JP4095229B2 - カートリッジ式棒状化粧材容器 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、カートリッジ式棒状化粧材が着脱自在に嵌合される化粧材容器において、その棒状化粧材を塗布する際に使用する塗布具(化粧用備品)を複数併せ持つ棒状化粧材容器に関する。
【0002】
【従来の技術】
カートリッジ式の棒状化粧材容器のカートリッジに内蔵された棒状化粧材は、例えばアイブロウ、アイライナー、リップライナー等であるが、一本の容器本体に対してそれぞれのカートリッジが交換可能なため、従来の単一な製品よりもリーズナブルに使用できるものであり、そのため、広く一般に利用されている。
【0003】
これら棒状化粧材を用いる化粧法においては、アイブロウのように眉毛にぼかしながら使用するものには、これをぼかすためのやや硬めのチップやブラシを必要とし、アイライナーのように目の周辺を縁取ったりするものには、まぶたのようなデリケートな部位を考慮した柔らかなチップを使用してぼかしたり、またリップライナーにおいては当然ながらリップブラシを用いて口紅との境目をぼかすなど、使用する棒状化粧材の材質や使用部位によって、その対応にふさわしい棒状化粧材用の備品が使用されている。
【0004】
そのため、現状では便宜を図ってほとんどのカートリッジタイプの棒状化粧材の容器本体の後方には、マスカラブラシやチップ等が固着された状態で販売されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
前述したように、一つの容器本体で様々なタイプの棒状化粧材のカートリッジに対応するため、例えば本体に固着された化粧用備品がマスカラブラシであるとすると、リップライナーやアイライナーなどには適応しないものとなり、カートリッジを交換した際には別個にリップブラシなりアイライナーをぼかすチップなりを用意せねばならなくなる。そのため、使用者からは出来れば着脱するカートリッジ内部に包括された棒状化粧材にあわせ、それに適応する化粧用備品を容器本体の後方に交換可能に取り付けられれば、と言う要請が出てきた。しかも携帯性や美観を考慮して、なるべく容器本体を太くすることなくスマートな外観を保ちつつも、多くの備品を交換可能にすることが必要となってきた。
【0006】
過去に市場に、容器本体に取り替え可能な化粧用備品を複数セットし、ケースに詰めて販売した商品が出たことがあるが、カートリッジ交換の際にはいちいち備品を取り外して交換して装着せねばならず、結果ケースごと持ち運ばねばならなくなり、かえって携帯性や利便性を損なう結果となっていた。
【0007】
【課題を解決するための手段】
第1の発明は、円筒状の容器本体と、前記容器本体の一方の開口孔側より容器本体内部に挿入され、着脱自在に嵌合するカートリッジを備え、前記容器本体とカートリッジとの相対回転によって、前記カートリッジ内の棒状化粧材を進退させるカートリッジ式棒状化粧材の化粧材容器において、両端に化粧用備品を設けた化粧用備品部材を備え、前記化粧用備品部材は、ほぼ中央に雄ネジを形成し、この雄ネジより軸方向両側に伸びるほぼ同径の棒状部とから形成され、前記棒状部の両端にそれぞれ化粧用備品が固着されるとともに、前記棒状部にキャップが着脱自在に係合され、前記容器本体の他方の開口孔の内面に螺旋溝を設け、前記化粧用備品部材は、前記雄ネジを介して前記他方の開口孔の内面の螺旋溝に着脱可能に螺合される。
【0009】
の発明は前記容器本体はプラスティックの成型用金型を用いて製作され、前記螺旋溝は前記一方の開口孔側内面に軸方向に延設された係合条部とともに前記容器本体内面に形成され、前記係合条部は前記一方の開口孔側より挿入されるカートリッジと係合する。
【0011】
の発明は前記化粧用備品部材の両端に取り付けられる化粧用備品は、交換できる。
【0012】
の発明は、円筒状の容器本体と、前記容器本体の一方の開口孔側より容器本体内部に挿入され、着脱自在に嵌合するカートリッジを備え、前記容器本体とカートリッジとの相対回転によって、前記カートリッジ内の棒状化粧材を進退させるカートリッジ式棒状化粧材の化粧材容器において、両端に化粧用備品を設けた化粧用備品部材を備え、前記化粧用備品部材は、中央の筒部と、筒部の両側に延設される棒状部とを備え、前記棒状部端部はそれぞれ化粧用備品を固着可能な形状を有していると共に、前記筒部外面に前記容器本体内面と摩擦抵抗を生じる弾性体が巻装され、前記化粧用備品部材は、前記容器本体の他方の開口孔側より、前記筒部を介して容器本体内に着脱可能に係合する。
