JP4098228B2 - マルチキャストデータ通信システムおよびサーバ側ゲートウェイならびに中継装置、プログラム - Google Patents
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Description
このため、配送経路上に、マルチキャストアドレスの処理方法を実装していない中継装置(以下、ルータという)が存在すると、その先ヘマルチキャストパケットを配信することができないという問題があった。
特許文献1には、マルチキャストサーバが送出したマルチキャストパケットを、ルータがユニキャストパケットに変換して配信を行う技術が開示されている。また、非特許文献1には、ユニキャストパケットのデータ領域にマルチキャストパケットを格納する方式が開示されている。
サーバ側ゲートウェイ2は、オリジナルパケット20を受信すると、ユニキャストパケットに変換する。具体的には、図11に示されるように、IPヘッダとUDP(User Datagram Protocol)ヘッダでカプセル化を行う。このパケットをカプセル化パケット30とする。サーバ側ゲートウェイ2が管理する配送表8には、送信元アドレスがIPマルチキャストサーバ1、宛先アドレスがIPマルチキャストアドレス10であるエントリがあり、そのエントリには、中継ノード3が登録されている。そのため、カプセル化パケット30のIPヘッダの宛先には、図11に示されるように中継ノード3が設定される。送信元はサーバ側ゲートウェイ2となる。
カプセル化パケット32には、IPヘッダに続き、オリジナルパケット20の最後の28バイトのデータが格納される。サーバ側ゲートウェイ2は、このカプセル化パケット31、32を中継ノード3に送信する。
ところで、カプセル化パケット32には、オリジナルパケット20の宛先、送信元に相当する情報が存在しない。これが、中継ノード3がパケットを再構成しなければならない理由である。配送表9の該当エントリには、クライアント側ゲートウェイ4、5が登録されている。中継ノード3は、カプセル化パケット30をコピーし、送信元を中継ノード3に、宛先をそれぞれクライアント側ゲートウェイ4、5に変更する。宛先を変更したパケットを、それぞれカプセル化パケット33、34とする(図14)。
続いて、クライアント側ゲートウェイ5は、カプセル化パケット35、36を受信し、カプセル化パケット34を再構成する(図16)。続いて、オリジナルパケット20をIPマルチキャストクライアント7が存在するサブネットに送出する(図17)。
上述したように従来のマルチキャスト方式によれば、IPマルチキャストサーバ1が送出したオリジナルパケット20がIPマルチキャストクライアント6、7まで届けられる際に、中継ノード3において、パケット再構成、再分割する処理が行われており、これが中継ノード3の処理負荷を増大させる原因になっている。
また、非特許文献1に開示された技術によれば、格納後のパケット長が最大パケット長を越えることがあり、その場合、最大パケット長に分割して送信する。この分割されたパケットは、次のルータで再構成され、再度分割されるという処理を繰り返しながら、配信されることになる。
図1に示されるように、本発明のマルチキャストデータ通信システムは、1以上のIPマルチキャストサーバ1と、2以上のマルチキャストクライアント6、7との間に、配送経路に関する情報が記述された配送表8、9をそれぞれ保持する1以上のサーバ側ゲートウェイ2および中継ノード3と、1以上のクライアント側ゲートウェイ4、5とが介在し、ネットワークが構築される
サーバ側ゲートウェイ2は、マルチキャストパケットを受信すると、配送表8を検索し、送信元アドレスと宛先アドレスが一致するエントリを検索する。これら送信元アドレスと宛先アドレスが配信経路に関する情報に相当する。図1に示す配送表8には、送信元アドレスがIPマルチキャストサーバ1、宛先アドレスがIPマルチキャストアドレス10であるエントリのみが記されている。サーバ側ゲートウェイ2は、受信したマルチキャストパケットをユニキャストパケットに変換し、エントリに記載されている装置に送信する。
クライアント側ゲートウェイ4、5は、変換されたユニキャストパケットを受信すると、マルチキャストパケットに逆変換し、IPマルチキャストクライアント6、7に送出する。
なお、図1に示すIPネットワークでは、IPパケットの最大長は1500バイトであり、1500バイトを超えるパケットは分割して送信されるものとする。
以下、図2〜図7を参照しながら図1に示すマルチキャストデータ通信システムの動作について詳細に説明する。
IPマルチキャストサーバ1は、従来同様、図2に示すマルチキャストパケットを送出する。このパケットをオリジナルパケット20と呼ぶ。ここでは、宛先がIPマルチキャストアドレス10であり、送信元がIPマルチキャストサーバ1である。また、パケット長は1500バイトであり、許容されるパケット最大長に等しい。
