JP4100681B2 - アキュムレータ構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、アキュムレータ構造の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
たとえば、特許文献1に開示のフロントフォークにあっては、内部にブラダたる弾性隔壁体で膨縮可能に画成される気室を有していて、この気室における内圧、すなわち、圧力でフロントフォークの軸芯部に配在されてこのフロントフォークの伸縮作動時に同時に伸縮作動して所定の伸側および圧側の各減衰力を発生するダンパにおける内圧を保障するとしている。
【0003】
それゆえ、気室における内圧を適宜に設定することで、フロントフォークが伸び切り状態にあるときにもダンパにおける内圧を負圧にせず、したがって、フロントフォークが伸び切り状態から収縮作動を開始する当初から、ダンパによって所定の圧側減衰力を発生し得ることになる。
【0004】
【特許文献1】
実公平4−52502号公報(実用新案登録請求の範囲(2),同(4))
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の弾性隔壁体を有するアキュムレータ構造を看ると、作動油の油温が上昇して体積が膨張するときに、ダンパを含むフロントフォークの収縮作動、特に、最収縮作動を望めなくなる危惧がある。
【0006】
すなわち、上記のアキュムレータ構造にあって、弾性隔壁体で画成される気室の容積は、基本的には、最収縮するダンパから排出される作動油の油量を吸収することを含めて最収縮するフロントフォーク内における容積変化に対応するのに必要にして十分な大きさを有するように設定される。
【0007】
そして、アキュムレータ構造は、作動油の油温が上昇して作動油の体積が膨張するときにも、この膨張体積を気室の収縮で吸収できるようにも設定される。
【0008】
このとき、上記したフロントフォークにおける容積変化への対応と膨張体積の吸収とを併せて実現し得るように気室の容積を設定すると、気室をいわゆる大きく形成することになり、フロントフォークの大径化や長尺化を招く。
【0009】
そこで、いわゆる折衷案となる容積が選択されるが、作動油の油温が上昇して体積が大幅に膨張している状態下にフロントフォークが最収縮しようとすると、その最収縮前に弾性隔壁体が最収縮状態になり、したがって、このとき、フロントフォークのさらなる収縮が阻止されて、いわゆるロック状態になることが予想される。
【0010】
そして、このロック状態下にダンパがさらに収縮するようになると、高圧作用でオイルシールの損傷が招来され、延いては、オイルシールの損傷に伴う作動油の漏出などが招来されることになる。
【0011】
この発明は、このような現状を鑑みて創案されたものであって、その目的とするところは、弾性隔壁体が最収縮されてそれ以上の収縮を望み得ない状況下に弾性隔壁体を最収縮させている原因作動の延長を可能にして、たとえば、ダンパを内蔵するフロントフォークへの利用に最適となるアキュムレータ構造を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記した目的の達成のために、本発明の手段は、 ハウジングと、ハウジング内に隔成した油室と、ハウジングに形成されて外部のリザーバに連通するドレンポートと、ハウジングに出没自在に挿入されたベース体と、上記ベース体の出没に伴って上記油室を上記ドレンポートに開閉させる圧抜き流路と、上記ベース体とハウジングとの間に設けられて上記圧抜き流路を閉じる方向に上記ベース体を附勢するリリーフスプリングと、上記ベース体に保持されながら上記ハウジング内に油室を画成する弾性隔壁体と、上記弾性隔壁体内に画成した気室と、ハウジング内に設けられて上記気室に連通する容室と、上記容室にエア封入栓を介して連通する圧気給排源とからなることを特徴とするものである。
この場合、ベース体における胴部の外周に縮径部を形成して圧抜き流路を形成するのが好ましい。
【0013】
それゆえ、ハウジング内の油圧が圧抜き流路を介してリザーバに解放されるから、ハウジング内で弾性隔壁体を最収縮させている油圧を超える油圧が作用するときに、この油圧作用を、すなわち、ハウジング内で弾性隔壁体を最収縮させている原因作動の延長を可能にし得ることになる。
【0015】
それゆえ、この弾性隔壁体の内側に画成される気室が容室に連通し得るから、この容室がない場合の気室に比較して、気室の容量を大きく設定し得ることになる。
【0016】
そして、容室における気圧の高低を選択することで、気室が単に容室に連通する場合に比較して、気室における内圧を爾後にも所望の値に設定し得ることになる。
