JP2678389B2 - 電子水栓 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は、電子的に水道水等の液体の吐水量を制御す
る電子水栓に係わり、吐水量の多段的な（例えば、大、
小、OFF）制御を行うタンク式のトイレ用の電子水栓に
関するものである。

［従来の技術］ 従来の電子水栓は主として手洗い用であり、吐水量の
多いトイレの大便器洗浄用水等を制御するものはなかっ
た。

［発明が解決しようとする課題］ しかしながら、トイレの大便器の洗浄においても、手
洗い用電子水栓のように簡単な操作で洗浄が行える装置
が望まれていた。

本発明は、上記課題を解決するもので、簡単な操作で
吐水量の大小を選択し、洗浄用水等の吐水を行う装置の
提供を目的としている。

［課題を解決するための手段］ 上記課題を解決するために本発明の電子水栓は、吐水
量に対応したスイッチを持つ操作部と、前記操作部のス
イッチ操作に対応し吐水量を制御するための電気信号を
出力させ吐水後一定時間後に止水を行なうためのタイマ
ー機能を有する制御部と、流路に設けられ液体の吐水量
を可変できるバルブと、前記制御部から出力される電気
信号により前記バルブを動作させるアクチュエータと、
前記制御部と前記アクチュエータを動作させるための電
源部とにより構成されているものである。

［作用］ 本発明に基づく電子水栓では、吐水量の大小に対応し
たスイッチの軽圧接触操作によりアクチュエータとして
のソレノイドを駆動し、流路に設けられたバルブの動作
を制御することにより一定量もしくは一定時間の吐水を
行い、大便器の洗浄を効率良く行うことができる。

［実施例］ 以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。な
お、ブロック図中の実線部 は電気的作用もしくは関係を、点線部 は機械的作用もしくは関係を示す。

第１図は、本発明の実施例の基本的な構成を示すブロ
ック図で、１は操作部であり、吐水量に対し対応したス
イッチからなる。２は制御部であり、前記操作部１のス
イッチ操作に対応して、吐水量を制御するための電気信
号を出力させる。３はアクチュエータであり、前記制御
部２からの電気信号により流路に設けられた液体の吐水
量を可変するためのバルブ４を機械的に駆動する。この
バルブ４の動作量により吐水量は変化する。６は電源部
であり、各部に動作に必要な電力を供給する。

第２図は、第１図に示されたブロック図を基に構成さ
れた１つの具体的な実施例であり、操作部15は吐水量
「小」に対応したスイッチＡ（７）と吐水量「大」に対
応したスイッチＢ（８）により構成される。９は制御回
路で、前記操作部14のスイッチＡとスイチＢの操作に対
応した吐水量を制御するための電気信号を、アクチュエ
ータ駆動回路11に出力する。このアクチュエータ駆動回
路11は前記制御回路９よりの信号を、アクチュエータ12
を駆動可能な電圧に変換し、アクチュエータ12を駆動さ
せる。このアクチュエータ12は第４図に示すように、３
つのコイル31、32、33を固定子34とし、永久磁石30を回
転子35とした一種のロータリーソレノイドにより構成さ
る。このコイル１（31）を通電させると、永久磁石30と
電磁石（コイル１）の吸引力により第４図（１）の状態
に、コイル２（32）を通電させると第４図（２）の状態
に、コイル３（33）を通電させると第４図（３）の状態
になる。このように、各コイルの通電状態を変えること
により回転子35を第４図の（１）（２）（３）に示すよ
うに回転できる。13は液体の吐水量を可変するバルブで
あり、第３図に示すようにタンク式の家庭用の水洗トイ
レのサイホン23と弁に相当するゴムフロート21により構
成される。前記アクチュエータ12の回転軸36の延長上に
取り付けられたレバー22を、指示された吐水量に対応し
第３図の（１）（２）（３）に示すように回転させ、バ
ルブ13の弁に相当するゴムフロート21を引き上げ吐水量
を制御させる。この時のゴムフロート21の引き上げ量に
より吐水量を変化させている。またこのバルブ13は、吐
水量「大」（第３図（３））の時には、アクチュエータ
12の動作が初期状態に復帰しても、タンク内の水がなく
ならないと止水しない一定量吐水の機能を有している。
10はタイマ回路で、前記アクチュエータ12を動作（吐水
位置）後一定時間後に初期状態（止水位置）に復帰させ
るためのものであり、前記制御回路９の指令により動作
し、前記操作部15のスイッチ操作に対応した適切な時間
を設定することで、効率の良い洗浄動作が可能となって
いる。17は電源回路であり、各回路に動作に必要な電力
を供給する。

