JP4099420B2 - 遮音塀 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、住宅や駐車場などの敷地境界や道路境界などに好適に設けられる乾式の塀に関し、特に遮音性に優れる塀に関する。
【0002】
【従来の技術】
【特許文献1】
実開昭53−10547号公報
【特許文献2】
特開平9−144387号公報
【特許文献3】
特開2002−174056号公報
従来、実開昭53−10547号公報には支柱に設けられた断面コ字形の止め金具に鋼板塀が取り付けられた乾式の塀が提案されている。又、特開平9−144387号公報には、取付板部を持つ支柱と、外装材とこれに鉛直方向に取り付けた断面C字形取付部材とを備え、断面C字形取付部材に支柱の取付板部を入れ込むことで支柱に対してセメント系無機質板などからなる外装材を取り付けた乾式外構が提案されている。又、本出願人は特開2002−174056号公報において、地表に適宜間隔をおいて立設された支柱と、この支柱の表裏に間隔をおいて取着されたパネルからなる乾式塀であって、このパネルが合成樹脂からなる基体とこの基体の表裏に貼着された金属箔から製せられた乾式塀を提案している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上記実開昭53−10547号公報に提案されている如き乾式の塀に於いては、鋼板塀の重量が嵩み、施工性に問題があった。又、特開平9−144387号公報に提案されている乾式外構に於いては、セメント系無機質板をパネルとするため重量が嵩み、施工性に問題があった。更に、上記いずれの乾式塀に於いても、視線を遮るという効果はあるものの、遮音性能が劣るという問題があった。又、本出願人が特開2002−174056号公報において提案した地表に適宜間隔をおいて立設された支柱と、この支柱の表裏に間隔をおいて取着されたパネルからなる乾式塀であって、このパネルが合成樹脂からなる基体とこの基体の表裏に貼着された金属箔から製せられた乾式塀はパネル間の隙間や、パネルと地表の間の隙間から音が漏れやすいという問題があり、パネル自体の遮音能力の更に高いものが要求されている。
【0004】
そこで本発明者は従来の欠点に鑑み鋭意研究の結果、遮音性能に優れる遮音塀を提案するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明請求項1記載の遮音塀は、地表に適宜間隔で立設された支柱にパネルが設けられた塀に於いて、このパネルが適宜間隔をおいて設けられた一対の板材とこの板材の上下縁部に設けられた横桟と一対の板材間の空間を複数に分割する金属板からなる分割型材とからなり、板材は合成樹脂からなる基体とこの基体の表裏に設けられた金属板からなり、且つ一対の板材の上下の縁部が、上下の横桟に設けられた一対の挟持溝にそれぞれ挿入されて、一対の板材と横桟とにより前記空間が形成され、更にこの空間は、分割型材により形成され前記板材の面と並行な底板部と該底板部より略コ字状に立ち上がる側板部とにより分割されて、複数の中空部が形成されたもので、中空室内にグラスウールなどの吸音材を挿入することにより遮音性能を向上させることが出来る。
【0006】
【0007】
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら本発明に付いて説明する。
図1は本発明遮音塀におけるパネルの実施形態の一例を示す一部板材を切り欠いた斜視図である。
図に於いて、1は板材であり、上下の縁部が横桟2に設けられた挟持溝21に挿入されている。表の板材1と裏の板材1は、表裏の板材1間の空間を3分割する分割型材3を介して固着されており、3分割された空間にはグラスウールが吸音材5として挿入されている。
【0009】
板材1はポリエチレンなどの合成樹脂からなる基体の表裏に、アルミ合金やステンレス鋼板などの金属板が貼着されて作製されている。基体の厚みは特に限定されるものではないが、3乃至10mm程度の厚みの合成樹脂板が好適に用いられる。又、表裏に貼着される金属板は、0.2乃至0.6mm程度の厚みの金属板が好適に用いられる。基体に用いられる合成樹脂は特に限定されるものではないが軽量で耐久性に優れるポリエチレンが好適に用いられる。又、基体の表裏に貼着される金属板の材質は特に限定されるものではないが、不銹性に優れるステンレス鋼やアルミ合金の薄板が好適に用いられる。
