JP4099016B2 - 引戸用の自動閉止装置 - Google Patents
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Description
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、任意位置まで開放した戸パネルを、エアーダンパーで制動しながらゆっくりと自動閉止できる引戸用の自動閉止装置に関する。自動閉止装置の閉止動力源としては、例えば定荷重ばねユニットが使用されるものである。
【0002】
【従来の技術】
本出願人は、この種の自動閉止装置を先に提案した(特開平9−165968号公報)。そこでは、戸パネルを定荷重ばねユニットで閉じ付勢して、任意の開放位置から戸パネルを自動閉止できるようにし、エアーダンパーで戸パネルの閉止動作を制動している。そのエアーダンパーはシリンダーと、シリンダー内を摺動するピストンおよびピストンロッドと、シリンダー端に設けた速度コントローラなどからなる。
【0003】
速度コントローラは、閉止移動時の空気の通過量を調整する可変絞り弁と、開放移動時に空気の流入を許す給気弁とを備えていて、戸パネルが閉止移動する場合にのみ制動作用を発揮する。この種の自動閉止装置によれば、任意位置まで開放した戸パネルをエアーダンパーで制動してゆっくりと閉じ移動でき、引戸開放時にはエアーダンパーによる抵抗を受けることなく、戸パネルを軽快に開き操作できる。
【0004】
本発明の自動閉止装置は、戸パネルの開放途中にエアーダンパーのピストンロッドとランナーとの接続を解除するようになっているが、この種の自動閉止装置は特開平9−88413号公報や実開平6−1676号公報に公知である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従来の自動閉止装置においては、エアーダンパーをガイドレールに固定しておく必要上、ランナーの移動軌跡の上方にエアーダンパーを配置し、戸パネルを開閉する際にランナーとエアーダンパーとが接当緩衝するのを避けている。例えば、本出願人の先の提案に係る自動閉止装置においては、エアーダンパーを下向きに開口する断面コ字状のガイドレールの天井壁に固定し、その下方空間をランナーと定トルクばねユニットとが開閉移動する構造になっていた。そのため、ガイドレールの上下寸法が大きくなるのを避けられず、その分だけ自動閉止装置を含む引戸の設置スペースが大きくなる不利があった。もちろん、ガイドレールのコストを高く付いていた。
【0006】
断面L字のガイドレールでランナーを案内支持するようにした自動閉止装置がある。この場合にもランナーの移動軌跡の上方にエアーダンパーを配置する限り、自動閉止装置の全体を囲い込むための外装カバーが大形化するので、同様の不利を免れない。ランナーの移動軌跡とエアーダンパーを前後に隣接配置することはできるが、その場合にはガイドレールの上下寸法は小さくできるものの、前後寸法が大きくなる点で意味を為さない。また、ガイドレールに固定したエアーダンパーで、閉じストロークの全範囲にわたって戸パネルを制動する場合には、長尺のエアーダンパーが必要であるうえ、戸パネルを全開放操作した場合に、閉じストロークの全範囲で制動力が作用するので、戸パネルが完全に閉じ切るのに余分な時間が掛かる。
【0007】
本発明の目的は、エアーダンパーをランナーの移動軌跡と重なる状態で配置することにより、ガイドレールや外装カバーの上下寸法を可能な限り小さくでき、その分だけ自動閉止装置を含む引戸の設置スペースが小さくなり、ガイドレールを小形化して、その分だけ低コスト化できる自動閉止装置を提供することにある。
【0008】
本発明の目的は、戸パネルの開閉ストロークが大きい場合にも、より短いエアーダンパーで戸パネルを制動でき、従ってエアーダンパーの製作コストを削減化できる引戸用の自動閉止装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の自動閉止装置は、戸パネル2とガイドレール1との間に設けられて、戸パネル2を閉じ移動させる閉止動力源9と、閉止動力源9の閉止動力に抗して戸パネル2の閉じ動作を制動して減速するエアーダンパー10とを含む。戸パネル2は、その上面の左右両側に設けたランナー3・3を介してガイドレール1に吊持されており、該ガイドレール1に沿って開閉移動可能である。エアーダンパー10は、所定値以上の操作力が作用する状態においてのみガイドレール1に沿って往復変位可能な状態で支持されて、ガイドレール1側に固定したストッパー26・27で規定される範囲内を戸パネル2と同行移動できる。エアーダンパー10は、戸パネル2の上面の左右両側に設けたランナー3・3間に配置されており、ガイドレール1の断面方向から見て、少なくともエアーダンパー10の下半部分が、ランナー3の上半部分と上下方向において重なっていることを特徴とする。
