n型MOSトランジスタQのソースは、2次巻線W22の一方の端子と接続され、そのドレインは、ダイオードDを介してノードNに接続される。
なお、ダイオードDおよびダイオードDは、スイッチWとスイッチWとの直列回路において互いに逆方向に接続される。すなわち、ダイオードDは、n型MOSトランジスタQのドレインからソースへ流れる電流が順方向となる向きに接続され、ダイオードDは、n型MOSトランジスタQのドレインからソースへ流れる電流が順方向となる向きに接続される。
【0031】
図4は、本発明の実施形態に係るインバータ回路の制御回路の構成例を示す概略的な回路図である。
図4において、符号7〜符号10はNAND回路を、符号11〜符号16はAND回路を、符号17〜符号21はNOT回路を、符号CP〜符号CPはコンパレータをそれぞれ示す。
【0032】
NAND回路7の出力信号がNAND回路8に入力され、NAND回路8の出力信号がNAND回路7に入力される。このNAND回路7およびNAND回路8によって、フリップフロップFF1が構成される。
コンパレータCPは、正入力端子に入力電流idcの指令値SL1が入力され、負入力端子に電流検出回路5の電流検出信号Si1が入力され、出力信号がNAND回路7に入力される。
また、NAND回路8には、NOT回路17を介してトリガ信号TGが入力される。
【0033】
NAND回路9の出力信号がNAND回路10に入力され、NAND回路10の出力信号がNAND回路9に入力される。このNAND回路9およびNAND回路10によって、フリップフロップFF2が構成される。
コンパレータCPは、正入力端子に電流検出回路5の電流検出信号Si1が入力され、負入力端子に出力電流iacの指令値SL2が入力され、出力信号がNAND回路10に入力される。
また、NAND回路9には、コンパレータCPの出力信号が入力される。
【0034】
コンパレータCPの出力信号と、NAND回路8の出力信号とが、それぞれAND回路11に入力される。
NAND回路11の出力信号がNOT回路18において反転された信号と、NAND回路9の出力信号とが、それぞれAND回路13に入力される。
AND回路13の出力信号と、コンパレータCPの出力信号とが、それぞれAND回路14に入力される。
AND回路14の出力信号Sq2は、n型MOSトランジスタQの駆動回路2に入力される。
【0035】
AND回路14の出力信号Sq2がNOT回路19において反転された信号と、AND回路11の出力信号とが、それぞれAND回路12に入力される。
AND回路12の出力信号Sq1は、n型MOSトランジスタQの駆動回路1に入力される。
【0036】
コンパレータCPは、正入力端子に電圧検出回路6の電圧検出信号Svacが入力され、負入力端子が基準電位に接続される。
AND回路12の出力信号Sq1がNOT回路21において反転された信号と、コンパレータCPの出力信号とが、それぞれAND回路15に入力される。AND回路15の出力信号Sq3は、n型MOSトランジスタQの駆動回路3に入力される。
AND回路12の出力信号Sq1がNOT回路21において反転された信号と、コンパレータCPの出力信号がNOT回路20において反転された信号とが、それぞれAND回路16に入力される。AND回路16の出力信号Sq4は、n型MOSトランジスタQの駆動回路4に入力される。
【0037】
なお、入力電流指令値SL1は、例えば前段の光発電セルにおける発電電力が最大となるように設定される。
また、出力電流指令値SL2は、例えば出力電圧vacが全波整流された波形を有する信号を用い、その振幅を入力電流指令値SL1に応じて制御することにより生成される。
【0038】
次に、上述した図3の主回路および図4の制御回路を有するインバータ回路の動作を説明する。
【0039】
図5は、インバータ回路の各部の波形とそのタイミング関係を説明するための図である。
図5Aは、電流検出回路5において検出された電流検出信号Si1の波形と、入力電流指令値SL1および出力電流指令値SL2を示している。一次巻線Wには、この電流検出信号Si1と同様な波形の電流iが流れている。
