JP4098218B2 - 岩盤せん断試験法および岩盤せん断試験装置 - Google Patents

岩盤せん断試験法および岩盤せん断試験装置 Download PDF

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Description

本発明は、岩盤せん断試験法および岩盤せん断試験装置に関する。更に詳しくは、本発明は、原位置で岩盤を切り出して整形した試験体にせん断荷重を与えてせん断強度を試験する岩盤せん断試験法および岩盤せん断試験装置に関するものである。
岩盤などの強度特性や変形特性を把握するために原位置試験が行われる。原位置試験は、実地に即したデータを得るため、原位置で掘削された地盤を試験体として用い、当該原位置で行なわれる。
原位置試験として、原位置岩盤せん断試験がある。この試験法を図9に示す。この試験法では、調査を行う試掘横坑101内の床面などの一部を直方体のブロック状に切り出し、その切り出し部分102の外面をカバーコンクリート104で整形して試験体103としている。試験体103の上面103aは水平面となっており、また、4つの側面のうちの1つは傾斜面103bとなっている。
載荷装置として、鉛直荷重用ジャッキ105とせん断荷重用ジャッキ106を備えている。鉛直荷重用ジャッキ105は鋼製支柱107によって支持されており、試験体103の上面103aにその垂直方向(上面は水平であり、この水平面に対して垂直方向であるから、鉛直方向)から鉛直荷重Nを載荷するものである。また、せん断荷重用ジャッキ106は反力ブロック108によって支持されており、試験体103の傾斜面103bにその垂直方向からせん断荷重Tを載荷するものである。せん断荷重用ジャッキ106がせん断荷重Tを載荷する面が傾斜面103bとなっているので、せん断面の中心109に向けてせん断荷重Tを載荷することができ、せん断荷重Tの載荷によってせん断面に回転モーメントが発生するのを防止している。なお、図9中符号110は鉛直変位計、符号111はせん断変位計である。
試験では、まず鉛直荷重用ジャッキ105を使用して所定の鉛直荷重Nを与えてこれを一定に保ち、次にせん断荷重用ジャッキ106を使用してせん断荷重Tを与えてこれを徐々に増加させ、試験体103にせん断破壊を生じさせる。このときの鉛直荷重Nとせん断荷重Tに基づいて岩盤のせん断強度特性が把握される。
特開平4−38441号 土木学会岩盤力学委員会 「原位置岩盤試験法の指針」土木学会 平成12年12月10日第1版・第1刷発行
ところで、基礎構造物の耐震設計等においては、せん断面に作用する鉛直応力として0に近い値の圧縮応力(正の値)や引張応力(負の値)を作用させている状態のせん断強度を知ることが必要である。
しかしながら、上述の岩盤せん断試験法では、このような状態のせん断強度を直接測定することができなかった。つまり、せん断荷重Tを傾斜面103bに載荷しており、せん断荷重Tをせん断面に対して斜めに作用させているので、せん断荷重Tを増加させてせん断面に作用するせん断応力を増加させると、せん断面に作用する鉛直応力も一緒に増加してしまう。この様子を図10に点線矢印で示す。このため、大きな値の鉛直応力が作用している状態(図10の範囲B)でのせん断強度を直接試験することは可能であったが、小さな値の鉛直応力が作用している状態でのせん断強度を直接試験することがきなかった。また、せん断荷重用ジャッキ106は単動式のものであり、圧縮荷重を付与することはできても、引張荷重を付与することはできなかった。このため、鉛直応力として引張り応力がせん断面に作用している状態でせん断強度を試験することができなかった。つまり、図10の範囲Aにおけるせん断強度を直接試験することができなかった。
このため、従来は、図10の範囲Aにおけるせん断強度を求めるために、鉛直荷重用ジャッキ105によって付与する鉛直荷重Nの大きさを変えながら試験を何度か繰り返し行っていた。即ち、図10に示すように、せん断面に作用させる初期の鉛直応力を異なる値に設定して試験を何度か繰り返し行っていた。図10の例では点線矢印で示すように4回の試験を行った。そして、各試験について試験体103にせん断破断が生じた破壊点112をプロットし、各破壊点112の関係から直線Lを求め、この直線Lに基づいて範囲Aにおけるせん断強度を推定していた。また、この推定では、直線Lに基づいて単純に推定するだけではなく、種々の補正を行って精度を上げるように工夫することもあった。
即ち、基礎構造物の耐震設計等では図10の範囲Aにおけるせん断強度を正確に知ることが必要であるが、この範囲Aのせん断強度を範囲Bにおける試験結果から推定することはできても、範囲Aのせん断強度を試験によって直接測定することができなかった。
本発明は、比較的小さい鉛直応力の下でのせん断強度を求めることができる岩盤せん断試験法および岩盤せん断試験装置を提供することを目的とする。また、本発明は、鉛直応力として圧縮応力のみならず引張応力をも与えた状態でせん断強度を求めることができる岩盤せん断試験法および岩盤せん断試験装置を提供することを目的とする。