【0010】
具体的には、エアーダンパー10は、ガイドレール1にスライド変位可能に案内支持する。ピストンロッド22がシリンダー20から相対的に抜き出し操作されるときの操作力をF1とし、エアーダンパー10がガイドレール1に沿ってスライド移動するときの操作力をF2とし、ピストンロッド22が相対的にシリンダー20内へ退入移動するときの操作力をF3とするとき、各操作力が不等式(F1<F2<F3)を満足するように設定する。
【0011】
断面コ字形の条材からなるガイドレール1の内面前後には、ランナー3を転動案内するレール壁4と、エアーダンパー10をスライド案内するガイド突起5とをそれぞれ一体に形成する。エアーダンパー10は、そのシリンダー20の外面に固定したスライドブロック24を介してガイド突起5で案内支持する。スライドブロック24とガイドレール1との間には、スライドブロック24の移動を制限する摩擦体29を配置する。
【0012】
エアーダンパー10と戸パネル2とは、所定の分離力が作用する状態でのみ分離できる連結具32を介して同行移動可能に連結する。連結具32は、ランナー3に設けたホルダー33と、ホルダー33とピストンロッド22のいずれか一方に固定した永久磁石34と、他方に固定した吸着板35とで構成する。ガイドレール1の断面方向から見て、ホルダー3とピストンロッド22とが重なっている。
【0013】
閉止動力源は、戸パネル2を閉じ位置へ向かって移行付勢する定荷重ばねユニット9からなる。その定荷重ばねユニット9は、閉じ端側のランナー3に固定されて、ドラム14に巻き掛けた帯状のばね材15の繰り出し端が、ガイドレール1の閉じ端側に固定されている。エアーダンパー10は、戸パネル2の上面の左右両側に設けたランナー3・3間に配置されており、ガイドレール1の断面方向から見て、少なくともエアーダンパー10の下半部分が、ランナー3および定荷重ばねユニット9の上半部分と上下方向において重なっている。
【0014】
【発明の作用効果】
本発明の自動閉止装置では、エアーダンパー10を戸パネル2の上面両側に設けたランナー3の左右間に配置して、ガイドレール1の断面方向から見て、少なくともエアーダンパー10の下半部分が、ランナー3の上半部分と上下方向において重なるようにしたので、ガイドレール1や自動閉止装置の外周を囲む外装カバーの上下寸法を可能な限り小さくして、その分だけ自動閉止装置を含む引戸の設置スペースを小さくできる。エアーダンパー10を戸パネル2の上面の左右両側に設けたランナー3・3間に配置したので、従来のエアーダンパーに比べてその左右長さを小さくでき、ガイドレール1の小形化と相まって自動閉止装置の全体製作コストを削減化できる。
【0015】
エアーダンパー10を左右のランナー3間に配置してガイドレール1に固定してしまうと、戸パネル2を開閉するときランナー3がエアーダンパー10に接当干渉する。これを避けて、戸パネル2を全開放位置まで支障なく開放操作するために、エアーダンパー10がガイドレール1に沿って往復変位可能に支持されている。
【0016】
また、戸パネル2を開放操作するのと同時に、シリンダー20が戸パネル2に同行して移動すると、戸パネル2を任意の開放位置から閉じるとき、その移動動作を制動できないことになる。これを避けて、戸パネル2の開放時にピストンロッド22のみを先行して伸張移動させるために、エアーダンパー10は所定値以上の操作力が作用する状態においてのみガイドレール1に沿って往復変位可能な状態で支持している。ストッパー26・27を設けるのは、エアーダンパー10がガイドレール1に沿って移動するので、その制動開始位置と移動限界位置とを特定するためである。
【0017】
エアーダンパー10は、例えば戸パネル2の上面で支持して、ガイドレール1に沿って往復変位させることができるが、その場合には戸パネル2とエアーダンパー10との間に何らかの支持構造を設ける必要がある。このような支持構造を省略して、自動閉止装置の構造を簡略化するために、エアーダンパー10がガイドレール1でスライド変位可能に案内支持されている。
【0018】
