JP4100590B2 - Latent heat storage material composition and heat storage method - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は床暖房やヒートポンプ式空調の暖房に好適な潜熱蓄熱材組成物及び該組成物を用いる蓄熱方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
これまで、チオ硫酸ナトリウム5水塩を主剤とする潜熱蓄熱材組成物の過冷却防止のために核形成効果を与える方法として、多くの方法が提案されており、従来技術として次のような特許、文献が挙げられる。
【0003】
特開昭50−90584号公報ではチオ硫酸ナトリウムの相律図を示してチオ硫酸ナトリウム5水塩の理論値より水含量を増加させることにより、過冷却を破れ易くする方法が提案されている。
【0004】
特開昭55−120686号公報および特開昭55−142077号公報には、四ホウ酸のアルカリ金属塩またはアンモニウム塩を配合する組成物が記載されている。
【0005】
特開昭55−142076号公報および特開昭59−115381号公報には、アルカリ土類金属の硫酸塩や水酸化物を配合する組成物が記載されている。
【0006】
特開昭53−6285号公報には、チオ硫酸カルシウム6水塩の熱分解生成物である亜硫酸カルシウム1/2水塩と硫黄の混合物が過冷却防止剤として有効であるとの記載がある。
【0007】
特開昭58−45499号公報、特開昭58−52995号公報にはナフトールやナフタリンを配合する組成物がそれぞれ記載されている。
【0008】
特開昭58−79079号公報、特開昭58−66799号公報および特開昭57−149379号公報には有機物および無機物を配合し、チオ硫酸ナトリウム5水塩の溶解度を変化させ、核形成性を向上する方法が記載されている。
【0009】
特開昭57−147578号公報には酒石酸ナトリウム2水塩を配合してなる潜熱蓄熱材組成物が提案されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の特開昭50−90584号公報の方法では、その組成物の核形成性ははなはだ弱く、記載されている範囲で核形成剤を配合しても、その核形成ははなはだ不確かである。
【0011】
特開昭55−120686号公報および特開昭55−142077号公報記載の方法では、そのチオ硫酸ナトリウム5水塩の酸化生成物のひとつである硫酸ナトリウム10水塩に対しては確実な核形成効果をもつものの、チオ硫酸ナトリウム5水塩自体に対しては非常に弱い効果しかもっていない。
【0012】
特開昭55−142076号公報および特開昭59−115381号公報記載の方法では、未だその組成物の核形成効果は十分とはいえない。
【0013】
特開昭53−6285号公報の方法では帯電した電荷による発核効果と説明されており、核形成効果を発揮するのは1回限りで、2回目以降は過冷却が発生してしまうとの報告が「電気化学」550頁、53巻、No.8(1985)においてされている。
【0014】
特開昭58−45499号公報、特開昭58−52995号公報の方法ではそのもの自体に昇華性があり、熱履歴により短期間のうちに核形成の機能が消失するなどの欠点があった。
【0015】
また、特開昭58−79079号公報、特開昭58−66799号公報、特開昭57−149379号公報および特開昭57−147578号公報の組成物では該組成物中に有機物および無機物を増量していくと、核形成効果はかなり向上するが、蓄熱温度が配合量に応じて低下していくという問題点がある。
【0016】
チオ硫酸ナトリウム5水塩を潜熱蓄熱材としての側面から論説した文献としては唯一、先にあげたものが存在する程度であり、チオ硫酸ナトリウム5水塩の包晶反応は未だ十分に解明されていないばかりか、人間が採暖するのに適当な蓄熱温度帯に蓄熱温度をもち、経済性に優れたチオ硫酸ナトリウム5水塩を利用した潜熱蓄熱材組成物は実用化されていないのが実状である。
【0017】
従って、本発明の目的は以上のような問題点を解消し、繰り返し使用しても過冷却防止能を失わず、蓄熱温度範囲も適正で経済性に優れた潜熱蓄熱材組成物及び蓄熱方法を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本第一発明の蓄熱材組成物は、チオ硫酸ナトリウム5水塩100重量部当たり、チオ硫酸ナトリウム2水塩を0.02〜18重量部の割合で含有することを特徴とするものである。
【0019】
また、本第二発明の蓄熱材組成物は、チオ硫酸ナトリウム5水塩100重量部当たり、チオ硫酸ナトリウム1/2水塩を0.1〜18重量部の割合で含有することを特徴とするものである。
【0020】
また、本第三発明の蓄熱材組成物は、チオ硫酸ナトリウム5水塩100重量部当たり、チオ硫酸ナトリウム2水塩を0.02〜18重量部、及び、チオ硫酸ナトリウム1/2水塩を0.1〜18重量部(但し、チオ硫酸ナトリウム5水塩100重量部当たりのチオ硫酸ナトリウム2水塩とチオ硫酸ナトリウム1/2水塩の合計量は18重量部を超えない)の割合で含有することを特徴とするものである。
【0021】
さらに、本第四発明は、上記第一発明の潜熱蓄熱材組成物を使用して、チオ硫酸ナトリウム5水塩の融解する温度以上65℃以下の温度範囲で蓄熱を行なうことを特徴とする蓄熱方法である。
【0022】