かかる目的を達成するために、請求項1記載の岩盤せん断試験法は、試験する岩盤の一部をブロック状に切り出して、反対向きの2枚の鉛直側面と水平な上面とを有する試験体に整形する試験体準備工程と、試験体の第1の鉛直側面にその垂直方向から主せん断荷重を、試験体の第2の鉛直側面にその垂直方向からカウンターせん断荷重をそれぞれ付与して試験体にせん断破断を生じさせる荷重付与工程を備え、荷重付与工程は、試験体の上面に引張方向の鉛直荷重を付与しながら、主せん断荷重とカウンターせん断荷重とを付与するものであり、主せん断荷重とカウンターせん断荷重は同一鉛直平面内の逆向きで高さが異なる荷重であり、主せん断荷重が試験体のせん断面に生じさせる回転モーメントを、カウンターせん断荷重がせん断面に生じさせる回転モーメントで打ち消すように、主せん断荷重とカウンターせん断荷重を付与するものである。
したがって、岩盤を切り出して整形した試験体に、せん断荷重を与えて原位置岩盤せん断試験を行うことができる。即ち、試験体準備工程を行って試験体を準備し、荷重付与工程を行って試験体にせん断破断を生じさせて試験を行うことができる。
荷重付与工程では、試験体の鉛直側面にその垂直方向からせん断荷重を付与しているので、せん断荷重をせん断面に対して平行に作用させることになる。ここで、仮に、せん断荷重として、一方向のみのせん断荷重をせん断面に対して平行に作用させると、試験体のせん断面よりもある程度高い位置にせん断荷重を付与せざるをえないことから、せん断面に回転モーメントが発生してせん断面に鉛直応力が発生し、しかもその鉛直応力はせん断面において一様ではない。本発明では、せん断荷重として、主せん断荷重とカウンターせん断荷重という反対向きの2つのせん断荷重を試験体に付与し、主せん断荷重によって発生する回転モーメントを、カウンターせん断荷重によって発生する回転モーメントで打ち消すようにしている。このため、せん断荷重をせん断面に対して平行な方向から付与しても、鉛直応力の発生を防止することができる。即ち、せん断面に対して平行なせん断荷重の付与が可能になり、鉛直応力が作用しない状態でのせん断強度を試験することができる。
また、荷重付与工程では、試験体に対して圧縮方向の鉛直荷重と引張方向の鉛直荷重を選択して付与するものであ、鉛直荷重として圧縮荷重を付与しながらの岩盤せん断試験と、引張荷重を付与しながらの岩盤せん断試験を行うことができる。
また、請求項記載の岩盤せん断試験法は、主せん断荷重の大きさをT、第1の鉛直側面の主せん断荷重を付与する位置の高さをH、カウンターせん断荷重の大きさをT、第2の鉛直側面の前記カウンターせん断荷重を付与する位置の高さをHとした場合、T=Tとしている。したがって、主せん断荷重によってせん断面に発生する回転モーメントと、カウンターせん断荷重によってせん断面に発生する回転モーメントとが等しくなり、これらの回転モーメントを相殺することができる。
また、請求項記載の岩盤せん断試験法は、試験体準備工程で、第1及び第2の鉛直側面と上面を有する箱体を岩盤のブロック状の切り出し部分に被せると共に、切り出し部分と箱体とを接着手段を使用して一体化させるものである。
したがって、岩盤の一部をブロック状に切り出した後、この切り出し部分に箱体を正確に被せて接着手段によって一体化させることで、試験体に水平な上面と2つの鉛直側面を正確に整形することができる。また、岩盤の切り出し部分と箱体とを一体化させているので、箱体を押したり引いたりすることで、鉛直荷重として圧縮荷重を付与したり、又は引張荷重を付与することができる。
さらに、請求項記載の岩盤せん断試験装置は、試験する岩盤の一部をブロック状に切り出して整形され且つ反対向きの2枚の鉛直側面と水平な上面とを有する試験体を、せん断破断させる岩盤せん断試験装置において、試験体の第1の鉛直側面にその垂直方向から主せん断荷重を付与する主せん断荷重付与手段と、試験体の第2の鉛直側面にその垂直方向からカウンターせん断荷重を付与するカウンターせん断荷重付与手段とを備え、主せん断荷重とカウンターせん断荷重は同一鉛直平面内の逆向きで高さが異なる荷重であり、主せん断荷重が試験体のせん断面に生じさせる回転モーメントを、カウンターせん断荷重がせん断面に生じさせる回転モーメントで打ち消すように、主せん断荷重付与手段とカウンターせん断荷重付与手段は、主せん断荷重とカウンターせん断荷重を付与するものである。
したがって、予め岩盤を切り出して整形しておいた試験体に、主せん断荷重付与手段とカウンターせん断荷重付与手段とによってせん断荷重を与えて原位置岩盤せん断試験を行うことができる。
