JP4100943B2 - インクジェットプリントヘッドの駆動制御方法およびインクジェットプリント装置 - Google Patents

インクジェットプリントヘッドの駆動制御方法およびインクジェットプリント装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、インクジェットプリントヘッドの駆動制御方法よび前記方法を用いたプリント装置に関し、特に通電に応じて発熱する発熱抵抗素子によりインク内に例えば膜沸騰を生じさせ、バブルの成長・収縮を利用して吐出口よりインクを吐出させるサーマルインクジェット方式のインクジェットプリントヘッドおよびプリント装置に適用して好適なものである。
【0002】
【従来の技術】
インクジェットプリント方式は高密度で高精細のプリントを高速度に行えることから高画質のプリント物を速やかに得ることができ、かつカラー化やコンパクト化にも適していることから、近年急速な成長を遂げてきた。
【0003】
かかるインクジェットプリント方式に使用されるヘッドの一例として、吐出口に向けてインク路が屈曲する構成を有し、当該屈曲部に吐出口と対向して熱作用部が配置された所謂サイドシュータ型のインクジェットプリントヘッドがある。
【0004】
図1はそのサイドシュータ型のプリントヘッドの構成例である。このヘッドには、シリコンから成る基板3005に開口するインク供給口3003を挟んで両側に千鳥状に配置された複数の吐出口3001が設けられ、また各吐出口3001からそれぞれインク滴を吐出するために利用される熱エネルギを発生する発熱抵抗素子3002が各インク路3004毎に基板3005上に設けられている。
【0005】
発熱抵抗素子3002は、主にHfB,TaN,TaAl,TaSiN等から成るヒータ、およびこれに電力を供給するためのAl,AlCu,AlSi等から成る電極配線、並びにこれらをインクから保護するSiC,SiO,SiN,Ta等から成る保護膜により構成されている(図示せず)。
【0006】
インク供給口3003は、ダイシング法,サンドブラスト法,異方性エッチングなどによって形成されるのが一般的であり、図1では加工精度の高い異方性エッチングにより形成したインク供給口3003を示してある。インク供給口3003の加工精度はプリントヘッド製造上の重要なファクタである。加工精度が低いと、各々のインク路3004においてインク供給口3003側の端部からヒータに至るまでの距離が異なることになるのでインク流の抵抗にばらつきが生じ、結果としてインク吐出量が吐出口3001毎にばらつくことによってプリント画像の品位を低下させてしまうからである。
【0007】
また、吐出口3001の形成は大別して、ポリイミドなどのフィルムに予めレーザ加工処理などで吐出口用開口を形成したものを基板3005上に貼り合わせて接合する方法と、樹脂材料などを基板3005上にコーティングした上でフォトリソグラフィ技術を用いて露光現像あるいはプラズマエッチングにより吐出口用開口を形成する方法とがある。しかし、昨今の写真調画質のプリントに対する要求の高まりを鑑みると、今後更にインク滴の着弾精度に対する要求は厳しさを増すであろうから、吐出口3001の加工精度並びにヒータとのアライメント精度などの観点から、後者のフォトリソグラフィ技術を用いて基板3005上に一括して形成する方法が有利である。
【0008】
上述した構成から成るサイドシュータ型のインクジェットプリントヘッドにおいて、インクは複数の吐出口3001の近傍でメニスカスを形成して保持される。このとき、発熱抵抗素子3002を画像データなどに応じて選択的に駆動させることにより、その発生する熱エネルギを利用して熱作用面上のインクを急激に加熱することにより膜沸騰を生じさせ、このときの発泡力によってインクを吐出させる。
【0009】
上述のような基板3005上に配置される発熱抵抗素子3002の抵抗値がプリントヘッド毎にばらついている場合、どのプリントヘッドにも一律の駆動電力を与えたのでは、抵抗値のばらつきによって発熱抵抗素子3002毎に発熱量が異なってしまうので、プリントヘッド間でインクの発泡現象に違いが生じてしまう。例えば、所要の抵抗値に対して駆動電力が低く設定されてしまった場合には、インクの吐出が不安定となることで吐出量にムラを生じさせてしまったり、逆に駆動電力が高く設定されてしまった場合には、必要以上に発熱抵抗素子に電力が供給されてしまうために発熱抵抗素子ないしプリントヘッドの寿命が短くなり、プリントヘッドの信頼性を低下させてしまう恐れがある。従って、各ヘッドの発熱抵抗素子3002の抵抗値を何らかの方法で計測し、その抵抗値に見合った電力を与えることで上記の問題を抑制するのが強く望ましい。
【0010】
しかしながら各ヘッドの発熱抵抗素子3002を直接測定しようとすると、この発熱抵抗素子3002と、これに電気的に接続された機能素子とを含んだ全体の抵抗値を測定してしまうことになり、発熱抵抗素子3002のみの抵抗値を正確に測定することができないという問題があった。
【0011】
そこで、本出願人による特開平7−76077号公報において開示されるように、発熱抵抗素子および機能素子から電気的に独立であり、発熱抵抗素子よりも抵抗値の大きな測定用抵抗素子を有するヘッド構成において、発熱抵抗素子と同様に形成された測定用抵抗素子の抵抗値を測定し、この測定用抵抗素子の抵抗値からシート抵抗を求めて、発熱抵抗素子の抵抗値を推定する手法や、また、実際にプリントをさせて吐出の閾値を測定する手法などが採用されている。これらの手法により、各ヘッドに対しその発熱抵抗体に抵抗値に見合った適切な駆動電力を設定することで、インクを安定的に吐出させることが可能となる。
【0012】
これら手法のうち測定用抵抗素子を用いた場合は、上述したインクの発泡現象の違いによる影響が生じない範囲で、推定された抵抗値に基づきヘッドを幾つかのランクに振り分け、各ランク毎に適切な駆動電力、すなわち例えば駆動信号のパルス幅を設定するのが最も一般的である。
【0013】
図2はそのランク分けの一例として、発熱抵抗素子を駆動するためのパワートランジスタとしてn−MOS型のものを用いるとともに、ヒータの材料としてTaNを使用したヘッドの場合を示す。その他の条件としては、ヒータサイズが24μm×24μm、シート抵抗値が50Ω/□±10%、配線抵抗が8Ω、パワートランジスタのON抵抗が17Ω±40%、駆動電圧が11V、所定のマージン分の補正値(K値;後述)が1.20である。図2に示すように、ヘッドの抵抗値ばらつきに応じて設定されるパルス幅は0.82〜1.29μsecの範囲であり、変化幅としては0.47μsecとなっている。