【0013】
の発明は前記化粧用備品部材の筒部外面に巻装される弾性体がOリングである。
【0014】
の発明は前記化粧用備品部材の筒部は両側の棒状部より大径に形成され、前記容器本体内面に段部を形成し、前記筒部の端面が当接する。
【0015】
の発明は前記容器本体の他方の開口端面より突出している化粧用備品部材の棒状部に対し、前記キャップが着脱自在に嵌着されている。
【0016】
の発明は前記化粧用備品部材の棒状部に雄ネジを形成し、前記キャップに設けられた雌ネジがこの雄ネジに螺合することによって、前記キャップを前記棒状部に螺合したまま、前記容器本体内より前記化粧用備品部材を引き抜き可能とした。
【0017】
【発明の作用および効果】
第1の発明においては、容器本体の一方の開口孔から容器本体内に挿入され、両端部にそれぞれ、チップやマスカラブラシ、リップブラシなどの化粧用備品を設けた化粧用備品部材を容器本体に着脱可能に装着することにより、使用者は化粧用備品使用時には突出している化粧用備品を使用すればよく、さらに、突出していない別の端(容器本体内側)の化粧用備品を使用するには、化粧用備品部材を容器本体より引き抜き、前後を入れ替えて開口孔に再び装着し、所望の備品を開口孔より露出させればよい。
【0018】
すなわち、従来においては取り外し不可の単品の化粧用備品や、または単品の化粧用備品を複数揃えてカートリッジのように付け替えて使用するしかなかったものが、容器本体と着脱可能な化粧用備品部材を採用することにより、前後を入れ替えるだけで一本のカートリッジ式棒状化粧材繰出容器に対し、単品でありながらも複数の備品を使用可能とすることができる。
また、両端に化粧用備品を固着した化粧用備品部材を挿入できる両端開口状の容器本体の一方の開口孔の内面に螺旋溝を設け、化粧用備品部材のほぼ中央に雄ネジを形成し、この雄ネジと容器本体の螺旋溝とを螺合して、着脱自在とするものである。
また、着脱可能に装着されるキャップを備えるので、キャップの取り外しが容易であると共に、装着時に化粧用備品部材の棒状部と嵌合するため、他に外径に影響を与える部材等が介在しないので、容器本体の外径は最小を保つことが出来る。
【0020】
の発明においては、容器本体は、プラスティックの成形用金型で、螺旋溝、及び係合条部を一度に製作することが可能であるので、一部材のみで容器本体を形成でき、コストを抑制することができる。
【0022】
の発明においては、前記化粧用備品部材の両端に取り付けられる化粧用備品が、交換可能になっており、棒状化粧材に対応した化粧用備品に交換することができる。
【0023】
化粧用備品部材に固着されている、チップやブラシなどの化粧用備品であるが、硬質なマスカラブラシなどに比べ、チップ等は軟質なNBRなどで製作されている。そのため、どうしてもマスカラブラシなどに比べると耐久性がなく、摩耗が激しく傷んでしまいやすいので、せっかく両端使用可能な化粧用備品部材でも、新しい化粧用備品部材を丸ごと購入するか、容器本体を新たにせざるを得ない。
【0024】
これに対応するため、直接化粧用備品を化粧用備品部材の棒状部に固着するのみではなく、化粧用備品部材の一端に着脱可能に化粧用備品を装着した。このようにすれば、たとえ軟質な備品が傷んだとしても、化粧用備品部材を丸ごと買い換えることなく、化粧用備品のみを交換して使用を続けることが可能となるため、より経済的で、無駄のないものとなる。なお、部品の交換は一端のみならず、両端とも可能である。
【0025】
4、5の発明においては、化粧用備品部材の中央には筒部が形成されており、ここを中心として両側に棒状部が延設されていて、この棒状部前部はそれぞれ化粧用備品が固着可能な形状をしている。さらに、筒部には容器本体内面と接し、摩擦抵抗を生じる弾性体(例えばOリング)が巻装されているので、容器本体と、化粧用備品部材を取り付け、取り外しを容器本体と弾性体との間の摩擦力で制御することができ、ネジ等の複雑な構造を用いることなく取り付け、取り外しを達成することができる。
