JP4094258B2 - ワイパ制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、自動車のウインドシールドガラスを払拭するワイパを制御するワイパ制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種のワイパ制御装置としては、2つのワイパモータで駆動される2つのワイパブレードがオーバーラップしながら払拭面を拭うものがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、前記のワイパ制御装置において、高速走行時等に、2つのワイパブレードに当る風圧などによって負荷が大きくなり、2つのワイパブレードの速度がいずれも遅くなった場合、視界の確保が確実に出来ないという問題点があった。
【0004】
【発明の目的】
この発明は、オーバーラップする2つのワイパブレードでの視界の確保を確実に行えるとともに、2つのワイパブレードを衝突させないように動かすことができるワイパ制御装置を提供することを目的としている。
【0005】
【発明の構成】
【0006】
【課題を解決するための手段】
この発明の請求項1に係るワイパ制御装置では、第1のワイパモータをもち、この第1のワイパモータにより払拭面を往復で拭う第1のワイパブレードをもつ第1のワイパと、第2のワイパモータをもち、この第2のワイパモータにより第1のワイパブレードにオーバーラップ式に払拭面を往復で拭う第2のワイパブレードをもつ第2のワイパと、第1、第2のワイパモータに電気的に接続され、第1、第2のワイパモータに電流を供給するコントローラと、コントローラに電気的に接続され、低速モード、高速モードがそれぞれ選択されるワイパスイッチを備えたワイパ制御装置であって、第1および第2のワイパは、第1および第2のワイパモータの速度に比例したパルス信号を発生するそれぞれの回転センサを有し、コントローラは、各回転センサが発生するパルスの周期が予め定められた第1の値を越えて第1および第2のワイパブレードの速度が予め定められた速度より遅くなったら、第1のワイパブレードを所定の反転位置で停止させるとともに、第2のワイパブレードを増速させるように第1、第2のワイパモータの制御を行うとともに、第2のワイパモータのパルスの周期が第1の値よりも小さい予め定められた第2の値よりも小さくなったら、第2のワイパブレードが所定の反転位置に到達してから、所定の反転位置に停止している第1のワイパブレードの作動を再開させる制御を行う構成としたことを特徴としている。
【0007】
この発明の請求項2に係るワイパ制御装置では、請求項1の構成に加え、第1のワイパブレードの作動が再開されると、第2のワイパブレードを増速制御から通常作動に復帰させる制御を行う構成としたことを特徴としている。
【0008】
この発明の請求項3に係るワイパ制御装置では、請求項1、または2の構成に加え、第1、第2のワイパモータには、第1、第2のワイパブレードが予め定められた反転位置に到達した際に位置信号を発生する第1、第2の位置検出スイッチがそれぞれ備えられている構成としたことを特徴としている。
【0009】
【発明の作用】
この発明に係るワイパ制御装置において、各回転センサが発生する第1および第2のワイパモータのパルスの周期が予め定められた第1の値を越えて第1および第2のワイパブレードの速度が予め定められた速度より遅くなると、第1のワイパブレードが所定の反転位置で停止され、第2のワイパブレードを増速させるように第1、第2のワイパモータの制御が行なわれる。また、第2のワイパモータのパルスの周期が第1の値よりも小さい予め定められた第2の値よりも小さくなると、第2のワイパブレードが所定の反転位置に到達するのを待って、停止していた第1のワイパブレードの作動が再開されるように第1、第2のワイパモータの制御が行なわれる。それ故、2つのワイパブレードは速度を協調されながら互いに衝突することなく払拭作動を行う。
【0010】
【発明の実施の形態】
【0011】
【実施例】
図1ないし図4には、この発明に係るワイパ制御装置の一実施例が示されている。図示するワイパ制御装置は、主として、ワイパスイッチ2、第1のワイパ3、第2のワイパ4、ウオッシャモータ5、コントローラ6から構成されている。
【0012】
第1のワイパ3には、第1のワイパモータ7、第1のリンク8、第1のワイパアーム9、第1のワイパブレード10、第1の位置検出スイッチ11、回転センサとしての第1のポジションカウンタ12がそれぞれ備えられている。第1のワイパ3は、払拭面90の助手席側に配置された第1の払拭面91を払拭するのに用いられる。
