JP4095247B2 - 電磁フラッシュバルブ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は便器の洗浄装置や浴槽等水槽への給水その他に適用して好適な電磁フラッシュバルブに関し、詳しくは電磁弁の駆動用の発電機及び電磁弁を所定時間開弁状態に保持する機能を備えたものに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、便器に洗浄水を給水して便器洗浄を行う便器の洗浄装置として、大流量で洗浄水(水道水)を流す主水路に連通してパイロット水路を設け、そのパイロット水路上に100V電源で作動する電磁パイロット弁(以下単に電磁弁)を設けて、その電磁弁を開閉することで主水路上の主弁体を開閉するようになしたものが広く用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながらこの場合、100V電源と電磁弁とを接続する電気配線工事を行わなければならず、設置コストが高くなるといった問題がある外、停電時にシステムが作動せず便器洗浄を行えなくなってしまうといった問題があった。
【0004】
またその他この種従来の電磁フラッシュバルブにあっては、電磁弁をある一定の所望時間だけ開弁状態に保持するといった機能を有しておらず、従ってその電磁弁の開弁時間に応じて定量止水を行うことのできないものであった。
以上便器の洗浄装置を例として説明したが、電磁フラッシュバルブを用いて浴槽等水槽への給水を行ったりする際にも同様の問題が生ずる。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の電磁フラッシュバルブはこのような課題を解決するために案出されたものである。
而して請求項1のものは、駆動電力の供給によって電磁弁を開閉駆動する水路開閉用の電磁フラッシュバルブであって、(A)前記電磁弁に与える駆動電力を発生する発電機と(B)手動操作用の操作部材と(C)該操作部材に加えられた、操作力を前記発電機に伝達して該発電機を該操作力に基づいて作動させ発電させる伝達機構と(D)該発電機から供給された駆動電力により前記電磁弁を開弁させるとともに開弁状態を設定時間保持した後閉弁させる開弁保持手段とを有しており、且つ前記電磁フラッシュバルブは、前記操作部材の前進時に同時に前記発電機を作動させて発電し、前記電磁弁に電力供給して開弁作動させるものとなしてあるとともに、前記開弁保持手段が( a )前記電磁弁のプランジャ弁体を磁力により開弁状態に状態保持するラッチマグネットと( b )前記操作部材に加えられた操作力により該操作部材の前進運動とともに弾性変形してエネルギー蓄積し、該操作部材を後退運動させるとともに蓄積したエネルギーを時間をかけて放出し、該操作部材の前進終了により一旦停止した前記発電機を該操作部材の前進時に比べてゆっくりと作動させて電力発生させる戻しばねと( c )該操作部材の後退運動時に発電機で発生した電力を蓄積し、該操作部材の後退開始から設定時間経過後に前記電磁弁に電力供給して閉弁させる制御部とを有していることを特徴とする。
【0006】
請求項2のものは、駆動電力の供給によって電磁弁を開閉駆動する水路開閉用の電磁フラッシュバルブであって、( A )前記電磁弁に与える駆動電力を発生する発電機と( B )手動操作用の操作部材と( C )該操作部材に加えられた、操作力を前記発電機に伝達して該発電機を該操作力に基づいて作動させ発電させる伝達機構と( D )該発電機から供給された駆動電力により前記電磁弁を開弁させるとともに開弁状態を設定時間保持した後閉弁させる開弁保持手段とを有しており、且つ前記電磁弁は電力供給の無い状態では開弁状態を保持しない非ラッチ式の電磁弁となしてあるとともに、前記開弁保持手段が( a )前記操作部材の前進運動を前記発電機に伝達せず、前記電磁弁を閉弁状態のままとするとともに後退運動を該発電機に伝達し発電させるクラッチ機構と( b )該操作部材に加えられた操作力により該操作部材の前進運動とともに弾性変形してエネルギー蓄積し、その後にエネルギー放出により該操作部材を後退運動させるとともに、該発電機を所定時間かけてゆっくりと作動させ発電させる戻しばねとを含んでおり、該発電機から該電磁弁への電力供給を所定時間継続して行うことにより、該電磁弁を設定時間開弁状態に保持した後、電力供給を停止して閉弁させるものであることを特徴とする。
