JP4094757B2 - 植物栽培用給液装置及び給液方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、栽培ベッドに供給した給液用の液体の排液を利用することができる植物栽培用給液装置及び給液方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
排液を利用することができる給液装置としては、図5に示したものが知られている。すなわち、原水や液肥等の各養液の供給源と接続され、各養液を混合して栽培ベッド11用の給液部(図示せず)へ給液用の液体を供給可能な給液タンク10、栽培ベッド11に接続され、栽培ベッド11において消費されなかった給液用の液体の排液が流入する排液管12、該排液管12に接続された分岐管13から流入する排液を貯留する排液貯留手段を構成する排液タンク14、給液タンク10と排液タンク14との間に配設される第1の液体供給管15、排液タンク14と栽培ベッド11との間に配設される第2の液体供給管16、第1の液体供給管15を経由して排液タンク14内に流入した給液用の液体及び排液を第2の液体供給管16を介して栽培ベッド11に供給するためのポンプ17、排液タンク14の前段であって、分岐管13中に介在配設された殺菌装置19を有して構成されたものである。
【0003】
この装置によれば、まず、給液タンク10に対し、原水の供給源から原水を供給すると共に、液肥の供給源である液肥タンク10a,10bから数種類の液肥を供給して、該給液タンク10内で混合し、所定の肥料バランス(組成)、濃度の給液用の液体を生成する。次に、弁18aを開弁させて排液タンク14内に所定量に至るまでこの給液用の液体を流入させ、さらに、弁18bを開弁させ、ポンプ17を起動して栽培ベッド11に給液用液体を供給する。栽培ベッド11では植物による給液用液体の吸収、培地による給液用液体の吸収、及びこれに伴う植物又は培地からの蒸散等により、所定量の給液用液体が消費されるが、消費されなかった給液用液体は排液として栽培ベッド11の下部に集液される。このとき、弁18cを開弁させ、弁18dを閉弁しておけば、集液された排液は、排液管12及び分岐管13を経由して排液タンク14に回収され貯留される。
【0004】
排液タンク14内に貯まる排液量が少なければ、給液タンク10から新たな給液用液体が補給され、排液タンク14内の液量が所定量を超えないように、液位センサ14aにより液位を検出しつつ、これに基づき、弁18a〜18dの開閉を制御し、適宜のタイミングで栽培ベッド11に給液する。なお、排液タンク14内の液量が所定量に至っている場合には、栽培ベッド11から排液が回収されても、排液タンク14へ貯留せずに、弁18dを開弁させて排出するなどして、液量調整がなされる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、栽培ベッド11から排出される排液には、相応の雑菌が含まれている。このため、排液を利用する場合には、図5に示したように、排液タンク14の前段に殺菌装置19を設けている。
【0006】
しかしながら、排液は、その流路となる排液管12及び分岐管13を間断なく流れてくるため殺菌が不十分になり易い。また、給液量に比例した相当の量の排液が流れてくるため、これを殺菌するためには、大型かつ高性能の殺菌装置でなければならない。実際、従来用いられている殺菌装置は大型で高価なものである。また、給液量の増減に伴って、殺菌対象となる排液の流量が少ない場合もあるが、排液流量が多量の場合にも対応できるように大型かつ高性能の殺菌装置を備えていると、排液流量が少ない場合にかかる装置の有効利用ができないことになる。
【0007】
また、排液タンク14に流入する排液の量が一定でないため、実際に栽培ベッドに供給する給液用液体は、排液タンク14内の濃度を測定して、この濃度が一定になるように給液タンク10から補給する新たな給液用液体の流量や濃度を制御して調製している。作物の状態や給液時間帯等によって、排液の利用量(混合比)を積極的に増加させたり減らしたりするのが望ましい場合もあるが、図5に示した従来の装置では、このように排液の混合比を積極的にコントロールすることは困難であった。