【0014】
また、上記各ランク毎に設定されるパルス幅は室温において1ノズル当たりに定めた適正値であり、従ってヘッド駆動時の温度、あるいはプリントパターンの密度(同時吐出ノズル数)等による影響を補正するためにパルス幅変調が行われる(以下、PWM制御、K値制御と称する)。具体的には、ヘッド駆動時の温度上昇に対してはパルス幅を短く絞っていき、プリントパターンの密度増加に対してはパルス幅を長くしていく制御が行われる。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
近年、市場ではインクジェットプリント装置が急速な発展を遂げ、それに伴いプリント画像に対してはより一層の高精細化が求められるようになってきた。そこで、より小さなインク滴を効率良く吐出する目的で、発熱抵抗素子にはより一層の高抵抗化が望まれている。現在、サーマルインクジェット用の発熱抵抗体としては、HfB,TaN,TaAl,TaSiNなどが用いられており、これら以外の高抵抗材料は今のところ見出されていない。
【0016】
そこで、ヒータの膜厚を薄くしたり、ヒータ形状を工夫してシート数を実質的に増大させることにより発熱抵抗素子を高抵抗化することも考えられるが、製造上の制約が厳しくなることから抵抗値がばらつく度合いが大きくなってしまう。そのために、上述した従来の手法では、公差内で最小抵抗値となるランク「min.」側のプリントヘッドに対してはパルス幅が短くなりすぎてしまい、逆に公差内で最大抵抗値となるランク「max.」側のプリントヘッドに対してはパルス幅が長くなりすぎてしまうという問題が発生する。また、仮に室温(例えば15〜35℃程度)の環境下で各ランクに適切に対応したパルス幅変調制御の設計を行ったとしても、温度変化やプリントパターンの密度の変化に応じた上記PWM制御やK値制御の設計が非常に困難となる場合がある。この問題を回避するために、公差を小さくして中心値から抵抗値がその公差から外れたヘッドを不良として扱うことも考えられるが、プリントヘッド製造の歩留まりが低下し、結果としてプリントヘッド自体の大幅なコストアップを招いてしまうことになるので、現実的な解決策であるとは言い難い。
【0017】
本発明は、発熱抵抗素子を高抵抗化する手段として、ヒータの膜厚を薄くしたり、ヒータ形状の工夫によりシート数を実質的に増大させる等の手段を採用した場合に発生する抵抗値ばらつきの増大に対して、コストを犠牲にすることなく、より小さなインク滴を効率良く吐出できるようにすることを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】
そのために、本発明は、インクを吐出することによりプリント媒体にプリントを行うために用いられるインクジェットプリントヘッドの駆動制御方法であって、
前記インクジェットプリントヘッドからインク吐出される閾値の電気的エネルギに係る情報に応じて、前記インクジェットプリントヘッドに投入する駆動信号の電圧を設定し、前記インクジェットプリントヘッドの駆動時の条件に基づいて、さらに前記駆動信号のパルス幅を変調し、
その変調は、設定される電圧が低いほど、前記パルス幅の変調の度合いが小さくなるように行われることを特徴とする。
【0019】
ここで、前記インクジェットプリントヘッドの前記閾値の電気的エネルギが小さいほど、前記駆動信号の電圧を低く設定することができる。
【0020】
また、前記インクジェットプリントヘッドの前記閾値の電気的エネルギに係る情報に応じて、パルス幅を一定にするように、前記インクジェットプリントヘッドのヒータからインクヘの熱流束を一定にするように駆動信号を与えることができる。
【0021】
また、前記インクジェットプリントヘッドの前記閾値の電気的エネルギに係る情報に応じて、パルス幅を一定にするように、前記インクジェットプリントヘッドに投入する駆動信号の電圧を設定することができる。
【0023】
ここで、前記駆動時の条件として、前記インクジェットプリントヘッドの温度とプリント密度との少なくとも一方を含むことができる。
【0025】
以上において、前記インクジェットプリントヘッドは前記インクを吐出するための複数の吐出口と、該複数の吐出口からインクを吐出させるためのエネルギを作用する複数の素子とを有し、前記閾値の電気的エネルギは、前記複数の素子に投入されて前記複数の吐出口からインク吐出が行われる最小値の電気的エネルギに基づく値とすることができる。
【0026】
または、前記インクジェットプリントヘッドは前記インクを吐出するための複数の吐出口と、該複数の吐出口からインクを吐出させるためのエネルギを作用する複数の素子とを有し、前記閾値の電気的エネルギは、前記複数の素子に投入されて前記複数の吐出口からインク吐出が行われる最大値の電気的エネルギに基づく値とすることもできる。
【0027】
また、以上において、前記閾値の電気的エネルギに係る情報は、前記インクジェットプリントヘッドについて予め計測された値に基づく数値であって当該インクジェットプリントヘッドの記憶手段に記憶された数値であり、当該情報に応じて前記駆動信号の電圧を設定するものとすることができる。
【0028】
さらに、前記インクジェットプリントヘッドは、インクを吐出するために利用されるエネルギとして、前記駆動信号に応じてインクに膜沸騰を生じさせる熱エネルギを発生する素子を有するものとすることができる。
【0031】
さらに、本発明は、インクを吐出することによりプリント媒体にプリントを行うインクジェットプリント装置であって、
前記インクジェットプリント装置に搭載されたインクジェットプリントヘッドからインクが吐出される閾値の電気的エネルギに係る情報に応じて、前記インクジェットプリントヘッドに投入する駆動信号の電圧を設定する設定手段と、
前記インクジェットプリントヘッドの駆動時の条件に基づいて、さらに前記駆動信号のパルス幅の変調を行う制御手段とを備え、
前記制御手段は、設定される電圧が低いほど、前記パルス幅の変調の度合いが小さくなるように変調を行うことを特徴とする。
【0032】
ここで、前記制御手段は、前記インクジェットプリントヘッドの前記閾値の電気的エネルギが小さいほど、前記駆動信号の電圧を低く設定することができる。
【0034】
ここで、前記駆動時の条件として、前記インクジェットプリントヘッドの温度とプリント密度との少なくとも一方を含むことができる。
【0036】
以上のインクジェットプリント装置において、前記インクジェットプリントヘッドは前記インクを吐出するための複数の吐出口と、該複数の吐出口からインクを吐出させるためのエネルギを作用する複数の素子とを有し、前記閾値の電気的エネルギは、前記複数の素子に投入されて前記複数の吐出口からインク吐出が行われる最小値の電気的エネルギに基づく値とすることができる。