【0007】
請求項3のものは、駆動電力の供給によって電磁弁を開閉駆動する水路開閉用の電磁フラッシュバルブであって、( A )前記電磁弁に与える駆動電力を発生する発電機と( B )手動操作用の操作部材と( C )該操作部材に加えられた、操作力を前記発電機に伝達して該発電機を該操作力に基づいて作動させ発電させる伝達機構と( D )該発電機から供給された駆動電力により前記電磁弁を開弁させるとともに開弁状態を設定時間保持した後閉弁させる開弁保持手段とを有しており、且つ前記電磁弁は電力供給の無い状態では開弁状態を保持しない非ラッチ式の電磁弁となしてあるとともに、前記開弁保持手段が( a )前記操作部材の後退運動を前記発電機に伝達せず、前進運動だけを伝達して該発電機を発電作動させるクラッチ機構と( b )該操作部材の前進運動時に該操作部材に加えられた操作力により運動開始するとともに、その後も慣性により所定時間運動を継続し該発電機を発電作動させ続ける慣性部材とを含んでおり、該発電機から前記電磁弁への電力供給を所定時間継続して行うことにより、該電磁弁を設定時間開弁状態にした後電力供給を停止して閉弁させるものであることを特徴とする。
【0008】
請求項4のものは、請求項1〜3の何れかにおいて、前記電磁弁が主水路を開閉する主弁体のパイロット操作用のパイロット弁であることを特徴とする。
【0009】
請求項5のものは、請求項1〜3の何れかにおいて、前記伝達機構が複数のギヤによる伝達機構となしてあることを特徴とする。
【0010】
請求項6のものは、請求項3において、前記慣性部材がフライホイールであることを特徴とする。
【0011】
請求項7のものは、請求項1〜6の何れかにおいて、前記伝達機構と発電機と開弁保持手段とが、前記操作部材とともに前記電磁弁とは離隔した位置の操作部ユニットに組み込んであり、該電磁弁を該操作部ユニットにおいて遠隔操作するものとなしてあることを特徴とする。
【0012】
【作用及び発明の効果】
以上のように請求項1の電磁フラッシュバルブは、手動操作用の操作部材と、その操作部材に加えられた操作力に基づいて発電を行う発電機とを備え付け、そして発電機から供給された駆動電力により電磁弁を開弁させ且つ開弁状態を設定時間保持した後閉弁させる開弁保持手段を備えたもので、請求項1の電磁フラッシュバルブの場合、従来のものと異なって100V電源と電磁フラッシュバルブとの接続のために電気配線工事を行う必要がなく、簡単に電磁フラッシュバルブを設置でき、設置コストも安価となすことができるとともに、停電時にシステムが作動不能に陥るといった問題も解消することができる。
【0013】
加えてこの電磁フラッシュバルブにあっては、操作部材を操作し、作動開始するだけで電磁弁が開弁保持手段により設定時間開弁状態を保持するため、その設定時間を適当に設定することで、求める水量を給水し且つ給水後において自動的に給水停止することができる。
尚請求項1において、手動操作とは手による操作は勿論、足による操作その他人体の一部による操作を含む概念である。
【0014】
この請求項1においては、上記開弁保持手段を、電磁弁におけるプランジャ弁体を磁力により開弁状態に状態保持するラッチマグネットと、操作部材に加えられた操作力により弾性変形してエネルギー蓄積し、操作部材を後退運動させるとともに発電機を発電作動させる戻しばねと、発電機で発生した電力を蓄積し所定時間経過後に電磁弁に電力供給して閉弁させる制御部とを含んで構成する。
【0015】
この電磁フラッシュバルブの場合、装置を作動開始すべく操作部材を押し込んだとき、その操作力で発電機を勢い良く発電作動させて電磁弁を開弁させる一方、操作部材への操作力を除くと、戻しばねが弾性変形により蓄えたエネルギーを徐々に放出して操作部材を後退運動させるとともに、発電機をゆっくりと発電作動させる。
このとき発生した電力は制御部における蓄電手段に蓄えられていき、そして操作部材の後退開始から設定時間経過すると制御部の制御の下に電磁弁に電力供給されてここに電磁弁が閉弁作動する。
【0016】
即ちこの請求項1の電磁フラッシュバルブは、戻しばねによって発電機がゆっくりと発電作動し、そしてこの緩やかな発電作動を利用して、電磁弁におけるプランジャ弁体を所定時間開弁状態に保持するもので、このようにしておけば簡単な構成で電磁弁を所望時間開弁状態に保持することができる。
