JP4100013B2 - 窒化物半導体レーザ素子及びその製造方法 - Google Patents

窒化物半導体レーザ素子及びその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はストライプ状の導波路領域を有する窒化物半導体レーザ素子に係り、特に、高出力が可能な窒化物半導体レーザ素子に関する。また、その半導体レーザ素子に用いる半導体としては、特に、GaN、AlN、若しくはInN、又はこれらの混晶であるIII−V族窒化物半導体(InAlGa1−x−yN、0≦x、0≦y、x+y≦1)を用いた窒化物半導体レーザ素子に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、半導体レーザは、小型、長寿命、高信頼性、かつ高出力化が進み、主にパーソナルコンピュータ、DVDなどの電子機器、医療機器、加工機器や光ファイバ通信の光源などに利用されている。中でも窒化物半導体(InAlGa1−x−yN)は、比較的短波長の紫外域から赤色が発光可能な半導体レーザとして注目されている。
【0003】
このような半導体レーザ素子は、サファイア基板上にバッファ層、n型コンタクト層、クラック防止層、n型クラッド層、n型光ガイド層、活性層、p型光ガイド層、p型キャップ層、p型クラッド層、p型コンタクト層が順に形成されている。また、ストライプ状の導波路領域が形成され、p型コンタクト層にp側電極が、n型コンタクト層にn側電極がそれぞれ設けられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような半導体レーザ素子は、高出力で使用される際、活性層から発生する熱によって素子の内部や共振器面が劣化するという問題があった。特に、サファイア基板は熱伝導率が悪いために素子内部で発生する熱を放出しにくく、熱劣化しやすい構造であった。
【0005】
そこで、本発明は上記問題を鑑み、放熱性に優れ、素子の内部や共振器面が熱により劣化しにくい構造を有する窒化物半導体レーザ素子、及びその製造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
【0014】
また、本発明の窒化物半導体レーザ素子の製造方法は、成長基板上に、n型半導体層と、活性層と、p型半導体層とが順に積層されてなる窒化物半導体層を形成し、p型半導体層側からエッチングして底面がn型半導体層に達する溝部を設けることによって共振器面を形成させる第1の工程と、共振器面で挟まれるp型半導体層の表面にストライプ状のリッジを形成させる第2の工程と、p型半導体層の表面にp側メタライズ層を形成させる第3の工程と、メタライズ層と支持基板を接合させる第4の工程と、レーザ光の照射又は研削によって成長基板を除去し、さらに窒化物半導体層を研磨して前記溝部の底面を除去することによって互いに離間した窒化物半導体層を形成する第5の工程と、前記溝部において支持基板を分割し、チップ状にする第6の工程とを有することを特徴とする。
【0015】
また、第1の工程は、n型半導体層の表面の一部が露出するまでエッチングして共振器面を形成する前工程と、その後に、露出されたn型半導体層の表面の一部を更にエッチングして前記共振器面より突出するn型半導体層の端面を形成する後工程とにより、2段になる端面を形成することを特徴とする。
【0017】
また、リッジは複数形成されることを特徴とする。
【0018】
また、第3の工程と第4の工程との間、エッチングにより除去されて露出された底面からp側メタライズ層の上面と略同一面に達するまで充填剤を充填させる第7の工程を有することを特徴とする。
【0019】
また、第4の工程は、窒化物半導体層と支持基板とを合金共晶による導電層によって接合させることを特徴とする。
【0020】
また、前記第6の工程の前に前記充填剤を除去することを特徴とする。
また、前記第5の工程は、前記溝部を底面側から開口させることによって窒化物半導体層を離間させることを特徴とする。
【0021】
【発明の実施の形態】
本発明に係る実施形態の窒化物半導体レーザ素子は、リッジを有する実効屈折率型の導波路領域を有するもので、共振器面がエッチングにより形成されている。そして、リッジが形成されているp型半導体層側に、成長基板ではない基板、すなわち支持基板が、p側メタライズ層を介して接合されていることを特徴とするものである。
【0022】
詳細には、図1に示すように、n型半導体層と、活性層と、p型半導体層とを順に備えてなる窒化物半導体層を備え、p型半導体層にはリッジ(ストライプ状の凸部)が形成され、ストライプの長手方向と略垂直な両端面にエッチングにより形成されてなる共振器面を有しており、これによりストライプ方向を導波方向(共振方向)とする実効屈折率型の導波路領域が形成されている。共振器面のうち一方は、主として光を外部に出射する機能を有する光出射側共振器面(光出射面)であり、他方は、主として光を導波路領域内に反射する機能を有する光反射側共振器面(モニター面)である。リッジの側面及びこの側面に連続するp型半導体層の表面には、第1の絶縁膜が形成されている。第1の絶縁膜を介してリッジの上面であるp型半導体層とオーミック接触するストライプ状のp側オーミック電極が設けられている。
【0023】
p側オーミック電極とp側メタライズ層とは、リッジの頂部で電気的に接合されており、この部分から電流が供給される。p側メタライズ層の表面はリッジの形状に関わらず、表面が略平坦になるように形成されている。そして、その略平坦な上面と接するように支持基板が設けられている。支持基板にもメタライズ層が設けられており、窒化物半導体のp側メタライズ層と、支持基板のメタライズ層とが接合されるようになっている。また、n型半導体層の表面には、n側電極が設けられている。
【0024】
支持基板が導電体の場合は、図1(a)、図2(a)のように、p側電極とn側電極とがそれぞれ異なる面方向になるように形成される。これにより、図2(b)のように、ステムなどの導電性の基体上に載置することができ、n側電極にはワイヤをボンディングさせる。また、図2(c)のようにn側電極側をステムにダイボンディングすることも出来る。また、支持基板が絶縁体の場合は、図3(a)のように支持基板のメタライズ層に取り出し部を設ける。このような場合は、図3(b)のようにn側電極及びp側電極にワイヤをボンディングさせて用いる。
【0025】
このように、基板としてn型半導体層に成長基板を有するのではなく、p型半導体層側に支持基板を用いていることで、n型半導体層の表面のほぼ全面に渡るようなn側電極を設けることができるため、電流抵抗を低減させることができる。単に成長基板を除去するだけで支持基板を設けない場合は、窒化物半導体層自体の応力などによってn型半導体層をある程度残す必要がある。通常は、成長基板の上には、バッファ層、下地層、コンタクト層などが形成されており、このコンタクト層を露出させるまで除去することは可能でも、あまり薄くすることはできない。しかし、本発明のように、支持基板をp型半導体層側に接合させていることで、n型コンタクト層を薄くすることができる。これにより、抵抗値を下げることができる。また、このようにn側電極を全面に形成することにより、複数のリッジを有する場合であっても、各リッジにほぼ均等に電流を流すことができる。
以下、各部位について詳説する。
【0026】
(支持基板)
窒化物半導体層のp型半導体層側に接合される支持基板は、窒化物半導体層よりも高い熱導電率を有するものが好ましい。具体的な材料としては、Cu−W系、Cu−Mo系等の合金からなるものや、AlN、Si、SiC等が挙げられる。特に好ましいのはCu−W系合金である。この材料は、一般式をCu1−x(0≦x≦30)のように示すことができるもので、組成比をこのような範囲とすることで、窒化物半導体に比較的近い熱膨張係数の合金とすることができる。これにより、接合(貼り合わせ)時の加熱、及びその後の冷却時などに生じる体積変化の影響を受けにくくすることができる。しかも、この材料は放熱性にも優れているため、より熱劣化を抑制することができる。また、Cu−Mo系合金も好ましい材料である。この材料は一般式をCuMo1−x(0≦x≦50)のように示すことができ、組成比を選択することで熱膨張係数、放熱性ともに優れた支持基板とすることができる。また、合金ではなく、AlNのような絶縁性材料の場合は、プリント基板などの回路上にチップを載せるときに有利である。またSiは上記材料に比べて熱導電率がやや劣るものの、安価でチップ化がしやすいという特性を有しているので、比較的低出力で使用する場合など、用途に応じて用いることができる。支持基板の好ましい膜厚としては50〜500μmである。このような範囲に支持基板の膜厚を設定することで放熱性を向上させることができる。
【0027】
支持基板は導電性を示すものを用いるのが好ましい。更に、支持基板の線熱膨張係数が4〜10(×10−6/K)であるものが好ましい。具体的には、Cu、Mo、Wの中から少なくとも1つを含有するものが好ましく、それらの組成比は、好ましくはCuの含有量が50%以下である。より好ましくは30%以下である。前記Cuに対して、Moを含有する場合はMo含有量は50%以上である。また、前記Cuに対して、Wを含有する場合はW含有量は70%以上である。