【0008】
本発明は上記事情に鑑みなされたものであり、殺菌装置として安価で小型な殺菌装置を利用することが可能な植物栽培用給液装置及び給液方法を提供することを課題とする。また、従来よりも確実に排液を殺菌することができる植物栽培用給液装置及び給液方法を提供することを課題とする。さらに、排液の混合比を積極的にコントロールすることができる植物栽培用給液装置及び給液方法を提供することを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記した課題を解決するため、請求項1記載の本発明の植物栽培用給液装置は、
栽培ベッドから排出される排液を貯留する第1の排液タンクと、
該第1の排液タンクに接続され、第1の排液タンクから供給される排液を貯留する第2の排液タンクと、
第1の排液タンクと第2の排液タンクとの間に介在配設され、第1の排液タンクから第2の排液タンクへ供給される排液を殺菌する殺菌装置と、
未使用養液の供給源と第2の排液タンクとにそれぞれ接続され、供給源から供給される未使用養液と第2の排液タンクから供給される排液とを混合可能であると共に、給液部に対して給液用の液体を供給可能な給液タンクと、
前記殺菌装置を経由した排液を、第2の排液タンクの貯液量が所定量未満の場合には、該第2の排液タンクに供給し、第2の排液タンクの貯液量が所定量以上の場合には、第2の排液タンクと殺菌装置との間で循環させる制御部と
を有することを特徴とする。
【0010】
請求項2記載の本発明の植物栽培用給液装置は、請求項1記載の植物栽培用給液装置であって、前記栽培ベッドと前記第1の排液タンクとの間に、栽培ベッドからの排液を貯留し、貯液量が所定量以上に至ったならば、第1の排液タンクに排液を供給する集液タンクが介在配設されていることを特徴とする。
【0011】
請求項3記載の本発明の植物栽培用給液装置は、請求項2記載の植物栽培用給液装置であって、前記集液タンクに、再利用しない場合に排液を排出する排出手段が設けられていることを特徴とする。
【0012】
請求項4記載の本発明の給液方法は、
栽培ベッドから排出される排液を貯留する第1の排液タンクと、
該第1の排液タンクに接続され、第1の排液タンクから供給される排液を貯留する第2の排液タンクと、
第1の排液タンクと第2の排液タンクとの間に介在配設され、第1の排液タンクから第2の排液タンクへ供給される排液を殺菌する殺菌装置と、
前記殺菌装置を経由した排液を、第2の排液タンクの貯液量が所定量未満の場合には、該第2の排液タンクに供給し、第2の排液タンクの貯液量が所定量以上の場合には、第2の排液タンクと殺菌装置との間で循環させる制御部とを設け、
栽培ベッドへの給液用の液体として排液を利用する場合に、殺菌装置により殺菌された排液を利用することを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、図面に示した実施の形態に基づき本発明をさらに詳細に説明する。図1及び図2は、本発明の一の実施の形態にかかる植物栽培用給液装置を示す概略構成図であり、この植物栽培用給液装置は、図に示したように、栽培ベッド8に供給する給液用液体を生成する給液タンク1、排液貯留手段を構成する第1の排液タンク2、第2の排液タンク3及び集液タンク4、殺菌装置5、流量制御部6を備えて構成される。
【0014】
給液タンク1は、原水供給源から送られてくる原水が流入し得ると共に、いくつかの液肥タンク1a,1bから適宜の液肥が流入し得る構成であり、原水と液肥とを所定の比率で混合することにより、所望の濃度、組成の給液用液体を生成する。なお、ここでいう「給液用液体」とは、給液タンク1に一旦貯留されて栽培ベッド8に実際に供給される液体のことを指し、このように原水と液肥を混合したものが含まれることはもちろんのこと、場合によっては、原水のみ、あるいは液肥のみが該当する場合もある。もちろん、本発明の目的から、後述のように、原水及び/又は液肥といった未使用養液に、排液を混合したものが「給液用液体」となる場合もある。また、原水供給源及び液肥タンク1a,1bが本明細書でいう未使用養液の供給源に相当する。