【0037】
または、前記インクジェットプリントヘッドは前記インクを吐出するための複数の吐出口と、該複数の吐出口からインクを吐出させるためのエネルギを作用する複数の素子とを有し、前記閾値の電気的エネルギは、前記複数の素子に投入されて前記複数の吐出口からインク吐出が行われる最大値の電気的エネルギに基づく値とすることができる。
【0038】
また、前記閾値の電気的エネルギに係る情報は、前記インクジェットプリントヘッドについて予め計測された値に基づく数値であって当該インクジェットプリントヘッドの記憶手段に記憶された数値とすることができる。
【0040】
なお、本明細書において、「プリント」とは、文字、図形等有意の情報を形成する場合のみならず、有意無意を問わず、また人間が視覚で知覚し得るように顕在化したものであるか否かを問わず、広くプリント媒体上に画像、模様、パターン等を形成する、または媒体の加工を行う場合も言うものとする。
【0041】
また、「プリント媒体」とは、一般的なプリント装置で用いられている紙のみならず、広く布,プラスチックフィルム,金属板等、ヘッドによって吐出されるインクを受容可能なものも言うものとする。
【0042】
さらに「インク」とは、上記「プリント」の定義と同様広く解釈されるべきもので、プリント媒体上に付与されることによって画像,模様,パターン等の形成、またはプリント媒体の加工に供されうる液体を言うものとする。
【0043】
また、「ノズル」とは、特にことわらない限り吐出口ないしこれに連通する液路およびインク吐出に利用されるエネルギを発生する素子を総括して言うものとする。
【0044】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明を詳細に説明する。
【0045】
1.装置本体
図3および図4にインクジェットプリント方式を用いたプリント装置の概略構成を示す。図3において、この実施形態におけるプリント装置の装置本体M1000の外殻は、下ケースM1001、上ケースM1002、アクセスカバーM1003および排出トレイM1004を含む外装部材と、その外装部材内に収納されたシャーシM3019(図4参照)とから構成される。
【0046】
シャーシM3019は、所定の剛性を有する複数の板状金属部材によって構成され、プリント装置の骨格をなし、後述の各プリント動作機構を保持するものとなっている。
【0047】
また、下ケースM1001は装置本体M1000の外装の略下半部を、上ケースM1002は装置本体M1000の外装の略上半部をそれぞれ形成しており、両ケースの組合せによって内部に後述の各機構を収納する収納空間を有する中空体構造をなしている。装置本体M1000の上面部および前面部には、それぞれ、開口部が形成されている。
【0048】
さらに、排出トレイM1004は、その一端部が下ケースM1001に回転自在に保持され、その回転によって下ケースM1001の前面部に形成される前記開口部を開閉させ得るようになっている。このため、プリント動作を実行させる際には、排出トレイM1004を前面側へと回転させて開口部を開成させることにより、ここからプリントシートが排出可能となると共に排出されたプリントシートPを順次積載し得るようになっている。また、排紙トレイM1004には、2枚の補助トレイM1004a,M1004bが収納されており、必要に応じて各トレイを手前に引き出すことにより、用紙の支持面積を3段階に拡大、縮小させ得るようになっている。
【0049】
アクセスカバーM1003は、その一端部が上ケースM1002に回転自在に保持され、上面に形成される開口部を開閉し得るようになっており、このアクセスカバーM1003を開くことによって本体内部に収納されているプリントヘッドカートリッジH1000あるいはインクタンクH1900等の交換が可能となる。なお、ここでは特に図示しないが、アクセスカバーM1003を開閉させると、その裏面に形成された突起がカバー開閉レバーを回転させるようになっており、そのレバーの回転位置をマイクロスイッチなどで検出することにより、アクセスカバーの開閉状態を検出し得るようになっている。
【0050】
また、上ケースM1002の後部上面には、電源キーE0018およびレジュームキーE0019が押下可能に設けられると共に、LED E0020が設けられており、電源キーE0018を押下すると、LED E0020が点灯しプリント可能であることをオペレータに知らせるものとなっている。また、LEDE0020は点滅の仕方や色の変化をさせたり、プリント装置のトラブル等をオペレータに知らせる等種々の表示機能を有する。さらに、ブザーE0021(図9)をならすこともできる。なお、トラブル等が解決した場合には、レジュームキーE0019を押下することによってプリントが再開されるようになっている。
【0051】
2.プリント動作機構
次に、プリント装置の装置本体M1000に収納、保持される本実施形態におけるプリント動作機構について説明する。
【0052】
本実施形態におけるプリント動作機構としては、プリントシートPを装置本体内へと自動的に給送する自動給送部M3022と、自動給送部から1枚ずつ送出されるプリントシートPを所定のプリント位置へと導くと共に、プリント位置から排出部M3030へとプリントシートPを導く搬送部M3029と、プリント位置に搬送されたプリントシートPに所望のプリントを行なうプリント部と、前記プリント部等に対する回復処理を行う回復部(M5000)とから構成されている。
【0053】
ここで、プリント部について説明するに、そのプリント部は、キャリッジ軸M4021によって移動可能に支持されたキャリッジM4001と、このキャリッジM4001に着脱可能に搭載されるプリントヘッドカートリッジH1000とからなる。
【0054】
図5および図6はプリントヘッドカートリッジH1000の構成例を示し、図5はインクを貯留するインクタンクH1900をヘッドカートリッジ本体H1001に取り付けた状態を示す斜視図、図6はインクタンクH1900をヘッドカートリッジ本体H1001から取り外した状態を図5とは天地逆にして示す斜視図である。本例においては、ヘッドカートリッジ本体H1001は後述するキャリッジM4001に対して着脱可能に搭載されるものである。
【0055】
ここに示すプリントヘッドカートリッジH1000では、写真調の高画質なカラープリントを可能とするため、インクタンクとして、例えば、ブラック、ライトシアン、ライトマゼンタ、シアン、マゼンタおよびイエローの各色独立のインクタンクH1900が用意されており、それぞれがヘッドカートリッジ本体H1001に対して着脱自在となっている。