【0028】
(支持基板のメタライズ層)
また、前記貼り合わせ面にはメタライズ層を形成させるが、メタライズ層は単層で用いるよりはむしろ、異なる性質を有する金属の多層膜として用いるのが好ましく、例えば、密着層−バリア層−共晶層の多層構造にして、各層にそれぞれ好ましい材料を配することができる。共晶後には、これら多層膜は合金化されて導電層として機能させる。密着層は、支持基板と接する層であり、支持基板の材料と接合性のよい材料が好ましく、例えばTi、RhO、Ni、W、Mo等が好ましい。また、共晶層は、窒化物半導体のp側メタライズ層と共晶化させるための層で、低温で共晶可能で、かつ、共晶後に融点が高くなるような材料の組み合わせが好ましく、例えばAuとSn、PdとSn、AuとSnAu、AuとIn、PdとIn等が挙げられる。また、密着層と共晶層との間に形成されるバリア層は、共晶層の金属が拡散するのを防ぐための層であり、例えばPt、TiN、TaN、WN、MoN等が好ましい材料として挙げられる。これら多層構造のメタライズ層の好ましい材料としては、例えばTi−Pt−Au、又はTi−Pt−AuSn等の金属多層膜が挙げられる。
【0029】
(窒化物半導体)
本発明の窒化物半導体レーザ素子として用いられる半導体層としては、GaN、AlN、InN、及びこれらの混晶であるIII−V族窒化物半導体(InAlGa1−x−yN、0≦x、0≦y、x+y≦1)が好ましい。以下、本発明の窒化物半導体レーザ素子について具体的に説明する。
【0030】
(導波路領域)
本発明の半導体レーザ素子において、ストライプ状の導波路領域は、n型半導体層とp型半導体層に挟まれた活性層の面内に主に形成されるものであり、この時ストライプ方向と共振器方向はほぼ一致しているものである。ここで、活性層の面内とは、活性層と、n型窒化物半導体層及び型窒化物半導体層の接合面に平行な面内であって、活性層の内部を指すものである。また、ストライプ状の導波路領域は、上述した活性層だけでなく、積層構造体内部に設けられる光導波路(導波層)に設けられてもよく、例えば、後述する活性層を挟むガイド層までの領域を光導波層とし、これを導波路領域としてもよい。
【0031】
また、ストライプ方向を共振器方向とするために、端面に設けられている一対の共振器面は、エッチングによって形成される平坦な面である。本実施の形態においては、共振器面は、成長基板が同種基板であるか異種基板あるかによらず、エッチングにより形成されるものである。エッチング端面とすることで、基板の劈開性に左右されずに共振器面を形成することができるので、少なくとも劈開性を考慮せずに、窒化物半導体層を積層しやすい材料を選択することができる。
これにより、劈開によって容易に共振器面を形成させることができる。例えばサファイア基板などは、劈開しにくい成長基板であるが、バッファ層などを介して窒化物半導体層を積層させるのに適した材料であり、また、半導体層と剥離しやすいので、好ましく用いることができる。
【0032】
(活性層)
本発明の窒化物半導体レーザ素子は、特に活性層がInを含む窒化物半導体層を有するものが好ましい。これにより、紫外線及び可視域において紫色系から赤色系の波長のレーザ光を得ることができる。また、Inを含む窒化物半導体層を用いる場合、活性層が大気に曝されると、レーザ素子駆動時において極めて重大な素子劣化を起こすことがある。これは、Inの融点が低いため、分解、蒸発が起こりやすくリッジ(ストライプ状の凸部)形成時のエッチングによって損傷し、活性層露出後の加工においてその結晶性を保つことが困難となるので、ストライプ状の凸部を活性層に達しない深さに形成することが好ましい。
【0033】
活性層は、量子井戸構造であってもよく、その場合、単一量子井戸、多量子井戸のいずれでも良い。好ましくは量子井戸構造とすることで、発光効率に優れ、高出力のレーザ素子、端面発光素子が得られる。
【0034】
窒化物半導体の活性層としては、上述したように、Inを含む窒化物半導体を用いることが好ましく、具体的には、AlInGa1−x−yN(0≦x≦1、0<y≦1、x+y≦1)で表される窒化物半導体を用いることが好ましい。この場合、量子井戸構造の活性層においては、井戸層としてここで示した窒化物半導体を用いることが好ましいことを意味する。また、近紫外から可視光の緑色までの波長領域(380nm以上550nm以下)では、InGa1−yN(0<y<1)を用いることが好ましく、またそれ以上の長波長領域(赤色)でも、同様にInGa1−yN(0<y<1)を用いることができ、この時、主にIn混晶比yを変化させることにより、所望の波長を得ることができる。380nm以下の短波長の領域では、GaNの禁制帯幅に相当する波長が365nmであるため、GaNとほぼ同じか若しくはそれよりも大きなバンドギャップエネルギーとする必要があるため、例えばAlInGa1−x−yN(0<x≦1、0<y≦1、x+y≦1)が用いられる。
【0035】
活性層を量子井戸構造とする場合、具体的な井戸層の膜厚としては、10Å以上300Å以下の範囲、好ましくは20Å以上200Å以下の範囲とすることで、Vf、しきい値電流密度を低減させることができる。また、結晶成長の観点からは、20Å以上であると、膜厚に大きなむらがなく比較的均一な膜質の層が得られ、200Å以下とすることで結晶欠陥の発生を低く抑えた結晶成長が可能となる。活性層内の井戸層数としては特に限定されず、1以上であり、この時、井戸層の数が4以上である場合には、活性層を構成する各層の膜厚が厚くなると、活性層全体の膜厚が厚くなって、Vfの上昇を招くこととなるため、井戸層の膜厚を100Å以下の範囲として、活性層の膜厚を低く抑えることが好ましい。高出力のLD、LEDにおいては、井戸層の数を1以上3以下とすることで、高い発光効率の素子が得られる傾向にあり、好ましい。
【0036】
また、井戸層にはp又はn型の不純物(アクセプター又はドナー)がドープされていても、アンドープ若しくはノンドープであっても良い。しかしながら、井戸層としてInを含む窒化物半導体を用いる場合、n型不純物濃度が大きくなると結晶性が悪化する傾向にあるため、n型不純物濃度を低く抑えて結晶性の良好な井戸層とすることが好ましい。具体的には、結晶性を最大限に良好なものとするために井戸層をアンドープで成長させることが好ましく、具体的にはn型不純物濃度を5×1016/cm3以下にすることが好ましい。尚、n型不純物濃度を5×1016/cm3以下の状態は、極めて不純物濃度の低い状態であり、この状態では、実質的にn型不純物を含まない井戸層と言える。また、井戸層にn型不純物をドープする場合には、n型不純物濃度が1×1018以下5×1016以上の範囲でドープされていると、結晶性の悪化を低く抑え、なおかつキャリア濃度を高くすることができる。
【0037】
障壁層の組成としては、特に限定されないが、井戸層と同様の窒化物半導体を用いることができ、具体的には井戸層よりIn混晶比の低いInGaNなどのInを含む窒化物半導体、若しくはGaN、AlGaN等のAlを含む窒化物半導体などを用いることができる。この時、障壁層は、井戸層よりもバンドギャップエネルギーを大きくすることが必要である。具体的な組成としては、InβGa1- βN(0≦β<1,α>β)、GaN、AlγGa1- γN(0<γ≦1)、InAlGa1−x−yN(x≦0、y≦0、x+y≦1)などを用いることができ、好ましくはInβGa1- βN(0≦β<1,α>β)、GaNを用いることで良好な結晶性でもって障壁層が形成できる。これは、Inを含む窒化物半導体からなる井戸層をAlGaNなどのAlを含む窒化物半導体の上に直接成長させると、結晶性が低下する傾向にあり、井戸層の機能が悪化する傾向にあるためである。AlγGa1- γN(0<γ≦1)を障壁層として用いる場合には、Alを含む障壁層を井戸層の上に設けるようにし、井戸層の下には、InβGa1- βN(0≦β<1,α>β)、GaNの障壁層を用いた多層膜の障壁層とすることでこれを回避できる。このように、多重量子井戸構造において、井戸層に挟まれた障壁層は、特に1層であること(井戸層/障壁層/井戸層)に限るものではなく、2層若しくはそれ以上の層の障壁層を、「井戸層/障壁層(1)/障壁層(2)/・・・/井戸層」というように、組成・不純物量等の異なる障壁層を複数設けても良い。ここでαは井戸層のIn組成比であり、α>βとして障壁層のIn組成比βを井戸層より小さくすることが好ましい。
【0038】
障壁層は、n型不純物がドープされていても、ノンドープであっても良いが、好ましくはn型不純物がドープされていることである。この時、障壁層中のn型不純物濃度としては、少なくとも5×1016/cm3以上ドープされていることが好ましく、上限としては1×1020/cm3である。
【0039】
(p型クラッド層)