【0010】
この例での分割型材3は、鋼板が適宜間隔をおいて直角に折曲されて作製されている。分割型材3に用いられる鋼板の表面は、鍍金や塗装などの適宜表面処理が施されればよい。又、分割型材3は、この例のように金属板を折曲して作製されてもよいが、アルミ合金押出型材などの型材が用いられてもよい。
【0011】
図2は本発明遮音塀におけるパネルの実施形態の第2の例を示す斜視図であり、図3は図2の要部の拡大図である。
図において、パネルは支柱(図示せず)間に上下2段に設置されるが、上段に設けられるパネルの下端に設けられている横桟2の下縁部の後端部には下方に向けて突出する突条22が横桟2の全長に亘って設けられ、下段のパネルとの間の隙間を隠蔽している。上段のパネルと下段のパネルの隙間が突条22により隠蔽されているので、パネル間の隙間からの音響の漏洩が少なく遮音性に優れる。
【0012】
図4,5は本発明遮音塀におけるパネルの実施形態の第3の例を示す斜視図である。
図において、パネルの下端に設けられた横桟2に断面コ字形の隠蔽部4が下方から下部の横桟2に被せられて下部横桟2と地表との隙間を隠蔽するようになされている。隠蔽部4は下部横桟2に対して摺動可能に被せられているので、地表に不陸があるときなどにも下部横桟2と地表との間に隙間が出来にくくパネル下端での音響の漏洩が少なく遮音性に優れる。
【0013】
本発明における横桟2はアルミ合金などの金属の押出型材が好適に用いられるが、これに限るものではなく合成樹脂の押出型材などが適宜用いられてもよい。又アルミ合金押出型材の表面はアルマイト処理などの防錆処理が施されるのが好ましい。隠蔽部4は合成樹脂やゴム状弾性体などが好適に用いられるが、金属の押出型材などが適宜用いられてもよい。
【0014】
【発明の効果】
上述の如く、本発明請求項1記載の遮音塀は、地表に適宜間隔で立設された支柱にパネルが設けられた塀に於いて、このパネルが適宜間隔をおいて設けられた一対の板材とこの板材の上下縁部に設けられた横桟と一対の板材間の空間を複数に分割する金属板からなる分割型材とからなり、板材は合成樹脂からなる基体とこの基体の表裏に設けられた金属板からなり、且つ一対の板材の上下の縁部が、上下の横桟に設けられた一対の挟持溝にそれぞれ挿入されて、一対の板材と横桟とにより前記空間が形成され、更にこの空間は、分割型材により形成され前記板材の面と並行な底板部と該底板部より略コ字状に立ち上がる側板部とにより分割されて、複数の中空部が形成されたもので、中空室内にグラスウールなどの吸音材を挿入することにより遮音性能を向上させることが出来る。又、高い遮音性が、特定の高さでのみ必要な場合など不要部分にグラスウールなどの吸音材を挿入する必要が無く、材料の使用を削減することが出来る。
【0015】
【0016】
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明遮音塀におけるパネルの実施形態の一例を示す一部板材を切り欠いた斜視図である。
【図2】 本発明遮音塀におけるパネルの実施形態の第2の例を示す斜視図である。
【図3】 図2の要部の拡大図である。
【図4】 本発明遮音塀におけるパネルの実施形態の第3の例を示す斜視図である。
【図5】 本発明遮音塀におけるパネルの実施形態の第3の例を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 板材
2 横桟
21 挟持溝
22 突条
3 分割型材
4 隠蔽部
5 吸音材
Claims (1)
- 地表に適宜間隔で立設された支柱にパネルが設けられた塀に於いて、このパネルが適宜間隔をおいて設けられた一対の板材とこの板材の上下縁部に設けられた横桟と一対の板材間の空間を複数に分割する金属板からなる分割型材とからなり、板材は合成樹脂からなる基体とこの基体の表裏に設けられた金属板からなり、且つ一対の板材の上下の縁部が、上下の横桟に設けられた一対の挟持溝にそれぞれ挿入されて、一対の板材と横桟とにより前記空間が形成され、更にこの空間は、分割型材により形成され前記板材の面と並行な底板部と該底板部より略コ字状に立ち上がる側板部とにより分割されて、複数の中空部が形成されていることを特徴とする遮音塀。
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