【0056】
図7はヘッドカートリッジ本体H1001の分解斜視図である。本例のヘッドカートリッジ本体H1001は、プリント素子基体H1100、第1のプレートH1200、電気配線基板H1300、第2のプレートH1400、タンクホルダーH1500、流路形成部材H1600、フィルタH1700、シールゴムH1800から構成されている。
【0057】
プリント素子基体H1100は、図1に示したサイドシュータ型のプリントヘッドと同等の構成を有し、Si基板の片面にインクを吐出するための複数のプリント素子と、各プリント素子に電力を供給するAl等の電極配線とが成膜技術により形成され、このプリント素子に対応した複数のインク流路と複数の吐出口H1100Tとがフォトリソグラフィ技術により形成されると共に、複数のインク流路にインクを供給するためのインク供給口が裏面に開口するように形成されている。
【0058】
図8(A)はプリント素子基体H1100上のプリント素子および電極配線の構成を示す模式的平面図、(B)はそのA−A′部の模式的断面図である。リント素子基体H1100の作成には、シリコン基板、あるいは既に駆動用のICを作り込んだシリコン基板を用いる。シリコン基板の場合は、熱酸化法、スパッタ法、CVD法などによってSiOから成る蓄熱層を形成し、ICを作り込んだシリコン基板も同様にその製造プロセス中で、SiOから成る蓄熱層を形成しておく。図8(B)では2001がその部分に相当し、2μm弱の膜厚を有する。
【0059】
次に、共通の電極配線として第1のAl層(不図示)をスパッタリング法にて0.55μmの厚みに形成し、フォトリソグラフィ法を用いて配線パターンを形成し、リアクティブイオンエッチング法でエッチングを行う。次に、スパッタ法、CVD法などによってSiN或いはSiO等から成る層間絶縁膜2002を1.4μm形成する。次いで、ヒータとしてTaSiN層2003を0.018μmの厚みに、さらに電極配線としての第2のAl層2004を0.2μmの厚みに、それぞれスパッタリング法、あるいは反応性スパッタリング法により形成する。次に、フォトリソグラフィ法を用いて配線パターンを形成し、リアクティブイオンエッチング法で、Al,TaSiNと連続的にエッチングを行う。再びフォトリソグラフィ法により図8中の符号2005で示されるように発熱部を露出させるために、ウェットエッチングによりAlを取り去る。次に、第1の保護膜2006としてSiNあるいはSiO等から成る絶縁膜を0.3μmの厚みに、スパッタリング法,プラズマCVD法などによって形成する。その上に、第2の保護膜2007としてのTa層を0.23μmの厚みに、必要に応じてパターニング処理を行いながら成膜する。
【0060】
このように作成されたプリント素子基体H1100は第1のプレートH1200に接着固定されており、ここには、プリント素子基体H1100にインクを供給するためのインク供給口H1201が形成されている。さらに、第1のプレートH1200には、開口部を有する第2のプレートH1400が接着固定されており、この第2のプレートH1400を介して、電気配線基板H1300がプリント素子基体H1100に対して電気的に接続されるよう保持されている。この電気配線基板H1300は、主にプリント素子基体H1100にインクを吐出するための電気信号を印加するものであり、プリント素子基体H1100に対応する電気配線と、この電気配線端部に位置し本体からの電気信号を受け取るための外部信号入出力端子H1301とを有しており、外部信号入出力端子H1301は、後述のタンクホルダH1500の背面側に位置決め固定されている。
【0061】
ヘッドカートリッジ本体H1001にはプリント素子基体H1100についての所要の情報、すなわち発熱部2005に対応した駆動条件を規定するための情報を格納し、装置本体に装着された際にこれを提示するための手段が設けられている。その手段としては例えば電気配線基板H1300に実装されたEEPROMやヒューズROM等の不揮発性メモリとすることができる。また、ヘッドカートリッジ本体H1001ないしプリント素子基体H1100には、温度を検出してその情報を提示するための温度センサを設けることができる。そして、それらの提示情報は外部信号入出力端子H1301を介して装置本体制御部に伝達することができる。
【0062】
一方、インクタンクH1900を着脱可能に保持するタンクホルダH1500には、流路形成部材H1600が例えば、超音波溶着により固定され、インクタンクH1900から第1のプレートH1200に亘るインク流路H1501を形成している。また、インクタンクH1900と係合するインク流路H1501のインクタンク側端部には、フィルタH1700が設けられており、外部からの塵埃の侵入を防止し得るようになっている。また、インクタンクH1900との係合部にはシールゴムH1800が装着され、係合部からのインクの蒸発を防止し得るようになっている。
【0063】
さらに、前述のようにタンクホルダH1500、流路形成部材H1600、フィルタH1700およびシールゴムH1800から構成されるタンクホルダ部と、プリント素子基体H1100、第1のプレートH1200、電気配線基板H1300および第2のプレートH1400から構成されるプリント素子部とを、接着等で結合することにより、ヘッドカートリッジ本体H1001を構成している。
【0064】
次に、再び図4を参照して上記構成のヘッドカートリッジカートリッジH1000を搭載するキャリッジM4001を説明する。
【0065】
図4に示すように、キャリッジM4001には、キャリッジM4001と係合しヘッドカートリッジH1001をキャリッジM4001上の所定の装着位置に案内するためのキャリッジカバーM4002と、ヘッドカートリッジH1001のタンクホルダーH1500と係合しヘッドカートリッジH1001を所定の装着位置にセットさせるよう押圧するヘッドセットレバーM4007とが設けられている。
【0066】
すなわち、ヘッドセットレバーM4007はキャリッジM4001の上部にヘッドセットレバー軸に対して回動可能に設けられると共に、ヘッドカートリッジH1001との係合部には、ばね付勢されるヘッドセットプレート(不図示)が備えられ、このばね力によってヘッドカートリッジH1001を押圧しながらキャリッジM4001に装着する構成となっている。
【0067】