【0015】
給液タンク1には、給液対象である栽培ベッド8の上方に設けた散布装置(図示せず)又は、栽培ベッド8を構成する培地上又は培地中に配設された散布管(図示せず)に対して給液用液体を供給する給液管1cが接続されている。なお、この散布装置や散布管が本明細書でいう「給液部」を構成する。
【0016】
栽培ベッド8には、適宜位置、通常、下部に該栽培ベッド8の長手方向に沿ってドレン部(図示せず)が設けられており、このドレン部において排液が集まる箇所に排液管7の一端7aが接続される。排液管7の他端7bには、排液を貯留する集液タンク4が接続されている。集液タンク4には、排液を再利用しない場合に供給された排液をそのまま排出する排出手段が設けられている。本実施の形態では、この排出手段を、集液タンク4と後述の第1の排液タンク2との間に配設される第1の連結管41の中途に配設される切り替えバルブ41aと、この切り替えバルブ41aに一端が接続され、他端が適宜の排水処理地に排出し得るように設けらた排出管41bとから構成しているが、これに限定されるものではないことはもちろんである。
【0017】
また、本実施の形態では、集液タンク4を2つ設置し、第1の連結管41、切り替えバルブ41a等もそれぞれに設けているが、これは、集液タンク4に流入する排液量に見合った数であればよく、2つに制限されるものではない。また、集液タンク4の容量によって、設置数を増減することもできる。
【0018】
第1の連結管41には、集液タンク4に貯留された排液を第1の排液タンク2に供給するためのポンプ41cが付設されていると共に、逆流を防ぐチェック弁41d、さらには、排液中に含まれる汚泥等の不純物を除去するフィルタ41eが設けられている。
【0019】
第1の排液タンク2は、上記したように、第1の連結管41を介して集液タンク4に接続されており、集液タンク4内の排液の貯液量が所定量以上となるとポンプ41cが動作して、この第1の排液タンク2に排液が流入する。なお、栽培ベッド8からの排液をこの第1の排液タンク2に直接貯留させる構成とすることも可能であるが、栽培ベッド8が温室内に複数列設置されているような場合には、集液タンク4を例えば各列に対応させて設置し、この複数の集液タンク4に貯留された排液を第1の排液タンク2に収容するようにすると、第1の排液タンク2、第2の排液タンク3及び給液タンク1等の設置数を少なくすることができる。
【0020】
第1の排液タンク2には、第2の連結管21の一端が接続されており、この第2の連結管21の他端に殺菌装置5が接続されている。また、第2の連結管21には、ポンプ21a、フィルタ21bが介在配設されている。殺菌装置5には、殺菌済みの排液を流出させるための第3の連結管51が接続されていると共に、さらに、第3の連結管51からは、殺菌済みの排液を再度第1の排液タンク2に還流させる還流管である第4の連結管52と、殺菌済みの排液を第2の排液タンク3に供給する第5の連結管53とが枝分かれするように設けられている。また、第3の連結管51を経由した殺菌済みの排液を第4の連結管52と第5の連結管53とに選択的に供給するため、第4の連結管52と第5の連結管53には、それぞれ電動式の開閉弁52a,53aが介在配設されている。
【0021】
ここで、殺菌装置5の種類は限定されるものではなく、加熱式のもの、紫外線を用いたもの、ろ過装置を用いたもの、あるいはこれらを適宜に組み合わせたもの等を用いることができる。但し、本実施の形態においては、排液を一旦第1の排液タンク2に貯留した後、ポンプ21aを駆動して、一定の流量で殺菌装置5を通過させることができるため、殺菌装置5としては、この流量に見合うものであればよく、従来のように、排液量が最大の場合に合わせた大型かつ高性能のものでなくてもよい。
