JP4098257B2 - ホタテ中腸腺除去機、およびそれを用いた自動中腸腺除去装置、ならびにそれらによるホタテ中腸腺除去方法 - Google Patents

ホタテ中腸腺除去機、およびそれを用いた自動中腸腺除去装置、ならびにそれらによるホタテ中腸腺除去方法 Download PDF

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Description

この発明は、海産物の加工に関連するあらゆる分野をその技術分野とするものであって、魚介類の加工食品を製造する分野は勿論のこと、その製造に必要とする設備、器具類を提供、販売する分野から、それら資材や機械装置、部品類に必要となる素材、例えば、木材、石材、各種繊維類、プラスチック、各種金属材料等を提供する分野、それらに組み込まれる電子部品やそれらを集積した制御関連機器の分野、各種計測器の分野、当該設備、器具を動かす動力機械の分野、そのエネルギーとなる電力やエネルギー源である電気、オイルの分野といった一般的に産業機械と総称されている分野、更には、それら設備、器具類を試験、研究したり、それらの展示、販売、輸出入に係わる分野、将又、それらの使用の結果やそれを造るための設備、器具類の運転に伴って発生するゴミ屑の回収、運搬等に係わる分野、それらゴミ屑を効率的に再利用するリサイクル分野、その他現時点で想定できない新たな分野までと、関連しない技術分野はない程である。
(視 点)
我が国におけるホタテ貝の生産量は、栽培漁業の発展に伴い、略年間を通して大量且つ比較的安価に生産され続けていて国内外での消費拡大に大きく貢献してきているが、他方、海外におけるホタテ貝の増殖技術も近年益々向上していて、非常に安いホタテ貝が大量に輸入、供給されるようになってきていることから、市場での価格競争は激化の一途を辿り始めており、国内生産者には一層の生産コストの削減を迫られるようになっている。
ホタテ貝生産現場では、貝殻を取り除いて剥き身にした上、ボイルして出荷する段階に、消化器官である中腸腺(俗称、うろ)部分のみをきれいに取り除き、可食部である閉殻筋(以下、貝柱という。)部分を、外套膜を損ねることなく取り分ける作業に高度な熟練を要し、その作業技術の良否、即ち、貝柱部分に中腸腺部分の一部が付着、残存したままとなったり、誤って貝柱部分に傷を付けてしまえば、商品価値を著しく低下させてしまうことになってしまうことから、そのような事態を避けて高品質のホタテ貝を大量生産、出荷しようとすれば、熟練した多くの作業者を雇用しなければならないことになるが、最近では若年層の作業者の確保が難しくなって技術の習熟、伝承が円滑になされず、生産性の高い若年層からの熟練作業者の補充に期待が掛けられない事情もあって、結局、従来どおりの限られた中高齢者層に頼らざるを得ず、これら制約された労力に頼る限り大量生産によるコスト削減には自ずと限界があって、望むような生産性の改善を進められないでいるのが現状となっている。
(従来の技術)
こうした問題を解消するため、例えば、特開平5−176727号公報に示されている「中腸腺自動除去装置」発明のような装置の開発、提案がなされており、貝類の剥き身の閉殻筋と中腸腺との境界線をカメラで撮影し、画像処理することによって座標データに変換し、ウォータージェットノズルを当該境界線に沿って移動するよう制御し、中腸腺を機械的に切除してしまおうとするものや、あるいは、本願発明者自らの開発によって実現を見ている特許第2630925号公報「中腸腺自動除去装置」発明のように、剥き身を保持した保持回転装置を回転駆動させ、光学的検出器が中腸腺部分を検知すると同時に保持回転装置の駆動を停止し、続いて中腸腺部分の停止位置に対向して設けられた吸引ノズルが、予め設定された距離まで接近し、当該中腸腺部分だけを吸引、除去するよう構成したもの等に散見されるように、できるだけ人手に頼ることなく、しかも大量の貝類をその品質を落とさないで自動加工してしまおうとする幾つかの試みが既になされてきている。
(1)実開平5−176727号公報 (2)特許第2630925号公報
(問題意識)
しかし、これら従前からの提案によるウォータージェットノズルの水圧を利用して中腸腺を切除する技術や、吸引ノズルを用いて中腸腺部分を吸引、除去してしまうようにした技術等によって一見ホタテを自動加工処理できるかのように見えたものも、処理対象のホタテの一つ一つが、中腸腺の大きさ、形は固よりのこと、他の器官との関係、特にその付着力などの点で大なり小なり個体差を有するものであるため、一様の処理工程では個体差に対応できず、その多くに中腸腺の一部が僅かに残存してしまうため、結局手作業による二次処理を余儀なくされたり、外套膜の一部もしくは全部を脱落させてしまうか、更には貝柱の一部形状を損ねてしまう等したものの発生を避けられなく、最新の機械装置を組み込んで経費を掛けた割には期待した程の成果を挙げることができないでいるのが現状であり、既に開発済みの本願発明者による既述した発明によるものでも、どうしても上記個体差による処理後の品質確保に対応しきれない場合が付いて廻るという結論に達し、従前からの課題であるホタテを安定して高品質に加工処理するための手段、装置としては、更に改良の余地が残されているということが判明した。
(発明の目的)
そこで、この発明は、以上のように、従前までの中腸腺自動除去装置によってでは、ボイルされた個体差のあるホタテからその中腸腺部分だけを正確に除去することが相当に困難であるという事情に鑑み、それら事実を踏まえて従前からの課題である夫々のホタテから正確且つ効率的に中腸腺部分だけを除去できるようにする自動加工処理を実現化できないものかとの判断から、引き続きその開発、研究を継続し、長期に渡る試行錯誤と幾多の試作、実験とを繰り返してきた結果、今回、遂に略期待どおりの成果が得られることを確認した新規な構造のホタテ中腸腺除去機、およびそれを用いた新規な構造の自動中腸腺除去装置、ならびにそれらによる新規なホタテ中腸腺除去方法を実現化することに成功したものであり、以下では、図面に示すこの発明を代表する実施例と共に、その構成を詳述することとする。
(発明の構成)
図面に示すこの発明を代表する実施例からも明確に理解されるように、この発明に包含されるホタテ中腸腺除去機は、基本的に次のような構成から成り立っている。
即ち、ホタテ貝柱周囲に付着する外套膜の一郭から瘤状に膨出して貝柱に付着状となっている中腸腺を、貝柱との境界両端側から外套膜諸共挟み付けていき、貝柱側に抜け出しできない状態にまで狭めていって中腸腺部分を挟持状または抱持状になし得るようにするまでの開閉動を可能にした一対の中核爪と、該中核爪の両外側に配され、貝柱と中腸腺との境界両端側を前記中核爪よりも貝柱側となる部位で主として外套膜部分を挟持し、中腸腺部分を貝柱から引き剥がす方向への貝柱の引き摺りを封じるところまでの開閉動を可能になるようにした一対の補助爪と、該補助爪の両作用部位よりも更に貝柱寄りとなる箇所を、同両作用部位がハの字の真上直近に位置するようにしたハの字状配置で外套膜越しに貝柱に当接状になって貝柱自体を静止状態に保持するまでの開閉動を可能になるようにした一対の押当爪とを組み合せてなるものとした構成を要旨とするホタテ中腸腺除去機である。
この基本的な構成のホタテ中腸腺除去機には、以下のような構成によるものが含まれていて、先ず、一つには、ホタテ貝柱周囲に付着する外套膜の一郭から瘤状に膨出して貝柱に付着状となっている中腸腺を、貝柱との境界両端側から外套膜諸共挟み付けていき、貝柱側に抜け出しできない状態にまで狭めていって中腸腺部分を挟持状または抱持状になし得るようにするまでの開閉動を可能にした一対の中核爪と、該中核爪の両外側に配され、貝柱と中腸腺との境界両端側を前記中核爪よりも貝柱側となる部位で主として外套膜部分を挟持し、中腸腺部分を貝柱から引き剥がす方向への貝柱の引き摺りを封じるところまでの開閉動を可能になるようにした一対の補助爪と、該補助爪の両作用部位よりも更に貝柱寄りとなる箇所を、同両作用部位がハの字の真上直近に位置するようにしたハの字状配置で外套膜越しに貝柱に当接状になって貝柱自体を静止状態に保持するまでの開閉動を可能になるようにした一対の押当爪とからなり、中核爪で中腸腺部分を挟持状または抱持状にした後、補助爪と一対の押当爪とが遅れて閉作動した上、当該中核爪が中腸腺部分を抱持状にしたまま貝柱から離反移動して中腸腺部分を貝柱から引き剥がすようにした構成からなるホタテ中腸腺除去機である。
次の一つが、ホタテ貝柱周囲に付着する外套膜の一郭から瘤状に膨出して貝柱に付着状となっている中腸腺を、貝柱との境界両端側から外套膜諸共挟み付けていき、貝柱側に抜け出しできない状態にまで狭めていって中腸腺部分を挟持状または抱持状になし得るようにするまでの開閉動を可能にした一対の中核爪と、該中核爪の両外側に配され、貝柱と中腸腺との境界両端側を前記中核爪よりも貝柱側となる部位で主として外套膜部分を挟持し、中腸腺部分を貝柱から引き剥がす方向への貝柱の引き摺りを封じるところまでの開閉動を可能になるようにした一対の補助爪と、該補助爪の両作用部位よりも更に貝柱寄りとなる箇所を、同両作用部位がハの字の真上直近に位置するようにしたハの字状配置で外套膜越しに貝柱に当接状になって貝柱自体を静止状態に保持するまでの開閉動を可能になるようにした一対の押当爪とからなり、補助爪が先ず貝柱との境界両端側から外套膜諸共挟み付けていって主として外套膜部分を挟持するようにした後、遅れて中核爪と押当爪とが作動するようにした上、当該中核爪が中腸腺部分を挟持状または抱持状にしたまま貝柱から離反移動して中腸腺部分を貝柱から引き剥がすようにしたホタテ中腸腺除去機である。
更には、ホタテ貝柱周囲に付着する外套膜の一郭から瘤状に膨出して貝柱に付着状となっている中腸腺を、貝柱との境界両端側から外套膜諸共挟み付けていき、貝柱側に抜け出しできない状態にまで狭めていって中腸腺部分を挟持状または抱持状になし得るようにするまでの開閉動を可能にした一対の中核爪と、該中核爪の両外側に配され、貝柱と中腸腺との境界両端側を前記中核爪よりも貝柱側となる部位で主として外套膜部分を挟持し、中腸腺部分を貝柱から引き剥がす方向への貝柱の引き摺りを封じるところまでの開閉動を可能になるようにした一対の補助爪と、該補助爪の両作用部位よりも更に貝柱寄りとなる箇所を、同両作用部位がハの字の真上直近に位置するようにしたハの字状配置で外套膜越しに貝柱に当接状になって貝柱自体を静止状態に保持するまでの開閉動を可能になるようにした一対の押当爪とからなり、先ず押当爪がハの字状配置で外套膜越しに貝柱を当接状とした後、遅れて中核爪と補助爪とが作動するようにした上、中核爪で中腸腺部分を貝柱から引き剥がすようにした構成のホタテ中腸腺除去機がそれである。
残る一つが、 ホタテ貝柱周囲に付着する外套膜の一郭から瘤状に膨出して貝柱に付着状となっている中腸腺を、貝柱との境界両端側から外套膜諸共挟み付けていき、貝柱側に抜け出しできない状態にまで狭めていって中腸腺部分を挟持状または抱持状になし得るようにするまでの開閉動を可能にした一対の中核爪と、該中核爪の両外側に配され、貝柱と中腸腺との境界両端側を前記中核爪よりも貝柱側となる部位で主として外套膜部分を挟持し、中腸腺部分を貝柱から引き剥がす方向への貝柱の引き摺りを封じるところまでの開閉動を可能になるようにした一対の補助爪と、該補助爪の両作用部位よりも更に貝柱寄りとなる箇所を、同両作用部位がハの字の真上直近に位置するようにしたハの字状配置で外套膜越しに貝柱に当接状になって貝柱自体を静止状態に保持するまでの開閉動を可能になるようにした一対の押当爪とからなり、先ず中核爪で中腸腺部分を挟持状または抱持状にすると共に、押当爪がハの字状配置で外套膜越しに貝柱を当接状とした後、当該中核爪が中腸腺部分を挟持状または抱持状にしたまま貝柱から離反移動し、該離反移動過程の初期段階に、補助爪を貝柱との境界両端側から外套膜諸共挟み付けていって主として外套膜部分を挟持するようにした上、更に、中核爪を貝柱から離反移動して中腸腺部分を貝柱から引き剥がすようにしたホタテ中腸腺除去機ということができる。
