JP4096823B2 - レーザ装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、レーザ光源から出力されたレーザ光を外部空間に向けて出射する、もしくは外部空間から受光したレーザ光を受信するレーザ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、レーザ光を外部空間に出力して測距を行うレーザ装置として、ジンバル上に撮像装置と距離を測定するレーザ測距器を備えて、目標体の画像内の位置と画像中心との間の誤差角度を算出する画像処理装置と、誤差角度に基づいてジンバル制御信号を出力する追尾演算装置と、ジンバル制御信号に従ってジンバルを駆動制御するジンバル制御装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平10−132935
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来のレーザ装置は、ジンバルに搭載されたレーザ測距器の指向方向を駆動制御することによって、レーザ光の外部空間への出射方向、もしくはレーザ光の外部空間からの入射方向を、所望の方向に指向させている。
【0005】
しかしながら、ジンバルを用いて駆動制御する場合、ジンバルの指向方向が所望の方向に設定されるまでの間、ジンバルの駆動に時間遅れが生じるという問題があった。
【0006】
この発明は、係る課題を解決するために為されたものであり、レーザ光の出射方向、または入射方向を、より短時間で所望の方向に指向させるレーザ装置を得ることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この発明によるレーザ装置は、レーザ光を出力するレーザ光源と、一端と他端の間でレーザ光を伝送する複数の光ファイバと、前記レーザ光源と前記複数の光ファイバの一端との接続を切替える光スイッチと、前記複数の光ファイバの他端側に夫々結合され、当該光ファイバを伝送されたレーザ光を外部空間に出力する複数のレンズとを備え、前記複数のレンズの光軸は、互いに指向方向が異なるように配置されたものである。
【0008】
また、この発明によるレーザ装置は、レーザ光を受信するレーザ受信器と、一端と他端の間でレーザ光を伝送する複数の光ファイバと、前記レーザ受信器と前記複数の光ファイバの一端との接続を切替える光スイッチと、前記複数の光ファイバの他端側に夫々結合され、外部空間からの入射光を受光する複数のレンズとを備え、前記複数のレンズの光軸は、互いに指向方向が異なるように配置されたものである。
【0009】
また、この発明によるレーザ装置は、連続光を出力するレーザ発振器と、変調信号を発生する信号発生器と、前記信号発生器の出力信号に基づいてレーザ発振器からの連続光を変調する光変調器と、前記光変調器の出力光を増幅する光増幅器と、目標からの反射光を前記変調信号に基づいて受信光を変調する光ミクサと、一端と他端の間でレーザ光を伝送する複数の光ファイバと、前記複数の光ファイバの夫々の一端に接続された光スイッチと、前記光増幅器から出力されたレーザ光を前記光スイッチに分配し、前記光スイッチから出力される目標からの反射光を前記光ミクサに分配する光サーキュレータと、前記光ミクサの出力信号に基づいて受信データ信号を出力する光受信器と、前記複数の光ファイバの他端と夫々結合され、外部空間にレーザ光を出力するか、もしくは外部空間からの入射光を受光する複数のレンズとを備え、前記光スイッチは、前記光サーキュレータと前記複数の光ファイバの一端との接続を切替え、前記複数のレンズの光軸は、互いに指向方向が異なるように配置されたものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1によるレーザ装置の構成を示す図であり、図2は、レーザ装置を搭載した航空機の視界を示す図である。
図1において、レーザ装置1は、分散開口部2(2a〜2f)、レーザ送受信部3、信号処理部4、電源部5で構成され、航空機6に搭載されている。分散開口部2は、航空機6の胴体7の表面に複数個、例えば6つ配置される。図に示す例では、胴体7の前面を向いて分散開口部2aが1つ配置され、胴体7の後方面を向いて分散開口部2bが1つ配置され、胴体7の右上面を向いて分散開口部2cが1つ配置され、胴体7の左上面を向いて分散開口部2dが1つ配置され、胴体7の右下面を向いて分散開口部2eが1つ配置され、胴体7の左下面を向いて分散開口部2fが1つ配置されている。分散開口部2は、後述するように、レーザ光を外部空間に出射する、もしくは外部空間から入射するレーザ光を受信するための、レーザ光の入出力用の開口を形成している。
【0011】
レーザ送受信部3、信号処理部4、および電源部5は、航空機6の胴体7の中央部(例えば、操縦席後方)に、夫々隣接して配置され、夫々が少なくとも1つのユニットで構成されている。各分散開口部2とレーザ送受信部3とは、後述する光ファイバによって接続されている。レーザ送受信部3と、信号処理部4および電源部5は、後述する電気信号ケーブルによって接続されている。
【0012】
図2(a)は、航空機6の視界を上下前後方向に90°×90°の角度で分割し、分散開口部2の開口面を構成した場合の、開口面の配置例を示している。すなわち、航空機の視界を、立方体を構成する6面(前面、後面、右上面、左上面、右下面、左下面)で表現している。ここで、分散開口部2は、夫々の開口面がこの6面の何れかの方向を向くように配置されており、全て(6つ)の分散開口部2によって、この6面全てを覆うように航空機の胴体7の表面に分散配置されている。これによって、分散配置された分散開口部2(2a乃至2f)の6つの開口面を全て接合することによって、航空機6の周囲の全周面(全球面)を覆うようにレーザ光を出力することができる。
【0013】
図2(b)は、図2(a)をI方向、すなわち航空機6の前方から見た分散開口部2の開口面の配置を示す図である。分散開口部2c乃至2fは、図のように航空機6の視界の右上面、左上面、右下面、左下面を開口面とするように、90°間隔で配置されている。
【0014】
図3は、この発明の実施の形態1によるレーザ装置の構成を示すブロック図である。なお、図中図1と同一符号のものは同一相当のものを示す。図において、レーザ送受信部3は、レーザ光源であるレーザ送信器10、レーザ受信器11で構成される。
【0015】
レーザ送信器10の光出力端は、光ファイバ13aの一端に接続される。レーザ送信器10は、電気信号ケーブル20を介して、信号処理部4から変調信号Soが入力される。レーザ送信器10は、変調信号Soに応じて変調されたレーザ光を出力し、光ファイバ13aへ入力する。光ファイバ13aの他端は光サーキュレータ17の入力ポートに接続される。光サーキュレータ17の入出力ポートは、光ファイバ13bの一端に接続されて、光ファイバ13bの他端は光スイッチ12の入出力ポート51に接続される。光サーキュレータ17の出力ポートは、光ファイバ13cの一端に接続され、光ファイバ13cの他端はレーザ受信器11の光入力端に接続される。光サーキュレータ17は、入力ポートに入力されたレーザ光を入出力ポートに出力し、入出力ポートに入力されたレーザ光を出力ポートに出力する。
【0016】
レーザ受信器11は、光ファイバ13cを伝送されたレーザ光を受信し、電気信号ケーブル20を介して信号処理部4から入力される変調信号Soにより、上記レーザ光に再び強度変調を与えた後、レーザ光を光電気変換して受信データ信号Siを出力する。この出力された受信データ信号Siは、電気信号ケーブル20を介して信号処理部4に入力される。光スイッチ12の入出力ポート52(52a、52b、52c、52d、52e、52f)は、光ファイバ14(14a、14b、14c、14d、14e、14f)の一端に接続される。光ファイバ14の他端は、分散開口部2に設けられたレーザ開口部15に接続される。光スイッチ12は電気信号ケーブル20を介して信号処理部4に接続される。また、ここでは、レーザ受信器11に変調信号Soを入力するとして説明しているが、変調信号Soに遅延をかけた信号をレーザ受信器に入力してもよい。電気信号ケーブル20は、変調信号So、受信データ信号Si、切替え信号(後述する)を夫々独立に伝送できるように、複数本の信号ケーブルで構成されている。
【0017】
分散開口部2は、レーザ開口部15に隣接してカメラ16を備えている。レーザ開口部2、およびカメラ16は電気信号ケーブル18の分散開口部側端末に接続され、電気信号ケーブル18の他の端末(信号処理部側端末)は信号処理部4に接続される。信号処理部4は、電気信号ケーブル19を介して表示器21に接続される。電源部5は、信号処理部4、レーザ送信器10、レーザ受信器11、表示器21に電源を供給する。また、図示していないが、電源部5は、レーザ開口部15のカメラ16、および後述する光学系に接続されて、夫々に所要の電源を供給する。この際、光学系としては、ウエッジプリズム(66a、66b)を駆動するアクチュエータ、および光スイッチ12、61を夫々駆動するマイクロアクチュエータに対して、電源供給が為される。
