JP4099917B2 - 映像信号再生装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はDVDや衛星放送など、映画素材やビデオ素材等様々な映像情報を転送して映像信号を順次走査再生する為の映像信号再生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、DVDや衛星放送等の映像出力はテレビ受像器で再生出来るよう飛び越し走査で出力されるのが普通であるが、近年、マルチスキャン対応のモニタやプロジェクタ、またはコンピュータ用モニタ等の普及に伴ってこれらの飛び越し走査映像信号を順次走査映像信号に変換する映像信号再生装置が導入されつつある。
【0003】
図10は従来例の映像信号再生装置の構成を示すブロック図である。図において、1はディスクで、フィルム素材映像を電気的信号に変換した映像信号もしくはビデオ信号を素材とする映像信号のいずれかからなる映像信号が、予め記録に適した信号形態に符号化され、変調されて記録されている。2はピックアップで、ディスク1に記録された信号を電気的信号に変換する。3はディスク回転装置で、ディスク1を再生に適した回転数で回転させる。4は飛び越し走査映像信号再生回路で、ディスク1に記録された映像信号を復調し、復号し、飛び越し走査映像信号として出力する。5はNTSCエンコーダで、飛び越し走査映像信号をNTSCビデオフォーマットに変換し出力する。6は飛び越し走査映像信号出力端子で、これより再生された飛び越し走査映像信号が出力される。7は順次走査映像信号変換回路で、飛び越し走査映像信号再生回路4の出力を順次走査映像信号に変換し出力する。8はメモリーで、1フィールド分の映像信号を記憶できる能力を持ち、順次走査映像信号変換回路7の動作に用いられる。9は色差コンバータで、順次走査映像信号変換回路7の出力を順次走査色差信号に変換し出力する。10は順次走査映像信号出力端子で、これより映像表示装置(図示せず)に順次走査映像信号が出力される。
【0004】
以上の様に構成された従来の映像信号再生装置についてさらにその動作を説明する。
【0005】
図11は従来例の映像信号再生装置の飛び越し走査映像信号と順次走査映像信号の構造を示す模式図である。飛び越し走査映像信号では、1/60秒で1フィールドの画像が構成され、それが2枚合わされて1フレームの画像となる。2枚のフィールドの縦画素数はそれぞれ240であり、互いの画素はそれぞれの画素の縦方向の間を埋めあう様な配置になる。順次走査信号では1フレームが1/60秒で縦画素数は480である。
【0006】
共に、垂直周波数は1/60秒であり、水平走査線数は飛び越し走査映像信号に比べ順次走査映像信号は倍になるので、水平走査周波数は飛び越し走査映像信号が約15.75KHzであるのに対して、順次走査映像信号では約31.5KHzになる。
【0007】
図12は従来例の映像信号再生装置の映像信号の構造を示す模式図である。図12に示す様に、ディスク1に記録される映像信号には2つの形態がある。即ち、図12に示すa)はフィルム素材であり、この場合には、元となる素材は毎秒24コマの絵で構成されるフィルム画像であり、各コマ毎に横720ドット、縦480ドットの画像として圧縮されディスク1に記録されている。図12に示すb)はビデオ素材画像であり、この場合には元となる素材は毎秒30フレーム/60フィールドの飛び越し走査画像である。各フレームは横720ドット、縦480ドットの画像であるが、飛び越し走査されるので、各フィールドでは横720ドット縦240ドットの画像になり、圧縮されディスク1に記録されている。
【0008】