主せん断荷重付与手段は、試験体の第1の鉛直側面にその垂直方向からせん断荷重を付与するので、せん断面に対してせん断荷重を平行に作用させることができる。また、カウンターせん断荷重付与手段は、試験体の第2の鉛直側面にその垂直方向からせん断荷重を付与するので、せん断面に対してせん断荷重を平行に作用させることができる。ここで、仮に、せん断荷重として、一方向のみのせん断荷重をせん断面に対して平行に作用させると、試験体のせん断面よりもある程度高い位置にせん断荷重を付与せざるをえないことから、せん断面に回転モーメントが作用し、せん断面に鉛直応力が発生し、しかもその鉛直応力はせん断面において一様ではない。本発明では、せん断荷重として、主せん断荷重とカウンターせん断荷重という反対向きの2つのせん断荷重を試験体に付与し、主せん断荷重によって発生する回転モーメントを、カウンターせん断荷重によって発生する回転モーメントで打ち消すようにしている。このため、せん断荷重をせん断面に対して平行な方向から付与しても、鉛直応力の発生を防止することができる。即ち、せん断面に対して平行なせん断荷重の付与が可能になり、鉛直応力が作用しない状態でせん断強度を試験することができる。
また、鉛直荷重付与手段は、試験体に対して圧縮方向の鉛直荷重と引張方向の鉛直荷重を選択して付与するものであ、鉛直荷重として圧縮荷重を付与しながらの岩盤せん断試験と、引張荷重を付与しながらの岩盤せん断試験を行うことができる。
また、請求項記載の岩盤せん断試験装置は、主せん断荷重の大きさをT、第1の鉛直側面の主せん断荷重が付与される位置の高さをH、カウンターせん断荷重の大きさをT、第2の鉛直側面のカウンターせん断荷重が付与される位置の高さをHとした場合、T=Tになるようにしている。したがって、主せん断荷重によって発生する回転モーメントと、カウンターせん断荷重によって発生する回転モーメントとが等しくなり、これらの回転モーメントを相殺することができる。
また、請求項記載の岩盤せん断試験装置は、岩盤のブロック状の切り出し部分を覆う箱体と、切り出し部分と箱体とを一体化させる接着手段とを備え、箱体は第1及び第2の鉛直側面と上面とを有するものである。
したがって、岩盤の一部をブロック状に切り出した後、この切り出し部分に箱体を正確に被せて接着手段によって一体化することで、水平な上面と2つの鉛直側面が高精度に整形されている試験体を準備することができる。また、岩盤の切り出し部分と箱体とを一体化しているので、箱体を押したり引いたりすることで、鉛直荷重として圧縮荷重を付与したり、又は引張荷重を付与することができる。
また、請求項記載の岩盤せん断試験装置は、岩盤に固定されると共に、鉛直荷重付与手段と主せん断荷重付与手段とカウンターせん断荷重付与手段を支持するフレームを備えるものである。したがって、試験体に付与する鉛直荷重、主せん断荷重、カウンターせん断荷重の反力をフレームで受けることができる。そして、フレームを例えばアンカーなどを使用して岩盤に固定し、このフレームに鉛直荷重付与手段、主せん断荷重付与手段、カウンターせん断荷重付与手段を取り付けることで、装置を設置できる。
しかして、請求項1記載の岩盤せん断試験法では、上述のようにして岩盤せん断試験を行うので、せん断面に鉛直応力を発生させることなく、試験体にせん断荷重を付与することができる
また、荷重付与工程で、試験体に対して引張方向の鉛直荷重を付与するようにしているので、鉛直荷重として引張荷重を付与しながら岩盤せん断試験を行うことができる。したがって、鉛直応力として引張応力を生じさせた状態のせん断強度求めることができる。
また、請求項記載の岩盤せん断試験法では、主せん断荷重の大きさをT、第1の鉛直側面の主せん断荷重を付与する位置の高さをH、カウンターせん断荷重の大きさをT、第2の鉛直側面の前記カウンターせん断荷重を付与する位置の高さをHとした場合、T=Tになるようにしているので、主せん断荷重によって発生する回転モーメントをカウンターせん断荷重によって発生する回転モーメントで相殺することができ、せん断荷重の付与による鉛直応力の発生を防止することができる。
また、請求項記載の岩盤せん断試験法では、試験体準備工程では、第1及び第2の鉛直側面と上面を有する箱体を岩盤のブロック状の切り出し部分に被せると共に、切り出し部分と前記箱体とを接着手段を使用して一体化させるようにしているので、現場で簡単に試験体を準備することができる。特に、箱体を工場等で予め製造しておくことができるので、現場での作業が容易である。また、岩盤の切り出し部分を箱体を介して引っ張ることが可能になるので、鉛直荷重として圧縮荷重だけでなく、引張荷重の付与にも適したものにできる。
さらに、請求項記載の岩盤せん断試験装置では、上述のように構成されているので、せん断面に鉛直応力を発生させることなく、試験体にせん断荷重を付与することができる。このため、鉛直応力が0の状態のせん断強度を求めることができる。
また、鉛直荷重付与手段は、試験体に対して圧縮方向の鉛直荷重と引張方向の鉛直荷重を選択して付与するようにしているので、鉛直荷重として圧縮荷重又は引張荷重を付与しながら岩盤せん断試験を行うことができる。これらの場合にも、せん断荷重の付与やその増加によっては鉛直応力を発生させることがないので、鉛直応力としての圧縮応力が小さい値の状態のせん断強度を求めることができると共に、鉛直応力として引張応力を生じさせた状態のせん断強度も求めることができる。