【0017】
また、このアキュムレータ構造をフロントフォークに具現化されるとき、ハウジングがフロントフォークを形成する車体側チューブの軸芯部に配在のダンパにおけるシリンダ体に連設されてなると共に、車体側チューブの内側がハウジングあるいは上記のシリンダ体との間に画成されてベース体とハウジングの間に形成される圧抜き流路を連通させるリザーバとされてなるとするのが好ましい。
【0018】
それゆえ、このアキュムレータ構造がフロントフォークに具現化される場合には、このアキュムレータ構造で保障される圧力がフロントフォークの軸芯部に配在されてこのフロントフォークの伸縮作動時に同時に伸縮作動して所定の伸側および圧側の各減衰力を発生するダンパにおける内圧を保障することになる。
【0019】
その結果、たとえば、フロントフォークが伸び切り状態にあるときにもダンパにおける内圧が負圧にならず、したがって、フロントフォークが伸び切り状態から収縮作動を開始する当初から、ダンパによって所定の圧側減衰力を発生し得ることになる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施の形態を図に基づいて説明する。
本発明のアキュムレータ構造は、図1の原理図に示すように、 ハウジング1と、ハウジング1内に隔成した油室Rと、ハウジング1に形成されて外部のリザーバTに連通するドレンポート11aと、ハウジング1に出没自在に挿入されたベース体3と、上記ベース体3の出没に伴って上記油室Rを上記ドレンポート11aに開閉させる圧抜き流路と、上記ベース体3とハウジング1との間に設けられて上記圧抜き流路を閉じる方向に上記ベース体3を附勢するリリーフスプリング4と、上記ベース体3に保持されながら上記ハウジング1内に油室Rを画成する弾性隔壁体2と、上記弾性隔壁体2内に画成した気室A1と、ハウジング1内に設けられて上記気室A1に連通する容室Aと、上記容室Aにエア封入栓を介して連通する圧気給排源とからなるものである。
上記ベース体3に保持されながら上記ハウジング1内に油室Rを画成する弾性隔壁体2と、上記弾性隔壁体2内に画成した気室A1と、ハウジング1内に設けられて上記気室A1に連通する容室Aと、
【0021】
すなわち、まず、ハウジング1は、このアキュムレータ構造における外郭を形成するもので、多くの場合に、このハウジング1が画成する油室Rにおける内圧に対して所定の機械的強度を有する円筒状に形成されるであろう。
【0022】
なお、アキュムレータ構造の機能するところからすれば、上記のハウジング1は、原理的には圧力容器形状に形成されていれば良く、その限りでは、任意の形状に形成されて良い。
【0023】
ところで、このハウジング1の上端開口は、適宜肉厚のキャップ部11で閉塞されるとしており、このとき、図示するところでは、キャップ部11にドレンポート11aが開穿されていて、このドレンポート11aは、外部のリザーバたるタンクTに連通するとしている。
【0024】
また、このキャップ部11にあっては、図示するところでは、軸芯部に容室Aを有していて、この容室Aに後述するベース体3の基端部31を出没可能に挿通させるとしている。
【0025】
そして、上記の容室Aは、キャップ部11に保持されたエア封入栓12を介して外部に配在の図示しない圧気給排源と連通し得るとしており、この圧気給排源に連通されることで、容室Aにおける内圧を高低変更し得るとしている。
【0026】
つぎに、弾性隔壁体2は、図示するところでは、ブラダからなるとし、上記したハウジング1内に収装されて、すなわち、ハウジング1で画成される油室Rに臨在されてこのハウジング1内における圧力作用で膨縮して内側に画成する気室A1の容積を大小するとしている。
【0027】
このとき、この気室A1は、後述するベース体3の胴部32に開穿の連通孔32aを介して前記した容室Aに連通するとしている。
【0028】
それゆえ、図示する実施形態にあって、この弾性隔壁体2の内側に画成される気室A1が言わば外部となる容室Aに連通するから、この容室Aがない場合の気室A1に比較して、気室A1の容量を大きく設定し得ることになる点で有利となる。
【0029】
そして、このとき、図示する実施形態にあっては、容室Aにおける気圧の高低を選択し得るから、気室A1が単に容室Aに連通する場合に比較して、気室A1における内圧を爾後にも所望の値に設定することが可能になる点で有利となる。
【0030】
ベース体3は、基本的には、上記した弾性隔壁体2を図中で下端部となる保持部33の外周に保持させるとするもので、図示するところでは、締付バンド21による締め付けで弾性隔壁体2の開口端を定着させるとしている。