上記までの構成によるこの発明のホタテ中腸腺除去機を、より具体的なものとして示すと、ホタテ貝柱周囲に付着する外套膜の一郭から瘤状に膨出して貝柱に付着状となっている中腸腺を、貝柱との境界両端側から外套膜諸共挟み付けていき、貝柱側に抜け出しできない状態にまで狭めていって中腸腺部分を挟持状または抱持状になし得るようにするまでの開閉動を可能とした一対の中核爪と、該中核爪の両外側に配され、貝柱と中腸腺との境界両端側を前記中核爪よりも貝柱側となる部位で主として外套膜部分を挟持し、中腸腺部分を貝柱から引き剥がす方向への貝柱の引き摺りを封じるところまでの開閉動を可能になるようにした一対の補助爪と、該補助爪の両作用部位よりも更に貝柱寄りとなる箇所を、同両作用部位がハの字の真上直近に位置するようにしたハの字状配置で外套膜越しに貝柱に当接状になって貝柱自体を静止状態に保持するまでの開閉動を可能になるようにした一対の押当爪とを設け、当該中核爪および押当爪が同一の挟持駆動機構を共有し、中核爪を中腸腺部分の挟持または抱持位置と、同中腸腺部分を貝柱から完全分離可能な位置との間で移動制御可能とする進退駆動機構を設け、補助爪が中核爪の離反移動に連動する連動挟持機構を有するものとした上、先ず中核爪が挟持駆動機構によって中腸腺部分を挟持状または抱持状とするよう閉動作されると共に、押当爪が同挟持駆動機構によって外套膜越しに貝柱を当接状とするようハの字状配置とされた後、中腸腺部分を挟持状または抱持状とした中核爪が進退駆動機構によって貝柱から離反移動し、該離反移動過程の初期段階に、補助爪が中核爪離反移動に連動する連動挟持機構によって貝柱との境界両端側から外套膜諸共挟み付けていって主として外套膜部分を挟持するようにした上、更に、中核爪を貝柱から離反移動して中腸腺部分を貝柱から引き剥がすようにしたホタテ中腸腺除去機であるということが可能である。
また、この発明ホタテ中腸腺除去機を、換言するならば、挟持駆動機構によって開閉制御可能とした所定長一対の左右アームの先端に、開状態で平置き姿勢のホタテ中腸腺巾を越えて拡開され、閉状態のときにハの字状配置でホタテ貝柱の周面に外套膜越しに当接、制止し得る面形状とした左右一対の押当爪を設け、左右アーム中途に沿って進退移動自在に設けた左右連繋スライダの左右アーム間内側となる押当爪寄りの箇所から、押当爪と共に開閉動作可能であって平置き姿勢のホタテ中腸腺部分の略全体を挟持または抱持可能とする左右顎を延伸させ、各顎の左右外側壁夫々に顎部分後端寄りで中央寄りに縮巾され、顎部分で左右側に拡巾された連続曲線形状の案内面を形成すると共に、左右顎各先端に左右一対の中核爪を設け、左右連繋スライダの適所に、中核爪が挟持または抱持した中腸腺部分を貝柱から完全に分離するまで、押当爪に対して離反移動可能とする進退駆動機構を設け、左右アームの先端寄りとなる内側適所であって押当爪より僅か後方位置に、中途適所が軸着された弓型の左右揺れ腕の各後方従動端を、対峙する左右中核爪顎部の各案内面に摺動自在に当接させ、各揺れ腕先端に左右一対の補助爪を形成した上、それら連繋スライダ、顎、中核爪、揺れ腕および補助爪の殆どを、挟持駆動機構の閉動作によって閉鎖された状態の左右アーム間スペース内に収容可能に組み合せ、配してなるものとしてなる構成によるホタテ中腸腺除去機となる。
(関連する発明1)
上記した、ホタテ中腸腺除去機に関連し、この発明にはこのホタテ中腸腺除去機を組み入れてなる自動中腸腺除去装置を包含しており、その基本的な構成は、以下に示すとおりのものである。
即ち、 上面にホタテを載置可能に形成してなる載置盤を有し、載置盤上に載置されたホタテを実質的に略垂直な軸心回りに回転可能とした回転駆動機構を設け、該載置盤の外周側適所には、載置盤回転中心方向への進退移動用の進退位置決め機構を組み込んだ中腸腺除去機が設置されると共に、前記載置盤上に平置き状に載置したホタテ全体を撮影可能な位置に、画像情報を電気信号に変えるカメラを設置する一方、該カメラから出力した電気信号を演算処理し、前記各回転駆動機構および中腸腺除去機を適宜駆動制御する自動制御部を設け、載置盤上に供給されたホタテの中腸腺部分を識別、認識して発せられた電気信号を受けてなる当該自動制御部が、載置盤上に載置されたホタテを実質的に回転駆動、停止して中腸腺重心位置を中腸腺除去機の挟持範囲中に対峙させると共に、進退位置決め機構により、中腸腺除去機を、中腸腺部分の挟持可能な位置にまで前進移動させてから、中腸腺除去機の一対の中核爪によってホタテの中腸腺部分を貝柱との境界両端側から外套膜諸共挟み付けていき、貝柱側に抜け出しできない状態にまで狭めていって中腸腺部分を挟持状または抱持状にすると共に、一対の押当爪をハの字状配置で外套膜越しに貝柱を当接状とした後、当該中核爪が中腸腺部分を挟持状または抱持状にしたまま貝柱から離反移動させ、この離反移動過程の初期段階に、補助爪を貝柱との境界両端側から外套膜諸共挟み付けていって主として外套膜部分を挟持するようにした上、更に、中核爪を貝柱から離反移動して中腸腺部分を貝柱から引き剥がすようにしてホタテから中腸腺部分だけを分離、除去してなる、前記したこの発明の基礎をなす中腸腺除去機を用いた自動中腸腺除去装置である。
(関連する発明2)
そして、この発明の骨幹を成す前記ホタテ中腸腺除去機と、それを用いる上記した自動中腸腺除去装置とに関連し、この発明には、それらによるホタテ中腸腺除去方法も含まれており、その構成は基本的に次のようなものである。
即ち、前記したホタテ中腸腺除去機を用い、一対の中核爪によってホタテ貝柱周囲に付着する外套膜の一郭から瘤状に膨出して貝柱に付着状となっている中腸腺を、貝柱との境界両端側から外套膜諸共挟み付けていき、貝柱側に抜け出しできない状態にまで狭めていって中腸腺部分を挟持状または抱持状とすると共に、補助爪が貝柱と中腸腺との境界両端側を前記中核爪よりも貝柱側となる部位で主として外套膜部分を挟持し、中腸腺部分を貝柱から引き剥がす方向への貝柱の引き摺りを封じるところまで閉動し、押当爪が該補助爪の両作用部位よりも更に貝柱寄りとなる箇所を、同両作用部位がハの字の真上直近に位置するようにしたハの字状配置で外套膜越しに貝柱に当接状になって貝柱自体を静止状態に保持するまで閉動した上、当該中核爪が中腸腺部分を挟持状または抱持状にしたまま貝柱から離反移動して中腸腺部分を貝柱から引き剥がすように分離、除去してしまうようにしたホタテ中腸腺除去方法である。
このホタテ中腸腺除去方法には、一対の中核爪によってホタテ貝柱周囲に付着する外套膜の一郭から瘤状に膨出して貝柱に付着状となっている中腸腺を、貝柱との境界両端側から外套膜諸共挟み付けていき、貝柱側に抜け出しできない状態にまで狭めていって中腸腺部分を挟持状または抱持状とした後に、補助爪が貝柱と中腸腺との境界両端側を前記中核爪よりも貝柱側となる部位で主として外套膜部分を挟持し、中腸腺部分を貝柱から引き剥がす方向への貝柱の引き摺りを封じるところまで閉動すると共に、押当爪が該補助爪の両作用部位よりも更に貝柱寄りとなる箇所を、同両作用部位がハの字の真上直近に位置するようにしたハの字状配置で外套膜越しに貝柱に当接状になって貝柱自体を静止状態に保持するまで閉動した上、当該中核爪が中腸腺部分を挟持状または抱持状にしたまま貝柱から離反移動して中腸腺部分を貝柱から引き剥がすように分離、除去してしまうものとしたホタテ中腸腺除去方法を包含している。
同様に、先ず補助爪が貝柱と中腸腺との境界両端側から、外套膜諸共挟み付けていって主として外套膜部分を挟持するように閉動した後、それに遅れて中核爪がホタテ貝柱周囲に付着する外套膜の一郭から瘤状に膨出して貝柱に付着状となっている中腸腺を、貝柱との境界両端側から補助爪よりも中腸腺側となる部位で外套膜諸共挟み付けていき、貝柱側に抜け出しできない状態にまで狭めていって中腸腺部分を挟持状または抱持状とすると共に、押当爪が該補助爪の両作用部位よりも更に貝柱寄りとなる箇所を、同両作用部位がハの字の真上直近に位置するようにしたハの字状配置で外套膜越しに貝柱に当接状になって貝柱自体を静止状態に保持するまで閉動した上、当該中核爪が中腸腺部分を挟持状または抱持状にしたまま貝柱から離反移動して中腸腺部分を貝柱から引き剥がすように分離、除去してしまうものとしたホタテ中腸腺除去方法を包含し、また、先ず押当爪がハの字状配置で外套膜越しに貝柱に当接状になって貝柱自体を静止状態に保持するまで閉動した後、それに遅れて中核爪がホタテ貝柱周囲に付着する外套膜の一郭から瘤状に膨出して貝柱に付着状となっている中腸腺を、貝柱との境界両端側から外套膜諸共挟み付けていき、貝柱側に抜け出しできない状態にまで狭めていって中腸腺部分を挟持状または抱持状とすると共に、補助爪が貝柱と中腸腺との境界両端側を前記中核爪よりも貝柱側であってしかも押当爪よりも中腸腺側となる部位で主として外套膜部分を挟持し、中腸腺部分を貝柱から引き剥がす方向への貝柱の引き摺りを封じるところまで閉動した上、当該中核爪が中腸腺部分を挟持状または抱持状にしたまま貝柱から離反移動して中腸腺部分を貝柱から引き剥がすように分離、除去してしまうようにしたホタテ中腸腺除去方法も包含する。
更に、先ず一対の中核爪によってホタテ貝柱周囲に付着する外套膜の一郭から瘤状に膨出して貝柱に付着状となっている中腸腺を、貝柱との境界両端側から外套膜諸共挟み付けていき、貝柱側に抜け出しできない状態にまで狭めていって中腸腺部分を挟持状または抱持状にすると略同時に、押当爪を中核爪よりも貝柱側となる部位でハの字状配置となり、外套膜越しに貝柱に当接状になって貝柱自体を静止状態に保持するまで閉動させた後、当該中核爪が中腸腺部分を挟持状または抱持状にしたまま貝柱から離反移動するその初期段階に、補助爪を中核爪よりも貝柱側であって押当爪よりも中腸腺側となる部位で貝柱との境界両端側から外套膜諸共挟み付けていって主として外套膜部分を挟持するように閉動した上、更に、中核爪を貝柱から離反移動して中腸腺部分を貝柱から引き剥がすように分離、除去してしまうものとしたホタテ中腸腺除去方法、および、挟持駆動機構を開状態に作動させ、十分に拡開状とした一対の押当爪、中核爪および補助爪を、ホタテ貝柱周囲に付着する外套膜の一郭から瘤状に膨出して貝柱に付着状となっている中腸腺の、貝柱との境界両端側に配し、挟持駆動機構によって押当爪および中核爪を閉動作させ、中核爪によって中腸腺を、貝柱との境界両端側から外套膜諸共挟み付けていき、貝柱側に抜け出しできない状態にまで狭めていって中腸腺部分を挟持状または抱持状にすると略同時に、押当爪を中核爪よりも貝柱側となる部位でハの字状配置となり、外套膜越しに貝柱に当接状になって貝柱自体を静止状態に保持するまで閉動させた後、当該中核爪が中腸腺部分を挟持状または抱持状にしたまま貝柱から離反移動するその初期段階に、連動挟持機構が補助爪を中核爪よりも貝柱側であって押当爪よりも中腸腺側となる部位で貝柱との境界両端側から外套膜諸共挟み付けていって主として外套膜部分を挟持するように閉動した上、更に、進退駆動機構が中核爪を貝柱から離反移動して中腸腺部分を貝柱から引き剥がすように分離、除去してしまうホタテ中腸腺除去方法が包含されている。
