JP4100598B2 - 電子部品挟持用ピンセット - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ピンセットに関し、更に詳しくは例えば集積回路(IC)やMRヘッド等の電子部品の挟持作業に好適なよう形成した電子部品挟持用ピンセットに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来この種のピンセットとしては、例えば先端の挟持箇所を、体積抵抗率が所定値の半導電質に形成したり、挟持箇所に硬質炭素膜を被着したり、又挟持箇所とこの挟持箇所に連なる把持部との体積抵抗率を違えて形成したり、更には挟持箇所を、体積抵抗率が所定値のジルコニアセラミックスで形成すると共に、所定の曲げ強度に形成したもの等が知られている(例えば特開平8−39441号公報、特開平10−128676号公報、特開平10ー235566号公報、特開平10ー296646号公報等参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところでIC等の電子部品は、ピンセットによる挟持作業時に、例えば人体に帯電している静電気がピンセット先端から放電することによって破壊されることがある。一方、電子部品は、それ自体、周辺のものとの接触によって静電気を帯び易い。従ってこの種の電子部品用のピンセットは、挟持作業時に、人体や電子部品自体に帯電している電荷を逃して除去できるよう形成されているのが望ましい。
【0004】
而してこのような静電気対策が施されることによって、ピンセット本来の挟持機能、摘持機能が損なわれるのでは、使い勝手が悪くなる。従ってこの種のピンセットは、静電気を除去でき、しかもピンセット本来の挟持機能、摘持機能の低下を来たすことがないよう、形成されているのが望ましい。
【0005】
しかるに従来品は、上記の通り、挟持箇所の体積抵抗率を所定値に選定することを内容とするものが通例であったから、従来品によると例えば体積抵抗率を小さく選定すると、導電性が良くなって短絡事故等が起き易くなり、逆に体積抵抗率を大きく選定すると、導電性が悪くなり電荷が移動し難くなって静電気を円滑に除去できないものであった。
【0006】
又例えば挟持箇所と把持部との体積抵抗率を違えた従来品の場合は、挟持箇所だけではなく把持部も含め、全体の成形型等が必要になる、という不利益があった。従ってこれによると、材料費や型費、加工費等が高く付くことになるのを避けられず、又ピンセット本来の挟持機能、掴持機能(掴み易さ)が損なわれ易く、その結果使い勝手が悪い、という問題点があった。
【0007】
本発明は、このような従来の問題点に鑑み、提案されたものである。
【0008】
従って本発明の技術的課題は、材料費、型費、加工費等を抑えることができ、又挟持機能、掴持機能を損なわせたり、低下させることなく、電子部品の帯電電荷や、人体の帯電電荷を確実に除去できるよう形成した電子部品挟持用ピンセットを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記の課題を解決するために、次のような技術的手段を採る。
【0010】
即ち本発明は、図1等に示されるように、挟持操作用の把持部1が導電性金属材で形成され、この把持部1の先端1aに電子部品の挟持部2が連結され、この挟持部2が、半導電性の合成樹脂材4で形成されると共に、この合成樹脂材4より体積抵抗率が小さい半導電性の被覆層5を有してなることを特徴とする(請求項1)。
【0011】
ここで、把持部1が導電性金属材で形成され、とは、把持部1は電気伝導が良い状態に形成されている、ということを意味し、具体的にはステンレス鋼やアルミニウム等の金属材で形成される。半導電性の合成樹脂材4としては、例えばABS樹脂、アクリル樹脂、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート(PC)等に、カーボン粉末等の導電性粉末が混入されることで実現される。又ここで、被覆層5を有してなる、とは、挟持部2は合成樹脂材4より体積抵抗率が小さい半導電性材料で覆われている、ということを意味し、具体的には半導電性材料が合成樹脂材4に例えばコーティングされることで実現される。
【0012】
又この本発明の場合は、合成樹脂材4の体積抵抗率が109〜1010Ω・cmであり、被覆層5の体積抵抗率が104〜108Ω・cmであるのが好ましい(請求項2)。
【0013】
なぜならこの場合は、合成樹脂材4の体積抵抗率が絶縁体に近い反面、被覆層5では電荷の移動が容易になり、従って電子部品と人体との間で電荷を徐々に移動させ易いからである。
【0014】
又本発明は、図1等に示されるように、把持部1と挟持部2とが絶縁材料製の螺子3で連結され、この螺子3の露出面3aが、104〜108Ω・cmの体積抵抗率を有する半導電性材料で被覆されているのが好ましい(請求項3)。
【0015】
なぜならこれによると、螺子3や、螺子3の露出面3aにおける電気伝導性の影響を受けることなく、把持部1と挟持部2とを簡単且つ確実に連結できるからである。螺子3としては、例えばポリカーボネート等のプラスチック製のものがある。
【0016】
又本発明は、図3に示されるように、挟持部2に把持部1の先端1aを嵌め込むための凹孔6が形成され、この凹孔6を介して把持部1と挟持部2とが嵌め付けられているのでも良い(請求項4)。
【0017】
この場合は、螺子3で連結する場合に比べ、螺子3の露出面3aを被覆処理する手間暇を解消できる、という利点がある。又これによると、金属材料製の把持部1の挟持感覚、摘持感覚(掴み感)が、挟持部2内まで及ぶから、この種の感覚が一層良い状態の、ピンセットを提供できる。而してこの本発明品の場合、凹孔6の深さや幅等は任意であるが、より良好な挟持感覚、摘持感覚を得ることができるよう、この凹孔6は挟持部2の先端側の位置まで深く(長く)形成されるのが好ましい。