本発明の窒化物半導体レーザ素子において、p型半導体層及びn型半導体層には、それぞれp型クラッド層及びn型クラッド層を設けることが好ましい。クラッド層に用いられる窒化物半導体としては、光を閉じ込めるのに十分な屈折率差が設けられていればよく、Alを含む窒化物半導体層が好ましく用いられる。また、この層は、単一若しくは多層膜であっても良く、AlGaNとGaNとを交互に積層した超格子構造であっても良い。さらに、この層は不純物がドープされていても良いし、アンドープであっても良く、多層膜の場合はそれを構成する少なくとも1つの層にドープしたものであってもよい。なお、発振波長が長波長の430〜550nmの窒化物半導体レーザ素子では、このクラッド層はp型層にはp型不純物を、n型層にはn型不純物をドープしたGaNが好ましい。又、膜厚としては特に限定されるものではないが、100Å以上2μm以下で形成することが好ましく、更に好ましくは500Å以上1μm以下の範囲で形成することで十分な光閉じ込め効果を有する。また、活性層とp型及びn型クラッド層との間に、電子閉じ込め層、光ガイド層を設けて、活性層及び光ガイド層を挟み込む構造とすることが好ましい。
【0040】
また、本発明において、活性層とp型クラッド層との間に、後述する電子閉じ込め層、光ガイド層を設けても良い。この時、光ガイド層を設ける場合には、n型クラッド層と活性層との間にも、光ガイド層を設けて、活性層を光ガイド層で挟み込む構造とすることが好ましい。この場合には、SCH構造となり、クラッド層のAl組成比をガイド層のAl組成比より大きくして屈折率差を設け、クラッド層で光を閉込める。クラッド層とガイド層とがそれぞれ多層膜で形成される場合には、Alの組成比の大小はAl平均組成により決定する。
【0041】
(p型電子閉じ込め層)
活性層とp型クラッド層との間、好ましくは活性層とp型光ガイド層との間に設けられるp型電子閉じ込め層は、活性層へのキャリアの閉じ込めとしても機能する層であり、閾値電流を低下させることにより容易な発振に寄与し、具体的にはAlGaNを用いる。特に、p型半導体層に、p型クラッド層、p型電子閉じ込め層を設ける構成とすることで、より効果的な電子閉じ込め効果が得られる。このp型電子閉じ込め層にAlGaNを用いる場合には、好ましくはp型不純物をドープしたものとすることでより確実に前記機能を発揮し得るが、ノンドープであっても前記キャリアの閉じ込めとして機能を有する。膜厚の下限としては、少なくとも10Åで好ましくは20Åである。また、膜厚としては、500Å以下で形成し、AlxGa1-xNの組成としては、xが0以上、好ましくは0.2以上とする事で前記効果が十分に期待できる。また、n型層側にも、ホールを活性層内に閉じ込めるn側キャリア閉じ込め層を設けても良い。ホールの閉じ込めは、電子を閉じ込める場合ほどオフセット(活性層とのバンドキャップの差)を設けなくても、閉じ込めが可能である。具体的には、p側電子閉じ込め層と同様の組成を適用できる。また、結晶性を良好なものとするためには、Alを含まない窒化物半導体により形成しても良く、具体的には、活性層の障壁層とほぼ同じ組成を用いることができ、この場合には、キャリア閉じ込めとなるn側障壁層を、活性層内で最もn型層側に配置させることが好ましく、若しくは活性層に接して、n型層内に配置しても良い。このように、p側、n側のキャリア閉じ込め層は、好ましくは活性層に接して設けることで、効率良く活性層若しくは井戸層内にキャリアを注入でき、別の形態としては、活性層内において、p側、n側の層と接する層をキャリア閉じ込め層とすることもできる。
【0042】
(p型ガイド層)
本発明において、活性層を挟むガイド層をクラッド層より内側に設けて、光導波路を形成することで、窒化物半導体において優れた導波路を形成することができる。この時、導波路(活性層とそれを挟み込む両ガイド層)の膜厚としては、具体的には6000Å以下とし、発振閾値電流の急激な増大を抑制し、好ましくは4500Å以下とすることで、低く抑えられた発振閾値電流で、基本モードによる長寿命の連続発振が可能となる。また、両ガイド層は、ほぼ同じ膜厚で形成することが好ましく、ガイド層の膜厚としては100Å以上1μm以下の範囲に設定することが好ましく、より好ましくは500Å以上2000Å以下で形成することで良好な光導波路を設けることができる。更に、ガイド層としては、窒化物半導体からなり、その外側に設けられるクラッド層と比較して、導波路を形成するために十分なエネルギーバンドギャップを有していればよく、単一の膜、多層膜のどちらでも良い。また、光ガイド層として、具体的には、活性層とほぼ同じ、好ましくはそれよりも大きなバンドギャップエネルギーとすることで良好な導波路の形成が可能であり、量子井戸構造の場合には井戸層よりもバンドギャップエネルギーを大きくし、好ましくは障壁層よりも大きくすることである。さらには、活性層の発光波長よりも10nm程度以上のバンドギャップエネルギーを光ガイド層に設けることで、光の導波に優れた導波路が形成できる。
【0043】
p側光ガイド層として具体的には、発振波長が370〜470nmではアンドープのGaNを用い、比較的長波長な領域(450μm以上)では、InGaN/GaNの多層膜構造を用いることが好ましい。これにより、長波長の領域において、活性層及び光ガイド層により構成される導波路内の屈折率を大きくでき、クラッド層との屈折率差を大きくできる。また、370nm以下の短波長の領域では、GaNの吸収端が365nmであるため、好ましくは、Alを含む窒化物半導体を用いることであり、具体的にはAlGa1−xN(0<x<1)を用いることが好ましく、AlGaN/GaNからなる多層膜、これを交互に積層した多層膜、更に各層を超格子とした超格子多層膜とすることができる。n型ガイド層の具体的な構成は、p型ガイド層と同様であり、活性層のエネルギーバンドギャップを考慮して、GaN、InGaNを用い、アンドープのGaN、活性層に近づくに従いIn混晶比を小さくしたInGaNとGaNとを交互に積層した多層膜で設けると好ましい導波路となる。
【0044】
(n型クラッド層)
本発明の窒化物半導体を用いたレーザ素子において、n型クラッド層に用いる窒化物半導体としては、p型クラッド層と同様に、光を閉じ込めるのに十分な屈折率差が設けられていれば良く、Alを含む窒化物半導体層が好ましく用いられる。また、この層は、単一若しくは多層膜であっても良く、具体的には実施例に示すように、AlGaNとGaNとを交互に積層した超格子構造であっても良い。また、このn型クラッド層は、キャリアの閉じ込め層、及び光閉じ込め層として作用し、多層膜構造とする場合には、前述のように、Alを含む窒化物半導体、好ましくはAlGaNを成長させると良い。さらに、この層は、n型不純物がドープされていても良いし、アンドープであっても良く、実施例に示すように多層膜層において、それを構成する少なくとも1つの層にドープしたものであっても良い。なお、発振波長が長波長の430〜550nmのレーザ素子では、このクラッド層はn型不純物をドープしたGaNが好ましい。また、膜厚としては、p型クラッド層と同様に、特に限定されるものではないが、100Å以上2μm以下で形成すること、好ましくは500Å以上1μm以下の範囲で形成することで、十分な光の閉じ込め層として機能する。ここで、窒化物半導体を用いたレーザ素子において、ストライプ状のリッジを設ける位置を、Alを含む窒化物半導体層内とし、露出した窒化物半導体表面及び凸部側面に絶縁膜を設けることで、良好な絶縁がなされ、絶縁膜の上に電極を設けても、リーク電流のないレーザ素子を得ることができる。これは、Alを含む窒化物半導体には、良好なオーミックコンタクトをなし得る材料がほとんどないため、この半導体表面に絶縁膜、電極などを設けても、リーク電流の発生がほとんどない、好適な絶縁が成されることにある。逆に、Alを含まない窒化物半導体表面に電極を設けると、その電極材料と窒化物半導体との間にオーミックコンタクトが形成されやすく、Alを含まない窒化物半導体表面に絶縁膜を介して電極を形成すると、絶縁膜、電極の膜質により、絶縁膜に微少な孔がある場合にリークの原因となる。そのため、それらを解決するために、絶縁が十分に確保される膜厚で絶縁膜を形成するか、電極の形状、位置を露出した半導体表面にかからないようにするなどの配慮が必要となり、レーザ素子構造の設計において、大きな制約が加わることになる。また、リッジ(凸部)が設けられる位置が問題になるのは、リッジ(凸部)形成時に露出されるリッジの両側の窒化物半導体表面(平面)は、リッジ(凸部)側面に比べて、極めて大きな面積を占めるものであり、この表面において良好な絶縁性が確保されることで、様々な電極形状を適用できかつ電極形成位置を比較的自由に選べる設計自由度の高いレーザ素子となり、リッジ(凸部)の形成において極めて有利なものとなる。ここで、Alを含む窒化物半導体としては、具体的には、AlGaN、若しくは上述したAlGaN/GaNの超格子多層膜構造などが好適に用いられる。
【0045】
(リッジ)
