JP4094426B2 - 骨ロッドまたは脊椎ロッドのための接続要素 - Google Patents

Description

【０００１】
この発明は、骨または椎骨を安定させるのに使用される２つの棒（ロッド）状要素を接続するための、請求項１の導入部分に記載の接続要素に関する。
【０００２】
この種の接続要素は、ＤＥ ６９２ ０６ ３１８ Ｔ２からよく知られている。接続部分は２本のロッドで形成される。それらのロッドは一方端で互いに接続されるようになっており、接続されるべき要素においてソケットによって把持され、それらのソケットはロッド方向と交差して延びる共通のねじを中心に旋回するように設計される。接続部分の端部はリングを含み、それらのリングは接続されるべきロッドに接続することのできるねじに固定することができる。ＷＯ ９１／１６０２０から、２つの円筒断面形状の溝（cylinder section-shaped channel）を含む接続部分が知られている。それらの溝は互いに平行な２本のロッドを収めるようになっており、したがって、互いに対してある角度で傾くかまたは互いに斜めに延びるロッド同士の接続は不可能である。
【０００３】
本発明の目的は、上述の種類の接続要素であって、互いにある角度で傾くかまたは互いに斜めに延びるロッド同士の接続を可能にする接続要素を提供することである。
【０００４】
この目的は、請求項１に特徴が述べられた接続要素によって達成される。このような接続要素は、接続されるべき部分（身体部分）の所望の配向に従って外科医がロッドを自由に配向することができるという大きな利点を有する。
【０００５】
本発明の開発例の特徴は従属項に述べられる。
本発明のさらなる特徴および利点は、以下の図面を参照した実施例の説明から明らかである。
【０００６】
【詳細な説明】
図１に、互いに接続されかつ互いに対して固定されるべき２つの長い骨部分１を示す。これら２つの骨部分の各々に、脊柱手術で有茎（pedicle）ねじとして知られるねじ３、４がねじ込まれる。これらのねじの各々は、ロッド６を受入れるための受入れ開口を有するヘッド５を含む。ロッドはナット７によりヘッドに固定接続される。図１からわかるように、第３のねじ８が骨部分１にねじ込まれる。ねじ８は最初の２本のねじと全く同様に設計され、そのヘッドに第２のロッド９を受入れる。
【０００７】
第２のロッド９は、接続要素１０によって第１のロッド６に接続され、その結果、安定度がさらに高まる。
【０００８】
上述の実施例において、接続されるべき２つの部分１および２は長い骨部分である。同様に、脊柱手術において、たとえば固定装置（fixator）の場合に内部にそれらを受入れるのに、対応するねじを有する少なくとも２つのロッドが使用されるが、これはたとえばＤＥ ３８ ２３ ７３７−Ｃから知られている。
【０００９】
接続要素１０は、図２に示す実施例においては、一方端に第１の部分１２を有し他方端に第２の部分１３を有するシャンク１１を含む。
【００１０】
第２の部分１３は、Ｕ型の溝１４を規定する２つのアーム１５、１６を含む。２つのアーム１５、１６は、外側が円筒形状であり、それらの自由端に雄ねじ１７を有する。Ｕ型の溝１４の直径は、受入れるべきロッド１８の直径と実質的に等しいかまたはそれよりもわずかに大きく、ロッド１８をそのＵ型の溝１４に導入して横方向に案内することができるような大きさにされる。ナット１９もまた提供されるが、これは雄ねじ１７と協働するように雌ねじを備える。雄ねじ１７は、そのねじからＵ型の溝１４の底部までの距離がロッド１８の直径よりも短くなるように設計され、そのため、Ｕ型の溝１４の中に置かれたロッド１８をナット１９で締付けることにより固定することができる。
【００１１】
図２からわかるように、ロッド１８の他方端は球状区分を有するヘッド２１を含む。第１の部分１２は円筒形状のソケット２０を含み、その直径はヘッド２１の直径と実質的に等しいかまたはそれよりもわずかに大きく、ヘッドを穴（ボア）の中に導入しかつ穴によって案内できるように寸法決めされる。
【００１２】
図示した実施例においては、穴２２は球状の底部２３を含み、その半径はヘッド２１の半径に等しい。図２および図３からわかるように、シャンク１１はねじ継手によって球状のヘッドから分離されるように設計される。
【００１３】
一実施例において、接続要素１０は、第１の部分と第２の部分とを分離することができるように設計される。図２および図３に示す実施例においては、この分離は、シャンク１１または１１′の２４で示す場所で行なわれる。この目的のために、一方のシャンク部分はねじが切られた穴を含み、他方のシャンク部分はそのねじ付き穴にねじ込むことのできる、ねじが切られたアッタチメントを含む。この接続は、接続点２４によって概略的に示される。ねじ付き穴はヘッド２１内に直接設けることもでき、その場合、シャンク１１はそのヘッドに対向する端部に、対応する形状のねじアッタチメントを有し、そのアタッチメントをねじ付き穴と係合することによってそれら２つの部分を互いにねじで固定することができる。
【００１４】
図２に示す実施例においては、まずシャンク１１をヘッド２１から外すことにより、ヘッド２１を穴２２の自由端から穴内の図示する位置へと導入することができる。その後、シャンク１１をねじで取付けることにより、図に示す接続状態が得られる。
【００１５】
図２からさらにわかるように、底部２３の付近に第２の穴２５がある。第２の穴２５は漏斗状に外向きに広がり、そのため、シャンク１１はソケット２０に対して二面角（dihedral angle）を通じて旋回可能である。
【００１６】
ヘッド２１の導入後、穴２２内に圧力要素（pressure element）２６が挿入される。圧力要素は、ヘッドに対向する側が球状になっており、その半径はヘッド２１の半径に対応する。圧力要素のヘッド２１と反対の側は円筒状表面２７であり、その円筒の直径は受入れるべきロッド２８の直径にほぼ等しく、ロッド２８をくぼみ２７内に収めることができる。図２からわかるように、このくぼみはさらに、溝３１を規定するアーム２９、３０で穴２２と同軸のＵ型の溝３１が形成されるように設計される。２つのアーム２９、３０は、第２の部分１３と同様に、それらの自由端付近に雄ねじ３２を含む。この雄ねじは、円筒形状のくぼみの底部からその雄ねじまでの距離がロッド２８の直径よりも短くなるように、ソケット２０の他方端に向かって延びる。ナット３３もまた設けられ、その雌ねじが雄ねじ３２に対応する。
【００１７】