【0013】
第2のワイパ4には、第1のワイパ3と一対にして配置された第2のワイパモータ13、第2のリンク14、第2のワイパアーム15、第2のワイパブレード16、第2の位置検出スイッチ17、回転センサとしての第2のポジションカウンタ18がそれぞれ備えられている。第2のワイパ4は、払拭面90の運転席側に配置された第2の払拭面92を払拭するのに用いられる。
【0014】
コントローラ6には、電源回路61、リセット回路62、リレー駆動回路63、第1の入力回路64、第2の入力回路65、第3の入力回路66、第4の入力回路67、第5の入力回路68、ハイロー切換指令出力段(H/L切換出力指令)69、第1のモータ駆動回路(モータ駆動回路)70、第1のハイロー切換リレー(H/L切換)71、第6の入力回路72、第7の入力回路73、第2のモータ駆動回路(モータ駆動回路)74、第2のハイロー切換リレー(H/L切換)75、第8の入力回路76、第9の入力回路77、中央処理回路ECUが備えられている。
【0015】
中央処理回路ECUには、第1の正逆切換段78、第1のPWM出力段79、第1のモータ位置カウンタ80、第2の正逆切換段81、第2のPWM出力段82、第2のモータ位置カウンタ83、第1のモータ速度検出段84、第2のモータ速度検出段85、演算処理装置86が内蔵されている。
【0016】
ワイパスイッチ2には、停止スイッチ(OFF)、間欠スイッチ(INT)、低速スイッチ(LO)、高速スイッチ(HI)、洗浄スイッチ(WA)がそれぞれ備えられている。ワイパスイッチ2は、間欠スイッチがオンされると、第1の入力回路64を通じて中央処理回路ECUを間欠モードにする。ワイパスイッチ2は、低速スイッチがオンされると、第2の入力回路65を通じて中央処理回路ECUを低速モードにする。ワイパスイッチ2は、高速スイッチがオンされると、第3の入力回路66を通じて中央処理回路ECUを高速モードにする。ワイパスイッチ2は、洗浄スイッチがオンされると、第4の入力回路67を通じて中央処理回路ECUを洗浄モードにする。ワイパスイッチ2は、間欠スイッチ、低速スイッチ、高速スイッチ、洗浄スイッチがオンされているときにオフされるか、オンされていないときに、中央処理回路ECUを停止モードにする。
【0017】
第1のワイパモータ7は、第1のブラシ端子7aが第1のモータ駆動回路70に、第2,第3のブラシ端子7b,7cが第1のハイロー切換リレー71の常閉側端子nc,常開側端子noにそれぞれ電気的に接続されている。そして、図示しない出力軸が第1のリンク8を介して第1のピボット軸8aに連結され、第1のピボット軸8aに、第1のワイパアーム9を介して第1のワイパブレード10が結合されている。第1のワイパモータ7は、ワイパスイッチ2が間欠モードに選択された際、第1のハイロー切換リレー71がオフされることにより常閉側端子ncを通じて第2のブラシ端子7bがローレベルにされるのでアーマチュア軸7dが低速で回転され、第1のリンク8により、第1のワイパブレード10を図2に示される払拭面90の助手席側の第1の反転位置A1と第2の反転位置B1との間で低速でもって往復払拭させ、第1のワイパブレード10が第1の反転位置A1に到達したときに間欠休止させる。第1のワイパモータ7は、ワイパスイッチ2が低速モード、洗浄モードに選択された際、第1のハイロー切換リレー71がオフされることにより常閉側端子ncを通じて第2のブラシ端子7bがローレベルにされるので、第1のワイパブレード10を低速で往復払拭させる。そして、第1のワイパモータ7は、ワイパスイッチ2が高速モードに選択された際、第1のハイロー切換リレー71がオンされることにより常開側端子noを通じて第3のブラシ端子7cがローレベルにされるので、第1のワイパブレード10を高速で往復払拭させる。
【0018】
第1の位置検出スイッチ11は、第1のワイパモータ7の出力軸に連結された可動接点11aと、接地された接地側固定接点11bと、電源に接続された電源側固定接点11cとをもつ。可動接点11aは、第1のワイパモータ7により第1のワイパブレード10が第1の反転位置A1に到達したときに電源側固定接点11cに接続され、第1の位置検出スイッチ11が位置検出信号を発生し、これに反して、第1のワイパブレード10が払拭途中にあって、第1の反転位置A1にないときに接地側固定接点11bに接続されて位置検出信号を発生しない。