本発明の窒化物半導体レーザ素子では、ストライプ状の導波路領域は、窒化物半導体層のp型窒化層にストライプ状の凸部(リッジ)を設けることにより容易に形成することができる。具体的には、p型半導体層の一部をエッチング等の手段によりストライプ状の凸部が残るように除去することで実効屈折率型の導波路領域を形成することができる。このようなストライプ状の凸部は、凸部の底面側の幅が広く上面に近づくに従ってストライプ幅が小さくなる順メサ形状に限らず、逆に凸部の平面に近づくにつれてストライプの幅が小さくなる逆メサ形状でもよく、また、積層面に垂直な側面を有するストライプであってもよく、これらが組み合わされた形状でもよい。また、ストライプ状の導波路は、その幅がほぼ同じである必要はない。さらに、このような凸部を形成した後に凸部表面に結晶を再成長させた埋め込み型の窒化物半導体レーザ素子とすることもできる。
【0046】
(p側オーミック電極)
本発明の半導体レーザ素子において、ストライプ状の凸部の上に形成される電極としては特に限定されるものではなく、窒化物半導体と良好なオーミック接触得られる材料を好ましく用いることができる。導波路領域となるストライプ状の凸部に対応して形成させることで、キャリアの注入を効率よく行うことが出来る。p側オーミック電極の好ましい材料としては、Rh、Ag、Ni、Au等が挙げられ、これらを単層で用いてもよいし、或いは、多層膜や合金として用いてもよい。例えば、Ni−Au、Ni―Au―RhO、Rh−Ir等のように、2層或いは3層などの多層膜とすることができる。膜厚は0.05〜0.5μmとするのが好ましい。
【0047】
(第2のp側電極)
本発明において、p側オーミック電極の上に第2のp側電極を設けることもできる。第2のp側電極は、p側オーミック電極とは少なくとも一部が接するように設けられていればいいので、例えばリッジ上面で接していればよく、それ以外の部分では、第2のp側電極とp側オーミック電極との間に第2の絶縁層を設けることもできる。
【0048】
(p側メタライズ層)
本発明において、p側メタライズ層は、p型半導体層とオーミック接触するp側オーミック電極と、支持基板との間に形成される層であって、p側パッド電極(取り出し電極)としての機能を併せ持った層である。p側メタライズ層の好ましい材料としては、RhO−Pt−AuSn、Ni−Pt−Snなどが挙げられる。このp側メタライズ層は、p型半導体層の表面の凹凸(リッジなど)によらず、表面がほぼ平坦な面になるように形成させることで、支持基板と、より密着性よく接合(貼り合わせ)させることができる。しかも、上記のような熱伝導性に優れた材料を選択することで、活性層から生じる熱を放熱しやすくし、熱劣化を防ぐことができる。特に、図2のようにリッジを複数有するマルチストライプレーザとする場合は、出力が極めて高くなるので、活性層で熱が発生しやすい。これらの熱を、p型半導体層のほぼ全面に渡るように設けられたp側メタライズ層を介して効率よく外部に伝えて放出させることで、寿命特性を損なうことなく、光出力を維持することができる。
【0049】
(n側電極)
n電極は、n型コンタクト層にオーミック接触するように設けられるもので、成長基板を除去した後、研磨等により、裏面側に露出されたn型コンタクト層のほぼ全面に渡るように設けることができる。特に、複数のリッジを有するマルチストライプレーザなどは、各リッジのp側電極とn側電極との距離をほぼ等しくすることができるので、各リッジに対応する共振器面から出射されるレーザ光が均一になりやすい。n側電極の好ましい材料としては、Ti−Al−Ni−Au、W−Al−W−Pt−Auなどがある。膜厚は0.1〜1.5μmが好ましい。
【0050】
(第1の絶縁層)
本発明のレーザ素子において、窒化物半導体層の一部を除去して、ストライプ状のリッジを設けて導波路とするような場合には、そのストライプ側面、及びそれに連続するリッジ両側の平面(凸部が設けられている表面)に絶縁膜を形成することが好ましい。例えば、図1に示すようなストライプ状のリッジを設けた後、そのリッジ側面から、リッジの両側のp型半導体層の表面にかけて、設けるなどする。
【0051】
第1の絶縁層の材料としてはSiO2以外の材料、好ましくはTi、V、Zr、Nb、Hf、Taよりなる群から選択された少なくとも一種の元素を含む酸化物、SiN、BN、SiC、AlNの内の少なくとも一種で形成することが望ましく、その中でもZr、Hfの酸化物、BN、SiCを用いることが特に好ましい。これらの材料はフッ酸に対しても多少溶解する性質を有しているものもあるが、レーザ素子の絶縁層として用いれば埋め込み層としてSiO2よりもかなり信頼性が高くなる傾向にある。また一般的にPVD、CVDのような気相で成膜した酸化物系薄膜は、その元素と酸素とが当量反応した酸化物となりにくいので、酸化物系薄膜の絶縁性に対する信頼性が不十分となり易い傾向にあるが、本発明で選択した前記元素のPVD、CVDによる酸化物、BN、SiC、AlNはSi酸化物よりも絶縁性に関する信頼性に優れている。しかも酸化物の屈折率を窒化物半導体よりも小さいもの(例えばSiC以外のもの)を選択すると、レーザ素子の埋め込み層として非常に都合がよい。
【0052】
また、第1の絶縁層の膜厚としては、具体的には、200Å以上1μm以下の範囲、好ましくは200Å以上4000Å以下の範囲とすることである。なぜなら、200Å以下であると、電極の形成時に、十分な絶縁性を確保することが困難で、1μm以上であると、かえって保護膜の均一性が失われ、良好な絶縁膜とならないからである。また、前記好ましい範囲にあることで、リッジ(凸部)側面において、リッジとの間に良好な屈折率差を有する均一な膜が形成される。
【0053】
(第2の絶縁層)
第2の絶縁層は、エッチングによって露出されたp型半導体層、活性層、n型半導体層の側面(リッジに平行な方向の側面)などに設けられるもので、一部はp側オーミック電極と重なるように形成させることもできる。好ましい材料としては、SiO、Al、ZrO、TiOなどの単層膜または多層膜を挙げることができる。また、第2の保護膜を端面にまで連続するよう形成させて、後述する端面保護膜とすることもできる。
【0054】
(共振器面保護膜)
共振器面には、保護膜を設けるのが好ましい。一対の共振器面を互いに異なる屈折率の保護膜を設けることで、一方を出射側、他方を反射側として機能させることができ、効率よくレーザ光を出射させることができる。具体的な材料として、Si、Mg、Al、Hf、Nb、Zr、Sc、Ta、Ga、Zn、Y、B、Ti、Crの酸化物、窒化物、フッ化物等などの化合物を用いることができる。
【0055】
光出射側の端面をAR膜とすることで、光の反射を防止することができる。AR膜とする場合、は、屈折率nARと、窒化物半導体素子の屈折率nとの関係が、nAR=n 1/2±25%を満たすものがよい。好ましくは、nAR=n 1/2±15%で、最も好ましくは、nAR=n 1/2±7%である。このような屈折率を有する材料としては、Al、MgO、Y、SiO、MgF等がある。これらの材料を用いて、膜厚を制御することでAR膜となる。AR膜とするためには、膜厚は、λ/4nAR、もしくはλ/2n+λ/4nAR(λ:活性層から発生する光の波長)となるようにする。
【0056】
端面保護膜は屈折率と膜厚とによって、様々な特性を有するので、膜厚としてはλ/4nとすることが好ましく、これにより共振器面が受けるダメージを低減することができる。先に述べたようにこれに屈折率をも考慮することでAR膜とすることができるが、屈折率によらず膜厚をλ/4nとすることが好ましい。単層の場合はλ/4nでよいが、多層膜の場合はλ/2n+λ/4nとしてもよい。これにより、積層構造体端面と保護膜との界面において、定在波の電界強度が最小値を取る膜厚とすることができるので、共振器端面がダメージを受けるのを抑制し、素子寿命を向上させることができる。
【0057】
このように保護膜の膜厚を制御することは、光出射側の共振器面だけでなく、光反射側(モニター側)に形成される保護膜(ミラー)にも適用できる。レーザ光を出射するためには、共振器のどちらかだけ一方が劣化しても特性は悪化するので、光出射側と同様に、光反射側にも活性層からの光によってダメージを受けないように保護膜(ミラー)の膜厚を制御することで劣化を防ぎ、素子寿命を向上させることができる。
【0058】
また、端面保護膜は、窒化物半導体層に直接接するように形成させるのが好ましい。これにより、光が積層構造体以外、例えば絶縁膜等の内部へ導入されるのを防ぐことができ、迷光を外部に放出し易くすることができる。
【0059】
(成長基板)
成長基板としては、窒化物半導体層をエピタキシャル成長させることができる基板であれば異種基板でも同種基板でもよく、大きさや厚さ等は特に限定されない。具体的な例としては、異種基板では、C面、R面、及びA面のいずれかを主面とするサファイアやスピネル(MgA124)のような絶縁性基板、また炭化珪素(6H、4H、3C)、シリコン、ZnS、ZnO、Si、GaAs、ダイヤモンド、及び窒化物半導体と格子接合するニオブ酸リチウム、ガリウム酸ネオジウム等の酸化物基板が挙げられる。また、デバイス加工が出来る程度の厚膜(数十μm以上)であれば同種基板である窒化物半導体基板を用いることもできる。
【0060】