また、キャリッジM4001のヘッドカートリッジH1001との別の係合部にはコンタクトフレキシブルプリントケーブル(図9参照、以下、コンタクトFPCと称す)E0011が設けられ、コンタクトFPC E0011上のコンタクト部とヘッドカートリッジH1001に設けられたコンタクト部(外部信号入力端子)H1301とが電気的に接触し、プリントのための各種情報等の授受やヘッドカートリッジH1001への電力の供給などを行い得るようになっている。
【0068】
ここでコンタクトFPC E0011のコンタクト部とキャリッジM4001との間には不図示のゴムなどの弾性部材が設けられ、この弾性部材の弾性力とヘッドセットレバーばねによる押圧力とによってコンタクト部とキャリッジM4001との確実な接触を可能とするようになっている。さらにコンタクトFPC E0011はキャリッジM4001の背面に搭載されたキャリッジ基板E0013に接続されている(図9参照)。
【0069】
3.プリント装置の電気回路の構成例
次に、本発明の実施形態における電気的回路構成を説明する。
図9は、この実施形態における電気的回路の全体構成例を概略的に示す図である。
【0070】
この実施形態における電気的回路は、主にキャリッジ基板(CRPCB)E0013、メインPCB(Printed Circuit Board)E0014、電源ユニットE0015等によって構成されている。
【0071】
ここで、電源ユニットE0015は、メインPCB E0014と接続され、各種駆動電源を供給する。また、メインPCB E0014は、ヘッドに対して印加するパルス電圧を後述のように可変設定する。
【0072】
キャリッジ基板E0013は、キャリッジM4001(図4)に搭載されたプリント基板ユニットであり、コンタクトFPC E0011を通じてプリントヘッドとの信号の授受を行うインターフェースとして機能する他、キャリッジM4001の移動に伴ってエンコーダセンサE0004から出力されるパルス信号に基づき、エンコーダスケールE0005とエンコーダセンサE0004との位置関係の変化を検出し、その出力信号をフレキシブルフラットケーブル(CRFFC)E0012を通じてメインPCB E0014へと出力する。また、キャリッジ基板E0013は、ヘッドカートリッジ本体H1001側の不揮発性メモリ(EEPROM)H1002が提示する駆動条件規定情報を、CRFFC E0012を介してメインPCB E0014へと伝達する。
【0073】
さらに、メインPCB E0014はこの実施形態におけるインクジェットプリント装置の各部の駆動制御を司るプリント基板ユニットであり、プリント媒体の端部を検出するための紙端検出センサ(PEセンサ)E0007、ASF(自動給紙装置)の作動を検知するためのセンサE0009、カバーM1003の開閉を検知するためのセンサE0022、パラレルインターフェース(パラレルI/F)E0016、シリアルインターフェース(シリアルI/F)E0017、レジュームキーE0019、LED E0020、電源キーE0018、ブザーE0021等に対するI/Oポートを基板上に有する。さらに、キャリッジM1400を主走査させるための駆動源をなすモータ(CRモータ)E0001、プリント媒体を搬送するための駆動源をなすモータ(LFモータ)E0002、プリントヘッドの回動動作とプリント媒体の給紙動作に兼用されるモータ(PGモータ)E0003と接続されてこれらの駆動を制御する他、インクエンプティセンサE0006、GAPセンサE0008、PGセンサE0010、CRFFCE0012、電源ユニットE0015との接続インターフェイスを有する。
【0074】
E1000はメインPCB E0014が行う制御の中核をなすコントローラであり、所要の処理手順を実行するCPU、その処理手順に対応したプログラム等固定のデータを格納したROM、画像データの展開その他の作業用に用いられるRAM、および装置電源のオフ時にも所要のデータを保持するためのEEPROM等から構成されている。
【0075】
4.プリント装置の動作
図10は上記のように構成された本発明の実施形態におけるインクジェットプリント装置の動作例を示すフローチャートである。
【0076】
AC電源に装置本体1000が接続されると、まず、ステップS1では装置の第1の初期化処理を行なう。この初期化処理では、本装置のROMおよびRAMのチェックなどの電気回路系のチェックを行ない、電気的に本装置が正常に動作可能であるかを確認する。
【0077】
次にステップS2では、装置本体M1000の上ケースM1002に設けられた電源キーE0018がオンとされたかどうかの判断を行い、電源キーE0018が押された場合には、次のステップS3へと移行し、ここで第2の初期化処理を行う。
【0078】
この第2の初期化処理では、本装置の各種駆動機構およびプリントヘッドのチェックを行なう。すなわち、各種モータの初期化やヘッドが提示する情報の読み込みを行う。
【0079】
次にステップS4ではイベント待ちを行なう。すなわち、本装置に対して、外部I/Fからの指令イベント、ユーザ操作によるパネルキーイベントおよび内部的な制御イベントなどを監視し、これらのイベントが発生すると当該イベントに対応した処理を実行する。
【0080】
例えば、ステップS4で外部I/Fからの印刷指令イベントを受信した場合には、ステップS5へと移行し、同ステップでユーザ操作による電源キーイベントが発生した場合にはステップS10へと移行し、同ステップでその他のイベントが発生した場合にはステップS11へと移行する。
【0081】
ここで、ステップS5では、外部I/Fからの印刷指令を解析し、指定された紙種別、用紙サイズ、印刷品位、給紙方法などを判断し、その判断結果を表すデータを本装置内のRAM E2005に記憶し、ステップS6へと進む。
【0082】
次いでステップS6ではステップS5で指定された給紙方法により給紙を開始し、用紙をプリント開始位置まで送り、ステップS7に進む。
【0083】
ステップS7ではプリント動作を行なう。このプリント動作では、外部I/Fから送出されてきたプリントデータを、一旦プリントバッファに格納し、次いでCRモータE0001を駆動してキャリッジM4001の主走査方向への移動を開始すると共に、プリントバッファE2014に格納されているプリントデータをプリントヘッドH1001へと供給して1行のプリントを行ない、1行分のプリントデータのプリント動作が終了するとLFモータE0002を駆動し、LFローラM3001を回転させて用紙を副走査方向へと送る。この後、上記動作を繰り返し実行し、外部I/Fからの1ページ分のプリントデータのプリントが終了すると、ステップ8へと進む。また、このプリント動作の過程で、ヘッド駆動時の温度あるいはプリントされる画像の密度等による影響を補正するために、PWM制御,K値制御が行われる。