ディスク1に記録された映像信号の素材がフィルムである場合には、図12のa−1)に示す様に、フィルム素材のディスクでは、コマ番号が・・・・、n、n+1、n+2、n+3、・・・・の順で記録されている。このように記録されたフィルム素材信号を、ピックアップ2が電気的信号に変換し、飛び越し走査映像信号再生回路4が復調し、飛び越し走査映像に変換して出力する。これは、一般に家庭で鑑賞するための画像表示装置としてテレビジョンモニターが、最も多く使われており、その表示形式が飛び越し走査であるからであり、またテレビジョンモニターは毎秒30フレーム/60フィールドの動画を扱う様に設計されているために、同時に飛び越し走査映像信号再生回路4は毎秒24コマの映像を毎秒30フレーム/60フィールドの飛び越し走査映像に変換して出力する。即ち、飛び越し走査映像信号再生回路4は図12のa−2)飛び越し走査映像出力に示す様に、記録情報の各コマをoddとevenの2つの飛び越し走査フィールド画像に分け、更に、1コマ毎に先頭のフィールドを最後のフィールドの後に繰り返して表示する事により、毎秒24コマのフィルム映像を毎秒30フレーム/60フィールドの飛び越し走査画像に変換して出力する。この様にして再生された飛び越し走査映像信号をNTSCエンコーダ5がNTSC標準ビデオ信号にして、飛び越し走査映像信号出力端子6に出力する。飛び越し走査映像信号出力端子6にはテレビモニター(図示せず)が接続され、使用者はそれにより飛び越し走査映像に変換されたフィルム素材映像を鑑賞する事ができる。
【0009】
更に、飛び越し走査映像信号再生回路4は、飛び越し走査映像信号を順次走査映像信号変換回路7に入力する。順次走査映像信号変換回路7は、図12のa−2)に示す飛び越し走査映像出力を各コマ毎に先頭フィールドを第1のメモリー7に格納した後、第2フィールドを第1のメモリー7に格納し、両者の情報を1ライン毎に倍速で読み出す事により、図12のa−3)に示す順次走査映像出力を得る。変換された映像信号は色差コンバータ9でアナログの順次走査色差信号に変換され、順次走査映像信号出力端子10から出力される。順次走査映像信号出力端子10には順次走査映像信号用テレビモニター(図示せず)が接続され、使用者はそれにより順次走査映像にもどされたフィルム素材映像を鑑賞する事ができる。
【0010】
ディスク1に記録された映像信号の素材がビデオである場合には、飛び越し走査映像信号再生回路4は、ピックアップ2の出力よりディスク1に記録されている信号を読み取り、復調し、図12のb−2)の飛び越し走査映像出力に示す様にそのまま飛び越し走査映像信号として出力し、NTSCエンコーダ5がNTSC標準ビデオ信号にして、飛び越し走査映像出力端子6に出力する。
【0011】
更に、飛び越し走査映像信号再生回路4は、飛び越し走査映像信号を順次走査映像信号変換回路7に入力する。順次走査映像信号変換回路7は、ビデオ素材の場合には、フィールド映像情報とその前に位置するフィールドの2つのフィールド情報を用いて順次走査映像信号を生成する。この時、順次走査映像信号変換回路7は図12のb−2)の飛び越し走査映像出力と、1つ前のフィールドの飛び越し走査映像出力との間での動きが小さい画素に関して前のフィールドのデータも用いて縦補間し、前のフィールドとの間での動きが大きい画素に関しては同一フィールド内の上下の画素データにより縦補間データを生成する事により図12のb−3)に示す順次走査映像出力を得る。変換された映像信号は色差コンバータ9でアナログの順次走査色差信号に変換され、順次走査映像信号出力端子10から出力される。
【0012】
図13は従来例の映像信号再生装置の映像信号のエッジ信号特性を示す模式図である。これらの素材では飛び越し走査再生時に鮮鋭感を増す為に、素材状態で、エッジの強調が行われている。
【0013】
これは、ディファレンシャルマスク方式と呼ばれよく知られているものであり、撮像された主映像信号の2次微分信号を反転し、主映像に合成する方式である。図13において(c)は主映像信号の輝度信号でありエッジがなまっている。(d)は主映像信号の輝度信号1次微分信号で、主映像信号の立ち上がり部分に山ができる。(e)は主映像信号輝度信号の2次微分信号を反転した信号であり、エッジ部分の前半で負、後半で正の信号となる。(f)は主映像信号の輝度信号と2次微分信号を反転した信号を加算した信号であり、これが輪郭強調された出力信号である。