成長基板として異種基板を用いる場合は、窒化物半導体層を成長させる前にバッファ層を成長させるのが好ましい。バッファ層としては、一般式AlGa1−aN(0≦a≦0.8)で表される窒化物半導体、より好ましくは、AlGa1−aN(0.05≦a≦0.5)で示される窒化物半導体を用いる。バッファ層の成長温度としては、低温成長であるのが好ましい。これにより、窒化物半導体層上の転位やピットを低減させることができる。さらに、前記異種基板上にELOG法によりAlGa1−xN(0≦x≦1)層を成長させてもよい。このELOG法とは窒化物半導体を横方向成長させることで貫通転位を曲げて収束させることにより転位を低減させるものである。
【0061】
基板上に横方向成長させた窒化物半導体をT字形状とし、保護膜を除去させた後、さらに窒化物半導体を再成長させるものがある。本明細書においては、このような窒化物半導体層は、後工程で形成されるn型コンタクト層からp型コンタクト層までの導電層と区別して、基板に含めるものとする。窒化物半導体層を有する異種基板は、T字柱上には転位が伸びるものの、T字両翼上部、及び隣り合うT字両翼の開口部上には転位が大幅に低減された結晶性の良好な窒化物半導体基板を得ることができる。再成長させた接合部にも転位が低減するため、この基板は低欠陥領域がウエハ上に広範囲で存在することとなる。そのため、この基板上に形成した窒化物半導体レーザ素子は寿命特性の良好なものが期待できる。またT字両翼下には保護膜除去により再成長後も空洞が残るため、反り抑制効果もある。
【0062】
また、窒化物半導体に生じる貫通転位を減少させるには、前記ELO法の他に、HVPE法により厚膜成長させ、この厚膜成長時に貫通転位を収束させることで転位を低減させる方法もある。このHVPE法で窒化物半導体を成長させる場合、例えばGaNであれば、HClガスとGa金属が反応することでGaClやGaClを形成し、さらにこのGa塩化物がアンモニアと反応することでGaNを基板上に堆積させるものである。HVPE法による窒化物半導体の成長時に成長速度を変化させ、2段階成長させることで結晶欠陥を大幅に低減させることで効率良く窒化物半導体基板を得ることができる。
【0063】
(製造方法)
本発明の窒化物半導体レーザ素子は、半導体層がエッチングにより形成されてなる共振器面を有することを特徴としている。特に、この共振器面は、成長基板上に窒化物半導体層が形成されている状態でエッチングにより形成されるものである。すなわち、支持基板と接合される前の段階で既に共振器面は形成された状態である。本発明の製造方法は、このように、劈開工程を有しないで共振器面を形成して窒化物半導体レーザ素子を得ることを特徴としている。以下、各工程について詳説する。
【0064】
(第1の工程)
本発明において、p型半導体層の表面からエッチングして共振器面を形成させる工程を第1の工程とする。更にこの第1の工程は、n型半導体層の表面の一部が露出するまでエッチングして共振器面を形成する前工程と、その後に、前記露出されたn型半導体層の表面の一部を更にエッチングして共振器面より光の出射方向に突出するn型半導体層の端面を形成する後工程との2段階の工程からなるのが好ましい。また、後工程は成長基板が露出するまでエッチングすることもできる。このように、エッチング底面が成長基板まで、或いは成長基板により近くなるような深さまでエッチングすることで、窒化物半導体層を分離しやすくすることができる。
【0065】
p型半導体層の上面側から少なくとも活性層の端面が露出するまでエッチングすることで、共振器面を形成することができる。劈開により共振器面を形成させる場合は、半導体層の劈開面に合わせて素子を分割する必要があるが、エッチングにより共振器面を形成させる場合は、面方位に関係なく、共振器面を形成させることができるので、共振器長も任意のものを選択することができるし、1枚のウエハから得られるチップの数を多くすることができる。
【0066】
ここで、共振器面を形成させる場合、各チップ(エッチング溝に囲まれた部分)は、図4のように、ある程度離間するように設け、かつ、エッチング溝の幅は細くするのが好ましい。これは、後に形成するリッジを形成しやすくするためである。リッジの幅は約1〜5μm程度と非常に細いため、レジストマスクの膜質を制御することが必要であるため、例えば、図6のように、図4に比べて近接するようなチップとすると、マスク形成用のレジストの塗布面を制御しにくくなる。また、各チップが離間していても、エッチング部の幅を図5のように広くすると、やはりレジストマスクを均一に形成しにくくなるので、リッジの形成精度が低下するので好ましくない。ただし、後に貼り合わせる支持基板が絶縁性の場合は、図7のように、共振器面形成部に相当するエッチング溝の幅を狭くし、リッジに平行なエッチング溝の幅を広くすることができる。
【0067】
また、本発明では、この第1の工程は、成長基板が露出するまでエッチングさせる前に、n型半導体層の積層面の一部が露出するまでエッチングさせる前工程と、その後に、前記露出されたn型半導体層の表面の一部を更にエッチングして共振器面より光の出射方向に突出するn型半導体層の端面を形成する後工程との2段階で行うのが好ましい。図8は、リッジが2本形成有する形態の窒化物半導体レーザの第1の工程及び第2の工程を説明する図であり、図4のように、各チップのエッチング溝が離間するように設けられたウエハを用いているものである。図8(a)では、エッチングの深さはn型半導体層の途中までである。そして、図8(b)では、その溝を更に成長基板が露出するまでエッチングしている。その後に図8(c)のようにリッジが形成され、最後に図8(d)のようにp側メタライズ層が形成されている。
【0068】
このような2段階のエッチングを行うことで、共振器面を鏡面に近い面として形成させることができる。エッチングは化学的に半導体層を削りながら除去するものであるが、その除去する早さは、エッチングガスの種類や条件、或いはマスクの選択比等によって異なる。共振器面は、鏡面に近いような均一な平坦面とするのが好ましいので、エッチング面ができるだけ荒れないように行う。そのためには、エッチング速度がやや遅いエッチングガスを選択するのが好ましい。
【0069】
しかし、そのような速度で成長基板近傍まで深くエッチングすると、時間がかかり過ぎるためにマスクが保たなくなり、共振器面が荒れてしまう。そのため、共振器面を形成するために少なくともn型半導体層の一部が露出するまでゆっくりエッチングした後、別のマスクを形成して共振器面を保護して(図示せず)、異なる条件でエッチングを行う。この場合、エッチングされるのはn型半導体層のみであるので、共振器面のような鏡面でなくともよく、粗面になっても構わない。そのため、速度の速いエッチングガスを選択することができる。このように2段階のエッチングを行うことで、優れた共振器面を得ることができる。
【0070】
エッチングを2段階で行う場合は、後工程で形成されるエッチング端面と前工程で形成される共振器面を含むエッチング端面とに段差が生じることになるが、このような場合、共振器面から出射されるレーザ光を遮らないように、後工程のエッチングを行うのが好ましい。すなわち、前工程で形成される共振器面と、後工程で形成されるn型半導体層の端面との距離を少なくして、互いの面が近づくようにすることで、光を遮らないようにすることができる。好ましくはこの距離が3μm以内となるように設けるのがよい。これにより、ファーフィールドパターン(FFP)のy成分(垂直成分)にリップル(凹凸)が生じない、優れたビーム特性を有する半導体レーザ素子とすることができる。リッジが複数ある場合であっても、FFPのy成分につては、個々のリッジから出射されるレーザ光に依存しているため、単一のリッジを形成する場合と同様に、共振器面とn型半導体層端面の距離を近づけるのが好ましい。
【0071】
また、後工程としては、少なくともn型半導体層の途中までエッチングすることで優れた共振器面を形成させることができるが、さらに成長基板が露出するまで深くエッチングすることもできる。成長基板が露出するまでエッチングすることで、支持基板を接合後に成長基板を除去するだけでチップ状に分割されることになるので、工程を少なくすることができる。
【0072】
(第2の工程)
本発明において、前記基板が露出するまでエッチングする第1の工程の後に、ストライプ状のリッジを形成させる工程を第2の工程とする。先に図8を用いて説明したように、リッジの形成は、基板が露出するまでのエッチング工程(共振器面の形成工程)よりも後にすることで、幅の細いリッジを目的の幅で形成しやすくなる。これは、リッジを形成するためにp型半導体層のみをエッチングする場合と、基板が露出するまでエッチングする場合とでは、そのエッチング深さがかなり異なるためである。リッジの形成を先に行うと、その後の端面側のエッチング時に、マスクで保護していてもリッジ端部が徐々にエッチングされてしまうので好ましくない。このようなリッジでは、ストライプ状のリッジの端部の幅が、中央部付近よりも狭くなった先細り形状の導波路領域となっており、幅が狭くなることで光の閉じ込めがきつくなってビーム形状が目的のものと異なるものになってしまう上に、共振器面の面積が小さくなるので単位面積あたりに係る負荷が大きくなりすぎて、CODを生じやすくなる。
【0073】