IP optionヘッダには、option種(1バイト)、option長(1バイト)、オリジナルパケット20の送信元(4バイト)、オリジナルパケット20の宛先(4バイト)、詰め物(2バイト)が記述される。サーバ側ゲートウェイ2が管理する配送表8には、送信元アドレスがIPマルチキャストサーバ1、宛先アドレスがIPマルチキャストアドレス10であるエントリがあり、そのエントリには、中継ノード3が登録されている。そのため、カプセル化パケット40のIPヘッダの宛先には、図3に示すように中継ノード3が設定される。送信元はサーバ側ゲートウェイ2となる。
カプセル化パケット41には、IPヘッダ、IP optionヘッダに続き、オリジナルパケット20の前から1468バイトのデータが格納される。カプセル化パケット42には、IPヘッダ、IP optionヘッダに続き、オリジナルパケット20の最後の32バイトのデータが格納される。サーバ側ゲートウェイ2は、このカプセル化パケット41、42を中継ノード3に送信する。
中継ノード3は、カプセル化パケット41、42をコピーし、送信元を中継ノード3に、宛先をそれぞれクライアント側ゲートウェイ4、5に変更する。本実施の形態では、クライアント側ゲートウェイ5へ送信するパケットについてのみ説明する。クライアント側ゲートウェイ5に送信するパケットを、それぞれカプセル化パケット43、44とする(図5)。このとき、中継ノード3は、受信した分割パケットの再構成、再分割処理を行うことなく、クライアント側ゲートウェイ4、5に転送している。
このように、本実施の形態によれば、中継ノード3において、パケット再構成、再分割という処理が行われることはなく、このため、中継ノード3の処理負荷を軽減することができる。
図8、図9を参照しながらサーバ側ゲートウェイ2、中継ノード3の動作を説明すれば以下のようになる。まず、サーバ側ゲートウェイ2から説明する。
なお、図8に示されるサーバ側ゲートウェイ2を構成するパケット受信部200、パケット送信部201、パケット種別判別部202、配送表管理部203、パケット操作部204、および中継ノード3を構成する、パケット受信部300、パケット送信部301、パケット種別判別部302、配送表管理部303、パケット操作部304のそれぞれで実行される手順をコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録し、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって本発明のマルチキャストデータ通信システム、およびサーバ側ゲートウェイ2、ならびに中継装置3を実現することができる。ここでいうコンピュータシステムとは、OSや周辺機器等のハードウェアを含む。
また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。
Claims (6)
- 1以上のIPマルチキャストサーバと、2以上のIPマルチキャストクライアントとの間に、配信経路に関する情報が記述された配送表を保持する1以上のサーバ側ゲートウェイおよび中継装置と、1以上のクライアント側ゲートウェイとが介在し、ネットワークが構築されるマルチキャストデータ通信システムであって、
前記サーバ側ゲートウェイは、
前記IPマルチキャストサーバが送出するマルチキャストアドレス宛パケットを受信すると、該マルチキャストアドレス宛パケットのネットワーク層ヘッダに記載されている配信経路に関する情報と自身の配送表とに基づいてネットワーク層ヘッダの宛先に宛先装置のアドレスを記載し、ネットワーク層付加ヘッダに該配信経路に関する情報を記載し、該マルチキャストアドレス宛パケットを格納して、ユニキャストアドレス宛パケットを生成し、該ユニキャストアドレス宛パケットを送信し、
前記中継装置は、前記ユニキャストアドレス宛パケットを受信すると、該ユニキャストアドレス宛パケットのネットワーク層付加ヘッダに記載されている配信経路に関する情報と自身の前記配送表とに基づいて、該ユニキャストアドレス宛パケットのネットワーク層ヘッダの宛先を変更して転送する、
ことを特徴とするマルチキャストデータ通信システム。 - 前記配信経路に関する情報は、IPマルチキャストサーバのアドレスとマルチキャストアドレスとであることを特徴とする請求項1にマルチキャストデータ通信システム。
- 1以上のIPマルチキャストサーバと、2以上のIPマルチキャストクライアントとの間に、配信経路に関する情報が記述された配送表を保持する1以上のサーバ側ゲートウェイおよび中継装置と、1以上のクライアント側ゲートウェイが介在してネットワークが構築されるマルチキャストデータ通信システムにおける前記サーバ側ゲートウェイであって、
パケットを受信するパケット受信手段と、
前記パケット受信手段により受信されるパケットの種類がマルチキャストアドレス宛パケットであるかを判別するパケット種別判別手段と、