ピストンロッド22やエアーダンパー10の動作に関する操作力F1、操作力F2、操作力F3を不等式(F1<F2<F3)を満足するように設定したのは、戸パネル2の開放初期に、シリンダー20がピストンロッド22とともに戸パネル2に同行してスライド移動するのを防止し、さらに戸パネル2が閉じ移動するときに、スライドブロック24が閉じ端側のストッパー26で受け止められるのに先行して、ピストンロッド22がシリンダー20内へ退入してしまうのを防止するためである。これにより、任意の開放位置から閉じ移動する戸パネル2を、エアーダンパー10で確実に制動して、ゆっくりと閉じることができる。
【0019】
ガイドレール1の内面前後に、ランナー3用のレール壁4と、エアーダンパー10用のガイド突起5とをそれぞれ一体に形成して、エアーダンパー10をスライドブロック24を介してガイド突起5で案内支持し、スライドブロック24とガイドレール1との間に摩擦体29を配置すると、スライドブロック24(エアーダンパー10)が移動し始めるときの操作力F2を、摩擦体29の形成素材や、その構造を変更することによって厳密に規定できる。従って、戸パネル2を開放したのち、自動的に閉止するまでの一連の動作を確実化できる。スライドブロック24の形成素材に依存することなく、摩擦体29の摩擦力を変更調整することで、ガイドレール1の構造の違いなどに簡単に対応できる。
【0020】
エアーダンパー10と戸パネル2とが、分離可能な連結具32を介して同行移動可能に連結されていると、戸パネル2の開放端において永久磁石34と吸着板35とが分離した距離に相当する分だけ、エアーダンパー10の左右長さをさらに小さくしながら、閉止移動する戸パネル2を問題なく制動でき、エアーダンパー10の製作コストを削減化できる。
【0021】
定荷重ばねユニット9を閉止動力源にして戸パネル2を閉じ付勢し、ガイドレール1の断面方向から見て、少なくともエアーダンパー10の下半部分が、ランナー3および定荷重ばねユニット9の上半部分と上下方向において重なるようにした自動閉止装置によれば、定荷重ばねユニット9の作動に要するレール内空間を利用してエアーダンパー10を配置できるので、ガイドレール1の内部空間の無駄を省いて、自動閉止装置の全体をコンパクトにまとめることができる。
【0022】
【実施例】
図1ないし図6は本発明に係る自動閉止装置の実施例を示す。図2において、符号1は戸枠の上枠に固定したガイドレール、2は戸パネルである。戸パネル2は、その上部の左右両側に装着したランナー3を介してガイドレール1に吊持されており、ガイドレール1に沿って開閉移動する。
【0023】
図3においてガイドレール1は下向きに開口する断面コ字形のアルミニウム条材からなり、その下面前後にランナー3を転動案内するレール壁4を有し、レール内面の前後に後述するスライドブロック24をスライド案内するガイド突起5が対向状に突出形成されている。
【0024】
任意の位置に開放した戸パネル2を制動しながら自動的に閉止操作するために、ガイドレール1の内部には自動閉止装置を設ける。その自動閉止装置は、戸パネル2を閉じ位置へ向かって移行付勢する定荷重ばねユニット(閉止動力源)9と、定荷重ばねユニット9の閉止動力に抗して戸パネル2の閉じ動作を制動して減速させ、戸パネル2を緩やかに閉止移動させるためのエアーダンパー10とからなる。
【0025】
図1において定荷重ばねユニット9は、閉じ端側のランナー3に固定したホルダー12と、ホルダー12に固定の軸13に軸支されたドラム14と、ドラム14に渦巻状に巻き掛けた帯状のばね材15とからなる。ガイドレール1の閉じ端側に固定のブラケット16に、ばね材15の繰り出し端をビスで固定することにより、戸パネル2は前記ばね材15で常に閉じ方向へ引っ張り移動付勢されている。
【0026】
ばね材15は、ガイドレール1の上壁に近接対向する状態で繰り出される。なお、ばねユニット9は、ばね材15の繰り出し長さとは無関係に常に一定の引っ張り力を発揮し、従って戸パネル2を開放操作するとき、その開放量とは無関係に操作力をほぼ一定とすることができる。
【0027】
エアーダンパー10は、シリンダー20と、シリンダー20で移行案内されるピストン(図示していない)およびピストンロッド22と、シリンダー20の閉じ端側の端部に固定した速度コントローラ23と、シリンダー20の両側端に外嵌固定したスライドブロック24などを含む。速度コントローラ23は市販品であって、その内部には、シリンダー20内への空気の流入を許す逆止弁状の給気弁と、ピストンで排出される空気の通過量を調整する可変絞り弁とが内蔵されている。
【0028】