【0026】
の発明においては、化粧用備品部材の筒部は、両軸の棒状部より大径に設定されており、容器本体内に形成されている段部に、大径に設定された筒部の端面が当接することにより化粧用備品部材の容器本体挿入限度が定められ、それにより、確実に他方の露出している側の棒状部の突出長さが決定される。
【0027】
の発明においては、容器本体後部開口孔より突出している側の化粧用備品部材の棒状部に、キャップが着脱自在に嵌着されるので、他に外径に影響を与える部材等が介在せず、容器本体の外径は最小を保つことが出来る。
【0028】
の発明においては、化粧用備品部材の棒状部に雄ネジを形成し、キャップにも、棒状部の雄ネジと螺合可能な雌ネジを形成することにより、棒状部とキャップを螺合させ、キャップを棒状部に螺合により装着させたまま、容器本体内よりキャップ及び化粧用備品部材を引き抜くことを可能としている。
【0029】
これにより化粧用備品部材の容器本体内側の化粧用備品を使用する際には、キャップを引き抜き、化粧用備品部材の前後を入れ替えるというプロセスを省いて、そのままキャップとともに引き抜くだけで、キャップを持ち手にして使用できる。
【0030】
【発明の実施の形態】
添付した図面に基づいて、本発明の実施形態の棒状化粧材容器を詳細に説明する。
【0031】
図1は棒状化粧材容器1の縦断面図である。そして図2は、カートリッジ2を構成する筒体40と、容器本体10の係合条部14との同期係合部を示した断面図である。
【0032】
図1の棒状化粧材容器1は、円筒状の容器本体10の一方の開口孔11側にはカートリッジ2が着脱自在に取り付けられ、他方の開口孔12側には、化粧用備品部材20がその外面に設けられた雄ネジ21と容器本体10内の螺旋溝13とが螺合することで交換可能となっている。また化粧用備品部材20両端に固着されたそれぞれの化粧用備品(図1の場合はマスカラブラシ25aとチップ25b)もまた交換可能となっている。
【0033】
図1を参照しながらさらに詳細に説明を続けると、図3に示すように先筒30と筒体40及び竿体50等によりカートリッジ2が構成され、先筒30と筒体40とは相対回転可能に連結されている。カートリッジ2内には、棒状化粧材Aがその一端部を竿体50の化粧材保持部53により保持され、先筒30と筒体40の相対回転により、先筒30の先端開口孔31より進出可能となる。
【0034】
竿体50の棒状部51の表面には、複数の突起52が螺旋状に整列した形で配され、筒体40の先筒30との連結部に設けられた小径部42内面に形成される螺旋溝43に螺合し、竿体50を前進、後退できるものである。竿体50端部には先筒30内に位置するようにカップ状の化粧材保持部53が配され、これにより棒状化粧材Aを保持するものであるが、この化粧材保持部53は、図4に詳しく図示されているように、断面楕円状に形成され、先筒30内を軸方向に回動不能に摺動する。つまり、竿体50は先筒30と回動不能に摺動する関係にあり、筒体40とは螺合する繰出関係にあるわけで、カートリッジ2は、先筒30と筒体40との相対回転により棒状化粧材Aが進出することになる。
【0035】
そのため、カートリッジ2の筒体40下部外面には縦リブ41が形成され、容器本体10内に収容された時には、容器本体10内の係合条部14と係合し、従って筒体40は、容器本体10と同期の回転をすることになる。そのため使用者は容器本体10内に収容されたカートリッジ2の先筒30と容器本体10とを相対回転させることによって、棒状化粧材Aの進退を可能にすることが出来る。
【0036】
図5に示すように、容器本体10の他方の開口孔12側には、その内面に螺旋溝13が形成されている。この螺旋溝13から一方の開口孔11に向けて複数の係合条部14が軸方向に延設されている。係合条部14と螺旋溝13との間にはフランジ部17が環状に形成される。
【0037】
この係合条部14は、螺旋溝13を製作する際の回転止めとして利用されるものであるが、それと同時にカートリッジ2の筒体40の同期係合縦リブ41との係合にも利用されるものである。
【0038】