【0019】
第1のポジションカウンタ12は、第1のワイパモータ7のアーマチュア軸7dに固定されたセンサマグネット12aと、センサマグネット12aの外周にセンサマグネット12aに非接触で配置されたホールIC12bとからなる。第1のポジションカウンタ12は、アーマチュア軸7dが回転することによって、ホールIC12bがパルス状の回転信号を発生し、その回転信号を第7の入力回路73を通じて第1のモータ位置カウンタ80に与える。
【0020】
第1のモータ位置カウンタ80は、第1のポジションカウンタ12より与えられた回転信号をカウントして第1のワイパブレード10の現在位置を検出する。第1のポジションカウンタ12が発生したカウント値は、第1のワイパブレード10の第1の反転位置A1から第2の反転位置B1までが予め定められた値に選ばれている。そして、図2及び図3に示されるように、第1のワイパブレード10と第2のワイパブレード16がオーバーラップする部分を干渉領域Zとしている。第1のワイパブレード10が第1の反転位置A1に到達すると、第1の位置検出スイッチ11より位置検出信号が与えられるため、カウント値がリセットされる。
【0021】
第2のワイパモータ13は、第1のブラシ端子13aが第2のモータ駆動回路74に、第2,第3のブラシ端子13b,13cが第2のハイロー切換リレー75の常閉側端子nc,常開側端子noにそれぞれ電気的に接続されている。そして、図示しない出力軸が第2のリンク14を介して第2のピボット軸14aに連結され、第2のピボット軸14aに、第2のワイパアーム15を介して第2のワイパブレード16が結合されている。 第2のワイパモータ13は、ワイパスイッチ2が間欠モードに選択された際、第2のハイロー切換リレー75がオフされることにより常閉側端子ncを通じて第2のブラシ端子13bがローレベルにされるのでアーマチュア軸13dが低速で回転され、第2のリンク14により、第2のワイパブレード16を図2に示される払拭面90の運転席側の第1の反転位置A2と第2の反転位置B2との間で低速でもって往復払拭させ、第2のワイパブレード16が第1の反転位置A2に到達したときに間欠休止させる。第2のワイパモータ13は、ワイパスイッチ2が低速モード、洗浄モードに選択された際、第2のハイロー切換リレー75がオフされることにより常閉側端子ncを通じて第2のブラシ端子13bがローレベルにされるので、第2のワイパブレード16を低速で往復払拭させる。そして、第2のワイパモータ13は、ワイパスイッチ2が高速モードに選択された際、第2のハイロー切換リレー75がオンされることにより常開側端子noを通じて第3のブラシ端子13cがローレベルにされるので、第2のワイパブレード16を高速で往復払拭させる。
【0022】
第2の位置検出スイッチ17は、第2のワイパモータ13の出力軸に連結された可動接点17aと、接地された接地側固定接点17bと、電源に接続された電源側固定接点17cとをもつ。可動接点17aは、第2のワイパモータ13により第2のワイパブレード16が第1の反転位置A2に到達したときに電源側固定接点17cに接続され、第2の位置検出スイッチ17が位置検出信号を発生し、これに反して、第2のワイパブレード16が払拭途中にあって、第1の反転位置A2にないときに接地側固定接点17bに接続されて位置検出信号を発生しない。
【0023】
第2のポジションカウンタ18は、第2のワイパモータ13のアーマチュア軸13dに固定されたセンサマグネット18aと、センサマグネット18aの外周にセンサマグネット18aに非接触で配置されたホールIC18bとからなる。第2のポジションカウンタ18は、アーマチュア軸13dが回転することによって、ホールIC18bがパルス状の回転信号を発生し、その回転信号を第9の入力回路77を通じて第2のモータ位置カウンタ83に与える。
【0024】
第2のモータ位置カウンタ83は、第2のポジションカウンタ18より与えられた回転信号をカウントして第2のワイパブレード16の現在位置を検出する。第2のポジションカウンタ18が発生したカウント値は、第2のワイパブレード16の第1の反転位置A2から第2の反転位置B2までが予め定められた値に選ばれている。そして、図2及び図3に示されるように、第1のワイパブレード10と第2のワイパブレード16がオーバーラップする部分を干渉領域Zとしている。第2のワイパブレード16が第1の反転位置A2に到達すると、第2の位置検出スイッチ17より位置検出信号が与えられるため、カウント値がリセットされる。