前記パケット種別判別手段によりマルチキャストアドレス宛パケットであると判別されると、該マルチキャストアドレス宛パケットのネットワーク層ヘッダに記載されている配信経路に関する情報のエントリを自身の前記配送表から検索する配送表管理手段と、
前記配送表管理手段による検索の結果、該当エントリが見つかった場合、前記エントリに登録された装置のアドレスをネットワーク層ヘッダの宛先に記載し、前記配信経路に関する情報をネットワーク層付加ヘッダに記載し、受信した前記パケットであるマルチキャストアドレス宛パケットを格納してユニキャストアドレス宛パケットを生成するパケット操作手段と、
前記パケット操作手段によるユニキャストアドレス宛パケットを送信するパケット送信手段と、
を備えたことを特徴とするサーバ側ゲートウェイ。 - 1以上のIPマルチキャストサーバと、2以上のIPマルチキャストクライアントとの間に、配信経路に関する情報が記述された配送表を保持する1以上のサーバ側ゲートウェイおよび中継装置と、1以上のクライアント側ゲートウェイが介在してネットワークが構築されるマルチキャストデータ通信システムにおける前記中継装置であって、
パケットを受信するパケット受信手段と、
前記パケット受信手段により受信されるパケットの種類が配信経路に関する情報が記載されたネットワーク層付加ヘッダを有するパケットであるかを判別するパケット種別判別手段と、
前記パケット種別判別手段により配信経路に関する情報が記載されたネットワーク層付加ヘッダを有するパケットであると判別されると、該パケットのネットワーク層付加ヘッダに記載された配信経路に関する情報のエントリを自身の前記配送表から検索する配送表管理手段と、
前記配送表管理手段による検索の結果、該当エントリが見つかった場合、前記エントリに登録された装置のアドレスを前記パケットのネットワーク層ヘッダの宛先に記載するパケット操作手段と、
前記パケット操作手段によるパケットを送信するパケット送信手段と、
を備えたことを特徴とする中継装置。 - 1以上のIPマルチキャストサーバと、2以上のIPマルチキャストクライアントとの間に、配信経路に関する情報が記述された配送表を保持する1以上のサーバ側ゲートウェイおよび中継装置と、1以上のクライアント側ゲートウェイが介在してネットワークが構築されるマルチキャストデータ通信システムにおける前記サーバ側ゲートウェイとしてのコンピュータを、
パケットを受信するパケット受信手段、
前記パケット受信手段により受信されるパケットの種類がマルチキャストアドレス宛パケットであるかを判別するパケット種別判別手段、
前記パケット種別判別手段によりマルチキャストアドレス宛パケットであると判別されると、該マルチキャストアドレス宛パケットのネットワーク層ヘッダに記載されている配信経路に関する情報のエントリを自身の前記配送表から検索する配送表管理手段、
前記配送表管理手段による検索の結果、該当エントリが見つかった場合、前記エントリに登録された装置のアドレスをネットワーク層ヘッダの宛先に記載し、前記配信経路に関する情報をネットワーク層付加ヘッダに記載し、受信した前記パケットであるマルチキャストアドレス宛パケットを格納してユニキャストアドレス宛パケットを生成するパケット操作手段、及び
前記パケット操作手段によるユニキャストアドレス宛パケットを送信するパケット送信手段、
として機能させることを特徴とするプログラム。 - 1以上のIPマルチキャストサーバと、2以上のIPマルチキャストクライアントとの間に、配信経路に関する情報が記述された配送表を保持する1以上のサーバ側ゲートウェイおよび中継装置と、1以上のクライアント側ゲートウェイが介在してネットワークが構築されるマルチキャストデータ通信システムにおける前記中継装置としてのコンピュータを、
パケットを受信するパケット受信手段、
前記パケット受信手段により受信されるパケットの種類が配信経路に関する情報が記載されたネットワーク層付加ヘッダを有するパケットであるかを判別するパケット種別判別手段、
前記パケット種別判別手段により配信経路に関する情報が記載されたネットワーク層付加ヘッダを有するパケットであると判別されると、該パケットのネットワーク層付加ヘッダに記載された配信経路に関する情報のエントリを自身の前記配送表から検索する配送表管理手段、
前記配送表管理手段による検索の結果、該当エントリが見つかった場合、前記エントリに登録された装置のアドレスを前記パケットのネットワーク層ヘッダの宛先に記載するパケット操作手段、及び
前記パケット操作手段によるパケットを送信するパケット送信手段、
として機能させることを特徴とするプログラム。
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JP2003409219A JP4098228B2 (ja) | 2003-12-08 | 2003-12-08 | マルチキャストデータ通信システムおよびサーバ側ゲートウェイならびに中継装置、プログラム |
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