【0014】
この輪郭強調を素材に施す事によって、飛び越し走査映像信号出力の鮮鋭感を増している。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、飛び越し走査映像では輪郭部分には飛び越し走査に伴った妨害があり、この輪郭強調による輪郭周辺のオーバーシュートやリンギング成分を見えにくくし、総合画質として、これらの輪郭強調による画質改善が良好な結果をもたらしていたが、順次走査映像では、輪郭周辺の妨害が減り、きっちり輪郭が見えてしまう為に、輪郭強調による輪郭周辺のオーバーシュートやリンギングといった成分が見え、飛び越し走査映像信号よりも画質が劣化して見えてしまうという、映像信号再生装置にとって大きな欠点となるものである。
【0016】
今後は、順次走査変換後に、視感的にも飛び越し走査映像に比べて画質の劣化のない順次走査映像の出力ができる映像信号再生装置の導入が要求されている。
【0017】
本発明は、順次走査変換後に、飛び越し走査映像に比べて視覚的に解像度の劣化がなく、かつ、輪郭強調成分がエッジのオーバーシュートやリンギングとなって著しく画質を損ねる事のない順次走査映像の出力ができる映像信号再生装置の提供を目的とする。
【0018】
【発明を解決するための手段】
この課題を解決するために本発明では、フィルム素材映像を電気的信号に変換した第1の種類の映像信号もしくはビデオ信号を素材とした第2の種類の映像信号のいずれかからなる、輪郭強調が施された主映像信号を再生する映像信号再生装置であって、前記主映像信号を飛び越し走査映像信号として出力する飛び越し走査映像信号再生手段と、前記飛び越し走査映像信号再生手段出力を走査線変換した前記主映像信号を順次走査映像信号として出力する順次走査映像信号再生手段と、前記順次走査映像信号の輝度信号の1次微分値の絶対値を検出し出力する輪郭検出手段と、前記順次走査映像信号再生手段出力の周波数特性を変化させるフィルタ手段と、前記輪郭検出手段出力を用いて前記フィルタ手段の高域特性を順次走査映像信号の輝度信号の1次微分値の絶対値が大きくなるに従って劣化させる制御手段とを備えた事を特徴とする映像信号再生装置である。
この構成によって、輪郭周辺での周波数特性を制限する事により輪郭周辺のあるオーバーシュートやリンギングを低下させて、視感的にも飛び越し走査映像に比べて画質の劣化のない順次走査映像の出力ができる映像信号再生装置が得られる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。
【0026】
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1の映像信号再生装置の構成を示すブロック図である。図1において、1はディスクで、フィルム素材映像を電気的信号に変換した映像信号もしくはビデオ信号を素材とする映像信号のいずれかからなる主映像信号が、予め記録に適した信号形態に符号化され、変調されて記録されている。2はピックアップで、ディスク1に記録された信号を電気的信号に変換する。3はディスク回転装置で、ディスク1を再生に適した回転数で回転させる。4は飛び越し走査映像信号再生回路で、ディスク1に記録された主映像信号を復調し、復号し、飛び越し走査映像信号として出力する。5はNTSCエンコーダで、飛び越し走査映像信号をNTSCビデオフォーマットに変換し出力する。6は飛び越し走査映像信号出力端子で、これより再生された飛び越し走査映像出力が出力される。7は順次走査映像信号変換回路で、飛び越し走査映像信号再生回路4の出力を順次走査映像信号に変換し出力する。8はメモリーで、1フィールド分の映像信号を記憶できる能力を持ち、順次走査映像信号変換回路7の動作に用いられる。9は色差コンバータで、順次走査映像信号変換回路7の出力を順次走査色差信号に変換し出力する。10は順次走査映像信号出力端子で、これより映像表示装置(図示せず)に順次走査映像信号が出力される。11は1次微分回路で、順次走査映像信号変換回路7の輝度出力の1次微分の絶対値を出力する。12は制御回路で、1次微分回路11の出力と素材判別回路14の出力に応じて、可変フィルタ13の周波数特性を制御する。13は可変フィルタ回路で、順次走査映像信号変換回路7の出力の周波数特性を制御回路12の設定に応じて変化させる。14は素材判別回路で、ピックアップ2の出力より、ディスク1に記録された映像信号の素材がフィルムであるかビデオであるかを判別し、制御回路12に出力する。15は第1のスイッチで、使用者が制御回路12の制御の入り切りを選択する。