図5Bは、1次巻線Wに印可される電圧vの波形を示す。
図5Cは、スイッチSWに流れる電流の波形を示す。
図5Dは、スイッチSWに流れる電流の波形を示す。
図5Eは、n型MOSトランジスタQの駆動回路1に入力される信号Sq1の波形を示す。
図5Fは、n型MOSトランジスタQの駆動回路2に入力される信号Sq2の波形を示す。
図5Gは、n型MOSトランジスタQの駆動回路3に入力される信号Sq3の波形を示す。
図5Hは、トリガ信号TGの波形を示す。
なお図5E〜図5Gにおいて、信号Sq1〜信号Sq3がハイレベルの時にn型MOSトランジスタはオン状態となり、ローレベルの時にn型MOSトランジスタはオフ状態となる。
【0040】
この図5を参照しながら、スイッチSW〜スイッチSWの導通状態に対応する3つの動作モードについて、それぞれ順に説明する。
(第1のモード:期間T
図5Aに示すように、電流検出信号Si1は、この期間Tにおいて入力電流指令値SL1より小さく、電流指令値SL2より大きいため、コンパレータCPおよびコンパレータCPの出力はともに論理値‘1’となる。
トリガ信号TGは、スイッチング周期Tを設定するための信号であり、第1のモードの初期において論理値‘0’から論理値‘1’へパルス状に変化する。トリガ信号TGが論理値‘1’になると、NAND回路8の出力が論理値‘1’、NAND回路7の出力が論理値‘0’となり、この状態がフリップフロップFF1に保持される。これにより、AND回路11の出力は論理値‘1’、AND回路13の出力は論理値‘0’、AND回路14の出力は論理値‘0’、AND回路12の出力は論理値‘1’、AND回路15およびAND回路16の出力はともに論理値‘0’となる。
すなわち、信号Sq1が論理値‘1’、信号Sq2〜信号Sq4が論理値‘0’となる。
したがって、期間Tにおいて、n型MOSトランジスタQはオン状態となり、n型MOSトランジスタQ〜n型MOSトランジスタQはオフ状態となる。
【0041】
この状態において、図5Bに示すように、1次巻線Wの両端には直流の入力電圧Vが印可されるので、図5Aに示すように、1次巻線Wの電流iは直線的に増大する。
【0042】
(第2のモード:期間T
電流iが直線的に増大し、その電流検出信号Si1が入力電流指令値SL1に到達すると、コンパレータCPの出力は論理値‘1’から論理値‘0’へ変化し、フリップフロップFF1においてNAND回路7の出力は論理値‘1’、NAND回路8の出力は論理値‘0’にセットされる。またこの時、フリップフロップFF2においてNAND回路9の出力は論理値‘1’、NAND回路10の出力は論理値‘0’にセットされる。これにより、AND回路11の出力は論理値‘0’、AND回路13の出力は論理値‘1’、AND回路14の出力は論理値‘1’、AND回路12の出力は論理値‘0’となる。
すなわち、信号Sq1が論理値‘0’、信号Sq2が論理値‘1’となる。
したがって、期間Tにおいて、n型MOSトランジスタQはオフ状態となり、n型MOSトランジスタQはオン状態となる。
【0043】
一方、電圧検出回路6による電圧検出信号Svacは、出力電圧vacの極性に応じて、基準電位より高レベルまたは低レベルの信号になり、コンパレータCPの出力も、出力電圧vacの極性に応じて論理値‘1’または論理値‘0’となる。
図5の例においてコンパレータCPの出力が論理値‘1’であるものとすると、信号Sq4は論理値‘0’となる。また、信号Sq3は、信号Sq1に応じて論理値‘1’または論理値‘0’となる。上述のように、期間Tにおいて信号Sq1は論理値‘0’なので、信号Sq3は論理値‘1’となる。
したがって、期間Tにおいて、n型MOSトランジスタQはオン状態、n型MOSトランジスタQはオフ状態となる。
【0044】
第1のモードから第2のモードへ動作モードが移行し、n型MOSトランジスタQがオン状態からオフ状態に切り換わると、1次巻線Wの電流iはダイオードDを介してキャパシタCへ流れ、さらにn型MOSトランジスタQがオン状態になった後は、このトランジスタを介してキャパシタCへ流れる。