また、請求項記載の岩盤せん断試験装置では、主せん断荷重の大きさをT、第1の鉛直側面の主せん断荷重が付与される位置の高さをH、カウンターせん断荷重の大きさをT、第2の鉛直側面のカウンターせん断荷重が付与される位置の高さをHとした場合、T=Tになるようにしているので、主せん断荷重によって発生する回転モーメントをカウンターせん断荷重によって発生する回転モーメントで相殺することができ、せん断荷重の付与による鉛直応力の発生を防止することができる。
また、請求項記載の岩盤せん断試験装置では、岩盤のブロック状の切り出し部分を覆う箱体と、切り出し部分と箱体とを一体化させる接着手段とを備え、箱体は第1及び第2の鉛直側面と上面とを有しているので、現場で簡単に試験体を準備することができる。特に、箱体を工場等で予め製造しておくことができるので、現場での作業が容易である。また、箱体を介して岩盤の切り出し部分を引っ張ることも可能になるので、鉛直荷重として圧縮荷重だけでなく、引張荷重の付与にも適したものにすることができる。
また、請求項記載の岩盤せん断試験装置では、岩盤に固定されると共に、鉛直荷重付与手段と主せん断荷重付与手段とカウンターせん断荷重付与手段を支持するフレームを備えているので、フレームを例えばアンカーなどを使用して岩盤に固定し、このフレームに鉛直荷重付与手段、主せん断荷重付与手段、カウンターせん断荷重付与手段を取り付けることで、装置を設置できる。このため、装置の設置が容易であり、また、その分解や運搬も容易である。
以下、本発明の構成を図面に示す最良の形態に基づいて詳細に説明する。
図1及び図2に、本発明の岩盤せん断試験装置の実施形態の一例を示す。この岩盤せん断試験装置は、試験する岩盤1の一部をブロック状に切り出して整形され且つ反対向きの2枚の鉛直側面2a,2bと水平な上面2cとを有する試験体(供試体)2をせん断破断して原位置岩盤せん断試験を行うもので、試験体2の第1の鉛直側面2aにその垂直方向から主せん断荷重を付与する主せん断荷重付与手段3と、試験体2の第2の鉛直側面2bにその垂直方向からカウンターせん断荷重を付与するカウンターせん断荷重付与手段4と、試験体2の上面2cに鉛直方向から鉛直荷重を付与する鉛直荷重付与手段5と、岩盤1に固定されると共に、鉛直荷重付与手段5と主せん断荷重付与手段3とカウンターせん断荷重付与手段4を支持するフレーム6を備えている。
試験体2は、図3〜図6に示すように、試験を行う岩盤1の一部をブロック状に切り出し、この切り出し部分1aに箱体7を被せたもので、切り出し部分1aと箱体7とは接着手段8によって一体化されている。試験体2の大きさは、例えばおよそ縦200mm×横200mm×高さ200mmである。
箱体7は、例えば金属製のものであり、例えば工場等において製造される。例えば、1枚の天板と4枚の側板を組み合わせて固定することで、箱体7を製造する。箱体7には、水平な上面2cと鉛直な第1及び第2の鉛直側面2a,2bが正確に形成されている。なお、本実施形態では、第1の鉛直側面2aと第2の鉛直側面2bとの間の2枚の側面も鉛直な側面(以下、鉛直側面2d,2e)となっている。また、図2に示すように、箱体7の第1の鉛直側面2aには比較的低い位置に主せん断荷重付与手段3を連結するための載荷板9が、第2の鉛直側面2bには比較的高い位置にカウンターせん断荷重付与手段4を連結するための載荷板10が、それぞれ固着されている。
接着手段8は例えば接着剤である。接着剤としては、例えば岩盤1の切り出し部分1aと箱体7との間の隙間を埋めることができ且つこれらを強固に接着できるものを使用する。例えば2液を所定割合で混合することで切り出し部分1aと箱体7の間の隙間を埋めながらこれらを強固に接着する樹脂性の2液混合形の接着剤の使用が可能である。切り出し部分1aと箱体7の間の隙間を埋めることで、試験体2に装荷するせん断荷重や鉛直荷重を切り出し部分1aに均等に伝えることができる。また、切り出し部分1aと箱体7を接着して一体化することで、箱体7を引っ張ることで試験体2のせん断面19に引張応力を与えることができる。ただし、接着手段8としては接着剤に限るものではなく、岩盤1の切り出し部分1aと箱体7とを一体化させることできるものであれば、その他のものでもよい。また、切り出し部分1aがある程度の強度を有する場合等には、切り出し部分1aにピン等を打ち込むことによって箱体7を切り出し部分1aに固定することも可能である。
鉛直荷重付与手段5は、例えば複動式の油圧シリンダであり、試験体2に対して圧縮方向の鉛直荷重と引張方向の鉛直荷重を選択して付与することができる。鉛直荷重付与手段5は、試験体2の上面2cの中心位置に鉛直荷重Nを付与する。鉛直荷重付与手段5と試験体2の間には、たとえ鉛直荷重付与手段5が傾いていたとしてもこの傾きを吸収して上面2cに対して垂直な方向から鉛直荷重Nを付与できるようにするユニバーサルジョイント11と、鉛直荷重Nを計測する荷重計測手段12が直列的に設けられており、鉛直荷重付与手段5はユニバーサルジョイント11と荷重計測手段12とを介して試験体2の上面2cに鉛直荷重Nを付与する。鉛直荷重付与手段5は、荷重計測手段12で検出した鉛直荷重Nを基に制御される。荷重計測手段12としては、例えばロードセルの使用が可能である。本実施形態では、例えば容量が98.1kNのセンターホール型ロードセルを使用している。