【0025】
第1,第2のモータ駆動回路70,74には、第1,第2のワイパモータ7,13に対する電流の供給方向を切換える第1,第2の正逆切換リレーが内蔵されている。第1,第2のモータ駆動回路70,74は、中央処理回路ECUに内蔵された第1,第2のPWM出力段79,82によるPWM制御でドライブされる。第1,第2の正逆切換リレーは、通常、オフのままで第1,第2のワイパモータ7,13の出力軸はそれぞれ一定方向に回転する。
【0026】
コントローラ6は、第1のポジションカウンタ12が発生した回転信号を用いて第1のワイパモータ7のパルスの周期時間が計測されるとともに、第2のポジションカウンタ18が発生した回転信号を用いて第2のワイパモータ13のパルスの周期時間が計測される。
【0027】
コントローラ6は、ワイパスイッチ2の間欠スイッチがオンされることによって間欠モードが選択されると、第1,第2のハイロー切換リレー71,75をそれぞれオフさせて常閉側端子nc,ncを通じて第1,第2のワイパモータ7,13のそれぞれの第2のブラシ端子7b,13bをそれぞれローレベルにし、第1,第2のワイパブレード10,16が第1の反転位置A1,A2に到達したときに間欠休止させる制御(Int制御)を実行する。
【0028】
コントローラ6は、ワイパスイッチ2の低速スイッチがオンされることによって低速モードが選択されると、第1,第2のハイロー切換リレー71,75をそれぞれオフさせて常閉側端子nc,ncを通じて第1,第2のワイパモータ7,13のそれぞれの第2のブラシ端子7b,13bをそれぞれローレベルにする低速制御(Lo制御)を実行する。
【0029】
コントローラ6は、ワイパスイッチ2の高速スイッチがオンされることによって高速モードが選択されると、第1,第2のハイロー切換リレー71,75をそれぞれオンさせて常開側端子no,noを通じて第1,第2のワイパモータ7,13のそれぞれの第3のブラシ端子7c,13cをそれぞれローレベルにする高速制御(Hi制御)を実行する。
【0030】
コントローラ6は、ワイパスイッチ2の洗浄スイッチがオンされることによって洗浄モードが選択されると、ウオッシャモータ5が作動されて図示しないウオッシャタンクに貯蔵されている洗浄液をノズルから払拭面90に向けて噴射させてから、第1,第2のハイロー切換リレー71,75をそれぞれオフさせて常閉側端子nc,ncを通じて第1,第2のワイパモータ7,13のそれぞれの第2のブラシ端子7b,13bをローレベルにする洗浄制御(Wa制御)を実行する。
【0031】
コントローラ6は、ワイパスイッチ2により、間欠モード、低速モード、洗浄モード、高速モードがそれぞれ選択されているときに、第1,第2のポジションカウンタ12,18が発生した回転信号を用いて計測されている第1,第2のワイパモータ7,13のそれぞれのパルスの周期時間が予め定められた第1の値を超えたら、助手席側の第1のワイパブレード10を第1の反転位置A1に停止させるため第1のワイパモータ7を制御するとともに、運転席側の第2のワイパブレード16を増速させるため第2のワイパモータ13に対するデューティを100
%にして増速制御する。そして、増速制御されている運転席側の第2のワイパモータ13のパルスの周期時間が予め定められた第2の値を下回るまでは、そのままの増速制御が続けられ、運転席側の第2のワイパモータ13のパルスの周期時間が予め定められた第2の値を下回り、且つ、第2のワイパブレード16が第1の反転位置A2に到達したところで、助手席側の第1のワイパモータ7への通電を再開させる制御を行う。つまり、コントローラ6は、高速走行時等に、第1,第2のワイパブレード10,16に当る風圧などによって負荷が大きくなり、第1,第2のワイパブレードの10,16の速度が遅くなったら、助手席側の第1のワイパブレード10を第1の反転位置A1で停止させるとともに、運転席側の第2のワイパブレード16を増速させ、その後に、運転席側の第2のワイパブレード16の速度が安定し、さらに、第2のワイパブレード16が第1の反転位置A2に到達したら、助手席側の第1のワイパブレード10の作動を再開して、2つの第1,第2のワイパブレード10,16の協調を図る制御を行う。
【0032】
コントローラ6は、ワイパスイッチ2の間欠スイッチ、低速スイッチ、高速スイッチ、洗浄スイッチがそれぞれ選択的にオンされているときにオフされると、停止モードを要求する停止要求制御を行う。また、コントローラ6は、ワイパスイッチ2の間欠スイッチ、低速スイッチ、高速スイッチ、洗浄スイッチがいずれもオフされていて、作動要求制御ではないときに停止制御を実行する。