【0084】
ステップS8では、LFモータE0002を駆動し、排紙ローラM2003を駆動し、用紙が完全に本装置から送り出されたと判断されるまで紙送りを繰返し、終了した時点で用紙は排紙トレイM1004a上に完全に排紙された状態となる。
【0085】
次にステップS9では、プリントすべき全ページのプリント動作が終了したか否かを判定し、プリントすべきページが残存する場合には、ステップS5へと復帰し、以下、前述のステップS5〜S9までの動作を繰り返し、プリントすべき全てのページのプリント動作が終了した時点でプリント動作は終了し、その後ステップS4へと移行し、次のイベントを待つ。
【0086】
一方、ステップS10ではプリント装置の動作終了処理を行ない、本装置の動作を停止させる。つまり、各種モータやヘッドなどの電源を切断するために、電源を切断可能な状態に移行した後、電源を切断しステップS4に進み、次のイベントを待つ。
【0087】
また、ステップS11では、上記以外の他のイベント処理を行なう。例えば、本装置の各種パネルキーや外部I/Fからの回復指令や内部的に発生する回復イベントなどに対応した処理、あるいはヘッドカートリッジ本体H1001やインクタンクH1002の交換に伴う所要の処理等が行われる。なお、処理終了後にはステップS4に進み、次のイベントを待つ。
【0088】
5.プリントヘッドの駆動条件の設定
図8について説明したように作製したTaSiNから成るヒータは、その比抵抗が360×10−6Ωcmであり、シート抵抗が200Ω/□、そのばらつきが±30%であった。抵抗値のばらつきが従来に比べ3倍となっているのは、ヒータの材料のみでなく膜厚を薄くすることで高抵抗化を図っているために、成膜初期における膜質不安定な領域の影響の度合いが大きくなっているからである。また、その他の条件としては従来技術で記述したものと同じで、ヒータサイズは24μm×24μm、配線抵抗は8Ω、パワートランジスタのON抵抗は17Ω±40%、K値は1.20である。
【0089】
図11は、かかる仕様のヒータを有するヘッドにおいて、室温環境に対応して本発明を成すにあたって検討した手法により駆動電力を設定した場合を示す。この図に示すように、ヘッドの抵抗値ばらつきに応じて設定されるパルス幅は1.03〜1.88μsecであり、範囲Δとしては0.85μsecとなっている。これは、図1に示した0.82〜1.29μsecの場合の範囲Δ=0.47μsecに対して、大幅に広がっており、上述したPWM制御やK値制御の設定が非常に困難となってしまう。
【0090】
これに対し、本実施形態では、プリントヘッドの吐出閾値エネルギに応じてパルス電圧を設定変更するようにする。
【0091】
図12はかかる手法を用いて室温環境に対応して駆動電力を設定した場合を示す。本実施例においてはヒータの抵抗値(シート抵抗値)に応じてパルス電圧の設定を変更している。ヒータの抵抗値が低いヘッドに対してはパルス電圧を低く、ヒータの抵抗値が高いヘッドに対してはパルス電圧を高く設定変更しているので、抵抗値の全範囲すなわちヘッドの全ランクに対して無理のない駆動電力設定が実施可能となっている。ここでは、ヘッドの全ランクに対して同一のパルス幅を設定しているが、PWM制御やK値制御に無理のない範囲で幾つかの水準のパルス幅を設定する設計としてもよい。また、印加する電圧に応じ各ランクにおいて電流値が異なるので、PWM制御およびK値制御による補正の度合いを適切に異ならせればよい。例えば、設定されるパルス電圧が低いほど、パルス幅の変調の度合いを小とすることができる。
【0092】
また、発明者の詳細な検討から以下のことが分かっている。ヒータの抵抗値ランクが異なり、その他の構造上の条件が同じヘッドAとヘッドBにおいて、吐出閾値エネルギに応じてパルス幅の設定変更を行ってヒータ表面に生成される発泡の観察、検討を行った。駆動条件は同電圧でヘッドAのヒータに与える信号のパルス幅とヘッドBのヒータに与える信号のパルス幅とを異ならせて比較を行ったところ発泡サイズ(体積)はパルス幅が長いほど大きくなり、またインク滴の吐出速度も早くなっていた。
【0093】
これに対して、ヘッドAとヘッドBとのランクの違いを電圧を変化さることで補償し、パルス幅を同じにした場合には、同等の発泡サイズ(体積)や吐出速度での吐出が行われることがわかった。
【0094】
これは、発泡時に泡がインクに対して行う仕事が、ヒータからインクに伝達される熱流束(MW/m )に支配されているからである。熱流束が同じであるということは、膜沸騰に至るインク量を同じにすることができることから、上記の吐出速度、吐出量という吐出特性を同等のすることができる。また、熱流束は、単位をみれば明らかなように、単位時間、単位ヒータ面積当りの発泡に寄与するWattageであり、パルス幅によって支配される。このことから、ヒータの抵抗値のランクが異なるヘッドにおいては、電圧をランクに対応させて変え、パルス幅を同じにすることで同等の熱流束を得ることができ、結果として、同等の吐出特性を得ることができる。
【0095】
記録DUTYによってヘッド内の回路に電圧降下が生じる場合に、この電圧降下分をパルス幅を変調することで補償しようとすると、投入エネルギー量の不足分の補償以外に上述したように吐出特性が変化してしまう。そこで、吐出特性を変化させない状態で電圧降下分を補償するには、与えるパルス幅を変化させずに、駆動電圧を変更して吐出量の調整を行うことが望ましい。
【0096】
このような実施形態では、ヘッドに印加する駆動信号のパルス幅を1μsec前後の範囲で制御しているので、ヒータの急速加熱が行われ、従ってインクの発泡の安定性が高く、ゆらぎが非常に少ない。また、プリントの高速化および高画質化を図るべく各ノズルに対する吐出周期が短くなっても、これに対応することが可能である。
【0097】
なお、上述のように設定すべき最適な駆動条件は、プリントヘッドないしヘッドカートリッジ本体H1001の出荷検査工程で実測を行い、ヘッドカートリッジ本体H1001が有する記憶手段(EEPROM H1102)に書き込んでおくことも可能である。
【0098】
実測の一例としては、任意に定めたパルス幅を固定したまま、電圧を漸次減少させつつ駆動パルスを順次印加し、複数ある発熱抵抗素子に対応した複数の吐出口のうち必要数、好ましくはプリント動作に関与する吐出口のすべてから良好な吐出動作が確認される電圧値の範囲を求めるものとすることができる。そして、その範囲の電圧の最大値または最小値を記憶手段に保持させ、最大値と最小値との差はマージン分として設計に含ませておくことができる。
【0099】