主せん断荷重付与手段3およびカウンターせん断荷重付与手段4は、例えば単動式の油圧シリンダであり、水平方向から試験体2を押圧する。主せん断荷重付与手段3は、カウンターせん断荷重付与手段4よりも大型であり、より大きな荷重を付与することができる。主せん断荷重付与手段3と載荷板9との間には主せん断荷重Tを計測する荷重計測手段13が、カウンターせん断荷重付与手段4と載荷板10との間には、カウンターせん断荷重を計測する荷重計測手段14がそれぞれ設けられている。即ち、各せん断荷重付与手段3,4は荷重計測手段13,14を介して載荷板9,10に連結されている。各せん断荷重付与手段3,4は、各荷重計測手段13,14で検出したせん断荷重T,Tを基に制御される。各荷重計測手段13,14としては、例えばロードセルの使用が可能である。本実施形態では、主せん断荷重用の荷重計測手段13として、例えば容量が196.1kNのロードセルを、カウンターせん断荷重用の荷重計測手段14として、例えば容量が98.1kNのロードセルをそれぞれ使用している。
試験体2の第1の鉛直側面2aと第2の鉛直側面2bとは反対側の面であり、図6に示すように、主せん断荷重付与手段3は第1の鉛直側面2aの幅方向の中心位置を、カウンターせん断荷重付与手段4は第2の鉛直側面2bの幅方向の中心位置をそれぞれ押圧する。また、主せん断荷重付与手段3が第1の鉛直側面2aを押圧する位置の高さHは、カウンターせん断荷重付与手段4が第2の鉛直側面2bを押圧する位置の高さHよりも低くなっている。このようにして、主せん断荷重とカウンターせん断荷重とを、図6に示す同一鉛直平面20内の荷重であって逆向きで高さが異なる荷重とし、主せん断荷重が試験体2のせん断面19に生じさせる回転モーメントを、カウンターせん断荷重がせん断面19に生じさせる回転モーメントで打ち消すようにしている。即ち、主せん断荷重の大きさをT、第1の鉛直側面2aの主せん断荷重が付与される位置の高さをH、カウンターせん断荷重の大きさをT、第2の鉛直側面2bのカウンターせん断荷重が付与される位置の高さをHとした場合、T=Tになるようにしている。本実施形態では、例えば、Hは試験体2のせん断面19から65mmの高さであり、Hは試験体2のせん断面19から180mmの高さである。
フレーム6は、例えばアンカー15によって岩盤1にしっかりと固定されている。フレーム6には、主せん断荷重付与手段3とカウンターせん断荷重付与手段4とが水平に、鉛直荷重付与手段5が鉛直に取り付けられている。フレーム6は、主せん断荷重T、カウンターせん断荷重T、鉛直荷重Nの反力を受ける。
フレーム6と試験体2の上面2cとの間には、例えば4本の鉛直変位計16(図2では2本のみ図示)が設けられている。各鉛直変位計16はステー18を介して上面2cの四隅に設けられている。また、フレーム6と試験体2鉛直側面2a,2bとの間には、例えば第1の鉛直側面2a側と第2の鉛直側面2b側とにそれぞれ4本のせん断変位計17(図2では2本ずつ図示)が設けられている。第1の鉛直側面2a側のせん断変位計17は、鉛直側面2d,2eの、第1の鉛直側面2aの四隅近傍位置に連結されている。第2の鉛直側面2b側のせん断変位計17は、鉛直側面2d,2eの、第2の鉛直側面2bの四隅近傍位置に連結されている。
各変位計16,17の容量は、例えば10mmである。各変位計16,17は、図示しないデータ記録装置に接続されている。試験中は各変位計16,17によって試験体2の変形をモニターし、特に回転などの異常な変形がないか等を確認する。
本実施形態では、試験体2は例えば縦200mm×横200mm×高さ200mmであり、比較的小型のものである。このため、各荷重付与手段3〜5も比較的小型のもので足りる。このように、本実施形態の岩盤せん断試験装置は小型の試験体2を対象としており、簡易に岩盤せん断試験を行う。本実施形態の岩盤せん断試験装置は小型であり、その設置や分解、運搬等が容易である。ただし、必ずしも小型の試験体2を対象として簡易に岩盤せん断試験を行う岩盤せん断試験装置に限るものではないことは勿論である。
次に、図7に基づいて、本発明の岩盤せん断試験法について説明する。
この岩盤せん断試験法は、原位置岩盤せん断試験を行うもので、試験する岩盤1の一部を切り出して試験体2を準備する試験体準備工程S31と、試験体2に主せん断荷重Tとカウンターせん断荷重を与えてせん断破断を生じさせる荷重付与工程S33を備えている。
試験体準備工程S31では、第1及び第2の鉛直側面2a,2bと上面2cを有する箱体7を岩盤1のブロック状の切り出し部分1aに被せると共に、切り出し部分1aと箱体7とを接着手段8を使用して一体化させることで、試験体2を整形している。箱体7は予め工場で製造されており、箱体7を切り出し部分1aに正確に被せた後、接着手段8を使用して接着するだけで、試験体2に水平な上面2cと鉛直な第1及び第2の鉛直側面2a,2bを形成することができる。また、接着手段8として、岩盤1の切り出し部分1aと箱体7の間の隙間を埋めることができる接着剤を使用することで、切り出し部分1aの表面に凹凸が多少残っていても、その凹凸による隙間を埋めながら切り出し部分1aと箱体7を接着することができる。これらのため、試験体2の準備が容易である。なお、工場において、箱体7に各載荷板9,10が固着されている。