【0018】
レーザ開口部15は、分散開口部2に搭載されて、胴体7の表面に分散配置される。レーザ開口部15は、レーザ光をレーザ装置の周囲の外部空間に出射する、またはレーザ装置の周囲の外部空間からレーザ光を入射する。レーザ開口部15は、後述するレンズを含む光学系で構成され、その光学系の光軸はレーザ開口部15毎に異なる方向を向いている。
【0019】
なお、図の例では、レーザ開口部15の光軸の角度が異なることを示すために、光軸方向を36°間隔で示したが、上述したように図1の例に照らして考えると、夫々の光軸方向は90°間隔になるように配置されている。
【0020】
レーザ送信器10から出射されたレーザ光は、光ファイバ13a、13bにより伝送されて光スイッチ12に入力される。光スイッチ12は、入出力ポート52a乃至52fの何れか一つを選択して、夫々の入出力ポートの対応する光ファイバ14(14a〜14fの何れか)の一端に、レーザ光を入力する。光ファイバ14の他端は、入力されたレーザ光を分散開口部2(2a〜2fの何れか)に伝送し、伝送されたレーザ光は分散開口部2から周囲の外部空間に出射される。
【0021】
分散開口部2から外部空間に出射されたレーザ光が外部の特定の物体に照射されると、このレーザ光は当該物体の表面(反射点)で反射されて、その反射光の一部は分散開口部2に再び戻り、分散開口部2の開口面内に入射する。分散開口部2に入射したレーザ光は、光ファイバ14a〜14f、光スイッチ12、光ファイバ13b、光サーキュレータ17および光ファイバ13cを順に伝送されて、レーザ受信器11に入射する。
【0022】
カメラ16は、レーザ装置1の周囲の外部空間からの電磁波(例えば赤外線、紫外線、または可視光線)を受信し、画像信号に変換して出力する。夫々のカメラ16の視軸は互いに異なる方向を向いている。図2の例に照らして考えると、カメラ16の画角を90°×90°として、互いに直交する(立方体の)6方向に視軸を向けた場合には、分散配置された6つのカメラで全周の視界を得ることができる。また、このときのカメラの画角を少し大きくして、夫々のカメラ16の画角の端が重なるように設置すれば、カメラ16の設置角度にずれが生じた場合にも、全周の視界を得ることができる。なお、レーザ開口部15の光軸は、カメラ16の視野内に入る位置関係にある。
【0023】
図4(a)は、分散開口部2の詳細な構成を示す斜視図である。
図において、円筒形状の容器51の中に、波長変換器52、レーザ開口部15、カメラ16が収容されている。容器51の円筒の端面を塞ぐ上蓋55には、レーザ開口部15と対向して光学窓53が設けられる。また、上蓋55には、カメラ16と対向して光学窓54が設けられる。容器51の端面に上蓋55を取り付けることにより、上蓋55は、容器51の底面からの厚みを10mm以下に抑えることが可能であって、容器51を航空機に取り付ける際には、分散開口部の設置高さを、航空機の胴体表面とほぼ同じ高さ、もしくは胴体表面からの突出高さが10mm以下となるように設置することができる。
【0024】
波長変換器52は容器51の底面に配置され、光ファイバ14と電気信号ケーブル18が接続されている。波長変換器52の上部にはレーザ開口部15が接続される。レーザ開口部15の基準軸B0は容器51の円筒軸に一致するように、レーザ開口部15が配置されている。レーザ開口部15の周囲にはカメラ16が近接して配置され、容器51の内筒とレーザ開口部15の外筒の間に挟まれている。レーザ開口部15とカメラ16は容器51内に収容されて共通の構造体に固定される。この構成によって、レーザ開口部15の基準軸とカメラ10の視軸を精度良く合わせることができるとともに、振動環境下や温度環境下における両軸間のズレ量を低減できる。
【0025】
図4(b)は、図4(a)のカメラ16の内部構成を示したものである。
カメラ16は波長の異なる2つのカメラ16a、16bが配置されている。光学窓54から受信した電磁場は、分離板300で、カメラ16aに感度のある電磁場とカメラ16bに感度のある電磁場に分離される。カメラ16aに感度のある電磁場は分離板300を透過し、カメラ16aに入射する。カメラ16bに感度のある電磁場は、分離板300で反射し、ミラー301で反射した後、カメラ16bに入射する。これによって、カメラ16は2つの異なる波長の画像を取得することができる。なお、カメラ16として、更に波長の異なる複数のカメラを用いても良いし、1つだけのカメラで構成しても良いことは言うまでもない。
【0026】
カメラ16は、赤外領域に感度のあるもので構成されるのが好ましい。これによって、レーザ光の出射先、またはレーザ光の入射先の熱画像を取得でき、発熱する目標を容易に抽出できる。また、カメラ16がレーザ光の波長帯に感度を有するならばレーザ光を照射した領域の輝度が高くなるので、カメラ16で撮影される画像がより明瞭となる。特に、この場合には、レーザイルミネータとして動作させることができる。また、カメラ16に波長の異なる複数の種類のカメラを用いることによって、カメラ16で捉えた像からの複数波長の照度比情報を得ることができる。照度比情報は、例えば、カメラ16aで撮像される画像の照度Aと、カメラ16bで撮像される画像の照度Bとの比である、A/Bによって得ることができる。
【0027】
図5はレーザ開口部15のより詳細な構成を示す図である。同図では図示を簡略化するためにフェルール保持部材64、ウエッジプリズム66a、66bの断面を図示している。図において、レーザ開口部15は、波長変換器52と、波長変換器52に接続された光スイッチ61と、光スイッチ61と接続されたレーザ出力部60が設けられている。レーザ出力部60は、光スイッチ61、光ファイバ62、フェルール63、フェルール保持部材64、レンズ65、ウエッジプリズム66a、66bで構成される。レンズ65、ウエッジプリズム66a、66bは光学系を構成する。
【0028】
波長変換器52の一端は、光ファイバ14の他端に接続される。波長変換器52の他端は、光ファイバ67の一端に接続される。光ファイバ67の他端は、光スイッチの入出力ポート61aに接続される。光スイッチ61の入出力ポート61b、61c、61d、61e、61f、61gは、夫々光ファイバ62a、62b、62c、62d、62e、62f、62gの一端に接続される。光スイッチ61の切替によって、いずれかのフェルール63が選択されて、光ファイバ67と光接続される。光ファイバ62a、62b、62c、62d、62e、62f、62gの他端は、夫々フェルール(光ファイバ端末)63に接続されている。フェルール63の軸線は、フェルール保持部材64に固定されている。フェルール保持部材64は部分球面を成す曲面形状を有しており、フェルール保持部材64の部分球面の曲率中心には、レンズ65の中心(あるいは主点)が配置される。フェルール63の軸線とフェルール保持部材64の曲率中心を繋ぐ直線が、所定の角度の間隔θfで配置されるように、フェルール63はフェルール保持部材64の部分球面に配置されている。
【0029】
図5の例では、フェルール63aとフェルール63bの成す角度は、フェルール63bとフェルール63cの成す角度と同一になる。また、同図の例では、フェルール保持部材64の部分曲面の曲率中心を通る断面内においてフェルールを7つ配置しており、各フェルールが15°間隔で配置されている。すなわち、同断面内の両端のフェルール63aおよびフェルール63gが夫々曲率中心を繋ぐ直線と成す角度は、90°以上になっている。また、各フェルール63から出力されるレーザ光は15°の間隔で出力される。
【0030】
なお、レンズ65は、単レンズでも複レンズでも良く、レンズ設計によって適宜最適なものを選択すれば良い。レンズ65は対物レンズを有して構成される。また、フェルール保持部材64の曲面形状は、放物線や楕円等の二次曲面形状であっても良い。この場合、レンズ65の中心(あるいは主点)は二次曲面の焦点に配置される。
【0031】