なお、パルス電圧の漸次減少による実測工程に際しては、プリント素子基体H1100に設けた測定用抵抗素子やヒューズROMの値を参照して推定した値を開始値として設定し、複数の吐出口のうち必要数、好ましくはプリント動作に関与する吐出口のすべてからは良好な吐出動作が確認されなくなる直前の電圧値を最小値として求めるようにすれば、実測工程数の削減および実測時間の短縮が図られる。
【0100】
このように実測工程で得られた電圧値に上記マージン分に見合った適切な補正値(K値)を乗じることで最適な駆動パルス電圧とする。そしてこれをEEPROM H1102等の記憶手段に書き込んでおくことで、プリント装置に搭載した際にプリント装置がこれを読み取り、搭載されたヘッドに最適な駆動パルス電圧を設定することができる。従って、プリント動作に際しては適切な駆動条件をもってパルスが印加され、さらにヘッド駆動時の温度やプリントすべき画像の密度等による影響を補正するためのPWM制御や、K値の制御を適切に行うことができるようになる。
【0101】
ヘッド温度が変化しヒータ表面のインク温度も変化している場合には、同じ駆動電圧で駆動した場合には、ヘッド温度が高い方がよりパルス幅が短くなってしまう。これは、パルス印加前のヒータ表面のインク温度が高くなっており、より短い時間で発泡温度に達してしまうためである(図14参照)。そこで、ヘッド温度に対して熱流束を一定にするためには、時間に対するヒータ表面のインク温度の傾きを温度毎に一定にしたまま、インク温度の差を考慮する必要がある。すなわち、常温でのヒータ表面のインク温度が、ヘッド昇温時のヒータ表面のインク温度に達するまでの時間に相当するだけパルスを短くすることが必要である。すなわちヘッド温度に応じた場合には、駆動パルス電圧を変更させパルス幅を一定にするのではなく、駆動パルス幅を変更する制御をすることにより熱流束を一定にし吐出特性を安定させることができる。
【0102】
また、上述したように記録のデューティにおける電圧降下の補償のための駆動信号の調整は、パルス幅を変化させずに駆動電圧の変更を優先し、温度変化に対する駆動信号の調整は電圧を変調せずにパルス幅で変調するというように、電圧による変調とパルス幅による変調を組み合わせて使用しても良い。
【0103】
6.他の実施形態
本発明は以上の実施形態に限定されることはなく、本発明の目的が達成され得るものであれば種々の変更が可能である。
【0104】
図13は、抵抗値の全範囲すなわちヘッドの全ランクのそれぞれに対してパルス幅を幾つかの水準に分けた以外は、上述の実施形態と同様の例を示す。本実施形態では、先の実施形態に比べて、パルス電圧の設定変更範囲を小とできるので、プリント装置側の負荷を軽減することができる。
【0105】
また、上述の実施形態では最適な駆動パルス電圧等の情報自体をヘッドカートリッジ本体のEEPROM H1102に書き込んでおくようにしたが、最適な駆動パルス電圧をプリント装置側で求めるようにすることもできる。すなわち、ヘッドカートリッジ本体側では最適な駆動条件を求めるのに必要な情報(ヘッドのランクやパワートランジスタのオン抵抗,マージンなど)を格納する一方、プリント装置側には図12または図13に示したようなテーブルをROM等に保持しておき、ヘッドカートリッジ本体の装着によって提示されるそれら情報に基づいてテーブル参照を行うことで、最適な駆動条件を設定するようにしてもよい。
【0106】
さらに、ヘッドカートリッジ本体がプリント装置に提示するための情報の記憶手段としては、上述のようなEEPROMに限られず、ヒューズROM,バッテリによりバックアップされたRAM,DIPスイッチ等とすることができ、あるいはそれらのような電気的手段のほか、光学的,磁気的,機械的な手段とすることもできる。そして、その形態に応じてプリント装置側の読み取り手段の構成を定めることができるのは勿論である。
【0107】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、例えば通電に応じて発熱する発熱抵抗素子によりインク内に膜沸騰を生じさせ、バブルの成長・収縮を利用して吐出口よりインクを吐出させるサーマルインクジェット方式のインクジェットプリントヘッドにおいて、ヒータの膜厚を薄くしたり、ヒータ形状の工夫によりシート数を実質的に増大させる等の手段を採用した場合に発生する抵抗値ばらつきの増大に対し、ヘッドの吐出閾値エネルギに応じて基本的にパルス電圧の設定変更を行う構成を採用した。従って、プリントヘッドの製造上のばらつきに起因したヘッド毎の抵抗値ばらつき範囲に対して、無理なく最適な駆動電力条件を設計することが可能となる。そのため、ヘッド製造上のばらつきの度合いの増加に対して、コストを犠牲にすることなく、より小さなインク滴を効率良く吐出できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】インクジェットプリントヘッドに用いられる所謂サイドシュータ型の基体の構成例を示す斜視図である。
【図2】ランクに応じた従来のプリントヘッドの駆動条件を説明するための説明図である。
【図3】本発明の一実施形態におけるインクジェットプリント装置の外観構成を示す斜視図である。
【図4】図3に示すプリント装置の外装部材を取り外した状態を示す斜視図である。
【図5】本発明の一実施形態に用いられるヘッドカートリッジを組立てた状態を示す斜視図である。
【図6】図5におけるインクタンクをヘッドカートリッジ本体から取り外した状態を、図5とは天地逆にして示す斜視図である。
【図7】図5におけるヘッドカートリッジの分解斜視図である。
【図8】(A)は図7におけるプリント素子基体上のプリント素子および電極配線の構成を示す模式的平面図、(B)はそのA−A′部の模式的断面図である。
【図9】本発明の一実施形態に係るプリント装置の制御系の全体構成を概略的に示すブロック図である。
【図10】図9の制御系の構成を用いたプリント装置の動作例を示すフローチャートである。
【図11】図8に示したプリント素子基体を有するプリントヘッドに対し、ランクに応じた従来と同様の駆動条件を適用する場合の不都合を説明するための説明図である。
【図12】図8に示したプリント素子基体を有するプリントヘッドに対して適用可能な本発明の一実施形態による駆動条件を説明するための説明図である。
【図13】図8に示したプリント素子基体を有するプリントヘッドに対して適用可能な本発明の他の実施形態による駆動条件を説明するための説明図である。
【図14】ヒータ表面温度の時間遷移を示す図である。
【符号の説明】
M1000 装置本体
M1001 下ケース
M1002 上ケース
M1003 アクセスカバー