【0022】
上記した電動式の開閉弁52a,53aは、第2の排液タンク3内の貯液量が所定量未満の場合には、開閉弁52aが閉じ、開閉弁53aが開弁する。これにより、第5の連結管53を経由して殺菌済みの排液が第2の排液タンク3に供給される。その一方、第2の排液タンク3内の貯液量が所定量以上の場合には、開閉弁52aが開弁し、開閉弁53aが閉じる。これにより、殺菌済みの排液が第1の排液タンク2に還流される。なお、図示しないCPUと、上記した開閉弁52a,53aと、第2の排液タンク3に設けられる液面センサ(図示せず)とにより、かかる制御を行う制御部を構成する。
【0023】
第2の排液タンク3には、給液タンク1と接続される第6の連結管31が接続されている。この第6の連結管31には、ポンプ31a及びフィルタ31bが介在配設されていると共に、流量制御部6が給液タンク1の前段位置に設けられている。流量制御部6は、殺菌済みの排液を給液タンク1に供給する量を調整するものであり、かかる機能を果たすものであれば、どのようなものであってもよく、例えば、流量制御弁、流量メータ、及び流量制御弁を制御するCPU(いずれも図示せず)から構成することができる。
【0024】
本実施の形態によれば、まず、給液タンク1において、栽培ベッド8に実際に供給する給液用液体を生成する。最初に給液する際であって、排液の戻りがない状態と仮定すると、まず、未使用養液の供給源である原水供給源と液肥タンク1a,1bとから、原水及び任意の液肥を所定の組成比、濃度で給液タンク1内に供給して混合する。これにより、給液用液体を生成したならば、ポンプ1dにより該給液用液体を給液管1cに送り出し、給液部を構成する図示しない散布装置や散布管を通じて栽培ベッド8に供給する。栽培ベッド8においては、供給された給液用液体が、植物や培地により吸収され、あるいは、蒸発し、所定量消費される。そして、消費されなかった給液用液体が、排液として栽培ベッド8から排出され、本実施の形態では集液タンク4に回収される。
【0025】
集液タンク4内の排液量が所定量以上に至ったことを図示しない液面センサが検知した場合には、ポンプ41cが起動して、集液タンク4内の排液を第1の連結管41を通じて第1の排液タンク2内に供給する。
【0026】
第1の排液タンク2では、貯液量が所定量未満の場合には、この集液タンク4から供給される排液が次々に貯液されていく。但し、この第1の排液タンク2と第2の排液タンク3との貯液量が共に所定量に至っている場合には、第1の排液タンク2では、所定の貯液量を維持するよう、集液タンク4からさらに送られてくる余剰の排液は、オーバーフロー等の排出手段を通じて排出する。
【0027】
一方、第1の排液タンク2内の貯液量が所定量に至ったことを図示しない液面センサにより検知したならば、ポンプ21aが起動して、第1の排液タンク2内の排液を第2の連結管21に送り込む。第2の連結管21に送り込まれた排液は殺菌装置5を通過する際に殺菌処理される。この際、第1の排液タンク2内の貯液量が所定量に至るとポンプ21aが起動する構成であるため、殺菌装置5を通過する排液は一定量に制限されている。従って、殺菌装置5としては、この流量に見合う装置であれば、十分な殺菌処理を施すことができる。
【0028】
殺菌装置5を通過した排液は、上記したように、第2の排液タンク3内の貯液量が所定量未満の場合には、開閉弁52aが閉じ、開閉弁53aが開弁するため、第5の連結管53を経由して第2の排液タンク3に供給される。その一方、第2の排液タンク3内の貯液量が所定量に至っている場合には、開閉弁52aが開弁し、開閉弁53aが閉じて、第1の排液タンク2に還流される。第2の排液タンク3内の貯液量が所定量未満とならない限り、殺菌装置5を通過した排液は、第1の排液タンク2に還流された後、再び殺菌装置5により殺菌処理されるため、高い精度の殺菌処理を行うことができる。