ウエッジプリズム66a、66bは、レーザ光の入出力面を成す楕円形の斜面と円形の平面とが両端に配置される。ウエッジプリズム66aの台形断面の斜面はレンズ65と対向し、ウエッジプリズム66aとウエッジプリズム66bの台形断面の平面が相対するように配置される。ウエッジプリズム66bの台形断面の斜面は、光学窓53と対向するように配置される。ウエッジプリズム66aとウエッジプリズム66bは、平面の中心が回転軸68に一致するように配置され、回転軸68を回転中心として夫々回転自在に支持されている。ウエッジプリズム66aおよびウエッジプリズム66bは、夫々独立して図示しないアクチュエータによって回転角を調整できる。かくして、ウエッジプリズム66aとウエッジプリズム66bの回転角を夫々調整することによって屈折方向を偏向し、入力光に対するレーザ光の出力方向を偏向することができる。これによって、レーザ開口部15の基準軸B0に対してレーザ光の出力方向(指向方向)の成す角度を、所望の偏向角度θmに設定することができる。
【0032】
例えば、図5の例において、レーザ光が、光スイッチ61の選択したフェルール63fから出力され、ウエッジプリズム66aの斜面が上向きの最大傾斜角度で固定されるケースを考える。この場合、ウエッジプリズム66aの斜面に対してウエッジプリズム66bの斜面の成す角度が最大になるようにハの字型に配置されるときは、レーザ光がフェルール63gに平行な方向に出力される。ウエッジプリズム66aの斜面に対してウエッジプリズム66bの斜面が平行になるように配置されるときは、レーザ光がフェルール63fに平行な方向に出力される。
【0033】
次に、レーザ光が、光スイッチ61の選択したフェルール63bから出力され、ウエッジプリズム66aの斜面が上向きの最大傾斜角度で固定されるケースを考える。この場合、ウエッジプリズム66aの斜面に対してウエッジプリズム66bの斜面の成す角度が最大になるようにハの字型に配置されるときは、レーザ光がフェルール63aに平行な方向に出力される。ウエッジプリズム66aの斜面に対してウエッジプリズム66bの斜面が平行になるように配置されるときは、レーザ光がフェルール63bに平行な方向に出力される。
【0034】
このように、図5の例では、ウエッジプリズム66a、66bによって偏向される角度範囲θdは、0°乃至±15°の範囲となる。すなわち、少なくとも隣接したフェルール63間の角度θf(図の例では15°)の間を連続的に繋ぐように、光スイッチ61の選択したフェルール63に対応する偏向角度θmを中心として、角度範囲θdの範囲でレーザ光の出力方向の微調整が可能である。
【0035】
勿論、製造上の誤差を考慮して、角度範囲θdを0°乃至2θf(図の例では30°)の範囲に設定しても良いが、角度範囲θdが大きくなるにつれてウエッジプリズムの口径が大きくなり装置が大型化する、あるいはウエッジプリズムの傾斜角度が大きくなって角度精度が劣化する。なお、ウエッジプリズムを用いてレーザ光の指向方向を偏向させる技術は、通常実施されているものであるが、この実施の形態1のように、光スイッチ61およびフェルール63と組み合わせることによって、レーザ光の指向方向を変化させるものは知られていない。
【0036】
図6は、波長変換器52の構成を示す図である。光ファイバ14を伝送されたレーザ光は、光ファイバ14の他端面から出射され、レンズ71によって、非線形光学部70に入力される。非線形光学部70は、光パラメトリック発振器(OPO)もしくは光パラメトリック増幅器(OPA)を構成して、波長変換を行う。非線形光学部70を透過した波長変換されたレーザ光(波長変換光)は、集光レンズ72によって集光されて光ファイバ67の一端面に入射され、光ファイバ67内を伝送される。
【0037】
非線形光学部70が光パラメトリック発振器(OPO)を構成する場合は、光ファイバを伝送されたレーザ光が波長変換されて、波長の異なるシグナル光とアイドラ光が出力される。このため、非線形光学部70は、例えばLiNbO3、KTPなどのバルク非線形結晶で、レーザ光とシグナル光、アイドラー光のそれぞれの波長に対して伝搬速度が一致するような条件(位相整合条件)を満たすように結晶軸方位を設定したものを1つもしくは複数配置する、もしくは、これら結晶に対し周期毎にレーザ光とシグナル光、アイドラー光のそれぞれの波長に対して伝搬速度が疑似的に一致するような条件(疑似位相整合条件)を満たすように結晶の軸方位を周期的に反転させた、PPLN(Periodic PoledLiNbO3) 、PPKTP(Periodic Poled KTP)などのバルク疑似位相整合非線形光学結晶を1つもしくは複数配置する。特に、MgOを添加したPPLNは、変換効率、ダメージ耐力の点で優れているのが知られており、ここでは適している。また、バルクでは無く、導波路型の非線形光学結晶を用いれば、光強度を増大させ、高い変換効率が得られるため、有効であることは言うまでもない。そして、この非線形光学結晶の両端側でレーザ共振させるように、非線形光学結晶の両端側に鏡面を配置する、もしくは非線形光学結晶の両端に反射膜を形成する。非線形光学部70が光パラメトリック増幅器(OPA)を構成する場合は、レーザ送信器10において波長の異なる2波長のレーザ光として、シグナル光とポンプ光を発生する。光ファイバ13a、13b、および14を伝送されたシグナル光とポンプ光は、非線形光学部70で増幅もしくは波長変換されて、増幅されたシグナル光と、波長変換されたアイドラ光とが出力される。この際、光ファイバ13a、13b、および14は、何れも一対の光ファイバで構成されて、波長毎に対応した光ファイバでレーザ光が伝送されるように構成しても良い。これについては、実施の形態2で詳細を説明する。このように、光ファイバ14までは、光ファイバ14内を高効率で透過する波長でレーザ光を伝送し、レーザ開口部15内のレーザ出力部60の直前で所望の波長のレーザ光に変換するため、レーザ光の光ファイバ14内の損失を抑えることができる。
【0038】
図7は、レーザ送信器10およびレーザ受信器11および光サーキュレータ17の構成を示す図である。レーザ送信器10は、レーザ発振器80、変調器81、ドライバ回路82、および光増幅器83を備えて構成される。
レーザ発振器80は、半導体レーザ80a、レンズ80b、ファイバレーザ発振器80d、光ファイバ80cを備えて構成される。半導体レーザ80aは光出力強度が一定になるように、電流値の調整されたバイアス電流Ibが供給される。半導体レーザ80aは、このバイアス電流が供給されて、波長λ02で光強度が一定の連続レーザ光(励起光)を出力し、レンズ80bで集光される。レンズ80bを透過した励起光は、ファイバレーザ発振器80dに入射されて、ファイバレーザ発振器内に添加された希土類元素のエネルギー状態を高め、波長λ2(例えば1.55μm)の連続レーザ光(CWレーザ)を光ファイバ80cに出力する。なお、ファイバーレーザ発振器80dの詳細については、実施の形態2においても後述する。
また、ここでは、雑音の小さいファイバレーザをレーザ発振器80として説明しているが、半導体レーザそのものをレーザ発振器80として用いても良い。
【0039】
変調器81は、光ファイバ80cを伝送されたCWレーザが入力される。この入力光は、光ファイバ80cを伝送されて変調器81に入力される。変調器81は、例えば導波路型のLN変調器を用いて構成される。LN変調器は、LiNbO3 (リチウムナイオベート)(LN)結晶の表面にチタン(Ti)金属が拡散されて導波路が形成されている。光ファイバ80cを介して入力される入力光は、入力導波路81gを通り、Y分岐81cによって等量の光に分岐されて、導波路81aと導波路81bへ出力される。これら導波路へ入力された光は、導波路81a、81bの近傍に夫々設けられた変調電極へ端子81eまたは端子81fから印加される信号に応じて、それぞれの光位相が変調される。次いで、夫々光位相が変調された光はY合波81dによって合成され、位相の異なるレーザ光の干渉によって光強度の変化を受けた波長λ1の変調光となって、出力導波路81hを介して光ファイバ83aの一端に出力される。ここでは、変調器81としてLN変調器の説明を行ったが、レーザ光強度を変調可能な、使用可能な光変調器として、音響光学光変調器や、電界吸収型半導体変調器などを用いても良い。
【0040】
ドライバ回路82は、周波数変調された変調電圧信号Vmと、バイアス信号Vbを発生する。変調器81は、ドライバ回路82から出力された変調電圧信号Vmが端子81eから印加される。また、変調器81は、ドライバ回路82から出力されたバイアス信号Vbが端子81fから印加される。ドライバ回路82は変調信号Soが供給され、差動増幅器の動作によって、振幅の調整された変調電圧信号Vmを出力する。
【0041】
光増幅器83は、ポンプレーザ発振器84、光結合器83b、および光ファイバ増幅器85で構成されて、光ファイバ83aを伝送された信号光を増幅させる。ポンプレーザ発振器84は、光強度が一定の波長λ2のポンプ光(励起光)を発生し、光ファイバ83dに出力する。光結合器83bは、光ファイバ83dを伝送されたポンプ光と、光ファイバ83aを伝送された波長λ1の信号光を結合し、光ファイバ増幅器85の一端に出力する。光ファイバ増幅器85は、光ファイバのコアの部分に増幅作用を起こす物質(エルビウム)や屈折率を調整する物質(ゲルマニウム、アルミニウム等)を添加させ、このコア部にエネルギーを与えるポンプ光と増幅される信号光を注入して伝搬させることで、信号光を増幅させる。光ファイバ増幅器85の他端は光ファイバ13aに接続され、光ファイバ13aの一端に増幅された信号光が入力される。