戸パネル2を開放するときは、ピストンの吸入作用によって吸気弁が開弁されるので、外部空気はシリンダー20内へ抵抗なく流入する。従って、ピストンおよびピストンロッド22は、殆ど抵抗のない状態でシリンダー20から引き出し操作できる。ピストンロッド22が逆向きに移動する場合には、給気弁は閉じ状態となり、シリンダー20内の空気は可変絞り弁で制限された状態で排出されるので、戸パネル2をゆっくりと閉じ移動できる。可変絞り弁の開量を調整することにより、戸パネル2の閉じ速度を大小に変更調整できる。なお、シリンダー20の左右長さは、戸パネル2の全開閉ストロークの半分程度の長さがあればよい。
【0029】
図3においてスライドブロック24は、前後一対の摺動部25を備えた逆凸字状のプラスチックブロックからなる。ガイドレール1の上壁とガイド突起5との間に前記摺動部25を嵌め込んで支持することにより、シリンダー20はガイドレール5に沿って左右スライドして戸パネル2と同行移動できる。但し、スライダー24がスライドできるのは、シリンダー20に所定値以上の操作力が作用した場合に限られ、しかも、スライドできる範囲はガイドレール3の上壁に固定した左右一対のストッパー26・27の範囲内に規制されている。
【0030】
戸パネル2を開閉するとき、ピストンロッド22と、シリンダー20(またはスライドブロック24)とが、規定された順序で伸縮し、あるいはエアーダンパー10を戸パネル2と所定の状態で同行移動させるために、スライドブロック24とガイドレール3の上壁との間には摩擦体29を配置して、スライドブロック24の移動を制限している。摩擦体29は、金属ばね材やプラスチック材等で形成でき、スライドブロック24に対して常に一定の摩擦抵抗を付与する。
【0031】
上記のような自動閉止装置において、戸パネル2の上面の左右両側に設けたランナー3・3間にエアーダンパー10を配置し、その外郭線がランナー3および定荷重ばねユニット9の移動軌跡と重なるようにエアーダンパー10を設けることにより、ガイドレール1の上下寸法を可能な限り小さくした。この実施例において、ガイドレール1の上下寸法は、ランナー3と定荷重ばねユニット9が移動するのに必要な高さ寸法に余裕隙間を加えた寸法としたうえで、エアーダンパー10の全体がガイドレール1内に収まるようにして、従来のガイドレールに比べてレール高さを減少させた。
【0032】
エアーダンパー10の左右長さを可能な限り小さく寸法設定してその製作コストを切り詰めるために、エアーダンパー10と戸パネル2とは連結具32を介して同行移動可能に連結し、戸パネル2が所定位置を越えて開放操作されるとき、連結具32による連結状態が解除されるようにした。
【0033】
図4および図5において、連結具32はピストンロッド22と、開放端側のランナー3との間に設けてあり、ランナー3のランナー台に設けたホルダー33と、ホルダー33に埋設固定した永久磁石34と、ピストンロッド22の突端に固定した円盤状の吸着板35とで構成されている。
【0034】
ホルダー33および永久磁石34は、図4に示すようにピストンロッド22の中心線上に設けた吸着板35を吸着できるように、ランナー台より上方に突出している。後述するように、永久磁石34と吸着版35とは所定の分離力が作用すると分離できる。
【0035】
戸パネル2を開閉する際に、ピストンロッド22およびエアーダンパー10を決められた手順に従って作動させるために、これらの操作力は次のように規定されている。戸パネル2を開放操作するのに伴い、ピストンロッド22がシリンダー20から抜き出し操作されるときの操作力(ピストンの摩擦抵抗力)をF1とし、ピストンロッド22が限界位置まで抜き出された後、エアーダンパー10がガイドレール1に沿ってスライド移動するときの操作力(摩擦体29の摩擦力)をF2とし、戸パネル2が定荷重ばねユニット9で引き戻されて閉じ移動することにより、ピストンロッド22がシリンダー20内へ退入移動するときの操作力(速度コントローラ23の可変絞り弁による通気抵抗力)をF3とするとき、各操作力が不等式(F1<F2<F3)を満足するように設定した。
【0036】
次に、自動閉止装置の動作を説明する。戸パネル2が閉じ状態にあるとき、エアーダンパー10の閉じ端側のスライドブロック24は、図1に示すように閉じ端側のストッパー26で受け止められており、ピストンロッド22はシリンダー20内の退入限界位置まで退縮している。連結具32の永久磁石34と吸着板35とは密着している。
【0037】