【0033】
このようなワイパ制御装置1は、図4に示されるフローチャートにより制御動作が行われる。なお、フローチャート内では、第1のワイパ3に属するものをAsと称し、第2のワイパ4に属するものをDrと称す。
【0034】
プログラムが開始され、ワイパスイッチ2がオンされておらず、停止モードにあると、ステップ100において“ワイパスイッチの入力がない”と判別されるのでステップ101に移行し、ステップ101において“停止制御をセットする”が実行され、ループに戻る。
【0035】
ワイパスイッチ2の間欠スイッチがオンされると、ステップ100において“ワイパスイッチの入力がある”と判別されるのでステップ102に移行し、ステップ102において“第1,第2のハイロー切換リレー71,75をそれぞれオフする制御(Int制御)をセットする”が実行されてステップ103に移行し、ステップ103において“第1,第2のポジションカウンタ12,18が発生した回転信号を用いて第1,第2のワイパモータ7,13のそれぞれのパルスの周期時間を計測する”が実行されてステップ104に移行し、ステップ104において“負荷フラグはセットされていない”と判別されるので、ステップ105に移行し、ステップ105において、計測されている第1,第2のワイパモータ7,13のそれぞれのパルスの周期時間が第1の値を超えているか否かが判別される。このとき、第1,第2のワイパモータ7,13のそれぞれのパルスの周期時間が第1の値を超えていなければ、ステップ105からステップ106に移行し、“間欠の通常制御を行う”が実行されてループに戻るので、第1,第2のワイパモータ7,13のそれぞれの第2のブラシ端子7b,13bがローレベルにされて第1,第2のワイパモータ7,13のアーマチュア軸7d,13dが低速で回転され、第1,第2のワイパブレード10,16が払拭面90のそれぞれの第1の反転位置A1,A2とそれぞれの第2の反転位置B1,B2との間を低速でもってそれぞれ往復払拭され、第1,第2のワイパブレード10,16が第1の反転位置A1,A2にそれぞれ到達したときに間欠休止する。
【0036】
そして、第1,第2のワイパモータ7,13のそれぞれのパルスの周期時間が第1の値を超えると、ステップ105からステップ107へ移行し、ステップ107において“助手席側の第1のワイパブレード10を第1の反転位置A1で停止させる”が実行されてステップ108に移行し、ステップ108において“運転席側の第2のワイパモータ13に対し出力デューティ100%を与える”が実行されてステップ109に移行し、ステップ109において“負荷フラグをセットする”が実行されてループに戻るので、第1の反転位置A1に第1のワイパブレード10が到達したところで第1のワイパモータ7が停止され、運転席側の第2のワイパブレード16を増速させるため第2のワイパモータ13が増速制御される。そして、ステップ100、ステップ102、ステップ103から移行したステップ104において“負荷フラグはセットされている”と判別されるのでステップ110に移行し、ステップ110において、運転席側の第2のワイパモータ13のパルスの周期時間が第2の値を下回っているか否かが判別される。このとき、第2のワイパモータ13のパルスの周期時間が第2の値を下回っていなければループに戻るので、第1の反転位置A1に第1のワイパブレード10が停止したままで、第2のワイパブレード16が増速制御される。そして、第2のワイパモータ13のパルスの周期時間が第2の値を下回っていると、ステップ110からステップ111に移行し、ステップ111において運転席側の第2のワイパブレード16が第1の反転位置A2に到達したか否かが判別される。第2のワイパブレード16が第1の反転位置A2に到達していなければ、ループに戻って第1の反転位置A1に第1のワイパブレード10が停止したままで、第2のワイパブレード16の増速制御が継続される。そして、第2のワイパブレード16が第1の反転位置A2に到達してからステップ112に移行し、ステップ112において“助手席側の第1のワイパモータ7への通電を再開する”が実行されてステップ113に移行し、ステップ113において“負荷フラグをリセットする”が実行されてループに戻るので、第1のワイパブレード10が作動を再開され、第2のワイパブレード16は通常作動に復帰する。
【0037】