【0042】
光ファイバ13aを伝搬された信号光は、光サーキュレータ17に入力される。光サーキュレータ17は、レーザ送信器10からの出力をレーザ開口部2から外部空間に出力するとともに、外部の反射点で反射されてレーザ開口部2を通して戻ってきた受信したレーザ光(受信光)を光ファイバ13cへ入力する。
【0043】
光ファイバ13cからレーザ受信器11に入力されたレーザ光は、電気信号へ変換された後、受信データ信号Siとして信号処理部4に出力される。レーザ受信器11は、光ミクサ94、光ファイバ13d、光受信器111で構成され、さらに光受信器111は、レンズ11a、受光素子11b、プリアンプ11c、受信回路11dで構成される。光ミクサ94には、光ファイバ13cを伝送する受信光が入力され、変調信号Soにより変調される。光ミクサ94は、光強度を外部信号により変調させる装置であり、変調器81と同様のデバイスと、ドライバ回路82とを用いて構成される。すなわち、光ミクサ94は、変調信号Soをドライバ回路82で振幅調整および波形整形し、ドライバ回路82の出力信号を変調器81に入力して受信光を変調することによって、光ファイバ13cを伝送したレーザ光の強度変調成分と、変調信号の変調成分を干渉させて、レーザ光の強度変調成分の中にビート(うなり)を発生させ、光ファイバ13dに出力する。ビートの強度変調成分は、光ファイバ13cを伝送されたレーザ光の強度変調成分に比べて周波数が低くなるため、光強度を2乗検波(もしくは包絡線検波)し、その強度変調成分を電流信号に変換する受光素子11bは高速応答が不要となる。光ファイバ13dの出力光は、レンズ11aで集光されて受光素子11bに入力される。受光素子11bに入力された光信号は、受光素子11bで電流信号に変換され、プリアンプ11cで電圧信号に変換される。プリアンプ11cの出力電圧は、受信回路11dに入力されて、波形整形が行われた後、受信データ信号Siが出力される。
【0044】
図8(a)は、変調信号Soによって変調され、外部空間に出射されたレーザ光の波形の一例を示す図である。変調されたレーザ光は、出力光の強度が強度変調されるとともに、周波数が連続的に変化する、所謂FM−CW変調が行われている。
図8(b)は、光ミクサ94に入力する変調信号Soと受信光の波形の例を示す図である。図において、横軸は時間、縦軸は周波数を示し、変調信号Soは、周波数F1がピークとなるように周波数変調されている。
ここで、時間T1において変調信号Soがピークとなるとき、受信光は時間T2において周波数F2がピークとなる。この時間差(T2−T1)によって、レーザ開口部15の送信光が外部環境で反射されるときの反射点までの距離を求めることができる。また、反射点が移動しているときには、その速度Vrによってドップラー効果が発生するので、受信光のピーク周波数F2はF1と異なる大きさとなる。図8の例では、反射点が近づく場合を想定しているので、F1<F2となる。このとき、速度Vrは次式(1)によって求められる。
【0045】
【数1】
【0046】
図8(c)は、光ミクサ94から出力されるビート光の波形を示す図である。光ミクサ94は、図8(b)に示す変調信号Soと受信光から、その差分信号として図8(c)に示すビート光を出力する。ここで、図8(b)と図8(c)でT1とT2がそれぞれ一致するので、図8(c)のビート光の示す台形波形のボトムからトップに遷移する際の、下側遷移点P1(台形波形の下の頂点)と上側遷移点P2(台形波形の上の頂点)を、受光素子11bで計測すれば、点P1と点P2の間の時間を求めることによって距離を計測することができる。具体的には、
距離D=(T2−T1)×C/2 (式(2))
で求めることができる。
また、点P1と点P2の周波数を用いて速度を計測することができる。具体的には、次式(3)によって速度Vrを求めることができる。レーザ受信器11が光信号から電気信号への変換を行って受信データ信号Siを出力し、信号処理部4がこの受信データ信号Siに基づいて、これらの距離と速度の計測を行う(詳細は後述する)。
【0047】
【数2】
【0048】
図9は信号処理部4の構成を示す図である。図において、信号処理部4は、画像処理器101、測距器102、スイッチ選択器103、制御器104、姿勢方位基準器304で構成される。
画像処理器101は、カメラ16から出力された画像信号が電気信号ケーブル18aを通じて入力される。画像処理器101は、カメラ16からの画像信号に基づいて被写体の中から目標を示す像(目標)を抽出する。また、画像処理器101は、この抽出した目標の未来位置を予測する。制御器104は、複数のレーザ開口部15の中から、目標の未来位置がレーザ光照射領域内に入るようなレーザ開口部15と、レーザの指向方向を選択し、選択したレーザ開口部15毎に、レーザの指向方向に対応するスイッチ情報をスイッチ選択器103に送信する。スイッチ選択器103は、レーザ開口部15と指向方向に対応したスイッチ情報に基づいて、電気信号ケーブル20aを介して、光スイッチ12、および光スイッチ61に切替え信号を送信する。これによって、光スイッチ12および光スイッチ61が、レーザ開口部15およびフェルール63とレーザ送信器10の間の光路を接続する。測距器102は、電気信号ケーブル20cを介して、電源部5にレーザ発射指令信号を送出し、目標にレーザ光が照射できるタイミングでレーザ送信器10からレーザ光を出射させる。また、測距器102は、電気信号ケーブル20bを介してレーザ送信器10のドライバ回路82に変調信号Soを送出し、変調電圧信号Vmと、バイアス信号Vbを発生させる信号発生器として動作する。また、測距器102は、電気信号ケーブル20dを介してレーザ受信器11に変調信号Soを送出した受信光を変調させると共に、受信ケーブル20dを介してレーザ受信器11に入力された受信データ信号Siに基づいて、上述の式(2)、(3)より、外部空間に出力されたレーザ光の反射点までの距離Dと、その反射点の速度Vrを求める。
【0049】
次に、画像処理器101の詳細構成について、図10を用いて説明する。
画像処理器101は、画像検出器111、目標抽出器112、予測演算器113、および目標データベース115で構成される。画像検出器111は、姿勢方位基準器304から、機体情報19cとして機体の高度、速度、加速度、姿勢角、姿勢角速度、姿勢角加速度を入力し、カメラ16で撮影された画像に対し座標変換を行うと共に、画像中から、空間フィルタや二値化処理や相関処理などの周知の画像処理技術によって、一塊の画素で構成される像を抽出する。姿勢方位基準器304は、高度計やジャイロなどにより構成される。
【0050】
目標抽出器112は、抽出された像からの照度(照度情報)、像の輪郭形状(形状情報)を抽出し、像の重心の動きを計測して像の軌跡パターン(軌跡パターン情報)を抽出する。これら抽出された照度情報、形状情報、軌跡パターン情報は像情報と称する。目標抽出器112は、軌跡パターンが、像が直線的に移動する長さが一定以上の場合に、直線的な移動であると判別する。また、目標抽出器112は、軌跡パターン情報における像の移動の方向に基づいて、像が水平移動か、上昇移動か、下降移動か、ランダム移動か、位置固定であるのかなどを判別する。また、目標抽出器112は、軌跡パターン情報が、その直線的な移動が行われる高さが水平面から、画像内で所定画素以上上方にあれば、カメラ16よりも高い高度に存在していると判定する。目標データベース115は、検出の対象とする目標の特徴を示す目標情報が予め格納されている。この目標情報には、上記像情報に対応して、検出対象の目標毎に、照度情報、形状情報、軌跡パターン情報、判別情報などが納められている。判別情報は、予め目標として選択すべきものと、目標外として選択すべきものでないものとの区別を示す情報である。
【0051】
図11の表は、目標データベース115のデータ構成例を示す図であって、検出対象目標に対応して、各目標毎の目標情報の一例を示す。目標データベース115は、表に示すようにメモリ領域内に仮想的に2次元マトリックスを構成しており、当該マトリックスの行(COL)に検出対象目標の名称が格納され、列(ROW) が各検出対象目標に対応した目標情報を示している。目標抽出器112は、目標データベース115に格納された目標情報を参照して、先に抽出された像情報との比較によって、像情報と最も近い特徴の目標情報を有する検出対象目標を、目標と判定する。
【0052】