この状態から戸パネル2を開放操作すると、ピストンロッド22が戸パネル2と同行してシリンダー20から抜き出される。このとき、シリンダー20は摩擦体29およびスライドブロック24の摩擦力を受けるので、図6(a)に示すように、その位置に止まっている。なお、図6において符号6は戸枠の開放端側の側柱であり、側柱6に対する戸パネル2の位置からその開放量を知ることができる。
【0038】
戸パネル2をさらに開放操作すると、ピストンロッド22が限界位置まで抜け出るので、以後は図6(b)に示すようにシリンダー20がピストンロッド22に同行して移動する。つまり、エアーダンパー10が戸パネル2と同行移動する。このとき、戸パネル2を開放操作するのに操作力がいくらか増加するが、戸パネル2の運動慣性力が摩擦抵抗を打ち消すので、エアーダンパー10がスライドし始めるのと同時に操作力が急激に増加することはない。
【0039】
この状態で戸パネル2から手を離すと、戸パネル2は定荷重ばねユニット9で引き戻されて閉じ移動し、エアーダンパー10も同方向へ移動する。スライドブロック24が閉じ端側のストッパー26に接当するまでは、摩擦体29およびスライドブロック24の摩擦力によって、戸パネル2の閉じ移動が制動される。以後は、エアーダンパー10の制動作用によって戸パネル2が制動される。
【0040】
図6(b)の状態から戸パネル2をさらに開放操作すると、図6(c)に示すように開放端側のスライドブロック24が、開放端側のストッパー27に受け止められるので、それ以上にエアーダンパー10は移動できない。引き続き、戸パネル2を開放操作すると、連結具32が分離して戸パネル2のみが全開放位置へ移動する。このように、全開放位置の手前で連結具32を分離させると、永久磁石34と吸着板35とが分離した距離に相当する分だけエアーダンパー10の左右長さを小さくしてそのコストを切り詰めることができる。
【0041】
図6(c)の状態にある戸パネル2が定荷重ばねユニット9に引き戻されて閉じ移動すると、永久磁石34と吸着板35とが再連結し、ピストンロッド22がシリンダー20側へ押される。先に説明したように、ピストンロッド22がシリンダー20内へ退入移動するときの操作力F3は、エアーダンパー10がガイドレール1に沿ってスライド移動するときの操作力F2より充分に大きい。従って、永久磁石34が吸着板35に衝突した状態においては、シリンダー20内の空気が圧縮されてその分だけピストンロッド22は退縮するが、エアーダンパー10これ全体に操作力F3と同じ力が作用するため、エアーダンパー10は摩擦体29の摩擦力に打ち勝って閉じ端側へスライド移動する。
【0042】
エアーダンパー10がスライド移動するのに伴い、ピストンによって圧縮されたシリンダー20内の空気は速度コントローラ23を介して徐々に排出され、内圧が低下する。すると、ピストンロッド22は再び退縮するものの、その量は極く僅かでしかないので、エアーダンパー10はシリンダー内圧の上昇と低下とを繰り返しながら、スライドブロック24が閉じ端側のストッパー26に接当するまで円滑にスライド移動する。この過程においても、ピストンロッド22の僅かな退縮動作と、摩擦体29およびスライドブロック24の摩擦力によって、戸パネル2の閉じ移動が制動される。以後は、ピストンロッド22がシリンダー20内の空気を圧縮しながら退縮すること、即ちエアーダンパー10の制動作用によって戸パネル2が制動される。
【0043】
上記の実施例以外に、スライドブロック24は、ランナー3用のレール壁4とレール上壁とで案内支持することができ、その場合にはガイド突起5を省略できる。エアーダンパー10はガイドレール3で支持する必要はなく、例えば戸パネル2の上面で支持してもよい。必要に応じてローラーを介して戸パネル2の上面に支持してもよく、その場合にはエアーダンパー10とガイドレール3との間に、摩擦体29を設けてエアーダンパー10の移動を規制することができる。
【0044】
閉止動力源9としては、定荷重ばねユニット以外のばねを適用できる。また、ガイドレール3を閉じ端側へ向かって下り傾斜させておき、戸パネル2が自重で閉じ移動すること、つまり重力を閉止動力源9とすることができる。ガイドレール3は断面コ字形である必要はなく、上面や前面が開放された断面形状であってもよい。
【0045】