次に第５図を基に動作について説明する。第５図は、
第２図における要部のタイムチャートであり、操作部15
の吐水量「大」「小」に対応したスイッチがそれぞれ押
された場合の各主要部の動作状態を示している。まず、
吐水量「小」に対応するスイッチＡが押されると（A1,A
2）、アクチュエータ12のコイル２（32）が通電され（C
1,C3）、アクチュエータ12は吐水量「小」に対応する動
作位置まで回転する（流量小）。スイッチＡの押されて
いる時間が設定時間（T1）より短い場合（A1）、設定時
間（T1）だけ吐水が行われ、その後アクチュエータ12の
コイル１（31）が通電されて（C2）、アクチュエータ12
は初期状態（止水状態）まで復帰する。スイッチＡの押
されている時間が設定時間（T1）より長い場合は（A
2）、このスイッチが押されているあいだ小流量の吐水
が行われ、スイッチを離すと止水する（C4）。

次に、吐水量「大」対応したスイッチＢが押された場
合は（B1,B2）、アクチュエータ12のコイル２（32）の
通電（C5,C9）、コイル３（33）の通電（C6,C10）の動
作が順次行われ、アクチュエータは吐水量「小」に対応
する動作位置を通って吐水量「大」に対応する動作位置
まで回転し、大流量の吐水が行われる。スイッチＢを押
している時間に関わりなく一定時間後（T2）、コイル２
（32）の通電（C7,C11）、コイル１（31）の通電（C8,C
12）が順次行われ、アクチュエータ12は、前記吐水動作
とは逆の方向に回転し、初期状態（止水状態）に復帰す
る。吐水量「大」の時にはアクチュエータの動作時間に
関係なくバルブの機構により一定量の吐水が行われる。

［効果］ 以上のように、本発明によれば、操作部の吐水量に対
応したスイッチの軽圧接触操作により、トイレの大便器
の洗浄用水等を多段的に吐水させることができ、大便器
の洗浄を効率良く行うことができる。

【図面の簡単な説明】 第１図は、本発明の実施例の構成を示すブロック図で、
第２図は、第１図に示された構成を基に実施された１つ
の具体的な実施例、第３図は、第２図に示されたバルブ
の具体的構成図、第４図は、第２図に示されたアクチュ
エータの具体的な構成図、第５図は、第２図における要
部のタイムチャートである。 1,15……操作部、2,16……制御部、3,12……アクチュエ
ータ、4,13……バルブ、6,17……電源部

Claims (3)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】吐水量に対応したスイッチを持つ操作部
   と、前記操作部のスイッチ操作に対応し吐水量を制御す
   るための電気信号を出力させ吐水後一定時間後に止水を
   行なうためのタイマー機能を有する制御部と、流路に設
   けられ液体の吐水量を可変できるバルブと、前記制御部
   から出力される電気信号により前記バルブを動作させる
   アクチュエータと、前記制御部と前記アクチュエータを
   動作させるための電源部とからなり、前記操作部のスイ
   ッチ操作により電子的に水道水などの液体の吐出量を制
   御しうる電子水栓。
2. 【請求項２】バルブが、前記アクチュエータの動作が初
   期状態に復帰しても一定時間または一定量の吐水を行な
   いうるよう機械的に構成された請求項１記載の電子水
   栓。
3. 【請求項３】アクチュエータが、磁気回路に永久磁石を
   使用した直流ソレノイドで構成された請求項１または２
   記載の電子水栓。