図6に示すように化粧用備品部材20は、その両端部にそれぞれの化粧用備品25a、25cを保持するように腔部22c、22dを設けて、それぞれの化粧用備品、第1の実施形態に用いられる図6の場合においてはマスカラブラシ25aとリップブラシ25cを固着する。化粧用備品部材20のほぼ中央外面20aには、容器本体10の他方の開口孔12側の内部螺旋溝13に螺合する雄ネジ21を有している。容器本体10の他方の開口孔12より突出する棒状部22aもしくは22bには、図1に示すキャップ4の開口部近傍内面に設けられた嵌合凹環状部4aと着脱自在に嵌着する係合突起23a、23bが配されている。
【0039】
本発明の一つの特徴に、図1で見られるように、キャップ4は備品部材20の容器本体10の開口孔12側の端面15より突出した棒状部22aもしくは22bに係合することがあげられる。これにより、容器外径の大径化を抑制することが可能となる。
【0040】
図1の実施形態においては、キャップ4は単体で開口側近傍内面に嵌合凹環状部4aを形成している。よって棒状部22a、22bの外径をキャップ4の内径とほぼ同径とし、係合突起23a、23bを前記キャップ4の嵌合凹環状部4aに係合するようにした。
【0041】
さらなる特徴としては、容器本体10は、射出成形による金型で製造することができることである。カートリッジ2の先筒30の係合突起32と回動可能に嵌合する嵌合凹環状部16、開口孔12側内周の螺旋溝13、およびフランジ部17を設け、これより螺旋溝13を金型から抜くための回転止めとしての複数の係合条部14を一度に製作可能なため、一部材で容器本体10は製作可能となる。
【0042】
容器本体の開口孔12より、螺合して挿入される化粧用備品部材20は、雄ネジ21と容器本体10の螺旋溝13により案内され、フランジ部17に当接することで、挿入が終了する。
【0043】
また、図1を例に取ると、キャップ4の抜き差しは、化粧用備品部材20の棒状部22bの係合突起23bによって行われる。キャップ4の抜き差しは軸方向の上下のみの運動であり、回転運動に対しては負荷がかからないため、化粧用備品部材20の係合の状況には何ら影響を与えることがない。
【0044】
図7は板バネを使用したキャップ104を用いた第2の実施形態の化粧用備品部材120を示しているが、化粧用備品部材120の雄ネジ121部の中央に雄ネジ121より大径のセンターフランジ124を設け、キャップ104内面に複数の板バネ6を配したものである。
【0045】
センターフランジ124を基点として左右に、同等の雄ネジ121a、121bを形成し、この雄ネジのいずれかを容器本体10の螺旋溝13と螺合させるわけであるが、この場合、センターフランジ124が容器本体10の端面15(図5に示す)に当接することにより、両者の螺合を完了させる。さらにキャップ104内に板バネ6を配し、図1に見られるような凹凸嵌合ではなく、板バネ6をキャップ継具120の棒状部122a、122bのいずれかに当接させることにより板バネ6のバネ力を利用して保持し、キャップ104の着脱を可能としている。
【0046】
この方法を用いても容器外径を太くすることなく、頻繁な使用にも耐えるものとなる。
【0047】
図8に示した第3の実施形態の化粧用備品部材220は、図3の化粧用備品部材20と使用方法及び着脱方法は同様であるが、以下の点で異なるものである。
【0048】
マスカラブラシ205は化粧用備品部材220に直接固着され、他方のチップ206は、ホルダー250に嵌合され、このホルダー250は化粧用備品部材220に対して交換可能となっている。
【0049】
化粧用備品はその性質上、チップ等は軟質のNBR等で製作するため、マスカラブラシなどと比較すると摩耗が激しく、傷みやすいものである。そのため、化粧用備品部材120を更に片方のみ交換可能に構成し、これに対応したものである。これにより使用者は、両端使用の化粧品備品の一方が傷んだとしても、全てを買い換えたり、または化粧用備品部材220を丸ごと買い換えたりせずに、簡単にその部品のみを交換することが出来る。また、両方ともに交換可能なホルダータイプとすることも可能である。
【0050】
図1に示す棒状化粧材容器1の構成は、基本的には容器本体10、化粧用備品部材20、キャップ4の3部品のみで構成可能であり、化粧用備品部材20の両端に設けたブラシ25aやチップ25bを除けば、最小の部品点数で多様能の棒状化粧材容器1を提供することが出来るものである。