【0017】
ここで前記制御部は、前記発生した電力量が一定の電力量に達したとき、設定時間が経過したものとして電磁弁に閉弁のための電力供給を行うものとなしておくことができる。
或いはまた、伝達機構におけるギヤ,軸等の回転数が一定の回転数に到達した時点で、設定時間が経過したものとして電磁弁に閉弁のための電力供給を行うものとなしておくことができる。
【0018】
次に請求項2のものは、操作部材の後退運動だけを発電機に伝達し発電させるクラッチ機構と、操作部材の前進運動により蓄えたエネルギーをその後に放出して発電機を所定時間かけてゆっくりと作動させる戻しばねとを含んで開弁保持手段を構成したもので、この請求項2の電磁フラッシュバルブにあっては、発電機から電磁弁への電力供給を所定時間継続して行うことで、その電磁弁を設定時間開弁状態に保持することができる。
この請求項2の電磁フラッシュバルブにあっても簡単な構成で電磁弁を所望時間だけ開弁状態に保持することができる。
即ち所望時間だけ給水を継続し、その後において給水を自動停止することができる。
【0019】
他方請求項3のものは、操作部材の前進運動により慣性部材を慣性運動させ、その慣性運動の継続時間に応じて発電機を発電させて電磁弁を設定時間開弁状態に保持するようになしたもので、この請求項3の電磁フラッシュバルブにあっても簡単な構成で電磁弁を開弁状態に保持することができる。
ここで慣性部材はフライホイールにて構成しておくことができる(請求項6)。
【0020】
上記電磁弁は、主水路を開閉する主弁体のパイロット操作用のパイロット弁として構成しておくことができる(請求項4)。
このようにしておけば、手動操作によって発電する小型の発電機による少ない電力で、支障なく給水の制御を行うことができる。
【0021】
上記伝達機構は複数のギヤによる伝達機構となしておくことができる(請求項5)。
このようにしておけば、簡単な構造で操作部材に加えられた操作力を発電機に伝達することができる。
【0022】
請求項7のものは、上記伝達機構と、発電機と、開弁保持手段とを操作部材とともに電磁弁とは離隔した位置の操作部ユニットに組み込み、その操作部ユニットにおける操作部材の操作により電磁弁を遠隔操作するようになしたもので、この請求項7の電磁フラッシュバルブにあっては、電磁弁の取付位置に拘らず操作部ユニットを最も操作に適した位置に設置することができる。
【0023】
【実施例】
次に本発明の実施例を図面に基づいて詳しく説明する。
図1は便器の洗浄装置等に用いて好適な発電機付き且つリモコン式の電磁フラッシュバルブの例を示したもので、図中10はその電磁フラッシュバルブにおける管体であり、内部に主水路12を有している。
【0024】
この主水路12の途中箇所には弁座14が設けられている。
16はダイヤフラムから成る主弁体で、この主弁体16が弁座14に着座することで主水路12が遮断される。即ち主水路12における上流側水路12Aと下流側水路12Bとが非連通状態となる。
また主弁体16が弁座14から図中上向きに離間することで主水路12が開放され、ここにおいて上流側水路12Aと下流側水路12Bとが連通した状態となって、流入口18から流入した水が主水路12を流通した後、流出口20から流出する。
【0025】
主弁体16の背面側(図中上面側)には背圧室22が形成されており、通常時は主弁体16はこの背圧室22内部の水圧により弁座14に着座した状態、即ち閉弁状態に保持される。
背圧室22は主弁体16の中心孔23を通じて下流側水路12Bと連通可能とされており、また弁座14の外側において主弁体16に設けられた貫通の小孔を通じて常時上流側水路12Aと連通した状態にある。
【0026】
中心孔23は後述する電磁弁のプランジャ弁体30により通常時は閉鎖された状態にあり、そのプランジャ弁体30が図中上向きに移動して開弁することで、背圧室22が中心孔23を通じて下流側水路12Bに連通した状態となる。
【0027】
24は主弁体16をパイロット操作する電磁弁であって、コイルケーシング26内部に収容されたソレノイドコイル28と、磁性材から成るプランジャ弁体30と、固定コア32と、それらの間に介挿されてプランジャ弁体30を図中下向き、即ち閉弁方向に付勢するばね34と、プランジャ弁体30が開弁位置に来たときこれを磁力により開弁状態に保持するラッチマグネット36とを有している。
【0028】