より具体的には、挟持駆動機構を開状態に作動させて左右アームを開き、十分に拡開状とした左右一対の押当爪、中核爪および補助爪を、ホタテ貝柱周囲に付着する外套膜の一郭から瘤状に膨出して貝柱に付着状となっている中腸腺の、貝柱との境界両端側に配し、挟持駆動機構によって押当爪および中核爪を閉動作させ、中核爪とそれに連なる左右顎によって中腸腺を、貝柱との境界両端側から外套膜諸共挟み付けていき、貝柱側に抜け出しできない状態にまで狭めていって中腸腺部分を挟持状または抱持状にすると略同時に、押当爪を中核爪よりも貝柱側となる部位でハの字状配置となり、外套膜越しに貝柱に当接状になって貝柱自体を静止状態に保持するまで閉動させた後、進退駆動機構が左右連繋スライダを後退させ、当該中核爪が中腸腺部分を挟持状または抱持状にしたまま貝柱から離反移動し、離反移動する左右顎の各案内面に従動端を摺動状に当接している左右揺れ腕が、各先端の補助爪を左右アーム間中央に揺動させ、補助爪を中核爪よりも貝柱側であって押当爪よりも中腸腺側となる部位で貝柱との境界両端側から外套膜諸共挟み付けていって主として外套膜部分を挟持するように閉動した上、更に、進退駆動機構が中核爪を貝柱から離反移動して中腸腺部分を貝柱から引き剥がすように分離、除去した後、再度挟持駆動機構を開動作させて中核爪および顎間に抱持された中腸腺部分を開放、落下させた後に再閉動し、進退駆動機構が左右連繋スライダを前進位置まで復帰させるという工程を繰り返すことにより、複数個のホタテから次々に中腸腺部分を除去してしまうようにしたホタテ中腸腺除去方法も包含する。
そして、前記したこの発明の自動中腸腺除去装置を用いたものとして、画像情報を電気信号に変えるカメラによって載置盤に平置き状に載置したホタテを撮像し、得られた画像信号に基づいて中腸腺部分の映像信号のみを選択して同中腸腺部分の大きさおよび重心位置を計算すると共に、載置盤の回転中心を原点とする平面座標上における当該重心位置を特定した上、これら特定重心位置および中腸腺除去機位置に対応して設定してある平面座標上の定点の各ベクトルのなす角度を割り出し、その角度に相当する回転移動角度分だけ該当するホタテを実質的に回転駆動、停止させ、中腸腺重心位置方向に対向状とした中腸腺除去機の挟持駆動機構を開状態に作動させて十分に拡開状とした一対の押当爪、中核爪および補助爪を、ホタテ貝柱周囲に付着する外套膜の一郭から瘤状に膨出して貝柱に付着状となっている中腸腺の、貝柱との境界両端側に配し、挟持駆動機構によって押当爪および中核爪を閉動作させ、中核爪によって中腸腺を貝柱との境界両端側から外套膜諸共挟み付けていき、貝柱側に抜け出しできない状態にまで狭めていって中腸腺部分を挟持状または抱持状にすると略同時に、押当爪を中核爪よりも貝柱側となる部位でハの字状配置となり、外套膜越しに貝柱に当接状になって貝柱自体を静止状態に保持するまで閉動させた後、当該中核爪が中腸腺部分を挟持状または抱持状にしたまま貝柱から離反移動するその初期段階に、連動挟持機構が補助爪を中核爪よりも貝柱側であって押当爪よりも中腸腺側となる部位で貝柱との境界両端側から外套膜諸共挟み付けていって主として外套膜部分を挟持するように閉動した上、更に、進退駆動機構が中核爪を貝柱から離反移動して中腸腺部分を貝柱から引き剥がすように分離、除去してしまうホタテ中腸腺除去方法が包含されている。
以上のとおり、この発明のホタテ中腸腺除去機によれば、何よりも先ず、一対の中核爪がホタテ貝柱の周囲に付着する外套膜の一郭から瘤状に膨出して貝柱に付着状となっている中腸腺を、貝柱との境界両端側から挟持状あるいは抱持状にすることにより、中腸腺の貝柱との境界部分を確りと掴み、貝柱の一部も共に挟み込んでしまった場合にあっても、間隔を狭めようとする中核爪間から貝柱部分のみが、自らの弾性力によって脱出するように抜け出す作用を生み出し、貝柱に損傷を与えるのを阻止することができ、続いて中腸腺部分を掴んだ中核爪が貝柱から離反移動する際に、一対の押当爪が外套膜越しに貝柱に当接状となって静止状態とすることにより、貝柱と中腸腺部分との離反分離をより確かなものとし、更に、一対の補助爪が中核爪よりも貝柱側となる部位で主として外套膜部分を挟持し、その引き摺りを封じるものとしたことにより、従前までであれば、ホタテの大きさや、中腸腺の貝柱への付着力のバラツキに対応しきれず、中腸腺の除去に伴い貝柱の一部まで欠損させてしまったり、あるいは外套膜の一部もしくは全てを剥ぎ取ってしまい商品価値を損ねたり、または中腸腺の一部が貝柱に残存してしまい、後から作業者が手作業によって中腸腺の残存部分を除去、洗浄しなければならない等の不具合があったが、こうした課題の一切を解消し、ホタテの大小に拘らず中腸腺部分のみを確実に分離、除去することを実現、可能とすることができるという秀れた特徴が得られるものである。
また、この発明の自動中腸腺除去装置によれば、ベルトコンベアに複数個のホタテを連続供給するだけで、カメラが撮影した画像情報に基づき、中腸腺部分を自動的にホタテ中腸腺除去機に対峙させると共に、自動制御を受けたホタテ中腸腺除去機が、ホタテ中腸腺部分の向き変え動作に呼応するように連動し、迅速且つ確実に中腸腺部分のみを分離、除去するものとなり、大量のホタテを大小が混在する場合であっても全く支障なく短時間の中に安定して加工、処理することができ、ホタテの加工処理作業の効率化と作業人員の削減とを果たすという大きな効果を発揮するものである。
更に、この発明のホタテ中腸腺除去方法によれば、何よりも先ず、大量のホタテから中腸腺部分のみを迅速に分離、除去することができるばかりでなく、中腸腺部の除去作業によって貝柱や外套膜に損傷あるいは脱落等が発生してしまうという問題を確実に解消することができるので、生産効率を大幅に向上することができると共に、不良率を格段に低減し、品質の向上と安定生産とを可能とすることができる上、ホタテの供給作業や加工後の回収作業および分離、除去した中腸腺部分の回収作業の合理化を進めることができるので小人数による大量加工が可能となるという顕著な効果を奏するものである。
上記したとおりの構成からなるこの発明の実施に際し、その最良もしくは望ましい形態について説明を加えることにする。
先ずは、ホタテ中腸腺除去機において、中核爪は、ホタテ貝柱周囲に付着する外套膜の一郭から瘤状に膨出して貝柱に付着状となっている中腸腺を、貝柱との境界両端側から外套膜諸共挟み付けていき、貝柱側に抜け出しできない状態にまで狭めていって最終的に中腸腺部分のみを挟持状、望ましくは抱持状とした上、押当爪によって静止状態に保持された外套膜を含む貝柱から、中腸腺部分のみを完全に分離除去するまで離反移動、可能とする機能を果たすものであり、少なくとも貝柱と中腸腺部分との境界両端側から挟み付けていく一対の爪様の機能を果たすものから形成しなければならず、例えば一対の平板が中腸腺部分を挟持可能な挟持駆動機構を有して平行状に配置されたものや、同様の機構を有する一対の舌片、あるいは一対の平行ワイヤから形成したものとすることが可能であるが、中腸腺の一部をも取り残さずに全てを除去するには、中腸腺部分の略全体をより確実に抱持可能なものとすべきであり、それには対をなして中腸腺を貝柱との境界両端側から挟み付ける爪夫々の基端側に、中腸腺部分の周囲を抱持状とする顎部分を形成し、より確実に中腸腺部分を掴むことができるものとするのが望ましく、更に、中核爪の先端部分は、ホタテの大小に係わらず確実に中腸腺部分を挟み込むことができる十分な幅寸法に設定されたものとすべきであり、しかも貝柱と中腸腺との境界両端側から挟み込む際に、貝柱や外套膜に不要な損傷を与えないよう、膨出型の円滑な曲面状に形成して接触面積を増加させたものとするのが望ましい。
補助爪は、貝柱と中腸腺との境界両端側を中核爪よりも貝柱側となる部位で挟み込むようにし、主として外套膜部分を挟持してその引き摺り、移動を封じ込める機能を果たすものであり、中核爪が中腸腺部分を挟持状あるいは抱持状として貝柱から離反移動を開始し、外套膜が引き摺られようとする段階までに、外套膜部分を挟持状として貝柱側に留めるものとしなければならないが、中核爪が離反移動を開始し、外套膜が引き摺られようとするのと同じ段階において中腸腺と外套膜との境界付近を強制的に切断してしまい、より確実に外套膜の引き摺りを抑止するものとすることも可能であり、独立した挟持駆動機構を有するものとすることができる外、中核爪の開閉動作に従動する連動挟持機構を設けたものとすることが可能である。
押当爪は、補助爪の両作用部位よりも更に貝柱寄りとなる箇所を、夫々の部位の接線に略相当するハの字状配置で外套膜越しに貝柱に当接状になって貝柱自体を静止状態に保持する機能を果たすものであって、外套膜越しに貝柱に当接状になったときに、これら外套膜や貝柱に損傷を与えないよう平滑面状に形成されたものとすべきであり、更に貝柱の不用意な移動を抑止するよう、上下端や外側端に係止片を設けたものとするのが望ましく、求められる開閉動作が中核爪と基本的に同じなので、挟持駆動機構を中核爪と共有する構造とすることができる。
挟持駆動機構は、一対の中核爪および押当爪を、中腸腺と貝柱との境界両端側に配置可能とするよう開動可能とすると共に、中腸腺と貝柱との境界両端側から中腸腺部分を抱持状とするよう閉動可能とするようにした機能を果たすものであり、中腸腺部分を貝柱から分離、除去するに十分な強度で挟持できる程度の駆動力を発揮可能な出力を有するものとしなければならず、自動制御を受けて適時自動的に開閉作動するものとすべきであり、電動モータや圧縮空気、油圧等の各種中何れかの動力原を利用したものとすることができる。
進退駆動機構は、中腸腺部分を抱持状に挟み込んだ一対の中核爪を、外套膜越しに貝柱を静止状態に保持した押当爪から、中腸腺部分を分離除去する距離まで強制的に離反移動可能とすると共に、同中核爪を押当爪に接近する位置まで復帰移動可能とする機能を果たし、中腸腺部分を分離除去するに十分な強さで中核爪を牽引駆動可能な出力を有するものとしなければならず、挟持駆動機構と同様に自動制御を受け適時自動的に進退駆動するものとすべきであり、各種動力源の何れかによって作動するものとすることができる。
左右アームは、一対の押当爪と中核爪とを共に開閉動可能とし、一対の中核爪を有した左右連繋スライダを所定範囲に渡って進退移動自在に支持可能とする機能を果たすものであり、左右の連繋スライダを押当爪に近接する位置から離反する方向へ直線的に摺動可能とするよう案内するものとすべきであり、押当爪によって静止状態に当接、保持された外套膜を含む貝柱から、中腸腺部分を抱持した中核爪を、抱持された中腸腺部分が貝柱から完全に分離する位置まで直線的に摺動可能とする直線状の案内部分を確保しなければならず、しかも一対の押当爪より基端側であって先端寄りに復帰された連繋スライダよりも先端側となる位置に先端側に補助爪を有する揺れ腕を、挟持方向に揺動自在とするよう軸着したものとすることが可能であり、この連繋スライダは、左右アームの夫々に対して一対の中核爪を一体的に装着すると共に、それら一対の中核爪を左右アームに沿って直線的に進退摺動可能とする機能を果たすものであり、開閉動作するアームに摺動自在に装着されていながらも左右中核爪の配置を一致させるよう連繋させるものとしなければならず、中核爪のための進退駆動機構を当該連繋スライダに設けたものとすることができる。