【0027】
以上の様に構成された本実施の形態の映像信号再生装置についてさらにその動作を説明する。
【0028】
図2は本発明の実施の形態1の映像信号再生装置の飛び越し走査映像信号と順次走査映像信号の構造を示す模式図である。飛び越し走査映像信号では、1/60秒で1フィールドの画像が構成され、それが2枚合わされて1フレームの画像となる。2枚のフィールドの縦画素数はそれぞれ240であり、互いの画素はそれぞれの画素の縦方向の間を埋めあう様な配置になる。順次走査信号では1フレームが1/60秒で縦画素数は480である。
【0029】
共に、垂直周波数は1/60秒であり、水平走査線数は飛び越し走査映像信号に比べ順次走査映像信号は倍になるので、水平走査周波数は飛び越し走査映像信号が約15.75KHzであるのに対して、順次走査映像信号では約31.5KHzになる。
【0030】
図3は本発明の実施の形態1の映像信号再生装置の映像信号の構造を示す模式図である。図3に示す様に、ディスク1に記録される映像信号には2つの形態がある。即ち、図3に示すa)はフィルム素材であり、この場合には、元となる素材は毎秒24コマの絵で構成されるフィルム画像であり、各コマ毎に横720ドット、縦480ドットの画像として圧縮されディスク1に記録されている。図3に示すb)はビデオ素材画像であり、この場合には元となる素材は毎秒30フレーム/60フィールドの飛び越し走査画像である。各フレームは横720ドット、縦480ドットの画像であるが飛び越し走査されるので、各フィールドでは横720ドット縦240ドットの画像になり、圧縮されディスク1に記録されている。
【0031】
ディスク1に記録された映像信号の素材がフィルムである場合には、図3のa−1)に示す様に、フィルム素材のディスクでは、コマ番号が・・・・、n、n+1、n+2、n+3、・・・・の順で記録されている。このように記録されたフィルム素材信号を、ピックアップ2が電気的信号に変換し、飛び越し走査映像信号再生回路4が復調し、飛び越し走査映像に変換して出力する。これは、一般に家庭で鑑賞するための画像表示装置としてテレビジョンモニターが、最も多く使われており、その表示形式が飛び越し走査であるからであり、またテレビジョンモニターは毎秒30フレーム/60フィールドの動画を扱う様に設計されているために、同時に飛び越し走査映像信号再生回路4は毎秒24コマの映像を毎秒30フレーム/60フィールドの飛び越し走査映像に変換して出力する。即ち、飛び越し走査映像信号再生回路4は図3のa−2)飛び越し走査映像出力に示す様に、記録情報の各コマをoddとevenの2つの飛び越し走査フィールド画像に分け、更に、1コマ毎に先頭のフィールドを最後のフィールドの後に繰り返して表示する事により、毎秒24コマのフィルム映像を毎秒30フレーム/60フィールドの飛び越し走査画像に変換して出力する。
【0032】
ディスク1に記録された映像信号の素材がビデオである場合には、飛び越し走査映像信号再生回路4は、ピックアップ2の出力よりディスク1に記録されている信号を読み取り、復調し、図3のb−2)の飛び越し走査映像出力に示す様にそのまま飛び越し走査映像信号として出力する。
【0033】
この様にして再生された飛び越し走査映像信号をNTSCエンコーダ5がNTSC標準ビデオ信号にして、飛び越し走査映像信号出力端子6に出力する。飛び越し走査映像信号出力端子6にはテレビモニター(図示せず)が接続され、使用者はそれにより飛び越し走査映像に再生されたビデオ素材映像を鑑賞する事ができる。