次に、岩盤せん断試験装置を設置する(ステップS32)。岩盤せん断試験装置の設置は、フレーム6をアンカー15等を使用して岩盤1に固定し、固定したフレーム6に主せん断荷重付与手段3、カウンターせん断荷重付与手段4、鉛直荷重付与手段5、各変位計16,17等を取り付け、さらに、これらを試験体2に連結することで行われる。
なお、岩盤せん断試験装置の設置を試験体2の準備と平行して行っても良く、あるいは、岩盤せん断試験装置を先に設置し、その設置場所に試験体2を切り出して準備しても良い。
このようにして試験体2の準備と、岩盤せん断試験装置の設置が完了した後、荷重付与工程S33を行う。荷重付与工程S33では、まず最初に鉛直荷重付与手段5を作動させて、試験体2の上面2cに予備載荷として所定の鉛直荷重Nを付与する(ステップS34)。ここでは、鉛直荷重Nとして圧縮荷重を付与する。ただし、鉛直荷重Nとして引張荷重を付与しても良い。鉛直荷重付与手段5は試験体2の上面2cに対してその垂直方向から鉛直荷重Nを付与するが、仮に、付与する方向が鉛直方向からずれていたとしても、鉛直荷重付与手段5と試験体2との間にはユニバーサルジョイント11が設けられているので、鉛直荷重Nが試験体2に対して偏芯したりモーメントを与えたりすることはない。
次に、主せん断荷重付与手段3とカウンターせん断荷重付与手段4を作動させて、主せん断荷重Tとカウンターせん断荷重Tの付与を開始し、さらに各荷重T,Tを徐々に増加させる(ステップS35)。このとき、T=Tの関係を維持する。そして、各荷重T,Tと試験体2の変位を記録しながら、試験体2にせん断破断が生じるまで荷重T,Tを増加させて試験を続ける。せん断破断は、箱体7と岩盤1との間の部分に生じる。即ち、岩盤1を切り出した部分1aの付け根部分がせん断面19となる。
本発明では、せん断荷重として主せん断荷重Tの他にカウンターせん断荷重Tを付与しているので、せん断荷重によるせん断面19の鉛直応力の発生を防止することができる。図8に基づいて鉛直荷重Nが圧縮荷重の場合を例に説明する。図8(A)は、試験体2への鉛直荷重N、主せん断荷重T、カウンターせん断荷重Tの付与を示している。鉛直荷重Nによるせん断面19の鉛直応力σnは、図8(B)のように分布する。
図8(C)は、主せん断荷重Tによるせん断面19の鉛直応力σnの分布を示している。主せん断荷重付与手段3によって主せん断荷重Tを付与するため、付与位置がせん断面19よりも高くなってしまう。このため、主せん断荷重Tを図8の左側から試験体2に与えたとすると、せん断面19には回転モーメントが発生し、せん断面19の中心より左側には鉛直応力として引張応力が、右側には圧縮応力が発生する。
図8(D)は、カウンターせん断荷重Tによるせん断面19の鉛直応力σnの分布を示している。カウンターせん断荷重Tの付与位置はせん断面19よりも高くなるので、カウンターせん断荷重Tを図8の右側から試験体2に与えたとすると、せん断面19には回転モーメントが発生し、せん断面19の中心より左側には鉛直応力として圧縮応力が、右側には引張応力が発生する。
このとき、T=Tとし、主せん断荷重Tが生じさせる回転モーメントを、カウンターせん断荷重Tが生じさせる回転モーメントで打ち消すようにしているので、図8(C)と(D)の鉛直応力が相殺され、結局、せん断面19に作用する合計の鉛直応力σnは、図8(E)に示すように図8(B)の鉛直応力σnになる。つまり、せん断荷重の付与による鉛直応力の発生を防止し、せん断面19における鉛直応力の分布を一様にすることができると共に、予備載荷として付与した鉛直荷重Nに対応した鉛直応力σnの下でのせん断強度を測定することができる。
岩盤せん断試験は、複数の試験体2に対して行うのが一般的である。つまり、1つの試験体2について試験を終えた後、別の位置に準備した試験体2について試験を行う。別の試験体2については、鉛直荷重Nの値を変えて試験を行うのが好ましい。試験終了後、鉛直荷重付与手段5、主せん断荷重付与手段3、カウンターせん断荷重付与手段4、各変位計16,17等を試験体2とフレーム6から外し、フレーム6を岩盤1から外して岩盤せん断試験装置を分解する(ステップS36)。そして、次の場所まで運搬し(ステップS36,S37)、試験体2を準備(ステップS31)した後、組み立てて設置する(ステップS32)。本発明の岩盤せん断試験装置は、分解、組み立てが容易であり、また、運搬も容易である。ただし、必ずしも複数の試験体2について試験を行う必要はなく、場合によっては1つの試験体2についての試験でも良い。そして、全ての試験体2について試験を行った後、岩盤せん断試験を終了する。