例えば、図12に示すように、画像検出器111で検出された画像内に、目標の対象となる航空機201やロケット202などの飛しょう体が存在すると同時に、目標以外の雲203に該当する画像や、海面反射204が含まれる場合を想定する。
【0053】
図によれば、ロケット202や航空機201は、後方から噴出ガスを発生するため、カメラ16が赤外線画像として捉えた際にロケット202や航空機201からの照度が比較的高いので、照度が低い雲と識別できる。また、ロケットや航空機は、カメラ16の画面内に高照度(比較的高い照度)の像が直線的な軌跡パターンに沿って水平方向かもしくは上方へ移動する。一方、海面反射は海面からの照度が高いが、その位置が目標データベース115にあるロケットや航空機と異なる軌跡をとり、像の形状が大きいため、ロケットや航空機の像と識別が可能である。このような特徴点を踏まえて、複数の像の中から目標の像を選択することができる。
【0054】
例えば、目標として、航空機201もしくはロケット202を選択したい場合、画像内の像の特徴に基づいて、照度情報が中照度(比較的中程度の照度)を示し、形状情報が小さく、軌跡パターン情報が直線的に水平移動するものを、目標抽出器112が航空機201であると判定し、第1の目標として選択する。また、照度情報が高照度を示し、形状情報が小さく、軌跡パターン情報が水平面より下から直線的に上昇するものを、目標抽出器112がロケット202であると判定し、第2の目標として選択する。
【0055】
次に、画像内で目標として選択された対象について、目標抽出器112は、その画面内での重心位置を、夫々目標の存在位置として検出する。図12の例では、重心位置G1、G2を、夫々第1、第2の目標の存在位置と判定する。第1、第2の目標は位置OG1、OG2において、画面内で出現し、像の軌跡から像の移動方向を求めて、さらに像の画像内での位置変化の速度を求める。例えば、第1の目標の速度をV1、第2の目標の速度をV2と判定する。このような目標の抽出結果に基づいて、目標抽出器112は、表示器21に画面内の目標の存在位置と、その目標の進行方向の情報を、電気信号ケーブル19bを介して表示器21に送出する。また、目標抽出器112は、予測演算器113に対して、目標の存在位置と、その目標の進行方向の情報と、目標の重心位置の軌跡を、目標状態情報として送信する。
【0056】
表示器21は、目標抽出器112から送出された情報に基づいて、表示器21の画面内に、目標の存在位置を示す丸などのシンボル、その目標がどの方向に進行中であるのを示す矢印などのシンボルを表示する。また、表示器21は、画像検出器111で処理された目標を含む周囲の映像が、電気信号ケーブル19aを介して送信され、その映像を表示する。なお、複数目標がある場合は、丸のシンボルの中に番号表示をしても良い。図13は、表示器21のシンボル表示の一例を示す図であって、図中、▲1▼、▲2▼は目標を示している。
【0057】
なお、目標情報として、予め目標の複数波長の照度比が分かっている場合には、カメラ16として多波長のカメラを用いることによって、信号処理部4が、誤った物体を目標として抽出する確率を低減することができる。例えば、カメラ16が2種類の波長帯、λ3、λ4に感度を有する場合、目標データベース115に、各種目標毎にλ3、λ4の波長帯における信号強度比の項を追加することにより、信号強度比がロケットや航空機と異なる目標については、目標として検出しなくすることができる。
【0058】
また、予測演算器113は、目標抽出器112の出力する目標状態情報に基づいて、目標の未来位置を予測する。目標状態情報として、目標の現在位置と、目標の速度と、目標の軌跡として過去の位置情報が送信される。例えば、図12の例の場合、目標202に関しては、現在位置G2と速度V2に基づいて、過去の位置OG2と現在位置G2とを繋ぐ軌跡が直線であるので、T秒後の未来位置をMG2として算出する(MG2の位置座標=G2の位置座標+速度ベクトルV2×T)。なお、算出に当たっては、加速度を用いても良いし、軌跡が曲線である場合は、その曲線の延長上の位置を、現在位置と現在速度に基づいて予測しても良い。予測演算器113は、予測した未来位置を制御器104に送信する。
【0059】
制御器104は、複数のレーザ開口部15の覆域を足し合わせて構成される全周開口面内において、複数のレーザ開口部15の中から、目標の未来位置がレーザ光照射領域内に入るレーザ開口部15を選択する。この際、選択したレーザ開口部15と光ファイバ13bが接続されるように、光スイッチ12の入出力ポート52を選択するための出力ポートの指定情報をスイッチ選択器103に送出する。スイッチ選択器103は、選択された出力ポートの指定情報に基づいて、接続を切替えるための切替え信号を光スイッチ12に送出し、光スイッチ12は接続の切替え動作を行う。また、選択されたレーザ開口部15において、レーザ出力部60によって偏向されるレーザ光の光軸(指向方向)が目標の未来位置の存在する方向を向くように、レーザ出力部60の指向方向を設定する。この設定では、目標の未来位置を画面内に有するカメラ16に対応して、レーザ開口部15内のレーザ出力部60を選択する。この際、カメラ16の画角に対応するレーザ出力部60の指向方向を、予め規定しておく。
【0060】
例えば、カメラ16の画角内に、そのままレーザ出力部60の偏向角度θmが入るように設定しておけば好適である。この場合、レーザ出力部60の偏向角度θmを、目標の未来位置方向の画角θgに設定し、制御器104にこの設定された偏向角度θmを送信する。制御器104では、レーザ出力部60の偏向角度θmに基づいて、偏向角度θmを所定の角度範囲内(図5の例では15°)に含むフェルール63が選択されるように、対応する光スイッチ61の出力ポートを設定する。また、基準軸B0に対するフェルール63の角度と、所望の偏向角度θmとの角度差に基づいて、角度差を0にするように、ウエッジプリズム66a、66bの回転角を設定する。制御器104は、スイッチ選択器103に対して、選択した出力ポートの指定情報を送出する。スイッチ選択器103は、出力ポートの指定情報に基づいて、接続を切替えるための切替え信号を光スイッチ61に送出し、光スイッチ61は接続の切替え動作を行う。また、制御器104は、ウエッジプリズム66a、66bを回転駆動するアクチュエータに対して、回転角情報を送出する。ウエッジプリズム66a、66bは、これに基づいて回転角が回転角情報で設定される角度になるように角度調整を行う。
【0061】
また、制御器104は、スイッチ選択器103が出力ポートの指定情報に基づいて、光スイッチ12および光スイッチ61が確実に所望の接続に切り替わったか否かをモニタし、モニタの結果、所望の接続に切り替わっていなければ、表示器21にアラーム信号19を発出する。表示器21はこのアラーム信号19に基づいて、動作不良を示す警告情報として、例えば「動作不良」の文字を表示する。
【0062】
測距器102は、レーザ受信器11から送信される受信データ信号Siの遷移点間の時間に基づいて、レーザ開口部15がレーザ光を出射した時刻から、目標で反射したレーザ光がレーザ開口部15に入射する時刻までの差を計測し、その値に光速の2分の1を掛けることで、目標と分散開口部2との間の距離Dを上述の式(2)により算出することができる。
【0063】
また、レーザ受信器11から送信される受信データ信号Siの各遷移点における周波数と、レーザ送信器10に対して送出する変調信号Soの最大周波数から上述の式(3)に基づいて、分散開口部2に対する目標の速度を求めることができる。
【0064】
図14は、光スイッチ12および光スイッチ61の構成例を示す図である。図14(a)、(b)において、120および600はマイクロミラーであって、下部に設けられた図示しない圧電素子のようなマイクロアクチュエータによって上下させることにより、反射方向を変化させる。例えば、光スイッチ12の構成例を示す図14(a)において、入出力ポート51を入出力ポート52fに接続する場合は、ミラー120aとミラー120bを持ち上げることによって、入出力ポート51から出力されたレーザ光は入出力ポート52fから出力される。また、光スイッチ61の構成例を示す図14(b)において、入出力ポート61aを入出力ポート61hに接続する場合は、ミラー600aとミラー600bを持ち上げることによって、入出力ポート61aから出力されたレーザ光は入出力ポート61hから出力される。なお、通常状態では、全てのミラーが下がった状態になっている。このミラー120、およびミラー600の動作は、スイッチ選択器103によって上下動作が制御される。
【0065】