すなわち、期間Tにおいて1次巻線Wに蓄積された励磁エネルギーは、キャパシタCに静電エネルギーとして蓄積される。
【0045】
また、1次巻線Wには、期間Tとは逆の極性でキャパシタCの電圧Vcsが印可されており、その電流iは、キャパシタCへの充電によってゼロになった後も、期間Tとは逆の極性(キャパシタCを放電する極性で)で流れ続ける。
すなわち、キャパシタCに蓄えられた静電エネルギ−の一部が、期間Tとは逆の極性の励磁エネルギーとして、再び1次巻線Wに蓄積される。
【0046】
なお、期間T2において、1次巻線Wには期間Tと逆の極性でキャパシタCの電圧が印可されており、2次巻線Wに発生する電圧は、ダイオードDに逆方向電圧を印可する極性となる。したがって、ダイオードDはオフ状態となり、電流i21は流れない。
【0047】
(第3のモード:期間Tおよび期間T
電流iが期間Tとは逆の極性で直線的に増大し、その電流検出信号Si1が出力電流指令値SL2に到達すると、コンパレータCPの出力は論理値‘1’から論理値‘0’へ変化し、フリップフロップFF2においてNAND回路10の出力は論理値‘1’、NAND回路9の出力は論理値‘0’にセットされる。またこのとき、フリップフロップFF1において、NAND回路7の出力は論理値‘1’、NAND回路8の出力は論理値‘0’にセットされたままである。これにより、AND回路11〜AND回路14の出力は、何れも論理値‘0’となる。
すなわち、信号Sq1、信号Sq2および信号Sq4が論理値‘0’となり、信号Sq3が論理値‘1’となる。
したがって、期間Tにおいて、n型MOSトランジスタQ、n型MOSトランジスタQおよびn型MOSトランジスタQはオフ状態、n型MOSトランジスタQがオン状態となる。
【0048】
第2のモードから第3のモードへ動作モードが移行し、n型MOSトランジスタQがオン状態からオフ状態に切り換わると、変圧器TRに蓄えられた励磁エネルギーは、2次巻線W21から電流i21として放出される。
【0049】
この時、ダイオードDおよびn型MOSトランジスタQがともに導通するため、2次巻線W21には出力電圧vacに近い電圧が発生することになる。1次巻線Wに対して2次巻線W21が変圧比kを有するものとすると、図5Bに示すように、1次巻線Wの電圧は(vac/k)に近い電圧となる。
【0050】
1次巻線Wに蓄えられた励磁エネルギーの放出が期間Tで終わると、それに続く期間Tにおいて、2次巻線W21の電圧および電流i21がともにゼロになる。
期間Tにおいて、系統ラインから出力端子対(TN−TN)に系統電圧が印可されるが、この電圧はダイオードDに対して逆方向電圧となるので、ダイオードDはオフ状態となり、2次巻線W21に対して電圧は印可されない。
【0051】
この状態で、再びトリガ信号TRが論理値‘1’に変化すると、フリップフロップFF1においてNAND回路8の出力に論理値‘1’がセットされて、動作モードが第1のモードに移行する。
第1のモードへ移行する直前の期間Tにおいて、変圧器TRの1次巻線Wおよび2次巻線W21は電流が流れていない状態となっているため、第1のモードにおいてスイッチSWがオフ状態からオン状態へ変化した場合、その導通電流はゼロから増加することになる。すなわち、スイッチSWにおいてゼロ電流スイッチングが実現され、スイッチSWのスイッチング損失が低減される。
【0052】
次に、上述したインバータ回路に関して行ったシミュレーションの一例を示す。
図6は、シミュレーションを行ったインバータ回路の主回路の回路図である。
図3と図6の同一符号は同一の構成要素を示す。また、符号Vは光発電セルを模擬した直流の電圧源を、符号Voは系統ラインを模擬した交流の電圧源を、符号C、符号Cおよび符号Cはキャパシタを、符号R、符号Rおよび符号Rは抵抗を、符号Lはインダクタをそれぞれ示す。
【0053】
図6のシミュレーション回路においては、ダイオードDの両端にキャパシタCと抵抗Rとの直列回路が並列接続され、ダイオードDの両端にキャパシタCと抵抗Rとの直列回路が並列接続され、ダイオードDの両端にキャパシタCと抵抗Rとの直列回路が並列接続されている。これらの直列回路は、何れも、ダイオードの両端に生じるサージ電圧を抑えるためのスナバ回路である。