このように、本発明では、せん断荷重T,Tの付与による鉛直応力の発生を防止することができるので、せん断荷重T,Tを付与してもせん断面19に鉛直応力を発生させることがない。このため、鉛直応力が小さな値の場合のせん断強度を測定することができる。
また、せん断荷重の付与による回転モーメントの発生を防止することができるので、試験中に発生するせん断面19の鉛直応力の分布を一様にすることができる。
また、試験体2の整形に箱体7を使用しているので、試験体の外面をカバーコンクリートで整形する場合に比べて、試験体2の準備が容易である。ただし、箱体7を使用せずにカバーコンクリートによる整形の使用も可能である。
岩盤せん断試験装置は、主せん断荷重付与手段3、カウンターせん断荷重付与手段4、鉛直荷重付与手段5等を、すべて1つのフレーム6に固定している。また、フレーム6をアンカー15などの固定手段を使用して地盤にしっかりと固定し、各荷重を受ける構造である。これらのため、各荷重に耐えることができるアンカー定着が可能な岩盤1であれば、反力を受けるための試掘坑を必要とせず、地表面でも試験が可能である。
また、岩盤せん断試験装置は、従来の岩盤せん断試験と比較して、分解・組立・運搬が容易であり、なおかつ試験準備も比較的簡便で時間を要しないので、比較的短時間で数多くの試験が可能である。このため、効率が良く試験を行うことができ、また、装置の使い勝手も向上する。
なお、上述の形態は本発明の好適な形態の一例ではあるがこれに限定されるものではなく本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変形実施可能である。
例えば、上述の説明では、鉛直荷重として圧縮荷重を与えながら試験を行う場合について説明したが、鉛直荷重として引張荷重を与えながら試験を行っても良い。即ち、鉛直荷重付与手段5を引張方向に作動させながら試験を行っても良い。この場合には、試験体2のせん断面19に引張応力が作用している状態でのせん断強度を測定することができる。なお、この場合にも、せん断荷重の付与による鉛直応力の発生を防止できる点は圧縮応力を付与する場合と同様である。
このように、本発明では図10の範囲Aについての試験を直接行うことができる。
また、本発明の岩盤せん断試験装置を使用して、せん断試験以外に、引張試験や圧縮試験を行うこともできる。つまり、主せん断荷重付与手段3とカウンターせん断荷重付与手段4を作動させずに、鉛直荷重付与手段5を作動させて試験を行っても良い。鉛直荷重付与手段5のみの作動で、試験体2のせん断面19にせん断応力を作用させずに、鉛直応力のみを発生させることができるので、引張試験や圧縮試験を行うこともできる。このように、本発明の岩盤せん断試験装置を使用して引張試験や圧縮試験を行っても良い。即ち、本発明の岩盤せん断試験装置を使用してせん断強度だけでなく、引張強度や圧縮強度を求めることができる。このように、本発明の岩盤せん断試験装置は、汎用性に優れている。
また、上述の説明では、鉛直荷重付与手段5を複動式の油圧シリンダとし、圧縮荷重と引張荷重の付与を可能にしていたが、単動式の油圧シリンダとして圧縮荷重と引張荷重のいずれか一方のみの付与を可能にしても良い。
また、上述の説明では、主せん断荷重付与手段3及びカウンターせん断荷重付与手段4を単動式の油圧シリンダとし、圧縮荷重のみの付与を可能にしていたが、複動式の油圧シリンダとして圧縮荷重と引張荷重の選択的な付与を可能にしても良い。
また、上述の説明では、各荷重付与手段3〜5として油圧シリンダを使用していたが、油圧シリンダに限るものではないことは勿論である。
また、上述の岩盤せん断試験装置では、フレーム6を備えており、このフレーム6に主せん断荷重付与手段3、カウンターせん断荷重付与手段4、鉛直荷重付与手段5等を取り付けるようにしていたが、この構成に限るものではない。例えば、試掘坑内で試験を行うようにし、試掘坑の壁面に主せん断荷重付与手段3、カウンターせん断荷重付与手段4、鉛直荷重付与手段5等を取り付けるようにしても良い。この場合には、フレーム6を省略することができる。
また、上述の説明では、岩盤1の切り出し部分1aと箱体7とを接着手段8を使用して接着し、切り出し部分1aから箱体7が外れないようにしていたが、鉛直荷重Nとして圧縮荷重を付与する場合等にはこのようにする必要はない。つまり、箱体7を引っ張る必要がない場合等には、切り出し部分1aから箱体7が外れないように接着する必要はない。ただし、切り出し部分1aと箱体7との間の隙間を充填材等によって埋め、試験体2に与えた荷重が均一に切り出し部分1aに伝わるようにすることが好ましい。
また、上述の説明では、岩盤1の切り出し部分1aに被せる部材として箱体7を使用していたが、第1の鉛直側面2a、第2の鉛直側面2b、上面2cを有する部材であれば使用可能であり、必ずしも箱体7の使用に限るものではない。例えば、第1の鉛直側面2a、第2の鉛直側面2b、上面2cを有し、各鉛直側面2a,2bとの間をステー等で連結した部材、即ち試験体2の鉛直側面2d,2eの代わりにステーを使用した部材等を使用しても良い。