また、本第五発明は、上記第二発明の潜熱蓄熱材組成物を使用して、チオ硫酸ナトリウム5水塩の融解する温度以上75℃以下の温度範囲で蓄熱を行なうことを特徴とする蓄熱方法である。
【0023】
また、本第六発明は、上記第三発明の潜熱蓄熱材組成物を使用して、チオ硫酸ナトリウム5水塩の融解する温度以上60℃以下の温度範囲で蓄熱を行なうことを特徴とする蓄熱方法である。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下本発明の詳細について説明する。
本第一発明は、チオ硫酸ナトリウム5水塩にチオ硫酸ナトリウム2水塩を含有するものであり、チオ硫酸ナトリウム5水塩100重量部当たりチオ硫酸ナトリウム2を水塩を0.02〜18重量部、好ましくは0.15〜10重量部の範囲で含有する。
【0025】
チオ硫酸ナトリウム2水塩の含量が0.02重量部未満であると、潜熱蓄熱材としての使用温度範囲においてチオ硫酸ナトリウム5水塩に対して溶解しやすく、過冷却防止のための結晶核形成作用を十分発揮できない。また、18重量部を超えても結晶核形成作用に変化はなく、却って蓄熱材組成物としての潜熱蓄熱量が低下し、潜熱蓄熱材として実用的でない。
【0026】
次にチオ硫酸ナトリウム2水塩を簡便に調製する方法について説明する。
無水チオ硫酸ナトリウムと水、または無水チオ硫酸ナトリウムとチオ硫酸ナトリウム5水塩とを、いずれの場合でも全体としてチオ硫酸ナトリウム5/2水塩となる程度の割合で配合し、上部が開放された容器(ビーカーごときもの)に入れ、内部温度が70〜75℃となるように撹拌しながら加熱する。そのまま撹拌を続け、容器内部の塩がすべて融解したのち、50℃まで冷却して晶出したものを濾過することにより得られる。この操作により得られたものが若干のチオ硫酸ナトリウム5水塩を含むチオ硫酸ナトリウム2水塩である。チオ硫酸ナトリウム2水塩自体には潮解性や風解性は見られず、ハンドリングを容易にするための、粉砕機等での粒度調整は可能である。
【0027】
本第一発明の組成物を得るには、このようなチオ硫酸ナトリウム2水塩を上記の割合となるようチオ硫酸ナトリウム5水塩に配合すればよい。尚、上記のようにチオ硫酸ナトリウム2水塩を得る工程においては水分を当量よりやや多めに配合して製造するのでチオ硫酸ナトリウム5水塩が若干含有されることから、この分を勘案して配合することは言うまでもない。
【0028】
また、水分の量を増やして過剰にチオ硫酸ナトリウム5水塩が含有されるようにすることもでき、この場合、チオ硫酸ナトリウム5水塩とチオ硫酸ナトリウム2水塩の割合を上記の通りとなるように調整すれば1工程で本願第一発明の組成物を得ることもできる。
【0029】
本第二発明は、チオ硫酸ナトリウム5水塩にチオ硫酸ナトリウム1/2水塩を配合するものであり、チオ硫酸ナトリウム5水塩100重量部当たりチオ硫酸ナトリウム1/2水塩を0.1〜18重量部、好ましくは0.14〜9重量部の範囲で含有する。
【0030】
チオ硫酸ナトリウム1/2水塩の含量が0.02重量部未満であると、潜熱蓄熱材としての使用温度範囲においてチオ硫酸ナトリウム5水塩に対して溶解しやすく、過冷却防止のための結晶核形成作用を十分発揮できない。また、18重量部を超えても結晶核形成作用に変化はなく、却って組成物としての潜熱蓄熱量が低下し、潜熱蓄熱材として実用的でない。
【0031】
次に、チオ硫酸ナトリウム1/2水塩を簡便に調製する方法について説明する。
無水チオ硫酸ナトリウムと水、または無水チオ硫酸ナトリウムとチオ硫酸ナトリウム5水塩とを、いずれの場合でも全体としてチオ硫酸ナトリウム2水塩となる程度に配合し、上部が開放された容器(ビーカーごときもの)に入れる。内部温度が83〜88℃となるように撹拌しながら加熱する。そのまま撹拌を続けると、容器内部の水分が揮散してスラリー状になる。この操作により得られたものが若干のチオ硫酸ナトリウム2水塩を含むチオ硫酸ナトリウム1/2水塩である。チオ硫酸ナトリウム1/2水塩自体には潮解性や風解性は見られず、このままでも核形成剤としての機能は十分に持っているが、粒度調整等ハンドリングを容易にする目的で、さらに加熱時間を延長するなどして風乾させ、チオ硫酸ナトリウム1/2水塩の純度をあげてもよい。
【0032】
尚、前記チオ硫酸ナトリウム2水塩の場合と異なり、水分を1/2水塩となる量(当量)よりやや多めにした程度では水分量が少な過ぎて十分な攪拌を行なえないので、過剰な水分を使用した後水分を揮散するのがよい。
【0033】
本第二発明の組成物を得るにはこのようなチオ硫酸ナトリウム1/2水塩を上記の割合となるようチオ硫酸ナトリウム5水塩に配合すればよい。
尚、上述のようにチオ硫酸ナトリウム2水塩を含むチオ硫酸ナトリウム1/2水塩を使用すると、本来のチオ硫酸ナトリウム1/2水塩の融点未満の温度での溶解度が増し熱履歴により核形成能が低下しやすくなるので、精製したチオ硫酸ナトリウム1/2水塩を使用することが好ましいが、例えば蓄放熱を65℃以下で行なう等すれば、チオ硫酸ナトリウム2水塩がチオ硫酸ナトリウム1/2水塩の25%未満であれば潜熱蓄熱材組成物として実用上は支障無い。
【0034】
本第一発明あるいは本第二発明において、潜熱蓄熱材組成物に水を添加すると更に核形成性が向上するので好ましいが、チオ硫酸ナトリウム5水塩100重量部当たり水が7重量部を超えると潜熱蓄熱材としての諸性質の低下を来たすので、7重量部以下の範囲で添加することがよく、より好ましくはチオ硫酸ナトリウム5水塩100重量部当たり1〜7重量部とする。