また、図6のシミュレーション回路においては、直流電圧源VとキャパシタCとの間にインダクタLが挿入されている。このインダクタLは、入力電流idcに含まれる高周波のスイッチング成分を低減させるためのものである。
【0054】
なお、インバータ回路の制御回路については、図4に示した回路と同様である。
【0055】
図7は、出力電圧vacの1周期における図6のシミュレーション回路の各部の波形を示し、図8は、その一部を時間的に拡大した図である。
図7Aおよび図8Aは、1次巻線Wに流れる電流iの波形を示す。
図7Bおよび図8Bは、スイッチSWとスイッチSWとの接続ノードNから出力へ流れる電流iの波形を示す。
図7Cおよび図8Cは、電流iが平滑フィルタ(インダクタL、キャパシタCおよび抵抗R)によって平滑された、インバータ回路の出力電流iacの波形を示す。
図7Dおよび図8Dは、出力電圧vacの波形を示す。
図7Eおよび図8Eは、入力電流idcの波形を示す。
図7Fおよび図8Fは、キャパシタCの電圧Vcsの波形を示す。
【0056】
図8Aに示すように、電流iの波形は、図5Aにおいて示した電流検出信号Si1とほぼ同様な波形となっている。
また、図8Bに示すように、電流iの波形は、図5Dにおいて示した電流i21とほぼ同様な波形となっている。出力電圧vacの半周期において電流i21と電流iとは等しくなるので、シミュレーション結果における電流i21が図5Dに示す波形と同様であることが分かる。
また、図7Bおよび図7Cを比較して分かるように、のこぎり状の波形を有した電流iの高周波成分は、インバータの出力に設けられた平滑フィルタによって平滑され、図7Cに示すような正弦波状の出力電流iacが得られる。
【0057】
さらに、図7Eに示すように、インバータ回路の入力電流idcには、出力電圧vacの周波数(50Hz)に対応した低周波の成分が含まれておらず、そのリップル電流のほとんどは、スイッチングにともなう高周波の成分(10kHz)となっている。
このことから、インバータ回路の入力キャパシタCに必要な静電容量は、この高周波のリップル電流に対して十分低いインピーダンスとなる程度の、比較的小さな静電容量で良いことが分かる。
【0058】
これに対し、図7Fに示すキャパシタCの電圧Vcsには、出力電圧vacの周波数に対して2倍の周波数(100Hz)で振動する、低周波のリップル成分が含まれている。
【0059】
図9は、キャパシタCの静電容量とそのリップル電圧の振幅との関係を示す図である。
図9において、横軸はキャパシタCの静電容量を、縦軸はキャパシタCに生じるリップル電圧の振幅をそれぞれ示す。
また曲線CV1は、キャパシタCの直流電圧成分Vdcが50Vの場合を、曲線CV2は直流電圧成分Vdcが100Vの場合を、曲線CV3は直流電圧成分Vdcが150Vの場合をそれぞれ示す。
【0060】
なお、図9に示す曲線は、以下の式によって計算される。
【0061】
【数1】
Figure 0004101544
【0062】
図9に示すように、キャパシタCに生じる低周波のリップル電圧の振幅は、キャパシタCの静電容量を小さくするほど大きくなる傾向がある。
この振幅は、直流電圧成分Vdcの大きさによって最大値が制限されており、このため、静電容量の大きさには下限値がある。例えば、直流電圧Vdcが50Vの場合における静電容量の下限値Fは、曲線CV1を参照して、45μF程度であることが分かる。また、直流電圧Vdcが100Vの場合における静電容量の下限値Fは、曲線CV2を参照して、10μF程度であることが分かる。すなわち、キャパシタCの静電容量は、この程度まで小さくできることが分かる。
【0063】
逆に、リップル電圧の振幅を直流電圧Vdcに比べて十分小さくするためには、非常に大きな静電容量が必要になる。例えば、直流電圧Vdcが50Vの場合において、キャパシタCの電圧振幅を5V(直流成分の10%)にするためには、上述した下限値Fの100倍以上の静電容量が必要になることが、式(1)の計算から導かれる。