この電磁弁24及び主弁体16は次のように作用する。
即ち、電磁弁24のプランジャ弁体30は図1に示しているように通常時は主弁体16の中心孔23を閉鎖する閉弁状態にあり、この状態では背圧室22の水圧が給水圧に打ち勝って主弁体16を閉弁状態に保持する。
従ってこのときには主水路12は遮断された状態にあって、主水路12内に水は流通していない(図2(I)参照)。
【0029】
この状態において、電磁弁24のソレノイドコイル28に通電が行われると、ばね34の付勢力により閉弁状態に保持されていたプランジャ弁体30が、電磁的な吸引力により図2(II)中上向きに持ち上げられる。即ちプランジャ弁体30が開弁運動する(図2(II)参照)。
開弁位置に到ったプランジャ弁体30はラッチマグネット36によりその開弁状態に保持され、従って主水路12もまた開放状態に保持される(図3(III)参照)。
従ってこの状態では、流入口18から流入した水が流出口20から流出し、所定の対象物に対して給水が行われる。
【0030】
一方ソレノイドコイル28に対して上記とは逆向きの通電が行われると、開弁状態に保持されていたプランジャ弁体30が電磁的な反発力により図中下向きに押し出され、中心孔23を閉じた状態、即ち閉弁状態となる。
すると、上流側水路12A内の水が主弁体16の小孔を通じて背圧室22内部に流入して背圧室22内の水圧が上昇し、そしてその圧力が一定圧に達すると、背圧室22の水圧が給水圧に打ち勝って主弁体16を閉弁させる。
ここにおいて主水路12が遮断された状態となって給水が停止する(図3(IV)参照)。
【0031】
図1において、38は主弁体16及び電磁弁24とは離隔した位置に設置された操作部ユニットであって、手動操作用の操作部材40を有している。
操作部材40は操作力の入力部42と、その入力部42から延設された棒状部44と、その先端部に設けられたラック部46とを有している。ラック部46にはラックギヤ48が形成されている。
【0032】
操作部ユニット38におけるケーシング47の内部には、複数のギヤを有する伝達機構50が内蔵されている。
この伝達機構50は、ラックギヤ48に噛み合うギヤ51及びこれと一体回転するギヤ52、更にこのギヤ52に噛み合うギヤ54とを有しており、操作部材40の図1中左右の進退運動を各ギヤの回転運動に変換して発電機56に伝達し、発電機56においてこれを発電作動させる。
【0033】
発電機56で発生した電力は制御部58における蓄電手段、例えばコンデンサに蓄えられ、そしてその充電電圧が一定電圧に達したところで、その電力が導線60を通じて電磁弁24のソレノイドコイル28に供給される。
【0034】
本例において、操作部材40は戻しばね45によって常時図中右方向、即ち後退方向に付勢されている。
この戻しばね45は、操作部材40に図中左向きの操作力が加えられて操作部材40が左向きに前進運動すると、自身が弾性変形してエネルギーを蓄積し、操作部材40に対して加えられていた操作力が解除されると、弾性変形により蓄積したエネルギーによって操作部材40を図中右方向に後退運動させる。
【0035】
次に本例の電磁フラッシュバルブの作用を以下に説明する。
本例の電磁フラッシュバルブにあっては、図2(I)に示しているように、操作部材40の入力部42に操作力を加えて、これを図中左向きに強く押し込むと、ラックギヤ48,ギヤ51,52,54を通じてその操作力が発電機56に直ちに伝えられ、発電機56が勢い良く発電作動させられる。
【0036】
発電機56で発電した電力は、制御部58における蓄電手段に蓄えられるが、操作部材40の前進運動時には電力の発生が勢い良く速やかに行われるため、蓄電手段例えばコンデンサへの充電電圧は速やかに一定電圧に達して、発電機56からの電力が速やかに電磁弁24のソレノイドコイル28に供給される。
これにより、図2(II)に示しているようにプランジャ弁体30が開弁作動し且つその開弁状態に保持される。
これとともに主水路12が開放状態となって、所定の対象物に対し給水が行われる。
【0037】
次に操作部材40から手を放して加えていた操作力を除くと、図3(III)に示しているように操作部材40の前進時に弾性変形した戻しばね45の付勢力によって、操作部材40が図中右向きに後退運動を開始する。
その後退運動はラックギヤ48,ギヤ51,52,54を経て発電機56に伝えられ、発電機56が操作部材40の前進時とは逆方向に回転運動して再び電力を発生させる。