動作時、上述のように用意された接続部分において、まずロッド１８が単軸で（monoaxially）作用する第２の部分１３またはそのＵ型の溝１４内に挿入される。その後ロッド１８はナット１９によって固定される。次に、ソケット２０が、第２のロッド２８を受入れるように配向される。中間ロッド２８の導入後、ナット３３が締付けられる。ナット３３はロッド２８を固定するばかりでなく、ロッド２８および圧力要素２６を介してヘッド２１に圧力を加えることにより、ヘッド２１をその軸方向の位置に固定する。
【００１８】
図３に示す実施例において、ソケット２０、圧力要素２６、ヘッド２１、ロッド２８およびナット３３は、そのすべての詳細が図２の第１の部分１２に対応する。この実施例は、第２の部分が単軸（monoaxial）接続ではなく多軸（polyaxial）接続として同様に設計されているという点でのみ異なる。この第２の部分１２′は、第１の部分１２と逆対称である。ソケット、ヘッド、圧力要素、ロッドおよびナットのすべての部品は、第１の部分１２の対応する部品と同じである。組立てるために、シャンク１１′は、上述の実施例の場合と同様に、線２４に沿ってねじ継手によって取外すことができる。ヘッド２１の挿入後、シャンク１１′の２つの部分は互いに固定接続される。
【００１９】
動作時、第１の部分１２を参照して上に述べたように接続がなされる。固定に先立って、ソケット２０の各々がそれぞれ受入れるべきロッド１８、２８に向かって配向され、その後ロッドが収められてナット１９、３３によって固定される。ナットからロッド１８、２８および圧力要素を介して圧力を加えることにより、ヘッドもまた最終的にその位置に固定される。
【００２０】
図示しない変形された実施例においては、ソケット２０または第２の部分１３はその自由端付近にさらに雌ねじを含んでもよく、その雌ねじに内部ねじを取付けることにより、当該技術分野においてよく知られている態様でねじ継手の固定（locking）を行なうことができる。
【００２１】
上述の各実施例において、ヘッド２１はＵ型のくぼみの自由端から挿入されるが、変形された実施例においては、穴２２がソケット全体を通じて延びていてもよい。その場合、ヘッドは、穴２２のアームとは反対側の端部から挿入され、固定輪（locking ring）または止め輪（snap ring）をはめることで穴内に保持される。ソケットとヘッドまたはシャンクとの間の多軸運動を可能にするために、ヘッドのまわりをシャンク１１に対向する端部で取り囲む自由縁部が円錐状に外向きに広がっていることが重要である。
【００２２】
図４に示す実施例は、シャンク１１′、ヘッド２１、ロッド１８または２８、およびナット１９または３３に関して、図３に示した実施例と全く同様であるが、ソケット３４の設計が異なる。このソケット３４は、第１の端部３５および、その反対側に第２の端部３６を含む。ソケットの対称軸３７と同軸の穴３８が設けられ、第１の端部３５から始まって対称軸３９と交差して延在するＵ型のくぼみ３９もある。このＵ型のくぼみは２つのアーム４０、４１によって規定される。２つのアーム４０、４１は、第１の端部３５付近に雄ねじ４２を含む。Ｕ型のくぼみ３９の直径は、ロッド１８または２８の直径と等しいかそれよりもわずかに大きく、ロッドをくぼみに導入してＵ型のくぼみの側部によって横方向に案内することができるような大きさにされる。雄ねじ４２は、上述の各実施例の場合と同様に、Ｕ形状の底部からの距離が受入れるべきロッドの直径よりも短くなるように、Ｕ型のくぼみの底部に向かって形成される。さらに、上述の実施例と同様に、雄ねじ４２と協働するナット３３が設けられる。
【００２３】
上述の各実施例とは異なり、同軸の穴の円筒区分４３は、第２の端部３６から所定の距離のところまで延び、そこから第２の端部３６まではあるテーパ角度で円錐状にテーパする。圧力要素４４もまた設けられるが、その外側面は、ヘッド２１を横方向に包む領域４５において、第２の端部３６に向かって円錐状に整形され、そのテーパ角度は、穴の円錐状領域のテーパ角度に対応する。円錐状領域は、第２の端部３６に向いかつその端部に向かって開くスロット４６を含む。穴３８と圧力要素４４との間に円錐面を採用することにより、完全に挿入した状態で自動的にロックされる。圧力要素は、ＥＰ ０ ７３２ ３８１ Ｂから知られる態様で、第１の端部４７およびその反対側に第２の端部４８を含む。第１の端部付近に、実質的に円筒形の区分が設けられ、その外径は、圧力要素が円筒形区分４３において褶動することができるように選択される。図面からわかるように、圧力要素はその第２の領域に、ねじのヘッドを受入れるために第２の端部４８に向かって開く球欠状のくぼみ４５を含む。その他の点では、ソケット３４および圧力要素４４は、上述のＥＰ ０ ７３２ ０８１における開示と同様であり、よってその文献がこの説明の一部とされる。
【００２４】
図４に示す装置は逆対称に構築されるので、シャンク１１′の他方端はヘッドを有するように設計され、ソケットおよび圧力要素は、上述のものと同様である。
【００２５】
動作時、圧力要素が第１の端部３５からソケット３４に挿入される。第２の端部３６からはヘッド２１が挿入されるかまたは領域４５内へと押圧される。その後ロッド２８が残りのＵ型スロット内に収められ、外側ナット３３を締付けることによって圧力がロッド２８に、かつロッド２８を介してヘッド２１を包む圧力要素４４にかかり、ロッド２８およびボールヘッド２１が適所に固定されるようになる。反対側における手順も同様である。
【００２６】
この例もまた、シャンク１１′が所定の二面角を通じかつ対称軸３７を中心にして旋回することを可能にするので、接続されるべきロッドもしくはボルト付きロッドに対する配向または適用が可能である。
【００２７】
また、この装置は、一方のヘッドをソケットとともに図４に示すように設計し、他方のヘッドは図２に示すように単軸の態様で整形されるように設計することも可能である。
【００２８】
上述の実施例においては、接続要素は常にロッド同士を接続するものとして説明されているが、同様に、２つのねじの２つのシャンクまたは１つのねじの１つのシャンクおよび１つのロッドを、当該接続要素で接続し固定することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図１】 適用例の斜視図である。
【図２】 接続要素の第１の実施例の断面図である。
【図３】 接続要素の第２の実施例の断面図である。
【図４】 変形された実施例の断面図である。