【0035】
本第三発明は、チオ硫酸ナトリウム5水塩にチオ硫酸ナトリウム2水塩及びチオ硫酸ナトリウム1/2水塩を配合するものであり、チオ硫酸ナトリウム5水塩100重量部当たり、チオ硫酸ナトリウム2水塩を0.02〜18重量部、及び、チオ硫酸ナトリウム1/2水塩を0.1〜18重量部(但し、チオ硫酸ナトリウム5水塩100重量部当たりのチオ硫酸ナトリウム2水塩とチオ硫酸ナトリウム1/2水塩の合計量は18重量部を超えない)の割合で、好ましくはチオ硫酸ナトリウム2水塩を0.15〜10重量部、及び、チオ硫酸ナトリウム1/2水塩を0.14〜9重量部(但し、チオ硫酸ナトリウム5水塩100重量部当たりのチオ硫酸ナトリウム2水塩とチオ硫酸ナトリウム1/2水塩の合計量は10重量部を超えない)の割合で含有する。
【0036】
チオ硫酸ナトリウム2水塩及びチオ硫酸ナトリウム1/2水塩の含量が夫々0.02及び0.1重量部未満であると、潜熱蓄熱材としての使用温度範囲においてチオ硫酸ナトリウム5水塩に対して溶解しやすく、過冷却防止のための結晶核形成作用を十分発揮できない。また、夫々18重量部を超えても結晶核形成作用に変化はないが、却って組成物としての潜熱蓄熱量が低下し、潜熱蓄熱材として実用的でない。
【0037】
チオ硫酸ナトリウム2水塩及びチオ硫酸ナトリウム1/2水塩を簡便に調製する方法については上述の通りである。
【0038】
本第三発明の組成物を得るにはこのようなチオ硫酸ナトリウム2水塩及びチオ硫酸ナトリウム1/2水塩を上記の割合となるようチオ硫酸ナトリウム5水塩に配合すればよい。
【0039】
尚、上述のようにチオ硫酸ナトリウム2水塩とチオ硫酸ナトリウム1/2水塩の混合物を使用すると、本来のチオ硫酸ナトリウム2水塩あるいはチオ硫酸ナトリウム1/2水塩の融点未満の温度での溶解度が増し熱履歴により核形成能が低下しやすくなるが、例えば蓄放熱を60℃以下で行なう等すれば、潜熱蓄熱材組成物として実用上は支障無い。
【0040】
本第一〜第三発明においては、このほかに、チオ硫酸ナトリウムの抗酸化剤として知られているヨウ化水銀、アミルアルコール、クロロホルム、ホウ砂、安息香酸ナトリウム等を、本発明の目的を阻害しない範囲内で所望により適量添加して酸化を防止することも可能である。
また、そのほかに本第一〜第三発明においては、公知の核形成剤(過冷却防止剤)、相分離防止剤、界面活性剤等の熱量安定化剤等を、本発明の目的を阻害しない範囲内で所望により適量配合することも可能である。
【0041】
次に、本第四〜第六発明について説明する。
先ず、蓄熱についてのこれまでの考え方について説明する。本来、水和反応を利用する潜熱蓄熱材組成物にあっては、その蓄熱基材の低次塩を配合することは避けるべき事項である。なぜならば、固相と液相を往復する水和反応は塩の周囲に介在する水分子の配位状態が水和反応の過程で変化するとされ、配合された低次塩は熱履歴によって、いずれ、より安定な水和塩(例えば最高次の水和塩と無水塩)に変化すると考えるのが、一般的であるからである。
【0042】
チオ硫酸ナトリウム2水塩、チオ硫酸ナトリウム1/2水塩においても多分にその傾向が見られるが、本第四〜第六発明においては、チオ硫酸ナトリウム5水塩に対するチオ硫酸ナトリウム2水塩及び/またはチオ硫酸ナトリウム1/2水塩の溶解量を微量にしている点に特徴がある。
【0043】
即ち、本第四〜第六発明においてチオ硫酸ナトリウム2水塩および/またはチオ硫酸ナトリウム1/2水塩は、蓄熱時にチオ硫酸ナトリウム5水塩に溶解するがその量はごく微量であって、長期の熱履歴により溶解した分のチオ硫酸ナトリウム2水塩および/またはチオ硫酸ナトリウム1/2水塩はより安定な無水塩と5水塩に分離する傾向にあるが、使用されたチオ硫酸ナトリウム2水塩および/またはチオ硫酸ナトリウム1/2水塩の大部分は未溶解のまま該組成物中に存在し続けるので、長期の熱履歴によっても核形成能が低下しないものである。
【0044】
本第四発明は、上記第一発明の潜熱蓄熱材組成物を使用して、チオ硫酸ナトリウム5水塩の融解する温度以上65℃以下の温度範囲で蓄熱を行なうものである。その理由を図1に基づいて説明する。
【0045】
図1は、チオ硫酸ナトリウム5水塩に対するチオ硫酸ナトリウム2水塩の溶解度の曲線であり、縦軸はチオ硫酸ナトリウム2水塩の溶解度、横軸は組成物の温度である。
【0046】
蓄熱材としての主剤はチオ硫酸ナトリウム5水塩であるので、蓄熱はチオ硫酸ナトリウム5水塩の融解する温度以上で行なえばよいが、図1から明らかな如く、65℃を超えるとチオ硫酸ナトリウム2水塩のチオ硫酸ナトリウム5水塩に対する溶解度が急激に増し、長期の熱履歴によって組成物中のチオ硫酸ナトリウム2水塩が減少して核形成能が低下する。
【0047】
本第五発明は、上記第二発明の潜熱蓄熱材組成物を使用して、チオ硫酸ナトリウム5水塩の融解する温度以上75℃以下の温度範囲で蓄熱を行なうものである。その理由についても、前記第四発明の場合と同様であり、図2に基づいて説明することができる。
【0048】
図2は、チオ硫酸ナトリウム5水塩に対するチオ硫酸ナトリウム1/2水塩の溶解度の曲線であるが、第五発明は、蓄熱材としての主剤はチオ硫酸ナトリウム5水塩であるので、蓄熱はチオ硫酸ナトリウム5水塩の融解する温度以上で行なえばよいが、図2から明らかな如く、75℃を超えるとチオ硫酸ナトリウム1/2水塩のチオ硫酸ナトリウム5水塩に対する溶解度が急激に増し、長期の熱履歴によって組成物中のチオ硫酸ナトリウム1/2水塩が減少して核形成能が低下する。