【0038】
この戻しばね45の付勢力に基づく発電機56の回転運動は操作部材40の押込時ほど速くはなく、時間をかけてゆっくりと回転運動し、ゆっくりした速度で電力を発生させる。
ここで発生した電力は制御部58における蓄電手段に徐々に蓄えられて行き、そしてその充電電圧が一定電圧に達したところで制御部58から電磁弁24のソレノイドコイル28に電力供給され、ここにおいて開弁状態にあったプランジャ弁体30が電磁的な反発力により閉弁作動し、主水路12を再び遮断状態とする(図3(IV)参照)。
【0039】
図1(B)は、電磁弁24におけるソレノイドコイル28への電力供給のタイミングを表したものである。
同図において最初の上向きのピークは、操作部材40を押し込んだときに行われるソレノイドコイル28への通電を、また後の下向きのピークは、操作部材40がゆっくりと時間をかけて後退運動し、そして発電機56で発生した電力が所定電力量に達したときに行われるソレノイドコイル28への通電をそれぞれ表している。
【0040】
この図1(B)に示しているように、ソレノイドコイル28への最初の通電から、プランジャ弁体30の閉弁のための後の通電までの間には所定の時間間隔があり、この間プランジャ弁体30は開弁状態に保持されて、これに対応した流量で給水が行われる。
即ちこの電磁フラッシュバルブを通じて、所定の対象物に対しプランジャ弁体30の開弁時間に対応した給水量で定量給水(定量止水)が行われる。
【0041】
以上のような本例の電磁フラッシュバルブの場合、従来のものと異なって100V電源との接続のために電気配線工事を行う必要がなく、簡単に電磁フラッシュバルブを設置でき、設置コストも安価となすことができるとともに、停電時にシステムが作動不能に陥るといった問題も解消することができる。
【0042】
加えて本例の電磁フラッシュバルブにあっては、操作部材40を操作し、作動開始するだけで電磁弁24が設定時間開弁状態を保持した後自動的に閉弁するため、その設定時間を適当に設定することで求める水量を給水し且つ給水後において自動的に給水停止することができる。
【0043】
また本例の電磁フラッシュバルブにおいては、戻しばね45による発電機56のゆっくりとした発電動作を利用して、電磁弁24におけるプランジャ弁体30を所定時間開弁状態に保持するため、簡単な構成で電磁弁24における所望時間の開弁状態を保持することができる。
【0044】
また本例のものは、電磁弁24とは離隔した位置に操作部ユニット38を設置するように構成してあるため、電磁弁24の取付位置に拘らず操作部ユニット38を最も操作に適した位置に位置させておくことができる。
【0045】
図4は本発明の他の実施例を示している。
この例においては、上記実施例と異なって電磁弁24がプランジャ弁体30を開弁後において開弁状態に状態保持するラッチマグネットを備えていない。即ちこの例の電磁弁24は非ラッチ式の電磁弁である。
【0046】
一方操作部ユニット38は、ケーシング47内部に上記と同様の構成のギヤ51,52,54を備えた伝達機構50を内蔵している点で上記実施例と同様であるが、この例ではギヤ51と52との間にクラッチ機構62が介挿されており、操作部材40の前進運動がギヤ52に、つまり発電機56に伝達されず、戻しばね45による操作部材40の後退運動だけがクラッチ機構62を介してギヤ52,54、更には発電機56へと伝達されるようになっている。
【0047】
このクラッチ機構62は、例えば図5のように構成することができる。
図中64はクラッチ機構62における回転子で、各端部に係合爪66が設けられている。一方ギヤ52側には係合歯68が形成されている。
【0048】
このクラッチ機構62の場合、回転子64がギヤ51とともに図5(B)中矢印P2方向に回転するときには、係合爪66と係合歯68とが非係合状態となって、操作部材40の図中左向きの前進運動をギヤ52には伝えず、図5(A)に示しているように回転子64が矢印P1方向に回転するときだけ、係合爪66と係合歯68とが係合状態となって、ギヤ51の矢印P1方向の回転運動をギヤ52に伝達する。
即ちクラッチ機構62は、操作部材40の前進運動を発電機56に伝達せず、後退運動だけを発電機56に伝達して、これを発電作動させる。
【0049】