Claims (5)

1. 骨または椎骨を安定させるのに使用される２つのロッド状要素（６、９、１８、２８、３、４、８）を、第１の端部および対向する第２の端部を有しかつそれら端部の各々に端部部材（１２、１３、１２′）を有する接続部分であって該端部部材のうち少なくとも１つが該ロッド状要素と該接続部分との間で多軸配向を可能にするロッド形状の接続部分（１１、１１′）で接続するための、接続要素（１０）であって、各前記端部部材（１２、１３、１２′）が該ロッド状要素（２８）を受入れるＵ型の溝（１４）を規定する、自由端を有する２つのアーム（１５、１６）を有し、該アームには雌ねじまたは雄ねじ（１７）が設けられ、該部分がさらに該ロッド状要素（２８）を該溝内に固定するために該ねじ（１７）と相互作用するナット（３３）またはねじを有し、前記ロッド形状の接続部分（１１、１１′）の前記第１の端部および前記第２の端部が、それぞれ、前記アームの前記自由端とは反対側の端部において前記端部部材から延びることを特徴とする、接続要素。
2. 第２の部分（１３）が該接続部分（１０）に単軸で接続されることを特徴とする、請求項１に記載の接続要素。
3. 該２つの部分（１２、１２′）が、それらを多軸で配向することができるように接続されることを特徴とする、請求項１に記載の接続要素。
4. 前記接続部分（１１、１１′）が前記ロッド状要素（２８）に対向する端部にヘッド（２１）を含み、かつ、多軸配向を可能にする端部部材（１２、１２′）が、一方側に該ロッド状要素（２８）を他方側に該ヘッド（２１）を受入れるための受入れ開口（３１、２２）を有する受入れ要素（２０）を含むことを特徴とする、請求項１から請求項３のいずれかに記載の接続要素。
5. 前記接続部分（１１、１１′）が、接続点（２４）において接続されている２つのシャンク部を備えることを特徴とする、請求項１から請求項４のいずれかに記載の接続要素。

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