【0049】
尚、上述のようにチオ硫酸ナトリウム1/2水塩は若干のチオ硫酸ナトリウム2水塩を含有するものとして使用される場合があり、この場合75℃未満であってもややチオ硫酸ナトリウム5水塩に対する溶解度が上昇する傾向にあるので、本第五発明においては、好ましくは65℃以下で蓄熱を行なうのがよい。
【0050】
本第六発明は、上記第三発明の潜熱蓄熱材組成物を使用して、チオ硫酸ナトリウム5水塩の融解する温度以上60℃以下の温度範囲で蓄熱を行なう蓄放熱方法である。
【0051】
蓄熱材としての主剤はチオ硫酸ナトリウム5水塩であるので、蓄熱はチオ硫酸ナトリウム5水塩の融解する温度以上で行なえばよいが、60℃を超えるとチオ硫酸ナトリウム2水塩及びチオ硫酸ナトリウム1/2水塩のチオ硫酸ナトリウム5水塩に対する溶解度が急激に増し、長期の熱履歴によって組成物中のチオ硫酸ナトリウム2水塩及びチオ硫酸ナトリウム1/2水塩が減少して核形成能が低下する。よって、60℃以下で蓄熱を行なう。
【0052】
【実施例】
以下、本発明を実施例に基づき説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、以下の各表で示す配合処方の単位はすべて重量部である。
【0053】
実施例1〜27、比較例1〜14
本実施例に用いた諸試料は、以下に示す試料を用いて各表に示す配合処方にて各試験用の潜熱蓄熱材組成物を調製した。
試料1:チオ硫酸ナトリウム5水塩
試料2:チオ硫酸ナトリウム2水塩
試料3:チオ硫酸ナトリウム1/2水塩
試料4:水
試料5:四ホウ酸ナトリウム10水塩
試料6:水酸化マグネシウム6水塩
試料7:亜硫酸ナトリウム1/2水塩
試料8:ナフタリン
試料9:食塩
試料10:エチルアルコール
試料11:p−オキシ安息香酸
【0054】
〔潜熱蓄熱材組成物の蓄熱温度測定試験〕
蓄熱温度の測定にはJIS K 0065化学製品の凝固温度測定法を用い、潜熱蓄熱材(2サンプル)の表面より1.5cmの深さの蓄熱材組成物内部温度を測定した。
【0055】
〔潜熱蓄熱材組成物の蓄熱量測定試験〕
潜熱蓄熱材の潜熱蓄熱量は以下のように定義し、測定した。
基本的には物理実験などで比熱の測定に用いる「混合法」を使用することにした。原理的には、容器に封入された潜熱蓄熱材組成物を一定の温度に融解・蓄熱する。その後、そのサンプルを室温付近の温度に調整された水を入れた断熱水槽に入れ、水に十分に凝固放熱させる。水に十分に伝熱させると水槽内部の水温は上昇するので、その上昇温度量と水の比熱と水の重量の積を蓄熱材組成物が放熱した潜熱蓄熱量と定義するものである。
【0056】
具体的には、以下のとおりである。
ナイロン−ポリエチレンフィルム(厚さ30μm)製の120mm×90mmの大きさの袋を作成した。その中に各蓄熱材組成物を80g入れ、重量を測定した。これを53±0.5℃の恒温水槽中に2時間置き蓄熱した。
【0057】
冷水1500g(4±1℃)を秤取った3リットル容量のジュワー瓶に上記蓄熱後の試料を投入し、ジュワー瓶内部の冷水の温度変化を1/100℃精度の温度計にて測定記録し、20分間以上同一温度が続いた時点を測定の終点とした。潜熱蓄熱量を求める計算式は以下のとおりとした。
Q:潜熱蓄熱量(cal/g)
S:蓄熱材組成物重量(g)
W:ジュワー瓶内部の水重量(g)
W’:水当量
Cpl:蓄熱材組成物の液体比熱(cal/g・℃)
Cps:蓄熱材組成物の固体比熱(cal/g・℃)
T0:蓄熱材組成物の初期温度(53±0.5℃)
T1:ジュワー瓶内部の初期水温(4±1℃)
T2:ジュワー瓶内部の最終水温(℃)
T3:蓄熱材組成物の蓄熱温度(℃)
【0058】
[潜熱蓄熱材組成物の熱履歴試験(核形成性試験)]
蓄熱量測定試験と同様のナイロン−ポリエチレンフィルム製袋に封入された潜熱蓄熱材組成物を10個用意した。60℃で4時間の蓄熱後、20℃で4時間の放熱を1サイクルとするプログラム運転が可能なチャンバー型恒温槽に上記各10サンプルを入れ、30サイクルを潜熱蓄熱材に付与した。1サイクル目後および30サイクル目後に何個のサンプルが放熱凝固しているか目視にて観察した。
得られた結果を下記の表1〜7に示す。
【0059】
【表1】
【0060】
【表2】
【0061】
【表3】
【0062】
【表4】
【0063】
【表5】
【0064】
【表6】
【0065】
【表7】
【0066】
【発明の効果】
本発明の効果は、人間が採暖するのに適当な蓄熱温度帯に蓄熱温度をもち、経済性に優れたチオ硫酸ナトリウム5水塩を利用し、長期の熱履歴を経ても実用上支障の無い潜熱蓄熱材組成物及び蓄熱方法を提供したことにある。
【図面の簡単な説明】
【図1】チオ硫酸ナトリウム5水塩に対するチオ硫酸ナトリウム2水塩の溶解度曲線である。
【図2】チオ硫酸ナトリウム5水塩に対するチオ硫酸ナトリウム1/2水塩の溶解度曲線である。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a latent heat storage material composition suitable for floor heating and heating of a heat pump type air conditioner, and a heat storage method using the composition.