ワイパスイッチ2の低速スイッチがオンされると、ステップ100において“ワイパスイッチの入力がある”と判別されるのでステップ102に移行し、ステップ102において“第1,第2のハイロー切換リレー71,75をオフする低速制御(Lo制御)をセットする”が実行されてステップ103に移行し、ステップ103において“第1,第2のポジションカウンタ12,18が発生した回転信号を用いて第1,第2のワイパモータ7,13のそれぞれのパルスの周期時間を計測する”が実行されてステップ104に移行し、ステップ104において
“負荷フラグはセットされていない”と判別されるので、ステップ105に移行し、ステップ105において、計測されている第1,第2のワイパモータ7,13のそれぞれのパルスの周期時間が第1の値を超えているか否かが判別される。このとき、第1,第2のワイパモータ7,13のそれぞれのパルスの周期時間が第1の値を超えていなければ、ステップ105からステップ106に移行し、“低速の通常制御を行う”が実行されてループに戻るので、第1,第2のワイパモータ7,13のそれぞれの第2のブラシ端子7b,13bがローレベルにされて第1,第2のワイパモータ7,13のアーマチュア軸7d,13dが低速で回転され、第1,第2のワイパブレード10,16が払拭面90のそれぞれの第1の反転位置A1,A2とそれぞれの第2の反転位置B1,B2との間を低速でそれぞれ往復払拭する。
【0038】
そして、第1,第2のワイパモータ7,13のそれぞれのパルスの周期時間が第1の値を超えると、ステップ105からステップ107へ移行し、ステップ107において“助手席側の第1のワイパブレード10を第1の反転位置A1で停止させる”が実行されてステップ108に移行し、ステップ108において“運転席側の第2のワイパモータ13に対し出力デューティ100%を与える”が実行されてステップ109に移行し、ステップ109において“負荷フラグをセットする”が実行されてループに戻るので、第1の反転位置A1に第1のワイパブレード10が到達したところで第1のワイパモータ7が停止され、運転席側の第2のワイパブレード16を増速させるため第2のワイパモータ13が増速制御される。そして、ステップ100、ステップ102、ステップ103から移行したステップ104において“負荷フラグはセットされている”と判別されるのでステップ110に移行し、ステップ110において、運転席側の第2のワイパモータ13のパルスの周期時間が第2の値を下回っているか否かが判別される。このとき、第2のワイパモータ13のパルスの周期時間が第2の値を下回っていなければループに戻るので、第1の反転位置A1に第1のワイパブレード10が停止したままで、第2のワイパブレード16が増速制御される。そして、第2のワイパモータ13のパルスの周期時間が第2の値を下回っていると、ステップ110からステップ111に移行し、ステップ111において運転席側の第2のワイパブレード16が第1の反転位置A2に到達したか否かが判別される。第2のワイパブレード16が第1の反転位置A2に到達していなければ、ループに戻って第1の反転位置A1に第1のワイパブレード10が停止したままで、第2のワイパブレード16の増速制御が継続される。そして、第2のワイパブレード16が第1の反転位置A2に到達してからステップ112に移行し、ステップ112において“助手席側の第1のワイパモータ7への通電を再開する”が実行されてステップ113に移行し、ステップ113において“負荷フラグをリセットする”が実行されてループに戻るので、第1のワイパブレード10が作動を再開され、第2のワイパブレード16は通常作動に復帰する。
【0039】
ワイパスイッチ2の高速スイッチがオンされると、ステップ100において“ワイパスイッチの入力がある”と判別されるのでステップ102に移行し、ステップ102において“第1,第2のハイロー切換リレー71,75をオンする高速制御(Hi制御)をセットする”が実行されてステップ103に移行し、ステップ103において“第1,第2のポジションカウンタ12,18が発生した回転信号を用いて第1,第2のワイパモータ7,13のそれぞれのパルスの周期時間を計測する”が実行されてステップ104に移行し、ステップ104において