【0018】
又本発明の場合、被覆層5は、合成樹脂基材に導電性粉末材料を3〜40重量%混入させてなる半導電性材料で形成されているのが好ましい(請求項5)。
【0019】
なぜならこれによると、導電性粉末の脱落等の悪影響を受けることなく、簡単、容易、低コストで被覆層5を形成でき、又耐摩耗性を低下させることがないからである。ここで、合成樹脂基材としては、例えばポリウレタン(PU)やアクリル樹脂の溶液がある。又導電性粉末材料としては、カーボン粉末、導電性金属粉末、セラミック系導電粉末等がある。被覆層5は、これらの合成樹脂基材と導電性粉末材料からなる半導電性材料が、合成樹脂材4にコーティングされることにより実現される。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な一実施形態を添付図面に従って説明する。
【0021】
図1等において、1は挟持操作用の把持部である。この把持部1は、この実施形態では導電性金属材としてのステンレス鋼で形成されている。又2は、電子部品の挟持部である。この挟持部2は、把持部1の先端1aに、後述する螺子3で連結されている。
【0022】
上記の挟持部2は、半導電性の合成樹脂材4で形成されると共に、この合成樹脂材4より体積抵抗率が小さい半導電性の被覆層5を有して形成されている。この実施形態の場合、具体的には合成樹脂材4がカーボン粉末の混入により体積抵抗率が109Ω・cmに選定されたABS樹脂で形成され、被覆層5が105Ω・cmの体積抵抗率を有する半導電性材料で形成されている。被覆層5の半導電性材料は、この実施形態ではゴム弾性を得られるよう、合成樹脂基材としての例えばポリウレタンの溶液に、導電性粉末材料としてのカーボンの粉末が、20重量%混入、攪拌されてなる。
【0023】
又把持部1と挟持部2とは、この実施形態ではポリカーボネート製の螺子3で連結されている。この螺子3の露出面3aとしての頭部は、被覆層5と同一の、105Ω・cmの体積抵抗率を有する半導電性材料で被覆されている。
【0024】
以上の処において、本発明の場合、把持部1と挟持部2との連結構造は、上例に限定されるものではない。即ち本発明は、例えば図3に示されるように、挟持部2に把持部1の先端1aを嵌め込むための凹孔6が形成され、この凹孔6を介して把持部1と挟持部2とが嵌め付けられているのでも良い。なおこの場合は、連結状態が強固になるよう、両部材の接合面に例えば導電性の接着剤が塗布されるのが好ましい。
【0025】
又上例では挟持部2の内側の面(挟持面)が平面状に形成されているが、本発明は、例えば図4に示されるように、挟持部2の内側の面7が凹凸状に形成されているのでも良い。これによると滑り難くなり、電子部品を挟持し易くなるからである。
【0026】
【発明の効果】
以上説明したように本発明は、挟持操作用の把持部を導電性金属材で形成し、この把持部の先端に電子部品の挟持部を連結し、この挟持部を半導電性の合成樹脂材で形成し、この合成樹脂材より体積抵抗率が小さい半導電性の被覆層を挟持部が有しているものである。
【0027】
従って本発明の場合は、通常のステンレス鋼等で形成されているピンセットを利用して把持部を形成できるから、これによれば把持部の材料費、型費、加工費等を低減化でき、又ピンセット本来の挟持機能、掴持機能を損なわせることがない。
【0028】
又本発明の場合は、把持部と合成樹脂材とが接触し、把持部は間接的に被覆層と接触しているものであり、しかも被覆層と合成樹脂材とは電気伝導性が違えられ、被覆層は電気伝導性が良い状態に、合成樹脂材は電荷が移動し難い状態に形成されている。
従って本発明は、電子部品の帯電電荷を、挟持部の被覆層から合成樹脂材、合成樹脂材から把持部、把持部から人体へと徐々に逃して除去でき、逆に人体の帯電電荷をピンセットの先端から徐々に放電させることができる。それ故これによれば、静電気が電子部品に及ぼす悪影響を確実に防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のピンセットの好適な一実施形態を示す要部縦断面図である。
【図2】同上ピンセットの斜視図である。
【図3】同上ピンセットの他の実施形態を示す要部縦断面図である。
【図4】同上ピンセットの更に他の実施形態を示す要部縦断面図である。
【符号の説明】
1 把持部
1a 先端
2 挟持部
3 螺子
3a 露出面
4 半導電性の合成樹脂材
5 半導電性の被覆層
6 凹孔
7 内側の面
Claims (5)
- 挟持操作用の把持部が導電性金属材で形成され、この把持部の先端に電子部品の挟持部が連結され、この挟持部が、半導電性の合成樹脂材で形成されると共に、この合成樹脂材より体積抵抗率が小さい半導電性の被覆層を有してなることを特徴とする電子部品挟持用ピンセット。
- 請求項1記載の電子部品挟持用ピンセットであって、合成樹脂材の体積抵抗率が109〜1010Ω・cmであり、被覆層の体積抵抗率が104〜108Ω・cmであることを特徴とする電子部品挟持用ピンセット。
- 請求項1又は2記載の電子部品挟持用ピンセットであって、把持部と挟持部とが絶縁材料製の螺子で連結され、この螺子の露出面が、104〜108Ω・cmの体積抵抗率を有する半導電性材料で被覆されていることを特徴とする電子部品挟持用ピンセット。
- 請求項1又は2記載の電子部品挟持用ピンセットであって、挟持部に把持部の先端を嵌め込むための凹孔が形成され、この凹孔を介して把持部と挟持部とが嵌め付けられていることを特徴とする電子部品挟持用ピンセット。
- 請求項1乃至4の何れかに記載の電子部品挟持用ピンセットであって、被覆層が、合成樹脂基材に導電性粉末材料を3〜40重量%混入させてなる半導電性材料で形成されていることを特徴とする電子部品挟持用ピンセット。
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