【0034】
更に、飛び越し走査映像信号再生回路4は、飛び越し走査映像信号を順次走査映像信号変換回路7に入力する。順次走査映像信号変換回路7は、素材がフィルムの場合には、図3のa−2)に示す飛び越し走査映像出力を各コマ毎に先頭フィールドを第1のメモリー8に格納した後、第2フィールドを第1のメモリー8に格納し、両者の情報を1ライン毎に倍速で読み出す事により、図3のa−3)に示す順次走査映像出力を得る。順次走査映像信号変換回路7は、素材がビデオの場合には、フィールド映像情報とその前に位置するフィールドの2つのフィールド情報を用いて順次走査映像信号を生成する。この時、順次走査映像信号変換回路7は図3のb−2)の飛び越し走査映像出力と、1つ前のフィールドの飛び越し走査映像出力との間での動きが小さい画素に関して前のフィールドのデータも用いて縦補間し、前のフィールドとの間での動きが大きい画素に関しては同一フィールド内の上下の画素データにより縦補間データを生成する事により図3のb−3)に示す順次走査映像出力を得る。
【0035】
順次走査映像信号変換回路7の出力は、1次微分回路11と可変フィルタ回路13とに入力される。
【0036】
図4は本発明の実施の形態1の映像信号再生装置の1次微分回路11の構成を示すブロック図である。図4に於いて、16は第1のDFFで、輝度信号入力にクロック入力によって得られる遅延を与え出力する。17は第1の減算器で、輝度信号入力と第1のDFF17の出力の差を求める。18は(−1)乗算器で、第1の減算器17の出力の符号を反転させる。19は第2のスイッチで、第1の減算器17の符号出力に応じて、第1の減算器17、(−1)乗算器18の出力を切り替えて出力する。
【0037】
この様な構成によって、第1の減算器17は、第1のDFF16で遅延される前後の輝度信号の差分値を出力する。即ち、第1の減算器17の出力は、輝度信号の微分値を求める。輝度信号の微分値は、輝度信号の変化方向によって、正負両方の値を取り得る。従って、第1の減算器17の符号出力で、第1の減算器17の出力と、その値の符号を変えた(−1)乗算器18の出力を切り替えれば、第2のスイッチ19からは、常に正の値、即ち輝度微分成分の絶対値を得る事ができる。
【0038】
図5は本発明の実施の形態1の映像信号再生装置の可変フィルタ回路13の構成を示すブロック図である。
【0039】
図において20は第1の遅延回路であり、入力される輝度信号に一定時間の遅延を与え出力する。21は第2のDFFであり、入力信号にクロック入力によって得られる遅延を与え出力する。22は第3のDFFであり、入力信号にクロック入力によって得られる遅延を与え出力する。23は第1の加算器であり、第1の遅延回路20と第3のDFF22の出力を加算する。24は(1/4)乗算器であり、第1の加算器23の出力を1/4倍して出力する。25は(1/2)乗算器であり、第2のDFF21の出力を1/2倍して出力する。26は第2の減算器であり、(1/4)乗算器24の出力より(1/2)乗算器25の出力を減算して出力する。27は(k/16)乗算器であり、第2の減算器26の出力をk/16倍して出力する。28は第3の減算器であり、第2のDFF21の出力から(k/16)乗算器27の出力を減算して出力する。29は第2の遅延回路であり、色差信号入力に一定時間の遅延を与え出力する。
【0040】
以上の様に構成された本発明の実施の形態1の映像信号再生装置の可変フィルタ回路13において、その動作を説明する。
【0041】
第2のDFF21と、第3のDFF22と、第1の加算器23と、(1/4)乗算器24と、(1/2)乗算器25と、第2の減算器26と、(k/16)乗算器27と、第3の減算器28はフィルタ回路を構成し、その伝達関数H(Z)は、
H(Z)=1−(k/16)・(Z-1/4−1/2+Z1/4)
ここで、Z-1=exp(−jωt)、ω:信号角周波数、t:クロック周期
となる。
【0042】