M3001 LFローラ
M3019 シャーシ
M3029 搬送部
M4001 キャリッジ
M4021 キャリッジ軸
M5000 回復系ユニット
E0001 キャリッジモータ
E0002 LFモータ
E0011 コンタクトFPC(フレキシブルプリントケーブル)
E0012 CRFFC(フレキシブルフラットケーブル)
E0013 キャリッジ基板
E0014 メイン基板
H1000 ヘッドカートリッジ
H1001 ヘッドカートリッジ本体
H1100 プリント素子基体
H1100T 吐出口
H1102 EEPROM(記憶手段)
H1200 第1のプレート
H1201 インク供給口
H1300 電気配線基板
H1900 インクタンク
2001 蓄熱層
2002 層間絶縁膜
2003 ヒータ
2004 電極配線
2005 発熱部
2006 第一の保護膜
2007 第二の保護膜

Claims (15)

  1. インクを吐出することによりプリント媒体にプリントを行うために用いられるインクジェットプリントヘッドの駆動制御方法であって、
    前記インクジェットプリントヘッドからインク吐出される閾値の電気的エネルギに係る情報に応じて、前記インクジェットプリントヘッドに投入する駆動信号の電圧を設定し、前記インクジェットプリントヘッドの駆動時の条件に基づいて、さらに前記駆動信号のパルス幅を変調し、
    その変調は、設定される電圧が低いほど、前記パルス幅の変調の度合いが小さくなるように行われることを特徴とするインクジェットプリントヘッドの駆動制御方法。
  2. 前記インクジェットプリントヘッドの前記閾値の電気的エネルギが小さいほど、前記駆動信号の電圧を低く設定することを特徴とする請求項1に記載のインクジェットプリントヘッドの駆動制御方法。
  3. 前記インクジェットプリントヘッドの前記閾値の電気的エネルギに係る情報に応じて、パルス幅を一定にするように、前記インクジェットプリントヘッドのヒータからインクヘの熱流束を一定にするように駆動信号を与えることを特徴とする請求項1に記載のインクジエットプリントヘッドの駆動制御方法。
  4. 前記インクジェットプリントヘッドの前記閾値の電気的エネルギに係る情報に応じて、パルス幅を一定にするように、前記インクジェットプリントヘッドに投入する駆動信号の電圧を設定することを特徴とする請求項1に記載のインクジェットプリントヘッドの駆動制御方法。
  5. 前記駆動時の条件として、前記インクジェットプリントヘッドの温度とプリント密度との少なくとも一方を含むことを特徴とする請求項に記載のインクジェットプリントヘッドの駆動制御方法。
  6. 前記インクジェットプリントヘッドは前記インクを吐出するための複数の吐出口と、該複数の吐出口からインクを吐出させるためのエネルギを作用する複数の素子とを有し、前記閾値の電気的エネルギは、前記複数の素子に投入されて前記複数の吐出口からインク吐出が行われる最小値の電気的エネルギに基づく値であることを特徴とする請求項1ないしのいずれかに記載のインクジェットプリントヘッドの駆動制御方法。
  7. 前記インクジェットプリントヘッドは前記インクを吐出するための複数の吐出口と、該複数の吐出口からインクを吐出させるためのエネルギを作用する複数の素子とを有し、前記閾値の電気的エネルギは、前記複数の素子に投入されて前記複数の吐出口からインク吐出が行われる最大値の電気的エネルギに基づく値であることを特徴とする請求項1ないしのいずれかに記載のインクジェットプリントヘッドの駆動制御方法。
  8. 前記閾値の電気的エネルギに係る情報は、前記インクジェットプリントヘッドについて予め計測された値に基づく数値であって当該インクジェットプリントヘッドの記憶手段に記憶された数値であり、当該情報に応じて前記駆動信号の電圧を設定することを特徴とする請求項1ないしのいずれかに記載のインクジェットプリントヘッドの駆動制御方法。
  9. 前記インクジェットプリントヘッドは、インクを吐出するために利用されるエネルギとして、前記駆動信号に応じてインクに膜沸騰を生じさせる熱エネルギを発生する素子を有することを特徴とする請求項1ないしのいずれかに記載のインクジェットプリントヘッドの駆動制御方法。
  10. インクを吐出することによりプリント媒体にプリントを行うインクジェットプリント装置であって、
    前記インクジェットプリント装置に搭載されたインクジェットプリントヘッドからインクが吐出される閾値の電気的エネルギに係る情報に応じて、前記インクジェットプリントヘッドに投入する駆動信号の電圧を設定する設定手段と、
    前記インクジェットプリントヘッドの駆動時の条件に基づいて、さらに前記駆動信号のパルス幅の変調を行う制御手段とを備え、
    前記制御手段は、設定される電圧が低いほど、前記パルス幅の変調の度合いが小さくな るように変調を行うことを特徴とするインクジェットプリント装置
  11. 前記制御手段は、前記インクジェットプリントヘッドの前記閾値の電気的エネルギが小さいほど、前記駆動信号の電圧を低く設定することを特徴とする請求項10に記載のインクジェットプリント装置。
  12. 前記駆動時の条件として、前記インクジェットプリントヘッドの温度とプリント密度との少なくとも一方を含むことを特徴とする請求項10または11に記載のインクジェットプリント装置。
  13. 前記インクジェットプリントヘッドは前記インクを吐出するための複数の吐出口と、該複数の吐出口からインクを吐出させるためのエネルギを作用する複数の素子とを有し、前記閾値の電気的エネルギは、前記複数の素子に投入されて前記複数の吐出口からインク吐出が行われる最小値の電気的エネルギに基づく値であることを特徴とする請求項10ないし12のいずれかに記載のインクジェットプリント装置。
  14. 前記インクジェットプリントヘッドは前記インクを吐出するための複数の吐出口と、該複数の吐出口からインクを吐出させるためのエネルギを作用する複数の素子とを有し、前記閾値の電気的エネルギは、前記複数の素子に投入されて前記複数の吐出口からインク吐出が行われる最大値の電気的エネルギに基づく値であることを特徴とする請求項10ないし13のいずれかに記載のインクジェットプリント装置。
  15. 前記閾値の電気的エネルギに係る情報は、前記インクジェットプリントヘッドについて予め計測された値に基づく数値であって当該インクジェットプリントヘッドの記憶手段に記憶された数値であることを特徴とする請求項10ないし14のいずれかに記載のインクジェットプリント装置。
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