[0002]
[Prior art]
So far, many methods have been proposed as methods for imparting a nucleation effect for preventing overcooling of a latent heat storage material composition mainly composed of sodium thiosulfate pentahydrate. , Literature.
[0003]
Japanese Patent Application Laid-Open No. 50-90584 proposes a method for making supercooling easy to break by increasing the water content from the theoretical value of sodium thiosulfate pentahydrate by showing a phase diagram of sodium thiosulfate.
[0004]
Japanese Patent Application Laid-Open Nos. 55-120686 and 55-42077 describe compositions containing an alkali metal salt or ammonium salt of tetraboric acid.
[0005]
Japanese Patent Application Laid-Open Nos. 55-142076 and 59-115381 describe compositions containing an alkaline earth metal sulfate or hydroxide.
[0006]
Japanese Patent Application Laid-Open No. 53-6285 describes that a mixture of calcium sulfite 1/2 hydrate and sulfur, which is a thermal decomposition product of calcium thiosulfate hexahydrate, is effective as a supercooling inhibitor.
[0007]
JP-A-58-45499 and JP-A-58-52995 describe compositions containing naphthol and naphthalene, respectively.
[0008]
JP-A-58-79079, JP-A-58-66799, and JP-A-57-149379 contain organic and inorganic substances, and change the solubility of sodium thiosulfate pentahydrate to form nuclei. A method of improving is described.
[0009]
Japanese Laid-Open Patent Publication No. 57-147578 proposes a latent heat storage material composition containing sodium tartrate dihydrate.
[0010]
[Problems to be solved by the invention]
However, in the method disclosed in Japanese Patent Laid-Open No. 50-90584, the nucleation of the composition is very weak, and even if a nucleating agent is added within the range described, the nucleation is very uncertain. .
[0011]
In the methods described in JP-A-55-120686 and JP-A-55-142077, reliable nucleation is achieved with respect to sodium sulfate decahydrate, which is one of the oxidation products of sodium thiosulfate pentahydrate. Although effective, it has only a very weak effect on sodium thiosulfate pentahydrate itself.
[0012]
In the methods described in JP-A-55-142076 and JP-A-59-115381, the nucleation effect of the composition is still not sufficient.
[0013]
In the method disclosed in Japanese Patent Laid-Open No. 53-6285, it is explained that the nucleation effect is caused by the charged electric charge. The nucleation effect is exhibited only once, and the second and subsequent times cause supercooling. The report is “Electrochemistry”, page 550, volume 53, no. 8 (1985).
[0014]
The methods disclosed in JP-A-58-45499 and JP-A-58-52995 themselves have sublimability, and have a drawback that the function of nucleation disappears in a short period due to thermal history.
[0015]
In the compositions of JP-A-58-79079, JP-A-58-66799, JP-A-57-149379 and JP-A-57-147578, organic and inorganic substances are contained in the composition. When the amount is increased, the nucleation effect is considerably improved, but there is a problem that the heat storage temperature is lowered according to the blending amount.
[0016]
The only literature that discusses sodium thiosulfate pentahydrate from the aspect of a latent heat storage material is the one mentioned above, and the peritectic reaction of sodium thiosulfate pentahydrate is still well elucidated. In addition, there is actually no latent heat storage material composition using sodium thiosulfate pentahydrate, which has a heat storage temperature in an appropriate heat storage temperature range for human warming and is excellent in economic efficiency. is there.
[0017]
Therefore, the object of the present invention is to solve the above-mentioned problems, and to prevent a latent heat storage material composition and a heat storage method that are excellent in economical efficiency with an appropriate heat storage temperature range without losing the ability to prevent overcooling even when used repeatedly. It is to provide.
[0018]
[Means for Solving the Problems]
In order to solve the above-mentioned problems, the heat storage material composition of the first invention contains 0.02 to 18 parts by weight of sodium thiosulfate dihydrate per 100 parts by weight of sodium thiosulfate pentahydrate. It is characterized by.
[0019]
Further, the heat storage material composition of the second invention contains sodium thiosulfate 1/2 hydrate in a ratio of 0.1 to 18 parts by weight per 100 parts by weight of sodium thiosulfate pentahydrate. Is.