図6は本発明の実施の形態1の映像信号再生装置の可変フィルタ回路13の周波数特性を表す図である。
【0043】
図の縦軸はゲインであり、横軸は周波数である。fs/2はクロック周波数fsの半分の周波数である。
【0044】
図に示す様に、k=0で周波数特性は平坦になりkが小さくなるに従って高域特性が劣化し、k=−8の時にクロック周波数fsの半分の周波数fs/2においてゲインが0.5となる特性を持つ。
【0045】
図7は本発明の実施の形態1の映像信号再生装置の制御回路12の構成を示すブロック図である。
【0046】
図において、30は第1のコンパレータであり、1次微分絶対値信号入力と予め決定された第1のしきい値を比較し出力する。31は第1のモノマルチであり、第1のコンパレータ30が1次微分絶対値信号入力が第1のしきい値より大きい事を検出したときにトリガされ、一定時間のパルスを発生させる。32は第2のコンパレータであり、1次微分絶対値信号入力と予め決定された第2のしきい値を比較し出力する。33は第2のモノマルチであり、第2のコンパレータ32が1次微分絶対値信号入力が第2のしきい値より大きい事を検出したときにトリガされ、一定時間のパルスを発生させる。34は第3のコンパレータであり、1次微分絶対値信号入力と予め決定された第3のしきい値を比較し出力する。35は第3のモノマルチであり、第3のコンパレータ34が1次微分絶対値信号入力が第3のしきい値より大きい事を検出したときにトリガされ、一定時間のパルスを発生させる。36は第4のコンパレータであり、1次微分絶対値信号入力と予め決定された第4のしきい値を比較し出力する。37は第3のモノマルチであり、第4のコンパレータ34が1次微分絶対値信号入力が第4のしきい値より大きい事を検出したときにトリガされ、一定時間のパルスを発生させる。38はk決定回路であり、第1のモノマルチ31と、第2のモノマルチ33と、第3のモノマルチ35と、第4のモノマルチ37と、素材判別入力とスイッチ入力によってkの値を決定し出力する。
【0047】
入力輝度信号が8ビット巾の値を取るので、図7において、1次微分絶対値信号値は、8ビット値即ち0から255までの値を取り得る。そこで、第1のしきい値を128、第2のしきい値を64、第3のしきい値を32、第4のしきい値を16、という値に設定する。
【0048】
即ち、第1のモノマルチ31は1次微分絶対値信号値が128を越えると一定時間巾のパルスを生じ、第2のモノマルチ33は1次微分絶対値信号値が64を越えると一定時間巾のパルスを生じ、第3のモノマルチ35は1次微分絶対値信号値が32を越えると一定時間巾のパルスを生じ、第4のモノマルチ37は1次微分絶対値信号値が16を越えると一定時間巾のパルスを生じる。
【0049】
今、k決定回路の論理をスイッチ入力がある時には表1に示す様に設定する。
【0050】
【表1】
Figure 0004099917
【0051】
また、k決定回路の論理をスイッチ入力がない時には常にk=0とする。
【0052】
図8は本発明の実施の形態1の映像信号再生装置の映像信号のエッジ信号特性を示すタイミング図である。これらの素材では飛び越し走査再生時に鮮鋭感を増す為に、素材状態で、エッジの強調が行われている。
【0053】
これは、ディファレンシャルマスク方式と呼ばれ、よく知られているものであり、撮像された主映像信号の2次微分信号を反転し、主映像に合成する方式である。図において(c)は主映像信号の輝度信号でありエッジがなまっている。(d)は主映像信号の輝度信号1次微分信号で、主映像信号の立ち上がり部分に山ができる。(e)は主映像信号輝度信号の2次微分信号を反転した信号であり、エッジ部分の前半で負、後半で正の信号となる。(f)は主映像信号の輝度信号と2次微分信号を反転した信号を加算した信号であり、これが輪郭強調された出力信号である。即ち、図1において、飛び越し走査映像信号出力端子6より出力される映像信号には、この輪郭強調された映像信号が出力される。
【0054】