この例の電磁フラッシュバルブの場合、図6(I)に示す当初の状態から操作部材40を図中左向きに押し込むと、クラッチ機構62における回転子64が空回転し、発電機56は発電作動を行わない。
而して操作部材40を前進端まで押し込んだ後(図6(II)参照)手を放すと、戻しばね45の付勢力で操作部材40が後退運動を開始する。
このとき図7(III)に示しているように発電機56がゆっくりと回転運動し電力を発生させる。
【0050】
発生した電力は電磁弁24へと供給され、閉弁状態にあるプランジャ弁体30が開弁運動する。
発電機56は、操作部材40のゆっくりとした後退運動に伴って一定時間発電作動し続け、この間プランジャ弁体30は開弁状態に保持される(図4(B)参照)。
【0051】
そして操作部材40がほぼ当初の位置に戻ったところで発電機56の発電が停止し、ここにおいてプランジャ弁体30がこれを閉弁方向に付勢するスプリング34の付勢力で閉弁運動して、ここに主水路12が遮断される。即ち給水が停止する。
【0052】
このように本例では、操作部材40の後退運動時に発電機56から電磁弁24への電力供給を所定時間継続して行う。これによりその電磁弁24を設定時間開弁状態に保持する。かかる本例の電磁フラッシュバルブにあっても、簡単な構成で電磁弁24を所望時間だけ開弁状態に保持することができ、所望時間だけ給水を継続してその後に給水を自動停止することができる。
【0053】
図8は本発明の更に他の実施例を示している。
この例においても、電磁弁24は第2の実施例(図4の実施例)と同様に、ラッチマグネットを有しない非ラッチ式のものである。
一方操作部ユニット38における操作部材40は軸64の回りに回動するレバー式のものであって、その操作部材40の先端部にはケーシング47内部においてギヤ68が一体回転状態に固設されている。
【0054】
尚、この例においてもギヤ51と52との間にクラッチ機構62が介挿されており、操作部材40の下向きの回動運動、即ち前進方向の回動運動のときだけ、その運動が伝達機構50を介して発電機56に伝えられ、戻りの運動はギヤ51と52との間に介挿されたクラッチ機構62によって伝達されない。
【0055】
本例ではまた、ギヤ52と一体回転する状態で慣性部材としてのフライホイール70が設けられている。
この例の場合、レバー式の操作部材40を図中下向きに押下げ操作すると、その運動が発電機56に伝えられ、発電機56が発電作動する。
【0056】
この例では、操作部材40に対する操作力を除いても、その後フライホイール70が慣性力で回転運動を継続し、これによって発電機56を一定時間発電作動させ続ける。
その間、電磁弁24のソレノイドコイル28に対する電力供給が継続され、プランジャ弁体30が開弁状態を保持する。
【0057】
そしてフライホイール70の慣性力が消失して動きを停止すると、これとともに発電機56が発電停止し、ソレノイドコイル28への電力供給が停止する。
ここにおいて電磁弁24のプランジャ弁体30が再び閉弁作動し、主水路12を閉鎖する。
【0058】
以上本発明の実施例を詳述したがこれはあくまで一例示であり、本発明はその主旨を逸脱しない範囲において種々変更を加えた形態で構成可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例である電磁フラッシュバルブを示す図である。
【図2】 同じ電磁フラッシュバルブの一作用状態を示す図である。
【図3】 図2に続く一作用状態を示す図である。
【図4】 本発明の他の実施例の電磁フラッシュバルブを示す図である。
【図5】 図4のクラッチ機構を示す図である。
【図6】 同じ実施例の電磁フラッシュバルブの一作用状態を示す図である。
【図7】 図6に続く一作用状態を示す図である。
【図8】 本発明の他の実施例の電磁フラッシュバルブを示す図である。
【符号の説明】
12 主水路
16 主弁体
24 電磁弁
36 ラッチマグネット
38 操作部ユニット
40 操作部材
45 戻しばね
48 伝達機構
51,52,54 ギヤ
56 発電機
58 制御部
62 クラッチ機構
70 フライホイール
Claims (7)
- 駆動電力の供給によって電磁弁を開閉駆動する水路開閉用の電磁フラッシュバルブであって、
(A)前記電磁弁に与える駆動電力を発生する発電機と
(B)手動操作用の操作部材と
(C)該操作部材に加えられた、操作力を前記発電機に伝達して該発電機を該操作力に基づいて作動させ発電させる伝達機構と