【0051】
図9は第4の実施形態を示しており、この棒状化粧材繰出容器301のカートリッジ302は、円筒状の容器本体310に着脱自在であり、容器本体310の一方の開口孔312側には、図11、及び12に見られる化粧用備品部材320が着装され、さらにこれを保護するキャップ304により、カートリッジ式棒状化粧材繰出容器301は構成される。
【0052】
容器本体310の内面は、図10で見られるように所定位置にローレット315を設けて、このローレット315を境に段差314を設けている。段差314を境にしてローレット315より開口孔312側の内径が他方の、すなわちローレット35を介して反対側の内径より大きく形成される。
【0053】
図11の化粧用備品部材320は、化粧用備品設置部材328と化粧用備品(この場合ブラシ327a及びチップ327b)よりなり、化粧用備品設置部材321は、中央の筒部324の外面中央部に環状凹部325が設けられ、ここにOリング306が巻装されるとともに、両軸方向に棒状部326a、326bを配し、この両端にそれぞれブラシ327aとチップ327bが固着されている。
【0054】
筒部324のそれぞれの両端面側には、係合条部322、322’と当接端面321、321’が形成されている。棒状部326a、326bに形成された嵌合凹部323、323’はそれぞれキャップ304に嵌合されるように設計されている。
【0055】
化粧用備品部材320は、容器本体310の一方の開口孔312側より挿入可能で容器本体310の内面のローレット315に、化粧用備品部材320の筒部324に形成した係合条部322が係合し、当接端面321が係止段部314に当接することで露出部327の長さを決定している。もちろん化粧用備品部材320は着脱自在で、棒状部326aを摘んで引っ張ればOリング306の強い抵抗を感じながら引き抜きが可能であり、今度は化粧用備品を逆にしてから挿入すれば係合条部322’がローレット315に係合し当接端面321’が段部314に当接することによって露出部327を決定する。
【0056】
図9における容器本体310の内面にはローレット315を形成して、使用者がチップ等の使用中に化粧用備品部材320が回転しないように配慮されているが、Oリング306の径寸法を大きめに設定しておくと、その引き抜きトルク及び回転防止トルクはかなり高く、通常ローレット315は不要とすることも可能である。
【0057】
また、キャップ304を化粧用備品部材320の棒状部326a、326bに着脱する程度の操作力では、容器本体310から化粧用備品部材320が抜けてくることがないため、結局容器本体310の外径寸法を小径とすることが出来る。
【0058】
図9、図11における化粧用備品部材320の特徴は、容器本体310の開口孔312側内面に一切の螺合部材を使用せず、一つのOリング306の摩擦力のみによって、両端の化粧用備品327、327’の使用を可能としていることと、キャップ嵌合を化粧用備品部材320の棒状部326a、326bに形成された嵌合凹部323、323’で行っていることにある。
【0059】
また、Oリング306の摩擦力は、キャップ304の棒状部嵌合凹部323、323’に対しての着脱力よりも強く設定可能である。
【0060】
図13及び図14は、第5の実施形態である棒状化粧材繰出容器401を示す。基本的には図9〜12で示されている第4の実施形態の棒状化粧材繰出容器と仕様は同様であるが、以下の点において異なるものである。
【0061】
化粧用備品部材420の棒状部426a、426bの外面上には、雄ネジ428a、428bが形成されており、キャップ404内にはそれに螺合する雌ネジ404aが形成されている。使用者は化粧用備品部材420を使用する際には、まずキャップ404を回して棒状部426a上の雄ネジ428aとの螺合をとき、はずしてから使用する。
【0062】