図9は本発明の実施の形態1の映像信号再生装置の1次微分回路11と制御回路12と可変フィルタ回路の動作を示すタイミング図である。図において、(g)に示すものが可変フィルタ回路入力輝度信号であり、これは図1の順次走査映像信号変換回路7の輝度信号出力である。前述した様に、この信号には輪郭強調が施されている。図9の(h)に示すのが1次微分回路出力であり、これが制御回路12に示されると、図7の第1のコンパレータ30のしきい値を越える1次微分回路出力によって第1のモノマルチ31がトリガされて、「1」を発生する。今、素材がフィルムであり、かつスイッチがONされている時、図7のk決定回路38の出力は表1に示す論理より、図9(i)に示す様に、1次微分回路出力が第1のしきい値を越えた後一定時間はk=−8となり、それ以外ではk=0となる。今、第1の遅延回路の遅延時間を、図9(j)に示すように、この第1のモノマルチ31が1を出力している時間の半分になるように設定すると、ちょうど第1の遅延回路出力に輪郭が現れる前後の一定時間だけk=−8となり、それ以外はk=0とする事ができる。図6に示す様に、可変フィルタ回路13の特性はk=−8の時にローパスフィルタとなるので、図9(k)に示す様に可変フィルタ回路輝度信号出力は、輪郭周辺部のみ高周波成分が除去され、輪郭強調のない自然な波形を得る事ができる。輪郭周辺部以外では、k=0となり、可変フィルタ回路13の周波数特性は平坦になるので、映像信号の細部は保存され、解像感も劣化しない。
【0055】
図5に於ける第2の遅延回路29は第1の遅延回路20と第2のDFF21により生じる輝度信号の遅延に合わせて色差信号を遅延させる働きをする。
【0056】
同様にして、輪郭の波高値に応じて、表1に示す論理で輪郭部分の周波数特性が制御されて、輪郭の強弱の合わせて的確な補正が行われる。また、表1では素材がビデオの場合とフィルムの場合とでkの値を異ならせているが、これはフィルムの場合にはより輪郭をなまらせる事によって、より映画に近い画質を得る為である。
【0057】
この様にして、輪郭強調を除去された順次走査映像信号は、色差コンバータ9でアナログの順次走査色差信号に変換され、順次走査映像信号出力端子10から出力される。順次走査映像信号出力端子10には順次走査映像信号用テレビモニター(図示せず)が接続され、使用者はそれにより順次走査映像に変換されたビデオ素材映像を鑑賞する事ができる。また使用者は第1のスイッチ15によってこの輪郭強調の除去機能を無効にする事もできる。
【0058】
この様に、本発明の実施の形態1の映像信号再生装置によれば、順次走査変換後に、飛び越し走査映像に比べて視覚的に解像度の劣化がなく、かつ、輪郭強調成分がエッジのオーバーシュートやリンギングとなって著しく画質を損ねる事のない順次走査映像の出力ができる映像信号再生装置の提供ができる。
【0059】
なお、以上の説明において、4種類のしきい値により輪郭の大小を判断して補正したが、これは何種類であっても本発明の効果は変わらない。また、可変フィルタ回路特性も、ローパスフィルタであれば、本発明の効果は期待でき、回路構成的には図5に示す回路に限定されない。また、素材判別によって、kの値を変えるようにしたが、これは、必ずしも切り替える必要はなく、kをフィルム素材時とビデオ素材時で同一にしても本発明の効果である輪郭強調成分の除去は可能なものである。また、使用者により、制御機能を入り切りできる構成としているが、これはもちろん、入り状態に固定しても本発明の効果は得られ。更に、使用者によって、何段階かkの値を選べるようにし、使用者の好みに応じて輪郭除去の強弱を可変できるようにする事も可能である。また、図1において、回路ブロック的記述を取ったが、図面の符号4以降の各要素については、マイクロプロセッサ等に置き換えて、ソフトウエアで実現する事も可能である。
【0060】
更に、映像信号再生装置をディスク装置で構成した例で説明したが、その他の映像信号再生装置として例えばテープ装置や、放送受信機(無線・有線)、あるいは急激な大容量化が進行中の半導体メモリによる画像再生装置、またはインターネット配信により映像を入力する映像信号再生装置等についても同様に実施可能である。