このことから、従来のインバータ回路において入力のリップル電圧を低減させるために必要な静電容量と比べた場合、キャパシタCの静電容量は、その100分の1くらいの小さな値で良いことが推測される。
【0064】
以上説明したように、図3および図4に示すインバータ回路によれば、第1のモードにおいて、インバータ回路の入力から1次巻線Wに流れ込む電流iにより1次巻線Wに励磁エネルギーが蓄積され、その電流iのピーク値が入力電流指令値SL1に応じた一定の値となるように制御される。第2のモードにおいて、1次巻線Wに蓄積された励磁エネルギーがキャパシタCに放出され、さらに、キャパシタCから1次巻線Wへ放電電流iが流れることによって1次巻線Wに励磁エネルギーが蓄積され、その放電電流iのピーク値が出力電流指令値SL2に応じた値となるように制御される。第3のモードにおいて、1次巻線Wに蓄積された励磁エネルギーが、2次巻線W21または2次巻線W22からインバータの出力へ放出される。第2のモードにおける放電電流iのピーク値は、出力電流指令値SL2に応じて制御され、出力電流iacは出力電圧vacと同相の波形に制御される。
【0065】
したがって、出力電圧vacの振動にともなう低周波のリップル電流のほとんどがキャパシタCに流れ、インバータ回路の入力キャパシタCに流れるリップル電流はスイッチングにともなう高周波の成分が支配的になるので、インバータ回路の入力電流idcの変動を効果的に抑えながら、入力キャパシタCの静電容量を非常に小さくすることができる。また、キャパシタCに生じるリップル電圧は、インバータ回路の入力電圧や電流に影響を与えないので、その静電容量も上述した下限値程度まで小さくすることができる。
このように、キャパシタの静電容量を小さくできるので、従来のインバータ回路において用いられていた電解コンデンサのような体積の大きいキャパシタを、フィルムコンデンサのような体積の小さいキャパシタに置き換えることができ、装置の小型化や軽量化を図ることができる。また、電解コンデンサに特有な寿命の問題を回避できるので、装置の故障発生率を低減できる。
【0066】
さらに、図3および図4に示すインバータ回路によれば、光発電セルからの出力電圧を別のDC/DCコンバータを用いて昇圧する必要がなく、1つの変換器で昇圧とDC/AC変換を同時に行うことができるので、回路構成を簡略化できる。
【0067】
なお、本発明は上述した実施形態に限定されず、種々の改変が可能である。
例えば、インバータ回路に用いられるスイッチは、図3のようにn型MOSトランジスタとダイオードによって構成しても良いし、他の半導体スイッチ(例えばIGBTやサイリスタなど)を用いて構成することも可能である。
【0068】
図5Gに示すように、図4の制御回路においては、第1のモードから第2のモードへ移行する際に、n型MOSトランジスタQまたはn型MOSトランジスタQがオン状態に設定されるが、この第2のモードにおいてダイオードDおよびダイオードDは何れもオフ状態となるので、第2のモードのどのタイミングでトランジスタをオン状態に設定しても、トランジスタには電流が流れない。したがって、第2のモードの任意の時点でトランジスタがオン状態に設定されるように制御を行っても良い。
【0069】
【発明の効果】
本発明によれば、構成を簡易化できるとともに、大容量のキャパシタを使用することなく入力電流の変動を効果的に低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る光発電モジュールの外観の一例を示す図である。
【図2】図2は、図1に示す光発電モジュールが複数並列に接続された光発電システムの構成例を示す概略的なブロック図である。
【図3】本発明の実施形態に係るインバータ回路の主回路の構成例を示す概略的な回路図である。
【図4】本発明の実施形態に係るインバータ回路の制御回路の構成例を示す概略的な回路図である。
【図5】インバータ回路の各部の波形とそのタイミング関係を説明するための図である。
【図6】シミュレーションを行ったインバータ回路の主回路の回路図である。