【0029】
第2の排液タンク3内には、この殺菌処理された排液が貯液されていくが、適宜にポンプ31aを起動して給液タンク1に供給する。「適宜に」というのは、この第2の排液タンク3から給液タンク1への排液の流入量は、流量制御部6によって制御されるため、給液タンク1に任意の量の排液を混入させることが流量制御部6のCPUから指令が来たならば、ポンプ31aが起動することによるものである。すなわち、このポンプ31aは、上記した他のポンプ21aと異なり、第2の排液タンク3内の排液の貯液量が所定以上となったら起動するというように制御しているわけではないからである。
【0030】
但し、第2の排液タンク3内の貯液量が所定量以上となっている場合には、第1の排液タンク2から流出した排液は殺菌装置5を経由して再び第1の排液タンク2に流入するように還流されることは上記したとおりである。また、第2の排液タンク3と第1の排液タンク2のいずれもが、所定量以上の貯液量に至っている場合には、集液タンク4から第1の排液タンク2へ供給される前に、排出手段を通じて排出されることも上記したとおりである。
【0031】
流量制御部6によりポンプ31aが起動したならば、所定量の排液が給液タンク1内に供給される。給液タンク1には、未使用養液の供給源である原水供給源と液肥タンク1a,1bとから、原水及び任意の液肥(未使用養液)を所定の組成比、濃度で給液タンク1内に供給される。この結果、排液と未使用養液とが混合されることになるが、本実施の形態によれば、排液の混入量を、作物の状態や給液時間等に合わせて流量制御部6により積極的にコントロールすることができる。従って、必要に応じて、排液を全く混入させないものを新たな給液用液体とすることもできるし、この新たな給液用液体をすべて排液から構成することもできる。このようにして、新たな給液用液体を生成したならば、ポンプ1dにより該給液用液体を給液管1cに送り出し、図示しない散布装置や散布管を通じて栽培ベッド8に供給する。栽培ベッド8においては、供給された給液用液体が、植物や培地により吸収され、あるいは、蒸発し、所定量消費される。そして、消費されなかった給液用液体が、再び、排液として栽培ベッド8から排出され、集液タンク4に回収されて、さらに上記した処理を繰り返す。
【0032】
次に、図3及び図4に基づき、本発明の他の実施の形態を説明する。なお、これらの図において、上記した実施の形態と同じ部材については同一の符号をつけて示す。本実施の形態に係る植物栽培用給液装置は、図に示したように、栽培ベッド8に供給する給液用液体を生成する給液タンク1、排液貯留手段を構成する第1の排液タンク2、第2の排液タンク3、集液タンク4、殺菌装置5、流量制御部6を備えている点で上記実施の形態と同様である。
【0033】
但し、殺菌装置5は、第2の排液タンク3が所定量以上の場合に第1の排液タンク2に還流させる還流管(上記実施の形態の第4の連結管52に相当)を有しておらず、殺菌装置5と第2の排液タンク3とを直接結ぶ連結管55のみが設けられている点で上記した実施の形態と異なる。
【0034】
その一方、第1の排液タンク2と殺菌装置5とを結ぶ第2の連結管21の中途と、第2の排液タンク3との間には、第2の排液タンク3が所定量以上の場合に、第2の排液タンク3から排液を排出して殺菌装置5との間でこの排液を循環させるための還流管32が別途設けられている。なお、第2の連結管21とこの還流管32の中途には、それぞれ電動式の開閉弁21c,32aが介在配設されており、図示しないCPUからの信号に基づき、開閉制御される。従って、本実施の形態では、この開閉弁21c,32aも含めて制御部が構成される。
【0035】