【0061】
【発明の効果】
以上の様に、本発明によれば、輪郭周辺での周波数特性を制限する事により輪郭周辺のあるオーバーシュートやリンギングを低下させて、視感的にも飛び越し走査映像に比べて画質の劣化のない順次走査映像の出力ができる映像信号再生装置が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1の映像信号再生装置の構成を示すブロック図
【図2】同、飛び越し走査映像信号と順次走査映像信号の構造を示す模式図
【図3】同、映像信号の構造を示す模式図
【図4】本発明の実施の形態1の映像信号再生装置の1次微分回路11の内部構成を示すブロック図
【図5】本発明の実施の形態1の映像信号再生装置の可変フィルタ回路13の内部構成を示すブロック図
【図6】本発明の実施の形態1の映像信号再生装置の可変フィルタ回路13の周波数特性を表す図
【図7】本発明の実施の形態1の映像信号再生装置の制御回路12の内部構成を示すブロック図
【図8】本発明の実施の形態1の映像信号再生装置の映像信号のエッジ信号特性を示すタイミング図
【図9】本発明の実施の形態1の映像信号再生装置の1次微分回路11と制御回路12と可変フィルタ回路の動作を示すタイミング図
【図10】従来例の映像信号再生装置の構成を示すブロック図
【図11】従来例の映像信号再生装置の飛び越し走査映像信号と順次走査映像信号の構造を示す模式図
【図12】従来例の映像信号再生装置の映像信号の構造を示す模式図
【図13】従来例の映像信号再生装置の映像信号再生装置の映像信号のエッジ信号特性を示すタイミング図
【符号の説明】
1 ディスク
2 ピックアップ
3 ディスク回転装置
4 飛び越し走査映像信号再生回路
5 NTSCエンコーダ
6 飛び越し走査映像信号出力端子
7 順次走査映像信号変換回路
8 メモリー
9 色差コンバータ
10 順次走査映像信号出力端子
11 1次微分回路
12 制御回路
13 可変フィルタ回路
14 素材判別回路
15 第1のスイッチ
16 第1のDFF
17 第1の減算器
18 (−1)乗算器
19 第2のスイッチ
20 第1の遅延回路
21 第2のDFF
22 第3のDFF
23 第1の加算器
24 (1/4)乗算器
25 (1/2)乗算器
26 第2の減算器
27 (k/16)乗算器
28 第3の減算器
29 第2の遅延回路
30 第1のコンパレータ
31 第1のモノマルチ
32 第2のコンパレータ
33 第2のモノマルチ
34 第3のコンパレータ
35 第3のモノマルチ
36 第4のコンパレータ
37 第4のモノマルチ
38 k決定回路

Claims (2)

  1. フィルム素材映像を電気的信号に変換した第1の種類の映像信号もしくはビデオ信号を素材とした第2の種類の映像信号のいずれかからなる、輪郭強調が施された主映像信号を再生する映像信号再生装置であって、
    前記主映像信号を飛び越し走査映像信号として出力する飛び越し走査映像信号再生手段と、
    前記飛び越し走査映像信号再生手段出力を走査線変換した前記主映像信号を順次走査映像信号として出力する順次走査映像信号再生手段と、
    前記順次走査映像信号の輝度信号の1次微分値の絶対値を検出し出力する輪郭検出手段と、
    前記順次走査映像信号再生手段出力の周波数特性を変化させるフィルタ手段と、
    前記輪郭検出手段出力を用いて前記フィルタ手段の高域特性を前記輝度信号の1次微分値の絶対値が大きくなるに従って劣化させる制御手段を備えた事を特徴とする映像信号再生装置。
  2. 前記制御手段は、主映像信号がフィルム素材である時は、ビデオ信号を素材とした時に比べて、前記フィルタ手段の高域特性の劣化度合いを大きくする事を特徴とする請求項1記載の映像信号再生装置。
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