【図7】出力の交流電圧の1周期における図6のシミュレーション回路の各部の波形を示す図である。
【図8】図7の波形図の一部を時間的に拡大した図である。
【図9】1次巻線に対してスイッチを介して並列接続されたキャパシタの静電容量と、そのリップル電圧の振幅との関係を示す図である。
【図10】一般的な電圧型インバータ回路の構成を示す回路図である。
【図11】図10のインバータ回路における出力電流および入力電流の波形を示す図である。
【図12】一般的な太陽電池における電圧と電流の関係、および電圧の電力との関係を示す図である。
【符号の説明】
1〜4…駆動回路、5…電流検出回路、6…電圧検出回路、7〜10…NAND回路、11〜16…AND回路、17〜21…NOT回路、CP〜CP…コンパレータ、C〜C,C,C,C…キャパシタ、R〜R,R…抵抗、L,L…インダクタ、TR…変圧器、W…1次巻線、W21,W22…2次巻線、V…直流電圧源、V…交流電圧源、PN…パネル、CN…接続装置、PV…光発電セル、INV…インバータ回路。

Claims (16)

  1. 入力される直流電圧を交流電流に変換するインバータ回路であって、
    第1の巻線と、タップを備えた第2の巻線とを含んだ変圧器と、
    上記第1の巻線に直列に接続された第1のスイッチと、
    上記第1の巻線と上記第1のスイッチとの直列回路に上記直流電圧を入力する入力端子と、
    上記第1の巻線に並列に接続された、キャパシタと第2のスイッチとの直列回路と、
    上記第2の巻線に並列に接続された、第3のスイッチと第4のスイッチとの直列回路と、
    上記第3のスイッチおよび上記第4のスイッチの接続ノードと、上記第2の巻線のタップとの間に流れる電流を、上記交流電流として出力する出力端子と、
    第1のモードにおいて、上記第1のスイッチを導通させるとともに、上記第2のスイッチを開放させ、上記第1のモードに続く第2のモードにおいて、上記第1のスイッチを開放させるとともに、上記第2のスイッチを導通させ、上記第2のモードに続く第3のモードにおいて、上記第1のスイッチおよび上記第2のスイッチをともに開放させ、上記第3のスイッチおよび上記第4のスイッチは、上記交流電流の極性に応じて選択した何れか一方のスイッチを全モードにおいて開放させるとともに、他方のスイッチを上記第1のモードおよび上記第2のモードにおいて開放、上記第3のモードにおいて導通させ、上記第1のモードから上記第3のモードまでの制御を周期的に反復する制御回路と
    を有するインバータ回路。
  2. 上記第3のスイッチおよび上記第4のスイッチは、上記第3のモードにおいて上記第2の巻線から流れる導通電流が絶えた場合に、導通状態から開放状態へ変化し、
    上記制御回路は、上記第3のスイッチおよび上記第4のスイッチが何れも開放した状態で、上記第3のモードから上記第1のモードに移行する、
    請求項1に記載のインバータ回路。
  3. 上記第3のスイッチおよび上記第4のスイッチは、直列に接続されたダイオードと半導体スイッチとをそれぞれ含み、上記第3のスイッチと上記第4のスイッチとの直列回路において、上記第3のスイッチに含まれるダイオードと、上記第4のスイッチに含まれるダイオードとが互いに逆方向に接続された、
    請求項2に記載のインバータ回路。
  4. 上記制御回路は、上記第2のモードの何れかの時点において、上記第3のスイッチまたは上記第4のスイッチに含まれる半導体スイッチを開放状態から導通状態に設定する、
    請求項3に記載のインバータ回路。
  5. 上記第1の巻線の電流を検出する電流検出回路を有し、
    上記制御回路は、上記第1のモードにおいて、上記電流検出回路の検出値が、上記入力端子に流れる入力電流の指令値に達した時点で、上記第1のモードから上記第2のモードに移行し、上記第2のモードにおいて、上記電流検出回路の検出値が、上記交流電流の指令値に達した時点で、上記第2のモードから上記第3のモードに移行する、
    請求項1または請求項2に記載のインバータ回路。