さらに本実施形態の特徴としては、容器本体403内に納められている側の備品(図13、14ではチップ425b)を使用する際は、キャップ404を回動せずにそのまま容器本体403より引き抜く。化粧用備品部材420は、筒部424に設けた環状凹部445に巻装されているOリング406の摩擦力のみによって容器本体403内に収装されている。このOリング406の摩擦力より大きい力を持ってキャップ404と化粧用備品部材420を引き抜けば、キャップ404と化粧用備品420の棒状部426aは螺合により嵌合しているので、容器本体402内に収められていたチップ425bの側の棒状部426bが露出する。使用者はキャップ404をそのまま持ち、チップ425bを使用して化粧を施すことが出来る。キャップ404をやや通常より長めに設定すれば、持ち易さの点も解決でき、備品として使い勝手のよいものになる。
【0063】
図9に示す第4の実施形態の容器本体2内の化粧用備品を使用するには、まずキャップ304をはずし、容器本体310内より化粧用備品部材320を引き抜いて上下を入れ替えて再び挿入し、使用をせねばならない。ブラシ327aやチップ327bなどは手で持って使用する塗布具であり、目元や口元など、顔の部分に化粧を施す道具であるために、それなりに持ち手の長さを必要とする。だが化粧用備品はそれのみでもって化粧を施すには十分な長さがないため、引き抜いた化粧用備品のみで化粧をするのは大変不便であるので、これは必要なプロセスである。
【0064】
しかし、この第5の実施形態においては、化粧用備品部材420はキャップ404を装着した状態で使用可能なため、化粧用備品部材420自体の長さにキャップ404の長さが加わるので、わざわざ備品を入れ替えて持ち手を作る必要がない。そのため、使用者にとってはより使用感と便宜性にこだわった仕様となっている。
【0065】
図15、図16に示すのは、第6の実施形態である棒状化粧材繰出容器501である。本実施形態の棒状化粧材繰出容器501は、基本的には第3、第4の実施形態のカートリッジ式棒状化粧材繰出容器301、401と仕様は同様であるが、以下に述べる点において異なっている。
【0066】
まず、化粧用備品部材520の棒状部526a、526b上には、キャップ504との嵌合に用いられる、キャップ嵌合凸部523、523’が形成されている。さらに、図15によれば各キャップ嵌合凸部523より下方に、環状当接凸部521が形成されており、容器本体503内に化粧用備品520が挿入された際、この環状当接凸部521は当接段部514に当接して、チップ等を露出した状態にするものである。
【0067】
さらに、環状当接凸部521、521’の間の筒部524には、環状凹部525が、上述の第3、第4の実施形態の環状凹部325、445に比べてかなり幅広く設定されている。ここには第4の実施例のOリング306の代わりに弾性筒体506が挿入される。
【0068】
この弾性筒体506は、NBR等のゴム材料で出来ており、Oリング306と同等の働きをするものである。しかし、リング状のOリング306と異なり、円筒状をしているためにOリング306に比べ、摩擦力が格段に大きいことになる。そのため、図11、図13における係合条部322、422を必要としない。
【0069】
図17に見られる第7の実施形態において、内筒610bと外筒610aとの合わせ構造によって容器本体603を構成しているものである。なお図示しないが容器本体603と組み合わされるカートリッジは、図9におけるカートリッジ302が使用可能である。
【0070】
マテリアルの面から言うと、内筒610bはプラスティックであり、外筒610aが金属、主にAl(アルミニウム)が使用可能で、見た目の華美性を金属によって演出している。
【0071】
容器本体603の前端部は、カートリッジ係留のための環状凹部611が必要なため、この部分のみプラスティックが側片より露出している。カートリッジを構成する筒体との同期係合のための係合条部612も、スプラインとして配されている。
【0072】
この容器本体603後部に嵌合される化粧用備品部材620も、前記化粧用備品320とほぼ同様な仕様であるが、以下の点において異なっている。
【0073】
化粧用備品部材620の筒部624における係合条部は設けられておらず、当然これに対応する部位も、容器本体603内には存在しない。
【0074】
筒部624の挿入当接面621は、容器本体603内の外筒610a、内筒610bで出来た段部614に当接することによってその挿入限界として化粧用備品627の露出長さを決定している。