連動挟持機構は、一対の中核爪の中腸腺部分を除去する際の離反移動に連動し、補助爪を閉動作させることにより、駆動原を専有しない一対の補助爪を適時に自動開閉動作可能とする機能を果たすものであり、左右連繋スライダとその先端側に設けられた一対の中核爪との間に設けられた左右顎部分外側面に形成された案内面の夫々に、左右アームに軸着された一対の揺れ腕の後方従動端を摺動自在に当接させ、連繋スライダ(中核爪)の離反移動に伴う案内面の移動によって変化状となる連続曲面形状に従い左右揺れ腕を揺動させ、左右一対の補助爪を適時に開閉作動するよう制御するものとすることができる。
揺れ腕は、何れかの適宜駆動力を受けて一対の補助爪を開閉動作可能とする機能を果たすものであって、専用の駆動源を設け、自動制御を受けて適時に補助爪を開閉動作可能としたものとすることが可能である外、中核爪の進退駆動もしくは進退移動に呼応して開閉動作可能とするものとすることができ、例えば、左右アームの夫々に軸着された箇所の後方端に、後方従動端を形成して中核爪の顎部分に形成された案内面に、摺動自在に当接するよう配置させ、連動挟持機構の一部を形成したものとすることができる。
後方従動端は、揺れ腕の補助爪が設けられたのとは反対側となる後方端を、中核爪顎部分の案内面に沿って摺動自在に当接可能とする機能を果たすものであり、案内面に当接し円滑に摺動可能な形状に形成すべきであり、例えば、当接部分に低摩擦素材を組み込んだものとしたり、回転ローラやベアリング等を設けて摩擦抵抗を低減したものとすることができる。
案内面は、補助爪を設けた一対の揺れ腕の後方従動端が当接し、離反移動する中核爪に連動して補助爪を閉動作させるよう案内可能とする機能を果たすものであり、中核爪の進退移動に応じて適時に補助爪を開閉動作させるように揺れ腕後方従動端を案内するものとするのが望ましく、揺れ腕後方従動端の接触抵抗を低減する平滑な曲線形状に形成されたものとすべきであり、中核爪に一体となって進退移動する左右顎の外周面に形成され、左右顎に相当する位置で左右幅を拡大し、左右顎の離反移動側寄りとなる端部側の左右幅を縮小した連続曲線形状に形成されてなる平滑面あるいはガイドレールとすることができる。
以上のような構成からなるホタテ中腸腺除去機が組み込まれるようにした自動中腸腺除去装置において、カメラは、ホタテの平面形状を光学的に撮像し、その画像信号を獲得する機能を果たすものであり、撮影画像情報を電気信号に変え得る機構、構造を有していなければならず、ホタテの貝柱、外套膜および中腸腺を識別するに充分な解像、解析力を備えた、例えば電荷結合素子や撮像管等、画像処理機能に秀れたカメラを採用したものとするのが望ましく、必要に応じてホタテを照明するストロボ等の照明器具や、レンズや絞り等の光学系を用い、ホタテに焦点を合わせる自動焦点機構等を設けたものとすること等も当然可能であり、連続的に供給されるホタテを、コンベア等の移動機構で移動させたままか、それを間歇的に所定時間停止させ、その間に一個あるいは複数個まとめて撮像して個々の静止画像とした上、断続的に画像情報を電気信号に変換して静止画像信号を出力するよう構成することができる外、動画像として撮像し、その画像情報を連続的に電気信号に変換して動画像信号を連続出力するよう構成したものとすることもできる。
載置盤は、中腸腺を除去するホタテ中腸腺除去機の動きを妨げないよう、平置き状のホタテを略水平状に載置、支持する機能を果たすものであり、ホタテの載置面を、載置されたホタテが不用意に傷付かない程度の平滑面状に形成し、また、中腸腺部分や外套膜部分等を含む剥き身状態のホタテを載置可能とするに足る平面寸法および形状に設定し、簡単に落下してしまうことのない形状としなければならず、したがって、ホタテの落下を防ぐように載置面を皿状に僅かに湾曲させたり、ホタテを係止するための比較的滑らかな凹凸表面形状に形成されたものとする外、必要があれば、移動中の振動による移動を確実に阻止する目的等で、中央に吸引口を設けてホタテの貝柱部分を吸着、仮固定できるよう構成するようにしたり、また、中央部を中心として回転可能に支持する構造を付加するだけではなく、必要であれば所定単位角度毎に制御駆動可能な回転駆動機構を並設するようにしたもの、あるいは、昇降機構を組み込んでなるものとし、構造上の必要性等から、ホタテ中腸腺部分除去機の設置されている高さまで上昇移動可能な構造のものとする等、ホタテを載置する機能だけでなく、載置前後の処理に付随する適宜機構、構造の組み合わされたものとすることも選択、採用できる。
投入皿は、その凹部の底に載置盤が組み込まれ、投げ入れられたホタテを該載置盤上に自動的に誘導して載置状にすると共に、載置盤上に導いたホタテが不用意に移動あるいは脱落しないよう保持する機能を果たすものであり、昇降自在且つ回転自在な載置盤の外周側を器状に包囲するよう形成しなければならず、載置盤を包囲する器状の部分を平滑壁面状に形成するのが望ましく、その他、複数の排水孔を設けたものとしたり、全体またはその一部を網状または籠状に形成して水切りを良くするようにしたものとすることができる外、複数個を所定間隔置きで横並び配列にしてベルトコンベア状に形成し、所定の速度で移動させ、ホタテを連続的に供給して所定の工程を連続して経由するように構成したものとすることもできる。
ベルトコンベアは、複数個のホタテを連続して移送する機能を果たすものであり、個々のホタテ夫々を平置き状の姿勢のまま移動するよう構成する必要があり、底部に載置盤を有する複数の投入皿を無端状に連結してなるものとすべきであり、所定間隔を隔てて設置された少なくとも一対の転輪間に巻掛けられ、例えば何れか一方の転輪を回転駆動することにより、一方向に送り移動するよう構成したものとすることが可能な外、合成樹脂や合成ゴム等の軟質素材を成型して、長手方向の等間隔毎に投入皿を一体的に形成した帯状のものとした上、その端部同士を連結して無端ベルト状に形成し、所定間隔を隔てた一対の転輪間に巻掛けたものとすることができる。
抑え板は、中腸腺を除去するホタテ中腸腺除去機の動きを妨げないよう、載置盤上のホタテを上方から抑え込む機能を果たすものであって、下方に移動してホタテを押さえ込む動作、および上方に移動して押さえ込みを解除する動作を可能とする昇降駆動機構部を設ける必要がある上、抑え面をホタテに傷を付けない程度の平滑面状に形成し、ホタテに損傷を与えない程度の押圧強度で押さえ込むよう構成することを必要とする外、必要に応じ、抑え面がホタテに傷付けない程度の凹凸形状、あるいは俯けの皿形状のものとしたり、前記した載置盤の場合と同様に、中央部に貝柱部分を吸引して仮固定する吸引口の組み込まれたもの、あるいはまた、必要であれば、ホタテを抑え込んだ状態で、載置盤諸共所定単位角度毎に回転駆動可能とする回転駆動機構を取り入れたもの等、仮固定に必要となる機構、構造に限らず、載置盤と同期して、あるいは独立してホタテの姿勢を変更するために必要となる機構、構造までも組み込んでなるものとすることもできる。
回転駆動機構は、載置盤に平置き状に載置したホタテを、略垂直な軸心回りに回転駆動、停止して、画像処理によって得られた回転移動角度どおりにホタテの中腸腺部分の向きを強制変更する機能を果たすものであり、載置盤および抑え板の双方を同期して回転駆動するよう設けるか、あるいは載置盤または抑え板の何れか一方を回転駆動するよう構成することが必要であり、制御部から出力された回転移動角度値に応じ、できるだけ正確且つ迅速に回転移動するよう構成すべきであり、必要があれば、回転軸または回転軸に一体に形成された部分に制動機構を組み込み、停止の際に強制的に制動し得るようにし、正確な位置決めに有利な構成を採用したものとすることもできる。
進退位置決め機構は、ホタテ中腸腺除去機を、ホタテやその中腸腺部分の大きさ、形状に応じて最も好位置に臨むよう、進退移動させる機能を果たすものであって、自動制御部から出力される信号に応じ、ホタテ中腸腺除去機自体を正確に進退駆動させることができるようにしたものでなければならず、例えば、サーボモータやステップモータの回転運動を、ラック・アンド・ピニオン機構やクランク機構等を用いて直線的往復運動に変換するよう構成したものとしたり、あるいは圧縮空気や油圧をシリンダ内に供給してピストンを強制的に移動する機構を組込んで往復作動を得るものとすることが可能である外、汎用モータを用いて往復動を行うと共に、前進位置および後退位置の夫々に移動を制限する係止部を設け、リミットスイッチその他の手段を介して進退位置を夫々強制的に決定するよう構成したものとすることも可能であり、また、汎用モータを前進の際に正転、後退の場合に逆転させ、各回転方向の夫々に所定時間駆動するものとし、さらにホタテ中腸腺除去機の適所を挟持状として進退移動の制動を行う制動機構を設け、前進および後退位置の夫々に強制的に制動するよう構成する等、各種公知の進退制御機構を採用したものとすることができることはいうまでもない。
自動制御部は、カメラからの画像信号に基づき、中腸腺姿勢の変更およびホタテ中腸腺除去機を作動、制御する機能を果たすものであり、画像信号を処理する機能ならびに演算処理した出力信号により、各駆動機構を作動、制御することができるものでなければならず、例えば、カメラからの画像信号を、載置盤の回転中心を原点とする平面座標上に捕らえ、同座標上にホタテの中腸腺部分の重心位置を特定し、原点と当該重心位置との間のベクトルと、原点とホタテ中腸腺除去機の位置との間のベクトルとのなす角度を割り出し、回転駆動機構を同角度分回転駆動するよう制御すると共に、同座標上の貝柱と中腸腺部分との境界線部分を識別し、ホタテ中腸腺除去機から境界線位置までの距離を割り出し、ホタテ中腸腺除去機の中核爪の抱持可能範囲内に、中腸腺を配置可能とするために必要となるホタテ中腸腺除去機の接近移動距離を適宜演算処理し、あるいは中腸腺部分の大きさに応じた押当爪および中核爪の挟み込み角度を瞬時に判断し、自動的に最適の挟み角度に制御可能なものとする等、一連の中腸腺の分離除去作業を満足に行うよう制御可能とするのが望ましい。
なお、載置盤上へのホタテの載置、供給手段については、作業者の手作業によって一つずつ載置盤上に載せるようにする外、所定速度で移動するようにした載置盤の軌道中途に自動供給装置を位置させ、その末端から自然落下方式、ハンドキャッチ方式、あるいは水平回動アーム等による払い落し方式等、公知あるいは今後開発されるであろう適宜手段によって機械的に平置き載置されるようにしたり、あるいは、複数のホタテをまとめて収容可能なホッパーの下端出口内に、適宜区分け機構を組み込み、当該出口から一個のホタテだけが略水平状に落下するようにした自動居球装置を用意し、載置盤をその出口の下に間歇移動するようにして一個のホタテを受け取るようにする等、適宜自動化した手段によっても実施することが可能であり、それら供給手段は、載置盤の移動機構に同期したものとしなければならないことはいうまでもない。
更に、この発明のホタテ中腸腺除去方法は、ホタテ中腸腺除去機を用いてホタテ中腸腺部分を一対の中核爪によって抱持状とする際に、それと同時かあるいは前後して外の一対の押当爪および一対の補助爪を閉動作させるものであるが、各爪夫々が各々の目的を達成するように動作するように制御されるなら、その作動順序に制限を受けるものではなく、したがって、全ての爪を同時に閉操作させて中腸腺境界付近を挟持状とすることが可能である外、全ての爪が互いに前後するタイミングで閉動作するようものとすることができ、または、押当爪と補助爪とを略同時に閉動作し、その前後何れかに中核爪が閉動作するもの、あるいは補助爪と中核爪とが共に略同時に閉動作し、その前後何れかに押当爪が閉動作するもの、もしくは押当爪と中核爪とが略同時に閉動作し、その前後何れかに補助爪が閉動作するものとすることが可能である等、良好な作動が得られる方法を適宜選択して採用することができる。