次に、本実施の形態にかかる植物栽培用給液装置の作用を図4に基づき説明する。まず、第1の排液タンク2に排液が貯液されていくまでは上記した実施の形態と同様である。第1の排液タンク2内の貯液量が所定量に至ったことを図示しない液面センサにより検知したならば、ポンプ21aが起動して、第1の排液タンク2内の排液を第2の連結管21に送り込まれるが、この際、本実施の形態では、第2の排液タンク3内の貯液量が所定量に至っていないことを図示しない液面センサにより検知している場合には、開閉弁21cが開放制御され、開閉弁32aが閉弁制御される。これにより、第1の排液タンク2内の排液は、第2の連結管21を経由して殺菌装置5に送り込まれ、殺菌処理される。なお、第1の排液タンク2内の貯液量が所定量に至るとポンプ21aが起動する構成であるため、殺菌装置5を通過する排液は一定量に制限されており、この流量に見合う殺菌装置であれば、十分な殺菌処理を施すことができることは上記した実施の形態と同様である。殺菌処理された排液は、第2の排液タンク3に余裕があるため、連結管55を経由して第2の排液タンク3に供給される。
【0036】
一方、第2の排液タンク3内の貯液量が所定量以上の場合には、開閉弁21cが閉じ、開閉弁32aが開放制御され、さらに、ポンプ21aの動力により、還流管32を介して第2の排液タンク3と殺菌装置5との間を排液が循環する。
【0037】
すなわち、上記した実施の形態では、第2の排液タンク3内の貯液量が所定量以上の場合には、殺菌装置5と第1の排液タンク2との間で排液を循環させているが、本実施の形態では、第2の排液タンク3内の貯液量が所定量以上の場合には、第2の排液タンク3と殺菌装置5との間で排液を循環させる構成である。
【0038】
上記した実施の形態によれば、第2の排液タンク3内の貯液量が所定量以上の場合に、殺菌装置5と第1の排液タンク2との間で排液を循環させているため、第2の排液タンク3内の排液が給液タンク1に供給されるまでの間、排液が第2の排液タンク3内に滞留することになる。このため、第2の排液タンク3内で、殺菌されずに残留した菌により菌密度が上昇する可能性がある。これに対し、本実施の形態によれば、このような場合、すなわち、第2の排液タンク3内の貯液量が所定量以上の場合には、殺菌装置5との間で排液が循環し、さらに殺菌処理される構成であるため、残留菌による菌密度の上昇を防ぎ、より高い殺菌効果を期待できるという利点を有する。
【0039】
なお、その後、流量制御部6により、排液が給液タンク1に供給される以降の作用は上記した実施の形態と同様である。
【0040】
【発明の効果】
請求項1記載の本発明の植物栽培用給液装置によれば、栽培ベッドから排出される排液を貯留する第1の排液タンクと、該第1の排液タンクに接続され、第1の排液タンクから供給される排液を貯留する第2の排液タンクと、第1の排液タンクと第2の排液タンクとの間に介在配設され、第1の排液タンクから第2の排液タンクへ供給される排液を殺菌する殺菌装置と、前記殺菌装置を経由した排液を、第2の排液タンクの貯液量が所定量未満の場合には、該第2の排液タンクに供給し、第2の排液タンクの貯液量が所定量以上の場合には、第2の排液タンクと殺菌装置との間で循環させる制御部とを有している。従って、第1の排液タンクから第2の排液タンクへ供給される排液の量が一定であるため、従来のように、大量の排液が流れてきた場合にも対処できるように大型の殺菌装置を採用する必要はなく、流量に見合った安価で小型な殺菌装置を利用することができる。また、殺菌対象となる排液の処理量が一定であるため、確実に排液を殺菌することができる。また、第2の排液タンク内における菌密度の上昇を防ぎ、より高い殺菌効果を期待できる。
【0041】
請求項2記載の本発明の植物栽培用給液装置によれば、前記栽培ベッドと前記第1の排液タンクとの間に、栽培ベッドからの排液を貯留し、貯液量が所定量以上に至ったならば、第1の排液タンクに排液を供給する集液タンクが介在配設されている。従って、栽培ベッドが温室内に複数列設置されているような場合には、集液タンクを例えば各列に対応させて設置し、この複数の集液タンクに貯留された排液を第1の排液タンクに収容するようにすると、第1の排液タンク、第2の排液タンク及び給液タンク等の設置数を少なくすることができる。