摩擦体29を用いる代わりに、スライドブロック24が乗り越え可能なストッパーをガイドレール1に設けておき、ピストンロッド22が限界位置へ伸び切るまでの間、シリンダー20の移動をストッパーで規制することができる。その場合には、戸パネル2が閉じ移動するときの動作を利用して、スライドブロック24がストッパーを乗り越えることで、エアーダンパー10をリセットするとよい。シリンダー20は左右に反転した状態で配置することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】自動閉止装置の中間部を省略した正面図である。
【図2】引戸の正面図である。
【図3】図4におけるA−A線断面図である。
【図4】連結具とその周辺構造を示す要部の正面図である。
【図5】連結具とその周辺構造を示す要部の平面図である。
【図6】エアーダンパーおよび連結具の動作を示す概略正面図である。
【符号の説明】
1 ガイドレール
2 戸パネル
3 ランナー
4 レール壁
5 ガイド突起
9 定荷重ばねユニット
10 エアーダンパー
14 ドラム
15 ばね材
20 シリンダー
22 ピストンロッド
24 スライドブロック
26・27 ストッパー
29 摩擦体
32 連結具
33 ホルダー
34 永久磁石
35 吸着板
Claims (5)
- 戸パネル(2)とガイドレール(1)との間に設けられて、戸パネル(2)を閉じ移動させる閉止動力源(9)と、閉止動力源(9)の閉止動力に抗して戸パネル(2)の閉じ動作を制動するエアーダンパー(10)とを含み、
戸パネル(2)は、その上面の左右両側に設けたランナー(3・3)を介してガイドレール(1)に吊持されており、該ガイドレール(1)に沿って開閉移動可能であり、
エアーダンパー(10)は、所定値以上の操作力が作用する状態においてのみガイドレール(1)に沿って往復変位可能な状態で支持されて、ガイドレール(1)側に固定したストッパー(26・27)で規定される範囲内を戸パネル(2)と同行移動でき、
エアーダンパー(10)が、戸パネル(2)の上面の左右両側に設けたランナー(3・3)間に配置されており、
ガイドレール(1)の断面方向から見て、少なくともエアーダンパー(10)の下半部分が、ランナー(3)の上半部分と上下方向において重なっていることを特徴とする引戸用の自動閉止装置。 - エアーダンパー(10)が、ガイドレール(1)にスライド変位可能に案内支持されており、
ピストンロッド(22)がシリンダー(20)から相対的に抜き出し操作されるときの操作力を(F1)とし、エアーダンパー(10)がガイドレール(1)に沿ってスライド移動するときの操作力を(F2)とし、ピストンロッド(22)が相対的にシリンダー(20)内へ退入移動するときの操作力を(F3)とするとき、
各操作力が不等式(F1<F2<F3)を満足するように設定してある請求項1記載の引戸用の自動閉止装置。 - 断面コ字形の条材からなるガイドレール(1)の内面前後に、ランナー(3)を転動案内するレール壁(4)と、エアーダンパー(10)をスライド案内するガイド突起(5)とがそれぞれ一体に形成されており、
エアーダンパー(10)は、そのシリンダー(20)の外面に固定したスライドブロック(24)を介してガイド突起(5)で案内支持されており、
スライドブロック(24)とガイドレール(1)との間に、スライドブロック(24)の移動を制限する摩擦体(29)が配置してある請求項2記載の引戸用の自動閉止装置。 - エアーダンパー(10)と戸パネル(2)とが、所定の分離力が作用する状態でのみ分離できる連結具(32)を介して同行移動可能に連結されており、
連結具(32)が、ランナー(3)に設けたホルダー(33)と、ホルダー(33)とピストンロッド(22)のいずれか一方に固定した永久磁石(34)と、他方に固定した吸着板(35)とで構成してあり、
ガイドレール(1)の断面方向から見て、ホルダー(33)とピストンロッド(22)とが重なっている請求項2または3記載の引戸用の自動閉止装置。 - 閉止動力源が、戸パネル(2)を閉じ位置へ向かって移行付勢する定荷重ばねユニット(9)からなり、
定荷重ばねユニット(9)は、閉じ端側のランナー(3)に固定されて、ドラム(14)に巻き掛けた帯状のばね材(15)の繰り出し端が、ガイドレール(1)の閉じ端側に固定されており、
エアーダンパー(10)が、戸パネル(2)の上面の左右両側に設けたランナー(3・3)間に配置されており、
ガイドレール(1)の断面方向から見て、少なくともエアーダンパー(10)の下半部分が、ランナー(3)および定荷重ばねユニット(9)の上半部分と上下方向において重なっている請求項2または3または4記載の引戸用の自動閉止装置。
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