リッジを形成させるには、所望のリッジの幅にあわせてマスク(保護膜)を形成させる。リッジを複数設けてレーザアレイ(マルチストライプレーザ)とする場合も、各リッジに応じたマスクを形成させる。リッジの幅としては、1μm〜5μm程度が好ましく、これは、リッジを複数設ける場合も同様である。また、リッジの深さは、少なくとも活性層からなる発光層に達しない深さで、好ましくは、p型ガイド層の途中までをエッチングにより除去して、ストライプ状の凸部を残し、これをリッジとする。このエッチングの深さによってレーザ素子の構造、特性が異なってくる。マスクとして用いる材料としては、窒化物半導体のエッチング速度と差がある材料(選択比の異なる材料)であればどのような材料でもよい。例えば、例えば、Si酸化物(SiOを含む)、フォトレジスト等が用いられ、好ましくは、後に形成する第1の絶縁層との溶解度差を設けるために、第1の絶縁膜よりも酸に対して溶解され易い性質を有している材料を選択する。酸としては、フッ酸を好ましく用いる。フッ酸を用いるためには、フッ酸に対して溶解しやすい材料としてSi酸化物を用いることが好ましい。
【0074】
(第3の工程)
本発明において、p型半導体層の表面にp側メタライズ層を形成させる工程を第3の工程とする。この工程は、図8(d)に示すように、成長基板上に窒化物半導体層が形成されている状態で行うものである。p側メタライズ層は、リッジ形状や、p側オーミック電極の形状によらず、上面が略平坦な単一の面になるように形成させるのが好ましい。そして、p型半導体層のほぼ全面に渡るように設けるのが好ましい。例えば、図8(d)のように、リッジ及びリッジの側面から連続するp型半導体層の表面をほぼ覆うように第2のp側電極が設けられているが、その上にその第2のp側電極の表面をほぼ覆うように設ける。p側メタライズ層の形成面積を広くすることで、後に接合する支持基板との接合性を向上させ、密着性のよいものとすることができる。
【0075】
(第4の工程)
本発明において、p型半導体層側に支持基板を接合させる工程を第4の工程とする。図9(a)に示すように、支持基板のメタライズ層とp型半導体層に設けられたp側メタライズ層とを向かい合わせるようにし、図9(b)てのように合(貼り合わせ)させる。接合(貼り合わせ)は、加熱しながらプレスすることによってp側メタライズ層と支持基板のメタライズ層とを合金化させるものである。接合時の温度は200℃〜600℃の範囲で行うのが好ましい。これより高くなると、窒化物半導体層の内部が分解しやすくなる。また、これより低い温度では、合金化が不十分となるので、接合部が剥がれるなどの問題が生じやすくなる。また、剥がれるまでではなくても、抵抗が高くなって、出力効率が低くなるので好ましくない。
【0076】
(第5の工程)
本発明において、成長基板を除去する工程を第5の工程とする。図9(c)に示すように、成長基板が除去されることで、エッチング溝によって分離されていた窒化物半導体層は、支持基板を介して隣接するようになる。ここで、図9(c)では、リッジを有しない窒化物半導体層の部分は、p側メタライズ層も形成されていないため、支持基板と接合されていないことになる。この部分は、不要な部分であるので、この成長基板を除去する第5の工程で取り除かれることになる。
【0077】
第5の工程では、成長基板の除去は、レーザ光照射、研磨、ケミカルポリッシュによって行うのが好ましい。これらの方法は、半導体層に負荷を与えにくく、成長基板を分離しやすい。その後、異種基板側からエキシマレーザを照射するか、又は研削により、残存する成長基板を取り除く。図10(a)のように、成長基板を除去後、露出した窒化物半導体層の表面をCMP処理することでn型半導体層を露出させる。更に図10(b)のように、n型半導体層を更に薄くする。支持基板によって半導体層の強度が保持されており、薄くしても破損しにくくなっている。そして、n型半導体層を薄くすることで、電流抵抗下げて、閾値の低い半導体レーザ素子とすることができる。また、エッチング溝の底面が成長基板ではなくn型半導体層であった場合は、エッチング底面を除去するまで研磨することで、互いに離間した窒化物半導体層とすることができる。
【0078】
(第6の工程)
本発明において、支持基板をチップ状に分割する工程を第6の工程とする。本発明では、支持基板の分割位置には窒化物半導体層が形成されていないので、分割による素子の破壊等の問題が生じることはない。従来は、成長基板が劈開性を有しない場合に、支持基板として劈開性のある材料を用い、半導体層を劈開しやすくするという方法が用いられることもあったが、本発明では、半導体層は前の工程までで既に分離された状態となっているため、支持基板は劈開性を有する必要はない。そのため、劈開性を考慮せずに支持基板の材料を選択することができる。支持基板の分割方法としては、ダイシング等、機械的に力を加えて行う方法を用いることができ、図10(b)に示すように、支持基板の上面又は下面のいずれの側から行ってもよい。これにより、図10(c)に示すような本発明の窒化物半導体レーザ素子を得ることができる。
【0079】
(第7の工程)
本発明において、第3の工程と第4の工程との間に、エッチングにより除去されて露出された底面からp側メタライズ層上面と略同一面まで充填剤を充填させる工程を第7の工程とする。図11は、図8(d)のようにp側メタライズ層を形成した後に、充填剤をエッチング部に充填させた状態を示す図である。このように、第2の工程で支持基板と接合(貼り合わせ)させる前に、エッチングにより除去されて形成された溝部を埋めておくことで、分離された状態の半導体層が接合時にかかる外力によって損傷しにくくすることができる。充填するのは、少なくともエッチングにより露出された部分を埋めることが必要で、好ましくは、p型半導体層のリッジの上部と同一面まで充填させるのがよい。特に好ましくは、図11のようにリッジの上に形成された第2のp側電極またはp側メタライズ層の上面と略同一面に達するまで充填剤を充填させる。このようにすることで、第2の工程で支持基板を接合させるときに、図12(a)及び図12(b)のように接合面が同一面になっているので、局所的に力が掛かるのを防ぐことができる。充填剤を用いなければ、リッジの上部に係る負荷が大きくなり、接合が不十分なものとなりやすい。また、充填剤を用いることで、p側メタライズ層をウエハ全面に設けることができるので、p側メタライズ層の膜質が制御しやすく、均一な層を形成しやすくなる。
【0080】
また、支持基板と接合された後に、成長基板を除去する第5の工程時にも、図12(c)のように、充填剤を充填させておくことで力が不均一にかかるのを防ぐことができると共に、先に形成された半導体層の端面に不純物が付着するのを防ぐことができる。
【0081】
また、更にその後にn型半導体層の裏面(成長基板を接していた側)を除去してn型コンタクト層が露出させるまで薄くする場合にも、図13(b)のようにエッチング部が充填剤によって埋められていることで、半導体層の端面、特に共振器端面に不純物が付着するのを防ぐことができ、更に充填剤が充填されていることで素子がぐらつくこともなく安定であるので、バラツキが減少する。また、端面の保護膜(ミラーなど)を先に形成しておいた場合でも、それらの特性を変化させることなく行うことができる。
【0082】
充填剤としては、接合時の加熱温度で分解しない安定なものが好ましく、更に、後工程で除去しやすいものであればよい。具体的な材料としては、ポリイミドなどの有機系の材料や、SiOなどの無機系の材料を用いることができる。除去する方法は材料に応じて選択することができる。充填剤を除去すれば、図13(c)のように、本発明の窒化物半導体レーザ素子を得ることができる。
【0083】
【実施例】
本発明において、窒化物半導体層を構成するp型半導体層、活性層、n型半導体層のデバイス構造としては、特に限定されず、種々の層構造を用いることができる。デバイスの具体的な構造としては、例えば後述の実施例に記載されているデバイス構造が挙げられる。また、電極、絶縁膜(保護膜)等も特に限定されず種々のものを用いることができる。窒化物半導体を用いた半導体レーザ素子の場合は、GaN、AlN、若しくはInNなどの窒化物半導体や、これらの混晶であるIII−V族窒化物半導体(InAlGa1−x−yN、0≦x、0≦y、x+y≦1)を用いることができる。窒化物半導体の成長は、MOVPE、MOCVD(有機金属化学気相成長法)、HVPE(ハライド気相成長法)、MBE(分子線気相成長法)等、窒化物半導体を成長させるのに知られている全ての方法を適用できる。
以下、実施例として窒化物半導体を用いた半導体レーザ素子について説明するが、本発明の半導体レーザ素子は、これに限らず、本発明の技術的思想において、様々な半導体に実施できることは言うまでもない。
【0084】
[実施例1]
(バッファ層) 実施例1では、基板としてサファイアを用いる。2インチφ、C面を主面とするサファイアよりなる異種基板をMOVPE反応容器内にセットし温度を500℃にしてトリメチルガリウム(TMG)、アンモニア(NH)を用い、GaNよりなるバッファ層を200Åの膜厚で成長させる。
【0085】