【0031】
また、このベース体3は、前記したように、基端部31をハウジング1におけるキャップ部に形成される容室Aに出没可能に臨在させると共に、胴部32に開穿した連通孔32aで弾性隔壁体2内の気室A1と上記の容室Aとを連通している。
【0032】
ちなみに、このベース体3にあっては、基端部31が容室Aから抜け出していわゆる脱落しないようにするために、図示するところでは、ハウジング1におけるキャップ部11に連設されて容室Aの軸芯部に垂設されたガイドロッド13に介装されると共に、このガイドロッド13における下端のストッパ部13aに胴部32が担持されてなるとしている。
【0033】
このとき、基端部31の抜け出しによる脱落を阻止し得る限りには、図示しないが、上記のガイドロッド13の形成に代えて、自由な方策を選択できることはもちろんである。
【0034】
その一方で、この発明にあって、ベース体3は、胴部32に外径を上記の基端部31より小径とする縮径部32bを有しており、この縮径部32bがこの発明に言う圧抜き流路を形成するとしている。
【0035】
すなわち、ベース体3は、後述するリリーフスプリング4の附勢力によって図中で下降する方向たる前進方向に附勢されているが、図示する前進状態にあるときには、上記の縮径部32bがキャップ部11の容室A側に臨在されることがなく、したがって、この縮径部32bがキャップ部11に形成のドレンポート11aに連通し得ないとしている。
【0036】
しかし、ベース体3が油室Rにおける油圧作用で、リリーフスプリング4の附勢力に抗して、図中で上昇するように後退するときには、上記の縮径部32bがキャップ部11の容室A側に臨在されることになり、したがって、この縮径部32bがハウジング1との間に圧抜き流路を形成することになる。
【0037】
その結果、ベース体3がリリーフスプリング4の附勢力に抗して後退するときには、縮径部32bとハウジング1との間に形成される圧抜き流路が上記のドレンポート11aに連通し得ることになり、ハウジング1内の油室Rで弾性隔壁体2に作用している圧力がこの圧抜き流路を介してリザーバたるタンクTに解放されることになる。
【0038】
リリーフスプリング4は、上記したように、ハウジング1とベース体3との間に、すなわち、前記したキャップ部11と上記の保持部33との間に配在されていて、ベース体3を図中で下降する方向たる前進方向に附勢している。
【0039】
このとき、このリリーフスプリング4は、ベース体3を後退させる油圧作用が油室Rで解除されるとき、図示するいわゆる旧状に復帰させるための附勢力を有する。
【0040】
以上のように形成されたこの発明によるアキュムレータ構造にあっては、ハウジング1内の油圧が圧抜き流路を介してリザーバたるタンクTに解放されることになるから、ハウジング1内で弾性隔壁体2を最収縮させている油圧を、すなわち、油圧作用を解消し得ることになる。
【0041】
また、ハウジング1内で弾性隔壁体2を最収縮させていた圧力作用が解消されるから、ハウジング1内で弾性隔壁体2を最収縮させている原因作動の延長を可能にし得ることになる。
【0042】
図2は、この発明によるアキュムレータ構造を自動二輪車における車体と前輪との間に架装されるフロントフォークに具現化したところを示すものであるが、以下には、この実施形態について少し説明する。
【0043】
なお、この図2に示すところで、アキュムレータ構造について、その構成が前記したところと同様となるところについては、図中に同一の符号を付するのみとして、要する場合を除き、その詳しい説明を省略する。
【0044】
すなわち、まず、フロントフォークは、車体側チューブ5の図示しない下端側が同じく図示しない車輪側チューブの上端側に出没可能に挿通されてなるとしている。
【0045】
このとき、同じく図示しないが、車体側チューブ5と車輪側チューブとの間には懸架バネが配在されていて、この懸架バネの附勢力で車体側チューブが車輪側チューブ内から突出する方向に、すなわち、フロントフォークが伸側方向に附勢されてなるとしている。
【0046】
そして、このフロントフォークの軸芯部には倒立型に設定されたダンパDが配在されてなるとしており、このダンパDを形成するシリンダ体6が車体側チューブ5の軸芯部に垂設され、同じくダンパDを形成してシリンダ体6内に先端側が出没可能に挿通されるロッド体(図示せず)が車輪側チューブの軸芯部に起立されるとしている。
【0047】
ちなみに、シリンダ体6は、車体側チューブ5の軸芯部に垂設されるとしているが、図示するところでは、シリンダ体6の図中で上端となるボトム端にこの発明によるアキュムレータ構造を形成するハウジング1の下端を連設させるとし、このハウジング1の上端を車体側チューブ5の上端に連結させることで、シリンダ体6を車体側チューブ5の軸芯部に垂設するとしている。