以下では、図面に示すこの発明を代表する実施例と共に、その構造について詳述することとする。
図1のホタテ貝柱との境界両端側から中腸腺部分を抱持しようとするホタテ中腸腺除去機の平面図、図2の中腸腺部を抱持状としたホタテ中腸腺除去機の平面図、図3の中核爪が離反移動を開始したホタテ中腸腺除去機の平面図、図4の補助爪を閉作動するホタテ中腸腺除去機の平面図、図5の中腸腺部分を完全に分離したホタテ中腸腺除去機の平面図、図6の自動中腸腺除去装置の斜視図、図7の自動中腸腺除去装置に装備されたベルトコンベアの側面図、図8の自動中腸腺除去装置の縦断面図、図9ホタテ中腸腺除去機の作動フローチャート、図10の自動中腸腺除去装置の作動フローチャート、図11のホタテを撮影するカメラの正面図、図12のカメラ撮影によって得られた画像情報の平面図、図13の中腸腺部分を含む画像情報の平面図、図14の中腸腺部分のみを抽出した画像情報の平面図、図15の載置盤回転軸を原点とする座標上に中腸腺の配置を表示した画像情報の平面図、図16の姿勢制御を受けるホタテの平面図、および図17ホタテを回転制御して中腸腺を抱持しようとする自動中腸腺除去装置要部の正面図に示される事例は、ホタテ貝柱S1周囲の外套膜S3の一郭から瘤状に膨出する中腸腺部分S2を抱持状になし得るよう開閉動を可能にした一対の中核爪5,5と、該中核爪5,5の両外側に配され、貝柱S1と中腸腺S2との境界両端側を前記中核爪5,5よりも貝柱S1側となる部位で主として外套膜S3部分を挟持するよう開閉動可能にした一対の補助爪6,6と、該補助爪6,6の両作用部位よりも更に貝柱S1寄りとなる箇所を、夫々の部位の接線に略相当するハの字状配置で外套膜S3越しに貝柱S1に当接状になって貝柱S1自体を静止状態に保持するよう開閉動可能にした一対の押当爪3,3とを組み合せてなるこの発明のホタテ中腸腺除去機1を用いた自動中腸腺除去装置7における代表的な一実施例を示すものである。
図6ないし図8中に示す自動中腸腺除去装置7に用いる当該ホタテ中腸腺除去機1は、図1中に示すように、所定長に設定された左右一対のアーム2,2の基端を支持基盤23に軸着、支持して各アーム2,2の基端寄り中途箇所に、図示しないシリンダおよびピストンを有して圧縮空気の供給を制御することにより、アーム2,2を開閉動作可能とする挟持駆動機構21を設け、各アーム2,2の先端には、アーム2,2間の中央側に向けて折曲されると共に、アーム2,2の基端側に僅かに傾けた姿勢に形成され、上下高さ寸法を、投入が想定される最も大型のホタテ貝柱X1の厚み寸法よりも僅かに大きな約40mmに設定し、中央部分が略平面状に形成された舌片型に形成し、その上下端には貝柱S1の上下移動を規制可能とする係止片31,31を突設し、アーム2,2を閉動作した際に、平面ハの字状配置となるよう姿勢設定された左右一対の押当爪3,3を設けたものとした上、左右アーム2,2の長さ方向の中央付近適所の夫々に、直線状レール部22,22を形成し、それら直線状レール部22,22には、左右連繋スライダ4,4を、一対のアーム2,2の直線状レール部22,22夫々に沿って摺動移動自在に装着し、これら連繋スライダ4,4間には、左右アーム2,2の開閉動作に拘らず互いの連結状態を維持可能とする連結体41を設け、同連結体41の左右間中央には、支持基盤23の中央に設けられ、シリンダとピストンとからなり、圧縮空気の供給を制御することで、進退制御可能とした進退駆動機構42から延伸された駆動杆43の先端が接続されている。
左右の連繋スライダ4,4の互いに近接する側の先端部分には、相互間にホタテSの中腸腺部分S2を抱持可能とする湾曲形状の左右顎部51,51が延伸され、それら左右顎部51,51の先端には、ホタテ貝柱S1と中腸腺部分S2との境界両端側から挟み込み可能とする中核爪5,5が形成され、それら中核爪5,5のホタテSに接合状となる各先端部分は、上下方向断面が円弧面形状に拡大され、上下寸法が加工の対象として想定される中の最も大きなホタテ貝柱S1の厚み寸法よりも僅かに高い40mmに設定された筒面形状となっている。
左右顎部51,51の基端側寄りの外側壁を、左右両者間の幅寸法を中央寄りに縮巾し、同左右顎部51,51の中央付近の外側壁を左右側に拡巾し、基端側から先端側に至る外側壁面を、平滑に連続する曲線形状とした案内面52に形成したものとする一方、左右アーム2,2のレール部22,22のよりも前方であって押当爪3,3よりも基端側となる内側適所には、概略弓型に形成された揺れ腕62,62の中央付近が軸着され、左右中央側に湾曲状に延伸されたそれら後方従動端63,63を対峙状配置となる各案内面52,52に摺動自在に当接するものとし、また、これら後方従動端63,63とは反対側となる先端側には、左右一対の補助爪6,6が配置、形成され、左右顎部51,51の10mm程度の離反移動に伴い変形する案内面52,52に従動して左右一対の補助爪6,6が閉動作するものに形成されており、従って左右顎部51,51の案内面52,52とこれに摺動自在に当接する後方従動端63,63を有する左右一対の揺れ腕62,62とによって連動挟持機構61が形成されたものとなっている。
このような構造のホタテ中腸腺除去機1を使用することにより、以下に一例を示すような自動中腸腺除去装置7を実用化することが可能となる。
その自動中腸腺除去装置7は、図6ないし図8中に示すように、左右に1個ずつのボイル済みのホタテS,Sを収容できる複数の投入皿82,82,……を連結して形成した無端状のベルトを、所定間隔を隔てた一対の転輪76間に巻き掛け、ベルトコンベア71を形成し、一方の転輪76に同軸となるよう固着した歯車72に対して駆動用モータユニット73の出力を伝える歯車74を噛合して送り移動するよう構成し、器状に形成された各投入皿82の底部には、夫々2個ずつの載置盤8,8を昇降自在且つ回転自在に設け、送り移動するベルトコンベア71の上側に位置して連続する所定範囲に渡る合計5個の投入皿82,82,……の下側には、図示していないコンプレッサーからの圧縮空気が制御弁を介して供給され、合計10個の各載置盤8,8,……の下面中央に鉛直状に固着した回転軸部81,81,……の夫々を回転自在な状態のまま昇降駆動するエアシリンダ83,83,……を設け、また、同所定範囲に渡る5個の各投入皿82,82,……左右上側には、各々に対応する合計10台のホタテ中腸腺除去機1,1,……を設置したものとし、各ホタテ中腸腺除去機1,1,……の待避位置下方に相当するベルトコンベア71の左右両側には、除去後の中腸腺S2,S2,……を回収可能とする矩形樋状の回収路75,75を形成したものとしている。
そして、これらホタテ中腸腺除去機1,1,……よりもベルトコンベア71の移動方向の上流側であって、投入皿82,82,……上に投入されたホタテS,S,……を撮影可能な位置に2台のカメラ91,91を並列状に設置した上、各カメラ91,91からの出力信号を夫々演算処理して後続状に配置する5台毎のホタテ中腸腺除去機1,1,……を夫々個別に制御する2台の自動制御部9,9を設け、また、ベルトコンベア71の送り方向のカメラ91,91よりも上流側には、ベルトコンベア71の周囲を平面コ字形状に包囲し、その天面でホタテS,S,……をベルトコンベア71に向かって滑降させる漏斗状の傾斜案内面84,84,84を形成し、更にまた、ベルトコンベア71の下側を迂回する復路範囲には、同ベルトコンベア71に所定水圧の洗浄液を吹き付け、連続的に洗浄する洗浄用ノズル85,85,……を設置したものとなっている。
自動制御部9は、内蔵された電気回路、あるいはマイクロコンピュータおよびその計算プログラムから構成したものであって、ベルトコンベア71の往路部分を挟んでカメラ91の鉛直下方に位置させ、載置盤8がカメラ91の撮影位置に移動したことを、その重量変化やあるいは赤外線感知等で検知する載置盤検知センサ92からの信号を受けて、ベルトコンベア71を駆動する駆動用モータユニット73の駆動を停止し、カメラ91の撮影を実行した後、載置盤8を一個分移動させて再度カメラ91に撮影を実行させることを繰り返すと共に、これに続く一連のホタテS,S……の中腸腺S2,S2,……の姿勢制御および同中腸腺除去制御を後述する如く実行するよう構成したものとしている。
なお、この実施例では、ベルトコンベア71を間歇的に停止させ、その間に各カメラ91,91で夫々1個ずつのホタテS,S,……を撮影する方法を採用しているが、場合によっては、各カメラ91,91,のカメラアングルを比較的広角のものとして夫々が複数個のホタテS,S,……を同時に撮影して一括処理してしまうようにしたり、あるいは、各カメラ91,91を高速シャッター機能付きのもとし、ベルトコンベア71を間歇停止させることなく、定速連続移動させたままで一個あるいは複数個のホタテS,S,……を撮影、処理できるようにする等、後述の構造のカメラ91,91との兼ね合いで、該自動制御部9において処理するベルトコンベア71やカメラ91,91等各部への制御プログラムの組替え、変更がなされることはいうまでもなく、それら機構の組替え、変更には、当然のことながら装置各部で不要(例えば、高速撮影方式によるとすれば、この実施例におけるベルトコンベア71間歇停止用の載置盤検知センサ92等が不要)、あるいは追加(例えば、同様の方式に代替するとすれば、撮影タイミングを計るための載置盤検知センサ等を追加)部分を伴うことになる。
カメラ91は、電荷結合素子を有するものの外、図示を省略したストロボ等の照明装置部等の撮影効果を高めるための各種付属装置部からなり、ホタテS全体を撮影して得られた画像情報を電気信号に変え、同出力信号を自動制御部9に入力するよう回路設定されており、出力信号の入力を受けた自動制御部9が自動的に画像処理すると共に、同演算処理によって得られた計算値に従って、該当するホタテSの供給を受けたホタテ中腸腺除去機1毎に制御信号を出力すると共に、当該制御信号の出力に連携して図示しない増幅器を通じてベルトコンベア71の駆動用モータユニット73の駆動を制御するよう構成している。
前記10台のホタテ中腸腺除去機1,1,……に対応するベルトコンベア71投入皿82,82,……の各載置盤8,8,……の鉛直上方には夫々、下端に抑え板86を固着し、載置盤8回転軸部81に同心状であって回転自在、且つ昇降自在な抑え軸部87を有し、当該抑え軸部87の中途部に、滑りキー構造等によって軸心方向である上下方向に摺動自在とした回転駆動用歯車88を設けると共に、抑え軸部87に平行状に隣接する位置には、回転駆動用歯車88が噛合する駆動原歯車95を出力軸に固着したパルスモータからなる回転駆動用モータ94を設け、回転駆動機構93を形成した上、抑え軸部87の中途部に固着され、比較的弱い圧力で抑え軸部87を降下させる錘89により、回転するホタテSを抑え込み可能とし、抑え軸部87の上端には、エア圧を受けて同抑え軸部87を上昇させ、エア圧解除で降下可能に開放する仮固定用エアシリンダ96を設け、各仮固定用エアシリンダ96、錘89および回転駆動用モータ94は、自動制御部9からの出力信号を図示しない増幅器を介して夫々受信し、駆動するようになっている。