(下地層) バッファ層形成後、温度を1050℃にして、TMG、アンモニアを用い、アンドープGaNよりなる窒化物半導体層を4μmの膜厚で成長させる。この層は、素子構造を形成する各層の成長において下地層(成長基板)として作用する。下地層としてこの他にELOG(Epitaxially Laterally Overgrowth)成長させた窒化物半導体を用いると結晶性が良好な成長基板が得られる。ELOG成長層の具体例としては、異種基板上に、窒化物半導体層を成長させ、その表面に窒化物半導体の成長が困難な保護膜を設ける等して形成したマスク領域と、窒化物半導体を成長させる非マスク領域とをストライプ状に設け、その非マスク領域から窒化物半導体を成長させることで、膜厚方向への成長に加えて横方向への成長が成されることにより、マスク領域にも窒化物半導体が成長して成膜させたものや、異種基板上に成長させた窒化物半導体層に開口部を設け、その開口部側面から横方向への成長が成されて成膜されたもの等が挙げられる。
次に、窒化物半導体からなる下地層の上に、積層構造体を構成する各層を形成する。
【0086】
(n型コンタクト層)
続いて1050℃で、同じく原料ガスにTMG、アンモニアガス、不純物ガスにシランガスを用い、Siを4.5×1018/cmドープしたGaNよりなるn型コンタクト層を2.25μmの膜厚で成長させる。このn型コンタクト層の膜厚は2〜30μmであればよい。
【0087】
(クラック防止層)
次に、TMG、TMI(トリメチルインジウム)、アンモニアを用い、温度を800℃にしてIn0.06Ga0.94Nよりなるクラック防止層を0.15μmの膜厚で成長させる。なお、このクラック防止層は省略可能である。
【0088】
(n型クラッド層)
次に、温度を1050℃にして、原料ガスにTMA(トリメチルアルミニウム)、TMG及びアンモニアを用い、アンドープのAlGaNよりなるA層を25Åの膜厚で成長させ、続いてTMAを止め、不純物ガスとしてシランガスを用い、Siを5×1018/cmドープしたGaNよりなるB層を25Åの膜厚で成長させる。そしてこの操作をそれぞれ160回繰り返してA層とB層を交互に積層し、総膜厚8000Åの多層膜(超格子構造)よりなるn型クラッド層を成長させる。この時、アンドープAiGaNのAlの混晶比としては、0.05以上0.3以下の範囲であれば、十分にクラッド層として機能する屈折率差を設けることができる。
【0089】
(n型光ガイド層)
次に、同様の温度で原料ガスにTMG及びアンモニアを用い、アンドープのGaNよりなるn型光ガイド層を0.1μmの膜厚で成長させる。この層は、n型不純物をドープさせてもよい。
【0090】
(活性層)
次に、温度を800℃にして、原料にTMI(トリメチルインジウム)、TMG及びアンモニアを用い、不純物ガスとしてシランガスを用い、Siを5×1018/cmドープしたIn0.05Ga0.95Nよりなる障壁層を100Åの膜厚で成長させる。続いてシランガスを止め、アンドープのIn0.1Ga0.9Nよりなる井戸層を50Åの膜厚で成長させる。この操作を3回繰り返し、最後に障壁層を積層させて総膜厚550Åの多重量子井戸構造(MQW)の活性層を成長させる。
【0091】
(p型キャップ層)
次に、同様の温度で、原料ガスにTMA、TMG及びアンモニアを用い、不純物ガスとしてCpMg(シクロペンタジエニルマグネシウム)を用い、Mgを1×1019/cmドープしたAlGaNよりなるp型電子閉じ込め層を100Åの膜厚で成長させる。
【0092】
(p型光ガイド層)
次に、温度を1050℃にして、原料ガスにTMG及びアンモニアを用い、アンドープのGaNよりなるp型光ガイド層を750Åの膜厚で成長させる。このp型光ガイド層はアンドープとして成長させるが、Mgをドープさせてもよい。
【0093】
(p型クラッド層)
続いて、1050℃でアンドープAl0.16Ga0.84Nよりなる層を25Åの膜厚で成長させ、続いてTMGを止め、CpMgを用いてMgドープGaNよりなる層を25Åの膜厚で成長させ、総膜厚0.6μmの超格子層よりなるp型クラッド層を成長させる。p型クラッド層は少なくとも一方がAlを含む窒化物半導体層を含み、互いにバンドギャップエネルギーが異なる窒化物半導体層を積層した超格子で作製した場合、不純物はいずれも一方の層に多くドープして、いわゆる変調ドープを行うと結晶性がよくなる傾向にあるが、両方に同じようにドープさせてもよい。
【0094】
(p型コンタクト層)
最後に1050℃でp型クラッド層の上にMgを1×1020/cmドープしたp型GaNよりなるp型コンタクト層を150Åの膜厚で成長させる。p型コンタクト層はp型のInAlGa1−x−yN(x≦0、y≦0、x+y≦1)で構成することができ、好ましくはMgをドープしたGaNとすればp電極と最も好ましいオーミック接触が得られる。反応終了後、反応容器内において窒素雰囲気中でウエハを700℃でアニーリングして、p型層を更に低抵抗化する。
【0095】
(n型層露出及び共振器面形成)
以上のようにして窒化物半導体を形成した後、ウエハを反応容器から取り出し、最上層のp型コンタクト層の表面にSiOよりなる保護膜を形成してRIE(反応性イオンエッチング)を用いSiClガスによりエッチングし、共振器面となる活性層端面を露出させてエッチング端面を共振器端面とする。
【0096】
(基板露出)
次に、SiOをウエハ全面に形成した後、その上にn型コンタクト層の露出面を除いてレジスト膜を形成し、基板が露出するまでエッチングする。共振器面など側面にもレジスト膜が形成されているので、エッチング後には、先に形成させた共振器面などの側面(p型層と、活性層と、n型層の一部と、を含む)と、共振器面と基板との間のn型層との2段になった端面が形成されることになる。
【0097】
(ストライプ状凸部形成)
次に、ストライプ状の導波路領域を形成するために、最上層のp型コンタクト層のほぼ全面にCVD装置により、Si酸化物(主としてSiO)よりなる保護膜を0.5μmの膜厚で形成した後、保護膜の上に幅3μmのストライプ形状のマスクをかけ、RIE装置によりCFガスを用いてSiOをエッチングしその後SiClにより窒化物半導体層をp型ガイド層が露出するまでエッチングし、活性層よりも上にストライプ状の凸部が形成される。
【0098】
(第1の絶縁膜)
SiOマスクをつけたまま、p型半導体層表面にZrOよりなる第1の絶縁膜を形成する。この第1の絶縁膜は後に分割され易いように絶縁膜を形成させない部分を設けてもよい。第1の絶縁膜形成後、バッファード液に浸漬して、ストライプ状凸部の上面に形成したSiOを溶解除去し、リフトオフ法によりSiOと共に、p型コンタクト層上(更にはn型コンタクト層上)にあるZrOを除去する。これにより、ストライプ状凸部の上面は露出され、凸部の側面はZrOで覆われた構造となる。
【0099】
(オーミック電極)
次に、p型コンタクト層上の凸部最表面の第1の絶縁膜上にp側オーミック電極を形成させる。このp側オーミック電極は、Ni−Auからなる。電極形成後、それぞれを酸素:窒素が1:99の割合の雰囲気中で、600℃でアニーリングすることで、p側オーミック電極を合金化し、良好なオーミック特性を得る。
【0100】
(第2の絶縁膜)
次いで、ストライプ状凸部上のp側オーミック電極の一部にレジストを塗布し、Si酸化物(主としてSiO)とTi酸化膜(TiO)の多層膜からなる第2の絶縁膜をλ/4nの膜厚で2ペア(4層)の条件で、エッチングされた底面及び側面に形成することでミラーを形成する。このときp側オーミック電極は露出するようにしておく。
【0101】
(p側メタライズ層)
次に、上記の絶縁膜を覆うようにp側メタライズ層を形成する。p側メタライズ層は、密着層、バリア層、共晶層からなり、各層は、p型半導体層側からとしてRhO−Pt−Au−Sn−Auの順に膜厚2000Å−3000Å−3000Å−30000Å−1000Åで形成する。
【0102】
他方、支持基板を用意する。膜厚が200μmでありCu20%、W80%から成る支持基板の表面にメタライズ層をTi−Pt−Auの順に膜厚2000Å−3000Å−12000Åで形成する。
【0103】
次に前記p側メタライズ層と、支持基板のメタライズ層とを接合させて、両者を貼り合わせる。240℃でプレス圧力をかける。ここで共晶ができる。その後、研削によってサファイア基板を除去後、露出したn型コンタクト層をKOH及びコロイダルシリカ(KSiO)を用いてケミカルポリッシュ研磨して面荒れを無くす。
【0104】
次に前記n型コンタクト層上にn型電極をTi−Al―Ti―Pt−Auの順に膜厚100Å−2500Å−1000Å−2000Å−6000Åで形成する。その後、支持基板を100μmまで研磨した後、支持基板の裏面にTi−Pt−Auを1000Å−2000Å−3000Åで成膜した後、ダイシングを行う。
【0105】
以上のようにして得られる窒化物半導体レーザ素子は、しきい値電流密度1.5kA/cm、しきい値電圧3.5Vである。
【0106】
[実施例2]
実施例1において、膜厚が200μmであってCu50%、Mo50%から成る支持基板を用いる。その他の条件は実施例1と同様とする。以上によって得られるLD特性は、しきい値電流密度1.5kA/cm、しきい値電圧3.5Vである。
【0107】
[実施例3]