【0048】
そして、ダンパDにおけるシリンダ体6内には、図示しないが、ロッド体の先端に連設されたピストンが摺動可能に収装されていて、このピストンによってシリンダ体6内に図中に符号R1で示す圧側油室と図示しない伸側油室を画成するとしている。
【0049】
そしてまた、シリンダ体6のボトム部61には、ダンパDが収縮作動するときに圧側油室R1からの油を上記のハウジング1内おける油室Rに流出することを許容しながら圧側減衰力を発生する圧側減衰バルブ61aと、これに並列する圧側チェック弁61bとが配在されてなるとしている。
【0050】
それゆえ、このフロントフォークにおけるダンパDにあっては、ハウジング1内に弾性隔壁体2で画成される気室A1を有してなるから、この気室A1における圧力がシリンダ体6におけるボトム部61を介してシリンダ体6内の圧側油室R1および伸側油室に及ぶことになる。
【0051】
それ故、シリンダ体6内は、気室A1の圧力によって常時加圧されている状態になり、したがって、フロントフォーク、すなわち、ダンパDが伸び切り状態にあるときにも、このダンパDにおける内圧を負圧にならない。
【0052】
その結果、たとえば、フロントフォークが伸び切り状態から収縮作動を開始する当初から、ダンパDにおける圧側減衰バルブ61aによって所定の圧側減衰力を発生し得ることになる。
【0053】
一方、フロントフォークの軸芯部に配在されているアキュムレータ構造にあっても、弾性隔壁体2で画成される気室A1がキャップ部11に形成の容室Aに連通されるとしている。
【0054】
ただ、図示するところでは、ベース体3における保持部33に開穿されている連通孔33aと、保持部33から胴部32および基端部31にかけての内周とガイドロッド13の上端側の外周との間に形成されている筒状隙間33bを介して連通するとしている。
【0055】
また、このアキュムレータ構造にあっては、キャップ部11の下端に連設されてキャップ部11に形成の容室Aを下方から閉塞しながらキャップ部11の一部となる環状の隔壁部材14を有している。
【0056】
そして、この隔壁部材14の内周をベース体3における基端部31が貫通するとしており、このとき、基端部31の外周と隔壁部材14の内周との間における液密性が確保されるとしている。
【0057】
また、この隔壁部材14は、径方向に開穿されたドレンポート14aを有していて、この隔壁部材14における内周側を外周側に、すなわち、ハウジング1と車体側チューブ5との間に画成されるリザーバたるリザーバ室R2に連通させるとしている。
【0058】
一方、ベース体3における胴部32に形成の縮径部32bは、弾性隔壁体2が最収縮せずして、したがって、ベース体3が図示する下降した状態にあるときには、上記の隔壁部材14の下方に位置決められるとしている。
【0059】
そして、この縮径部32bは、弾性隔壁体2が最収縮し、しかも、図3に示すように、ベース体3が上昇した状態になるときには、上記の隔壁部材14の下端側の内周に位置決められ、したがって、この縮径部32bと隔壁部材14の内周との間に圧抜き流路が形成されることになる。
【0060】
ちなみに、図3に示すところでは、縮径部32bの外周に隔壁部材14の下端側の内周に保持されているシール部材14bの内周が隣接しているが、このシール部材14bと縮径部32bの外周との間に上記の圧抜き流路が形成されることになる。
【0061】
それゆえ、このフロントフォークにあっては、作動油の油温が上昇して体積が大幅に膨張し、したがって、弾性隔壁体2が最収縮状態になっている状態下に、最収縮しようとするとき、ハウジング1内の油室Rにおける油圧作用で、弾性隔壁体2がベース体3と共に上昇して、上記の圧抜き流路を形成することになり、フロントフォークが最収縮しようとする際の油圧をリザーバ室R2に解放し得ることになる。
【0062】
すなわち、アキュムレータ構造を形成するベース体3の基端部31の半径Wで表出される断面積と、ガイドロッド13の半径W1で表出される断面積との差に対する油圧力がリリーフスプリング4の附勢力に優るときに、上記の圧抜き流路が出現して、上記の油圧をリザーバに解放して、上記の油圧力を解消し得ることになる。
【0063】
また、このフロントフォークにあっては、作動油の油温が上昇して体積が大幅に膨張し、したがって、弾性隔壁体2が最収縮状態になっている状態で、ダンパD内の油圧が上昇する場合にも、この油圧をリザーバに解放し得ることになる。
【0064】