[0020]
In addition, the heat storage material composition of the third invention comprises 0.02 to 18 parts by weight of sodium thiosulfate dihydrate and 100% by weight of sodium thiosulfate 1/2 hydrate per 100 parts by weight of sodium thiosulfate pentahydrate. 0.1-18 parts by weight (however, the total amount of sodium thiosulfate dihydrate and sodium thiosulfate 1/2 hydrate per 100 parts by weight of sodium thiosulfate pentahydrate does not exceed 18 parts by weight) It is characterized by containing.
[0021]
Furthermore, the fourth invention of the present invention uses the latent heat storage material composition of the first invention to perform heat storage in a temperature range of not less than the melting temperature of sodium thiosulfate pentahydrate and not more than 65 ° C. Is the method.
[0022]
Moreover, this 5th invention uses the latent heat storage material composition of said 2nd invention, and stores heat | fever in the temperature range more than the temperature which the sodium thiosulfate pentahydrate melt | dissolves and 75 degrees C or less, It is characterized by the above-mentioned. Is the method.
[0023]
Moreover, this 6th invention uses the latent-heat storage material composition of said 3rd invention, and it heat-stores in the temperature range more than the temperature which the sodium thiosulfate pentahydrate melt | dissolves and 60 degrees C or less, It is characterized by the above-mentioned. Is the method.
[0024]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Details of the present invention will be described below.
In the first invention, sodium thiosulfate pentahydrate contains sodium thiosulfate dihydrate, and
[0025]
When the content of sodium thiosulfate dihydrate is less than 0.02 parts by weight, it easily dissolves in sodium thiosulfate pentahydrate in the temperature range of use as a latent heat storage material, and forms crystal nuclei to prevent overcooling. The effect cannot be fully demonstrated. Moreover, even if it exceeds 18 weight part, there is no change in the crystal nucleation effect | action, and on the contrary, the amount of latent heat storage as a heat storage material composition falls, and it is not practical as a latent heat storage material.
[0026]
Next, a method for easily preparing sodium thiosulfate dihydrate will be described.
Anhydrous sodium thiosulfate and water, or anhydrous sodium thiosulfate and sodium thiosulfate pentahydrate were blended in such a ratio as to form
[0027]
In order to obtain the composition of the first aspect of the present invention, such sodium thiosulfate dihydrate may be blended with sodium thiosulfate pentahydrate so as to have the above ratio. In addition, in the step of obtaining sodium thiosulfate dihydrate as described above, since water is blended slightly more than the equivalent amount, sodium thiosulfate pentahydrate is contained in some amount, so this amount is taken into consideration. Needless to say, it is blended.
[0028]
It is also possible to increase the amount of water so that sodium thiosulfate pentahydrate is contained excessively. In this case, the ratio of sodium thiosulfate pentahydrate to sodium thiosulfate dihydrate is as described above. If it adjusts so that it may become, it can also obtain the composition of this-application 1st invention in 1 process.
[0029]
In the second aspect of the present invention, sodium thiosulfate 1/2 hydrate is blended with sodium thiosulfate pentahydrate, and 0.1 part of sodium thiosulfate 1/2 hydrate per 100 parts by weight of sodium thiosulfate pentahydrate. -18 parts by weight, preferably 0.14-9 parts by weight.
[0030]
If the content of sodium thiosulfate 1/2 hydrate is less than 0.02 parts by weight, it is easy to dissolve in sodium thiosulfate pentahydrate in the operating temperature range as a latent heat storage material, and crystals for preventing overcooling The nucleation effect cannot be fully exhibited. Moreover, even if it exceeds 18 weight part, there is no change in the crystal nucleation effect | action, on the contrary, the latent heat storage amount as a composition falls and it is not practical as a latent heat storage material.
[0031]
Next, a method for simply preparing sodium thiosulfate 1/2 hydrate will be described.
Anhydrous sodium thiosulfate and water, or anhydrous sodium thiosulfate and sodium thiosulfate pentahydrate are mixed in such a way that the total amount of sodium thiosulfate dihydrate is obtained in any case, and a container with an open top (such as a beaker) Stuff). Heat with stirring so that the internal temperature is 83-88 ° C. If the stirring is continued as it is, the water inside the container is volatilized to form a slurry. What was obtained by this operation was sodium thiosulfate 1/2 hydrate containing some sodium thiosulfate dihydrate. Sodium thiosulfate 1/2 hydrate itself does not show deliquescence or deliquescence, and still has a function as a nucleating agent, but for the purpose of facilitating handling such as particle size adjustment, The purity of sodium thiosulfate 1/2 hydrate may be increased by air drying by extending the heating time.
[0032]
In addition, unlike the case of sodium thiosulfate dihydrate, the amount of water is too small and sufficient stirring cannot be performed if the amount of water is slightly higher than the amount (equivalent) of ½ water salt. It is better to volatilize the water after using it.
[0033]
In order to obtain the composition of the second invention of the present invention, such sodium thiosulfate 1/2 hydrate may be blended with sodium thiosulfate pentahydrate so as to have the above ratio.
In addition, when sodium thiosulfate 1/2 hydrate containing sodium thiosulfate dihydrate is used as described above, the solubility at a temperature below the melting point of the original sodium thiosulfate 1/2 hydrate is increased, and the nucleus is formed by the heat history. It is preferable to use purified sodium thiosulfate 1/2 hydrate because the forming ability tends to decrease. For example, if heat storage and release are performed at 65 ° C. or less, sodium thiosulfate dihydrate is sodium thiosulfate. If it is less than 25% of 1/2 salt, there is no practical problem as a latent heat storage material composition.