また、投入皿82から上昇されたホタテSに対向する外周側の特定位置には、自動中腸腺除去装置7の適所に、個別に制御を受ける進退位置決め機構97,97,……を介して各支持基盤23,23,……が装着されたホタテ中腸腺除去機1,1,……が装備されると共に、ベルトコンベア71の略中央上側であって各ホタテ中腸腺除去機1,1,……よりも僅か上方となる位置には、中腸腺部分S2を除去した貝柱S1に洗浄液を吹き付ける洗浄用ノズル98を設けたものとしている。
(実施例の作用)
以上のとおりの構成からなるこの発明のホタテ中腸腺除去機1,1,……を用いた自動中腸腺除去装置7は、この発明のホタテ中腸腺除去方法に従って利用することにより、以下に示すように複数のホタテS,S,……から、中腸腺部分S2,S2,……のみを悉く除去してしまうことを可能とするものであり、以下では、上記実施例のホタテ中腸腺除去機1,1,……を採用した自動中腸腺除去装置7を利用して、この発明のホタテ中腸腺除去方法における一つの事例を実行する工程について示すのに伴い、前記実施例のホタテ中腸腺除去機1ならびに自動中腸腺除去装置7の利用によって得られる作用について示すこととする。
自動中腸腺除去装置7は、図10の自動中腸腺除去装置の作動フローチャートに示されるとおり、ステップ1ないしステップ9の工程を踏んでホタテSの姿勢制御と中腸腺S2の分離、除去を連続的に実行するものとなり、その工程は、先ず自動中腸腺除去装置7を起動させ、図6ないし図8中に示すように、複数個のボイル済みのホタテS,S,……を傾斜案内面84,84,84に供給すると、各ホタテS,S,……が移動を開始したベルトコンベア71の各投入皿82,82,……に次々と載置状となり、カメラ91側へ向けて移動していく。
そして、自動制御部9は、載置盤検知センサ92からの出力信号を受けて載置盤8がカメラ91に移動してきたことを検知すると、駆動用モータユニット73への電力供給をカットして停止させ、図11中に示すように、連続的または断続的に撮影を実行しているカメラ91からの、図12の映像情報の平面図、に示されるような映像信号を受け取り、その映像の光の明暗あるいは色の濃淡等の違いに基づいた画像データを、中腸腺部分S2および外套膜S3と貝柱S1との識別に最適な閾値で二値化し、図13の中腸腺部分を含む抽出画像の平面図に示されるように、中腸腺部分S2を含む画像を選択し、さらに中腸腺部分S2の形状、大きさ、色等の情報に基づき、図14の中腸腺部分のみの画像を示す平面図に示されるように、外套膜部分S3等の不要情報成分を除いた中腸腺部分S2のみの画像データを抽出した上、図15の中腸腺を載置盤回転軸を原点とする座標上に表した平面図に示すように、当該中腸腺部分S2の縦横寸法L1,L2および載置盤8の回転軸部81を平面座標の原点とした場合の中腸腺部分S2の重心位置までの距離L3をベクトルとして計算し、予め認識しておいた当該原点とホタテ中腸腺除去機1の中核爪5,5間の左右中央位置とを結ぶ特定ベクトルに基づき、その間の開き角度θを算出し、また、得られた中腸腺部分S2の大きさおよび重心位置に基づき、中核爪5,5と中腸腺部分S2との抱持動作に最適な接近距離を算出する。
このとき待機状態にあるホタテ中腸腺除去機1は、図1中に示すように、進退駆動機構42を前進駆動させ、挟持駆動機構21,21を開いた上、図8進退位置決め機構97を後退位置に維持したものとし、ホタテ中腸腺部分S2を抱持する際に、進退位置決め機構97を前進駆動させるだけで、そのままホタテ貝柱S1との境界両端側に押当爪3,3、中核爪5,5および補助爪6,6を配置できる状態としている。
カメラ91の下側に移動してきた載置盤8上に、ホタテSが載置されていなかったときには、自動制御部9が画像信号中に中腸腺部分S2が存在しないことを確認し、当該載置盤8に対しての姿勢制御および分離、除去制御の一切を実行せず、対応する抑え板86やホタテ中腸腺除去機1は、次に供給されてくるホタテSに備えて待機状態を維持することとなる。
自動制御部9は、カメラ91からの画像信号を受け取った直後に、駆動用モータユニット73への電力供給を開始し、再度ベルトコンベア71を送り移動させ、連続して5個分の投入皿82,82,……上の合計10個のホタテS,S,……を断続的に移送すると共に、夫々の画像信号を取り込み、前記同様の演算処理を実行し、撮影開始からベルトコンベア71の送り方向6個目の載置盤8が移動して来たことを知らせる載置盤検知センサ92,92からの信号を受信したときに、ホタテ中腸腺除去機1,1,……下方に移動されている2列合計10個の載置盤8,8,……直下のエアシリンダ83を駆動して載置盤8,8,……を上昇させると共に、仮固定用エアシリンダ96によって浮上されている錘89を含む抑え板86,86,……をとゆっくり開放、降下させて、各ホタテS,S,……を比較的弱い荷重で抑え込み、且つ、図17のホタテの姿勢を制御して中腸腺を抱持、分離する状態の正面図に示すように、各ホタテS,S,……をホタテ中腸腺除去機1,1,……と略同じ高さまで上昇させる。
これと同時に、図16のホタテの姿勢を制御する状態の平面図に示してあるように、回転駆動用モータ94,94,……を個々の演算処理によって得られた角度θ分回転駆動し、個々のホタテS,S,……の中腸腺部分S2,S2,……をホタテ中腸腺除去機1,1,……に対向させ、さらに、図8中に示すように、進退位置決め機構97,97,……を駆動して、前記演算処理で得られた各ホタテS,S,……毎の最適接近距離となるようにホタテ中腸腺除去機1,1,……を各中腸腺部分S2,S2,……に向けて接近移動させる。
図10中のステップ7に達したとき、自動制御部9は、最適の接近距離まで移動したホタテ中腸腺除去機1,1,……を、図9のホタテ中腸腺除去機の制御フローチャートに従って制御することにより、同図9中の各工程を次実行することとなる。
図1中に示すように、拡開状とした左右一対の押当爪3,3、中核爪5,5および補助爪6,6を、ホタテ貝柱S1周囲に付着する外套膜S3の一郭から瘤状に膨出して貝柱S1に付着状となっている中腸腺S2の、貝柱S1との境界両端側に配し、挟持駆動機構21を閉動作させることにより、左右アーム2,2先端側に形成された押当爪3,3およびその後方近傍に配置された中核爪5,5を、図2中に示すように、閉動作させ、中核爪5,5とそれに連なる左右顎51,51とによって中腸腺S2を貝柱S1との境界両端側から外套膜S3諸共挟み付けていき、貝柱S1側に抜け出しができない状態(左右中核爪5,5の間隔が最終的に数mm程度となる)にまで狭めていって中腸腺S2部分を抱持状にすると略同時に、押当爪3,3を中核爪5,5よりも貝柱S1側となる部位でハの字状配置となり、外套膜S3越しに貝柱S1に当接状になって貝柱S1自体を静止状態に保持するまで閉動させてしまう。
その後、図3中に示すように、進退駆動機構42が左右連繋スライダ4,4を後退させ、当該中核爪5,5が中腸腺S2部分を抱持状にしたまま貝柱S1から(10mm程度)離反移動し、これに伴い離反移動する左右顎51,51の各案内面52,52に従動端63,63を摺動状に当接している左右揺れ腕62,62が、各先端の補助爪6,6を左右アーム2,2間中央に揺動させ、図4中に示すように、補助爪6,6を中核爪5,5よりも貝柱S1側であって押当爪3,3よりも中腸腺S2側となる部位で貝柱S1との境界両端側から外套膜S3諸共挟み付けていって主として外套膜S3部分を挟持するように閉動した上、更に、図5中に示すように、進退駆動機構42が中核爪5,5を貝柱S1から離反移動して中腸腺S2部分を貝柱S1から引き剥がすように分離、除去してしまう。その後に再度、挟持駆動機構21を開動作させ、中核爪5,5および顎51,51間に抱持された中腸腺S2部分を開放し、下方に配置された、図8中に示す、回収路75に落下させ、進退駆動機構42が左右連繋スライダ4,4を前進位置まで復帰させる。
更に、進退位置決め機構97,97,……はホタテ中腸腺除去機1,1,……を後退移動させることとなるが、その際、各押当爪3,3、中核爪5,5および補助爪6,6の復路途上の上下左右側に予めシャワーノズルを配置させて置き、洗浄液を吹き掛けて洗浄するものとすることが可能である。
その後、洗浄用ノズル98,98,……が、中腸腺部分S2,S2,……を除去されたホタテS,S,……に対して洗浄液を吹き付けて洗浄し、各載置盤8,8,……を降下させると共に、仮固定用エアシリンダ96,96,……によって抑え軸部87およびこれに一体となっている抑え板86を上昇させてから、ベルトコンベア71を駆動して、中腸腺部分S2,S2,……を除去した各ホタテS,S,……を、各投入皿82,82,……と共にベルトコンベア71の下流側端に順次移送し、自動中腸腺除去装置7から送出して行く一方、新たな2列、合計10個のホタテS,S,……の夫々を次々に撮影し、演算処理して同様に中腸腺部分S2,S2,……を分離、除去することとなり、ホタテS,S,……を送出した移送方向下流側のベルトコンベア71は、下側に回り込む復路途中に、洗浄用ノズル85,85,……から連続的に吹き付ける洗浄液によって洗浄され、再度上昇して往路へと移動することとなる。
(実施例の効果)
以上のような構成からなる実施例のホタテ中腸腺除去機1は、前記この発明の効果の項で記載の特徴に加え、連動挟持機構61によって補助爪6,6の開閉駆動制御を自動的に行うものとしたことにより、補助爪6,6を動作させるための特別の開閉駆動原を必要とせず、進退駆動機構42によって離反、移動する中核爪5,5に自動的に連動して開閉動作するものとすることができ、全体構造を大幅に簡素化することを可能とすることができる上、閉鎖された左右一対のアーム2,2間に、押当爪3,3、中核爪5,5および補助爪6,6の略全体を収納状態とすることができる配置、構造としたことにより、全体をコンパクト化することができ、自動中腸腺除去装置7のベルトコンベア71上に配列された複数のホタテSに最適な配置となるよう複数台を隣接して設ける場合にも、支障無く密集状に隣接配置させることができるという利点を得られることになる。
また、実施例に示した自動中腸腺除去装置7は、ベルトコンベア71に向けて複数のホタテS,S,……を一度に供給することができ、順次移動する投入皿82,82,……上のホタテS,S,……をカメラ91,91で撮影すると、自動制御部9が自動的に演算処理して、一度に10個のホタテS,S,……の夫々を載置した載置盤8,8,……を姿勢制御すると共に、各進退位置決め機構97,97,……を夫々進退駆動して、中腸腺部分S2,S2,……に対して各ホタテ中腸腺除去機1,1,……を最適な位置まで移動させ、的確に抱持状として分離、除去することができるので、多数の熟練作業者に匹敵する生産能力を発揮可能である上、装置を操作する作業者は、装置を起動した後に、ホタテS,S,……を傾斜案内面84,84,84からベルトコンベア71に向けて適宜供給するだけですむため、特別な熟練を必要とせず、生産コストを削減することができ、また分離、除去された中腸腺部分S2,S2,……の全ては、中腸腺回収路85内に速やかに回収されるので、作業環境を衛生的に保つことができるという大きな利点が得られ、極めて実用性に富む装置とすることができる。
(結 び)