(D)該発電機から供給された駆動電力により前記電磁弁を開弁させるとともに開弁状態を設定時間保持した後閉弁させる開弁保持手段と
を有しており、
且つ前記電磁フラッシュバルブは、前記操作部材の前進時に同時に前記発電機を作動させて発電し、前記電磁弁に電力供給して開弁作動させるものとなしてあるとともに、前記開弁保持手段が
( a )前記電磁弁のプランジャ弁体を磁力により開弁状態に状態保持するラッチマグネットと
( b )前記操作部材に加えられた操作力により該操作部材の前進運動とともに弾性変形してエネルギー蓄積し、該操作部材を後退運動させるとともに蓄積したエネルギーを時間をかけて放出し、該操作部材の前進終了により一旦停止した前記発電機を該操作部材の前進時に比べてゆっくりと作動させて電力発生させる戻しばねと
( c )該操作部材の後退運動時に発電機で発生した電力を蓄積し、該操作部材の後退開始から設定時間経過後に前記電磁弁に電力供給して閉弁させる制御部と
を有していることを特徴とする電磁フラッシュバルブ。 - 駆動電力の供給によって電磁弁を開閉駆動する水路開閉用の電磁フラッシュバルブであって、
( A )前記電磁弁に与える駆動電力を発生する発電機と
( B )手動操作用の操作部材と
( C )該操作部材に加えられた、操作力を前記発電機に伝達して該発電機を該操作力に基づいて作動させ発電させる伝達機構と
( D )該発電機から供給された駆動電力により前記電磁弁を開弁させるとともに開弁状態を設定時間保持した後閉弁させる開弁保持手段と
を有しており、
且つ前記電磁弁は電力供給の無い状態では開弁状態を保持しない非ラッチ式の電磁弁となしてあるとともに、前記開弁保持手段が
( a )前記操作部材の前進運動を前記発電機に伝達せず、前記電磁弁を閉弁状態のままとするとともに後退運動を該発電機に伝達し発電させるクラッチ機構と
( b )該操作部材に加えられた操作力により該操作部材の前進運動とともに弾性変形してエネルギー蓄積し、その後にエネルギー放出により該操作部材を後退運動させるとともに、該発電機を所定時間かけてゆっくりと作動させ発電させる戻しばねと
を含んでおり、該発電機から該電磁弁への電力供給を所定時間継続して行うことにより、該電磁弁を設定時間開弁状態に保持した後、電力供給を停止して閉弁させるものであることを特徴とする電磁フラッシュバルブ。 - 駆動電力の供給によって電磁弁を開閉駆動する水路開閉用の電磁フラッシュバルブであって、
( A )前記電磁弁に与える駆動電力を発生する発電機と
( B )手動操作用の操作部材と
( C )該操作部材に加えられた、操作力を前記発電機に伝達して該発電機を該操作力に基づいて作動させ発電させる伝達機構と
( D )該発電機から供給された駆動電力により前記電磁弁を開弁させるとともに開弁状 態を設定時間保持した後閉弁させる開弁保持手段と
を有しており、
且つ前記電磁弁は電力供給の無い状態では開弁状態を保持しない非ラッチ式の電磁弁となしてあるとともに、前記開弁保持手段が
( a )前記操作部材の後退運動を前記発電機に伝達せず、前進運動だけを伝達して該発電機を発電作動させるクラッチ機構と
( b )該操作部材の前進運動時に該操作部材に加えられた操作力により運動開始するとともに、その後も慣性により所定時間運動を継続し該発電機を発電作動させ続ける慣性部材と
を含んでおり、該発電機から前記電磁弁への電力供給を所定時間継続して行うことにより、該電磁弁を設定時間開弁状態にした後電力供給を停止して閉弁させるものであることを特徴とする電磁フラッシュバルブ。 - 請求項1〜3の何れかにおいて、前記電磁弁が主水路を開閉する主弁体のパイロット操作用のパイロット弁であることを特徴とする電磁フラッシュバルブ。
- 請求項1〜3の何れかにおいて、前記伝達機構が複数のギヤによる伝達機構となしてあることを特徴とする電磁フラッシュバルブ。
- 請求項3において、前記慣性部材がフライホイールであることを特徴とする電磁フラッシュバルブ。
- 請求項1〜6の何れかにおいて、前記伝達機構と発電機と開弁保持手段とが、前記操作部材とともに前記電磁弁とは離隔した位置の操作部ユニットに組み込んであり、該電磁弁を該操作部ユニットにおいて遠隔操作するものとなしてあることを特徴とする電磁フラッシュバルブ。
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