[0034]
In the first invention or the second invention, it is preferable to add water to the latent heat storage material composition because nucleation is further improved. However, when water exceeds 100 parts by weight of sodium thiosulfate pentahydrate, Since various properties as a latent heat storage material are lowered, it is preferably added in the range of 7 parts by weight or less, more preferably 1 to 7 parts by weight per 100 parts by weight of sodium thiosulfate pentahydrate.
[0035]
In the third aspect of the invention, sodium thiosulfate dihydrate and sodium thiosulfate 1/2 hydrate are blended with sodium thiosulfate pentahydrate, and
[0036]
When the content of sodium thiosulfate dihydrate and sodium thiosulfate 1/2 hydrate is less than 0.02 and 0.1 parts by weight, respectively, the sodium thiosulfate pentahydrate in the operating temperature range as a latent heat storage material It is easy to dissolve and cannot sufficiently exhibit crystal nucleation for preventing overcooling. Further, even if the amount exceeds 18 parts by weight, there is no change in the crystal nucleation effect, but the latent heat storage amount as the composition is lowered and it is not practical as a latent heat storage material.
[0037]
A method for easily preparing sodium thiosulfate dihydrate and sodium thiosulfate 1/2 hydrate is as described above.
[0038]
In order to obtain the composition of the third invention, such sodium thiosulfate dihydrate and sodium thiosulfate 1/2 hydrate may be added to sodium thiosulfate pentahydrate so as to have the above ratio.
[0039]
As described above, when a mixture of sodium thiosulfate dihydrate and sodium thiosulfate 1/2 hydrate is used, the mixture is used at a temperature below the melting point of the original sodium thiosulfate dihydrate or sodium thiosulfate 1/2 hydrate. However, if heat storage / release is performed at 60 ° C. or lower, for example, there is no practical problem as a latent heat storage material composition.
[0040]
In the first to third inventions, in addition to this, mercury iodide, amyl alcohol, chloroform, borax, sodium benzoate and the like, which are known as antioxidants for sodium thiosulfate, inhibit the purpose of the present invention. It is also possible to prevent oxidation by adding an appropriate amount as desired within the range not to be oxidized.
In addition, in the first to third inventions, known nucleating agents (supercooling inhibitors), phase separation inhibitors, surfactants and other heat quantity stabilizers, etc. do not hinder the purpose of the present invention. An appropriate amount can be blended as desired within the range.
[0041]
Next, the fourth to sixth inventions will be described.
First, the conventional way of thinking about heat storage will be described. Originally, in a latent heat storage material composition using a hydration reaction, it is a matter to avoid mixing a low order salt of the heat storage base material. This is because the hydration reaction that reciprocates between the solid and liquid phases changes the coordination state of water molecules intervening around the salt in the course of the hydration reaction. This is because it is generally considered that the hydrate salt is changed to a more stable hydrate salt (for example, the highest order hydrate salt and anhydrous salt).
[0042]
This tendency is also observed in sodium thiosulfate dihydrate and sodium thiosulfate 1/2 hydrate. In the fourth to sixth inventions, sodium thiosulfate dihydrate with respect to sodium thiosulfate pentahydrate and It is characterized in that the amount of sodium thiosulfate 1/2 hydrate dissolved is very small.
[0043]
That is, in the fourth to sixth inventions, sodium thiosulfate dihydrate and / or sodium thiosulfate 1/2 hydrate dissolves in sodium thiosulfate pentahydrate during heat storage, but the amount thereof is very small, Sodium thiosulfate dihydrate and / or sodium thiosulfate 1/2 hydrate dissolved due to long-term thermal history tends to separate into more stable anhydrous salt and pentahydrate, but sodium thiosulfate used Most of the dihydrate and / or sodium thiosulfate 1/2 hydrate remain in the composition undissolved, so that the nucleation ability is not lowered by a long-term thermal history.
[0044]
According to the fourth aspect of the present invention, the latent heat storage material composition according to the first aspect of the present invention is used to store heat in a temperature range from the melting temperature of sodium thiosulfate pentahydrate to 65 ° C. The reason will be described with reference to FIG.
[0045]
FIG. 1 is a solubility curve of sodium thiosulfate dihydrate in sodium thiosulfate pentahydrate. The vertical axis represents the solubility of sodium thiosulfate dihydrate, and the horizontal axis represents the temperature of the composition.
[0046]
Since the main material as the heat storage material is sodium thiosulfate pentahydrate, heat storage may be performed at a temperature higher than the melting temperature of sodium thiosulfate pentahydrate, but as is clear from FIG. The solubility of dihydrate in sodium thiosulfate pentahydrate increases rapidly, and sodium thiosulfate dihydrate in the composition decreases due to long-term thermal history, resulting in a decrease in nucleation ability.
[0047]
In the fifth aspect of the present invention, the latent heat storage material composition according to the second aspect of the present invention is used to store heat in a temperature range from the melting temperature of sodium thiosulfate pentahydrate to 75 ° C. The reason is the same as in the case of the fourth invention, and can be described based on FIG.
[0048]
FIG. 2 is a curve of the solubility of sodium thiosulfate 1/2 hydrate with respect to sodium thiosulfate pentahydrate. In the fifth invention, since the main agent as the heat storage material is sodium thiosulfate pentahydrate, It may be performed at a temperature higher than the melting temperature of sodium thiosulfate pentahydrate, but as apparent from FIG. 2, the solubility of sodium thiosulfate 1/2 hydrate in sodium thiosulfate pentahydrate increases rapidly when the temperature exceeds 75 ° C. In addition, due to a long-term heat history, sodium thiosulfate 1/2 hydrate in the composition is reduced and the nucleation ability is lowered.