叙述の如く、この発明のホタテ中腸腺除去機、およびそれを用いた自動中腸腺除去装置、ならびにそれらによるホタテ中腸腺除去方法は、その新規な装置構成ならびに制御方法によって所期の目的を遍く達成可能とするものであり、ホタテ中腸腺除去機は、比較的構成も簡便、小型化して製造可能とする上に、その機構上から故障も起き難く安価且つ安定したものとして提供でき、しかも個体の違いに十分対応可能になって殆ど貝柱や外套膜に損傷を与えることなく良質のホタテを効率的に生産可能とし、従前までには実現し得なかった大きな経済効果を期待することができるものとなることから、生産コストの削減と迅速な大量生産とが求められている水産加工食品業界、特にホタテの生産加工に従事する人々からは勿論のこと、関係各方面の人々からも高い評価がなされ、広く利用、普及していくものになると予想される。
図面は、この発明のホタテ中腸腺除去機、およびそれを用いた自動中腸腺除去装置、ならびにそれらによるホタテ中腸腺除去方法の技術的思想を具現化した代表的な実施例を示すものである。
中腸腺を抱持しようとするホタテ中腸腺除去機を示す平面図である。 中腸腺を抱持状としたホタテ中腸腺除去機を示す平面図である。 中核爪が離反移動を開始したホタテ中腸腺除去機を示す平面図である。 補助爪を閉作動するホタテ中腸腺除去機を示す平面図である。 中腸腺を完全に分離したホタテ中腸腺除去機を示す平面図である。 自動中腸腺除去装置を示す斜視図である。 自動中腸腺除去装置のベルトコンベアを示す側面図である。 自動中腸腺除去装置を示す断面図である。 ホタテ中腸腺除去機の作動工程を示すフローチャートである。 自動中腸腺除去装置の作動工程を示すフローチャートである。 ホタテを撮影するカメラを示す正面図である。 カメラ撮影によって得られた画像情報を示す平面図である。 中腸腺を含む画像情報を示す平面図である。 中腸腺のみを抽出した画像情報を示す平面図である。 座標上に中腸腺の配置を表示した画像情報を示す平面図である。 姿勢制御を受けるホタテを示す平面図である。 中腸腺を抱持しようとする自動中腸腺除去装置要部を示す正面図である。
符号の説明
1 ホタテ中腸腺除去機
2 アーム
21 同 挟持駆動機構
22 同 直線状レール部
23 同 支持基盤
3 押当爪
31 同 係止片
4 連繋スライダ
41 同 連結体
42 同 進退駆動機構
43 同 駆動杆
5 中核爪
51 同 顎
52 同 案内面
6 補助爪
61 同 連動挟持機構
62 同 揺れ腕
63 同 後方従動端
7 自動中腸腺除去装置
71 同 ベルトコンベア
72 同 歯車
73 同 駆動用モータユニット
74 同 歯車
75 同 回収路
76 同 転輪
8 載置盤
81 同 回転軸部
82 同 投入皿
83 同 エアシリンダ
84 同 傾斜案内面
85 同 洗浄ノズル
86 同 抑え板
87 同 抑え軸部
88 同 回転駆動用歯車
89 同 錘
9 自動制御部
91 同 カメラ
92 同 載置盤検知センサ
93 同 回転駆動機構
94 同 回転駆動用モータ
95 同 駆動原歯車
96 同 仮固定用エアシリンダ
97 同 進退位置決め機構
98 同 洗浄用ノズル
S ホタテ
S1 同 貝柱
S2 同 中腸腺
S3 同 外套膜

Claims (16)

  1. ホタテ貝柱周囲に付着する外套膜の一郭から瘤状に膨出して貝柱に付着状となっている中腸腺を、貝柱との境界両端側から外套膜諸共挟み付けていき、貝柱側に抜け出しできない状態にまで狭めていって中腸腺部分を挟持状または抱持状になし得るようにするまでの開閉動を可能にした一対の中核爪と、該中核爪の両外側に配され、貝柱と中腸腺との境界両端側を前記中核爪よりも貝柱側となる部位で主として外套膜部分を挟持し、中腸腺部分を貝柱から引き剥がす方向への貝柱の引き摺りを封じるところまでの開閉動を可能になるようにした一対の補助爪と、該補助爪の両作用部位よりも更に貝柱寄りとなる箇所を、同両作用部位がハの字の真上直近に位置するようにしたハの字状配置で外套膜越しに貝柱に当接状になって貝柱自体を静止状態に保持するまでの開閉動を可能になるようにした一対の押当爪とを組み合せてなるものとしたことを特徴とするホタテ中腸腺除去機。
  2. ホタテ貝柱周囲に付着する外套膜の一郭から瘤状に膨出して貝柱に付着状となっている中腸腺を、貝柱との境界両端側から外套膜諸共挟み付けていき、貝柱側に抜け出しできない状態にまで狭めていって中腸腺部分を挟持状または抱持状になし得るようにするまでの開閉動を可能にした一対の中核爪と、該中核爪の両外側に配され、貝柱と中腸腺との境界両端側を前記中核爪よりも貝柱側となる部位で主として外套膜部分を挟持し、中腸腺部分を貝柱から引き剥がす方向への貝柱の引き摺りを封じるところまでの開閉動を可能になるようにした一対の補助爪と、該補助爪の両作用部位よりも更に貝柱寄りとなる箇所を、同両作用部位がハの字の真上直近に位置するようにしたハの字状配置で外套膜越しに貝柱に当接状になって貝柱自体を静止状態に保持するまでの開閉動を可能になるようにした一対の押当爪とからなり、中核爪で中腸腺部分を挟持状または抱持状にした後、補助爪と一対の押当爪とが遅れて閉作動した上、当該中核爪が中腸腺部分を抱持状にしたまま貝柱から離反移動して中腸腺部分を貝柱から引き剥がすようにしたことを特徴とするホタテ中腸腺除去機。
  3. ホタテ貝柱周囲に付着する外套膜の一郭から瘤状に膨出して貝柱に付着状となっている中腸腺を、貝柱との境界両端側から外套膜諸共挟み付けていき、貝柱側に抜け出しできない状態にまで狭めていって中腸腺部分を挟持状または抱持状になし得るようにするまでの開閉動を可能にした一対の中核爪と、該中核爪の両外側に配され、貝柱と中腸腺との境界両端側を前記中核爪よりも貝柱側となる部位で主として外套膜部分を挟持し、中腸腺部分を貝柱から引き剥がす方向への貝柱の引き摺りを封じるところまでの開閉動を可能になるようにした一対の補助爪と、該補助爪の両作用部位よりも更に貝柱寄りとなる箇所を、同両作用部位がハの字の真上直近に位置するようにしたハの字状配置で外套膜越しに貝柱に当接状になって貝柱自体を静止状態に保持するまでの開閉動を可能になるようにした一対の押当爪とからなり、補助爪が先ず貝柱との境界両端側から外套膜諸共挟み付けていって主として外套膜部分を挟持するようにした後、遅れて中核爪と押当爪とが作動するようにした上、当該中核爪が中腸腺部分を挟持状または抱持状にしたまま貝柱から離反移動して中腸腺部分を貝柱から引き剥がすようにしたことを特徴とするホタテ中腸腺除去機。
  4. ホタテ貝柱周囲に付着する外套膜の一郭から瘤状に膨出して貝柱に付着状となっている中腸腺を、貝柱との境界両端側から外套膜諸共挟み付けていき、貝柱側に抜け出しできない状態にまで狭めていって中腸腺部分を挟持状または抱持状になし得るようにするまでの開閉動を可能にした一対の中核爪と、該中核爪の両外側に配され、貝柱と中腸腺との境界両端側を前記中核爪よりも貝柱側となる部位で主として外套膜部分を挟持し、中腸腺部分を貝柱から引き剥がす方向への貝柱の引き摺りを封じるところまでの開閉動を可能になるようにした一対の補助爪と、該補助爪の両作用部位よりも更に貝柱寄りとなる箇所を、同両作用部位がハの字の真上直近に位置するようにしたハの字状配置で外套膜越しに貝柱に当接状になって貝柱自体を静止状態に保持するまでの開閉動を可能になるようにした一対の押当爪とからなり、先ず押当爪がハの字状配置で外套膜越しに貝柱を当接状とした後、遅れて中核爪と補助爪とが作動するようにした上、中核爪で中腸腺部分を貝柱から引き剥がすようにしたことを特徴とするホタテ中腸腺除去機。
  5. ホタテ貝柱周囲に付着する外套膜の一郭から瘤状に膨出して貝柱に付着状となっている中腸腺を、貝柱との境界両端側から外套膜諸共挟み付けていき、貝柱側に抜け出しできない状態にまで狭めていって中腸腺部分を挟持状または抱持状になし得るようにするまでの開閉動を可能にした一対の中核爪と、該中核爪の両外側に配され、貝柱と中腸腺との境界両端側を前記中核爪よりも貝柱側となる部位で主として外套膜部分を挟持し、中腸腺部分を貝柱から引き剥がす方向への貝柱の引き摺りを封じるところまでの開閉動を可能になるようにした一対の補助爪と、該補助爪の両作用部位よりも更に貝柱寄りとなる箇所を、同両作用部位がハの字の真上直近に位置するようにしたハの字状配置で外套膜越しに貝柱に当接状になって貝柱自体を静止状態に保持するまでの開閉動を可能になるようにした一対の押当爪とからなり、先ず中核爪で中腸腺部分を挟持状または抱持状にすると共に、押当爪がハの字状配置で外套膜越しに貝柱を当接状とした後、当該中核爪が中腸腺部分を挟持状または抱持状にしたまま貝柱から離反移動し、該離反移動過程の初期段階に、補助爪を貝柱との境界両端側から外套膜諸共挟み付けていって主として外套膜部分を挟持するようにした上、更に、中核爪を貝柱から離反移動して中腸腺部分を貝柱から引き剥がすようにしたことを特徴とするホタテ中腸腺除去機。
  6. ホタテ貝柱周囲に付着する外套膜の一郭から瘤状に膨出して貝柱に付着状となっている中腸腺を、貝柱との境界両端側から外套膜諸共挟み付けていき、貝柱側に抜け出しできない状態にまで狭めていって中腸腺部分を挟持状または抱持状になし得るようにするまでの開閉動を可能とした一対の中核爪と、該中核爪の両外側に配され、貝柱と中腸腺との境界両端側を前記中核爪よりも貝柱側となる部位で主として外套膜部分を挟持し、中腸腺部分を貝柱から引き剥がす方向への貝柱の引き摺りを封じるところまでの開閉動を可能になるようにした一対の補助爪と、該補助爪の両作用部位よりも更に貝柱寄りとなる箇所を、同両作用部位がハの字の真上直近に位置するようにしたハの字状配置で外套膜越しに貝柱に当接状になって貝柱自体を静止状態に保持するまでの開閉動を可能になるようにした一対の押当爪とを設け、当該中核爪および押当爪が同一の挟持駆動機構を共有し、中核爪を中腸腺部分の挟持または抱持位置と、同中腸腺部分を貝柱から完全分離可能な位置との間で移動制御可能とする進退駆動機構を設け、補助爪が中核爪の離反移動に連動する連動挟持機構を有するものとした上、先ず中核爪が挟持駆動機構によって中腸腺部分を挟持状または抱持状とするよう閉動作されると共に、押当爪が同挟持駆動機構によって外套膜越しに貝柱を当接状とするようハの字状配置とされた後、中腸腺部分を挟持状または抱持状とした中核爪が進退駆動機構によって貝柱から離反移動し、該離反移動過程の初期段階に、補助爪が中核爪離反移動に連動する連動挟持機構によって貝柱との境界両端側から外套膜諸共挟み付けていって主として外套膜部分を挟持するようにした上、更に、中核爪を貝柱から離反移動して中腸腺部分を貝柱から引き剥がすようにしたことを特徴とするホタテ中腸腺除去機。
  7. 挟持駆動機構によって開閉制御可能とした所定長一対の左右アームの先端に、開状態で平置き姿勢のホタテ中腸腺巾を越えて拡開され、閉状態のときにハの字状配置でホタテ貝柱の周面に外套膜越しに当接、制止し得る面形状とした左右一対の押当爪を設け、左右アーム中途に沿って進退移動自在に設けた左右連繋スライダの左右アーム間内側となる押当爪寄りの箇所から、押当爪と共に開閉動作可能であって平置き姿勢のホタテ中腸腺部分の略全体を挟持または抱持可能とする左右顎を延伸させ、各顎の左右外側壁夫々に顎部分後端寄りで中央寄りに縮巾され、顎部分で左右側に拡巾された連続曲線形状の案内面を形成すると共に、左右顎各先端に左右一対の中核爪を設け、左右連繋スライダの適所に、中核爪が挟持または抱持した中腸腺部分を貝柱から完全に分離するまで、押当爪に対して離反移動可能とする進退駆動機構を設け、左右アームの先端寄りとなる内側適所であって押当爪より僅か後方位置に、中途適所が軸着された弓型の左右揺れ腕の各後方従動端を、対峙する左右中核爪顎部の各案内面に摺動自在に当接させ、各揺れ腕先端に左右一対の補助爪を形成した上、それら連繋スライダ、顎、中核爪、揺れ腕および補助爪の殆どを、挟持駆動機構の閉動作によって閉鎖された状態の左右アーム間スペース内に収容可能に組み合せ、配してなるものとしたことを特徴とするホタテ中腸腺除去機。