実施例3では、オーミック電極形成工程までは実施例1と同様に形成する。
【0108】
(第2の絶縁膜)
次いで、ストライプ状凸部上のp側オーミック電極の一部にレジストを塗布し、Si酸化物(主としてSiO)を膜厚0.5μmの条件で、エッチングされた低面及び側面に形成し、リフトオフすることで保護膜を形成する。このときPオーミック電極は露出するようにしておく。
【0109】
(p側メタライズ層)
次に、上記の絶縁膜を覆うようにp側メタライズ層を形成する。p側メタライズ層は、密着層、バリア層、共晶層からなり、各層は、p型半導体層側からとしてRhO−Pt−Au−Sn−Auの順に膜厚2000Å−3000Å−3000Å−30000Å−1000Åで形成する。
【0110】
他方、支持基板を用意する。膜厚が200μmでありCu20%、W80%から成る支持基板の表面にメタライズ層をTi−Pt−Auの順に膜厚2000Å−3000Å−12000Åで形成する。
【0111】
次に前記p側メタライズ層と、支持基板のメタライズ層とを接合させて、両者を貼り合わせる。240℃してプレス圧力をかける。ここで共晶ができる。その後、研削によってサファイア基板を除去後、露出したn型コンタクト層をKOH及びコロイダルシリカ(KSiO)を用いてケミカルポリッシュ研磨して面荒れを無くす。
【0112】
その後フッ酸により洗浄を行い第2の保護膜として形成したSi酸化膜を除去する。
次に前記n型コンタクト層上にn型電極をTi−Al―Ti―Pt−Auの順に膜厚100Å−2500Å−1000Å−2000Å−6000Åで形成する。その後、支持基板を100μmまで研磨した後、支持基板の裏面にTi−Pt−Auを1000Å−2000Å−3000Åで成膜した後、バー状態にダイシングを行う。その後、片側端面にSiOとZrOの多層膜をそれぞれλ/4nの膜厚で6ペア(12層)形成する。また他方端面にNbよりなる保護膜を形成する。その後ダイシングによりチップ状に分離する。
【0113】
最後にストライプ状凸部に平行な方向でバーを切断して本発明の窒化物半導体レーザ素子を得る。以上のようにして得られる窒化物半導体レーザ素子は、室温において閾値2.0kA/cm、しきい値電圧3.6Vである。
【0114】
[実施例4]
実施例4では、第2の保護膜形成工程までは実施例1と同様に形成する。
【0115】
(充填材)
RhO−Pt−Auの順で第2のp側電極をp側オーミック電極の上に形成させる。次いで、エッチングされた溝部にポリイミドを塗布法により形成し、ウエハ全体の平坦化を行う。このときp型半導体層上部は第2のp側電極が露出するようにしておく。
【0116】
(p側メタライズ層)
次に、ウエハ全面にp側メタライズ層を形成する。p側メタライズ層は、密着層、バリア層、共晶層からなり、各層は、p型半導体層側からとしてRhO−Pt−Au−Sn−Auの順に膜厚2000Å−3000Å−3000Å−30000Å−1000Åで形成する。
【0117】
他方、支持基板を用意する。膜厚が200μmでありCu20%、W80%から成る支持基板の表面にメタライズ層をTi−Pt−Auの順に膜厚2000Å−3000Å−12000Åで形成する。
【0118】
次に前記p側メタライズ層と、支持基板のメタライズ層とを接合させて、両者を貼り合わせる。240℃でプレス圧力をかける。ここで共晶ができる。その後、研削によってサファイア基板を除去後、露出したn型コンタクト層をKOH及びコロイダルシリカ(KSiO)を用いてケミカルポリッシュ研磨して面荒れを無くす。
【0119】
その後、酸素プラズマによりポリイミド充填層の除去を行う。次に前記n型コンタクト層上にn型電極をTi−Al―Ti―Pt−Auの順に膜厚100Å−2500Å−1000Å−2000Å−6000Åで形成する。その後、支持基板を100μmまで研磨した後、支持基板の裏面にTi−Pt−Auを1000Å−2000Å−3000Åで成膜した後、ダイシングを行う。
【0120】
以上のようにして得られる窒化物半導体レーザ素子は、しきい値電流密度1.5kA/cm、しきい値電圧3.5Vである。
【0121】
[実施例5]
実施例5では、幅3μmのリッジを、60μm間隔で30本有するマルチストライプ型の窒化物半導体レーザ素子を形成させる以外は実施例1と同様に行い、本発明の窒化物半導体レーザ素子を得る。得られる窒化物半導体レーザ素子は、室温において1.5kA/cm、しきい値電圧3.5Vであった。このとき、各ストライプからは均一にレーザ光が発振されており、最大出力は10Wである。
【発明の効果】
本発明の半導体レーザ素子は、エッチングにより形成される端面を有する窒化物半導体層と、その窒化物半導体層の成長基板とは異なる支持基板とを有するものであり、これにより、成長基板及び支持基板の劈開性に制限されることなく平滑性に優れた窒化物半導体層の端面を形成させることができる。特に、成長基板は半導体層の成長に適した基板を、また、支持基板は熱導電性に優れた基板をそれぞれ用いることで、放熱性に優れた窒化物半導体レーザ素子とすることができる。特に、複数の導波路領域を有するレーザアレイなど、高出力を要求されるような場合、放熱性を向上させることでCODを抑制し、寿命特性に優れた窒化物半導体レーザアレイとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)本発明の実施の形態の半導体レーザ素子を説明する断面図、(b)図1(a)の部分拡大図
【図2】(a)本発明の他の形態の半導体レーザ素子を説明する断面図、(b)図2(a)を基体に載置しワイヤを接合させた断面図、(c)n型半導体層側を基体に接合させて支持基板側にワイヤを接合させた断面図
【図3】(a)本発明の他の形態の半導体レーザ素子を説明する断面図、(b)図3(a)を基体に載置しワイヤを接合させた断面図
【図4】本発明の第1の工程を説明するウエハ上面図
【図5】本発明の第1の工程を説明するウエハ上面図
【図6】本発明の第1の工程を説明するウエハ上面図
【図7】本発明の第1の工程を説明するウエハ上面図
【図8】本発明の第1〜第3の工程を説明する斜視図及びその断面図
【図9】本発明の第4〜第5の工程を説明する断面図
【図10】本発明の第6の工程を説明する断面図
【図11】本発明の第7の工程を説明する斜視図及びその断面図
【図12】本発明の第7の工程を有する場合の第4〜第5の工程を説明する断面図
【図13】本発明の第7の工程を有する場合の第6の工程を説明する断面図
【符号の簡単な説明】
1・・・n型窒化物半導体層
2・・・p型窒化物半導体層
3・・・活性層
4・・・p側メタライズ層
5・・・p側オーミック電極
6・・・第2のp側電極
7・・・p側取り出し電極
8・・・n側電極
9・・・第1の絶縁膜
10・・第2の絶縁膜
11・・支持基板
12・・支持基板のメタライズ層
13・・充填剤
14・・エッチング部(エッチング溝)
15・・成長基板

Claims (7)

  1. 成長基板上に、n型半導体層と、活性層と、p型半導体層とが順に積層されてなる窒化物半導体層を形成し、p型半導体層側からエッチングして底面がn型半導体層に達する溝部を設けることによって共振器面を形成させる第1の工程と、
    前記共振器面で挟まれるp型半導体層の表面にストライプ状のリッジを形成させる第2の工程と、
    前記p型半導体層の表面にp側メタライズ層を形成させる第3の工程と、
    前記メタライズ層と支持基板を接合させる第4の工程と、
    レーザ光の照射又は研削によって前記成長基板を除去し、さらに窒化物半導体層を研磨して前記溝部の底面を除去することによって互いに離間した窒化物半導体層を形成する第5の工程と、
    前記溝部において前記支持基板を分割し、チップ状にする第6の工程とを有することを特徴とする窒化物半導体レーザ素子の製造方法。
  2. 前記第1の工程は、前記n型半導体層の表面の一部が露出するまでエッチングして共振器面を形成する前工程と、その後に、前記露出されたn型半導体層の表面の一部を更にエッチングして前記共振器面より突出するn型半導体層の端面を形成する後工程とにより、2段になる端面を形成する請求項記載の窒化物半導体レーザ素子の製造方法。
  3. 前記リッジは、複数形成される請求項1又は2に記載の窒化物半導体レーザ素子の製造方法。
  4. 前記第3の工程と、前記第4の工程との間に、前記エッチングにより除去されて露出された底面から前記p側メタライズ層の上面と略同一面に達するまで充填剤を充填させる第7の工程を有する請求項1乃至3のいずれか1項に記載の窒化物半導体レーザ素子の製造方法。
  5. 前記第4の工程は、前記窒化物半導体層と、前記支持基板とを合金共晶による導電層によって接合させる請求項1乃至4のいずれか1項に記載の窒化物半導体レーザ素子の製造方法。
  6. 前記第6の工程の前に前記充填剤を除去する請求項4又は5に記載の窒化物半導体レーザ素子の製造方法。
  7. 前記第5の工程は、前記溝部を底面側から開口させることによって窒化物半導体層を離間させる請求項1乃至6のいずれか1項に記載の窒化物半導体レーザ素子の製造方法。
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