【0042】
請求項3記載の本発明の植物栽培用給液装置によれば、前記集液タンクに、排液の排出手段が設けられているため、再利用しない場合には排液を排出することができる。
【0043】
請求項4記載の本発明の給液方法によれば、栽培ベッドから排出される排液を貯留する第1の排液タンクと、該第1の排液タンクに接続され、第1の排液タンクから供給される排液を貯留する第2の排液タンクと、第1の排液タンクと第2の排液タンクとの間に介在配設され、第1の排液タンクから第2の排液タンクへ供給される排液を殺菌する殺菌装置と、前記殺菌装置を経由した排液を、第2の排液タンクの貯液量が所定量未満の場合には、該第2の排液タンクに供給し、第2の排液タンクの貯液量が所定量以上の場合には、第2の排液タンクと殺菌装置との間で循環させる制御部とを設け、栽培ベッドへの給液用の液体として排液を利用する場合に、殺菌装置により殺菌された排液を利用することを特徴とする。従って、第2の排液タンク内における菌密度の上昇を防ぎ、より高い殺菌効果を期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の一の実施の形態にかかる植物栽培用給液装置を示す概略構成図である。
【図2】図2は、同実施の形態にかかる植物栽培用給液装置の作用を説明するための図である。
【図3】図3は、本発明の他の実施の形態にかかる植物栽培用給液装置を示す概略構成図である。
【図4】図4は、同実施の形態にかかる植物栽培用給液装置の作用を説明するための図である。
【図5】図5は、従来の植物栽培用給液装置を示す概略構成図である。
【符号の説明】
1 給液タンク
2 第1の排液タンク
3 第2の排液タンク
4 集液タンク
8 栽培ベッド
Claims (4)
- 栽培ベッドから排出される排液を貯留する第1の排液タンクと、
該第1の排液タンクに接続され、第1の排液タンクから供給される排液を貯留する第2の排液タンクと、
第1の排液タンクと第2の排液タンクとの間に介在配設され、第1の排液タンクから第2の排液タンクへ供給される排液を殺菌する殺菌装置と、
未使用養液の供給源と第2の排液タンクとにそれぞれ接続され、供給源から供給される未使用養液と第2の排液タンクから供給される排液とを混合可能であると共に、給液部に対して給液用の液体を供給可能な給液タンクと、
前記殺菌装置を経由した排液を、第2の排液タンクの貯液量が所定量未満の場合には、該第2の排液タンクに供給し、第2の排液タンクの貯液量が所定量以上の場合には、第2の排液タンクと殺菌装置との間で循環させる制御部と
を有することを特徴とする植物栽培用給液装置。 - 請求項1記載の植物栽培用給液装置であって、前記栽培ベッドと前記第1の排液タンクとの間に、栽培ベッドからの排液を貯留し、貯液量が所定量以上に至ったならば、第1の排液タンクに排液を供給する集液タンクが介在配設されていることを特徴とする植物栽培用給液装置。
- 請求項2記載の植物栽培用給液装置であって、前記集液タンクに、再利用しない場合に排液を排出する排出手段が設けられていることを特徴とする植物栽培用給液装置。
- 栽培ベッドから排出される排液を貯留する第1の排液タンクと、
該第1の排液タンクに接続され、第1の排液タンクから供給される排液を貯留する第2の排液タンクと、
第1の排液タンクと第2の排液タンクとの間に介在配設され、第1の排液タンクから第2の排液タンクへ供給される排液を殺菌する殺菌装置と、
前記殺菌装置を経由した排液を、第2の排液タンクの貯液量が所定量未満の場合には、該第2の排液タンクに供給し、第2の排液タンクの貯液量が所定量以上の場合には、第2の排液タンクと殺菌装置との間で循環させる制御部とを設け、
栽培ベッドへの給液用の液体として排液を利用する場合に、殺菌装置により殺菌された排液を利用することを特徴とする給液方法。
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