  6. 上記第1のスイッチは、直列に接続されたダイオードと半導体スイッチとを含む、
    請求項5に記載のインバータ回路。
  7. 上記第2のスイッチは、並列に接続されたダイオードと半導体スイッチとを含む、
    請求項5に記載のインバータ回路。
  8. 上記出力端子から出力される電流を平滑する平滑回路を有する、
    請求項5に記載のインバータ回路。
  9. 少なくとも1つの光発電セルと、上記光発電セルにおいて発生した電圧を交流電流に変換し、系統ラインに出力するインバータ回路とを有する光発電装置であって、
    上記インバータ回路は、
    第1の巻線と、タップを備えた第2の巻線とを含んだ変圧器と、
    上記第1の巻線に直列に接続された第1のスイッチと、
    上記第1の巻線と上記第1のスイッチとの直列回路に上記直流電圧を入力する入力端子と、
    上記第1の巻線に並列に接続された、キャパシタと第2のスイッチとの直列回路と、
    上記第2の巻線に並列に接続された、第3のスイッチと第4のスイッチとの直列回路と、
    上記第3のスイッチおよび上記第4のスイッチの接続ノードと、上記第2の巻線のタップとの間に流れる電流を、上記交流電流として出力する出力端子と、
    第1のモードにおいて、上記第1のスイッチを導通させるとともに、上記第2のスイッチを開放させ、上記第1のモードに続く第2のモードにおいて、上記第1のスイッチを開放させるとともに、上記第2のスイッチを導通させ、上記第2のモードに続く第3のモードにおいて、上記第1のスイッチおよび上記第2のスイッチをともに開放させ、上記第3のスイッチおよび上記第4のスイッチは、上記交流電流の極性に応じて選択した何れか一方のスイッチを全モードにおいて開放させるとともに、他方のスイッチを上記第1のモードおよび上記第2のモードにおいて開放、上記第3のモードにおいて導通させ、上記第1のモードから上記第3のモードまでの制御を周期的に反復する制御回路とを含む、
    光発電装置。
  10. 上記第3のスイッチおよび上記第4のスイッチは、上記第3のモードにおいて上記第2の巻線から流れる導通電流が絶えた場合に、導通状態から開放状態へ変化し、
    上記制御回路は、上記第3のスイッチおよび上記第4のスイッチが何れも開放した状態で、上記第3のモードから上記第1のモードに移行する、
    請求項9に記載の光発電装置。
  11. 上記第3のスイッチおよび上記第4のスイッチは、直列に接続されたダイオードと半導体スイッチとをそれぞれ含み、上記第3のスイッチと上記第4のスイッチとの直列回路において、上記第3のスイッチに含まれるダイオードと、上記第4のスイッチに含まれるダイオードとが互いに逆方向に接続された、
    請求項10に記載の光発電装置。
  12. 上記制御回路は、上記第2のモードの何れかの時点において、上記第3のスイッチまたは上記第4のスイッチに含まれる半導体スイッチを開放状態から導通状態に設定する、
    請求項11に記載の光発電装置。
  13. 上記第1の巻線の電流を検出する電流検出回路を有し、
    上記制御回路は、上記第1のモードにおいて、上記電流検出回路の検出値が、上記入力端子に流れる入力電流の指令値に達した時点で、上記第1のモードから上記第2のモードに移行し、上記第2のモードにおいて、上記電流検出回路の検出値が、上記交流電流の指令値に達した時点で、上記第2のモードから上記第3のモードに移行する、
    請求項9または請求項10に記載の光発電装置。
  14. 上記第1のスイッチは、直列に接続されたダイオードと半導体スイッチとを含む、
    請求項13に記載の光発電装置。
  15. 上記第2のスイッチは、並列に接続されたダイオードと半導体スイッチとを含む、
    請求項13に記載の光発電装置。
  16. 上記出力端子から出力される電流を平滑し、上記系統ラインに出力する平滑回路を有する、
    請求項13に記載の光発電装置。
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