[0049]
In addition, as described above, sodium thiosulfate 1/2 hydrate may be used as containing some sodium thiosulfate dihydrate. In this case, sodium thiosulfate pentahydrate is used even if it is less than 75 ° C. Since the solubility in salt tends to increase, in the fifth invention, it is preferable to store heat at 65 ° C. or lower.
[0050]
The sixth aspect of the present invention is a heat storage and release method that uses the latent heat storage material composition according to the third aspect of the present invention to store heat in a temperature range from the melting temperature of sodium thiosulfate pentahydrate to 60 ° C.
[0051]
Since the main agent as the heat storage material is sodium thiosulfate pentahydrate, the heat storage may be performed at a temperature higher than the melting temperature of sodium thiosulfate pentahydrate, but when it exceeds 60 ° C., sodium thiosulfate dihydrate and sodium thiosulfate Solubility of 1/2 hydrate in sodium thiosulfate pentahydrate increases rapidly, and long-term thermal history reduces sodium thiosulfate dihydrate and sodium thiosulfate 1/2 hydrate in the composition, resulting in nucleation ability Decreases. Therefore, heat storage is performed at 60 ° C. or lower.
[0052]
【Example】
EXAMPLES Hereinafter, although this invention is demonstrated based on an Example, this invention is not limited to these Examples. In addition, the unit of the compounding prescription shown in the following tables is all parts by weight.
[0053]
Examples 1-27, Comparative Examples 1-14
The various samples used in this example prepared the latent heat storage material composition for each test with the formulation shown in each table using the samples shown below.
Sample 1: Sodium thiosulfate pentahydrate Sample 2: Sodium thiosulfate dihydrate Sample 3: Sodium thiosulfate 1/2 hydrate Sample 4: Water sample 5: Sodium tetraborate decahydrate Sample 6: Magnesium hydroxide 6 Salt sample 7: Sodium sulfite 1/2 salt sample 8: Naphthalene sample 9: Salt sample 10: Ethyl alcohol sample 11: p-oxybenzoic acid
[Heat storage temperature measurement test of latent heat storage material composition]
The measurement of the heat storage temperature was performed using the solidification temperature measurement method of JIS K 0065 chemical product, and the internal temperature of the heat storage material composition at a depth of 1.5 cm from the surface of the latent heat storage material (2 samples) was measured.
[0055]
[Heat storage amount measurement test of latent heat storage material composition]
The latent heat storage amount of the latent heat storage material was defined and measured as follows.
Basically, we decided to use the “mixing method” that is used to measure specific heat in physical experiments. In principle, the latent heat storage material composition enclosed in the container is melted and stored at a constant temperature. Then, the sample is put into an adiabatic water tank containing water adjusted to a temperature close to room temperature, and the water is sufficiently solidified and dissipated. Since the water temperature inside the water tank rises when the heat is sufficiently transferred to water, the product of the increased temperature amount, the specific heat of the water, and the weight of the water is defined as the latent heat storage amount radiated by the heat storage material composition.
[0056]
Specifically, it is as follows.
A 120 mm × 90 mm size bag made of a nylon-polyethylene film (thickness 30 μm) was prepared. 80g of each heat storage material composition was put in it, and the weight was measured. This was stored in a constant temperature water bath at 53 ± 0.5 ° C. for 2 hours to store heat.
[0057]
The sample after the above heat storage is put into a 3 liter capacity dewar bottle in which 1500 g (4 ± 1 ° C) of cold water is weighed, and the temperature change of the cold water inside the dewar is measured and recorded with a thermometer with 1/100 ° C accuracy. The end point of the measurement was the time when the same temperature continued for 20 minutes or more. The calculation formula for calculating the latent heat storage amount is as follows.
Q: latent heat storage amount (cal / g)
S: Heat storage material composition weight (g)
W: Weight of water inside dewar (g)
W ′: Water equivalent Cpl: Specific heat of liquid of heat storage material composition (cal / g · ° C.)
Cps: specific heat of solid of heat storage material composition (cal / g · ° C.)
T0: Initial temperature of the heat storage material composition (53 ± 0.5 ° C.)
T1: Initial water temperature inside the dewar (4 ± 1 ° C)
T2: Final water temperature inside the dewar (° C)
T3: heat storage temperature (° C.) of the heat storage material composition
[0058]
[Heat history test (nucleation test) of latent heat storage material composition]
Ten latent heat storage material compositions enclosed in a nylon-polyethylene film bag similar to the heat storage amount measurement test were prepared. After storing heat at 60 ° C. for 4 hours, each of the 10 samples was placed in a chamber-type thermostatic chamber capable of programmed operation in which heat release at 20 ° C. for 4 hours was 1 cycle, and 30 cycles were applied to the latent heat storage material. It was visually observed how many samples were thermally solidified after the first cycle and the 30th cycle.
The obtained results are shown in Tables 1 to 7 below.
[0059]
[Table 1]
[0060]
[Table 2]
[0061]
[Table 3]
[0062]
[Table 4]
[0063]
[Table 5]
[0064]
[Table 6]
[0065]
[Table 7]
[0066]
【The invention's effect】
The effect of the present invention is that there is no practical problem even if a long-term heat history is used by using sodium thiosulfate pentahydrate having a heat storage temperature in a heat storage temperature zone suitable for human warming and excellent in economic efficiency. It exists in providing the latent heat storage material composition and the thermal storage method.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a solubility curve of sodium thiosulfate dihydrate relative to sodium thiosulfate pentahydrate.
FIG. 2 is a solubility curve of sodium thiosulfate 1/2 hydrate with sodium thiosulfate pentahydrate.
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