このように構成されたレーザ装置1においては、レーザ光を短時間に所望の方向に出射することができる。例えば、レーザ光の送信方向の制御に、従来技術であるジンバルを用いた場合には、ジンバルの機械的な駆動に時間がかかるため、所望の方向にレーザ光を向けるのに秒単位の時間を要する。これに対して、レーザ開口部15を分散配置したこの実施の形態1によるレーザ装置では、その100分の1程度の時間でレーザ光を所望の方向に精度良く指向させることができる。また、レーザ光を指向させるための機械的な駆動部分は、ウエッジプリズム63a、63b部や、鏡面を微小変位させる光スイッチに限定され、小型に構成することが可能であって、その駆動部分が少なくなるため、装置のメンテナンスも容易になる。また、駆動制御に関わる信号処理の負荷を低減することもできる。
【0066】
また、目標と分散開口部2との位置関係が変わらない場合には、カメラ16及び信号処理部4の追尾機能が無くても、目標にレーザ光を照射できると共に、目標からのレーザ光を受信できる。
【0067】
この実施の形態によれば、レーザ送信器10と、一端と他端の間でレーザ光を伝送する複数の光ファイバ14と、レーザ送信器10と複数の光ファイバ14の一端との接続を切替える光スイッチ12と、複数の光ファイバ14の他端側に夫々結合され、光ファイバ14を伝送されたレーザ光を外部空間に出力するように、分散配置された複数のレーザ開口部15とを備えることにより、レーザ出射方向、または入射方向の変更を短時間で行うことのできるレーザ装置を提供することができる。
【0068】
また、分散開口部2を航空機に分散配置することによって、航空機の周囲360°の視野内で所望の方向にレーザ光を出射することができるとともに、分散開口部2の設置高さを、航空機の胴体表面とほぼ同じ高さ、もしくは胴体表面からの突出高さが10mm以下となるように設置することができる。これによって、分散開口部2の設置に伴なう空気抵抗が小さくなり、航空機の空力特性に与える影響を抑えることができる。
【0069】
例えば、特許文献1に開示されるような従来のレーザ装置は、半球形状を有するジンバルの高さが100mm〜500mmにも至り、航空機の胴体表面からの突出高さが100mm以上となる。これによって、マッハ数2の最高速度で飛行することの可能な航空機が、ジンバルの突出高さに伴なう空気抵抗の影響によって飛行速度に制限を受け、例えばマッハ数1で飛行せざるを得なくなる。これに対してこの実施の形態では、ジンバルを用いないので、航空機の胴体表面からの突出高さを10mm以下とすることができ、空気抵抗を極端に低減することができ、レーザ装置を搭載しても、ほぼ最高速度であるマッハ数2に近い速度で飛行することが可能となる。
【0070】
また、このように突出高さを低くすることができるため、航空機胴体表面にレーザ装置を設置したことによる、レーザ断面積の変化を小さくすることができ、レーザ装置の搭載に伴なったステルス性の向上を図ることができる。
【0071】
さらに、ジンバルの姿勢角を駆動制御するためのサーボ系制御用の信号処理器が不要となるため、信号処理器をより小型で簡素なものとすることができる。また、ジンバル自体を用いないために駆動部分が少なくなり、メンテナンスがより容易となる。
【0072】
また、レーザ光を出射するための開口部分が、ジンバルよりもシンプルな構造で構成されるため、開口部分を小型化することが可能である。
【0073】
また、ファイバーレーザ発振器(80d、500)を用いてレーザ発振できるように構成されているので、狭い空間内にケーブルを配置するかの如く、光ファイバーを狭いスペース内に引き回し、あるいは必要に応じて丸めて配置することができ、配置位置の制約や配置スペース上の制約が緩和される。このため、レーザ開口部の分散配置を可能とすることができる。
【0074】
ファイバーレーザ発振器とレーザ開口部の間を接続する光伝送経路を、光ファイバーを用いて構成することができるので、ミラーやプリズムなどの反射光学部品を精度高く配置して、光伝送経路を構成する必要がなく、また、反射光学部品の光軸がずれないように、反射光学部品を支持するための強度があって重い構造体を用いなくてもすむ。
【0075】
また、光ファイバーを用いて光伝送経路が構成されるので、反射光学部品を適宜配置して光伝送経路を構成する際の、反射光学部品間の空間のエアーのクリーン度を上げる必要がない。
【0076】
また、レーザ発振器からの連続光をFM−CW変調する光変調器81と、光変調器81の出力光を増幅する光増幅器83と、目標からの反射光と信号発生器(測距器102)の出力信号に基いて、受信光を変調する光ミクサを備えて、FM−CW変調方式のレーザレーダを構成することができるので、FFT(高速フーリエ変換)によるコヒーレント積分が可能となり、小さいパワーのレーザ光で遠方の測距が可能になる。特に、レーザパワーが小さいので、光学系の耐パワー性能、およびレーザ光路上の空間のエアーのクリーン度を低く設計できる。また、パルスレーザを用いた一般に広く利用されているレーザレーダに比べて、光受信器の高速応答が不要となり、高インピーダンスで反射光の受信が可能となる。さらに、ドップラーの同時検出が可能なため、変調した連続光レーザを照射し、時間積分することによって、目標の速度検出が可能となる。
【0077】
また、レンズ65の光軸方向を視野内に有するカメラ16を、夫々のレンズ65の周辺に複数備えたことにより、カメラ16の画像中の目標にレーザ光を照射することができる。さらに、レーザ光を照射、受信した方向の状況を画像で確認することができる。
【0078】
さらにまた、映像中から所望の目標と同じ特徴を持つ目標を探知し、その目標に対してレーザ光を照射できるため、例えば、自機に向かって飛しょうする脅威となる目標(例えばミサイル)をカメラ16で発見し、レーザ光を照射して目標の飛行を妨害することができる。
【0079】
実施の形態2.
この実施の形態のレーザ装置では、ファイバレーザを用いてレーザ発振を行い、レーザ送信器10と波長変換器52とを接続する第1の光ファイバ系統とは別個に、ファイバレーザと波長変換器とを接続する他の第2の光ファイバ系統を構成している。この実施の形態による波長変換器52は、ファイバレーザ発振器500の出力波長λ1と、実施の形態1で示したレーザ送信器10の出力波長λ2との、二波長を用いて、OPAを構成する波長変換器52によってレーザ光の波長変換を行う。
【0080】
図15は、実施の形態2によるレーザ装置の構成を示す図である。図において、ファイバレーザ発振器500の入力端はポンプレーザ発振器501に接続されている。ポンプレーザ発振器501はファイバレーザ発振器500の入力端に接続されている。ポンプレーザ発振器501は光強度が一定の波長λ01(=0.81μm)のポンプ光(励起光)を発生し、ファイバレーザ発振器500の一端に出力する。ファイバレーザ発振器500の出力端は光ファイバ300の一端に接続され、光ファイバ300の他端は光スイッチ200入力ポート201aに接続されており、ファイバレーザ発振器500は波長λ2(=1.06μm)のレーザ光を出力する。
【0081】
また、レーザ送信器10の出力端は光ファイバ13aの一端に接続されて、光ファイバ13aの他端は光サーキュレータ17の入出力ポートに接続されている。レーザ送信器10は上述したように、ファイバーレーザ発振器80dを有しており、波長λ2(=1.55μm)のレーザ光を出力する。レーザ受信器11は光ファイバ13cを介して光サーキュレータ17の出力ポートに接続されている。光ファイバ13bの一端は光サーキュレータ17の入出力ポートに接続され、光ファイバ13bの他端は光スイッチ200の入出力ポート201bに接続されている。光スイッチ200の入出力ポート202(202a乃至202f)、203(203a乃至203f)は、光ファイバ400(400a乃至400f)、14(14a乃至14f) の一端に夫々接続されている。光ファイバ400(400a乃至400f)、14(14a乃至14f)の他端は、波長変換器52(52a乃至52f)に接続されている。波長変換器52(52a乃至52f)に設けられた光ファイバ67は、レーザ出力部60(60a乃至60f)に接続されている。
【0082】
この実施の形態によるレーザ装置は以上のように構成され、次のように動作する。
図15に示したファイバレーザ発振器500や、図7に示したファイバレーザ発振器80dは、誘導放出効果を活性化させる活性物質を含む希土類ドープファイバレーザや、誘導放出用光ファイバに直列に接続されて非線形効果を活性化させる活性物質を含むラマンファイバレーザなどが用いられる。ファイバレーザは両端に一対の反射手段を備えている。この反射手段は、発振する光を反射するミラーやファイバグレーティングが用いられ、ファイバレーザを挟んでファブリ・ペロー共振器を構成している。
【0083】