【0075】
Oリング606は、外筒610aとの摩擦によって化粧品備品が使用時に回動することを防止するとともに、着脱を可能としている。
【0076】
化粧用備品627の両軸棒状部626a、626bには、キャップ605との嵌合凹凸は存在しない。それに対応してキャップ605も容器本体603、外筒610aと同様に金属製とし、図18に見られるようにその内部に板バネ605bを備え、この板バネ605bの棒状部626a、626bへの係合によってキャップ605を着脱可能なものとしている。当然、板バネ605bが係合する棒状部626a、626bの外径寸法は同寸法に設計されている。
【0077】
図19に示されている容器本体703は、第8の実施形態の容器本体であり、カートリッジと容器本体との使用方法は図9、図13および図17に準ずるものであり、カートリッジとの環状凹部711及び同期係合部712は、図17における容器本体603の対応する部位と同等の役割をなす。
【0078】
図19における容器本体703の特徴は、図17における容器本体603と同様、容器本体703が内筒710b、外筒710aで構成され、内筒710bがプラスティック、外筒710aがアルミニウム等による金属で構成されている。しかしながら内筒710bは、外筒710aより長く設定され、キャップ嵌合部710cを形成している。
【0079】
キャップ嵌合部710cには前記図18における板バネ仕様のキャップ605が嵌合する。キャップはキャップ嵌合部710cに係合しつつ段部714に当接してキャップ嵌合を終了する。
【0080】
また、化粧用備品部材704は図11にある筒部324の代わりに、センターフランジ729を備え、これより両軸に棒状部726a及び726bが突出し、その先端にそれぞれ化粧用備品が固着されている。またそれぞれの棒状部にはOリング706a及び706bが巻装され、センターフランジ729を境に化粧用備品部材704が着脱可能に容器本体703の内筒710bに係合する。
【0081】
そのため、
(1)キャップ嵌合は、容器本体側となされるため、キャップの抜き差しで化粧用備品に影響を与えることはない。
【0082】
(2)上記理由により化粧用備品の棒状部寸法が小径となるため、それに見合ったチップやブラシ(図9、図12のものに比べ小径)が選定されなければならない。
【0083】
(3)図19における化粧用備品を使用した場合、Oリングが複数使用されているため、単価が上がる等があげられる。
【0084】
なお、本発明において用いられているカートリッジであるが、先筒と容器本体を回動させることで、内部の棒状化粧材が繰出繰り下げされる形態のカートリッジであれば、他のものでももちろん使用可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態である棒状化粧材容器の縦断面図である。
【図2】図1におけるB−B断面図である。
【図3】同じくカートリッジの一例を示す断面図である。
【図4】図3におけるC−C断面図である。
【図5】第1の実施形態の容器本体の一部破断した斜視図である。
【図6】第1の実施形態で使用される備品部材の一例を示す断面図である。
【図7】第2の実施形態の備品部材とキャップの一例を示す断面図である。
【図8】第3の実施形態の一端が着脱可能なホルダー状となっている備品部材の一例を示す断面図である。
【図9】第4の実施形態において使用されるカートリッジ式棒状化粧材繰出容器の一部断面図である。
【図10】同じく容器本体の一部断面斜視図である。
【図11】同じく化粧用備品の一部断面図である。
【図12】図11の化粧用備品の矢視図Pである。
【図13】第5の実施形態のカートリッジ式棒状化粧材繰出容器において使用される容器本体、化粧用備品、及びキヤツプの一部断面図である。
【図14】図13の状態より、キャップと化粧用備品とが螺合したものを容器本体より引き抜いた状態を示す一部断面図である。
【図15】第6の実施例を示すカートリッジ式棒状化粧材繰出容器の一部断面図である。
【図16】図15で示されているカートリッジ式棒状化粧材繰出容器の化粧用備品部材と弾性体とを示す立体図である。
【図17】第7の実施形態であるカートリッジ式棒状化粧材繰出容器の容器本体、及び化粧用備品部材を示す一部断面図である。