  8. 上面にホタテを載置可能に形成してなる載置盤を有し、載置盤上に載置されたホタテを実質的に略垂直な軸心回りに回転可能とした回転駆動機構を設け、該載置盤の外周側適所には、載置盤回転中心方向への進退移動用の進退位置決め機構を組み込んだ中腸腺除去機が設置されると共に、前記載置盤上に平置き状に載置したホタテ全体を撮影可能な位置に、画像情報を電気信号に変えるカメラを設置する一方、該カメラから出力した電気信号を演算処理し、前記各回転駆動機構および中腸腺除去機を適宜駆動制御する自動制御部を設け、載置盤上に供給されたホタテの中腸腺部分を識別、認識して発せられた電気信号を受けてなる当該自動制御部が、載置盤上に載置されたホタテを実質的に回転駆動、停止して中腸腺重心位置を中腸腺除去機の挟持範囲中に対峙させると共に、進退位置決め機構により、中腸腺除去機を、中腸腺部分の挟持可能な位置にまで前進移動させてから、中腸腺除去機の一対の中核爪によってホタテの中腸腺部分を貝柱との境界両端側から外套膜諸共挟み付けていき、貝柱側に抜け出しできない状態にまで狭めていって中腸腺部分を挟持状または抱持状にすると共に、一対の押当爪をハの字状配置で外套膜越しに貝柱を当接状とした後、当該中核爪が中腸腺部分を挟持状または抱持状にしたまま貝柱から離反移動させ、この離反移動過程の初期段階に、補助爪を貝柱との境界両端側から外套膜諸共挟み付けていって主として外套膜部分を挟持するようにした上、更に、中核爪を貝柱から離反移動して中腸腺部分を貝柱から引き剥がすようにしてホタテから中腸腺部分だけを分離、除去してしまうようにした、請求項1ないし7何れか一項記載のホタテ中腸腺除去機を用いた自動中腸腺除去装置。
  9. 請求項1記載のホタテ中腸腺除去機を用い、一対の中核爪によってホタテ貝柱周囲に付着する外套膜の一郭から瘤状に膨出して貝柱に付着状となっている中腸腺を、貝柱との境界両端側から外套膜諸共挟み付けていき、貝柱側に抜け出しできない状態にまで狭めていって中腸腺部分を挟持状または抱持状とすると共に、補助爪が貝柱と中腸腺との境界両端側を前記中核爪よりも貝柱側となる部位で主として外套膜部分を挟持し、中腸腺部分を貝柱から引き剥がす方向への貝柱の引き摺りを封じるところまで閉動し、押当爪が該補助爪の両作用部位よりも更に貝柱寄りとなる箇所を、同両作用部位がハの字の真上直近に位置するようにしたハの字状配置で外套膜越しに貝柱に当接状になって貝柱自体を静止状態に保持するまで閉動した上、当該中核爪が中腸腺部分を挟持状または抱持状にしたまま貝柱から離反移動して中腸腺部分を貝柱から引き剥がすように分離、除去してしまうことを特徴とするホタテ中腸腺除去方法。
  10. 請求項1または2何れか一項記載のホタテ中腸腺除去機を用い、一対の中核爪によってホタテ貝柱周囲に付着する外套膜の一郭から瘤状に膨出して貝柱に付着状となっている中腸腺を、貝柱との境界両端側から外套膜諸共挟み付けていき、貝柱側に抜け出しできない状態にまで狭めていって中腸腺部分を挟持状または抱持状とした後に、補助爪が貝柱と中腸腺との境界両端側を前記中核爪よりも貝柱側となる部位で主として外套膜部分を挟持し、中腸腺部分を貝柱から引き剥がす方向への貝柱の引き摺りを封じるところまで閉動すると共に、押当爪が該補助爪の両作用部位よりも更に貝柱寄りとなる箇所を、同両作用部位がハの字の真上直近に位置するようにしたハの字状配置で外套膜越しに貝柱に当接状になって貝柱自体を静止状態に保持するまで閉動した上、当該中核爪が中腸腺部分を挟持状または抱持状にしたまま貝柱から離反移動して中腸腺部分を貝柱から引き剥がすように分離、除去してしまうことを特徴とするホタテ中腸腺除去方法。
  11. 請求項1または3何れか一項記載のホタテ中腸腺除去機を用い、先ず補助爪が貝柱と中腸腺との境界両端側から、外套膜諸共挟み付けていって主として外套膜部分を挟持するように閉動した後、それに遅れて中核爪がホタテ貝柱周囲に付着する外套膜の一郭から瘤状に膨出して貝柱に付着状となっている中腸腺を、貝柱との境界両端側から補助爪よりも中腸腺側となる部位で外套膜諸共挟み付けていき、貝柱側に抜け出しできない状態にまで狭めていって中腸腺部分を挟持状または抱持状とすると共に、押当爪が該補助爪の両作用部位よりも更に貝柱寄りとなる箇所を、同両作用部位がハの字の真上直近に位置するようにしたハの字状配置で外套膜越しに貝柱に当接状になって貝柱自体を静止状態に保持するまで閉動した上、当該中核爪が中腸腺部分を挟持状または抱持状にしたまま貝柱から離反移動して中腸腺部分を貝柱から引き剥がすように分離、除去してしまうことを特徴とするホタテ中腸腺除去方法。
  12. 請求項1または4何れか一項記載のホタテ中腸腺除去機を用い、先ず押当爪がハの字状配置で外套膜越しに貝柱に当接状になって貝柱自体を静止状態に保持するまで閉動した後、それに遅れて中核爪がホタテ貝柱周囲に付着する外套膜の一郭から瘤状に膨出して貝柱に付着状となっている中腸腺を、貝柱との境界両端側から外套膜諸共挟み付けていき、貝柱側に抜け出しできない状態にまで狭めていって中腸腺部分を挟持状または抱持状とすると共に、補助爪が貝柱と中腸腺との境界両端側を前記中核爪よりも貝柱側であってしかも押当爪よりも中腸腺側となる部位で主として外套膜部分を挟持し、中腸腺部分を貝柱から引き剥がす方向への貝柱の引き摺りを封じるところまで閉動した上、当該中核爪が中腸腺部分を挟持状または抱持状にしたまま貝柱から離反移動して中腸腺部分を貝柱から引き剥がすように分離、除去してしまうことを特徴とするホタテ中腸腺除去方法。
  13. 請求項1、5または6何れか一項記載のホタテ中腸腺除去機を用い、先ず一対の中核爪によってホタテ貝柱周囲に付着する外套膜の一郭から瘤状に膨出して貝柱に付着状となっている中腸腺を、貝柱との境界両端側から外套膜諸共挟み付けていき、貝柱側に抜け出しできない状態にまで狭めていって中腸腺部分を挟持状または抱持状にすると略同時に、押当爪を中核爪よりも貝柱側となる部位でハの字状配置となり、外套膜越しに貝柱に当接状になって貝柱自体を静止状態に保持するまで閉動させた後、当該中核爪が中腸腺部分を挟持状または抱持状にしたまま貝柱から離反移動するその初期段階に、補助爪を中核爪よりも貝柱側であって押当爪よりも中腸腺側となる部位で貝柱との境界両端側から外套膜諸共挟み付けていって主として外套膜部分を挟持するように閉動した上、更に、中核爪を貝柱から離反移動して中腸腺部分を貝柱から引き剥がすように分離、除去してしまうことを特徴とするホタテ中腸腺除去方法。
  14. 請求項1、5または6記載のホタテ中腸腺除去機を用い、挟持駆動機構を開状態に作動させ、十分に拡開状とした一対の押当爪、中核爪および補助爪を、ホタテ貝柱周囲に付着する外套膜の一郭から瘤状に膨出して貝柱に付着状となっている中腸腺の、貝柱との境界両端側に配し、挟持駆動機構によって押当爪および中核爪を閉動作させ、中核爪によって中腸腺を、貝柱との境界両端側から外套膜諸共挟み付けていき、貝柱側に抜け出しできない状態にまで狭めていって中腸腺部分を挟持状または抱持状にすると略同時に、押当爪を中核爪よりも貝柱側となる部位でハの字状配置となり、外套膜越しに貝柱に当接状になって貝柱自体を静止状態に保持するまで閉動させた後、当該中核爪が中腸腺部分を挟持状または抱持状にしたまま貝柱から離反移動するその初期段階に、連動挟持機構が補助爪を中核爪よりも貝柱側であって押当爪よりも中腸腺側となる部位で貝柱との境界両端側から外套膜諸共挟み付けていって主として外套膜部分を挟持するように閉動した上、更に、進退駆動機構が中核爪を貝柱から離反移動して中腸腺部分を貝柱から引き剥がすように分離、除去してしまうことを特徴とするホタテ中腸腺除去方法。
  15. 請求項1または7記載のホタテ中腸腺除去機を用い、挟持駆動機構を開状態に作動させて左右アームを開き、十分に拡開状とした左右一対の押当爪、中核爪および補助爪を、ホタテ貝柱周囲に付着する外套膜の一郭から瘤状に膨出して貝柱に付着状となっている中腸腺の、貝柱との境界両端側に配し、挟持駆動機構によって押当爪および中核爪を閉動作させ、中核爪とそれに連なる左右顎によって中腸腺を、貝柱との境界両端側から外套膜諸共挟み付けていき、貝柱側に抜け出しできない状態にまで狭めていって中腸腺部分を挟持状または抱持状にすると略同時に、押当爪を中核爪よりも貝柱側となる部位でハの字状配置となり、外套膜越しに貝柱に当接状になって貝柱自体を静止状態に保持するまで閉動させた後、進退駆動機構が左右連繋スライダを後退させ、当該中核爪が中腸腺部分を挟持状または抱持状にしたまま貝柱から離反移動し、離反移動する左右顎の各案内面に従動端を摺動状に当接している左右揺れ腕が、各先端の補助爪を左右アーム間中央に揺動させ、補助爪を中核爪よりも貝柱側であって押当爪よりも中腸腺側となる部位で貝柱との境界両端側から外套膜諸共挟み付けていって主として外套膜部分を挟持するように閉動した上、更に、進退駆動機構が中核爪を貝柱から離反移動して中腸腺部分を貝柱から引き剥がすように分離、除去した後、再度挟持駆動機構を開動作させて中核爪および顎間に抱持された中腸腺部分を開放、落下させた後に再閉動し、進退駆動機構が左右連繋スライダを前進位置まで復帰させるという工程を繰り返すことにより、複数個のホタテから次々に中腸腺部分を除去してしまうことを特徴とするホタテ中腸腺除去方法。
  16. 請求項8記載の自動中腸腺除去装置を用い、画像情報を電気信号に変えるカメラによって載置盤に平置き状に載置したホタテを撮像し、得られた画像信号に基づいて中腸腺部分の映像信号のみを選択して同中腸腺部分の大きさおよび重心位置を計算すると共に、載置盤の回転中心を原点とする平面座標上における当該重心位置を特定した上、これら特定重心位置および中腸腺除去機位置に対応して設定してある平面座標上の定点の各ベクトルのなす角度を割り出し、その角度に相当する回転移動角度分だけ該当するホタテを実質的に回転駆動、停止させ、中腸腺重心位置方向に対向状とした中腸腺除去機の挟持駆動機構を開状態に作動させて十分に拡開状とした一対の押当爪、中核爪および補助爪を、ホタテ貝柱周囲に付着する外套膜の一郭から瘤状に膨出して貝柱に付着状となっている中腸腺の、貝柱との境界両端側に配し、挟持駆動機構によって押当爪および中核爪を閉動作させ、中核爪によって中腸腺を貝柱との境界両端側から外套膜諸共挟み付けていき、貝柱側に抜け出しできない状態にまで狭めていって中腸腺部分を挟持状または抱持状にすると略同時に、押当爪を中核爪よりも貝柱側となる部位でハの字状配置となり、外套膜越しに貝柱に当接状になって貝柱自体を静止状態に保持するまで閉動させた後、当該中核爪が中腸腺部分を挟持状または抱持状にしたまま貝柱から離反移動するその初期段階に、連動挟持機構が補助爪を中核爪よりも貝柱側であって押当爪よりも中腸腺側となる部位で貝柱との境界両端側から外套膜諸共挟み付けていって主として外套膜部分を挟持するように閉動した上、更に、進退駆動機構が中核爪を貝柱から離反移動して中腸腺部分を貝柱から引き剥がすように分離、除去してしまうものとしたことを特徴とするホタテ中腸腺除去方法。
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