希土類ドープファイバレーザは、Nd、Ho、Er、Tm、Yb等の希土類元素が石英系、フッ化物系、リン酸系等の光ファイバの中心をなすコアにドープされて構成されている。この例では、ファイバ−レーザ発振器500の励起光が0.81μmであるので、希土類元素としてはNdを用いている。また、ファイバ−レーザ発振器80dの励起光が0.98μmであるので、希土類元素としてはErを用いている。これらの励起光は、反射手段を介して希土類ドープファイバに入力される。そして、励起光が希土類ドープファイバのコアを通過する際に、コアにドープされた希土類元素の最外殻電子を励起して反転分布の状態とし、自然放出光が放出される。そして、誘導放出効果によって自然放出光が一対の反射手段の間を往復しながら増幅され、ついには発振状態となる。発振状態の光(レーザ光)の一部が反射手段を透過して、所望の波長のレーザ光として出力される。
【0084】
なお、ラマンファイバレーザを用いる場合は、石英系の光ファイバと、この光ファイバを挟んで配置される一対の反射手段とを備える。このラマンファイバレーザにおいては、希土類ドープファイバと同様に、ファイバグレーティングのような一対の反射手段で光ファイバを挟んでファブリ・ペロー共振器を構成している。ラマンファイバレーザにおいては、高パワーの励起光が反射手段を介してファイバレーザの一端から入力される。ラマンファイバレーザにおいては、高パワーの励起光が光ファイバを通過する際に、光と光学フォトン(格子振動)との相互作用において、励起光の一部は長波長側にシフトし、自然ラマン散乱光が得られる。そして、誘導ラマン散乱(非線形効果)によって、自然ラマン散乱光が一対の反射手段の間を往復しながら増幅され、ついには発振状態となる。そして、発振状態の光(レーザ光)の一部が反射手段を透過し、所望の波長のレーザ光として出力される。
【0085】
光スイッチ200は、入力ポート201aがファイバレーザ発振器500の一端に接続される。また、入力ポート201bが光ファイバ13bの他端に接続される。光スイッチ200の入出力ポート202(202a乃至202f)、203(203a乃至203f)は、波長変換器52(52a乃至52f)の一端に接続される。また、波長変換器52(52a乃至52f)の他端はレーザ出力部60(60a乃至60f)に接続される。光スイッチ200は、入出力ポート201aを、入出力ポート202(202a乃至202f)に接続する。また、光スイッチ200は、入出力ポート201bを、入出力ポート203(203a乃至203f)に接続する。
【0086】
かくして、光ファイバ80c、83a、13a、13b、および光ファイバ203は、第1の光ファイバ系統を構成する。また、ファイバレーザ発振器500、光ファイバ300、および光ファイバ202は、第2の光ファイバ系統を構成する。第1の光ファイバ系統中の光ファイバは、波長1.55μmの第1のレーザ光を伝送するときの損失が少なくなるように、波長1.5μm帯の光信号を伝送するに適したシングルモードファイバが用いられる。また、第2の光ファイバ系統中の光ファイバは、波長1.06μmの第2のレーザ光を伝送するときの損失が少なくなるように、波長1μm帯の光信号を伝送するに適したシングルモードファイバが用いられる。これらのシングルモードファイバは、比較的入手性が良い。
【0087】
第1の光ファイバ系統を伝送された第1のレーザ光は、図6に示した波長変換器52(52a乃至52f)と同様、レンズ71に入力される。また同時に、第2の光ファイバ系統を伝送された第2のレーザ光は、波長変換器52のレンズ71に入力される。波長変換器52では、レンズ71で集光された第1、第2のレーザ光が非線形光学部70に入力されて、パラメトリック増幅作用によって、増幅された第1のレーザ光と、波長変換された第3のレーザ光を光ファイバ67に出力する。第3のレーザ光として、例えば波長3μmのレーザ光が出力される。
【0088】
ここで、波長3μmの第3のレーザ光は、例えば他のレーザ装置の電磁波受信センサの動作を妨害するために用いることができる。例えば、目標が飛しょう体であって、飛しょう体の先端に赤外線を感知するシーカが設けられた場合を想定する。この場合、レーザ開口部15から、シーカの赤外線の検出波長(例えば3μm帯の)と一致するとともに、シーカの検出器の受光感度を飽和させる程度のレベルの高いレーザ光を照射する。この際、ファイバレーザ発振器500を用いることによって、第3のレーザ光の出力パワーを適度なレベルまで増加させることができる。これによって、この実施の形態のレーザ装置は、飛しょう体の妨害装置として動作させることができる。
【0089】
飛しょう体のシーカをこのような妨害装置として用いる場合は、第3のレーザ光が目標で反射されて戻ってくることは想定されておらず、1.5μm帯の第1のレーザ光のみ目標から反射された反射光を受光できれば良い。
【0090】
なお、レーザ出力部60を構成する光ファイバ62には、1.5μm帯と3μm帯のレーザ光を高効率で伝送する光ファイバを使用する。一般に1.5μmと3μm帯の両方を透過する光ファイバは、通信用に用いられている1.5μm帯の光ファイバと比較すると透過率は低いが、光ファイバ62の長さは短く、問題にはならない。これによって、第1の光ファイバ系統からレーザ出力部60の開口面(レンズ65)に至るまでの経路において、1.5μm帯の第1のレーザ光と3μm帯の第3のレーザ光をレーザ出力部60まで損失なく伝送することができる。また、1μm帯の第2のレーザ光はファイバレーザ発振器500から第2の光ファイバ系統を用いて伝送されるため、レーザ出力部60の波長変換器52までの間を、1μm帯の第2のレーザ光を用いて損失なく伝送することができる。この場合、光ファイバ67には、波長変換器52で変換された3μm帯の波長のレーザ光が通過するが、これについては多少の伝送損失があっても構わない。
【0091】
このような構成によって、伝送波長帯に合わせた光ファイバを用いてレーザ光を伝送し、レーザ出力部の開口面の直前に波長変換器を配置して、レーザ光の波長を変換するため、損失の少ないレーザ光の伝送と波長変換が可能となる。
【0092】
この実施の形態によるレーザ装置では、入力されるレーザ光から波長の異なるレーザ光を生成し、生成したレーザ光を夫々のレーザ開口部15に出力する波長変換器52を備えたことにより、複数種類の波長のレーザ光を目標に照射できるため、レーザ光を照射する目標が持つセンサの種類に応じて、目標に照射するレーザ光を使い分けることができる。
【0093】
また、波長の異なる第1、第2の波長のレーザ光を発生するファイバーレーザ発振器80d、およびファイバーレーザ発振器500を備えて、第1、第2の波長に夫々対応してレーザ光を伝送する一対の光ファイバ対(400、14)を複数対備えることにより、夫々の光ファイバ対(400、14)毎に接続され、入力される第1、第2の波長のレーザ光に基づいて波長の異なる第3の波長のレーザ光を生成し、生成された第3の波長のレーザ光をレーザ開口部15に出力する複数の波長変換器52を備えることにより、光スイッチ12は、ファイバーレーザ発振器80d、および500と、複数の光ファイバ対(400、14)との接続を切替えるように構成しているので、同時に2目標に対してレーザ光を照射することができる。また、冗長系を持たせることによって、第1、第2のレーザ発振器のいずれか一方が故障した場合であっても、他方のレーザ発振器でレーザ照射を続行することができる。
【0094】
実施の形態3.
実施の形態1では、ウエッジプリズム66a、66bと、球の曲率中心を向くように離散的に配置されたフェルール63を用いて、レーザ出力部60(60a乃至60f)を構成していた。しかし、レーザ出力部としては、90°×90°の立体角を包絡するようにレーザの指向角度を調整するものであれば、他の機構を用いても良い。
【0095】
この実施の形態では、例えば、90°×90°の角度範囲のみ駆動するような小型のジンバルにレンズ65を配置して、レンズ65に対してレーザ光を導くような光学系を構成する。これによって、比較的簡単な構成でレーザ光の指向方向を偏向させる光学系を実現することができる。このようなジンバルとしては、特許文献1に記載されるような大型のジンバルの可動角を制限して、小型のジンバルを構成すればよい。
【0096】
実施の形態4.
この実施の形態4では、レーザ送信器10から光通信用の変調信号Soを出力しても良い。例えば、光ファイバ通信で用いられているようなNRZ(Non Return to Zero)信号をレーザ送信器10から出力しても良い。レーザ送信器10は、レーザ開口部15からレーザ光を照射し、レーザ光の照射方向に配置された他のレーザ装置でレーザ光を受光する。また、レーザ受信器11は、送信するレーザ光の波長帯域がレーザ装置のレーザ受信器11の受信波長帯と一致する場合には、レーザ装置を光通信用の受信器として機能させる。
【0097】
実施の形態5.