その結果、この発明によるアキュムレータ構造を具現化するフロントフォークにあっては、ダンパDを含むフロントフォークにおけるいわゆるロック状態の発現がなく、このロック状態が発現されるとすれば招来されるであろう高圧作用によるオイルシールの損傷と、これに起因する作動油の漏出が招来されないことになる。
【0065】
前記したところは、この発明のアキュムレータ構造が自動二輪車における車体と前輪との間に架装されるフロントフォークに具現化されるとしたが、この発明のアキュムレータ構造の構成からすれば、四輪車両における車体と車輪との間に架装される油圧緩衝器に具現化されるとしても良く、その場合の作用効果が異なるものでないことはもちろんである。
【0066】
【発明の効果】
以上のように、請求項1の発明にあっては、ハウジング内の油圧を圧抜き流路を介してリザーバに解放し得るから、ハウジング内で弾性隔壁体を最収縮させる油圧を超える油圧が作用するときに、この油圧作用を、すなわち、ハウジング内で弾性隔壁体を最収縮させている原因作動の延長を可能にし得ることになる。
【0067】
同じく、請求項1の発明にあっては、この弾性隔壁体の内側に画成される気室が容室に連通し得るから、この容室がない場合の気室に比較して、気室の容量を大きく設定し得ることになる。
【0068】
そして、容室における気圧の高低を選択することで、気室が単に容室に連通する場合に比較して、気室における内圧を爾後にも所望の値に設定し得ることになる。
【0069】
そして、請求項3の発明にあっては、アキュムレータ構造がフロントフォークに具現化される場合に、フロントフォークの軸芯部に配在されてこのフロントフォークの伸縮作動時に同時に伸縮作動して所定の伸側および圧側の各減衰力を発生するダンパにおける内圧がアキュムレータ構造で保障されることになる。
【0070】
このとき、アキュムレータ構造は、フロントフォークが伸び切り状態にあるときにもダンパにおける内圧を負圧にしないから、したがって、フロントフォークが伸び切り状態から収縮作動を開始する当初から、ダンパによって所定の圧側減衰力を発生し得ることになる。
【0071】
その結果、この発明にあっては、弾性隔壁体が最収縮されてそれ以上の収縮を望み得ない状況下に弾性隔壁体を最収縮させている原因作動の延長を可能にすることになり、たとえば、ダンパを内蔵するフロントフォークへの利用に最適となる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明によるアキュムレータ構造を原理的に示す図である。
【図2】この発明によるアキュムレータ構造を具現化したフロントフォークを一部破断して示す部分縦断面図である。
【図3】作動状態にあるアキュムレータ構造における要部を示す部分拡大縦断面図である。
【符号の説明】
1 ハウジング
2 弾性隔壁体
3 ベース体
4 リリーフスプリング
5 車体側チューブ
11 キャップ部
11a ドレンポート
12 エア封入栓
13 ガイドロッド
13a ストッパ部
21 締付バンド
31 基端部
32 胴部
32a 連通孔
32b 縮径部
33 保持部
61 ボトム部
61a 圧側減衰バルブ
61b 圧側チェック弁
A 容室
A1 気室
D ダンパ
R 油室
R1 圧側油室
T リザーバたるタンク
Claims (3)
- ハウジング1と、ハウジング1内に隔成した油室Rと、ハウジング1に形成されて外部のリザーバTに連通するドレンポート11aと、ハウジング1に出没自在に挿入されたベース体3と、上記ベース体3の出没に伴って上記油室Rを上記ドレンポート11aに開閉させる圧抜き流路と、上記ベース体3とハウジング1との間に設けられて上記圧抜き流路を閉じる方向に上記ベース体3を附勢するリリーフスプリング4と、上記ベース体3に保持されながら上記ハウジング1内に油室Rを画成する弾性隔壁体2と、上記弾性隔壁体2内に画成した気室A1と、ハウジング1内に設けられて上記気室A1に連通する容室Aと、上記容室Aにエア封入栓12を介して連通する圧気給排源とからなるアキュムレータ構造。
- ベース体3における胴部32の外周に縮径部32bを形成して圧抜き流路を形成している請求項1に記載のアキュムレータ構造
- ハウジング1がフロントフォークを形成する車体側チューブ5に配在のダンパDにおけるシリンダ体6に連設されてなると共に、車体側チューブ5の内側がハウジング1あるいは上記のシリンダ体6との間に画成されてベース体3とハウジング1の間に形成される圧抜き流路を連通させるリザーバR2とされてなる請求項1に記載のアキュムレータ構造
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