また、上述の説明では、例えばおよそ縦200mm×横200mm×高さ200mmの大きさの試験体2を対象にして岩盤せん断試験を行っていたが、対象にする試験体2の大きさはこれに限るものではないことは勿論である。
本発明の岩盤せん断試験装置の実施形態の一例を示す概略構成図である。 本発明の岩盤せん断試験装置の実施形態の一例を示す断面図である。 岩盤の切り出し部分に箱体を被せて試験体を整形するようすを示し、箱体を被せる前の状態の斜視図である 岩盤の切り出し部分に箱体を被せて試験体を整形するようすを示し、箱体を被せた後の状態の斜視図である 試験体の断面図である。 試験体の平面図である。 本発明の岩盤せん断試験法の実施形態の一例を示すフローチャートである。 試験体のせん断面に作用する応力の分布を示し(A)は試験体に載荷する荷重を示す概略構成図、(B)は鉛直荷重Nによる鉛直応力の分布を示す図、(C)は主せん断荷重Tによる鉛直応力の分布を示す図、(D)はカウンターせん断荷重Tによる鉛直応力の分布を示す図、(E)は(B)〜(D)の応力の合計を示す図である。 従来の岩盤せん断試験法を示す図である。 従来の岩盤せん断試験法でせん断強度を求める概念を示す図である。
符号の説明
1 岩盤
1a 岩盤の切り出し部分
2 試験体
2a 第1の鉛直側面
2b 第2の鉛直側面
2c 上面
3 主せん断荷重付与手段
4 カウンターせん断荷重付与手段
5 鉛直荷重付与手段
6 フレーム
7 箱体
8 接着手段
19 せん断面
N 鉛直荷重
T1 主せん断荷重
T2 カウンターせん断荷重
S31 試験体準備工程
S33 荷重付与工程

Claims (7)

  1. 試験する岩盤の一部をブロック状に切り出して、反対向きの2枚の鉛直側面と水平な上面とを有する試験体に整形する試験体準備工程と、前記試験体の第1の鉛直側面にその垂直方向から主せん断荷重を、前記試験体の第2の鉛直側面にその垂直方向からカウンターせん断荷重をそれぞれ付与して前記試験体にせん断破断を生じさせる荷重付与工程を備え、前記荷重付与工程は、前記試験体の上面に引張方向の鉛直荷重を付与しながら、前記主せん断荷重と前記カウンターせん断荷重とを付与するものであり、前記主せん断荷重と前記カウンターせん断荷重は同一鉛直平面内の逆向きで高さが異なる荷重であり、前記主せん断荷重が前記試験体のせん断面に生じさせる回転モーメントを、前記カウンターせん断荷重が前記せん断面に生じさせる回転モーメントで打ち消すように、前記主せん断荷重と前記カウンターせん断荷重を付与することを特徴とする岩盤せん断試験法。
  2. 前記主せん断荷重の大きさをT、前記第1の鉛直側面の前記主せん断荷重を付与する位置の高さをH、前記カウンターせん断荷重の大きさをT、前記第2の鉛直側面の前記カウンターせん断荷重を付与する位置の高さをHとした場合、T=Tであることを特徴とする請求項1記載の岩盤せん断試験法。
  3. 前記試験体準備工程では、前記第1及び第2の鉛直側面と前記上面を有する箱体を前記岩盤のブロック状の切り出し部分に被せると共に、前記切り出し部分と前記箱体とを接着手段を使用して一体化させることを特徴とする請求項1又は2に記載の岩盤せん断試験法。
  4. 試験する岩盤の一部をブロック状に切り出して整形され且つ反対向きの2枚の鉛直側面と水平な上面とを有する試験体を、せん断破断させる岩盤せん断試験装置において、前記試験体の第1の鉛直側面にその垂直方向から主せん断荷重を付与する主せん断荷重付与手段と、前記試験体の第2の鉛直側面にその垂直方向からカウンターせん断荷重を付与するカウンターせん断荷重付与手段と、前記試験体の上面に圧縮方向の鉛直荷重と引張方向の鉛直荷重を選択して付与する鉛直荷重付与手段とを備え、前記主せん断荷重と前記カウンターせん断荷重は同一鉛直平面内の逆向きで高さが異なる荷重であり、前記主せん断荷重が前記試験体のせん断面に生じさせる回転モーメントを、前記カウンターせん断荷重が前記せん断面に生じさせる回転モーメントで打ち消すように、前記主せん断荷重付与手段と前記カウンターせん断荷重付与手段は、前記主せん断荷重と前記カウンターせん断荷重を付与することを特徴とする岩盤せん断試験装置。
  5. 前記主せん断荷重の大きさをT、前記第1の鉛直側面の前記主せん断荷重が付与される位置の高さをH、前記カウンターせん断荷重の大きさをT、前記第2の鉛直側面の前記カウンターせん断荷重が付与される位置の高さをHとした場合、T=Tであることを特徴とする請求項4記載の岩盤せん断試験装置。
  6. 前記岩盤のブロック状の切り出し部分を覆う箱体と、前記切り出し部分と前記箱体とを一体化させる接着手段とを備え、前記箱体は前記第1及び第2の鉛直側面と前記上面とを有することを特徴とする請求項4又は5に記載の岩盤せん断試験装置。
  7. 前記岩盤に固定されると共に、前記鉛直荷重付与手段と前記主せん断荷重付与手段と前記カウンターせん断荷重付与手段を支持するフレームを備えることを特徴とする請求項4から6のいずれかに記載の岩盤せん断試験装置。
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