実施の形態1では、航空機にレーザ装置を搭載した例について説明した。しかし、実施の形態1で説明したようなレーザ装置は、他の移動体に搭載しても良い。例えば、陸上を移動する車両、または水上を移動する艦船、または空中を飛行する航空機、または宇宙空間を飛しょうする人工衛星などで構成しても良い。この場合には、レーザ装置を容易に移動できる他、移動体にレーザ装置の機能を付加することができる。また、移動体の進行方向に視野を持つカメラの分解能を、他の方向に視野をもつカメラの分解能よりも高くしてよく、この場合には、進行方向前方の障害物や目標を遠方で発見しやすくできる。
【0098】
【発明の効果】
この発明によれば、以上説明したように、レーザ出射方向、または入射方向の変更を短時間で行うことのできるレーザ装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1によるレーザ装置を航空機へ搭載した状態を示す図である。
【図2】この発明の実施の形態1によるレーザ装置を航空機に搭載した場合の開口面の配置を示す図である。
【図3】この発明の実施の形態1によるレーザ装置の構成を説明する図である。
【図4】この発明の実施の形態1によるレーザ装置の分散開口部の外観を示す斜視図である。
【図5】この発明の実施の形態1によるレーザ装置のレーザ開口部の構成を示す図である。
【図6】この発明の実施の形態1によるレーザ装置の波長変換器の構成を示す図である。
【図7】この発明の実施の形態1によるレーザ装置のレーザ送受信器の構成を示す図である。
【図8】この発明の実施の形態1によるレーザ装置の光ミクサの出力するビート光の波形を説明する図である。
【図9】この発明の実施の形態1によるレーザ装置の信号処理部の構成を示す図である。
【図10】この発明の実施の形態1によるレーザ装置の画像処理器の構成を示す図である。
【図11】この発明の実施の形態1によるレーザ装置の目標情報データベースの構成を示す図である。
【図12】この発明の実施の形態1による目標画像の例を示す図である。
【図13】この発明の実施の形態1による表示器のシンボル表示を示す図である。
【図14】この発明の実施の形態1による光スイッチの一例を示す図である。
【図15】この発明の実施の形態2による光スイッチと波長変換器の構成を示す図である。
【符号の説明】
1 レーザ装置、2 分散開口部、3 レーザ送受信器、4 信号処理部、5電源部、10 レーザ送信器、11 レーザ受信器、12 光スイッチ、13a,13b 光ファイバ、14a,14b 光ファイバ、15 レーザ開口部、16 カメラ、52 波長変換器、53 光学窓、54 光学窓、55 上蓋、60 レーザ出力部、61 光スイッチ、62 光ファイバ、63 フェルール(光ファイバ端末)、65 レンズ、66a,66b ウエッジプリズム、80レーザ発振器、81 光変調器、82 ドライバ回路、83 光増幅器、92光ミクサ、101 画像処理器、103 スイッチ選択器、104 制御器、200 光スイッチ、500 ファイバレーザ。
Claims (14)
- レーザ光を出力するレーザ光源と、
一端と他端の間でレーザ光を伝送する複数の光ファイバと、
前記レーザ光源と前記複数の光ファイバの一端との接続を切替える第1の光スイッチと、
前記複数の光ファイバの他端側に夫々結合する第2の光スイッチ、前記第2の光スイッチと夫々接続し二次曲面もしくは部分球面に所定の角度間隔で配置される複数の光ファイバ端末、前記二次曲面の焦点もしくは前記部分球面の曲率中心に主点あるいは中心を配置されてレーザ光を外部空間に出力するレンズ、を夫々含む複数の分散開口部と、を備えたレーザ装置であり、
前記第1の光スイッチは、指向方向の異なる前記複数の分散開口部のうち、レーザ光を外部空間に出力する分散開口部を選択し、
前記第2の光スイッチは、前記第1の光スイッチで選択された分散開口部内の複数の光ファイバ端末を切替え、前記第1の光スイッチで選択された分散開口部が形成する開口面内での指向方向を変化させる
ことを特徴とするレーザ装置。 - 前記複数の光ファイバの夫々に接続され、入力されるレーザ光から波長の異なるレーザ光を生成し、生成したレーザ光を夫々のレンズに出力する波長変換器を備えたことを特徴とする請求項1記載のレーザ装置。
- 前記レーザ光源は、波長の異なる第1、第2の波長のレーザ光を発生する第1、第2のレーザ発振器を備え、
前記複数の光ファイバは、前記第1、第2の波長に夫々対応してレーザ光を伝送する一対の光ファイバ対を、複数対備え、
前記夫々の光ファイバ対毎に接続され、入力される第1、第2の波長のレーザ光に基づいて波長の異なる第3の波長のレーザ光を生成し、生成された第3の波長のレーザ光を前記夫々のレンズに出力する複数の波長変換器を備え、
前記第1の光スイッチは、前記第1、第2のレーザ発振器と、前記複数の光ファイバ対との接続を切替えるように構成された
ことを特徴とする請求項1記載のレーザ装置。 - 前記波長変換器は、光パラメトリック増幅器によって構成されることを特徴とする請求項2もしくは請求項3に記載のレーザ装置。
- 前記レーザ光源は、信号光、ポンプ光を夫々発生する第1、第2のレーザ発振器を備え、
前記複数の光ファイバは、前記信号光とポンプ光に夫々対応してレーザ光を伝送する一対の光ファイバ対を、複数対備え、
前記夫々の光ファイバ対毎に接続され、入力される信号光を入力されるポンプ光で増幅する、複数の光パラメトリック増幅器を備え、
前記第1の光スイッチは、前記第1、第2のレーザ発振器と、前記複数の光ファイバ対との接続を切替えるように構成された
ことを特徴とする請求項1記載のレーザ装置。 - 前記レーザ光源は、ファイバレーザで構成されたことを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載のレーザ装置。
- 前記第1のレーザ発振器は、連続光を出力するファイバレーザと、前記レーザ光源の出力光を変調する光変調器と、前記光変調器の出力光を増幅する光増幅器とで構成され、
前記第2のレーザ発振器は、ファイバレーザで構成された
ことを特徴とする請求項3もしくは請求項5に記載のレーザ装置。 - レーザ光源から出力され、外部の特定の物体で反射されたレーザ光を受信するレーザ受信器と、
一端と他端の間でレーザ光を伝送する複数の光ファイバと、
前記レーザ受信器と前記複数の光ファイバの一端との接続を切替える第1の光スイッチと、
前記複数の光ファイバの他端側に夫々結合する第2の光スイッチ、前記第2の光スイッチと夫々接続し二次曲面もしくは部分球面に所定の角度間隔で配置される複数の光ファイバ端末、前記二次曲面の焦点もしくは前記部分球面の曲率中心に主点あるいは中心を配置されて外部空間からの入射光を受光するレンズ、を夫々含む複数の分散開口部と、を備えたレーザ装置であり、
前記第1の光スイッチは、指向方向の異なる前記複数の分散開口部のうち、外部空間からの入射光を受光する分散開口部を選択し、
前記第2の光スイッチは、前記第1の光スイッチで選択された分散開口部内の複数の光ファイバ端末を切替え、入射光を受光する光ファイバ端末を選択する
ことを特徴とするレーザ装置。 - 連続光を出力するレーザ発振器と、
変調信号を発生する信号発生器と、
前記信号発生器の出力信号に基づいてレーザ発振器からの連続光を変調する光変調器と、
前記光変調器の出力光を増幅する光増幅器と、
目標からの反射光と前記信号発生器の出力信号に基づいて受信光を変調する光ミクサと、
一端と他端の間でレーザ光を伝送する複数の光ファイバと、
前記複数の光ファイバの夫々の一端に接続された第1の光スイッチと、
前記光増幅器から出力されたレーザ光を前記第1の光スイッチに分配し、前記第1の光スイッチから出力される目標からの反射光を前記光ミクサに分配する光サーキュレータと、
前記光ミクサの出力信号に基づいて受信データ信号を出力する光受信器と、
前記複数の光ファイバの他端と夫々結合する第2の光スイッチ、前記第2の光スイッチと夫々接続し二次曲面もしくは部分球面に所定の角度間隔で配置される複数の光ファイバ端末、前記二次曲面の焦点もしくは前記部分球面の曲率中心に主点あるいは中心を配置されて外部空間にレーザ光を出力するもしくは外部空間からの入射光を受光するレンズ、を夫々含む複数の分散開口部と、を備えたレーザ装置であり、
前記第1の光スイッチは、前記光サーキュレータと前記複数の光ファイバの一端との接続を切替えて、指向方向の異なる前記複数の分散開口部のうち、レーザ光を外部空間に出力するもしくは外部空間からの入射光を受光する分散開口部に接続し、
前記第2の光スイッチは、前記第1の光スイッチで選択された分散開口部内の複数の光ファイバ端末を切替え、前記第1の光スイッチで選択された分散開口部が形成する開口面内での指向方向を変化させるもしくは入射光を受光する光ファイバ端末を選択する
ことを特徴とするレーザ装置。 - 前記夫々のレンズの外部空間側に配置されたウェッジプリズムを備え、
前記ウェッジプリズムは、前記夫々のレンズの光軸回りに回転自在に支持され、その回転角を調整することによってレーザ光の出力方向を変化させることを特徴とする請求項1乃至7の何れかに記載のレーザ装置。 - 前記レンズの光軸方向を視野内に有するカメラを、前記夫々の分散開口部の周辺に備えたことを特徴とする請求項1乃至9の何れかに記載のレーザ装置。
- 前記夫々のカメラは、赤外領域に感度を有したことを特徴とする請求項11記載のレーザ装置。
- 前記夫々のカメラで撮影した映像中から、像からの照度、形状、および動作軌跡に特徴を有する物体を目標として検出する信号処理部を備えたことを特徴とする請求項11記載のレーザ装置。
- 前記複数の分散開口部の夫々には前記レンズの光軸方向を視野内に有するカメラを有し、
前記第1の光スイッチは、前記複数の分散開口部のうち、前記カメラの画像から抽出した目標の動作軌跡に基づき予測した所定時間後の目標の未来位置がレーザ照射領域内に入る分散開口部を選択することを特徴とする請求項1記載のレーザ装置。
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