“負荷フラグはセットされていない”と判別されるので、ステップ105に移行し、ステップ105において、計測されている第1,第2のワイパモータ7,13のそれぞれのパルスの周期時間が第1の値を超えているか否かが判別される。このとき、第1,第2のワイパモータ7,13のそれぞれのパルスの周期時間が第1の値を超えていなければ、ステップ105からステップ106に移行し、“高速の通常制御を行う”が実行されてループに戻るので、第1,第2のワイパモータ7,13のそれぞれの第3のブラシ端子7c,13cがローレベルにされて第1,第2のワイパモータ7,13のアーマチュア軸7d,13dが高速で回転され、第1,第2のワイパブレード10,16が払拭面90のそれぞれの第1の反転位置A1,A2とそれぞれの第2の反転位置B1,B2との間を高速でそれぞれ往復払拭する。
【0040】
そして、第1,第2のワイパモータ7,13のそれぞれのパルスの周期時間が第1の値を超えると、ステップ105からステップ107へ移行し、ステップ107において“助手席側の第1のワイパブレード10を第1の反転位置A1で停止させる”が実行されてステップ108に移行し、ステップ108において“運転席側の第2のワイパモータ13に対し出力デューティ100%を与える”が実行されてステップ109に移行し、ステップ109において“負荷フラグをセットする”が実行されてループに戻るので、第1の反転位置A1に第1のワイパブレード10が到達したところで第1のワイパモータ7が停止され、運転席側の第2のワイパブレード16を増速させるため第2のワイパモータ13が増速制御される。そして、ステップ100、ステップ102、ステップ103から移行したステップ104において“負荷フラグはセットされている”と判別されるのでステップ110に移行し、ステップ110において、運転席側の第2のワイパモータ13のパルスの周期時間が第2の値を下回っているか否かが判別される。このとき、第2のワイパモータ13のパルスの周期時間が第2の値を下回っていなければループに戻るので、第1の反転位置A1に第1のワイパブレード10が停止したままで、第2のワイパブレード16が増速制御される。そして、第2のワイパモータ13のパルスの周期時間が第2の値を下回っていると、ステップ110からステップ111に移行し、ステップ111において運転席側の第2のワイパブレード16が第1の反転位置A2に到達したか否かが判別される。第2のワイパブレード16が第1の反転位置A2に到達していなければ、ループに戻って第1の反転位置A1に第1のワイパブレード10が停止したままで、第2のワイパブレード16の増速制御が継続される。そして、第2のワイパブレード16が第1の反転位置A2に到達してからステップ112に移行し、ステップ112において“助手席側の第1のワイパモータ7への通電を再開する”が実行されてステップ113に移行し、ステップ113において“負荷フラグをリセットする”が実行されてループに戻るので、第1のワイパブレード10が作動を再開され、第2のワイパブレード16は通常作動に復帰する。
【0041】
ワイパスイッチ2により間欠モード、低速モード、高速モードのいずれかが選択されていて、第1,第2のワイパブレード10,16が払拭作動中にワイパスイッチ2がオフされることによって停止要求モードが選択されると、ステップ100において“ワイパスイッチの入力がない”と判別されるのでステップ101に移行し、ステップ101において“停止要求の制御をセットする”が実行される。このとき、第1,第2のワイパブレード10,16がそれぞれの第1の反転位置A1,A2に戻っておらず、第1,第2の位置検出スイッチ11,17の可動接点11a,17aが電源側固定接点11c,17cからそれぞれ離れていて接地側固定接点11b,17bにそれぞれ接続されていると、第1,第2のワイパモータ7,13に対する通電経路が引き続き形成されて、第1,第2のワイパモータ7,13が作動を続ける。やがて、第1,第2のワイパブレード10,16が第1の反転位置A1,A2にそれぞれ到達すると、第1,第2の位置検出スイッチ11,17の可動接点11a,17aが電源側固定接点11c,17cにそれぞれ接続されることによって、第1,第2のワイパモータ7,13にアーマチュアショート電流が供給され、その結果、第1,第2のワイパモータ7,13のアーマチュア軸7d,13dが強制的に停止され、第1,第2のワイパブレード10,16が第1の反転位置A1,A2でそれぞれ停止する。
【0042】