【図18】第7及び第8の実施形態のカートリッジ式棒状化粧材繰出容器において使用されるキャップの断面図である。
【図19】本発明の第8の実施形態であるカートリッジ式棒状化粧材繰出容器の容器本体、及び化粧用備品部材を示す一部断面図である。
【符号の説明】
1・・・棒状化粧材容器
2・・・カートリッジ
4・・・キャップ
4a・・・嵌合凹環状部
5・・・マスカラブラシ
6・・・板バネ
10・・・容器本体
11、12・・・開口孔
13・・・螺旋溝
14・・・係合条部
15・・・端面
16・・・嵌合凹環状部
20・・・備品部材
21・・・雄ネジ
22a、22b・・・棒状部
23a、23b・・・係合突起
30・・・先筒
31・・・開口孔
32・・・係合突起
40・・・筒体
41・・・縦リブ
107・・・仕切板
117・・・腔部
118・・・係合円筒部
150・・・ホルダー

Claims (8)

  1. 円筒状の容器本体と、
    前記容器本体の一方の開口孔側より容器本体内部に挿入され、着脱自在に嵌合するカートリッジを備え、
    前記容器本体とカートリッジとの相対回転によって、前記カートリッジ内の棒状化粧材を進退させるカートリッジ式棒状化粧材の化粧材容器において、
    両端に化粧用備品を設けた化粧用備品部材を備え、
    前記化粧用備品部材は、ほぼ中央に雄ネジを形成し、この雄ネジより軸方向両側に伸びるほぼ同径の棒状部とから形成され、
    前記棒状部の両端にそれぞれ化粧用備品が固着されるとともに、前記棒状部にキャップが着脱自在に係合され、
    前記容器本体の他方の開口孔の内面に螺旋溝を設け、
    前記化粧用備品部材は、前記雄ネジを介して前記他方の開口孔の内面の螺旋溝に着脱可能に螺合されることを特徴とするカートリッジ式棒状化粧材容器。
  2. 前記容器本体はプラスティックの成型用金型を用いて製作され、前記螺旋溝は前記一方の開口孔側内面に軸方向に延設された係合条部とともに前記容器本体内面に形成され、前記係合条部は前記一方の開口孔側より挿入されるカートリッジと係合することを特徴とする請求項に記載のカートリッジ式棒状化粧材容器。
  3. 前記化粧用備品部材の両端に取り付けられる化粧用備品は、交換可能なことを特徴とする請求項1又は2に記載のカートリッジ式棒状化粧材容器。
  4. 円筒状の容器本体と、
    前記容器本体の一方の開口孔側より容器本体内部に挿入され、着脱自在に嵌合するカートリッジを備え、
    前記容器本体とカートリッジとの相対回転によって、前記カートリッジ内の棒状化粧材を進退させるカートリッジ式棒状化粧材の化粧材容器において、
    両端に化粧用備品を設けた化粧用備品部材を備え、
    前記化粧用備品部材は、中央の筒部と、筒部の両側に延設される棒状部とを備え、
    前記棒状部端部はそれぞれ化粧用備品を固着可能な形状を有していると共に、前記筒部外面に前記容器本体内面と摩擦抵抗を生じる弾性体が巻装され、
    前記化粧用備品部材は、前記容器本体の他方の開口孔側より、前記筒部を介して容器本体内に着脱可能に係合することを特徴とするカートリッジ式棒状化粧材容器
  5. 前記化粧用備品部材の筒部外面に巻装される弾性体がOリングであることを特徴とする請求項に記載のカートリッジ式棒状化粧材繰出容器。
  6. 前記化粧用備品部材の筒部は両側の棒状部より大径に形成され、前記容器本体内面に段部を形成し、前記筒部の端面が当接することを特徴とする請求項4または5に記載のカートリッジ式棒状化粧材繰出容器。
  7. 前記容器本体の他方の開口端面より突出している化粧用備品部材の棒状部に対し、前記キャップが着脱自在に嵌着されていることを特徴とする請求項4から6のいずれか一つに記載のカートリッジ式棒状化粧材繰出容器。
  8. 前記化粧用備品部材の棒状部に雄ネジを形成し、前記キャップに設けられた雌ネジがこの雄ネジに螺合することによって、前記キャップを前記棒状部に螺合したまま、前記容器本体内より前記化粧用備品部材を引き抜き可能としたことを特徴とする請求項4から7のいずれか一つに記載のカートリッジ式棒状化粧材繰出容器。
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