上述したように、高速走行時等に、第1,第2のワイパブレード10,16に当る風圧などによって負荷が大きくなって第1のワイパブレード10および第2のワイパブレード16の速度が遅くなり、第1および第2のワイパモータのパルスの周期時間が予め定められた第1の値を越えたら、助手席側の第1のワイパブレード10を第1の反転位置A1で停止させるとともに、運転席側の第2のワイパブレード16を増速させ、第2のワイパモータ13のパルスの周期時間が第1の値よりも小さい予め定められた第2の値を下回るまで増速制御が続けられ、第2のワイパモータ13のパルスの周期時間が予め定められた第2の値を下回り、第2のワイパブレード16が第1の反転位置A2に到達したら、第1のワイパブレード10の作動を再開させる制御が行われるので、第1,第2のワイパブレード10,16は速度を協調されながら衝突することなく払拭作動を行う。
【0043】
【発明の効果】
以上説明してきたように、この発明に係るワイパ制御装置によれば、第1および第2のワイパモータのパルスの周期が予め定められた第1の値を越えて第1および第2のワイパブレードの速度が予め定められた速度より遅くなると、第1のワイパブレードが所定の反転位置で停止され、第2のワイパブレードを増速させるように第1、第2のワイパモータの制御が行なわれる。また、第2のワイパモータのパルスの周期が第1の値よりも小さい予め定められた第2の値よりも小さくなると、第2のワイパブレードが所定の反転位置に到達するのを待って、停止していた第1のワイパブレードの作動が再開されるように第1、 第2のワイパモータの制御が行なわれる。それ故、2つのワイパブレードは速度を協調されながら払拭作動を行う。よって、オーバーラップする2つのワイパブレードでの視界の確保を確実に行えるとともに、2つのワイパブレードを衝突させないように動かすことができるという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係るワイパ制御装置の一実施例の回路構成図である。
【図2】図1に示したワイパ制御装置においてのワイパブレードの往動時の動きを説明する概略図である。
【図3】図1に示したワイパ制御装置においてのワイパブレードの復動時の動きを説明する概略図である。
【図4】図1に示したワイパ制御装置において制御動作を説明するフローチャートである。
【符号の説明】
1 ワイパ制御装置
2 ワイパスイッチ
3 第1のワイパ
4 第2のワイパ
6 コントローラ
7 第1のワイパモータ
10 第1のワイパブレード
11 第1の位置検出スイッチ
12 (回転センサ)第1のポジションカウンタ
13 第2のワイパモータ
16 第2のワイパブレード
17 第2の位置検出スイッチ
18 (回転センサ)第2のポジションカウンタ
90 払拭面
A1,A2 第1の反転位置
B1,B2 第2の反転位置
Claims (3)
- 第1のワイパモータをもち、この第1のワイパモータにより払拭面を往復で拭う第1のワイパブレードをもつ第1のワイパと、
第2のワイパモータをもち、この第2のワイパモータにより前記第1のワイパブレードにオーバーラップ式に払拭面を往復で拭う第2のワイパブレードをもつ第2のワイパと、
前記第1、第2のワイパモータに電気的に接続され、該第1、第2のワイパモータに電流を供給するコントローラと、
前記コントローラに電気的に接続され、低速モード、高速モードがそれぞれ選択されるワイパスイッチを備えたワイパ制御装置であって、
前記第1および第2のワイパは、前記第1および第2のワイパモータの速度に比例したパルス信号を発生するそれぞれの回転センサを有し、
前記コントローラは、前記各回転センサが発生するパルスの周期が予め定められた第1の値を越えて前記第1および第2のワイパブレードの速度が予め定められた速度より遅くなったら、第1のワイパブレードを所定の反転位置で停止させるとともに、第2のワイパブレードを増速させるように第1、第2のワイパモータの制御を行うとともに、
前記第2のワイパモータのパルスの周期が前記第1の値よりも小さい予め定められた第2の値よりも小さくなったら、前記第2のワイパブレードが所定の反転位置に到達してから、所定の反転位置に停止している前記第1のワイパブレードの作動を再開させる制御を行うことを特徴とするワイパ制御装置。 - 第1のワイパブレードの作動が再開されると、第2のワイパブレードを増速制御から通常作動に復帰させる制御を行うことを特徴とする請求項1に記載のワイパ制御装置。
- 第1、第2のワイパモータには、第1、第2のワイパブレードが予め定められた反転位置に到達した際に位置信号を発生する第1、第2の位置検出スイッチがそれぞれ備えられていることを特徴とする請求項1、または2に記載のワイパ制御装置。
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